JP4836710B2 - マイクロサテライト不安定性細胞の検出方法及びキット - Google Patents

マイクロサテライト不安定性細胞の検出方法及びキット Download PDF

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Description

本発明は、癌診断に有用な、遺伝子発現分析に基づくマイクロサテライト不安定性を有する細胞の検出方法に関する。
ヒトゲノムプロジェクトによって明らかになった驚くべき知見の1つに、ヒトゲノムに含まれる遺伝子数はかつて予測されていたよりもかなり少なく25,000個程度しかないという報告がある。この遺伝子数はより下等な生物と比べてもそれほど差異がなく、ヒトにおける複雑な脳システムや免疫系の機能を説明するには不十分である。そこで、高等動物における複雑な生体機能においては、1つの遺伝子からの多様な発現機構が重要な役割を果たしていると考えられるようになってきた。
1つの遺伝子からのmRNA及びタンパク質の発現の多様性は、主として、mRNA転写又はRNAプロセシングの段階における選択的プロモーターの利用又は選択的スプライシングによって制御されている(非特許文献1参照)。選択的スプライシングとは、mRNA前駆体に複数のイントロンが存在する場合に、一般的には互いに隣り合ったスプライス部位間で行われるスプライシング反応が様々なスプライス部位間で生じることにより、1つのmRNA前駆体から複数種の成熟mRNA(スプライシングバリアント)が産生される機構のことである。一方、選択的プロモーターとは、1つの遺伝子の転写を制御する選択的な複数のプロモーターの存在を意味する。選択的プロモーターが存在する場合、その遺伝子には複数の転写開始点が存在することになるため、結果として異なる5'末端配列を有する複数種の転写産物が生成される。最近では、オリゴキャップcDNAライブラリーに含まれる1,780,295種類の完全長cDNA配列に基づいて検索を行った結果、米国NCBIのRefSeqデータベース(http://ncbi.nih.gov/RefSeq/;転写産物に関するデータベース)に登録されている遺伝子のうち約52%の遺伝子が選択的プロモーターの制御下にあり、1遺伝子につき平均3.1個の選択的プロモーターが存在することになるという驚くべき報告も為されている(非特許文献2参照)。このような1つの遺伝子からの多様な発現により、進化の過程では生物の多様性や複雑な生体機能が産み出されたが、その一方で、個体内での異常タンパク質の産生やタンパク質自体の欠失をもたらし、その結果として細胞の癌化を誘発する場合があることも知られている(非特許文献3参照)。
遺伝性非ポリポーシス大腸癌(Hereditary non-poliposis colorectal cancer; HNPCC)については、1993年から1995年にかけて単離されたミスマッチ修復に関わる各種遺伝子の発見により、その遺伝学的理解が飛躍的に進んだ。ミスマッチ修復機構とは、DNA複製や遺伝的組換えの際にDNAに生じた異常な塩基対合(ミスマッチ)を認識し、これを除去し修復する機構である。家族性腫瘍の中でも最も代表的な疾患の一つであるHNPCCでは、その90%以上のケースで、ミスマッチ修復系の欠損を反映する結果としての腫瘍組織のDNAにおけるマイクロサテライト不安定性(Microsatellite instability; MSI)が陽性となることが知られている(非特許文献4参照)。マイクロサテライトとは、2〜5塩基対の反復単位が数個から数十個繰り返した反復配列であり、その不安定性とは、これらの反復数が異常に少なくなる現象を言う。MSIは、通常、PCR法を用いたマイクロサテライトマーカー(BAT25、BAT26、D2S123、D5S346、D17S250等)のアッセイによって検出することができる。そのためMSIの検出は、HNPCC診断の際の一助ともなっている(非特許文献5参照)。さらに、1997年のMSI検出に関する国際コンセンサス会議において、これらのマーカーの2つ以上において不安定性が検出される腫瘍がMSI-H(腫瘍において30%以上のMSIが検出される状態)と定義され、臨床病理的な特徴を有すると判断された。
癌の遺伝子診断は、原因遺伝子の変異解析の成果に基づくことが多い。しかしながら、家族性大腸腺腫症(Familial adenomatous polyposis; FAP)の原因遺伝子であるAPC遺伝子などとは異なり、HNPCCの場合には原因遺伝子が5つ(hMSH2、hMLH1、hPMS1、hPMS2、及びhMSH6)も同定されているが、それらの原因遺伝子に変異がある場合に発症する割合(浸透率;penetrance rate)も100%ではないことから、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の分類でも、上記原因遺伝子の変異に基づくHNPCCの遺伝子診断は現時点ではまだ臨床レベルではなく研究レベルにあるものと位置付けられている。そのhMLH1などの癌関連遺伝子については、そのゲノム上の遺伝子変異やメチル化を検出し、それを指標として癌を検出する方法も提案されているが(特許文献1及び2)、疾患カバー率があまり高くなく、また簡便さ及び迅速性の面でも問題が残る。そこで、HNPCCを初めとする癌の診断に有用な、簡便かつ高い信頼性の高い細胞検査法の開発がなおも求められている。癌発症を判断できる遺伝子発現レベルでの細胞検査法が開発されれば、検査時点での細胞の遺伝子発現状態を確認できることから、細胞の変異をリアルタイムで検査でき、有用と思われる。しかしそのような有用な検査法は未だ開発されていない。
特開2005−304497号公報 特表2002−533061号公報 Landry J.R. et al., Trends in Genetics, (2003) 19(11) p.640-648 Kimura K. et al., Genome Research, (2006) 16: p,55-65 Brinkman B.M., Clin. Biochem., (2004) 37(7): p.584-594 Liu B. et al., Nature Med., (1996) 2: p.169-174 Laiho P. et al., Cancer Research, (2002) 62: p.1166-1170 Deng G. et al., Cancer Research, (1999) 59: p.2029-2033
本発明は、癌診断に有用な、遺伝子発現分析に基づく細胞の検査方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ヒトMLH1遺伝子(hMLH1遺伝子)から少なくとも3種類の転写産物バリアント(バリアント1、バリアント2、バリアント3)が発現されること、さらに、マイクロサテライト不安定性を示す癌細胞では、そのうちの主たる転写産物であるバリアント1よりもバリアント3の発現量が相対的に増加していることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] 生体試料において、配列番号1で示される塩基配列を5'末端に含むヒトMLH1遺伝子の転写産物、及び配列番号2で示される塩基配列を5'末端に含むヒトMLH1遺伝子の転写産物の発現量を測定し、配列番号1で示される塩基配列を5'末端に含むヒトMLH1遺伝子の転写産物の発現量よりも配列番号2で示される塩基配列を5'末端に含むヒトMLH1遺伝子の転写産物の発現量が高い場合にマイクロサテライト不安定性を示す大腸癌細胞の存在が示されたものと判定することで、マイクロサテライト不安定性を示す大腸癌細胞を検出することを特徴とする、遺伝子発現分析方法。
この方法では、リアルタイムPCR法を用いて転写産物の発現量を測定することができる。リアルタイムPCR法を用いた測定は、TaqMan(登録商標)プローブ法により好適に行うことができる。
本発明の方法では、以下の(a)及び(b)のプライマー対を用いて測定を行うことも好ましい。
(a)配列番号1で示される塩基配列上の、1〜204番目のエクソン1部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対、及び
(b)配列番号2で示される塩基配列上の1〜132のエクソン1及び2部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対。
上記(a)及び(b)のプライマー対の好適な例としては、
配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとの組み合わせであるプライマー対(a)、及び
配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとの組み合わせであるプライマー対(b)、
が挙げられる。これらのプライマー対を用いる測定において、TaqMan(登録商標)プローブ法によりリアルタイムPCR法を用いて転写産物の発現量を測定し、かつそのTaqMan(登録商標)プローブ法を利用する場合には、一方の端部に蛍光物質が、他方の端部に消光物質が付加された配列番号9で示される塩基配列からなるプローブを好適に用いることができる。
上記の本発明の方法で検出される、マイクロサテライト不安定性を示す大腸癌細胞は、遺伝性非ポリポーシス大腸癌細胞でありうる。
[2] 以下の(a)及び(b)のプライマー対を含む、マイクロサテライト不安定性を示す大腸癌細胞を検出するための遺伝子発現量分析用プライマーセット。
(a) 配列番号1で示される塩基配列上の、1〜204番目のエクソン1部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対、及び
(b) 配列番号2で示される塩基配列上の1〜132のエクソン1及び2部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対。
[3] 以下の(a)及び(b)のプライマー対を含む、マイクロサテライト不安定性を示す大腸癌細胞を検出するための遺伝子発現量分析用キット。
(a) 配列番号1で示される塩基配列上の、1〜204番目のエクソン1部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対、及び
(b) 配列番号2で示される塩基配列上の1〜132のエクソン1及び2部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対。
このキットに含まれるプライマー対(a)及び(b)は、好ましくは、
プライマー対(a)が、配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとの組み合わせであり、
プライマー対(b)が、配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである。
このキットは、一方の端部に蛍光物質が、他方の端部に消光物質が付加された配列番号9で示される塩基配列からなるプローブをさらに含んでいてもよい。
にこのキットは、大腸癌診断用キットとして有用であり、特に遺伝性非ポリポーシス大腸癌診断用キットとして有用である。
本発明の検出方法は、少量の癌細胞のみを含む生体試料に対して適用した場合でも、簡便かつ明瞭にhMLH1遺伝子の発現状態を検査することができ、マイクロサテライト不安定性を示す細胞(特に、癌細胞)を迅速かつ簡便に検出することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
ヒトMLH1遺伝子(hMLH1遺伝子)は、大腸菌(E.coli)のDNAミスマッチ修復遺伝子mutLのヒトホモログ(相同体)である。hMLH1遺伝子は、遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)において高頻度に突然変異が認められる遺伝子座として知られている。hMLH1遺伝子のmRNAのRefSeq配列は、GenBankアクセッション番号NM000249にて公開されており、本明細書ではその配列を参照のために配列番号13に示す。このhMLH1遺伝子のmRNAのRefSeq配列(配列番号13)には、hMLH1遺伝子に含まれる19個のエクソン部分が含まれている。
本発明では、hMLH1遺伝子の転写産物のバリアント(variant;変異体)として、主たる転写産物であり上記RefSeq配列ともほぼ一致するバリアント1の他に、バリアント2及びバリアント3の存在を見出した(図1)。このバリアント1は、その5'末端に配列番号1の塩基配列(エクソン1+2)を含み、その後ろにhMLH1遺伝子のエクソン3〜19部分(配列番号13の塩基番号268〜2524に相当)を連結している。バリアント2は、バリアント1とほぼ同じエクソン構造を有するが、エクソン2部分(配列番号5)の5'末端の5塩基を欠失している。一方、バリアント3は、バリアント1よりも約300bp後方の転写開始点から転写されたmRNA前駆体に由来するため、その5'末端はバリアント1とは異なる配列番号2の塩基配列(エクソン1+2)を含み、その後ろにバリアント1及び2と共通するエクソン3〜19部分を連結している。バリアント1のエクソン1部分には翻訳開始部位ATGが含まれるため、バリアント3にコードされるタンパク質は、バリアント1にコードされるタンパク質とは少なくとも5'末端のアミノ酸配列において異なっており、不完全なタンパク質として産生されるか又は全く産生されないものと推測される。
本発明ではさらに、大腸癌などの癌細胞、特にマイクロサテライト不安定性を示す細胞において、上記のバリアント1の発現量と比較したバリアント3の発現量が相対的に増加していることが示された。生体内では、通常、バリアント1の発現が最も多量に認められると予測されることから、このようなhMLH1遺伝子の転写産物間の発現量の比率の変化は、生体試料中の細胞におけるhMLH1遺伝子の発現状態の異常を示す。そしてこの異常は、細胞におけるマイクロサテライト不安定性及び癌化と相関すると考えられた。
本発明の方法は、以上の知見に基づくものであり、生体試料において、バリアント1(配列番号1で示される塩基配列を5'末端に含む、ヒトMLH1遺伝子の転写産物)、及びバリアント3(配列番号2で示される塩基配列を5'末端に含む、ヒトMLH1遺伝子の転写産物)の発現量を測定し、それらを比較することにより、マイクロサテライト不安定性を示す細胞を検出することを特徴とする、遺伝子発現分析方法である。
本発明において、生体試料は、ヒト被験者から採取された任意の組織、細胞又は体液であってよい。そのような生体試料は、例えば、皮膚、粘膜組織、消化管組織などであってもよく、血液、リンパ液、唾液、精液などであってもよい。より好適な生体試料は、特に、腫瘍、癌組織、又は癌化が疑われる組織である。生体試料は、株化した培養細胞であってもよい。特に好適な生体試料は大腸癌由来の組織又は細胞、又は大腸癌(限定するものではないが、例えば、遺伝性非ポリポーシス大腸癌)の疑いのある大腸の組織又は細胞などであってもよい。
本発明において用語「転写産物」は、ある遺伝子から転写されたmRNA前駆体、そのmRNA前駆体の修飾物(キャップ構造付加やポリアデニル化によって修飾されたものなど)、成熟mRNA、及び成熟RNAから逆転写されたcDNAを包含する。転写産物としてRNAを指す場合は、その転写産物を特定するために用いる各配列番号などで示される塩基配列中の「T(チミン)」は「U(ウラシル)」に読み換えるものとする。本発明において「転写産物(バリアント)の発現量」とは、生体試料中の、当該遺伝子から発現された転写産物の存在量を言う。
生体試料における転写産物バリアント1及びバリアント3の発現量の測定は、当技術分野で公知の方法を用いて行えばよい。そのような発現量の測定は、限定するものではないが、例えば、リアルタイムPCR法、半定量的RT-PCR法、キャピラリー電気泳動装置を用いた競合的PCR法、DNAチップやマイクロアレイを用いた遺伝子発現量測定法、ノーザンブロット法などを使用して、生体試料から調製した核酸試料(例えばRNA、cDNA)中の各転写産物の存在量を測定することにより、行うことができる。生体試料からの核酸試料の調製は常法に従って行えばよく、分析前に精製してもよい。本発明において実施するゲノムDNAやRNAの調製は、J.Sambrook et al.(Eds.), Molecular Cloning, 3nd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press, (2001)などの分子生物学分野の標準的な実験書に従って行うことができる。
バリアント1及びバリアント3の発現量の測定には、それぞれの転写産物を区別して定量できる限り、いかなる手法も用いることができる。本発明においては、例えば、バリアント1とバリアント3の間で大きく相違するエクソン1部分をそれぞれ検出し、定量する方法が便利である。
一例として、リアルタイムPCR法を用いた発現量測定について詳細に説明する。リアルタイムPCR法は、PCR増幅産物の増加をリアルタイムでモニタリングし、解析する技術であり、通常は、サーマルサイクラーと分光蛍光光度計が一体化したリアルタイムPCR機器を用いて行う。リアルタイムPCRは、従来のPCR法と比べて、電気泳動が不要であるため迅速かつ簡便に解析することができ、さらにDNAやRNAの定量性に優れている。リアルタイムPCR法による定量の原理は次の通りである。まず、段階希釈した既知量のDNAを標準試料としてPCRを行いながらPCR産物量をモニタリングし、各希釈サンプルについて指数関数的増幅領域で一定の増幅産物量となるサイクル数(threshold cycle; Ct値)を読み取り、それを横軸にプロットし、さらに標準試料の初期鋳型量を縦軸にプロットして、検量線を作成する。未知濃度の転写産物を含む被験核酸試料についても、標準試料と同じ条件でPCR反応を行いながらモニタリングし、上記と同じ増幅産物量となるサイクル数(Ct値)を求める。被験核酸試料において得られたCt値を、上記で作成した検量線に当てはめて、被験核酸試料に含まれていた初期鋳型量を算出することができる。この初期鋳型量が、転写産物の発現量に当たる。
リアルタイムPCRにおけるPCR産物量のモニタリング(検出)は、限定するものではないが、好ましくは蛍光物質を用いて行うことができる。この蛍光モニタリング法としては、限定するものではないが、例えば、インターカレーター法、TaqMan(登録商標)プローブ法などの公知の技術を使用することができる。インターカレーター法は、二本鎖DNAに結合することにより蛍光を発する物質(インターカレーター)であるSYBR(登録商標)Green IをリアルタイムPCR反応系に添加することによる方法である。この方法では、インターカレーターはPCR反応で合成された二本鎖DNAに結合し、励起光の照射により蛍光を発するので、この蛍光強度を測定することによって、PCR増幅産物の生成量をモニタリングすることができる。このインターカレーター法は、任意の二本鎖DNAを検出するため遺伝子ごとに検出用プローブを作製する必要がなく、実験コストが安価になり反応系構築も容易であるが、検出特異性はそれほど高くない。一方、TaqMan(登録商標)プローブ法は、通常は5'末端を蛍光物質(FAMなど)で、3'末端を消光物質(TAMRAなど)で標識(付加)したオリゴヌクレオチドプローブ(TaqMan(登録商標)プローブ)を、リアルタイムPCR反応系に添加することによる方法である。この方法では、TaqMan(登録商標)プローブはアニーリングステップで鋳型DNAに特異的にハイブリダイズするが、その際、プローブ上に蛍光物質と消光物質が共存するため、蛍光物質が励起光を照射しても蛍光の発生が抑制される。しかし、続く伸長ステップにおいて、Taq DNAポリメラーゼのもつ5'→3'エキソヌクレアーゼ活性によって鋳型にハイブリダイズしたTaqMan(登録商標)プローブが順次分解されると、蛍光物質がプローブから遊離し、消光物質による抑制が解除されて、蛍光が発生する。この蛍光強度を測定することによって、PCR増幅産物の生成量をモニタリングすることができる。このTaqMan(登録商標)プローブ法は、実験コストは高いが、検出特異性が高く定量性に特に優れている。
本発明の方法では、各バリアントの発現量の測定のために、上記のリアルタイムPCR法に基づく定量法を好適に用いることができる。その場合、PCR増幅産物のモニタリングには、限定するものではないが、TaqMan(登録商標)プローブ法を好適に使用することができる。TaqMan(登録商標)プローブ法では、ポリヌクレオチドの一方の端部(一般的には5'末端)に蛍光物質が、他方の端部(一般的には3'末端)に消光物質が付加されたTaqMan(登録商標)プローブを使用する。このプローブは、リアルタイムPCRで産生されるPCR増幅産物にアニーリングするように設計される。このプローブに付加する蛍光物質としてはFAM、VIC、消光物質としてはTAMRAなどを使用することができる。リアルタイムPCRの反応条件については、当業者が適宜設定することができるが、後述の実施例に記載された反応条件も参照することができる。
本発明の方法では、各バリアントの発現量の測定のために、バリアント1を特異的にPCR増幅するための下記プライマー対(a)と、バリアント3を特異的にPCR増幅するための下記プライマー対(b)をそれぞれ用いて、各バリアントを増幅することができる。
(a) 配列番号1で示される塩基配列上の、1〜204番目のエクソン1部分の一部(好ましくは10塩基長以上、例えば、10〜30塩基長)を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対、及び
(b) 配列番号2で示される塩基配列上の、1〜91番目のエクソン1部分の一部(例えば、10〜30塩基長)を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対。
これらのプライマー対(a)及び(b)のうち、好適な具体例は以下の通りである。
プライマー対(a):配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとの組み合わせ、
プライマー対(b):配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとの組み合わせ。
これら配列番号6〜8の配列からなるプライマーの組み合わせを用いて、TaqMan(登録商標)プローブ法に基づくリアルタイムRNAにより上記バリアント1及び3の発現量を測定する場合には、TaqMan(登録商標)プローブとして、一方の端部(一般的には5'末端)に蛍光物質が、他方の端部(一般的には3'末端)に消光物質が付加された配列番号9で示される塩基配列からなるプローブを用いることが特に好ましい。
これらのプライマー及びプローブを用いたバリアントの発現量測定は、例えば、
・配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとを用いて、生体試料由来のcDNAからバリアント1の増幅反応を行うステップ、
・配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとを用いて、生体試料由来のcDNAからバリアント3の増幅反応を行うステップ、
・それぞれの増幅反応においてPCR増幅産物量をモニタリングし、そこから生体試料中のバリアント1とバリアント3の初期含有量を算出するステップ、
によって、行うことができる。
そして、このモニタリングステップにおいて、それぞれの増幅反応系にTaqMan(登録商標)プローブを添加することにより、得られる蛍光強度からPCR増幅産物量を測定することができる。
本発明の方法では、以上のようにしてバリアント1及びバリアント3の発現量を測定した後、それらを比較することにより、マイクロサテライト不安定性を示す細胞を検出することができる。具体的には、バリアント1とバリアント3とを比較し、バリアント1の発現量の測定値よりもバリアント3の発現量の測定値の方が高い場合には、調べた生体試料にマイクロサテライト不安定性を示す細胞が含まれる可能性が高いことが示される。なお、バリアント1が検出されず、バリアント3のみが検出された場合にも、バリアント3の発現量の方が多いものとして、マイクロサテライト不安定性を示す細胞が含まれると判断することができる。このようにして、本発明の方法では、被験者から採取した生体試料について、マイクロサテライト不安定性を示す細胞の存在を検出することができる。
マイクロサテライト不安定性は、ゲノム上の2〜5塩基の反復単位(マイクロサテライト)の反復数が異常に少なくなる現象である。高度のマイクロサテライト不安定性が、大腸癌全体の12〜16%、遺伝性非ポリポーシス大腸癌の90%以上で示されている。マイクロサテライト不安定性は子宮体癌、胃癌、食道癌、多重癌、リンパ系腫瘍、扁平上皮癌など、実に様々な癌で観察されており、癌との相関が強い。マイクロサテライト不安定性はDNA修復機構の欠損によるものとされていることから、マイクロサテライト不安定性が示された場合は癌多発傾向や予後の悪さも懸念される。従って、本発明の方法により、マイクロサテライト不安定性を示す細胞が検出された場合、その細胞は癌細胞である可能性が高いものと判断することができる。このようにして検出されたマイクロサテライト不安定性を示す細胞は、癌細胞、具体的には、例えば、大腸癌、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、子宮体癌、胃癌、食道癌、多重癌、リンパ系腫瘍、扁平上皮癌、子宮内膜癌、膵癌であり得るが、好ましくは、大腸癌、特に遺伝性非ポリポーシス大腸癌である。このように本発明は、生体試料におけるhMLH1遺伝子のバリアント1とバリアント3の発現量を測定し、それらを比較することによる、癌細胞の検出方法にも関する。
さらに本発明は、上記の方法で好適に使用されうるプライマー対(a)(b)を含むプライマーセットにも関する。すなわちこのプライマーセットは、マイクロサテライト不安定性を示す細胞を検出するための遺伝子発現量分析用の、以下の(a)及び(b)に示された各プライマーの組み合わせである。
(a) 配列番号1で示される塩基配列上の、1〜204番目のエクソン1部分の一部(例えば、10〜30塩基長)を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対、及び
(b) 配列番号2で示される塩基配列上の、1〜91番目のエクソン1部分の一部(例えば、10〜30塩基長)を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対。
これらのプライマーセットの具体例としては、
配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーと、
配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーと、
配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーと、
を含むプライマーの組み合わせが挙げられる。
これらのプライマーは、当技術分野で公知のオリゴヌクレオチド合成技術又は配列番号1又は2などの上記hMLH1遺伝子バリアント1及び3内の配列を鋳型としたPCR法等によって、容易に製造することができる。なお、本発明において「プライマー」は、PCR等に使用できる限り、検出用に好適となるように標識されたものであってもよい。例えば、本発明にかかるプライマーは、5'末端や3'末端に蛍光色素、酵素、タンパク質、放射性同位体、化学発光物質、ビオチン等の標識が付加されたポリヌクレオチドであってよい。本発明では、ポリヌクレオチドに付加することによって検出用等に使用するためのオリゴヌクレオチド(例えば、変異検出のためのインベーダー法における、鋳型とは無関係な配列「フラップ」など)も、「標識」に包含する。
さらに本発明は、上記プライマー対(a)及び(b)を含む、マイクロサテライト不安定性を示す細胞を検出するための遺伝子発現量分析用キットにも関する。このキットには、TaqMan(登録商標)プローブである、一方の端部に蛍光物質が、他方の端部に消光物質が付加された配列番号9で示される塩基配列からなるプローブも、含めることができる。このキットの検出対象は、好ましくは癌細胞であり、特にマイクロサテライト不安定性が示される癌細胞の検出用に使用されうる。従って、本キットは、癌診断用キットとして有用である。さらに本キットは、大腸癌診断用キット、特に遺伝性非ポリポーシス大腸癌診断用キットとして有利に使用できる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1] hMLH1遺伝子の転写産物バリアントの探索
本発明者らは、hMLH1遺伝子が選択的スプライシングや選択的プロモーターの利用により複数の転写産物バリアント(変異体)として発現されている可能性を検討するため、以下の実験を行った。
非特許文献2に記載されている通り、オリゴキャップ法を用いたcDNAライブラリー構築(Suzuki and Sugano (2003) Methods Mol. Biol. 221: p.73-91)によるヒト遺伝子完全長cDNAの取得に基づき、5'末端を含むヒト完全長cDNAの塩基配列情報が約1,800,000種明らかになっている。これらの配列情報はGenBankに登録され一般に公開されている。本発明者らは、これらの配列情報をGenBankから収集し、マルチFASTAフォーマット化した。こうして得た配列データに対し、hMLH1 mRNAのRefSeq配列(NCBI Reference Sequence)(GenBankアクセッション番号 NM 000249;配列番号13)をクエリー配列としてblastnプログラムで相同性検索を行い、ヒットした配列のうちE-valueが10のマイナス10乗以下の配列を、hMLH1関連cDNA配列として選抜した。次いで、GenBankのヒトゲノム配列データBuild35の3番染色体においてhMLH1遺伝子が割り当てられている領域の塩基配列を抽出し、このhMLH1遺伝子のゲノム配列と、上記のように選抜した個々のhMLH1関連cDNA配列とをBLASTプログラムのbl2seqで処理し、それぞれについてアラインメントを得た。このようにして得たhMLH1ゲノム配列と各hMLH1関連cDNA配列とのアラインメントの中から、上記のhMLH1 RefSeq配列上の2番目のエクソン部分(NM 000249の塩基番号177番〜267番の配列)よりも前の領域内でもうまくアラインメントする部分が認められ、なおかつアラインメント部分における一致率が98%以上となるものを選抜した。選抜されたアラインメントを解析したところ、hMLH1関連cDNA配列とhMLH1ゲノム配列との対応関係に3つのパターンが認められた。すなわち、hMLH1遺伝子の転写産物には、少なくとも3つのバリエーション(バリアント1〜3)があることが判明した。これら3種の転写産物の5'末端側の構造を図1に示す。なお図1では、各転写産物に含まれる19個のエクソン領域のうち最初の3つのみを示している。
図1に示される通り、転写産物のバリアント1においては、5'末端側からエクソン1部分、エクソン2部分、エクソン3部分の順に連結されており、エクソン1部分には翻訳開始部位(ATG)が含まれる。この解析により、hMLH1遺伝子のRefSeq配列であるNM000249の塩基配列は、このバリアント1のエクソン1部分の5'末端をわずかに欠いていることが判明した。これに対しバリアント2は、バリアント1とほぼ同じエクソン構造を有していたが、エクソン2部分がバリアント1のエクソン2部分と比べて5'側で5塩基短くなっており、選択的スプライシングバリアントであることが示された。さらにバリアント3では、エクソン2部分及びエクソン3部分はバリアント1と同じであったが、エクソン1部分はバリアント1及び2とは全く異なる配列であった。このことから、hMLH1遺伝子が選択的プロモーターによる制御を受けており、バリアント3は、その結果、バリアント1よりも約325bp後方の転写開始点より転写されて、スプライシングを経て生成されることが示された。
上記解析では、選抜されたhMLH1関連cDNA配列のうち、バリアント1が141個(75%)、バリアント2が14個(7.4%)、バリアント3が33個(17.6%)であり、バリアント1が最も主要な転写産物であることが示された。各バリアントに分類されたhMLH1関連cDNA配列を、表1に示す。表1中、各hMLH1関連cDNA配列は、GenBankアクセッション番号で示している。
Figure 0004836710
本実施例で見出したバリアント1及び3のエクソン1〜2部分の塩基配列を、表2に示す。
Figure 0004836710
[実施例2]
実施例1での解析により、hMLH1遺伝子の転写産物として3種類のバリアントが存在することが判明した。hMLH1遺伝子はこれまでも細胞の癌化に関わる遺伝子として知られていたが、今回、転写産物バリアントの存在が初めて明らかになったことから、これらのバリアントと癌との間の関連が予想された。
そこで次に、バリアント1及び3に注目して、それらの細胞内発現量をリアルタイムPCRによって測定し、癌細胞と正常細胞とで比較した。
被験材料としては、培養細胞株LoVo、COLO320、COLO201、SW48、RKO、HCT116(全て、ヒト大腸癌由来細胞)をATCC(American Type Culture Collection)及び財団法人ヒューマンサイエンス振興財団研究資源バンクより購入して使用した。各細胞とも、10%FBS(Invitrogen社)を加えたAdvanced DMEM培地(Invitrogen社)を用いて培養した。培養した細胞から、QIAGEN社のRNeasy Tissue Kitを用いて全RNAの抽出を行った。抽出した全RNAは、後述の逆転写反応及びリアルタイムPCRにおいて被験試料として使用した。
また、リアルタイムPCRに用いるプライマー及びプローブの設計を行った。プライマー及びプローブの設計は、リアルタイムPCR機器 ABI PRISM 7900HT(Applied Biosystems社)に付属のPrimer Expressソフトウェアを用いて行った。種々の条件を入力して得られたプライマー及びプローブの検索結果の中から、スコアの高い上位10組を選択し、それらを用いて実際にリアルタイムPCRを行って評価したところ、いずれも遜色のない結果を得たため、最もスコアの高いプライマー及びプローブの組み合わせを用いて下記の実験を行った。
逆転写反応(cDNA合成反応)には、SuperScriptTM III Reverse Transcriptase(Invitrogen社)を使用した。まず、2.0μlのオリゴ(dT)20プライマー(50μM)、2.0μgの全RNA、4.0μlのdNTPs(5 mM)をチューブに加え、DEPC処理水を加えて全量を26μlに調製した。次いで、その混合物を65℃で5分間インキュベートした後、すばやく氷上に移し、5×First Strand Buffer(8.0μl)、0.1M DTT(2.0μl)、SuperScriptTM III Reverse Transcriptase(2.0μl)、DEPC処理水(2.0μl)を加え全量40μlとした。それをボルテックスにより混合後、遠心してチューブの底に溶液を集め、50℃で60分間インキュベートした。その後、70℃で15分間インキュベートすることにより、反応を停止させた。
続いて、上記で得た逆転写産物を鋳型とし、ABI PRISM 7900HT(Applied Biosystems社)を用いてリアルタイムPCRを行うことにより、各細胞由来の逆転写産物に含まれるバリアント1、バリアント3のそれぞれの定量を試みた。
バリアント1のPCR増幅用には、鋳型DNAである逆転写産物 1.0μl、1×マスターミックス10μl、5.0μM センスプライマー(5'-CAGCGGCCAGCTAATGCTAT-3'; 配列番号6)3.5μl、5.0μM アンチセンスプライマー(5'-CCATTGTCTTGGATCTGAATCAACTTC-3'; 配列番号7)3.5μl、5.0μM TaqMan(登録商標)プローブ(5'-CAAGTATTCAAGTGATTGTTAAAGAGGGAGGCC-3';配列番号9)5.0μl、超純水1.0μlを混合して、全量20μlの反応液を調製した。バリアント3のPCR増幅用には、同様に、鋳型DNAである逆転写産物 1.0μl、1×マスターミックス10μl、5.0μM センスプライマー(5'-GGGTTGTTTGGAGTTTTAGATGCA-3'; 配列番号8)3.5μl、5.0μM アンチセンスプライマー(5'-CCATTGTCTTGGATCTGAATCAACTTC-3'; 配列番号7)3.5μl、5.0μM TaqMan(登録商標)プローブ(5'- CAAGTATTCAAGTGATTGTTAAAGAGGGAGGCC -3';配列番号9)5.0μl、超純水1.0μlを混合して、全量20μlの反応液を調製した。なおここで使用したTaqMan(登録商標)プローブは、バリアント1及び3を共通に検出することができるプローブであり、5'末端がFAM(蛍光物質)で、3'末端がTAMRA(消光物質)で標識された形態でアプライドバイオシステムズジャパン株式会社により製造されたものである。調製した反応液は、ABI PRISM 7900HT(Applied Biosystems社)を用いて、95℃で10分の反応後、95℃で15秒及び60℃で1分の反応を40サイクル行うPCR反応に供し、蛍光強度を測定した。
また、リアルタイムPCRにおいて測定された蛍光強度から試料中のDNA量を算出するための検量線を作成するため、リアルタイムPCRを行う前に、COLO320細胞株由来の上記逆転写産物から、以下のようにしてPCR産物を予め調製した。まず、バリアント1のPCR増幅用には、鋳型DNAである逆転写産物 2.0μl、10×PCRバッファー 5.0μl、dNTPミックス(各2.5 mM)4.0μl、5.0μM センスプライマー(5'-CTGGACGAGACAGTGGTGAAC-3'; 配列番号10)3.5μl、5.0μM アンチセンスプライマー(5'-ATACTGGCTAAATCCTCAAAGGACTG-3'; 配列番号11)3.5μl、Ex Taqポリメラーゼ0.25μl、超純水37μlを混合して、全量50μlの反応液を調製した。バリアント3のPCR増幅用には、センスプライマーを配列番号12(5'-TTTCTTTACCGCTCTCCCCCG-3')のものに変更した以外は上記バリアント1のPCR増幅用と同様の組成で、反応液を調製した。調製した各反応液は、95℃で10分反応させた後、95℃で30秒、63℃で1分、72℃で1分の反応を35サイクル行い、最後に72℃で10分反応させた。このようにして得られたCOLO320細胞株由来のPCR産物について、DNA量を測定した後、段階希釈し、それを鋳型DNAとして上記のリアルタイムPCRにおいて他の逆転写産物と同様に増幅した。そして上記と同様に蛍光強度の測定を行い、得られた値に基づいて常法により検量線を作成した。
上記のようにして測定された蛍光強度から得られたCt(Threshold Cycle)値と、上記で作成した検量線とから、各細胞から抽出した全RNAに含まれていた初期転写産物中のバリアント1及び3の量を算出した。この各バリアント量の測定値が、すなわちそれぞれの発現量に相当する。
以上のようにして6種類の大腸癌培養細胞におけるバリアント1及び3の発現量を定量した結果を、図2に示す。図2に示される通り、バリアント1については、LoVo、HCT116、COLO320、及びCOLO201細胞では発現が検出されたが、RKOおよびSW48細胞では発現が検出されなかった(検出限界以下)。これらの結果は、これまでの報告(非特許文献5)と一致するものであった。一方、本発明者らがその存在を初めて明らかにしたバリアント3の発現パターンは、バリアント1の発現パターンとは明らかに異なっており、これまでの報告ではhMLH1であるところのバリアント1の発現が検出されなかったRKO細胞やSW48細胞においてバリアント3の発現が検出された。さらにバリアント3は、LoVo細胞及びHCT116細胞において、バリアント1よりも有意に発現量が多いことが示された。この結果は、実施例1における解析においてバリアント1がhMLH1遺伝子の主たる転写産物であり、バリアント3の発現量は少ないとされた予測とは逆であった。このように、バリアント3がバリアント1よりも多く発現していたLoVo及びHCT116細胞、そしてバリアント3は検出されたがバリアント1は検出されなかったRKO細胞及びSW48細胞は、文献情報を用いて解析したところ、マイクロサテライト不安定性(MSI)が陽性であることが明らかとなった(図2、非特許文献5)。さらに、hMLH1遺伝子の発現量を左右する、同遺伝子のプロモーター領域のメチル化の程度を非特許文献5の記載から調べたところ、バリアント3は検出されたがバリアント1は検出されなかったRKO細胞及びSW48細胞でのみ、hMLH1遺伝子のプロモーター領域においてメチル化が検出された。すなわち、hMLH1遺伝子のプロモーター領域におけるメチル化は、バリアント1の発現は抑制するがバリアント3の発現は抑制しないことが考えられた。
hMLH1遺伝子は遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)との関連が知られていること、HNPCCを含む各種の癌において高頻度にマイクロサテライト不安定性が陽性となることが知られていることを考慮すれば、hMLH1遺伝子の転写産物バリアント1に対するバリアント3の発現量の相対的増加は、癌におけるMSI陽性及びプロモーター領域のメチル化と相関すると考えられる。
バリアント3が発現する条件やその発現が癌発症に及ぼす具体的な作用についてはなお不明である。転写産物バリアント3自体がMSI、引いてはがん発症に悪影響を及ぼすというよりは、むしろバリアント1の発現量の低下又は喪失が、MSIを誘発する大きな要因となっている可能性も考えられる。しかし、これらメカニズムの推定にかかわらず、転写産物バリアント1と比較してバリアント3の量の相対的増加が示される場合に、MSIを伴う癌細胞の存在が示されることは明らかであった。
本発明の検出方法は、大腸癌などの癌細胞の存在を、ごく早期の癌検体などにおいても簡便かつ明瞭に検出することができる。本方法による検出結果は、HNPCCを始めとするマイクロサテライト不安定性を伴う癌を早期に診断する上で有用な判断材料となる。
図1は、hMLH1遺伝子の3種類の転写産物バリアントのエクソン構造を示す図である。 図2は、6種類の癌細胞株におけるhMLH1遺伝子の転写産物バリアント1及び3の発現量を示す図である。黒のバーはバリアント1、白のバーはバリアント3を示す。図2の下段には、上段のグラフに示された各癌細胞株におけるバリアント1とバリアント3との発現量を比較した結果、バリアント1の発現量がバリアント3より少なかったことをV1 < V3として、バリアント1が検出されずバリアント3のみ検出されたことをV1(-),V3(+)として、バリアント1の発現量がバリアント3より多かったことをV1 > V3として記載した。また図2の下段には、マイクロサテライト不安定性(MSI)が陽性(+)であるか陰性(-)であるか、そしてhMLH1遺伝子のプロモーター領域においてメチル化が認められた(+)か、認められなかった(-)かも示した。
配列番号6〜8及び10〜12はプライマーである。
配列番号9はプローブである。

Claims (13)

  1. 生体試料において、配列番号1で示される塩基配列を5'末端に含むヒトMLH1遺伝子の転写産物、及び配列番号2で示される塩基配列を5'末端に含むヒトMLH1遺伝子の転写産物の発現量を測定し、配列番号1で示される塩基配列を5'末端に含むヒトMLH1遺伝子の転写産物の発現量よりも配列番号2で示される塩基配列を5'末端に含むヒトMLH1遺伝子の転写産物の発現量が高い場合にマイクロサテライト不安定性を示す大腸癌細胞の存在が示されたものと判定することで、マイクロサテライト不安定性を示す大腸癌細胞を検出することを特徴とする、遺伝子発現分析方法。
  2. リアルタイムPCR法を用いて転写産物の発現量を測定する、請求項1に記載の方法。
  3. リアルタイムPCR法を用いた測定を、TaqMan(登録商標)プローブ法により行う、請求項2に記載の方法。
  4. 以下の(a)及び(b)のプライマー対を用いて測定を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
    (a) 配列番号1で示される塩基配列上の、1〜204番目のエクソン1部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対、及び
    (b) 配列番号2で示される塩基配列上の1〜132のエクソン1及び2部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対。
  5. プライマー対(a)が、配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとの組み合わせであり、
    プライマー対(b)が、配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、
    請求項4に記載の方法。
  6. TaqMan(登録商標)プローブ法によりリアルタイムPCR法を用いて転写産物の発現量を測定し、かつそのTaqMan(登録商標)プローブ法において、一方の端部に蛍光物質が、他方の端部に消光物質が付加された配列番号9で示される塩基配列からなるプローブを用いる、請求項5に記載の方法。
  7. 大腸癌が、遺伝性非ポリポーシス大腸癌である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 以下の(a)及び(b)のプライマー対を含む、マイクロサテライト不安定性を示す大腸癌細胞を検出するための遺伝子発現量分析用プライマーセット。
    (a) 配列番号1で示される塩基配列上の、1〜204番目のエクソン1部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対、及び
    (b) 配列番号2で示される塩基配列上の1〜132のエクソン1及び2部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対。
  9. 以下の(a)及び(b)のプライマー対を含む、マイクロサテライト不安定性を示す大腸癌細胞を検出するための遺伝子発現量分析用キット。
    (a) 配列番号1で示される塩基配列上の、1〜204番目のエクソン1部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対、及び
    (b) 配列番号2で示される塩基配列上の1〜132のエクソン1及び2部分の一部を少なくとも含む連続した15〜50塩基の塩基配列からなるプライマーと、配列番号5で示されるエクソン2部分の塩基配列上の連続した15〜50塩基の配列に相補的な塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、プライマー対。
  10. プライマー対(a)が、配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとの組み合わせであり、
    プライマー対(b)が、配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーとの組み合わせである、
    請求項に記載のキット。
  11. 一方の端部に蛍光物質が、他方の端部に消光物質が付加された配列番号9で示される塩基配列からなるプローブをさらに含む、請求項10に記載のキット。
  12. 大腸癌診断用キットである、請求項9〜11のいずれか1項に記載のキット。
  13. 遺伝性非ポリポーシス大腸癌診断用キットである、請求項12に記載のキット。
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