JP4836262B2 - サブマージアーク溶接用ボンドフラックス - Google Patents

サブマージアーク溶接用ボンドフラックス Download PDF

Info

Publication number
JP4836262B2
JP4836262B2 JP2006352976A JP2006352976A JP4836262B2 JP 4836262 B2 JP4836262 B2 JP 4836262B2 JP 2006352976 A JP2006352976 A JP 2006352976A JP 2006352976 A JP2006352976 A JP 2006352976A JP 4836262 B2 JP4836262 B2 JP 4836262B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
welding
bead
flux
slag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006352976A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008161902A (ja
Inventor
良昌 村西
統宣 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2006352976A priority Critical patent/JP4836262B2/ja
Publication of JP2008161902A publication Critical patent/JP2008161902A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4836262B2 publication Critical patent/JP4836262B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Nonmetallic Welding Materials (AREA)

Description

本発明は、鉄骨及び橋梁等の鋼構造物の下向きすみ肉溶接において、耐割れ性と優れたビード表面と溶接継手性能を得ることができるサブマージアーク溶接用ボンドフラックスに関する。
サブマージアーク溶接は、被覆アーク溶接及びシールドアーク溶接等の他の溶接法と比べて、高電流及び高速度で溶接を行うことができるという特長を有しており、造船、鉄骨及び橋梁分野等の大型鋼構造物の製作において、能率の観点から欠かすことができない溶接方法である(特許文献1乃至3)。
近時、鋼構造物及び溶接継手性能に対するニーズは、耐震性を考慮した鋼構造設計面と、施工コストの削減を考慮した施工面との双方において、より厳しいものとなっている。耐震性を考慮した設計方法によれば、応力集中を避けるべく、溶接継手部のビードと鋼材の境界である止端部のなじみ性及びビード表面の形状の平滑性に対して、より厳格な規制が設けられている。また、施工コスト削減の可能性が最も高い施工方法は、大入熱が可能なサブマージアーク溶接が最も有効な溶接方法である。しかし、その反面、溶接による入熱が大きいため、ビード表面にポックマーク又はスラグの焼付きが残存し易く、外観が損なわれるため、グラインダー等による余分な手直し及び修正工程を必要となる場合もあった。更に、品質面から大入熱施工法で懸念される低温割れについても、検査基準の高レベル化に伴い、近年厳しい要求がなされている。特に、溶接金属で発生する低温割れだけでなく、水素に起因する母材に発生する微小割れが問題視される場合があり、溶接材料面からの微小割れの抑制手段として、一層の低水素化が求められている。
特開平8−99191号公報 特開平11−347788号公報 特開2003−230983号公報
しかし、上述の特許文献1乃至3に記載された技術においては、大入熱の下向すみ肉施工において、ビード形状及びビード外観等が優れていて良好な溶接作業性が得られるまでには至っておらず、また溶接金属の高靭性化及び母材を含めた良好な耐低温割れ性を全て満足する技術には至っていない。
特に、特許文献1に記載の技術においては、板厚50乃至100mmを考慮して凸ビード形状の改善を図っているが、耐低温割れ性に関する考慮がなされていない。また、特許文献2に記載の技術においては、下向すみ肉において優れた溶接作業性及び継手性能が得られることを目的としているが、耐ポックマーク性及びスラグの焼付き等の点で不十分である。特許文献3では、単層及び多層溶接における優れた溶接品質が得られることを目的としているが、スラグの焼付きの点において不十分である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、大入熱の下向すみ肉溶接において、ビード形状及びビード外観等が優れていて良好な溶接作業性が得られ、高靭性の溶接金属が得られると共に、母材を含めた耐低温割れ性が優れているサブマージアーク溶接用ボンドフラックスを提供することを目的とする。
本発明に係るサブマージアーク溶接用ボンドフラックスは、SiO:21乃至27質量%、MgO:17乃至25質量%、Al:15乃至22質量%、CaO:6乃至11質量%、TiO5.2乃至10質量%、CO:3.5乃至8質量%、NaO:1乃至5質量%、CaF:1乃至5質量%、B:0.2乃至1質量%、Si:0.5乃至2質量%、T.Fe:5質量%以下、Mn:0.1乃至1質量%、Ti:0.2乃至1質量%を含有し、かつMgO/CO比:2.5乃至5.0を満足することを特徴とする。なお、MgO/CO比とは、MgOの含有量と、COの含有量との比である。
また、例えば、このサブマージアーク溶接用ボンドフラックスは、1電極又は2電極のすみ肉サブマージアーク溶接用のボンドフラックスである。
本発明によれば、大入熱の下向すみ肉溶接においても、ビード形状及びビード外観等が優れており、溶接作業性が良好であり、また高靭性の溶接金属が得られ、母材を含めた耐低温割れ性が優れているという効果を奏する。
以下、本発明について更に詳細に説明する。本発明者等は、大入熱溶接においても低温割れの発生を抑制するため、溶接金属の拡散性水素量を低減し、表面ビードに凸ビード及びスラグの焼付きが発生せず、主に高速のすみ肉用サブマージアーク溶接においても、ポックマークが発生せず、内部欠陥のないビードを確保できるフラックスを開発すべく、種々実験研究を行った結果、溶接金属及び母材の低温割れを抑制するためには、溶接金属の拡散性水素量を4cc/100g以下とすることが必要であることを見出した。また、本発明者等は、COが溶融池近傍の水素分圧を下げる効果を有し、溶接金属の拡散性水素量を4cc/100g以下に低減するためには、このような効果を奏するCOが3.5質量%以上必要であることを見出した。
また、本発明者等は、COを増やすと、ビード表面のポックマークが発生しやすくなるため、高速溶接においてもポックマーク性を確保するためには、COが8質量%以下であり、更にポックマークの原因となるガス成分である酸素を抑えるため、脱酸効果を有するTiが0.2質量%以上必要であることを見出した。
そして、Tiが増えると、溶接金属の強度が上昇し、割れ感受性が高くなるため、Tiは1質量%以下とすることが必要であり、更に溶接金属の強度を下げるために、Mnを1質量%以下とすることが必要であることを見出した。
更に、本発明者等は、凸ビード及びスラグ焼付きの発生を抑制するには、フラックス中のMgO/CO比が2.5乃至5.0であることが必要であることを見出した。本発明はこのような知見に基づき完成されたものである。
以下、上述のフラックスの組成限定理由について説明する。
「SiO:21乃至27質量%」
SiOは酸性成分であり、スラグの粘性を調整するのに有効な成分である。SiOが21質量%未満では、スラグの粘性が不足し、ビード幅の揃いが劣化する。一方、SiOが27質量%を超えると、塩基度が低下するため、溶接金属の酸素量が増加し、靱性が劣化すると共に、スラグの粘性が高くなり、ビードの止端形状がオーバーラップとなる。
「MgO:17乃至25質量%」
MgOは塩基性成分であり、溶接金属中の酸素量を低減し、靱性を確保するために有効な成分である。また、MgOはスラグの粘性を低下させる作用を有している。MgOが17質量%未満では、酸素量の低減効果が少なく、靭性が劣化すると共に、ビード幅が不連続となり、凸ビードになりやすく、止端形状がオーバーラップとなる。MgOが25質量%を超えると、スラグが焼付き、スラグ剥離性が劣化すると共に、ポックマークが発生しやすい。
「Al:15乃至22質量%」
Alは中性成分であり、スラグの粘性及び凝固温度を調整するのに有効な成分である。Alが15質量%未満では、スラグの粘性及び凝固温度が低くなり、ビード幅の揃いが劣化する。一方、Alが22質量%を超えると、スラグの凝固温度が高くなり過ぎるため、ビードの広がりが悪くなり、ビード形状が凸ビードとなり、スラグの剥離性が悪くなる。
「CaO:6乃至11質量%」
CaOは塩基性成分であり、フラックスの塩基度を高め、溶接金属中の酸素低減に極めて効果的であると共に、スラグの粘性と凝固温度を調整するのに有効な成分である。CaOが6質量%未満では、溶接金属の酸素量が高くなり、靱性が劣化すると共に、粘性の低下と凝固温度の低下のため、ビードの揃いが不連続となる。一方、CaOが11質量%を超えると、スラグが焼付き、スラグ剥離性が劣化する。
「TiO5.2乃至10質量%」
TiOは酸性成分であり、スラグの流動性を調整し、更に溶接金属中でTi酸化物又は窒化物として存在し、靱性向上に有効な成分である。TiO5.2質量%未満では、ビードの揃いが不連続になると共に、靱性向上の効果が得られない。
一方、TiOが10質量%を超えると、ビード止端形状がオーバーラップとなりやすく、スラグが焼付き、スラグ剥離性が劣化する。
「CO:3.5乃至8質量%」
COは溶接金属への窒素の侵入を防ぐシールド効果と共に、溶融金属近傍の水素分圧を下げて、拡散性水素量の低減に有効な成分である。COが3.5質量%未満では、溶接金属中の拡散性水素量が高くなり、低温割れ性が劣化する。一方、COが8質量%を超えると、ガス発生量が過大となり、ポックマークが多発すると共に、溶接中に吹上げが発生し、ビードの波目が劣化する。なお、CO成分は、金属炭酸塩としてフラックス中に添加される。
サブマージアーク溶接用ボンドフラックスには金属炭酸塩が添加され、溶接中のアーク熱により分解されてCOを発生させる。本発明のCOはこの金属炭酸塩に含まれるCO成分である。
「NaO:1乃至5質量%」
NaOはアーク安定性の確保のための重要な成分である。NaOが1質量%未満では、アークの安定性が極端に不安定となり、アーク切れが発生し、ビード形状及び溶込みが不均一となる。一方、NaOが5質量%を超えると、耐吸湿性が劣化し、ピット及びポックマークが発生すると共に、耐低温割れ性が劣化する。
「CaF:1乃至5質量%」
CaFは塩基性成分であり、溶接金属中の酸素量を低下させると共に、低融点成分であるため、スラグの流動性を調整してスラグ−メタル反応を促進させる際に有効な成分である。CaFが1質量%未満では、溶接金属中の酸素量が高くなり、靱性が劣化し、更に溶接スラグを形成するスラグ量が不足するため、ビードが蛇行し、アンダーカットが発生する。一方、CaFが5質量%を超えると、溶融スラグの融点が低くなり過ぎ、ビード幅の揃いが劣化する。
「B:0.2乃至1質量%」
は溶接熱で還元され、Bとして溶接金属中に存在し、靱性を確保する効果を有する。Bが0.2質量%未満では、その効果が発揮されず、靭性が劣化する。Bが1質量%を超えると、強度が過大となり、高温割れが発生する。
「Si:0.5乃至2質量%」
Siは溶接金属中の脱酸作用により、酸素量を低減するのに有効な成分である。Siが0.5質量%未満では、脱酸効果が不十分で、溶接金属中の酸素が高くなり、靭性が劣化する。一方、Siが2質量%を超えると、スラグの焼付きとスラグ剥離性が劣化すると共に、溶接金属の強度が過大となり、靱性が劣化する。なお、Siは単体の他、Fe−Si等で添加することができる。
「T.Fe:5質量%以下」
T.FeはTotalFeを意味し、Feとして、鉄粉及びFe合金等のFeを含む金属中の全てのFe分の合計である。Feは溶着金属量を補うために有効な成分であるが、Feが5質量%を超えると、表面ビードに鉄粒突起が発生し、外観及び表面形状が劣化する。Feは極力少ない方が望ましいが、Fe−Si合金及びFe−Ti合金中に、合金成分等として不可避的に含まれる。しかし、T.Feは5質量%以下とすれば、本発明の目的達成のために問題はない。
「Mn:0.1乃至1質量%」
Mnは溶接金属中の組織を微細化するのに有効であり、強度を向上させると共に、大入熱の溶接においては靱性を向上させるのに特に効果を有する。Mnが0.1質量%未満では、微細化の効果が得られず、溶接金属の靱性が劣化する。Mnが1質量%を超えると、溶接金属の強度が過剰となり、耐割れ性が劣化する。なお、MnはMn単体の他、Fe−Mn等で添加することができる。
「Ti:0.2乃至1質量%」
Tiは溶接金属の組織を微細化する成分であり、特に、大入熱溶接においては、溶接金属の靱性を高める効果を有する。Tiが0.2質量%未満であると、溶接金属の微細化の効果が十分に得られず、靱性が劣化すると共に、ガス源である酸素を脱酸する効果が得られず、ポックマークが発生する。Tiが1質量%を超えると、溶接金属の強度が高くなり、低温割れ性が劣化すると共に、溶接金属中の固溶Tiが過剰となり、溶接金属の靭性が劣化する。また、Tiが1質量%を超えると、溶接ビードの表面に焼き付きが発生する。TiはTi単体の他、Fe−Ti等で添加することができる。
「MgO/CO比:2.5乃至5.0」
MgOとCOの含有量は上記のとおり個々に規定されるが、本発明者等は、大入熱の下向すみ肉溶接において、種々の検討を重ねた結果、MgO/COの比が、ビード中央に発生する凸形状と、ビード表面に発生するスラグの焼付きに有効であることを見出した。大入熱溶接では、高電流及び低速度の溶接施工条件となるため、溶融池が過大となり、凝固も遅くなりやすい。また、溶融金属と溶融スラグの界面は不安定となり、ビード形状も安定し難くなる。MgOはスラグの粘性を低下させる効果を有するが、低すぎると粘性が高くなり、凸形状となりやすくなる。また、MgO/CO比が高くなると、粘性が下がり、ガス抜けが良くなるため、脱酸成分と結合するCO量が相対的に低下し、酸素と結合しやすいTi及びSi等が過剰となるため、ビード表面に焼付きやすくなると考えられる。従って、溶融スラグの粘性とガス発生量を適正に保つことが、大入熱溶接に強く求められるビード形状・外観の良好性に極めて有効であることを見出した。MgO/CO比が2.5未満であると、粘性が過剰となり、凸ビードが発生する。一方、MgO/CO比が5.0を超えると、Si及びTiが過剰となり、ビード表面に焼付きが発生する。
「その他の成分」
また、上記成分の他に、フラックスにはKO、FeO、ZrO等の酸化物、また溶接金属の機械的性能の面から、Mo、Cr、Al等の金属成分を単体又は合金成分等で添加することができ、その含有量は上記以外の全ての成分の総量として、5質量%以下とする。
本発明のフラックスの成分系においては、深溶込み性が優れており、止端部のなじみが良好であるという特徴があるため、1電極又は2電極のすみ肉溶接用ボンドフラックスとしての適用が極めて有効である。
次に、本発明の実施例についてその比較例と比較して説明する。下記表1は使用した鋼板の組成(質量%)を示す。また、表2は使用した溶接ワイヤの組成(質量%)を示す。更に、表3は2電極すみ肉溶接による溶接条件を示す。これらの鋼板及びワイヤを使用し、下記表3及び図1に示す溶接条件により、前述の完全溶込みすみ肉サブマージアーク溶接(両面溶接)を行った。図1はすみ肉溶接の鋼板形状を示す断面図、図2は拘束割れ試験体の形状を示す斜視図(2nd側溶接時)、図3はシャルピー衝撃試験の試験片採取位置及び酸素分析位置を示す断面図である。下板1の表面に立板2の端面を当接させ、先ず、1st側をすみ肉溶接し、その後、2nd側をすみ肉溶接する(図1は2nd側の溶接)。このとき、下向き溶接になるように、下板1を55°水平から傾ける。これらのすみ肉溶接において、溶接時の割れの有無を試験するために、図2に示すように、下板1及び立板2を拘束する。即ち、下板1の下面に5個の矩形の拘束板3を溶接により適長間隔をおいて固定し、下板1の上面に立板2を垂直に配置し、逆L字形の5個の拘束板4を適長間隔をおいて下板1の表面及び立板2の表面に、溶接により固定する。この図2の状態で、図1に示すように、下板1を傾斜させ、2nd側を下向きすみ肉溶接する。下板1及び立板2は拘束されているので、割れの発生については厳しい条件となる。溶接が終了し、72時間放置後、拘束板3,4はガウジング等により溶接金属を溶かして、下板1及び立板2から取り外す。なお、1st側の溶接時には、逆L字形の拘束板4は2nd側に取り付けられており、1st側の溶接終了後、この拘束板4を取り外して、1st側に付け直し、2nd側の溶接を行う。図3に示すように、これらの溶接の結果、1st側のビード5に被さるように、2nd側のビード6が形成される。そして、この2nd側のビード6から、シャルピー衝撃試験片7を採取する。この試験片7は、2nd側のビード6の表面から7mmの位置を中心として、±5mmで10mmの幅を有するものであり、奥行きも10mmである。長さは55mmであり、結局、1辺長が10mmの正方形断面で長さが55mmの形状を有する。この試験片7にVノッチを形成した。
この試験片を使用して、−20℃でのシャルピー衝撃試験を実施した。また、この試験片7の中心位置において、溶接金属の酸素量を測定した。更に、溶接後に、1st側及び2nd側について、目視によるスラグ焼付きの有無、ポックマークの有無、ビード幅の揃い等を官能評価した。更にまた、1st側及び2nd側について、超音波探傷試験(UT試験)により、溶接金属における割れの有無を確認した。
Figure 0004836262
Figure 0004836262
Figure 0004836262
また、下記表4は供試ボンドフラックスの組成(フラックス中の成分含有量)、表5は2電極すみ肉溶接による試験結果を示す。
Figure 0004836262
Figure 0004836262
Figure 0004836262
表5に示すように、本発明の範囲に入る実施例1乃至10のワイヤは、溶接作業性、非破壊検査及び靱性の試験結果が良好であった。
一方、本発明の範囲から外れる比較例11はフラックス中のSiOの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、ビード幅の揃いが劣化した。比較例12はフラックス中のSiOの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、溶接金属の酸素量が増加し、靭性が劣化すると共に、オーバーラップが発生した。
比較例13はフラックス中のMgOの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、酸素量が低減せず、靭性が劣化し、また凸ビードとなり、オーバーラップも発生した。比較例14はフラックス中のMgOの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、スラグの焼付き及びポックマークが発生した。
比較例15はフラックス中のAlの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、ビード幅の揃いが劣化した。比較例16はフラックス中のAlの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、凸ビードとなり、スラグ剥離性が劣化した。
比較例17はフラックス中のCaOの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、溶接金属酸素量が高くなり、靭性が劣化し、またビードの揃いが劣化した。比較例18はフラックス中のCaOの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、スラグの焼付きが発生し、スラグ剥離性が劣化した。
比較例19はフラックス中のTiOの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、ビードの揃いが劣化し、靱性が劣化した。比較例20はフラックス中のTiOの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、スラグが焼付き、剥離性が劣化した。
比較例21はフラックス中のCOの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、溶接金属中の拡散性水素量が増加し、低温割れが発生した。比較例22はフラックス中のCOの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、ポックマークが発生した。
比較例23はフラックス中のNaOの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、溶接中にアーク切れが発生し、スラグ巻込みが多発した。比較例24はフラックス中のNaOの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、耐吸湿性が劣化し、低温割れが発生した。
比較例25はフラックス中のCaFの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、ビードの揃いが劣化し、アンダーカットが発生した。更に、比較例25は溶接金属中の酸素量が増加し、靱性が劣化した。比較例26はフラックス中のCaFの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、ビード幅の揃いが劣化した。
比較例27はフラックス中のBの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、靱性が劣化した。比較例28はフラックス中のBの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、高温割れが発生した。
比較例29はフラックス中のSiの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、溶接金属中の酸素量が増加し、靱性が劣化した。比較例30はフラックス中のSiの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、スラグが焼付き、剥離性が劣化すると共に、靱性が劣化した。
比較例31はフラックス中のT.Feの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、鉄粒突起が多発し、表面形状が劣化した。比較例32はフラックス中のMnの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、靭性が劣化した。比較例33はフラックス中のMnの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、低温割れが発生した。比較例34はフラックス中のTiの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、靱性が劣化し、ポックマークが多発した。比較例35はフラックス中のTiの含有量が本発明範囲の上限を超えているので、低温割れが発生し、靭性が劣化した。
比較例36はフラックス中のMgO/CO比が本発明範囲の下限未満であるので、中凸ビードが発生した。比較例37はフラックス中のMgO/CO比が本発明範囲の上限を超えているので、ビード表面に焼付きが発生した。
以上詳述したように、本発明の範囲に入る実施例は、サブマージアーク溶接用のボンドフラックスにおける成分系を適切に規定しているので、良好な溶接作業性と靱性を得ることができる。
すみ肉溶接鋼板形体を示す模式図である。 拘束割れ試験体形状を示す斜視図である。 シャルピー衝撃試験片の採取位置を示す図である。
符号の説明
1 下板
2 立板
3 拘束板
4 拘束板
5 ビード
6 ビード
7 試験片

Claims (2)

  1. SiO:21乃至27質量%、MgO:17乃至25質量%、Al:15乃至22質量%、CaO:6乃至11質量%、TiO5.2乃至10質量%、CO:3.5乃至8質量%、NaO:1乃至5質量%、CaF:1乃至5質量%、B:0.2乃至1質量%、Si:0.5乃至2質量%、T.Fe:5質量%以下、Mn:0.1乃至1質量%、Ti:0.2乃至1質量%を含有し、かつMgO/CO比:2.5乃至5.0を満足することを特徴とするサブマージアーク溶接用ボンドフラックス。
  2. 1電極又は2電極のすみ肉サブマージアーク溶接用のボンドフラックスであることを特徴とする請求項1に記載のサブマージアーク溶接用ボンドフラックス。
JP2006352976A 2006-12-27 2006-12-27 サブマージアーク溶接用ボンドフラックス Active JP4836262B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006352976A JP4836262B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 サブマージアーク溶接用ボンドフラックス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006352976A JP4836262B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 サブマージアーク溶接用ボンドフラックス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008161902A JP2008161902A (ja) 2008-07-17
JP4836262B2 true JP4836262B2 (ja) 2011-12-14

Family

ID=39692066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006352976A Active JP4836262B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 サブマージアーク溶接用ボンドフラックス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4836262B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5334725B2 (ja) * 2009-07-27 2013-11-06 株式会社神戸製鋼所 9%Ni鋼サブマージアーク溶接用焼結型フラックス
JP2013141681A (ja) * 2012-01-10 2013-07-22 Kobe Steel Ltd サブマージアーク溶接用ボンドフラックス、ワイヤ、溶接金属及び溶接方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07100689A (ja) * 1993-09-30 1995-04-18 Kobe Steel Ltd 下向すみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックス
JPH08257789A (ja) * 1995-03-20 1996-10-08 Nippon Steel Corp サブマージアーク溶接方法
JP3617597B2 (ja) * 1998-06-11 2005-02-09 株式会社神戸製鋼所 サブマージアーク溶接用ボンドフラックス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008161902A (ja) 2008-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5111028B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP6809533B2 (ja) フラックス入りワイヤ、溶接継手の製造方法、及び溶接継手
JP4566899B2 (ja) 高強度ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ
JP6437327B2 (ja) 炭酸ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP5179073B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP6033755B2 (ja) Ar−CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP6382117B2 (ja) Ar−CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP2014113615A (ja) 炭酸ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP2015217393A (ja) 炭酸ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP7042057B2 (ja) スラグスポット発生抑止能に優れるステンレス鋼材並びに溶接構造部材およびその製造法
KR101583197B1 (ko) 서브머지드 아크 용접용 본드 플럭스
JP5459083B2 (ja) 高張力鋼用炭酸ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP4297880B2 (ja) サブマージアーク溶接用ボンドフラックス
JP4489009B2 (ja) サブマージアーク溶接用ボンドフラックス
JP5558406B2 (ja) 炭酸ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP4836262B2 (ja) サブマージアーク溶接用ボンドフラックス
JP6365063B2 (ja) 立向溶接の作業性に優れた高靭性ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP6599807B2 (ja) 炭酸ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP3552375B2 (ja) 溶接金属の靱性に優れる厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法
JP2711071B2 (ja) サブマージアーク溶接用ボンドフラックス
JP6071797B2 (ja) 片面サブマージアーク溶接用フラックス
JP3547282B2 (ja) 低水素系被覆アーク溶接棒
JP2007144429A (ja) 下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックス
KR102664069B1 (ko) 가스쉴드 아크 용접용 플럭스 충전 와이어
JP2005144539A (ja) 溶接変形低減のためのガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤおよびそれを用いた溶接変形低減方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110608

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110921

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110926

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4836262

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150