JP4836606B2 - 化合物半導体発光素子および化合物半導体発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高い発光強度が得られるとともに、連続通電発光によって発光強度が時間とともに低下する現象を抑制し、信頼性を高めた化合物半導体発光素子および装置に関する。
近年、発光ダイオード(以下、LEDという)用に様々な化合物半導体材料が開発され適用されるようになり、LEDの応用分野も、各種の表示部品、ディスプレイ、交通信号、照明装置、短距離通信、プリンタ用記録光源(LEDプリントヘッド)などへと拡大している。
それらLEDの中でも、GaAs基板を用いたLEDは、可視光から赤外光までの波長範囲をカバーすることができ、電子デバイス用としても有用なGaAs材料が長年研究され、基板の量産技術が進歩してきたこともあって多方面に普及している。
GaAs基板の製造方法には、水平ブリッジマン(HGF)法、垂直ブリッジマン(VGF)法、液体封止チョクラルスキー(CZ)法など各種あるが、製造方法によって基板の特性が異なり、基板上に形成するデバイスの要求特性に応じて使い分けられている。
例えば、GaAs基板上に複数の素子や回路を形成するようなデバイスの場合、素子間の電気的な分離を行うために基板は半絶縁性である必要があり、このような特性はCZ法によって得られる。しかしながらこの方法で製造された基板はその製法上、固液界面の温度勾配が高いことに起因して結晶欠陥が誘発されやすく、品質の最良のものでも転位密度が5000/cm2程度である。
一方、HGF法やVGF法で製造された基板は原料を充填した容器を石英管に封入し、容器を移動させて一方側から徐冷させて結晶化させる方法で製造するが、周囲の不純物がドーパントとして取り込まれやすく、ノンドープでn型導電性を示す。
しかしながらこの方法で製造された基板は、温度勾配を小さく設定することができるため熱応力が小さく、転位密度を低減することができ、5000/cm2以下、最良のもので500/cm2以下のものが得られる。このような基板は主に基板の裏面側と表面側に正負の電極を有する半導体レーザやLEDなどの単一発光素子に用いられる。
次に、LED素子の形成については、表面が鏡面研磨され清浄化されたGaAs基板に液層エピタキシー(LPE)法、有機金属化学気相成長(MOCVD)法、分視線エピタキシー(MBE)法などの成膜手段により所望の積層構造を有する単結晶薄膜を形成したエピタキシャル基板を準備した後、フォトリソグラフィーにより素子パターン形成、電極形成などの素子形成プロセスを経て達成される(以上、特許文献1、特許文献2参照)。
特開平4−280481号公報 特開平10−242510号公報
このように形成されたLEDの重要な要求特性として、発光強度と信頼性がある。発光強度の面では、例えば、プリンタ記録光源として用いられるLEDアレイは、プリンタの出力速度の向上要求に伴い発光強度を高めることが求められ、そのためには活性層(発光層)をそれよりバンドギャップの大きなクラッド層で上下に挟んだダブルへテロ構造の採用が有効である。図7に、ダブルへテロ構造のLED素子の一般的な層構成を示す。
ここでは、例えばn型導電性基板27上に、MOCVD法等によりn型クラッド層28、活性層29、p型クラッド層30の順に形成した後、p側表面電極31、n側裏面電極32、透光性保護膜33を形成することによりLED素子が構成されている。
このように基板表面と裏面の電極間で通電する構造のLED素子は、単一素子を形成する場合には特に問題ない構造であるが、プリンタ用LEDアレイのように同一基板上に独立駆動される複数素子を形成しようとする場合、隣接素子への電流リークという問題が生じる。
また、信頼性の面ではいくつかの評価項目があるが、それらの中でも通電時間の経過とともに一定電流を流していても発光強度が低下する通電劣化の問題が特に重大である。この通電劣化は、通電によって注入されるキャリアが活性層中に存在する欠陥準位にトラップされて非発光再結合を生じ、それによって生じたエネルギーが更に周囲に結晶欠陥を誘起してダークスポットやダークラインと呼ばれる欠陥像に成長することによって生じる。
このメカニズムによる通電劣化は化合物半導体の中でも比較的バンドギャップが小さく結合エネルギーの小さいGaAs系において顕著であり、マクロ的に観察した場合、通電初期に比較的大きな発光強度低下を示すが、その後の発光強度低下は緩慢になるという特徴がある。
このような通電劣化は当然基板の結晶欠陥密度にも依存するので、転位密度の小さな基板を用いれば通電劣化の程度も小さいという傾向がある。
一方、別の従来例として同一基板上の複数の発光素子の独立駆動を容易にするために電極を両方とも基板の表面側に持ってくる構造があり、それを図8に示す。
ここでは、基板34上に、MOCVD法等により例えばn型クラッド層35、活性層36、p型クラッド層37の順に形成した後、フォトプロセスにより、まず2段階のエッチングを行い、図のようにn型クラッド層35のn電極コンタクト部及び基板34表面を露出させた形状となし、その後絶縁層38を形成し、電極のコンタクトホールを形成した後、蒸着、リフトオフなどのプロセスを経てp側電極39、n側電極40を形成し、最後に再び絶縁性表面保護層41を形成した構造となっている。
この場合、素子間の分離を完全に行うために基板34には半絶縁性基板を用いる必要があるが、前述のように半絶縁性基板は転位密度の低減に限度があり、それを用いて素子を形成しても十分な信頼性が得られないものとなる。
また、LED素子の組成・構造によってはGaAs基板とエピタキシャル層の格子定数の差により活性層に圧縮応力が加わることがあり、このような応力も通電劣化を加速する要因になる。
発光強度が高く信頼性の高いLED素子を得るために、特開平4−280481号公報では、基板裏面側と表面側に設けた電極間に電流を印加して発光させるタイプのLED素子において、発光領域に基板からクラッド層に達する局所的なリング状や円柱状の隆起を形成し、それ以外のクラッド層に接触する領域には逆バイアスが印加されるように電流阻止層を形成して電流を隆起部に集中させるとともに、活性層に圧縮応力が加わらないように層厚を調整する構造が提案されている。
しかしながら、この提案のLED素子は複雑な断面構造を必要とするため、素子形成プロセスにおいて工程数が増加するうえ、基板裏面には単一の共通電極しか設けられないため、LEDアレイのように同一基板内で複数のLED素子を独立に駆動する装置の場合、駆動方法に制約を受けるという欠点がある。また圧縮応力を低減させたとしても通電劣化による初期変動を完全に抑制することは困難である。
また、特開平10−242510公報では、同じく基板裏面側と表面側に設けた電極間に電流を印加して発光させるタイプのLED素子において、基板上に第1クラッド層、活性層、第2クラッド層を順次形成した後に、更に第2クラッド層と同じ導電型のGa1-xInxPからなる電流拡散層を設け、更には表面側の電極に対向するように電流阻止層を第2クラッド層と電流拡散層の間に設けることにより電流集中による発光強度の増大をはかるとともに、結晶格子の不整合を低減し活性層の欠陥を低減して、信頼性を高める構造が提案されている
しかしながら、この提案のLED素子も基板の裏面側と表面側から電極を取り出す構造であり、前記と同様LEDアレイのような構造に適用する場合駆動方法に制約を受ける上、第2クラッド層と電流拡散層の間に特定形状の電流阻止層を設けるためには連続したエピタキシャル成膜ができないため、プロセスが複雑になる。またこのような構造であっても通電劣化による初期変動を完全に抑制することは困難である。
以上のような状況により、通常、LED製品は完成品を製品として出荷する前に一定時間通電することによって発光強度を安定化させ、その後の発光強度低下を抑制するエージング処理が行われている。
しかしながら、エージング処理はその工程に時間を要するうえ、多数のLED製品を通電処理するための専用の設備が必要で、生産を効率的に行いコストダウン化を図るという目的に対して阻害要因となっているという問題がある。
特にLEDプリントヘッドに適用する場合、1ヘッド当たり数千ドットある全ての発光素子にエージング処理が必要であり、ヘッドを組み立てた後にエージング処理を行う必要があるが、通常LEDヘッドの各発光素子は時分割駆動されるため、エージングの所要時間が一層長くなるという問題がある。
本発明の目的は、発光強度が高いことに加えて通電劣化が生じにくく、エージングを必要としないLED素子を提供することにある。
また、本発明の目的は、LEDアレイのような同一基板内で複数のLED素子を独立に駆動する装置において、駆動方法に制約を受けない構造を提供するとともに、発光強度が高くエージングを必要としないLED装置を提供することにある。
上記に鑑みて本発明は、第1導電型を有する基板の一主面側に少なくとも第1導電型と異なる第2導電の第1エピタキシャル層、真性の第2エピタキシャル層、第1導電の第3エピタキシャル層を順次積層した電流阻止層と、第1導電の第1クラッド層と、第2導電活性層と、第2導電の第2クラッド層とを順次積層した化合物半導体発光素子を一つ以上有し、前記第1クラッド層に接続した第1クラッド層側電極と、前記第2クラ
ッド層に接続した第2クラッド層側電極との正負電極を一対に備え、該正負電極に電流を流すことにより前記一主面側から光を出射させることを特徴とする。
さらに前記第3エピタキシャル層と第1クラッド層との間に第3エピタキシャル層よりもバンドギャップの低い光吸収層を形成したことを特徴とする。
また前記基板が少なくともGa、Asからなる単結晶であり、転位密度5000/cm以下であることを特徴とする。
また前記第2導電型の第1エピタキシャル層または/および第1導電型の第3エピタキシャル層が少なくともIn、Ga、Pからなることを特徴とする。
また前記化合物半導体発光素子が、少なくとも電流阻止層に達する溝部によって複数に分離され、各化合物半導体発光素子が独立に発光可能であることを特徴とする。
以上の通り、本発明の構成により高い発光強度が得られるとともに、連続通電発光によって発光強度が時間とともに低下する現象を著しく抑制し、エージングを必要としない信頼性に優れた化合物半導体発光素子および装置が得られる。
なお、本発明は、同一基板上に複数の発光素子を並べる場合に特に有利に適用できるが、単一発光素子にも適用でき、発光強度を高められるとともにエージングを不要にして歩留まりと生産効率を高める効果が得られる。
以下に本発明の実施形態を、基板、第1導電型エピタキシャル層(p型エピタキシャル層またはn型エピタキシャル層)、真性エピタキシャル層、第2導電型エピタキシャル層(p型エピタキシャル層またはn型エピタキシャル層)、第1導電型クラッド層(n型クラッド層またはp型クラッド層)、活性層、第2導電型クラッド層(n型クラッド層またはp型クラッド層)、表面保護層の順に積層した化合物半導体発光素子であり、第一導電型クラッド層電極に接続した第一導電型クラッド層電極、第二導電型クラッド層電極に接続した第二導電型クラッド層電極を備えた化合物半導体発光素子として説明する。
本発明は、n型を有する基板1の一主面側に少なくともp型エピタキシャル層2、n型エピタキシャル層3を順次積層した電流阻止層4と、n型クラッド層5と、p型活性層6と、p型クラッド層7とを順次積層した化合物半導体発光素子を一つ以上有し、前記n型クラッド層5に接続したn型クラッド層側電極9と、前記p型クラッド層7に接続したp型クラッド層側電極10との一対の正負電極を備え、該正負電極に電流を流すことにより前記一主面側から光を出射させることを特徴とするものである。
またp型を有する基板1の一主面側に少なくともn型エピタキシャル層2、p型エピタキシャル層3を順次積層した電流阻止層4と、p型クラッド層5と、n型活性層6と、n型クラッド層7とを順次積層した化合物半導体発光素子を一つ以上有し、前記p型クラッド層5に接続したp型クラッド層側電極9と、前記n型クラッド層7に接続したn型クラッド層側電極10との一対の正負電極とを備え、前記正負電極に電流を流すことにより前記一主面側から光を出射させることを特徴とするものである。
ここで、基板1をn型にすることにより、各エピタキシャル層においては第1導電型をn型、第2導電型をp型とすることになるが、導電型制御のためのドーパントとして、例えば現在工業的に広く普及しているMOCVD法においては、ドーピング材料はガス状態の化合物として反応室に導入する必要がありn型ドーパントとしてSi元素、p型ドーパントとしてC元素、Zn元素等が好適に採用される。
また、発光素子を形成する際の電極材料は各々の導電型に対してオーミックコンタクトを取れる導体材料である必要があり、n型コンタクトにはAuGe/Ni、P型コンタクトにはAuZnなどが採用される。
ここで各電極は必ずしもクラッド層上に配置される必要はなく、基板1側のクラッド層と電流阻止層4の間には、別途バッファ層(不図示)や光吸収層(不図示)が設けられていて良く、また第2導電型クラッド層の上にも各電極とのコンタクト層(不図示)などが設けられてもよい。
要は、1対の各電極が基板1の一主面(表面)側からのみ取り出され、それは発光領域12を挟んでpn接合が取れるように設けられればよい。
また前記第2導電型のエピタキシャル層と第1導電型クラッド層との間に第2導電型のエピタキシャル層よりもバンドギャップの低い光吸収層を形成したことを特徴とする。
これによって光吸収層よりも基板側であるエピタキシャル層において発生する不要波長の発光(サブピーク)を阻止することができる。
また前記電流阻止層4が、第1導電型エピタキシャル層2、第2導電型エピタキシャル層3の間に真性エピタキシャル層(不図示)を介したものであることを特徴とする。
また前記基板1が少なくともGa、Asからなる単結晶であり、転位密度5000/cm以下であることを特徴とする。
基板1として転位密度5000/cm以下、好ましくは1000/cm以下のn型GaAs基板を用いて前記構成とすることにより、また、それに加えて電流阻止層4の第1導電型エピタキシャル層2をInGaP材料とすることにより信頼性向上が一層有効に達成される。
また前記各エピタキシャル層が少なくともIn、Ga、Pからなることを特徴とする。
電流阻止層の第1導電型エピタキシャル層2をInGaP材料とすることにより、本発明の目的である信頼性向上が一層有効に達成される。InGaP材料はInPとGaPの混晶であるが、InとGaの比率を調整することによりGaAsと格子定数を一致させることができるため、格子不整合による転位欠陥の発生を抑制する。
また、InGaP材料はフォトプロセス工程においてGaAs系材料の主要なエッチング液である(H2SO4+H2O2+H2O)を用いた場合、GaAs系に対して2桁エッチング速度が小さいため、エッチングストッパーとしての作用があり、プロセスを精度良く行うことができる。
また前記化合物半導体発光素子が、少なくとも電流阻止層4に達する溝部(不図示)によって複数に分離され、各化合物半導体発光素子が独立に発光可能であることを特徴とする。
ここで前記溝部は真性エピタキシャル層までに達していればよい。
以下本願の実施例について説明する。
(実施例1)
図1(a)に、本発明の実施例の化合物半導体発光素子の断面図を示す。
HGF法によって作製され、その表面を鏡面研磨して得られた、例えば転位密度1000/cmのn型GaAS基板1上に、MOCVD法によりp型GaAsエピタキシャル層(第1導電型2エピタキシャル層)(例えば、膜厚;200nm、ドーパント;C,キャリア密度;5×1018cm−3 )、n型InxGa1-xPエピタキシャル層(第2導電型2エピタキシャル層)((例えば、x=0.5、膜厚;200nm、ドーパント;Si、キャリア密度;5×1018cm−3 )を順次積層してなる電流阻止層4を形成したのち、n型AlxGa1-xAsクラッド層5(例えば、X=0.5、膜厚600nm;ドーパント;Si、キャリア密度;5×1018cm−3 )、p型AlxGa1-xAs活性層6(例えば、X=0.15、膜厚;200nm、ドーパント;C、キャリア密度;5×1017cm−3 )、p型AlGaAsクラッド層7(例えば、X=0.5、膜厚;600nm、ドーパント;C、キャリア密度;5×1018cm−3 )の順に形成する。
ここで、電流阻止層の層構成として、第1導電型エピタキシャル層と第2導電型エピタキシャル層(例えばp型エピタキシャル層2とn型エピタキシャル層3)の間に真性エピタキシャル層(例えば、ノンドープGaAs、膜厚200nm)を設けた3層構成とすることにより基板1からの絶縁効果を一層高めることができる。
また、それに加え第2導電型エピタキシャル層と第1導電型クラッド層との間に光吸収層(例えば、n型GaAs層、膜厚1000nm、ドーパントSi、キャリア密度5×1018cm−3 )を設けると、下地層からの発光による発光スペクトルのサブピークを抑制することができる。
このクラッド層の下にはバッファ層(例えば、InxGa1-xAs、x=0.1、膜厚;50nm、ドーパント;Si、キャリア密度;5×1018cm−3 )、更に、活性層6を挟むn型クラッド層5およびp型クラッド層7はそれぞれ活性層6に対してキャリア密度が連続的あるいは段階的に変化するようにドーパントの濃度勾配を設けるとともに、Al比率がそれぞれ活性層6側で大きく基板側と表面側に向かって連続的あるいは段階的に小さくなるようにすれば、キャリア注入効率が向上するとともにキャリア閉じ込め効果が高くなり発光強度を高めるのに好適である。
このようにして得られたエピタキシャル基板をその後フォトプロセスにより、まず2段階のエッチングを行い断面図のようにクラッド層4のn電極コンタクト部及び基板1表面を露出させた形状となし、その後プラズマCVD法などの手法でSiN膜による絶縁層8を形成し、電極のコンタクトホールを形成した後、蒸着、リフトオフなどのプロセスを経てp側電極9、n側電極10を形成し、最後に再びSiNで被覆することにより表面保護層11を形成する。
図1(b)はこの素子を上面からから見た図である。C−C‘断面が図1(a)になる。
この図でp側電極9とn側電極10の間に直流電流を印加することにより、発光領域12が発光する。この実施例において、LEDプリントヘッドの発光素子を想定して発光領域のサイズを20μm×35μmとしたとき、5mAの直流印加において200μWという高い発光強度が得られた。
なお、前記のエッチング工程において、基板結晶方位を選び、エッチング液として(H2SO4+H2O2+H2O)系エッチング液を用いてその組成比を調整することにより、図1(a)と直角方向の素子部断面が逆台形の形状となるいわゆる逆メサ形状とすることができ、このようにすることによって逆メサ部での反射光が表面方向に強くなるような分布を持ち、発光強度を一層高めることができる。
前記のようにして同一条件で得られた6個の発光素子を任意に選択し、7mAの直流を連続的に通電し、信頼性試験を行った。その結果を図3のグラフに示す。この図で横軸は通電時間で対数表示しており、縦軸は初期に対する発光強度の変化率を示す。このグラフに示す通り、1000分間の通電後でもすべての発光素子において発光強度は初期の値に対して2%以内とほとんど変わらず、優れた信頼性を示した。
(実施例2)
実施例1と同様に作製したエピタキシャル基板に実施例1と同様のフォトプロセスの手順により、20μm×35μmの発光領域を有する発光素子を600dpi相当のピッチで一列に配列した構造のプリントヘッド用LEDアレイを作製した。
図2(a)に、この実施例のLEDアレイを長辺方向に見た発光素子Aおよび発光素子Bの2素子分の断面図を示す。
発光素子同士を分離する溝部24は、電流阻止層16のうちのn型エピタキシャル層15とp型エピタキシャル層14との境界面よりも深く掘り込まれて形成されている。これによって、両発光素子間の電気的分離が完全になされている。
図2(b)はこのアレイを上面からから見た部分図である。D−D‘断面が図2(a)になる。ここで、p側電極21Aとn側電極22Aの間に直流電流を印加することにより、発光領域25が発光し、p側電極21Bとn側電極22Bの間に直流電流を印加することにより、発光領域26が発光するという具合に、隣接素子に影響を与えることなく任意の発光素子を独立して駆動することができる。
前記のようにして作製したLEDアレイチップを実装し、ロッドレンズアレイを搭載することによりA3サイズのLEDプリントヘッドを作製し、このLEDプリントヘッドについて全素子点灯による連続通電試験を行った。600dpiでA3サイズの印画を行うため、1ヘッド中の全発光素子数は7680個となる。
このLEDプリントヘッドは、ROMにあらかじめ書き込まれたデータにより各素子の発光強度が均一になるよう各素子への電流値を調整しているが、その初期状態から1時間後、24時間後、320時間後での発光強度のライン方向(主走査方向)の発光素子単位の分布をそれぞれ図4(a)乃至(c)に示す。
このLEDプリントヘッドの例においては1ライン相当を時分割駆動する構造となっているが、素子当たり1000分の連続通電に相当する320時間経過後においても、熱的影響に起因するLEDアレイ単位での周期的な発光強度分布を除き発光強度の劣化はほとんど無く、信頼性に優れたLEDプリントヘッドが得られた。
(比較例1)
基板としてCZ法による転位密度5000/cmの半絶縁性GaAS基板を用いたことと、電流阻止層を設けなかったこと以外は実施例1と同様の構造のLED素子を作製した。この素子について実施例1と同様に6個の発光素子を任意に選択し、7mAの直流を連続的に通電し、信頼性試験を行った。その結果、図5に示す通り、1000分間の通電後において素子間で変化率が大きくばらつくとともに、10%を越える発光強度の低下を示すものが見られ、明らかに実施例1の発光素子に比較して劣る結果となった。
(比較例2)
比較例1と同じ構造のLED素子を用い、実施例2と同様の工程でLEDプリントヘッドを作製し、全素子点灯による連続通電試験を行った。その初期状態から1時間後、24時間後、320時間後での発光強度のライン方向(主走査方向)の分布をそれぞれ図6(a)乃至(c)のグラフに示す。これらのグラフにおいて横軸は各々の発光素子の座標、縦軸は発光強度変化率を示す。この試験結果から解る通り、通電開始から24時間で強度低下の目立つ発光素子が部分的に見られ、320時間では10%近くの発光強度低下を示す素子が局所的に発生した。
このように連続通電により発光強度が低下する素子は1ヘッド当たりの全発光素子数の1%内外であるが、このような状態のヘッドを用いて印画を行うと発光強度低下の素子に対応して筋状の印画ムラが発生するため、実用に耐えないものとなる。
このようなLEDプリントヘッドを実用に供するためには、少なくとも24時間の連続通電によるエージングを行い、その後各素子の発光強度が均一になるように電流値を指定するためのROMデータを作成する作業が必要になる。
以上のごとく本発明の構成において信頼性が著しく改善された理由は、転位密度の低いGaAs基板を用いたことだけでは説明がつかず、本発明の構成とすることにより、特にInGaPエピタキシャル層の成長過程において基板側からの転位が活性層に侵入するのを阻止するメカニズムが働いていると考えられる。
なお、本発明の構成において基板転位密度は5000/cm2以下であることが好ましく、1000/cm2以下であることが更に好ましい。
また、GaAs材料を基板に用いる化合物半導体発光素子および装置において特に効果があるが、本発明は結晶格子定数の近似したエピタキシャル層同士によるダブルヘテロ構造の素子においてGaAs系以外の材料にも適用することができる。
本発明の化合物半導体発光素子の(a)は断面図および(b)は平面図である。 本発明の化合物半導体発光装置の(a)は部分断面図および(b)は平面図である。 本発明の化合物半導体発光素子の通電信頼性を示すグラフ例である。 (a)〜(c)は本発明の化合物半導体発光装置を用いたLEDプリントヘッドの信頼性を示すグラフ例である。 比較例の化合物半導体発光素子の通電信頼性を示すグラフ例である。 (a)〜(c)は比較例の化合物半導体発光装置を用いたLEDプリントヘッドの信頼性を示すグラフ例である。 一般的なダブルへテロ構造の化合物半導体発光素子の断面図である。 従来例の化合物半導体発光素子の断面図である。
符号の説明
1, 13、27、34;基板
2;第1導電型エピタキシャル層(p型エピタキシャル層またはn型エピタキシャル層)
3;第2導電型エピタキシャル層(p型エピタキシャル層またはn型エピタキシャル層)
4、16;電流阻止層
5、17、28、35;第1導電型クラッド層(n型クラッド層またはp型クラッド層)
6、18、29、36;活性層
7、19、30、37;第2導電型クラッド層(n型クラッド層またはp型クラッド層)
8、20、38;絶縁層
9、21、31、39;第2導電型クラッド層側電極(n型クラッド層電極またはp型クラッド層側電極)
10、22、32、40;第1導電型クラッド層側電極(n型クラッド層電極またはp型クラッド層側電極)
11、23、33、41;表面保護層
12、25;発光領域

Claims (5)

  1. 第1導電型を有する基板の一主面側に少なくとも第1導電型と異なる第2導電の第1エピタキシャル層、真性の第2エピタキシャル層、第1導電の第3エピタキシャル層を順次積層した電流阻止層と、第1導電の第1クラッド層と、第2導電活性層と、第2導電の第2クラッド層とを順次積層した化合物半導体発光素子を一つ以上有し、前記第1クラッド層に接続した第1クラッド層側電極と、前記第2クラッド層に接続した第2クラッド層側電極との正負電極を一対に備え、該正負電極に電流を流すことにより前記一主面側から光を出射させることを特徴とする化合物半導体発光素子。
  2. 前記第3エピタキシャル層と第1クラッド層との間に第3エピタキシャル層よりもバンドギャップの低い光吸収層を形成したことを特徴とする請求項1記載の化合物半導体発光素子。
  3. 前記基板が少なくともGa、Asからなる単結晶であり、転位密度5000/cm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の化合物半導体発光素子。
  4. 前記第1導電型の第3エピタキシャル層が少なくともIn、Ga、Pからなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物半導体発光素子
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物半導体発光素子が、少なくとも電流阻止層に達する溝部によって複数に分離され、各化合物半導体発光素子が独立に発光可能であることを特徴とする化合物半導体発光装置。
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