JP4833049B2 - 用紙加工装置 - Google Patents

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本発明は、用紙を1枚ずつ搬送しながら加工する用紙加工装置に関するものであり、特に、用紙を1枚ずつ搬送して送り出す給紙装置の改良に関するものである。
用紙を1枚ずつ搬送しながら加工する用紙加工装置は、例えば特許文献1に開示されている。また、そのような用紙加工装置において、用紙の印刷されている印刷領域の状態に合わせて用紙の搬送方向を加工装置本体の搬送方向に対して斜行させるようにした給紙装置は、例えば特許文献2に開示されている。更に、用紙の側端縁を少なくとも2箇所で検知することによって用紙の位置を検出するようにした装置が、特許文献3に開示されている。
特開2001−232700号公報 特開2005−314056号公報 実公平5−9604号公報
ところで、特許文献2の装置において、給紙装置の搬送方向を斜行させる調整は、操作者が目視に基づいて手動で行っていた。そのため、調整が不正確になりやすく、正確な調整を行うのに長時間を要していた。
一方、特許文献3の装置は、用紙の位置を検出できるものであるので、特許文献2の装置における手動の調整において利用することが可能かもしれないが、特許文献3には、特許文献2の装置への適用が全く示唆されておらず、しかも、特許文献3の装置を特許文献2の装置に適用しようとすると、構成が複雑になることが予想される。
本発明は、加工装置本体の搬送方向に対する給紙装置の搬送方向を、操作者が容易に調整することができ、しかも、それを簡素な構成で実現できる、用紙加工装置、を提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、用紙を1枚ずつ搬送して送り出す給紙装置と、給紙装置から送り出された用紙を、搬送しながら加工する、加工装置本体と、装置全体の作動を制御する、制御手段と、を少なくとも備えた、用紙加工装置において、給紙装置が、用紙を、その側端縁をガイド壁に沿わせて搬送して送り出す、搬送手段と、給紙装置の搬送方向が加工装置本体の搬送方向に対して傾斜するよう、給紙装置を垂直軸回りに回動させる、回動手段と、を備えており、給紙装置において搬送されていく用紙の、先端側から後端側へ延びた直線上に位置する少なくとも2箇所の検知ポイントを検知する、センサーと、給紙装置の外に位置する基準点と各検知ポイントとの間の、加工装置本体の搬送方向に対して直交する方向における、各距離を計測し、該計測値を表示する、計測表示手段と、を備えており、センサーが、給紙装置において搬送されていく用紙の印刷領域の側縁と平行な直線上に間隔を置いて位置している検知ポイントを、検知するようになっており、制御手段が、給紙装置の回動を調整するための調整モードと、給紙装置から送り出された用紙を加工装置本体において加工するための加工モードと、を備えており、調整モードにおいてセンサー及び計測表示手段を作動させるようになっており、また、調整モードにおいて用紙を加工装置本体においては加工しないようになっている、ことを特徴としている。
本発明の第2態様は、用紙を1枚ずつ搬送して送り出す給紙装置と、給紙装置から送り出された用紙を、搬送しながら加工する、加工装置本体と、装置全体の作動を制御する、制御手段と、を少なくとも備えた、用紙加工装置において、給紙装置が、用紙を、その側端縁をガイド壁に沿わせて搬送して送り出す、搬送手段と、給紙装置の搬送方向が加工装置本体の搬送方向に対して傾斜するよう、給紙装置を垂直軸回りに回動させる、回動手段と、を備えており、給紙装置において搬送されていく用紙の、先端側から後端側へ延びた直線上に位置する少なくとも2箇所の検知ポイントを検知する、センサーと、給紙装置の外に位置する基準点と各検知ポイントとの間の、加工装置本体の搬送方向に対して直交する方向における、各距離を計測し、該計測値を表示する、計測表示手段と、を備えており、センサーが、給紙装置において搬送されていく用紙の印刷領域の側縁上に間隔を置いて位置している検知ポイントを、検知するようになっており、制御手段が、給紙装置の回動を調整するための調整モードと、給紙装置から送り出された用紙を加工装置本体において加工するための加工モードと、を備えており、調整モードにおいてセンサー及び計測表示手段を作動させるようになっており、また、調整モードにおいて用紙を加工装置本体においては加工しないようになっている、ことを特徴としている。
本発明によれば、基準点から各検知ポイントまでの距離をそれぞれ計測して比較しながらそれらの距離が同じ値となるように、給紙装置の回動を調整できる。したがって、本発明によれば、給紙装置の回動を、計測値を目で見て比較しながら調整できるので、操作者は容易に調整することができる。
しかも、本発明によれば、上記調整を行うに当たって、センサー及び計測表示手段を設けているだけであるので、簡素な構成で容易な調整を実現できる。
特に、本発明の第1態様によれば、用紙を、印刷領域の側縁が加工装置本体の搬送方向に対して平行な状態で、送り出すための、給紙装置の搬送方向の設定を、操作者が給紙装置の回動を容易に調整することによって、行うことができる。
特に、本発明の第2態様によれば、上記第1態様と同じ効果に加え、更に、調整に使用する用紙に直線を設ける必要がないので、用紙の準備作業の手間を軽減できる。
更に、両態様によれば、調整モードと加工モードとを区別しているので、調整モードにおいて使用した用紙を加工しないで済ませることができ、したがって、装置の無駄な作動を防止できる。
図1は本発明の用紙加工装置の全体を示す模式縦断面図である。この用紙加工装置1は、用紙100を1枚ずつ矢印Aで示す搬送方向に搬送して送り出す給紙装置11と、給紙装置11から送り出された用紙100を、搬送しながら加工する、加工装置本体10と、排紙トレイからなる排紙部12と、を備えている。加工装置本体10において、給紙装置11から排紙部12へは、多数個の対のローラ21からなる搬送手段2によって搬送経路20が構成されている。これにより、加工装置本体10においては、用紙100を矢印Bで示す搬送方向に搬送するようになっている。そして、搬送経路20上には、給紙装置11側から、少なくとも、第1裁断装置部4A、第2裁断装置部4B、及び第3裁断装置部4Cが設けられている。これらの裁断装置部は、全て加工装置本体10に支持されており、加工装置本体10に対して固定して設けられてもよいが、加工装置本体10に対してユニットとして着脱自在に設けられてもよい。また、これらの裁断装置部及び搬送手段20には、駆動手段(図示せず)が連結されている。
また、用紙加工装置1は、装置全体の作動を制御する制御手段6を加工装置本体10内に備えている。制御手段6は、操作パネル(図示せず)に接続したCPUを有している。更に、用紙加工装置1は、用紙の裁断によって発生する裁ち屑を収容するためのゴミ箱81を加工装置本体10内の底部に有している。
図2は図1のII矢視部分拡大図である。図1及び図2に示すように、給紙装置11は、搬送方向(矢印A方向)の上流側に位置する吸着搬送手段30と、下流側に位置する斜行搬送手段40と、が一体となって構成されており、平面視矩形の外観を有している。
吸着搬送手段30は、用紙載置台39上に載置されている用紙100を、一対のローラ31、32に掛け渡された無端ベルト33に、吸引手段(図示せず)によって、1枚ずつ引き付けて吸着させ、搬送するようになっている。無端ベルト33は、搬送方向(矢印A方向)と平行に設けられている。
斜行搬送手段40は、吸着搬送手段30によって搬送されてきた用紙100を、一対のローラ41、42に掛け渡された無端ベルト43に載せて、搬送するようになっている。無端ベルト43は、搬送方向(矢印A方向)に対してガイド壁44側に向けて少しだけ傾斜して設けられている。したがって、斜行搬送手段40では、用紙100が、ガイド壁44側に押しやられながら搬送されるので、用紙100の側端縁101がガイド壁44に沿った状態で矢印A方向に搬送される。
更に、給紙装置11は、給紙装置11を、垂直な回動軸50を中心として、加工装置本体10に対して矢印C方向へ回動させる、回動手段、を備えている。回動軸50は、平面視矩形の給紙装置11の搬送方向下流側の一隅であって、加工装置本体10の基台(図示せず)上に、設けられている。
そして、本発明の用紙加工装置1においては、加工装置本体10における搬送方向(矢印B方向)に対して直交する方向であって給紙装置11を横切る方向に延びている、直線X上に、基準点81とセンサー82とが設けられている。センサー82は、例えば、CCDである。基準点81は、給紙装置11の外に設定されている。図3は図2のIII矢視断面図である。センサー82は、給紙装置11において搬送されていく用紙100の、先端側から後端側へ延びた直線上に位置する少なくとも2箇所の検知ポイントを検知するよう、設けられている。
例えば、センサー82は、次のように設けられた検知ポイントを検知するよう、設けられている。但し、下記(2)は参考例である。
(1)図4に示すように、給紙装置11において搬送されていく用紙100の、印刷されている印刷領域150の側縁151と平行な直線Y1上に、間隔を置いて位置している3個の検知ポイント71、72、73を、検知する。
(2)図5に示すように、給紙装置11において搬送されていく用紙100の、側端縁101と平行な直線Y2上に、間隔を置いて位置している3個の検知ポイント71、72、73を、検知する。
(3)図6に示すように、給紙装置11において搬送されていく用紙100の、印刷されている印刷領域150の側縁151上に、間隔を置いて位置している3個の検知ポイント71、72、73を、検知する。但し、この場合における印刷領域150は、正四角形であり、側縁151が明瞭に現れている。
更に、本発明の用紙加工装置1においては、図3に示すように、センサー82によって検知した検知ポイント(例えば71)までの基準点81からの直線X方向における距離Dを計測し、該計測値を表示する、計測表示手段、が設けられている。なお、計測値の表示は、例えば、操作パネルの液晶表示画面に行う。
なお、本発明の用紙加工装置1の制御手段6は、給紙装置11の回動を調整するための調整モードと、給紙装置11から送り出された用紙を加工装置本体10において加工するための加工モードと、を備えており、調整モードにおいてセンサー82及び計測表示手段を作動させるようになっている。
次に、上記構成の用紙加工装置1の作動について説明する。
例えば、図4に示すような、印刷されている印刷領域150が傾斜している用紙100を、給紙装置11から送り出して、加工装置本体10で加工する場合には、用紙100は、図7に示すように、加工装置本体10に対して印刷領域150が真っ直ぐになった状態で、すなわち、印刷領域150の側縁151が加工装置本体10の搬送方向(矢印B方向)に対して平行な状態で、送り出される必要がある。そのためには、図7に示すように、給紙装置11を、回動軸50を中心として矢印C方向へ所定角度だけ回動させておく必要がある。
そのような給紙装置11の回動の調整を、上記構成の用紙加工装置1によれば、次のように行うことができる。
まず、制御手段6によって調整モードに設定する。そして、図4の用紙100、すなわち、印刷領域150の側縁151と平行な直線Y1上に3個の検知ポイント71、72、73を有する用紙100を、給紙装置11によって搬送しながら、まず、図8(a)に示すように、直線X上に来た検知ポイント71をセンサー82によって検知し、計測表示手段によって、基準点81から検知ポイント71までの距離を計測してその計測値D1を表示し、次に、図8(b)に示すように、直線X上に来た検知ポイント72をセンサー82によって検知し、計測表示手段によって、基準点81から検知ポイント72までの距離を計測してその計測値D2を表示し、そして、図8(c)に示すように、直線X上に来た検知ポイント73をセンサー82によって検知し、計測表示手段によって、基準点81から検知ポイント73までの距離を計測してその計測値D3を表示する。この過程において、D1、D2、及びD3が同じ値となるように、給紙装置11を回動させる。すなわち、上記構成の用紙加工装置1においては、基準点81から3個の検知ポイント71、72、73までの直線X上の距離D1、D2、D3をそれぞれ計測して比較しながらそれらの距離D1、D2、D3が同じ値となるように、給紙装置11の回動を調整する。
したがって、上記構成の用紙加工装置1によれば、給紙装置11の回動を、計測値を目で見て比較しながら調整できるので、操作者は容易に調整することができる。
しかも、上記調整を行うに当たって、上記構成の用紙加工装置1においては、センサー82及び計測表示手段を設けているだけであるので、簡素な構成で容易な調整を実現できる。
更に、上記調整は、調整モードにおいて行っているので、調整に使用された用紙100は、調整のみに使用され、加工装置本体10においては加工されない。したがって、用紙加工装置1の無駄な作動を防止できる。
なお、上記構成の用紙加工装置1においては、図5や図6に示す用紙100を用いて、上記と同様に、給紙装置11の回動を容易に調整することができる。図5の用紙100を用いた場合には、給紙装置11の搬送方向(矢印A方向)を加工装置本体10の搬送方向(矢印B方向)と一致させることができる。図6の用紙100を用いた場合には、図4の用紙100を用いた場合と同様であるが、更に、用紙100に直線Y1を設ける必要がないので、用紙100の準備作業の手間を軽減できる。
また、給紙装置11の回動を調整する際に用いる用紙、すなわち、検知ポイントを設けた用紙は、加工装置本体10で加工される用紙と同じ用紙でもよいが、異なる用紙でもよく、例えば、専用の用紙であってもよい。
また、上述の場合では、3個の検知ポイントを設けているが、検知ポイントの数は、2個以上であれば、幾つであってもよい。
更に、上述の場合では、検知ポイントを点で示しているが、検知ポイントは、直線上の間隔を置いた任意の箇所であってもよい。その場合、センサー82によって、直線自体を連続して検知するようにしてもよい。
本発明は、加工装置本体の搬送方向に対する給紙装置の搬送方向を、操作者が容易に調整することができるので、産業上の利用価値が大である。
本発明の用紙加工装置の全体を示す模式縦断面図である。 図1のII矢視部分拡大図である。 図2のIII矢視断面図である。 検知ポイントの一例を示す用紙の平面図である。 検知ポイントの別の例を示す用紙の平面図である。 検知ポイントの更に別の例を示す用紙の平面図である。 搬送方向を調整した後の給紙装置の平面図である。 搬送方向の調整中の作動を示す平面図である。
1 用紙加工装置 10 加工装置本体 11 給紙装置 100 用紙 101 側端縁 150 印刷領域 151 側縁 30 吸着搬送手段 40 斜行搬送手段 44 ガイド壁 50 回動軸 6 制御手段 71、72、73 検知ポイント 81 基準点 82 センサー

Claims (2)

  1. 用紙を1枚ずつ搬送して送り出す給紙装置と、
    給紙装置から送り出された用紙を、搬送しながら加工する、加工装置本体と、
    装置全体の作動を制御する、制御手段と、を少なくとも備えた、用紙加工装置において、
    給紙装置が、用紙を、その側端縁をガイド壁に沿わせて搬送して送り出す、搬送手段と、給紙装置の搬送方向が加工装置本体の搬送方向に対して傾斜するよう、給紙装置を垂直軸回りに回動させる、回動手段と、を備えており、
    給紙装置において搬送されていく用紙の、先端側から後端側へ延びた直線上に位置する少なくとも2箇所の検知ポイントを検知する、センサーと、
    給紙装置の外に位置する基準点と各検知ポイントとの間の、加工装置本体の搬送方向に対して直交する方向における、各距離を計測し、該計測値を表示する、計測表示手段と、を備えており、
    センサーが、給紙装置において搬送されていく用紙の印刷領域の側縁と平行な直線上に間隔を置いて位置している検知ポイントを、検知するようになっており、
    制御手段が、給紙装置の回動を調整するための調整モードと、給紙装置から送り出された用紙を加工装置本体において加工するための加工モードと、を備えており、調整モードにおいてセンサー及び計測表示手段を作動させるようになっており、また、調整モードにおいて用紙を加工装置本体においては加工しないようになっている、
    ことを特徴とする用紙加工装置。
  2. 用紙を1枚ずつ搬送して送り出す給紙装置と、
    給紙装置から送り出された用紙を、搬送しながら加工する、加工装置本体と、
    装置全体の作動を制御する、制御手段と、を少なくとも備えた、用紙加工装置において、
    給紙装置が、用紙を、その側端縁をガイド壁に沿わせて搬送して送り出す、搬送手段と、給紙装置の搬送方向が加工装置本体の搬送方向に対して傾斜するよう、給紙装置を垂直軸回りに回動させる、回動手段と、を備えており、
    給紙装置において搬送されていく用紙の、先端側から後端側へ延びた直線上に位置する少なくとも2箇所の検知ポイントを検知する、センサーと、
    給紙装置の外に位置する基準点と各検知ポイントとの間の、加工装置本体の搬送方向に対して直交する方向における、各距離を計測し、該計測値を表示する、計測表示手段と、を備えており、
    センサーが、給紙装置において搬送されていく用紙の印刷領域の側縁上に間隔を置いて位置している検知ポイントを、検知するようになっており、
    制御手段が、給紙装置の回動を調整するための調整モードと、給紙装置から送り出された用紙を加工装置本体において加工するための加工モードと、を備えており、調整モードにおいてセンサー及び計測表示手段を作動させるようになっており、また、調整モードにおいて用紙を加工装置本体においては加工しないようになっている、
    ことを特徴とする用紙加工装置。
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