JP4833901B2 - 自動二輪車の前部構造 - Google Patents
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Description
加えて、ナックルアーム65の上部は、フレーム51から前方に延出する心出しブラケット102により支持されている。
また、心出しブラケット102は、補助ロット103、旋回軸104、105からなるリンク機構に連結され、このリンク機構を介してフレーム51に伸縮可能に取り付けられている。
このように、前輪を操舵可能に支持するハブステア機構を備える自動二輪車では、前輪を揺動可能且つ操舵可能に支持するため、部品点数が多くなり複雑な構造を有していた。
つまり、前輪と車体フレームの間は、複数のアームにより連結されるとともに、ナックルアームの上部には、リンク機構をもつアッパアームが設けられており、部品点数が多いという問題があった。
また、上部操舵軸と第1の球面軸受とにより、操舵軸方向および操舵軸周り方向に十分な支持剛性が得られるので、前輪を支持するアームの数を1本に済ませることができる。
この結果、部品費用の低減および組立工数の低減が図れる。
さらに、ハブステア機構にステアリングストッパを付設するので、ハンドルリンクに係る部品点数の増加を招くことなく、ストッパ付前輪操舵装置を構成することができる。従って、部品コストの低減を図ることが可能となる。
操舵支持用の軸受と回動支持用の軸受を異なる部材で支持するようにすることで、各々の軸受の着脱が容易となり、メンテナンス性を高めることができる。
このため、ハブステア機構を有する車体であっても、従来のハブステア機構を有するものに較べて前輪に装着したタイヤの着脱性やメンテナンス性も良好となる。
図1は本発明に係る自動二輪車の左側面図、図2は本発明に係る自動二輪車の正面図である。以下、図1および図2を参照して説明を行う。
なお、ハブステア機構20と前部クッション機構25の詳細については、後述する。
また、前輪16には、フロントデイスクブレーキ47L、47R(手前側の符号47Lのみ示す。)が取り付けられている。フロントデイスクブレーキ47L、47Rは、前輪16に取り付ける前輪ブレーキデイスク48L、48Rと、ナックルアーム21L、21Rに取り付け、制動時に前輪ブレーキデイスク48L、48Rを挟持する前輪デイスクキャリパ49L、49R(手前側の符号49Lのみ示す。)とからなる。
図中、57はフロントカウル、58は燃料タンク、59はシートである。
メインフレーム11aから前方に左右のロアアーム15L、15Rを延設し、これらロアアーム15L、15Rの間に横部材62を掛け渡し、この横部材62に直角に下部操舵軸63を取り付け、この下部操舵軸63に左右操舵可能にハブステア機構20を取り付け、このハブステア機構20から前輪16を操舵可能に支持する左右のナックルアーム21L、21Rを斜め後上方に立ち上げ、このナックルアーム21L、21Rの上端部にメインフレーム11aから前方に延設した左右のアッパアーム13L、13Rをナックルアーム21L、21Rが左右に操舵可能且つ上下に揺動可能になるように連結する。
すなわち、前部クッションユニット61の一端61aを前部リンク71に連結し、前部クッションユニット61の他端61bを、メインフレーム11a側に連結する。
なお、左右に延設するロアアーム15L、15Rは、操舵時にブレーキデイスクなどとの干渉を避けるように車両の外方に張り出して形成されている。
下部操舵軸63の中心軸78は、前輪16の回転中心点79に対して長さPだけ後方に配置されている。81はナットである。
第2の球面軸受82と車軸用軸受77とは、異なる部材で支持されているので、各々の軸受の着脱が容易になり、ハブステア機構20のメンテナンス性を高めることができる。
車軸用軸受77の内径Riは、横部材62の大きさSよりも大きくしたので、前輪16から受ける荷重を広い面積で分散して受けることができる。このため、車軸用軸受77の負荷を下げることができる。また、荷重を広い面積で分散して受けるので、車軸用軸受77の冷却性能が高まり、車軸用軸受77の耐久性を向上させることができる。
なお、前述のように、旋回軸95の軸線は仮想線である。旋回軸95の軸線と上部操舵軸88の軸線とは必ずしも一致するものではない。また、旋回軸95の軸線は、下部操舵軸63の軸線と必ずしも一致するものではない。
(a)において、横部材62の上面62aには、左右の所定位置にハブ本体76が操舵角度α以上にならないように規制するストッパ部96、96が設けられている。
(b)において、ハブ本体76には、ストッパ部96、96に当接するピン部97が形成されている。
ハブステア機構20にステアリンクストッパ98を付設するので、ハンドルリンク22に係る部品点数の増加を招くことなく、ストッパ付前輪操舵装置を構成することができる。従って、部品コストの低減を図ることが可能となる。
ハブ本体76と前輪16の間には、左右に2列の車軸用軸受77、77が配置されている。80は車軸用軸受77とナックルアーム間に配置されているシール部材である。
ロアアーム15L、15Rは、車両の外方から内方に延びる第2の締結部材102・・・で、横部材62に着脱可能に設けられている。
先ず、図4〜図8を参照して、前輪操舵の作用を説明する。
旋回軸95と前輪(図5の符号16)の回転中心点(図5の符号79)の間の距離は、いわゆる、オフセットであり、本実施例によれば、このオフセットを任意の量に設定することにより、操舵性を最適な特性にすることができる。
図10は本発明に係る自動二輪車前部の作用説明図である。
(a)において、前輪16が路面から力を受けていないときの状態である。
(b)において、前輪16が矢印b方向に力をうけたとき、ナックルアーム21L、21R(手前側の符号21Lのみ示す。)に矢印p方向の力がかかり、前上揺動軸12L、12R(手前側の符号12Lのみ示す。)を中心にアッパアーム13L、13R(手前側の符号13Lのみ示す。)が揺動するとともに、前下揺動軸14L、14R(手前側の符号14Lのみ示す。)を中心にロアアーム15L、15R(手前側の符号15Lのみ示す。)が揺動する。このとき、ロッド部材69には矢印q方向の力がかかる。
(c)において、前輪16が(b)よりも大きな力をうけたときの状態であり、ロッド部材69はさらに上方に引っ張られる。
(b)において、前輪16が力をうけたとき、ロッド部材69には矢印q方向の力がかかり、前部リンク71を介して前部クッションユニット61を矢印r方向に縮めようとする力がかかる。
力がかからなくなったときには、前部クッションユニット61によって、前部リンク71に矢印rとは反対方向の力がかかり、(a)の位置に戻ろうとすることで、車両前部にかかる力を吸収することができる。
つまり、前輪と車体フレームの間は、複数のアームにより連結されるとともに、ナックルアームの上部には、リンク機構をもつアッパアームが設けられており、部品点数が多いという問題があった。
この結果、部品費用の低減および組立工数の低減が図れる。
図12は左右のアーム部で前輪にかかる力を均等に受けることを説明する作用図である。
前部クッションユニット61に力を伝達するロッド部材69の上端部69tは、アーム部13L、13Rを形成する略V字の中心に連結されている。このため、アーム部13L、13Rにかかる力Fは車両の中心で受ける。また、前部リンク71には、ロッド部材69の下端部69bが連結されているので、力Fはロッド部材69により前部クッションユニット61に伝達される。このとき、アーム部13L、13Rにかかる力Fは車両の中心で受けるので、力Fを左右バランス良く吸収することができる。
つまり、前部クッションユニット61は、左前部リンク71Lと右前部リンク71Rとによって伸縮可能に設けられている。
エンジン26にメインフレームの機能をもたせることで、車両の軽量化を図ることができる。
また、車軸用軸受の内径は、車両を側面から見たときに、横部材の大きさと同等あるいは小さくすることは差し支えない。
本発明は、実施の形態では自動二輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の鞍乗り型車両に適用することは差し支えない。
Claims (4)
- 車体フレーム(11)またはエンジン(26)から前方に揺動可能に延出するロアアーム(15L、15R)およびアッパアーム(13L、13R)と、前記ロアアーム(15L、15R)の先端に設け前輪(16)を操舵可能に支持するハブステア機構(20)および、下部がこのハブステア機構(20)と連結されたナックルアーム(21L、21R)と、このナックルアーム(21L、21R)の上部にハンドルリンク(22)を介して設けるステアリングハンドル(23)と、前記ロアアーム(15L、15R)または前記アッパアーム(13L、13R)に連結し前記前輪(16)が受ける力を吸収する前部クッション機構(25)と、を備える自動二輪車の前部構造において、
前記アッパアーム(13L、13R)の先端と、前記ナックルアーム(21L、21R)の上部とを、上部操舵軸(88)とこの上部操舵軸(88)の周囲を囲う第1の球面軸受(91)を介して連結し、前記ステアリングハンドル(23)の操作により、前記ナックルアーム(21L、21R)の上部を操舵可能および揺動可能に支持し、
前記ハブステア機構(20)は、前記ロアアーム(15L、15R)に左右幅方向に延設する横部材(62)と、この横部材(62)に略直角に延設する下部操舵軸(63)と、この下部操舵軸(63)に前記前輪(16)を回動および操舵可能に支持するハブ本体(76)と、このハブ本体(76)内に設け前記ハブ本体(76)を操舵および揺動可能に支持する第2の球面軸受(82)が配置され、この第2の球面軸受(82)は前記横部材(62)およびまたは前記下部操舵軸(63)に連結され、
前記横部材(62)に、前記ハブ本体(76)の操舵角度を規制するストッパ部(96、96)が設けられ、前記ハブ本体(76)に、前記ストッパ部(96、96)に当接するピン部(97)が設けられていることを特徴とする自動二輪車の前部構造。 - 前記前輪を回動自在に支持する車軸用軸受は、前記ナックルアームにより支持されていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車の前部構造。
- 前記車軸用軸受の内径は、車両を側面から見たときに、前記横部材の大きさよりも大きくすることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の自動二輪車の前部構造。
- 前記ナックルアームは、車幅方向に延びる第1の締結部材で、前記ハブ本体に着脱可能に設けられ、前記ロアアームは、車両の外方から内方に延びる第2の締結部材で、前記横部材に着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4記載の自動二輪車の前部構造。
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