JP4838189B2 - 車両用自動変速機のシフトレバーロック装置 - Google Patents
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Description
パーキングロックでは、シフトレバーがパーキングレンジに位置する際、シフトロックによりシフトレバーの操作をパーキングレンジに規制する。フットブレーキの踏込み操作に伴い、シフトレバーのロックが解除され、シフトレバーのシフト操作を可能にする。この後、車両の発進を可能にし、パーキングレンジからの不用意なシフト操作で車両が急発進しないようにしている。
シフトレバーのロック解除時、ソレノイドに通電することで、ソレノイドとブラケット部とを一緒に回動させている。これにより、カムリンクとストッパリンクとが連動して回動するため、シフトレバーがストッパリンクのストッパ面に当接することなく通過し、ドライブレンジへのシフト操作が可能となる。
特許文献2でも、押圧ピンをカムリンクの傾斜面に押付けた時、押圧ピンの押付け方向と垂直となる平面内でカムリンクを回動させる構成のため、カムリンクの円滑な回動が妨げられる虞がある。カムリンク、ストッパリンクやソレノイド、ソレノイドリンクをはじめ、第1支軸、第2支軸、トーションスプリングおよび復帰スプリングによる不安定な支持構造が必要となり、部品点数が増加して構造が複雑化する。
車室内にシフト操作可能に設けられたシフトレバーには、シフト操作に連動する可動子が設けられている。可動子は、シフトレバーに対して任意の方向に変位可能に設けられ、弾性部材により外方へ付勢されている。摺動ケーシングは、可動子に近接して配置され、自動変速機のシフトレンジに対応する谷部と山部とにより凹凸状に起伏する面部を有する。シフトレバーのシフト操作に伴って、可動子が弾性部材を撓ませながら谷部と山部とを横切るように、摺動ケーシングの面部を摺動する。
シフトレンジのうち、所定のレンジ位置に対応する谷部の傾斜面を可動子に対して出没変位可能なリンク部材が設けられている。リンク部材は、傾斜面を没入させて谷部に生じた縦壁部に可動子を当接させるロック位置と、傾斜面を出現させて可動子を傾斜面に摺動可能にさせるアンロック位置との間で変位する。
電磁ソレノイドは、リンク部材を当接させており、通電に伴い発生する電磁力によりアンロック位置でリンク部材を吸着保持し、可動子を傾斜面に摺動させて所定のレンジ位置から他のシフトレンジへのシフト操作を許す。電磁ソレノイドの無通電時、ロック位置でリンク部材を離間させることにより出現した縦壁部に可動子を当接させてシフト操作を止める。
すなわち、リンク部材と電磁ソレノイドとは当初から当接しているので、電磁ソレノイドへの通電に伴うロック解除時、リンク部材は電磁ソレノイドに当たることがなくなり、打音を発生することがない。
可動子の取付位置は、シフト操作時におけるシフトレバーの変位を伝えることができる箇所であればよいので、可動子および摺動ケーシングの取付位置に高い任意性があり、設計に大きな自由度が得られる。
リンク部材には、リンク部材をアンロック位置の方向に付勢する付勢部材が取付けられている。弾性部材の弾性力を付勢部材の付勢力よりも大きく、かつ付勢部材の付勢力と電磁ソレノイドの電磁力との総和よりは小さく設定する。
電磁ソレノイドの通電時、付勢部材の付勢力と電磁ソレノイドの電磁力により傾斜面をアンロック位置に保持し、可動子が傾斜面を摺動して所定のレンジ位置から他のシフトレンジへのシフト操作を許す。
電磁ソレノイドの無通電時、シフトレバーのシフト操作に伴って可動子が付勢部材の付勢力に抗して傾斜面を押圧により没入させ、可動子の外側面部が縦壁部に当接してシフト操作を止める。
弾性部材は、圧縮コイルスプリングであるため、弾性部材が比較的簡素な構造となるとともに、入手し易く調達が容易となる。
可動子は、横断面が円弧状の背部と背部の下端部を平坦にして上方にカールさせた弧状の腹部とから一体に形成され、弾性部材を兼ねる板ばねである。
可動子が弾性部材を兼ねるため、部品点数の削減によりコスト的に有利になる。とりわけ、可動子の背部は、横断面が円弧状のため曲げ変形し難く、腹部は平坦な下端部をカールさせたため、撓み変形し易くなり可動子として好適である。
可動子は、上端部が波状の撓みばね部と下端部が弧状の胴体部とから一体に形成された略U字状の板ばねである。
この場合も、請求項4と同様に、可動子が弾性部材を兼ねるため、部品点数の削減によりコスト的に有利になる。
可動子は、シフトレバーの操作方向に対して略直角となるように設定され、摺動ケーシングの凹凸状の面部は、シフトレバーの操作方向に対して略平行となるように設定されている。
このシフトレバーロック装置1は、例えばストレートタイプになっている。変速操作入力部1Aには、先端部にグリップ1Bを有するシフトレバー1Cが支軸2を中心に略垂直面内に回動操作可能に取付けられている。シフトレバー1Cは、例えばPレンジ(パーキングレンジ)、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、2速レンジおよびLレンジの各レンジ位置にシフト操作される。この場合、径大な頭部状のグリップ1Bの一部を突出側1Dとして車両の進行方向Mに指向させて、シフト操作時にグリップ1Bの突出側1Dに手指が掛かり易くしている。
すなわち、シフトレンジを変える毎に、ホルダー3内の可動子4が圧縮コイルスプリング5を撓ませながら山部6bを乗り越えて、隣接する谷部6aに圧縮コイルスプリング5の弾性力Pfにより拘束される。
リンク部材7の横桟部7aと摺動ケーシング6の基底脚部6eとの間には、圧縮コイルスプリングSが付勢部材として設けられ、リンク部材7を上方のアンロック位置の方向に付勢している。
電磁ソレノイド12の無通電時、リンク部材7は、圧縮コイルスプリングSの付勢力Rfにより上方に付勢されて横桟部7aの作動プレート13を電磁ソレノイド12の吸引面部12aに当接させている(図2の二点鎖線参照)。
可動子4の取付位置は、シフト操作時におけるシフトレバー1Cの変位を伝えることができる箇所であればよいので、可動子4および摺動ケーシング6の取付位置に高い任意性があり、設計に大きな自由度が得られる。
この場合、ホルダー3を変速操作入力部1Aと支軸2との間に位置させているが、シフトレバー1Cの支軸2より下端部分に設けてもよい。
板ばね製の可動子14は、横断面が円弧状の背部14aと、背部14aの下端部を平坦にして上方にカールさせた弧状の腹部14bとから成る。背部14aをパーキングレンジにおける谷部6aの縦壁部6fに対応させ、腹部14bの下端面部を押圧部として傾斜面6cに対応させている。
なお、図6の(b)に実施例3の変形例として示すように、可動子14の腹部14bにスリット14cを形成し、腹部14bが弾性変形し易いようにしてもよい。スリット14cの代わりに、孔部や切欠きを設けてもよく、腹部14bをフォーク部あるいは多数の小孔を有する多孔板により形成してもよい。
板ばね製の可動子15は、上端部が波状の撓みばね部15aと、下端部が弧状の胴体部15bとから一体に形成されている。胴体部15bの外側面部を谷部6aの縦壁部6fに対応させ、胴体部15bの下端面部を押圧部として傾斜面6cに対応させている。
実施例4でも可動子15は、実施例1の圧縮コイルスプリング5を兼用するため、実施例3と同様に部品点数を削減できてコスト的に有利である。
摺動ケーシング6の湾曲形状は、シフトレバー1Cのシフト操作に伴って可動子4の押圧部4aが描く円弧状の軌跡Kに合致している。このため、ホルダー3の可動子4は、摺動ケーシング6の凹凸状の上面部に略直角状態に指向している。すなわち、可動子4の向きは、摺動ケーシング6における山部6bの深さ方向および谷部6aの突出方向と略平行になっている。
(b)摺動ケーシング6の谷部6aおよび山部6bから成る凹凸形状のピッチ幅や高さ寸法は、実装する仕様に応じて種々変更することができる。
(d)リンク部材7は、横桟部7a、作動脚部7bおよび支持脚部7cから略コ字状に形成したが、支持脚部7cを省略した略L字状をなしてもよい。
(e)可動子4、14、15によりシフト操作のロックを行う対象は、所定のレンジ位置としてPレンジに設定したが、RレンジやNレンジであってもよい。
1C シフトレバー
3 ホルダー
4、14、15 可動子
4a 押圧部
4b 可動子の外側面部
5 圧縮コイルスプリング(弾性部材)
6 摺動ケーシング
6a 谷部
6b 山部
6c 傾斜面
6f 縦壁部
7 リンク部材
12 電磁ソレノイド
14a 可動子の背部
14b 可動子の腹部
15a 可動子の撓みばね部
15b 可動子の胴体部
S 圧縮コイルスプリング(付勢部材)
Rf 圧縮コイルスプリングの付勢力
Pf 圧縮コイルスプリングの弾性力
Mf 電磁ソレノイドの電磁力
Claims (6)
- 車室内にシフト操作可能に設けられたシフトレバーと、
前記シフトレバーにシフト操作と連動するように、前記シフトレバーの任意の方向に変位可能に設けられ、弾性部材により前記シフトレバーの外方へ付勢された可動子と、
前記可動子に近接して配置され、自動変速機のシフトレンジに対応する谷部と山部とにより凹凸状に起伏し、前記シフトレバーのシフト操作に伴って、前記可動子が前記弾性部材を撓ませながら前記谷部と前記山部とを横切るように摺動する面部を有する摺動ケーシングと、
前記シフトレンジのうち、所定のレンジ位置に対応する前記谷部の傾斜面を前記可動子に対して出没変位可能に設け、前記傾斜面を没入させて前記谷部に生じた縦壁部に前記可動子を当接させるロック位置と前記傾斜面を出現させて前記可動子を前記傾斜面に摺動可能にさせるアンロック位置との間で変位するリンク部材と、
前記リンク部材を当接させるとともに、通電に伴い発生する電磁力により前記アンロック位置で前記リンク部材を吸着保持し、前記可動子を前記傾斜面に摺動させて前記所定のレンジ位置から他の前記シフトレンジへのシフト操作を許し、前記ロック位置で無通電状態となって前記リンク部材を離間させることにより出現した前記縦壁部に前記可動子を当接させてシフト操作を止める電磁ソレノイドとを備えたことを特徴とする車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。 - 前記リンク部材には、前記リンク部材を前記アンロック位置の方向に付勢する付勢部材が取付けられており、
前記弾性部材の弾性力を前記付勢部材の付勢力よりも大きく、かつ前記付勢部材の前記付勢力と前記電磁ソレノイドの前記電磁力との総和よりは小さく設定し、
前記電磁ソレノイドの通電時、前記付勢部材の前記付勢力と前記電磁ソレノイドの前記電磁力により前記傾斜面を前記アンロック位置に保持し、前記可動子が前記傾斜面を摺動して前記所定のレンジ位置から他の前記シフトレンジへのシフト操作を許し、
前記電磁ソレノイドの無通電時、前記シフトレバーのシフト操作に伴って前記可動子が前記付勢部材の前記付勢力に抗して前記リンク部材の前記傾斜面を押圧により没入させ、前記可動子の外側面部を前記縦壁部に当接させてシフト操作を止めることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。 - 前記弾性部材は、圧縮コイルスプリングであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。
- 前記可動子は、横断面が円弧状の背部と前記背部の下端部を平坦にして上方にカールさせた弧状の腹部とから一体に形成され、前記弾性部材を兼ねる板ばねであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。
- 前記可動子は、上端部が波状の撓みばね部と下端部が弧状の胴体部とから一体に形成された略U字状の板ばねであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。
- 前記可動子は、前記シフトレバーの操作方向に対して略直角となるように設定され、前記摺動ケーシングの前記凹凸状の面部は、前記シフトレバーの操作方向に対して略平行となるように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。
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