JP2012045536A - 微生物担体を利用する汚水処理槽と汚泥抑制 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機物を処理する微生物担体としては、活性微生物が部分的な大群落を形成し易い構造で、かつ汚水が担体各部に自由に流通接触するような担体であり、かつ担体に付着増殖した活性微生物の大群落がはく離、脱落しない担体を提供する。
【解決手段】担体は、ナイロン・綿・ポリプロピレン・ポリ塩化ビニリデン・ポリエステル等有機質、又は炭素・セラミック等の無機質からなる。複数の各繊維条糸を網翼6を基幹5に対して大きなU字形ループ状を形成するよう植立させたものであって、こうすることによって、基幹部における微生物大群落の形成を安定すると共に、併せて液体の流通を良好ならしめて、多種多様な活性微生物の増殖定着を容易ならしめることにより、担体に付着増殖した、活性微生物の大群落のはく離、脱落が無い環境にすることにより、汚泥抑制ならしめた。
【選択図】図3
【解決手段】担体は、ナイロン・綿・ポリプロピレン・ポリ塩化ビニリデン・ポリエステル等有機質、又は炭素・セラミック等の無機質からなる。複数の各繊維条糸を網翼6を基幹5に対して大きなU字形ループ状を形成するよう植立させたものであって、こうすることによって、基幹部における微生物大群落の形成を安定すると共に、併せて液体の流通を良好ならしめて、多種多様な活性微生物の増殖定着を容易ならしめることにより、担体に付着増殖した、活性微生物の大群落のはく離、脱落が無い環境にすることにより、汚泥抑制ならしめた。
【選択図】図3
Description
本発明は、液槽内において、各種微生物の生物学的活性を利用して、当該液中の有機物を酸化処理するプロセスに関し、多種多様の微生物を多段槽にして、定着増殖せしめると共にその活性を高度に食物連鎖化せしめ、汚泥抑制し、かつ長期にわたって発揮せしめるようにした微生物担体の構成に関する。
従来この種の担体としては、活性微生物が部分的な大群落を形成しないような構造でかつ汚水が担体各部に自由に流通接触するような担体が求められていた。例えば、第9図に示すように担体としてポリ塩化ビニリデンの有機質からなる単一の繊維糸条を用い、これらを基幹に対して、大きなU字形ループを形成するよう植立させたものである。中央に同一ピッチでかつ波型でジグザグに走る縦糸が位置をずらしながら斜め方向に重なって各糸の交叉による小さな菱形の桝目を形成している。この桝目内を縦糸に添って横糸が走り、さらにこの横糸と交叉して反対方向に同じ本数の別の横糸が走って筒形レース編と呼ばれる編込組織を形成している。こうすることによって、基幹部における微生物大群落の形成を阻止すると共に、併せて汚水の流通を良好ならしめて微生物の定着増殖を容易ならしめたものである。としている。単一の繊維糸条を用いこれらを基幹に対して大きなU字形ループを形成するよう植立させ全体を螺旋構造としたもの等があるが、基幹部での植設密度が適切で、構造的に、当該部分における液体の流通を阻害する傾向には無い、しかし当該部分に微生物が定着して群落を形成すると、液の流通は安定し、汚水流通部分が順次拡大し活性微生物がある一定まで増殖し安定する。この状態は汚水の処理効率を安定させることが出来る。しかし活性微生物がある一定以上増殖しない構造であり、多種多様の活性微生物が全体的な大群落を形成しないような構造であることから、汚泥抑制に必要な多種多様の活性微生物を全体的な大群落増殖を形成するような構造をもちかつ、担体に付着増殖した活性微生物の大群落のはく離・脱落が無い担体は求められて来た。
本発明は上記の課題を斛決する為に提案されたもので、担体として、ナイロン・綿・ポリプロピレン・ポリ塩化ビニリデン・ポリエステル等有機質又は炭素・セラミック等の無機質からなる複数の各繊維条糸を網翼又は小翼を多重にして、連続した螺旋状の多撚多条糸を用い、これらを基幹に対して大きなU字形ループ状を形成するよう植立させたものであって、こうすることによって、基幹部における微生物大群落の形成を安定すると共に、併せて液体の流通を良好ならしめて、多種多様な活性微生物の増殖定着を容易ならしめることにより、担体に付着増殖した活性微生物の大群落のはく離・脱落が無い環境にする事により、汚泥抑制たらしめたものである。
以下第1図に示す本発明の実施例を参照しながら説明する。図示の通り中央に同一ピッチで、ジグザグに走る6本の縦糸(1−1)…(1−6)が位置をずらしながら糸の交叉による小さな桝目2を形成している。この桝目2内を縦糸(1−1)…(1−6)に添って、140本の多撚条糸と30本の多撚条糸を合せ横糸とした複合多撚多条糸の横糸3−1・1…3−140・30が走り、さらにこの複合多撚多条糸の3−1・1…3−140・30と交叉して反対方向に同じ本数の別の複合多撚多条糸の横糸4−1・1…4−140・30が走って、縦形レースと呼ばれる編込組織を形成している。
本明細書においては、この縦形レース編の縦糸と横糸による編組織の形成部分を基幹5と名付ける。図より判る通り通常の縦形レース編組織と異なるところは、各複合多撚多条糸の横糸が基幹5から外側部へ大きく伸出さて、穏やかな弧を画きながら再び基幹5へ進入して、大きなU字形状をなしていることである。各複合多撚多条糸の横糸は複数の桝目2内を縦糸(1−1…1−6)に添って通過することによって基幹5の組織形成に寄与したのち再び折り返し進入方向へ大きく引出されて同様の弧(R)を形成して再進入するという大きな変形のコの字運動を繰り返している。図示の例において各複合多撚多条糸の横糸は基幹5の6編目毎に伸出侵入を繰り返している。
上記のように各複合多撚多条糸の横糸は夫々独立の存在として基幹5の外側方に緩弧(R)を形成しているものであるが、複合多撚多条糸の横糸と反対方向に走る複合多撚多条糸の横糸とが夫々交錯する結果、平面的には基幹5の外側にU字形緩弧(R)の連続した重なり合いで形成された多数の網目をもつ翼が張り出されているように見える。
本説明書では。この網状の張出しに見える上記のU字形緩弧(R)集合体を網翼6と名付ける。
なお各複合多撚多条糸の横糸は夫々直径3.5ミクロンのナイロン・10ミクロンのビニリデンからなる複合繊維の多撚多条糸であり、上述の緩弧(R)を形成するこの極細の複合繊維の1本乃至数百本を螺旋状にした複合多撚多条糸に多種多様な微生物が定着増殖する。
図示の実施例においてU字形をなす緩弧(R)の全長は約70mm両端部間の距離は約35mm基幹5の幅は約10mmであるが、液中においてU字形ループ状を維持する限り緩弧(R)の全長に制限はない。緩弧(R)の両端部脚部間の距離は35mmが好ましい。又基幹5は緩弧(R)を固定出来る寸法であれば良い。
なお基幹5の材質としては、微生物の定着し難い材料例えばポリエステル等が好ましい。
以上の実施例の説明から明らかなように網翼6を形成する複合多撚多条糸の横糸の緩弧(R)は夫々が独立の存在であると共にその両端脚部が充分な間隔を保って基幹5に植立させられているので基幹の近傍における微生物大群落の出現と液体の滞留を防止することが出来る。同時に緩弧(R)は互に隣接するそれとは、ここに独立の存在であるので、この点においても群落の発達を助長し、かつ液体の流通を容易にする。即ち緩弧(R)はその全表面において多種多様な活性微生物を定着増殖させることができ、部分的な死滅、非活性菌の増大とこれに伴う処理能力の低下という公知担体の欠陥を略完全に排除出来る。
さらに本発明による担体の今一つの特徴として基幹の太さと関連なく相対的に長大な緩弧(R)を得られる活性微生物の定着数を飛躍的に増大せしめ得ること、のちに述べるような変形を加えることにより公知例と直ちに置換使用して格段の効果を発揮出来ることである。
本発明の担体を基幹5の中心を軸線として網翼6を図4のように螺旋状に変形して接触すべき液体が基幹5の方向に流れるとすれば(図7参照)図−1の状態において、液流は網翼6の表面に沿って流れるだけであるが、螺旋状にすることによって液体は巨大な円柱の網翼6の内部(複合多撚多条糸の横糸)に流れることとなる。
本発明による担体の特徴として、接触酸化法とは異なり、本発明の担体を充填した(図8参照)処理槽内液流図に浮遊活性汚泥を循環させる方式としており、付着生物のみならず浮遊生物も機能している。設計上の高い容積負荷・大きな負荷変動もその意図を示している。
また肥厚化した生物膜では、活性汚泥微生物(浮遊微生物)には見られない高次の微生物を含む広い生態系の構成が可能であり、これが環境変化への弾力性や、余剰微生物(余剰汚泥)の発生を抑制する原因となっている。
生物膜法では使用する付着生物の担体としては、比表面積が大きく生物保持量が確保でき、またはく離が生じないこと、さらに、上述のように細菌のみならず後生動物など、より高次の微生物の生育環境を与えうるものであり、公知の欠陥を完全に排除している。
汚泥抑制検証データは表−1による。
(図7参照)担体と液体との接触機会は当該螺旋の断面積に比例して増加する。又、多重螺旋を形成することは、各部分における緩弧(R)の形状及び密度を維持しながら、担体の径(容積)を増大させる結果となる。
網翼6を螺旋状に変形する手段として、基幹5に撚りを与えると網翼6は螺旋状になる。
撚りの固定方法としては例えば基幹と網翼を上下に設けたキャンバスに袋とじ状に縫いつけることにより、網翼6は螺旋状となり、同時に緩弧(R)を形成している各ループ基幹軸線に対して放射状に展開し、その状態で固定させられる。
前記のように複合多撚多条糸の横糸のU字形緩弧(R)集合体でなる網翼6を螺旋状に形成することで多重螺旋となる。
上記のように網翼6を多重螺旋に形成した本発明担体は、第7図に示すような容積の限られた処理槽9内で被処理液10が捲回層流11をなして流動している場合には、単に軸方向の長さの物理的な縮小を図れるという以外にその性能発揮の面において特に有効である。
一般に処理9内に微生物担体を樹立設置すると、担体は捲回層流に対して障碍物として作用し、捲回層流11の一部は分流して下降分流12となるが、この下降分流12はその側流12’が担体と接触下降するのみで中央を流れる主流部分は担体との接触機会が無い。図7に示すような下降分流の中央を流れる主流部分の担体との接触部分が無い場合には、この部分に担体を樹立し、接触下降を図るという以外に性能発揮の面において特に有効である。
殊に前述の公知構造の担体にあっては螺旋状に形成した螺旋網翼では、単繊維で糸条密度が低い、第10図に示すように下降分流12は螺旋網翼6内部の網目内を垂直に下降する流れと、螺旋に導かれて旋回下降する流れとに分けられるので、U字形の緩弧(R)を構成している糸条はその殆んど全ての部分において、かつその全網面において液体との接触機会をもつが、活性生物膜が薄く、汚水浄化効果はあるものの余剰汚泥抑制効果はほとんど無いとされている。
(図10平面図参照)
ところが本発明による担体を多重螺旋状にした糸密度の高い複合多撚多条糸の横糸の螺旋網翼6を使用すると、図8に示すように下降分流12は螺旋網翼6内部の網目内を垂直に下降する流れと螺旋に導かれて旋回下降する流れとに分けられることになるのでU字形の緩弧(R)を構成している螺旋糸条は、その殆ど全ての部分において、かつその全周面において液体と接触機会を持つことになる。
公知例と対応して考えれば、糸条密度が低い担体で全周面において液との接触機会を持っているのに対し、本発明担体は糸条密度が高い担体で、U字形を構成している複合多撚多条糸の横糸はその殆んど全ての部分において、かつその全周面において液体と接触機会を持つことになる。
殊に前述の生物膜法で使用する付着生物の担体としては、比表面積が大きく、生物膜保持量が確保出来、また生物膜のはく離が生じないこと等公知の欠陥を全部排除している。
以上の説明から明らかなように、網翼6を多重螺旋状に形成することにより、下降分流12と螺旋網翼6が螺旋内部の網目を通って垂直方向に流下する流れと螺旋網翼に誘導される旋回流とに分解されることを意味する。
要件として液体が自由に通過し得る程度で、かつ微生物の大群落の出現を養護維持出来る程度の大きさの網目をもっておれば良い。
以上詳述した本発明は担体について全く新規な構造を創出することによって被処理液体と微生物担体との接触機会を飛躍的に増大し得たものであるが、このことは活性微生物の新陳代謝が飛躍的に高まり、食物連鎖との共生作用により余剰汚泥の抑制が飛躍的に高まった。従って担体の有機物分解能が効率的でかつ長期継続維持されることになるのである。
以上の通り本発明による微生物担体は被処理液の有機物濃度と無関係に少なくとも公知例の10倍以上の高速かつ高能率の分解能を実現するものである。
従来この種の担体としては、活性微生物が部分的な大群落を形成しないような構造でかつ汚水が担体各部に自由に流通接触するような担体が求められていた。例えば、第9図に示すように担体としてポリ塩化ビニリデンの有機質からなる単一の繊維糸条を用い、これらを基幹に対して、大きなU字形ループを形成するよう植立させたものである。中央に同一ピッチでかつ波型でジグザグに走る縦糸が位置をずらしながら斜め方向に重なって各糸の交叉による小さな菱形の桝目を形成している。この桝目内を縦糸に添って横糸が走り、さらにこの横糸と交叉して反対方向に同じ本数の別の横糸が走って筒形レース編と呼ばれる編込組織を形成している。こうすることによって、基幹部における微生物大群落の形成を阻止すると共に、併せて汚水の流通を良好ならしめて微生物の定着増殖を容易ならしめたものである。としている。単一の繊維糸条を用いこれらを基幹に対して大きなU字形ループを形成するよう植立させ全体を螺旋構造としたもの等があるが、基幹部での植設密度が適切で、構造的に、当該部分における液体の流通を阻害する傾向には無い、しかし当該部分に微生物が定着して群落を形成すると、液の流通は安定し、汚水流通部分が順次拡大し活性微生物がある一定まで増殖し安定する。この状態は汚水の処理効率を安定させることが出来る。しかし活性微生物がある一定以上増殖しない構造であり、多種多様の活性微生物が全体的な大群落を形成しないような構造であることから、汚泥抑制に必要な多種多様の活性微生物を全体的な大群落増殖を形成するような構造をもちかつ、担体に付着増殖した活性微生物の大群落のはく離・脱落が無い担体は求められて来た。
本発明は上記の課題を斛決する為に提案されたもので、担体として、ナイロン・綿・ポリプロピレン・ポリ塩化ビニリデン・ポリエステル等有機質又は炭素・セラミック等の無機質からなる複数の各繊維条糸を網翼又は小翼を多重にして、連続した螺旋状の多撚多条糸を用い、これらを基幹に対して大きなU字形ループ状を形成するよう植立させたものであって、こうすることによって、基幹部における微生物大群落の形成を安定すると共に、併せて液体の流通を良好ならしめて、多種多様な活性微生物の増殖定着を容易ならしめることにより、担体に付着増殖した活性微生物の大群落のはく離・脱落が無い環境にする事により、汚泥抑制たらしめたものである。
以下第1図に示す本発明の実施例を参照しながら説明する。図示の通り中央に同一ピッチで、ジグザグに走る6本の縦糸(1−1)…(1−6)が位置をずらしながら糸の交叉による小さな桝目2を形成している。この桝目2内を縦糸(1−1)…(1−6)に添って、140本の多撚条糸と30本の多撚条糸を合せ横糸とした複合多撚多条糸の横糸3−1・1…3−140・30が走り、さらにこの複合多撚多条糸の3−1・1…3−140・30と交叉して反対方向に同じ本数の別の複合多撚多条糸の横糸4−1・1…4−140・30が走って、縦形レースと呼ばれる編込組織を形成している。
本明細書においては、この縦形レース編の縦糸と横糸による編組織の形成部分を基幹5と名付ける。図より判る通り通常の縦形レース編組織と異なるところは、各複合多撚多条糸の横糸が基幹5から外側部へ大きく伸出さて、穏やかな弧を画きながら再び基幹5へ進入して、大きなU字形状をなしていることである。各複合多撚多条糸の横糸は複数の桝目2内を縦糸(1−1…1−6)に添って通過することによって基幹5の組織形成に寄与したのち再び折り返し進入方向へ大きく引出されて同様の弧(R)を形成して再進入するという大きな変形のコの字運動を繰り返している。図示の例において各複合多撚多条糸の横糸は基幹5の6編目毎に伸出侵入を繰り返している。
上記のように各複合多撚多条糸の横糸は夫々独立の存在として基幹5の外側方に緩弧(R)を形成しているものであるが、複合多撚多条糸の横糸と反対方向に走る複合多撚多条糸の横糸とが夫々交錯する結果、平面的には基幹5の外側にU字形緩弧(R)の連続した重なり合いで形成された多数の網目をもつ翼が張り出されているように見える。
本説明書では。この網状の張出しに見える上記のU字形緩弧(R)集合体を網翼6と名付ける。
なお各複合多撚多条糸の横糸は夫々直径3.5ミクロンのナイロン・10ミクロンのビニリデンからなる複合繊維の多撚多条糸であり、上述の緩弧(R)を形成するこの極細の複合繊維の1本乃至数百本を螺旋状にした複合多撚多条糸に多種多様な微生物が定着増殖する。
図示の実施例においてU字形をなす緩弧(R)の全長は約70mm両端部間の距離は約35mm基幹5の幅は約10mmであるが、液中においてU字形ループ状を維持する限り緩弧(R)の全長に制限はない。緩弧(R)の両端部脚部間の距離は35mmが好ましい。又基幹5は緩弧(R)を固定出来る寸法であれば良い。
なお基幹5の材質としては、微生物の定着し難い材料例えばポリエステル等が好ましい。
以上の実施例の説明から明らかなように網翼6を形成する複合多撚多条糸の横糸の緩弧(R)は夫々が独立の存在であると共にその両端脚部が充分な間隔を保って基幹5に植立させられているので基幹の近傍における微生物大群落の出現と液体の滞留を防止することが出来る。同時に緩弧(R)は互に隣接するそれとは、ここに独立の存在であるので、この点においても群落の発達を助長し、かつ液体の流通を容易にする。即ち緩弧(R)はその全表面において多種多様な活性微生物を定着増殖させることができ、部分的な死滅、非活性菌の増大とこれに伴う処理能力の低下という公知担体の欠陥を略完全に排除出来る。
さらに本発明による担体の今一つの特徴として基幹の太さと関連なく相対的に長大な緩弧(R)を得られる活性微生物の定着数を飛躍的に増大せしめ得ること、のちに述べるような変形を加えることにより公知例と直ちに置換使用して格段の効果を発揮出来ることである。
本発明の担体を基幹5の中心を軸線として網翼6を図4のように螺旋状に変形して接触すべき液体が基幹5の方向に流れるとすれば(図7参照)図−1の状態において、液流は網翼6の表面に沿って流れるだけであるが、螺旋状にすることによって液体は巨大な円柱の網翼6の内部(複合多撚多条糸の横糸)に流れることとなる。
本発明による担体の特徴として、接触酸化法とは異なり、本発明の担体を充填した(図8参照)処理槽内液流図に浮遊活性汚泥を循環させる方式としており、付着生物のみならず浮遊生物も機能している。設計上の高い容積負荷・大きな負荷変動もその意図を示している。
また肥厚化した生物膜では、活性汚泥微生物(浮遊微生物)には見られない高次の微生物を含む広い生態系の構成が可能であり、これが環境変化への弾力性や、余剰微生物(余剰汚泥)の発生を抑制する原因となっている。
生物膜法では使用する付着生物の担体としては、比表面積が大きく生物保持量が確保でき、またはく離が生じないこと、さらに、上述のように細菌のみならず後生動物など、より高次の微生物の生育環境を与えうるものであり、公知の欠陥を完全に排除している。
汚泥抑制検証データは表−1による。
(図7参照)担体と液体との接触機会は当該螺旋の断面積に比例して増加する。又、多重螺旋を形成することは、各部分における緩弧(R)の形状及び密度を維持しながら、担体の径(容積)を増大させる結果となる。
網翼6を螺旋状に変形する手段として、基幹5に撚りを与えると網翼6は螺旋状になる。
撚りの固定方法としては例えば基幹と網翼を上下に設けたキャンバスに袋とじ状に縫いつけることにより、網翼6は螺旋状となり、同時に緩弧(R)を形成している各ループ基幹軸線に対して放射状に展開し、その状態で固定させられる。
前記のように複合多撚多条糸の横糸のU字形緩弧(R)集合体でなる網翼6を螺旋状に形成することで多重螺旋となる。
上記のように網翼6を多重螺旋に形成した本発明担体は、第7図に示すような容積の限られた処理槽9内で被処理液10が捲回層流11をなして流動している場合には、単に軸方向の長さの物理的な縮小を図れるという以外にその性能発揮の面において特に有効である。
一般に処理9内に微生物担体を樹立設置すると、担体は捲回層流に対して障碍物として作用し、捲回層流11の一部は分流して下降分流12となるが、この下降分流12はその側流12’が担体と接触下降するのみで中央を流れる主流部分は担体との接触機会が無い。図7に示すような下降分流の中央を流れる主流部分の担体との接触部分が無い場合には、この部分に担体を樹立し、接触下降を図るという以外に性能発揮の面において特に有効である。
殊に前述の公知構造の担体にあっては螺旋状に形成した螺旋網翼では、単繊維で糸条密度が低い、第10図に示すように下降分流12は螺旋網翼6内部の網目内を垂直に下降する流れと、螺旋に導かれて旋回下降する流れとに分けられるので、U字形の緩弧(R)を構成している糸条はその殆んど全ての部分において、かつその全網面において液体との接触機会をもつが、活性生物膜が薄く、汚水浄化効果はあるものの余剰汚泥抑制効果はほとんど無いとされている。
(図10平面図参照)
ところが本発明による担体を多重螺旋状にした糸密度の高い複合多撚多条糸の横糸の螺旋網翼6を使用すると、図8に示すように下降分流12は螺旋網翼6内部の網目内を垂直に下降する流れと螺旋に導かれて旋回下降する流れとに分けられることになるのでU字形の緩弧(R)を構成している螺旋糸条は、その殆ど全ての部分において、かつその全周面において液体と接触機会を持つことになる。
公知例と対応して考えれば、糸条密度が低い担体で全周面において液との接触機会を持っているのに対し、本発明担体は糸条密度が高い担体で、U字形を構成している複合多撚多条糸の横糸はその殆んど全ての部分において、かつその全周面において液体と接触機会を持つことになる。
殊に前述の生物膜法で使用する付着生物の担体としては、比表面積が大きく、生物膜保持量が確保出来、また生物膜のはく離が生じないこと等公知の欠陥を全部排除している。
以上の説明から明らかなように、網翼6を多重螺旋状に形成することにより、下降分流12と螺旋網翼6が螺旋内部の網目を通って垂直方向に流下する流れと螺旋網翼に誘導される旋回流とに分解されることを意味する。
要件として液体が自由に通過し得る程度で、かつ微生物の大群落の出現を養護維持出来る程度の大きさの網目をもっておれば良い。
以上詳述した本発明は担体について全く新規な構造を創出することによって被処理液体と微生物担体との接触機会を飛躍的に増大し得たものであるが、このことは活性微生物の新陳代謝が飛躍的に高まり、食物連鎖との共生作用により余剰汚泥の抑制が飛躍的に高まった。従って担体の有機物分解能が効率的でかつ長期継続維持されることになるのである。
以上の通り本発明による微生物担体は被処理液の有機物濃度と無関係に少なくとも公知例の10倍以上の高速かつ高能率の分解能を実現するものである。
Claims (4)
- 多種多様の微生物を定着増殖させる微生物担体において、基幹の周囲に有機質・無機質からなる複数の極細繊維条糸の螺旋状にした多撚多条糸による多数の網翼を具えた多重螺旋翼を設けたことを特徴とする微生物担体。
- 多種多様の微生物を定着増殖させる微生物担体において、その周囲に有機質、無機質又は金属からなる複数の極細繊維糸条の螺旋状にした多撚多条糸による螺旋網翼を具えた基幹をコイル状に旋回させて全体を多重螺旋構造としたことを特徴とする微生物担体。
- 複数本の縦糸と有機質、無機質、又は金属質の螺旋状にした多撚多条糸からなる複数の横糸とからなり横糸は両端部に距離を設けた大きなU字状のループを連続して、又縦糸と横糸とで基幹を同時にかつ連続して組織したことを特徴とする微生物担体。
- 有機質、無機質、又は金属質の複数の繊維条糸の螺旋状にした多撚多条糸からなる網翼又は小翼を汚水処理液の基幹に並行する流れと螺旋網翼又は小翼を多重にして、連続した螺旋状又は多重螺旋状に設けた微生物担体を汚水処理槽内に複数個設置し、網翼又は、小翼を構成する螺旋状にした各多撚多条糸の小翼を螺旋連続体による旋回流に接触するようにしたことを特徴とする微生物利用汚水処理による汚泥抑制法である。
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JP2010203692A JP2012045536A (ja) | 2010-08-25 | 2010-08-25 | 微生物担体を利用する汚水処理槽と汚泥抑制 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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