JP4836420B2 - 繊維製接触材と水処理装置および水処理方法 - Google Patents

繊維製接触材と水処理装置および水処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般家庭や工場から排出される下水や汚水または工業排水等(以下、排水等または簡単に排水ということがある)に対して活性汚泥法による生物的処理を行うに際し、生物処理を行う微生物等を担持するための接触材またはその接触材を用いた処理装置または処理方法に関する。具体的には、バクテリア(汚泥)のみならず原生動物や後生動物にとっても棲息し易く固着しやすい構造の接触材に関する。さらには、そのような接触材を用いることにより、生物処理により生成した余剰汚泥を効率的に減少せしめることができる水処理装置または水処理方法に関する。
一般家庭や工場から排出される排水等では、水処理槽内に浮遊するバクテリア(汚泥)を用いてBOD成分(含有有機物成分)等を生物処理するいわゆる活性汚泥法が用いられることが多い。生物処理されたBOD等は、バクテリアの呼吸と増殖のエネルギーに使われ、バクテリアが増殖して発生した余剰汚泥の量は、以下の式(1)で表される。
余剰汚泥量=a×Sr−b×X+Y (1)
(ここで、aは汚泥転換率(従属栄養細菌≒0.5〜0.7)、Srは除去BOD量、bは活性汚泥の自己酸化率(0.03〜0.05)、Xは活性汚泥量、Yは無機SS量を意味する。)
つまり、排水等から除去されたBOD成分の50〜70%が余剰汚泥となる。この余剰汚泥の処理費は、生物処理法の運転コストの50〜60%を占めるため、大きな問題となっている。
ところで、余剰汚泥を補食する原生動物や後生動物(以下、巨大微生物という場合がある)が、活性汚泥槽に棲息していることが知られている。しかし、従来の活性汚泥槽内では曝気のための強い旋回流が加えられており、バクテリアに比べ数十倍〜数千倍の大きさのこれら巨大微生物が増殖できる環境ではない。その結果、従来の活性汚泥法では、上記式のaは高い値のままであり、余剰汚泥の発生量が多くなる。
そこで、これら巨大微生物が増殖できる環境を槽内に作り出し、微生物の食物連鎖機構を利用して余剰汚泥であるバクテリアを巨大微生物に捕食させ、余剰汚泥を減容させる生物処理法が提案されている。例えば、巨大微生物が棲み付く場として、筒面が網目状若しくは格子状に形成された長筒形芯体の外周面に、所定厚みをもった多孔質体を捲回した接触材を用いる例が開示されている(特許文献1参照)。巨大微生物は、この多孔質体の中心に発生すると記載されている(0020欄参照)。また、炭素繊維を用いた接触材にも各種の大型微生物が固着するようになることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。また、ウレタンスポンジ状の接触材やポリプロピレン中空成形体等を浮遊させる接触材等も知られている。
しかしながら、これらの生物接触材を用いた場合でも、巨大微生物の接触材への固着は不十分であり、より良い接触材が求めていた。さらには、より良い接触材を用いた水処理装置等が求められていた。
なお、巨大微生物に関してではないが、水処理に用いられるバクテリアの担体である接触材として、各種の固定床や流動床となるものが提案されている。固定床としては、繊維状(例えば、非特許文献2参照)や、紐状または織物状等の接触材、また、プラスチック成形によるハニカム状や網目状のものがある。さらには可撓性かつ耐蝕性を有する螺旋状の芯材と、該芯材の径方向に密接されかつ耐蝕性を有する多数の突起からなり、これら芯材及び突起の材質として、合成樹脂、ガラス繊維、炭素繊維等を用いることができるものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。流動床としては、硝化菌を高分子物質の多孔質ゲルに固定化したもの(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
特開平06−023388号公報 大谷杉郎、炭素繊維を利用した水環境整備技術の開発、繊維と工業、P.168〜172、Vol.57、No.6(2001) 川上直也ら、各種繊維製接触材を用いた硝化能の比較、第37回日本水環境学会年会講演集、P.397、2003年 特開平05−115889号公報 特開平10−180277号公報
バクテリア、原生動物、後生動物のいずれにとっても、棲みやすくかつ接触材から脱落しにくい、水処理用の生物接触材を提案することを課題とする。また、このような接触材を用いることで、余剰汚泥を効率的に減容化若しくはゼロにすることができる水処理装置または水処理方法を提案することを課題とする。
本発明の第一は、生物処理により水処理を行う生物接触材であって、可撓性芯材と、前記芯材表面から突出して設けられた多数のループ状繊維とを有し、前記繊維の表面が、pHが5以上9以下の水中において正に帯電してゼータ電位が1mV以上30mV以下であり、前記生物処理において前記表面が好気性域または通性嫌気性域に保たれうることを特徴とする繊維型接触材である。
ここで、前記繊維の太さが、50dtex以上150dtex以下であり、前記繊維が、前記繊維を5本以上15本以下束ねた繊維束として前記芯材表面に設けられていることは好ましい。また、前記ループ状繊維の長さが、10mm以上50mm以下であることは好ましい。また、前記芯材表面において前記ループ状繊維束を設けた密度が、1cmあたり25束以上81束以下であることは好ましい。また、前記芯材の直径が、3mm以上8mm以下であることは好ましい。また、前記繊維束として、長さが20mm以上40mm以下のループ状繊維を束ねた第一の繊維束と、長さが10mm以上20mm未満のループ状繊維を束ねた第二の繊維束とが用いられ、前記第一の繊維束と前記第二の繊維束とが交互に設けられたことは好ましい。
また、前記第一の繊維束が設けられた部分と前記第二の繊維束が設けられた部分とが、前記芯材回りに二重ラセンをなして設けられていることは好ましい。また、前記芯材が、可撓性金属線にリボン状の基布を巻き付けて構成されており、前記基布と前記ループ状繊維とがパイル織物を構成していることは好ましい。また、接触材の形状が、ラセン形であることは好ましい。また、前記ラセン形の外直径が60mm以上90mm以下であり、内直径が15mm以上であることは好ましい。また、前記ループ状繊維が、熱可塑性樹脂に帯電剤を混練り後、紡糸されたものであることは好ましい。また、前記熱可塑性樹脂が、ポリ塩化ビニリデン樹脂であることは好ましい。
発明の第2は、生物処理槽と固液分離手段とを備え、排水を好気性域下もしくは通性嫌気性域下で生物処理する水処理装置であって、前記生物処理槽は、内部が2槽ないし6槽に区画されてかつ順次連通しており、前記各槽内には、請求項1に記載の繊維製接触材が、略鉛直方向となるようにして複数が並設されている水処理装置である。
生物処理槽と固液分離手段とを備えて排水を生物処理する水処理装置であって、前記生物処理槽は、前記排水を好気性域下で生物処理する槽と、通性嫌気性域下で生物処理する槽とを備えて3槽ないし6槽に区画されて順次連通しており、前記各槽内には、上記の繊維製接触材が、略鉛直方向となるようにして複数が並設されており、前記固液分離手段は、前記生物処理槽の後段に設けられると共に、固液分離による分離物の少なくとも一部が前記生物処理槽の最初の槽に返送される機構を備えている水処理装置である。
ここで、前記複数の繊維型接触材の外周間の離間距離が、15mm以上であることは好ましい。また、前記固液分離手段が、沈降槽であることは好ましい。また、前記固液分離手段が、膜分離装置であることは好ましい。
発明の第3は、生物処理工程と固液分離工程とを経由し、BOD成分を含む排水を好気性域下もしくは通性嫌気性域下で生物処理する水処理方法であって、前記生物処理工程は、2段ないし6段に区分されてかつ順次連続して経由し、前記各段では、略鉛直方向となるようにして複数が並設された請求項1記載の繊維製接触材に担持された微生物類により、前記BOD成分および余剰汚泥が処理される水処理方法である。
発明の第4は、生物処理工程と固液分離工程とを備えて排水を生物処理する水処理方法であって、前記生物処理工程は、前記排水を好気性域下で生物処理する工程と、通性嫌気性域下で生物処理する工程とを備えて3段ないし6段に区画されて順次連続して処理がなされ、前記各段では、略鉛直方向となるようにして複数が並設された請求項1に記載の繊維製接触材に担持された微生物類により、前記排水が処理され、前記固液分離工程は、前記生物処理工程の後段に設けられると共に、固液分離による分離物の少なくとも一部が前記生物処理工程の最初の段に返送される水処理方法である。
バクテリアだけでなく、よりサイズが大きな原生動物や後生動物にとっても、良好な棲息場所として棲息かつ増殖でき、接触材からの脱落が生じにくい。そのため、このような接触材を水処理装置に用いることにより、食物連鎖機構に基づいて余剰汚泥の発生量を大幅に減少せしめることが可能となる。
本発明は、好気性または通性嫌気性に保たれた状態で行われる生物処理に使用する。接触材は、通常の水処理の運転条件下で、生物が棲息するその表面が好気性域または通性嫌気性域に保たれるものであり、水処理装置もそのような接触材に対応したものである。ここで、好気性とは水中の酸素濃度(DO)が0.3ppm以上の状態をいい、通性嫌気性とはDOが0.3ppm未満であるがゼロではない状態をいう。さらにDOがゼロの状態を偏性嫌気性という。なお、ここでDOがゼロとは、生物が利用できる溶存酸素が実質的にゼロであることを意味する。
攪拌が不十分な領域が発生する等の何らかの原因により偏性嫌気性域が部分的にでも発生すると、本発明の接触材を用いた水処理に予定する生物相が崩れてしまい、偏性嫌気性域が発生した周辺では、バクテリアや原生動物等からなるコロニーが、接触材からはがれ落ちたりするためである。なお、偏性嫌気性域が発生すると、その部分が黒化し、空気中に取り出した場合には特有の腐敗臭が感じられる。従って、偏性嫌気性域が生じているか否かは容易に判別できる。
繊維型接触材は、可撓性の芯材を有している。芯材は、接触材の形状をあらかじめ定めた任意の形状に保ち、重力や液流れの影響で接触材どうしが必要以上に近づいたり、または型崩れや接触を生じたりして、液流れが悪くDOが低下して偏性嫌気性域が生じることを防ぐ役割を果たす。加工の容易さおよび微生物類が担持した後でも重力などに抗する強度を有する点から、芯材には可撓性のある金属線または適当に可塑化された軟質塩ビニル等のプラスチック棒等を用いることもできるが、接触材として用いる形へ変形した後の型戻りが生じにくい点から金属線を用いるのが好ましい。金属線は複数の細線を寄り合わせたより線であってもよいが、強度と可撓性を合わせ持たせるためには、単一の金属線からなる単線を用いるのが好ましい。
金属線は水中で長期に使用するから、腐食防止のための被覆を施しておくことがよい。被覆は防水塗装等であっても良いが、取扱性および変形に対する被覆の追随性から塩化ビニールやポリエチレンやポリプロピレンのごときプラスチック類による被覆を設けておくのが好ましい。金属線の材質は、軟鉄、アルミニウム、銅等、比較的可撓性が大きいものを特に制限無く用いることができるが、水中における耐腐食性の観点から銅が好ましい。
金属線の直径は、材質によって異なるが1mm以上7mm以下であることが好ましい。より好ましくは2mm以上6mm以下である。さらに好ましくは3mm以上5mm以下である。
芯材には、上記の被覆に加え、さらに基布を巻き付けてあることが好ましい。この基布に微生物を担持するためのループ状繊維を織り込むことで、安定して微生物を担持でき、長期の使用に耐える接触材を得ることができる。基布の材質は、水中での強度維持と寸法安定性、微生物により分解されにくいことから合成繊維製であることが好ましい。合成繊維としては、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリアクリル系繊維等のいずれも用いることができる。基布の織り方は、平織、綾織、朱子織のいずれでも良いが、強度の点から平織が好ましい。
基布の厚みは0.1mm以上2mm以下程度が好ましい。基布の芯材への捲き付け方は、基布をあらかじめ袋状にして芯材に被せたり、基布を芯材に巻き付けてから端部を合わせてもよく特に限定されないが、リボン状の基布をラセン状に巻き付けるのが簡単で好ましい。基布を芯材に固定する方法も特に限定されず、熔着したり接着剤を用いたりして芯材に直接接着してもよいし、基布の合わせ部分を縫製したり接着する等の方法により固定しても良い。また、芯材に巻き付けた基布の上から糸等で縛る等の方法により固定しても良い。ラセン状に基布を巻き付けた場合は、芯材の両端部分の基布だけを固定するようにしても良い。なお、基布も含めた芯材の直径は、3mm以上8mm以下であることが好ましい。このような直径とすることにより、ループ状繊維を植え込む基布の面積を稼ぐことも可能となる。
芯材の表面には、バクテリアや後生動物等の微生物類を担持するための、多数のループ状繊維を設ける。ループ状繊維とは、一定長さの繊維状物の両端だけが芯材表面に固定され、繊維状物の両端以外は、芯材表面から離れるように突出した状態のものをいう。接触材を繊維状とすることにより、接触材の単位体積あたりの表面積を著しく大きくして、微生物の棲息密度を上昇せしめると共に、水処理装置の単位体積あたりの処理能力を増大せしめる。ここで、繊維の太さは50dtex以上150dtex以下が好ましい。50dtex以上で、増殖したバクテリア等が重力や旋回流により接触材から脱落しにくくなり、150dtex以下で、接触材の単位体積あたりの表面積が大きくなる。また、繊維はループ状として芯材に固定する。ループ状とすることにより、繊維表面に付着して増殖したバクテリアや巨大微生物が、重力や酸素供給のための旋回流により、繊維から脱落する現象が生じにくくなる。
ループ状繊維の長さ(芯材表面に固定した一方の端から、ループに沿って長さを測定して、芯材表面に固定したもう一方の端に到達するまでの長さをいう。)は、10mm以上50mm以下であることが好ましい。ループ状繊維の長さが50mm以下で、ループの根元付近が偏性嫌気性域になりにくく、偏性嫌気性域から生成される物質により、その周辺の通性嫌気性域やさらにその外周の好気性域においてバクテリアの活動が低下したり、またはバクテリア自体が死滅してしまうような事態が生じにくい。好ましくは20mm以上45mm以下であり、より好ましくは30mm以上45mm以下であり、さらに好ましくは30mm以上40mm以下である。このような長さになるようにループ状繊維をリボン状の基布に植え込み、この基布を芯材の表面上にラセン状に巻きつけることで接触材が構成される。
また、ループ状繊維の長さが10mm以上20mm未満のものと、20mm以上50mm以下の長さのものとの2種類を用い、これらを交互に配列することが望ましい。これにより、汚泥が接触材に付着した状態で汚泥に凹凸が生じ、攪拌流が流れやすくなってさらに偏性嫌気性域が生じにくくなる。なお、3種類以上を用いてもよいことはいうまでもない。ここで、交互に配列するとは、図1に記載したごとく隣接する一束ごとに長さの異なるものを用いてもよいし、基布の長尺方向には一束ごとに長さが異なるものを用い、幅方向には同じ長さの束を用いるようにしても良い。また、1枚の基布の中に長さが長い束だけを一定数設けた領域と長さが短い束だけを一定数設けた領域を設け、これらの領域が交互になるように配置するのであってもよい。この場合、長さの長い束だけを設けた領域が広すぎると、短い長さの束の領域を設けた効果が得にくくなるので、効果が得られるように領域の広さを調整すればよい。
また、作りやすさの観点からは、比較的短いループ状繊維の束を所定密度で植え付けたリボン状の基布と、比較的長さが長いループ状繊維の束を所定密度で植え付けたリボン状の基布との二本を用意し、これら二本の基布を一本の芯材に対し、二重ラセンをなすようにして交互に巻き付けるのが望ましい。この場合、三本以上の基布を用いて三重以上のラセンとしてもよいことはいうまでもないが、簡単のためには二重ラセンとするのが望ましい。
これを、芯材に巻いた織物の織り目からのループ状繊維の高さ(外力を加えない状態のループがなす形状において、ループの両端が固定されている芯材表面から最も離れたループの先端部分までの距離)で表現すると、高さは、4mm以上16mm以下であることが望ましい。ループの高さが16mm以下では、ループの根元付近が偏性嫌気性域になりにくく、偏性嫌気性域から生成される物質により、その周辺の通性嫌気性域やさらにその外周の好気性域において菌の活動が低下したり、または菌自体が死滅してしまうような事態が生じにくい。また、できるだけ表面積を大きくするためには高さが4mm以上であることが望ましい。また、図1に記載したごとく、ループ状繊維の高さが4mm以上10mm未満(h)のものと、10mm以上16mm以下の高さ(h)のものとの2種類を用い、これらを交互に配列することが望ましい。なお、3種類以上を用いてもよいことはいうまでもないが簡単のために2種類が望ましい。これにより、汚泥に凹凸が生じて攪拌流が流れやすくなり、さらに偏性嫌気性域が生じにくくなるのは、ループの長さで表現した場合と同様である。
ループ状繊維は、芯材表面のプラスチック製の腐食防止被覆を設けた場合に、その被覆の表面に直接一本一本接着するようにしても良いが、上記の基布を用い、この基布にループ状繊維を植え込んだパイル織物とし、このパイル織物を用いて接触材を構成すれば、製造が容易でしかも長期使用に耐える丈夫な接触材が得られ好ましい。このような接触材の断面図の例を図2に示す。図2の接触材例では、芯材は、金属線6とプラスチック被覆7および基布8から構成されており、その周囲に2種類の高さのループ状繊維3と4が多数設けられている。
ループ状繊維は、3以上20本以下の繊維を束ねた繊維束とし、この繊維束を単位として芯材表面に設けることが好ましい。ループ状繊維1本1本が離ればなれの独立ループとなっている形状では、ループの腰が弱くなり、繊維に付着したバクテリアの重量に抗しにくく、旋回流によるループの揺れが激しくなりがちである。しかし、繊維束とした形状では、バクテリアの重量や旋回流に抗してループが元の形状を保ちやすく、そのため液流れが確保しやすく、偏性嫌気性域が生じにくい。またバクテリアも補足しやすい。好ましくは5本以上15本以下であり、さらに好ましくは7本以上12本以下である。
芯材表面に繊維束を設ける密度は、芯材表面1cmあたり25束以上81束以下となるようにするのが好ましい。81束以下で偏性嫌気性域が生じにくく、25束以上で曝気に伴う気泡とそれによる旋回硫による攪拌に抗して、汚泥をしっかり捕捉できる。また、巨大微生物が脱落しにくくなるため、巨大微生物の棲息と増殖が生じやすくなる。より好ましくは36束以上64束以下である。
ループ状繊維の材質としては、水中での強度維持と寸法安定性を確保でき、微生物により分解されにくく、かつ繊維状に容易に成型できることから合成樹脂製であることが好ましい。中でも、繊維の製造の容易さから熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンやポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。比重が大きく、かつ繊維がある程度の剛性を保持できループの形状を保ちやすいことから、特にポリ塩化ビニリデンを用いることが好ましい。ループ状繊維の製法は、発明の効果が発揮する範囲で常法に従って紡糸すればよく特に制限されない。
ループ状繊維は、その表面がpHが5以上9以下の水中において正に帯電するものを用いる。このような繊維を用いることにより、バクテリアのみならず巨大微生物まで脱落しにくくなる。巨大微生物まで脱落しにくくなる理由は不明であるが、正に帯電したループ状繊維が表面荷電の影響で巨大微生物の体にまとわりつきやすくなると考えられること、さらに多数の繊維が密集した状態で設けられていること及び、それぞれの繊維がループ状をなしていること等が相乗的に働くことにより、結果的に巨大微生物が脱落しにくくなるのではないかと推測している。
ループ状繊維の表面が正に帯電しているか否かの確認に関しては、簡易法としては、カチオン性染料とアニオン性染料とを用意し、pHが5以上9以下において、繊維が前者には染まらないが、後者には染まることで確認することができる。しかし、この簡易法では、着色の有無が、染料と表面の親水性や疎水性の違い等によっても影響を受けるため、より正確には、繊維表面のゼータ電位を測定することにより確認することが望ましい。
ループ状繊維表面のゼータ電位はpH5から9の範囲内で正であり、さらにこの範囲内で安定していることが望ましい。正のゼータ電位の大きさは1mV以上30mV以下である。この範囲内で、巨大微生物の脱落防止の効果が発揮でき、ひいては水処理において余剰汚泥を大幅に減少できる優れた効果が発揮される。より好ましくは1mV以上24mV以下であり、さらに好ましくは1mV以上20mV以下であり、さらには2mV以上10mV以下が好ましい。
ループ状繊維の表面のゼータ電位が大きすぎると、付着した微生物が死滅したり、活動が抑制されたりして、生物活動する微生物量が減る傾向が出てくる。そのため、排水の処理能力が低下する傾向にある。特に、帯電物質として四級アンモニウム塩基を有する化合物を繊維表面に多量に存在させた場合には、そのような傾向が顕著である。
一般に熱可塑性樹脂は、pH5から9の水中で表面が負のゼータ電位を有する。そのため、正に荷電させるためには、この負の荷電を打ち消して正に変化させる処理を施す必要がある。表面が正に帯電したループ状繊維は、以下のような方法で作成することができる。例えば、あらかじめ紡糸した繊維に正荷電を有する帯電剤を塗布または含浸する方法がある。また、繊維加工しうる熱可塑性樹脂に帯電剤を混練りしたのち紡糸する方法等がある。また、第三級アミン等を含む帯電剤前駆体を用い、前記と同様に繊維に塗布または含浸するか、または樹脂に混練する等の処理を行い、しかるのち繊維の状態で四級化処理する方法がある。または基材となるポリマーに電子線または放射線を照射してラジカルを発生させ、二重結合と正イオンとなりうる基とを持った化合物をグラフト重合させる方法がある。また、同一分子内に二個以上のカルボキシル基を持つ化合物を帯電剤前駆体として用い、繊維化後に2価以上のカチオンを含む塩溶液で後処理することにより、カルボキシル基との間にキレートを生ぜしめて表面を正に荷電させてもよい。製造のし易さと帯電剤の安定した固定化のためには、熱可塑性樹脂に帯電剤を混練りしたのち紡糸する方法が好ましい。
帯電剤としては、正の荷電を有するか若しくは有しうる種々の化合物を用いることができる。例えば、一般式Rで表される第4級アンモニウム塩(ここで、Rは、アルキル基、アリル基等の炭化水素残基であり、4つの残基は互いに同一であっても良いし異なっていても良い。Xはハロゲン、硫酸基、アルキルスルフォン酸基、芳香族スルフォン酸基または硝酸基等の酸基である。)があげられるが、その他の窒素化合物としてアルキルアミド系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、アゾ系化合物等があげられる。
第4級アンモニウム塩としては、ポリアクリル酸エステルトリメチルアンモニウムクロライドのごときポリアクリル酸型カチオンや、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの重合より得られるポリカチオンがあげられる。アミド系化合物としては、下記化学式で示されるポリ(オキシエチレン)アルキルアミドやヤシ油ジエタノールアミド等をあげられる。
Figure 0004836420
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−t−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等をあげることができる。アゾ系化合物としては、ジスアゾオレンジLG−2、PVファーストイイェロー(ヘキスト社商品名)等があげられる。
また、所定の水中で正荷電を呈するカチオン樹脂をボールミル等で微粉末に粉砕し、帯電剤として用いても良い。また、同一分子内に二個以上のカルボキシル基を持つ帯電剤前駆体としては、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルエチレンジアミンニ酢酸、1,3プロパンジアミン四酢酸等が挙げられる。これらの帯電剤前駆体のカルボキシル基とキレート結合を生じさせ、接触材表面を正に帯電させる2価以上のカチオンとしては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン等があげられる。キレート結合を生じさせる後処理としては、2価以上のカチオンを含む高濃度の塩溶液を用いて表面処理するのが好ましいが、代わりにカルシウムイオン等を比較的多く含む水道水を用いて繊維を洗浄する方法でもよい。
上記の帯電剤若しくは帯電剤前駆体の繊維中の使用量は、帯電剤等と熱可塑性樹脂の種類および目標とするゼータ電位の高さにより異なるが、通常0.01重量%以上10重量%以下の範囲で用いるのが好ましい。
このようにして構成された接触材は、生物処理槽内で微生物類と溶存酸素との接触効率を稼ぐため、図3に記載のコイルバネのようなラセン形に整形するのが好ましい。接触材を直線のまま用い、これに旋回流が生じるように案内羽根等を設けるようにしても良いが、構造が複雑になるため、接触材自身をラセン形に加工するのが単純で好ましい。ちなみに図3(b)は、接触材10をラセン回転の中心軸13に対して垂直方向から見た場合の概念図であり、図3(a)は、同じ中心軸13に対して平行方向から接触材10を見た場合の概念図である。ラセン形の中心軸方向からみた回転円の外径rは、60mm以上90mm以下とするのが好ましい。また、回転円を一周するに伴い回転軸方向に進む距離であるラセンのピッチdとしては、5cm以上20cm以下であることが好ましい。この範囲で、水処理槽の空間の利用効率を高く維持しながら、偏性嫌気性域が生じにくい状態にすることができる。より好ましくは7cm以上13cm以下である。
また、ラセンの内径rはできるだけ小さくするのが体積利用効率の点からは望ましいものの、偏性嫌気性域を生じにくくするためには15mm以上にすることが望ましい。この範囲で、ラセン形の内部部分が攪拌されやすくなり、内部にバクテリアが詰まるような現象が生じにくくなる。このような接触材を、図5(b)に記載のように、水処理槽内でラセンの中心軸が鉛直方向に略平行になるように設置することにより、曝気気泡の上昇に伴う旋回流を生ぜしめることができる。この旋回流により水処理槽内の攪拌が行われるから、偏性嫌気性域が生じにくく、通性嫌気性及び好気性状態にあり続けるように、付着する汚泥層の厚さを事実上管理することができる。
ちなみに、ラセン内部で攪拌不十分の部分が生じてラセン内部にバクテリアが詰まってしまった場合には、ラセン形全体が一本の棒状となってその内部には偏性嫌気性域が生じる。そのため、内部は腐敗して黒色化し、接触材を空気中に取り出すと独特の腐敗臭を発する。このような状態では、接触材に巨大微生物類が棲息することはできず、余剰汚泥を減容化する機能は失われてしまう。
次に、上記の接触材を用いた水処理装置の構成例について、図4を用いて説明する。図4は、装置の全体構成の概略を示した概念図である。この装置は、排水等20を受け入れて生物処理する生物処理槽21と、その下流に設けられて上澄み水34と汚泥33とを分離する沈降槽32と、沈降槽32から引き抜かれた余剰汚泥を生物処理槽21に返送する汚泥返送ライン36とそのためのポンプ35とからなる。ポンプとしては移送ができるものであればよく特に限定されないが、エアリフトポンプを用いるのが好ましい。この水処理装置を経由して排水等20は低BODの処理済み水38となり、そのままかあるいは所定の後処理を受けたあと、一般河川等に放出される。ここで、沈降槽32は、固液分離手段の一例である。
この例では、生物処理槽21は4段に区分けされ、かつ各槽は直列に順次連通しており、排水等は、順次仕切り板を越流して次の段の槽に流入する構造となっている。このような構造とすることにより、各段で生成する生物相を異なるものとすることが可能となる。具体的には、1段目の第1槽ではバクテリアにより排水中のBOD成分の分解が主となり、1段目から4段目に移行するにつれてバクテリアから原生動物、後生動物が主となるように生物相が変化するようにする。ちなみに排水等中のBOD成分はバクテリアにより分解されるが、原生動物及び後生動物はバクテリアを捕食するもののBOD成分は分解しない。このような多段階の生物処理により、BOD成分および排水中に発生する汚泥をかなりの程度まで減少せしめることかできる。
なお、生物処理槽の区分け段数は、BOD成分の性状により必要に応じて増減できるが、2段から6段程度が好ましく、生物処理の目的がBOD成分の廃水処理のみの場合は3段から5段が好ましく、3段から4段がより好ましい。さらに、後述する脱窒処理を併せて行う場合は、3段から6段とするのが好ましい。
この水処理装置では、まず排水20は1段目の第1槽25に流入するが、その際、排水を槽の下部に導く誘導板22により槽の底部から槽25内に導入される。槽25内には上記の接触材を複数固定した金属枠または架台23(以下、モジュール23という。この構造は後述する。)が固定されており、その下部には接触材上の微生物類に酸素を供給すると共に、旋回流を生ぜしめるための空気を排出する散気管24が設けられている。この散気管24からの空気により、接触材表面は、好気性域または通性嫌気性域に保持される。
誘導板22により槽の下部から槽25内に流入した排水は、散気管24から所定量排出される気泡により生じる上昇流にのって、モジュール23内を上昇しながら排水を攪拌し、合わせて接触材表面の微生物類に酸素を供給する。バクテリアにより排水中のBOD成分のおよそ60%から90%が分解された処理水は、2段目の槽27との境界に設けられた仕切板26を越流して2段目の槽27に流入する。
2段目の第2槽では、やはり1段目と同様な誘導板22’により、処理水は槽下部に誘導され、散気管24’からの気泡により上昇してモジュール23’内の微生物で生物処理される。この槽の接触材には原生動物を主として棲息させることにより、1段目から流入したバクテリアを補食させている。同様な構造の3段目及び4段目では、1段目及び2段目でBOD成分の95%以上が分解され後生生物が棲息しやすい状態にして送られたきた液性下で、接触材に後生動物を主に棲息させ、これら巨大微生物に余剰汚泥となるバクテリアを捕食させている。これら各槽に分かれている方式では、それぞれの機能を満足するように酸素濃度や旋回流等の各種条件を設定することができ、これにより所定の生物処理が可能となる。これにより、沈降槽からの余剰汚泥として引き抜き処分する量が、大幅に減少する。さらに、沈降槽からの引き抜きぬいて処分すべき汚泥が殆どなくなるまで余剰汚泥を極少化することが可能となる。
ここで、水処理槽内のモジュールの構造について図5を用いて説明する(いずれの段のモジュールもほぼ同じ構造)。図5は、8本(4本×2列)の接触材40を金属製の枠41に格納したモジュールの例である。図5(a)は、モジュールを鉛直方向から見た場合の、接触材40の水平方向の配置状態を示す概念図であり、図5(b)は、略水平方向から見たモジュールの斜視図である。なお、図5(b)図では、図面手前側の4本の接触材だけが描かれており、図面後ろ側に位置する4本は省略されている。モジュ−ルは、このように複数の接触材が、鉛直方向に略平行方向で、多数本が金属枠内に並列になるように配列されており、各接触材の上下端は、金属製の枠または架台に固定されている。
図5(a)に示した接触材の外周間の距離Sは、できるだけ小さくすることが槽体積の利用効率の観点から好ましいが、一方で小さすぎると接触材の外周間の攪拌が不十分となり、外周間に汚泥が詰まりやすくなる。仮に汚泥が詰まった場合は偏性嫌気性域が生じてしまう。これを防ぐためには、接触材の外周間の距離Sは15mm以上となるように接触材を配列するのが好ましい。槽の内壁または枠と、接触材の外周間との距離に関しても同様である。
モジュールは、排水等の量やBOD濃度に応じて1つの槽に複数格納するようにしても良く、その場合、最も体積効率が良いように水平方向若しくは鉛直方向に複数のモジュールを並べることができる。
図4に戻り、生物処理槽21に続いて設けられた沈降槽32では、水処理槽の第4槽29から越流した処理水31を静置して、沈降汚泥33と上澄み水34とに分離する。この沈降汚泥33は一部処理水と合わせて沈降槽下部から引き抜かれ、ポンプ35および汚泥返送ライン36を経て、生物処理槽21の1段目に戻される。沈降汚泥は、原水水質にもよるが、第1槽へ供給排水の50%以上400%以下の量を返送するのが望ましい。これにより生物処理槽との循環を生ぜしめる。好ましくは100%以上300%以下であり、150%以上250%以下がさらに好ましい。
上記の水処理装置は、同じ敷地面積を要する標準活性汚泥法と比較して、およそ3倍から10倍程度のBOD容積負荷量を処理可能であり、発生する余剰汚泥も無いか若しくは少量ですむ利点がある。
図4の水処理装置では、大部分を生物体が占めるMLSSを沈降させて固液分離し、これを生物処理槽の第1段めに戻すために沈降槽32を用いている。しかし、沈降槽は比較的大きな設置面積を要することから、より省スペース化するために、沈降槽に代わる固液分離手段として膜分離装置を用いることもできる。膜分離装置を用いると、MLSSのみならず、処理水中のバクテリア類やSS物質やコロイド物質も分離・除去されることから、良好な回収水が得られ好ましい。
膜分離装置に用いることができる膜種は、UF膜またはMF膜である。膜の形状は、中空糸膜、平膜、管状膜のいずれも用いることができる。ただし、ファウリング等による膜の目詰まりや、膜やモジュールの形状による膜分離装置の詰まりが生じにくい仕様とする必要がある。
膜濾過装置は、最終段の生物処理槽内に膜モジュールを浸漬し、膜モジュール内を陰圧にすることで濾過するMBR法(膜分離活性汚泥法)とすることができる。または、最終段の生物処理槽から活性汚泥液をポンプアップして、膜分離装置に加圧送液して濾過する方法としてもよい。いずれの方式も適用可能である。
膜分離装置から分離された濃縮液は、前段の生物処理槽の先頭の処理槽に戻す。また、膜分離装置で濾過された水は、上述のように回収して再利用するか、または放流する。再利用のためにより純度の高い処理水が必要な場合、例えば、工場等の生産工程用の水に使用するなどの場合は、UFまたはMFを用いた膜分離装置の後に、さらにRO膜を用いた膜分離装置を連結するのが良い。このように処理された処理水は、電気抵抗が1MΩ以上の純水とすることもでき、特に問題なく再利用することができる。
以上、説明したように、図4に記載された水処理装置は、各段において主として好気性域下で生物によるBOD処理を行うものであるが、BOD処理に併せて脱窒処理が必要な場合には、通性嫌気性域下で脱窒処理を行う脱窒槽を水処理装置の中に設けるのがよい。例えば、醤油の製造等のように、製造排水中に窒素成分の多い排水の処理を行う場合は、BOD成分の分解に加えて脱窒処理が必要となる。ここで、脱窒処理とは、排水中のアンモニア態窒素が好気性域下で硝化菌により酸化されて硝酸化合物となり、続いて、この硝酸化合物が嫌気性雰囲気下で脱窒素菌により窒素ガスに分解される処理をいう。後段の脱窒処理は、生物処理槽のORP(酸化還元電位)を0から−200mV程度のマイナス領域に保つことで実施される。このような脱窒処理を利用した水処理装置の構成例を図7に示す。
図7に示した水処理装置は、生物処理槽84と沈降槽120とからなり、生物処理槽84は、複数の隔壁85により内部が槽90から槽96の6槽に分かれている。生物処理の目的がBOD処理と脱窒処理の両方を行う場合は、生物処理槽を4段から6段とするのが好ましい。なお、図7で隔壁85は簡略化されて記載されているが、図4の生物処理槽の隔壁26、22’等と同様の構造を有し、6槽は順番に連通している。
生物処理槽84の第1槽は、第1嫌気槽90であり、図示されていないが、接触材モジュールが内部に設置されており、攪拌機100によって内部の液が攪拌されながら排水81中のBODを利用して脱窒素が行われている。これにより硝酸化合物が窒素ガスと水に分解される。続く好気性の曝気槽91から93では、内部に接触材モジュール110〜112が設置されており、散気管101〜103から空気が槽内部に供給されている。ここでは、アンモニア態窒素の硝化とBOD成分の分解が行われる。
3番目の曝気槽93から、ライン131により流入原水の400%程度の量を取り出し、第1嫌気槽に循環させる。曝気槽91〜93で生じた硝酸化合物を第1嫌気槽90に送り込むことで、脱窒素効率を上げるためである。また、3番目の曝気槽93の排水の一部は、次の槽である第2嫌気性槽94に移動する。この槽には、外部からBOD成分としてエタノール114が供給されており、これを用いて残りの硝酸化合物が脱窒される。
続いて、生物処理槽の最後に、やはり接触材モジュール113と散気管105を備えた好気性の曝気槽96が設けられており、ここに排水が移動して残存したBOD成分が分解される。
続いて、排水は沈降槽120に移動し、水中に浮遊していたMLSSが沈降して沈降汚泥121を形成する。なお、第1槽から第6槽までの活性汚泥浮遊物(MLSS)は、ほぼ同じ程度の濃度である。この沈降汚泥として20%から40%も濃度が高くなった沈降MLSSを、ライン130に含まれる図示されないエアリフトポンプ等を用いて、原排水が流入している第1槽の生物処理槽に循環液として戻す。これは、図4を用いて説明した好気処理だけの場合でも、この図7による嫌気処理と好気処理を併用した処理の場合のいずれでも同じである。これにより汚泥の減容を行う
沈降槽120の上澄み液は、処理水123として放流する。この処理水中の残存窒素は10ppm以下にすることができるし、処理BODを5ppm以下程度とすることもできる。また、排水の窒素濃度によっては、嫌気槽90、94で接触材モジュールを使用しないで脱窒処理を行うことも可能である。
外部から水処理装置内に流入する排水のBOD成分の濃度が、下水に相当するBOD200ppm程度であれば、生物処理槽内部のMLSSは、1000〜1500ppm程度で平衡に達する。また、流入排水のBOD成分の濃度が2000〜4000ppmであれば、MLSSは徐々に増加し、10000〜30000ppmでほぼ平衡に達する。
いずれの場合でも、流入するBOD量が低下すると生物処理槽内のMLSS濃度は低下し、逆に、流入BOD量が増加するとMLSS濃度は増加する。これは、槽内に流入する有機物を浮遊微生物が処理して増殖し、その浮遊微生物を繊維製接触材に付着しているみみず等の高位生物が補食して、MLSSが調節されているものと考えられる。そのため、流入負荷の変動はこれらの微生物群によって吸収される。従って、これらの水処理方法は負荷変動に強く、また余剰汚泥の引抜き量の調節等の複雑なメンテナンスを必要としていない。つまり、生物類の補食関係や生物間の自然のバランスの上にたつ優れた方法であると言える。
以下、製造例、実施例、比較例等により本発明を詳細に説明する。なお、製造例等で用いたゼータ電位の測定法は、図6に示す測定装置を用い、測定用カラム50に被測定物である繊維56を多孔板54と55で移動しないように密に充填し、カラム内を測定用の測定液で満たした。なお、測定液は、pHを下げる場合は純水で希釈したHClを添加し、pHをあげる場合には、同じく純水で希釈したKOHを適宜添加して、電気伝導度が0.3mS/mから0.8mS/mの範囲内でpHを調整した。続いて、測定液70の入口51より加圧し、出口71に設けられた弁53を調節して圧力を調整した。加圧により発生する差圧を圧力センサ58と59を用いて差圧計60で計測し、また、流動電位を電極57を用いて電圧計61で計測した。この測定値から以下の式(2)に従ってゼータ電位を求めた。
ゼータ電位(ζ)=−ΔV×η×κ/(ε×ΔP) (2)
(ここで、ΔPは装置にかけた濾過圧であり、ΔVはΔPにより生じる流動電位である。また、ηは測定液の粘度であり、κは測定液の電気伝導度、εは測定液の誘電率である。)
(製造例1) ポリプロピレン樹脂と、ポリプロピレン樹脂に対して2.5wt%となる量のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)とを混合して混練りし、この混練り樹脂を紡糸して、太さが105dtexの糸を得た。続いて、この繊維を比較的カルシウムイオン濃度の高い水道水で洗浄した。この糸を用いて、pH9、7または5における流動電位を測定し、これからゼータ電位をもとめた。各々のpHにおけるゼータ電位は、+0.4mV、+0.6mV、及び+0.7mVであった。
この糸0.5gを、直径2cm、長さ15cmのカラムに充填し水道水を通水後、E.Coli109を生理食塩水に6.1×10の8乗個/mlの濃度で分散させ、これを50ml/hrの速度で2時間通液した。この通過液をサンプリングしブイヨン寒天平板混釈法にて培養しE.Coli109の菌体濃度を調べ、2.5×10の7乗個/mlの濃度を得た。96%と良好な吸着率であった。
(比較製造例1) 製造例1で用いたポリプロピレン樹脂を用い、帯電剤を混練りしないで太さ102dtexの繊維を紡糸した。この繊維の、pH9、7及び5のゼータ電位を求めたところ、各々のpHで、−8.0mV、−5.8mV、及び−1.6mVと、いずれでも負であった。また、求めたゼータ電位はpHの変化で大きく変動した。
上記の繊維5gを直径2cm長さ15cmのカラムに詰め、別途用意したE.Coli109を生理食塩水に6.1×10の8乗個/mlの濃度で分散させた溶液を、このカラムに50ml/hrの速度で通液した。カラムの通液を2時間サンプリングし、ブイヨン寒天平板混釈法で培養した。これにより得られたE.Coli109の個数は、5.6×10の8乗個/mlであり、これからE.Coli109の吸着率をもとめたところ、8.2%と小さい値であった。
(比較製造例2) E.Coli109に代えてシュードモナス・フローレッセンスを用い、濃度が3.8×10の8乗個/mlの生理食塩水分散液を用いたこと、およびカラムの通液を1時間サンプリングしたこと以外は、比較製造例1と同様にして実験を行った。サンプリングした液を用いて、ブイヨン寒天平板混釈法でシュードモナス・フローレッセンスの個数を求めたところ3.4×10の8乗個/mlであった。これから繊維への吸着率を計算すると10%とやはり低い値であった。
(製造例2) 4−ジメチルアミノピリジンとベンジルクロライドを反応させて得た下記化学式の第4級アンモニウム塩を帯電剤として用いた。
(C−CH−NMe−CN)Cl Me:メチル基
ポリプロピレン樹脂と、ポリプロピレン樹脂に対して0.75wt%の量の上記第4級アンモニウム塩とを混合して混錬し、この混合樹脂を用いて紡糸して、太さが90dtexの繊維を得た。この繊維を用い、pH9、7、5それぞれでのゼータ電位を求めたところ、各々のpHで、+1.7mV、+1.9mV、+2.2mVと、いずれも正の値であった。
この繊維0.5gを直径2cm長さ15cmのカラムに充填し、別途用意したE.Coli109を6.1×10の8乗個/mlの濃度で分散させた分散液を、このカラムに50ml/hrの速度で2時間通液した。この通過液をサンプリングし、ブイヨン寒天平板培地で培養してE.Coli109の個数を調べた。5.5×10の5乗個/mlの濃度を得た。これから吸着率を計算したところ、99.1%と高い値であった。
(製造例3) ベンゾトリアゾールとジスアゾオレンジLG−2と椰子油脂肪酸ジエタノールアミドとを、ポリ塩化ビニリデン樹脂に対して各々0.25w%となる量で、ポリ塩化ビニリデン樹脂に混錬し、この樹脂を紡糸して太さが110dtexの繊維を得た。この繊維のpH9、7、5におけるゼータ電位を求めたところ、各々のpHで+1.4mV、+1.7mV、+1.8mVであり、いずれも正の値であった。
この繊維0.5gを直径2cm長さ15cmのカラムに充填し、別途用意したシュードモナス・フローレッセンスを8.2×10の8乗個/mlの濃度で分散させた分散液を、このカラムに40ml/hrの速度で2時間通水した。この通過液をサンプリングしブイヨン寒天平板培地で培養し、シュードモナス・フローレッセンスの個数を調べたところ、5.2×10の5乗/mlの値を得た。これから、繊維への吸着率は99.9%と高い値であることがわかった。
(比較製造例3) 帯電剤を含まない太さ110dtexのポリ塩化ビニリデン製の繊維を紡糸した。この繊維のpH9、7、5におけるゼータ電位を求めたところ、各々のpHで、−6.1mV、−5.3mV、−3.9mVであり、いずれも負の値であった。
この繊維0.5gを直径2cm長さ15cmのカラムに詰めた。別途用意したE.Coli109を生理食塩水に6.1×10の8乗個/mlの濃度で分散させた分散液を、このカラムに50ml/hrの速度で通液した。カラムの通液を2時間サンプリングして、ブイヨン寒天平板培地で培養してE.Coli109の個数を求めたところ、5.3×10の8乗個/mlであり、繊維への吸着率は13%と低い値であった。
(製造例4) 乾燥させた架橋度8%の強塩基性イオン交換樹脂をボールミルにかけ、十分に微細粉末化した。ポリエチレン樹脂にこの粉末を、樹脂に対して1.5wt%となるように混合したあと溶融混錬し、この樹脂を用いて太さが150dtexの繊維を紡糸した。この繊維のゼータ電位を求めたところ、pH9で+2.9mV、pH7で+3.3mV、pH5で+3.5mVと、いずれのpHでも正の値であった。
この繊維0.5gを直径2cm長さ15cmのカラムに充填し、別途用意したE.Coli109を6.1×10の8乗個/mlの濃度で分散させた分散液を、このカラムに50ml/hrの速度で2時間通水した。この通過液をサンプリングしてからブイヨン寒天平板培地で培養し、E.Coli109の個数を調べた。個数は9×10の5乗個/mlであり、これから繊維への吸着率は99.8%と高い値であることがわかった。
(比較製造例4) ポリエチレンを溶融紡糸し、130dtexの繊維を得た。本繊維に10Mradの電子線を照射し、繊維内にフリーラジカルを発生させた。一方、反応機にグリシジルメタアクリレートが10%のメタノール溶液を準備し、フリーラジカルを発生させたポリエチレン繊維を30℃の温度下でこの溶液に5分間浸漬して反応させた。これにより、グリシジルメタアクリレートが側鎖となったポリエチレン繊維が得られた。この繊維を反応機から取り出し、未反応物をメタノールで洗浄し除去した。この繊維をトリエチルエタノールアミンの50%水溶液に浸漬し、ポリエチレンに架橋しているグリシジルメタアクリレート基のエポキシ環の一部をエタノールアミンで開裂させた。このようにして130dtexのポリエチレン糸に、第4級アンモニウム塩基を側鎖に持ったイオン交換能の有る糸を得た。この繊維のpH9、7、5におけるゼータ電位を求めたところ、各々のpHで+68mV、+73mV、+75mVであった。
この繊維0.5gを直径2cm、長さ15cmのカラムに充填し、別途用意したE Coli 109を2.2×10の8乗個/mlの濃度で分散させた分散液を、このカラムに50ml/hrの速度で2時間通液した。この100ml通過液をサンプリングし、ブイヨン寒天平板培地で培養して、E Coli 109の個数を調べた。検出個数は3.7×10の7乗であり、これからE Coli 109の繊維への吸着率は82%であった。
(比較製造例5) 比較製造例4と同じポリエチレン糸を使用し、同一の電子線照射を行い、同一の反応機で5%のグリシジルメタアクリレートを用い反応を行った。次いで、35%のトリエチルエタノールアミンの水溶液に浸漬して反応させ、第4級アンモニウムを側鎖に持ったポリエチレン糸を得た。
この繊維のpH9、7、5におけるゼータ電位を測定したところ、+38mV、+41mV及び+40mVであった。この繊維0.5gを比較製造例4と同一濃度、同一量のE Coli懸濁液を用い、同一のカラムで同一の条件で吸着率を求めた。本例のゼータ電位では吸着率は90%であった。
(比較製造例6) 比較製造例4と同じポリエチレン糸を使用し、5Mradの電子線照射を行い、5%のグリシジルメタアクリレートを用い架橋反応を行った。次いで10%のトリエチルエタノールアミンの水溶液で反応させ、第4級アンモニウム基を側鎖に持ったポリエチレン糸を得た。
この繊維のpH9、7、5におけるゼータ電位を測定したところ、+32mV、+33mV、及び+34mVであった。この繊維0.5mgを比較製造例4と同一量を同一のカラムで同一の条件で吸着率を求めた。本例のゼータ電位では95.5%の吸着率であった。
(製造例5) 比較製造例4と同じポリエチレン糸を使用し、5Mradの電子線照射を行ってポリエチレン糸のフリーラジカルを発生させ、3%のグリシジルメタアクリレートを用いて側鎖として反応させた。これをメタノールで洗浄し、次いで10%のトリエチルエタノールアミンの水溶液で反応させ、4級アンモニウム基を側鎖に持ったポリエチレン糸を得た。
この繊維のpH9、5、7におけるゼータ電位を測定したところ、それぞれ+23mV、+25mV、+24mVの値を得た。この繊維0.5mgを比較製造例4と同一の条件でE Coliの吸着率を求めたところ98,9%であった。ゼータ電位が+30mV以下であれば十分な高い吸着性を得ることができる。
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、SFグリーン、クエン酸の各々を帯電剤として用い、ポリ塩化ビニリデン樹脂に対して0.3wt%、0.5wt%、0.5wt%となるように、ポリ塩化ビニリデン樹脂と混合してから混錬し、しかるのち紡糸して太さが105dtexの繊維を得た。続いて、この繊維の表面を飽和濃度の塩化カルシウム水溶液で処理したあと水洗した。この繊維のpH9、7、5におけるゼータ電位は、各々、+2.1mV、+2.5mV、+2.6mVであり、いずれも正の値であった。
幅5mmで長尺のポリエステル織布のリボン2本を基布として用い、上で得た繊維を基布の片面でループ状となるように織り込んだパイル織物を作成した。その際、1本のリボンには、繊維10本を一束とし、長さが35mmとなるように繊維の織り込み長さが調節されたループ状繊維(高さはおよそ14mm)の束が、リボン5mmあたりに3束、つまり1cmあたり3×3×(1/0.5/0.5)=36束となるように基布に織り込んだパイル織物を作成した。同様にして、他の1本のリボンには、織り込み長さが18mm(高さはおよそ8mm)となるよう調節されたループ状繊維の束が、リボン1cmあたり36束となるように織り込んだパイル織物を作成した。
次に、可撓性の単線である銅線にポリ塩化ビニルが被覆された直径4.3mmで所定長さの金属線に、ループ状繊維が外側に出るようにして、上記2本のリボンが二重ラセンを構成するようにすきまなく巻きつけ、金属線の両端部分で2本のリボンが解けないように固定して繊維製接触材を製作した。これにより、接触材の長さ方向と円周方向のいずれについても5mmごとに高さが異なるループ状繊維が設けられた接触材が得られた。
この繊維型接触材を、外周部の外直径がおよそ85mmで内直径がおよそ21mmであり、さらにラセンの回転軸回りの一回転に伴うピッチがおよそ11cmとなるラセン形に加工した。
この接触材複数を、高さ2.3m、長さ0.5m、幅1.6mのステンレス製フレームの上下に渡して上端と下端とを固定し、モジュールを製作した。その際、ラセン状繊維接触材の設置間隔が、ループ状繊維の先端間の間隔が30mmとなるように配列した。なお、モジュールの下部に、高さが0.3mの架台フレームを取り付けた。同様なモジュールをさらに4台製作した。
次に、これらのモジュールを用いて、図4に記載されたものと同様の水処理装置を用意した。この装置の生物処理槽は、長さ3.8m、幅2.0m、高さ3.0mで、槽内の処理水の容積は約20mであり、長さ方向に沿って容積が5:3:3:3で直列の4槽になるように仕切り板で区分けされている。これら4槽では、上流から下流へ処理水が押し流されるように、仕切り板上端の水面付近に越流水のための水路が切られている。
第1槽には、上で製作したモジュールが2台水流れに対して並列に沈められており、第2槽から第4槽には、上のモジュールが各1台ずつ沈められている。各モジュールの上端は処理水の水面からおよそ10cmの深さに位置している。生物処理槽の下流には沈降槽が設置されており、ここで沈降分離された汚泥は、ポンプにより沈降槽下部から引き抜かれ、返送配管を介して第1槽に返送される。沈降槽で分離された上澄み水は、そのまま放流される。
この水処理装置に、食品製造工場から排出されたBOD成分が1500〜2000ppmの排水を40m/日供給した。沈降槽下部から80m/日量で汚泥と処理水を抜き出して第1槽へ返送した。この時、第1槽から第4槽のMLSSはおよそ12000から14000ppmの範囲で一定しており、安定した運転が可能であった。
各槽のDO(溶存酸素濃度)は、第1槽が最も高く5ppmになるように曝気量を設定し、第2槽、第3槽、第4槽と下流に行くにつれて下がるように設定した。第4槽では1ppmに設定した。
また、稼動当初は沈殿槽の状態観察を行いながら、一部の余剰汚泥を装置外部に排出する操作を行ったが、時間の経過と共に余剰汚泥排出量は徐々に少なくなり、3ケ月以降は余剰汚泥を引き抜く必要がなくなり、それ以降6ケ月まで全く抜き出しをしなかった。このことは、稼働から約2ヶ月で、余剰汚泥の主成分であるバクテリアが原生動物や後生動物等により捕食されるようになり、生物処理槽内で食物連鎖機構が成立したことを示している。
水処理装置の稼動後6ケ月経過した段階で運転は安定しており、処理が終了して放流された処理水のBODはほぼ常時10ppm以下であり、最大でも15ppm以下を維持していた。また処理水のSSも安定して15ppm以下を維持していた。この段階で、第1槽から第4槽の繊維製接触材をひきあげ、接触材を目視で観察した。第1槽の接触材は汚泥で隈なく覆われて糸ミミズも少し観察された。第3槽の接触材は汚泥に糸ミミズが多く棲息していることが観察された。第4槽の接触材は殆ど糸ミミズで覆われていた。目視結果から、下流になるほど後生動物が増え、捕食による食物連鎖が起っていることを示していた。これは余剰汚泥がほぼ発生していないことに符号している。
接触材の顕微鏡観察の結果、第1槽ではバクテリアではズーグレア等の通常の活性汚泥菌が多く、原生動物はカルケシューム、トコフィリアやアスピディスカも観察された。
第2槽では、第1槽と同じくズーグレア等の活性汚泥菌が多くいるが、原生動物は第1槽よりも多く観察される。種類も増えボルティセラ、キロドネラ、タチソマやユープロテス等が観察される。また後生動物の糸ミミズであるアエロゾマも棲息している。
第3槽では、活性汚泥上に原生動物でアルセラが増えまたカルケシューム、エピステリス、ボルティセラ及びアスピディスカが大幅に増加しており、後生動物では糸ミミズのアエロゾマ、デロやナイスが多く棲息しており、さらにはワムシであるヒロディナやレカネも観察される。
第4槽では、主体は糸ミミズのアエロゾマ、デロ、ナイスであり、さらにワムシのヒロディナや原生動物はカルケシューム、エピステェリス、アルセラ、アスピディスカ等20種以上棲息が観察できた。
以上の如く、生物処理槽に棲息するバクテリア、原生動物及び後生動物が各々の持つ機能を果たすべく設計された繊維製接触材と、区分けされた4槽の処理槽への接触材の設置と、BOD負荷量に対応する各槽への空気曝気量等の設定により、原水BOD成分及びSS分は放流水質まで処理され、かつ余剰汚泥は極少化されたことがわかった。
比較例1
実施例1で使用した繊維と同等の繊維を用い、ループ状繊維の高さが一律におよそ20mmとなるように繊維の織り込み長さをおよそ50mmに調整し、繊維10本の繊維束が1cmあたり49束となるようにしてパイル織物を作成した以外は、実施例1と同様にして繊維型接触材を得た。これを、ラセンの外直径が100mmでラセンの一周ピッチが15cmとなるように、実施例1と同様にラセン形に加工し、およそ2.3m長さのラセン形の繊維製接触材を作成した。
次に、実施例1で用意した水処理槽の生物処理槽の第1槽の横に、比較実験のために幅30cm、長さ50cm、高さ3.0mの比較実験槽を並設し、第1槽からオーバーフローさせる方法で処理水が流入するようにした。また、第2槽と同様のDOとなるように、この槽の下部にも散気管を設けて空気を供給した。この槽から流出した処理水は、そのまま沈降槽へオーバーフローするようにした。この比較実験槽の中に、上で製作したラセン形の繊維型接触材2本を、相互の外周が接触するようにして設置した。
6ケ月運転経過後に、この2本の接触材を引き上げ目視観察した。2本のラセン状接触材は外周部分が一体化し一本のように見える。接触材表面からの汚泥の一部剥離が10数箇所発生しており、繊維が一部露出している。剥離した部分の芯材に近い部分は黒色化して異臭を放っている。これは、ループ状繊維の高さが、通常の水処理条件で使用するには高すぎたために、それぞれの接触材の芯材付近が攪拌不十分となり、その結果、偏性嫌気性域になってしまったためと考えられる。
また、2本の接触材が接している部分でも、同様に剥離と黒色化が生じている。これは、2本のラセン状接触材が接触している部分でも、攪拌が不十分なために偏性嫌気性域となったためと考えられる。
さらに、接触材で付着汚泥が残存している部分も、指で軽く触れるだけで容易に汚泥が剥離してしまい、その内部の芯材付近が黒色に変色していた。偏性嫌気性菌が生成する各種物質のために、好気性、通性嫌気性汚泥は実施例1の状態に比較し、通常の状態にないと考えられ、実際に付着汚泥を顕微鏡観察した結果でも、原生動物が多少見られるものの実施例1に比して数は著しく少なく、大きい差異が認められた。
接触材に用いるパイル織物の一部の例を示した模式図である。 繊維型接触材の芯材に対して平行方向から見た断面の概略を示した模式図である。 ラセンに加工した繊維型接触材の一部の模式図である。 水処理装置の大まかな構造を示した概念図である。 モジュールの一例の概略構造を示した模式図である。 流動電位測定装置の概略を示した模式図である。 他の水処理装置の大まかな構造を示した概念図である。
符号の説明
1 繊維付き基布
2、8 基布(リボン)
3、4 ループ状繊維
6 金属線
7 プラスチック被覆
10 接触材
11 芯材
12 ループ状繊維
13 中心軸(ラセン軸)
20 流入排水
21 生物処理槽
22 誘導板
23 設食材モジュール
24 散気管
25 第1槽
26 仕切板
27 第2槽
27 第3槽
29 第4槽
31 処理水
32 沈降槽
33 沈降汚泥
34 処理水
35 返送ポンプ
36 汚泥返送ライン
40 接触材
41 枠
51 入口
53 弁
54、55 多孔板
56 繊維
57 電極
58、59 圧力センサ
60 差圧計
61 電圧計
71 出口
81 流入排水
84 生物処理槽
85 隔壁
90 第1嫌気槽
91-93、96 曝気槽
94 第2嫌気槽
100、104 攪拌機
101-103、105 散気管
110-113 接触材モジュール
114 エタノール添加ライン
120 沈降槽
121 沈降汚泥
123 処理水
130 返送ライン
131 循環ライン

Claims (10)

  1. 生物処理により水処理を行う生物接触材であって、可撓性芯材と、前記芯材表面から突出して設けられた多数のループ状繊維とを有し、前記繊維の表面が、pHが5以上9以下の水中において正に帯電してゼータ電位が1mV以上30mV以下であり、前記繊維の太さが50dtex以上150dtex以下であり、前記繊維が前記繊維を5本以上15本以下束ねた繊維束として前記芯材表面に設けられており、前記ループ状繊維の長さが10mm以上50mm以下であり、前記芯材表面において前記ループ状繊維束を設けた密度が1cm あたり25束以上81束以下であり、前記芯材の直径が3mm以上8mm以下であり、前記繊維束として長さが20mm以上40mm以下のループ状繊維を束ねた第一の繊維束と長さが10mm以上20mm未満のループ状繊維を束ねた第二の繊維束とが用いられ、前記第一の繊維束と前記第二の繊維束とが交互に設けられており、前記第一の繊維束が設けられた部分と前記第二の繊維束が設けられた部分とが前記芯材回りに二重ラセンをなして設けられており、前記芯材が可撓性金属線にリボン状の基布を巻き付けて構成されており、前記基布と前記ループ状繊維とがパイル織物を構成しており、さらに、形状がラセン形であり、前記ラセン形の外直径が60mm以上90mm以下で内直径が15mm以上であり、前記生物処理において前記表面が好気性域または通性嫌気性域に保たれうることを特徴とする繊維型接触材。
  2. 前記ループ状繊維が、熱可塑性樹脂に帯電剤を混練り後、紡糸されたものである請求項1に記載の繊維製接触材。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリ塩化ビニリデン樹脂である請求項に記載の繊維型接触材。
  4. 生物処理槽と固液分離手段とを備え、排水を好気性域下もしくは通性嫌気性域下で生物処理する水処理装置であって、前記生物処理槽は、内部が2槽ないし6槽に区画されてかつ順次連通しており、前記各槽内には、請求項1に記載の繊維製接触材が、略鉛直方向となるようにして複数が並設されている水処理装置。
  5. 生物処理槽と固液分離手段とを備えて排水を生物処理する水処理装置であって、前記生物処理槽は、前記排水を好気性域下で生物処理する槽と、通性嫌気性域下で生物処理する槽とを備えて3槽ないし6槽に区画されて順次連通しており、前記各槽内には、請求項1に記載の繊維製接触材が、略鉛直方向となるようにして複数が並設されており、前記固液分離手段は、前記生物処理槽の後段に設けられると共に、固液分離による分離物の少なくとも一部が前記生物処理槽の最初の槽に返送される機構を備えている水処理装置。
  6. 前記複数の繊維型接触材の外周間の離間距離が、15mm以上である請求項4または5に記載の水処理装置。
  7. 前記固液分離手段が、沈降槽である請求項5または6に記載の水処理装置。
  8. 前記固液分離手段が、膜分離装置である請求項5または6に記載の水処理装置。
  9. 生物処理工程と固液分離工程とを経由し、BOD成分を含む排水を好気性域下もしくは通性嫌気性域下で生物処理する水処理方法であって、前記生物処理工程は、2段ないし6段に区分されてかつ順次連続して経由し、前記各段では、略鉛直方向となるようにして複数が並設された請求項1記載の繊維製接触材に担持された微生物類により、前記BOD成分および余剰汚泥が処理される水処理方法。
  10. 生物処理工程と固液分離工程とを備えて排水を生物処理する水処理方法であって、前記生物処理工程は、前記排水を好気性域下で生物処理する工程と、通性嫌気性域下で生物処理する工程とを備えて3段ないし6段に区画されて順次連続して処理がなされ、前記各段では、略鉛直方向となるようにして複数が並設された請求項1に記載の繊維製接触材に担持された微生物類により、前記排水が処理され、前記固液分離工程は、前記生物処理工程の後段に設けられると共に、固液分離による分離物の少なくとも一部が前記生物処理工程の最初の段に返送される水処理方法。
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