JP4838329B2 - 上路式吊床版橋の構築方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、橋梁の一形式である上路式吊床版橋、すなわちケーブルによって支持される薄いコンクリートの板状部材を(吊床版)をたわみが生じた状態で張架し、この吊床版上に支柱を立設して、その上に平坦な路面を形成するための上路桁を支持する橋梁の構築方法に関する。
上路式吊床版橋は、特許文献1に開示されているように、例えば、二つの対峙する橋台間に、薄いコンクリートの板状部材からなる吊床版を張架し、この上に支柱を立設して上路桁を支持するものである。吊床版はケーブルによって支持されて軸線方向にプレストレスが導入されており、活荷重の載荷等によって曲げ変形が生じてもひび割れが生じない程度に十分に薄い部材となっている。
一般に多く用いられている吊床版橋は、吊床版の上面に舗装を施して路面とするものであるが、この形式の橋梁では、吊床版のたわみによって路面に縦断勾配が生じる。このため、車両が通行する橋梁とすることは難しく、歩道橋等に限って採用されている。
これに対し、上路式吊床版橋では、上路桁を備えているので路面の縦断勾配を任意に設定することができ、汎用性が高いものとなる。また、吊床版の両端部を上路桁と連結し、吊床版に作用する引張力を上路桁に伝達して上路桁に圧縮力として作用させることもできる。これにより橋台又は橋脚に作用する水平方向の反力が低減され、完成系における橋台等の安定性を向上させることができる。
上路式吊床版橋は、一般に次のような工程によって構築される。
まず、対峙する二つの橋台等の間にケーブルを張架し、このケーブルに支持させて、プレキャストのコンクリート版を橋台間に配列する。そして、このコンクリート版の上に支柱を立設する。この支柱は、予めコンクリート版と一体に結合しておき、コンクリート版とともにケーブル上の所定位置に配置することによって、効率の良い施工が可能となる。支柱が設けられると、これらの頂部を連結する上路桁を形成する。この上路桁は、吊床版上に支保工を組み立て、現場打設のコンクリートで形成しても良いが、プレキャストコンクリートからなるセグメントを利用することによって工期を短縮することができる。
このような上路式吊床版橋は、一般的な桁橋と比べて断面が小さい部材で構築される。そのため、大きな架設機械等、つまり支保工、ケーブルクレーン、大型重機などを用いることなく、短い工期で施工ができるため、低コストで構築できるという利点を有するものである。
特願2000−33388号公報
しかしながら、上記のような上路式吊床版橋の構築には、次のような問題点がある。
橋台間にケーブルを張架し、このケーブルにコンクリート版を支持させるとともに、このコンクリート版上に支柱を立設した段階で、横方向の安定性が不充分となるおそれがある。つまり、たわみが生じた状態のケーブルによって支持されたコンクリート版及びその上に立設された支柱は横方向に揺れやすく、風等の自然現象による横揺れを拘束することが難しい。このため、架設中における構造系が不安定になり易い。
上路桁が形成され、支柱の頂部が連結されるとともに上路桁の両端が橋台又は橋脚に拘束されると上路桁の横方向の剛性によって十分な安定性が得られるが、上路桁が形成されるまでの施工段階で、横方向の安定を確保する手段が求められている。
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、上路式吊床版橋の架設中において、支柱の横方向の安定性を充分に確保し、安全にかつ低コストで上路式吊床版橋を構築することである。
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、 二つの対峙する橋台又は橋脚間にケーブルを張架し、 コンクリート版とその上に立設された支柱とからなるユニットの前記コンクリート版を前記ケーブルによって支持し、 前記橋台又は前記橋脚に隣接してケーブルに支持されたユニットについて、前記支柱の頂部と前記橋台又は橋脚の一方とを連結して前記支柱の頂部の横方向移動を拘束し、 さらに、拘束された前記ユニットに隣接した位置から順次に複数のユニットを前記ケーブルに沿って配列するとともに、配列されたユニットの支柱の頂部を隣接するユニットの支柱頂部に順次に連結して、新たに配列したユニットの支柱頂部の横方向移動を拘束し、 前記支柱上に支持され、対峙する二つの前記橋台又は橋脚上の位置間で連続する上路桁を形成し、 その後に、複数の前記コンクリート版間にコンクリートを打設して連続した吊床版とする工程を行うことを特徴とする上路式吊床版橋の構築方法を提供する。
この上路式吊床版橋の構築方法では、橋台又は橋脚に隣接してケーブルに支持されたユニットは、その支柱の頂部が橋台又は橋脚と連結されて横方向の揺れに対して安定した状態となる。さらに、このユニットに隣接して順次にケーブルに支持される他のユニットは、それぞれの支柱の頂部が順次に連結され、橋台又は橋脚によって横方向の変位が拘束される。したがって上路桁が形成される前の段階においてもユニットはケーブル上で横方向に安定した状態で支持される。
請求項2に係る発明は、 請求項1に記載の上路式吊床版橋の構築方法において、 前記支柱の頂部を連結する部材が、前記橋台又は橋脚から片持ち状に張り出して前記支柱の頂部の水平方向の変位を前記橋台又は橋脚に対して拘束するトラスを構成するものとする。
この方法では、それぞれの支柱の頂部を橋台又は橋脚と連結する部材がトラスを構成し、水平方向に大きな剛性を有するものとなる。そして、橋台又は橋脚から片持ち状に張り出して水平方向の力を橋台又は橋脚に伝達する。したがって、軽量の部材で横方向の変位を小さく抑えることが可能となり、支柱の横方向の安定性を向上させることができる。
請求項3に係る発明は、 請求項1又は請求項2に記載の上路式吊床版橋の構築方法において、 一端が、橋台の側方位置に設けられたアンカーブロックに定着され、他端は前記ケーブルに支持されたコンクリート版に固定された補助ワイヤを橋桁の軸線の両側に設け、該補助ワイヤは橋桁の軸線の両側へ配置したワイヤを1つの直線に沿った方向に張架して前記コンクリート版の横方向の変位を拘束するものとする。
この方法では、ケーブルに支持されたコンクリート版が、たわみを生じた状態のケーブルとともに横方向に揺れるのが抑制される。したがってユニットは支柱の頂部と下部のコンクリート版との双方で横方向に変位が抑制され、横方向の揺れに対する安定性が向上する。
以上説明したように本願に係る発明の上路式吊床版橋の構築方法では、ユニットの頂部を一方の橋台又は橋脚に連結し、連結した部材の剛性で横方向の変位を拘束することによっても揺れを抑制する。これにより、架設時の横方向への揺れを抑え、安定した状態で施工することができる。さらに頂部を橋台等に連結する部材を水平方向の力に抵抗するトラスとすることによって、軽量の部材でも横方向の安定性を有効に向上させることができる。
本願発明の一実施形態である方法によって構築される上路式吊床版橋の一例を示す概略側面図である。 図1に示す上路式吊床版橋の断面図である。 図1に示す上路式吊床版橋の端部の拡大図である。 図1に示す上路式吊床版橋を構築する工程を示す概略図である。 図1に示す上路式吊床版橋を構築する工程を示す概略図である。 図1に示す上路式吊床版橋を構築する工程において、吊床版及び上路桁が連結される端部ブロックを橋台に仮固定した状態を示す概略断面図である。 架設中におけるケーブルの定着状態を示す断面図である。 図1に示す上路式吊床版橋を構築する工程を示す概略図である。 図1に示す上路式吊床版橋を構築する工程を示す概略図である。 図1に示す上路式吊床版橋を構築するためのユニットを示す概略斜視図である。 図8に示す状態の概略平面図である。 ケーブルの横揺れを防止する補助ワイヤの張架状態を示す概略平面図である。 図9に示す状態の概略平面図である。 上路桁を形成するために用いるプレキャストコンクリートセグメントの概略斜視図である。 図1に示す上路式吊床版橋を構築する工程を示す概略図である。 図1に示す上路式吊床版橋を構築する工程を示す概略図である。 図1に示す上路式吊床版橋を構築する工程を示す概略図である。
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願に係る発明の一実施形態である方法によって構築された上路式吊床版橋の概略側面図である。また、図2は断面図、図3は端部の拡大図である。
この上路式吊床版橋は、二つの橋台1,2間に架設されたものであり、沓5、6を介して橋台1、2上に支持されたコンクリートの端部ブロック3,4と、これらの端部ブロック3、4間に張架された吊床版7と、この吊床版7上に立設された複数の支柱52と、前記端部ブロック3、4に連続するように形成された上路桁9と、で主要部が構成されている。
上記橋台1,2は、橋を架設する位置の強固な地盤29上に鉄筋コンクリートによって構築され、架設時にはアースアンカー10、11によって地盤29又は岩盤に強固に固定される。吊床版7および上路桁9が完成した後は、上記アースアンカー10、11は不要となり、撤去することもできるが、そのまま残してもよい。
上記沓5、6は、ゴム沓、鋳造された沓等を用いることができる。これらの沓5、6は、橋の軸線と直角方向の水平な軸線回りに回転が可能に桁を支持するものであり、桁の両端部を支持する沓5、6のうち、一方は橋の軸線方向の水平移動を拘束し、他方は移動を許容するものとなっている。橋の軸線と直角の方向への水平移動は、双方の沓5、6とも拘束するものである。
上記端部ブロック3,4は、現場打ちコンクリートで形成してもよいし、工場等であらかじめ製作されたプレキャストコンクリートとしてもよい。これらの端部ブロック3,4の上部には、図3に示すように、双方の間で連続する上路桁9が接合されており、下部には吊床版7が接合されている。そして、吊床版7を支持するケーブル12の両端部は、これらの端部ブロック3,4にそれぞれ定着されている。
上記吊床版7は、コンクリートの薄い板状部材であり、二つの端部ブロック3、4間で連続しており、たわみが生じた状態でケーブル12の引張力によって支持されている。この吊床版7は、工場又は現場近くの製作ヤードで作成された複数のプレキャストコンクリート版と、これらの間及びこれらのプレキャストコンクリート版と端部ブロック3、4との間を連結するように打設された現場打ちコンクリートとで形成されている。
上記ケーブル12は、複数の第1の鋼より線13と複数の第2の鋼より線14とを含むものであり、第1の鋼より線13は、図2に示すように、吊床版7の下面に形成された溝7a内に収容され、下側から吊床版7を支持するものとなっている。この第1の鋼より線13は、合成樹脂で被覆されたものが用いられており、端部には、鋼からなる管状の定着体15が圧着されている。この定着体15の外周面には、ねじ山が形成され、ナット17を螺号してコンクリートの端部ブロック3、4に定着することができるものである。
第2の鋼より線14は、吊床版7のコンクリート中に埋め込まれたシース内に挿通され、両端はやはり端部ブロック3、4に定着されている。
上記支柱52は、図1に示すように、吊床版7の上面から斜め上方に立ち上げられ、上路桁9を支持するように構成されている。そして、橋軸方向の互いに反対側へ傾斜する二本の支柱52a、52bが吊床版7のほぼ同じ位置から立ち上げられ、これらの支柱52は吊床版7と上路桁9とともにワレントラスを形成している。
上記上路桁9は、支柱52の頂部に支持されたプレキャストコンクリートからなるセグメント20と、これと一体となるように打設され、複数のプレキャストコンクリートセグメント間及びプレキャストセグメントと端部ブロック間を連続させる場所打ちコンクリートと、これらの上に場所打ちコンクリートで形成された床版21とで構成されている。そして、自重や活荷重による曲げモーメント及びせん断力に充分に耐えられるように鉄筋による補強がなされている。
次に、本願に係る発明の一実施形態であって、上記の上路式吊床版橋を構築する方法について説明する。
まず、図4に示すように、橋を架設する位置の両側にそれぞれ橋台1、2を構築する。この橋台1、2は、大きな水平方向の力に抵抗できるように、アースアンカー10、11によって地盤29又は岩盤に強固に固着する。そして、これらの橋台1、2上に沓5、6を介して端部ブロック3、4を形成し、これらを橋台1、2に仮固定する。端部ブロック3、4の仮固定は、図6に示すように、沓5、6の前方および側方に仮固定ブロック30、31、32、33を介挿し、鉛直方向の仮固定鋼材35、36で締め付ける。
二つの橋台1、2間には、図4に示すように、作業を容易にするための吊足場8を架け渡す。この吊足場8は、吊床版7の施工に用いられるものであり、吊床版7を設ける位置の下側に張架される。そして、この吊足場8の架設は、橋台1、2間にワイヤを張架し、橋台1、2間でたわみが生じた状態のワイヤに足場板を支持させるものである。また、双方の橋台1、2付近には反力台46、47をそれぞれ設け、これらの反力台46、47間に資材搬送用の天井ケーブル19を張設する。
その後、端部ブロック3、4間にケーブル12を張架する。ここで張架するケーブル12は、第1の鋼より線13のみであり、図7に示すように、端部ブロック3、4に埋め込まれたシース内に挿通され、両端部は鋼より線に圧着された定着体15にカプラー34で延長ケーブル37を継ぎ足しナット18によって、これを橋台1に定着する。これにより架設中にケーブル12から作用する反力を橋台1に負担させ、端部ブロック3には反力が作用しないようにしている。上記定着体15にはナット17が螺号されており、完成系において端部ブロック3、4に反力を負担させてケーブル12を定着する。
なお、橋台1の後部は、上記延長ケーブル37からの反力が作用したときに、橋台1の後部断面に過度の引張応力が生じないように、鉛直方向のPC鋼材38によって補強している。
次に、図4に示すように、一方の端部ブロック4から所定の長さで片持ち状に張り出すように上路桁の一部9aを形成する。上路桁のこの部分は、支保工上で鉄筋を組み立て、コンクリートを打設することによって形成する。その後、図5に示すように吊床版7を構成する所定長さのプレキャストコンクリート版とこの上面に接合された複数の支柱とからなるユニット50を門型クレーン28等によって吊り上げ、これを天井ケーブル19によって懸垂支持し、順次所定の位置に搬送してケーブル12上に配置する。一番目のユニット50は上記上路桁の端部ブロック4から張り出した部分9aと連結され、固定される。そして、図8に示すように順次配置されたユニット50は、先に配置されたユニット50と支柱の頂部が連結され、これらを連結する部材を介して一方の橋台2により横方向の変位が拘束される。
ここで、上記ユニット50を図10に基づいて説明する。
このユニット50は、工場又は架設現場の近くに設けられた製作ヤードで形成されたものであり、下部に吊床版7となるプレキャストコンクリート版51を有し、鋼管からなる4本の支柱52が該プレキャストコンクリート版51の上面から斜め上方に立ち上げられている。これらの鋼管は、橋梁の軸線方向及び幅方向に先端の間隔が下端より開くように設けられており、それぞれの上端部は、互いに仮固定部材53によって連結され、相対的に位置が変動しないように拘束されている。また、支柱52の下部はプレキャストコンクリート版51に埋め込まれたアンカー(図示せず)によって強固に固着され、コンクリート版51と支柱52との相互間で確実に力が伝達されるようになっている。なお、図10中の符号54は、支柱を連結するためにプレキャストコンクリート版上に設けられた凸状部、符号55はプレキャストコンクリート版の支柱との接合部を補強するための横桁である。
さらに上記ユニット50の上部には、橋梁の軸線方向に張り出すように2本の鋼型材56、57が平行に取り付けられ、支柱52の頂部と端部ブロック4から張り出した部分9aとを連結する部材又は隣り合うユニットの支柱頂部を連結する部材となっている。この鋼型材56、57は、隣接するユニット50と連結したときに橋梁の軸線方向に連続し、レール状部材として機能するものである。
図11は、ケーブル12上にユニット50を配列した状態を示す平面図であって、図8に示す状態を上方から見た図である。この図に示されるように、ユニット50の上部に設けられた鋼型材56、57をユニット50間で連結し、2本の鋼型材56、57間には斜め方向に斜め連結材58を設けて水平方向のトラスを形成している。これにより、ユニット50に作用する水平力は上記トラスの剛性によって橋台2に伝達され、横方向の変位を拘束して揺れを抑制することになる。
上記ユニット50をケーブル12上の所定の位置に配置すると、支柱頂部の横方向への変位を拘束するために、橋梁の軸線の両側へサイドワイヤ40を張架する。サイドワイヤ40は、図11に示すように、橋台1、2の側方に設けられたアンカーブロック41、42、43、44に一端を結合し、他端を支柱52の頂部に連結している。そして、両側へ張力を導入することによって支柱頂部の横方向への変位を拘束するものとなっている。これらのサイドワイヤ40は、一方の橋台の側方両側に設けられた二つのアンカーブロックから張架するものであってもよいが、図11に示すように、両岸の側方から、つまり4方から張架するものであるのが望ましい。また、サイドワイヤ40はユニット50のそれぞれに対して張架するものであってもよいが、連結された複数のユニット50毎に張架し、これらをまとめて横方向の変位を拘束するものとしてもよい。
なお、アンカーブロック41、42、43、44は、サイドワイヤ40の引張力に抵抗できるようにグランドアンカー45によって地盤29に強固に固着するものであり、上路桁9が設けられる高さとほぼ同じ高さに設ける。
さらに、たわみが生じた状態のケーブル12及びこれに支持されたプレキャストコンクリート版51が横方向に揺れるのを拘束するための補助ワイヤ60を張架する。この補助ワイヤ60は、図8及び図12に示すように、たわみが生じたケーブル12のほぼ最下点に連結して両側方にそれぞれ張架するものであり、一方に張架されたワイヤ60aは、橋台1、2の側方でケーブル12の最下点より下方に設けたアンカーブロック63に他端を結合する。他方のワイヤ60bは、反対側の橋台の側方で上路桁9とほぼ同じ高さに設けたアンカーブロック42に結合する。そして、両側のワイヤ60a、60bは、ほぼ同一直線上にあるように張架する。これにより、ケーブル12及びプレキャストコンクリート版51の側方への変位を拘束するとともに、プレキャストコンクリート版51には上下方向への力がほとんど作用しないようにしている。
なお、この実施形態では補助ワイヤ60は、両側方へそれぞれ一本のみを張架するものであるが、必要に応じて他の方向へも併せて張架することもできる。
このようにして、ユニット50を順次固定しながら配置し、図9に示すように全ユニットの配置が完了すると、第2の鋼より線14をユニット50下部のプレキャストコンクリート版51に埋め込まれたシース内に挿通し、その両端を端部ブロック3、4に定着する。この第2の鋼より線14の両端には前記第1の鋼より線と同じように定着体(図示せず)が固着されており、この定着体に形成されたねじ山にナットを螺合してコンクリートに定着することができるものとなっている。
図9及び図13に示すようにすべてのユニット50がケーブル12上の所定の位置に配列され、全てのユニット50の頂部が連結されるとユニット上部に1対のレール状部材56’、57’が完成する。このレール状部材56’、57’を使用して、図14に示すような上路桁9を形成するためのプレキャストコンクリートセグメント20を送り出す。このとき、送り出しが容易となるように、レール状部材56’、57’の上にローラなどの転動体を有する送り装置(図示せず)を載置し、搬送用鋼架台22を介してプレキャストコンクリートセグメント20をこの送り装置に支持させてレール状部材56’、57’の上を搬送する。
上記プレキャストコンクリートセグメント20は、図14に示すように、橋軸方向の剛性を大きくするための主桁部23と、橋軸に沿って左右に設けられた二つの主桁部を連結する横桁部24とを有している。主桁部23は、ユニットの支柱上端が接合される位置の底部に開口23aを有し、橋軸方向に長い箱形部材となっており、両端は隣接して配置されるプレキャストコンクリートセグメント20’と接合するための鉄筋(図示しない)が突き出している。
図15に示すように、全てのプレキャストコンクリートセグメント20がレール状部材に沿って送り出され、所定の位置に配置されると、プレキャストコンクリートセグメント間20a及びプレキャストコンクリートセグメントと現場打ちコンクリートによって既に形成されている上路桁9a又は端部ブロック3との間にコンクリートを打設して相互間を連結する。さらに、主桁部23上及び二つの主桁部間にコンクリートを打設して床版21を形成し、二つの端部ブロック3、4間で連続した上路桁9とする。
上記床版21の形成は次のように行う。
配列されたプレキャストコンクリートセグメント20上に、プレテンショニング方式でプレストレスが導入されたコンクリート板を敷き並べ、この上で鉄筋を組み立てる。そして、このコンクリート板を型枠とし、一体となるようにコンクリートを打設する。つまり、プレストレスが導入されたコンクリートパネルが床版の一部となる。
上記のような工程で床版21を形成することによって、床版のコンクリートを打設するための型枠の設置及び撤去する工程を省略することができ、工期の短縮が可能となる。
上記にようにして上路桁9が構築され、図16に示すように2つの端部ブロック3、4間で連続する上路桁9が形成されると、この上路桁9が大きな横方向の剛性を有するものとなり、横方向への変位及び揺れは著しく低減され、架設中の横方向への変位を拘束するために張架したサイドワイヤ40および補助ワイヤ60を撤去することができる。また、ユニット50間を連結していたレール状部材56’、57’も撤去することができる。さらに、架設のために使用した天井ケーブル19および門型クレーン28等も撤去する。
続いて、ケーブル12(第1の鋼より線13)に支持されたコンクリート版51を連結して端部ブロック3、4間で連続する吊床版7とする。この工程は、まず隣り合うユニット50のプレキャストコンクリート版51の間を連結するようにコンクリートを打設し、該プレキャストコンクリート版51を連結する。その後、両端部ブロック3、4と該プレキャストコンクリート版51との間にコンクリートを打設する。そして、現場で打設したコンクリートが硬化して吊床版7が端部ブロック3、4間で連続した後、先にプレキャストコンクリート版51中のシース内に挿通した第2の鋼より線14を緊張して吊床版7に軸線方向のプレストレスを導入する。なお、この第2の鋼より線14は端部ブロック3、4に定着する。
次に、第1の鋼より線13に接続された延長ケーブル37を橋台1、2に係止していたナット18をゆるめ、第1の鋼より線13の端部の定着体15に螺号されたナット17によって第1の鋼より線13の引張力を端部ブロック3、4に負担させる。これにより、第1の鋼より線13の反力は橋台1、2から端部ブロック3、4に移行し、端部ブロック3、4から上路桁9に軸力として伝達される。これにより、図17に示すような両端部が単純支持された吊床版桁となる。つまり、吊床版7に作用する引張力と上路桁9に作用する圧縮力とが相殺され、橋台1、2には水平力が作用しない、いわゆる自碇化された構造系となる。
その後、上路桁7の上に舗装71を施し、高欄72を取り付けて上路式吊床版橋が完成する。
1、2 橋台
3、4 端部ブロック
5、6 沓
7 吊床版
7a 吊床版の溝
8 吊足場
9 上路桁
10、11 アースアンカー
12 ケーブル
13 第1の鋼より線
14 第2の鋼より線
15 定着体
17、18 ナット
19 天井ケーブル
20 プレキャストコンクリートセグメント
21 床版
22 搬送用鋼架台
23 主桁部
23a 主桁部の開口
24 横桁部
28 門型クレーン
29 地盤
30、31、32、33 仮固定ブロック
34 カプラー
35、36 仮固定鋼材
37 延長ケーブル
38 PC鋼材
40 サイドワイヤ
41、42、43、44 アンカーブロック
45 グランドアンカー
46、47 反力台
50 ユニット
51 プレキャストコンクリート版
52 支柱
53 仮固定部材
54 凸状部
55 横桁
56、57 鋼型材
56’、57’ レール状部材
58 斜め連結材
60 補助ワイヤ
63 アンカーブロック
71 舗装
72 高欄



Claims (3)

  1. 二つの対峙する橋台又は橋脚間にケーブルを張架し、
    コンクリート版とその上に立設された支柱とからなるユニットの前記コンクリート版を前記ケーブルによって支持し、
    前記橋台又は前記橋脚に隣接してケーブルに支持されたユニットについて、前記支柱の頂部と前記橋台又は橋脚の一方とを連結して前記支柱の頂部の横方向移動を拘束し、
    さらに、拘束された前記ユニットに隣接した位置から順次に複数のユニットを前記ケーブルに沿って配列するとともに、配列されたユニットの支柱の頂部を隣接するユニットの支柱頂部に順次に連結して、新たに配列したユニットの支柱頂部の横方向移動を拘束し、
    前記支柱上に支持され、対峙する二つの前記橋台又は橋脚上の位置間で連続する上路桁を形成し、
    その後に、複数の前記コンクリート版間にコンクリートを打設して連続した吊床版とする工程を行うことを特徴とする上路式吊床版橋の構築方法。
  2. 前記支柱の頂部を連結する部材が、前記橋台又は橋脚から片持ち状に張り出して前記支柱の頂部の水平方向の変位を前記橋台又は橋脚に対して拘束するトラスを構成することを特徴とする請求項1に記載の上路式吊床版橋の構築方法。
  3. 一端が、橋台の側方位置に設けられたアンカーブロックに定着され、他端は前記ケーブルに支持されたコンクリート版に固定された補助ワイヤを橋桁の軸線の両側に設け、該補助ワイヤは橋桁の軸線の両側へ配置したワイヤを1つの直線に沿った方向に張架して前記コンクリート版の横方向の変位を拘束することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の上路式吊床版橋の構築方法。

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