JP2015207185A - 透過模様撮像装置 - Google Patents

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克幸 金山
古藤 史朗
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Abstract

【課題】 透過模様を二つの独立したコンベアの間で撮像する際に、二つのコンベアの速度のばらつきに起因して用紙の搬送速度がばらついた際にも、安定して明瞭な検査画像を撮像可能な透過模様撮像装置を提供する。【解決手段】 用紙に形成された透過模様を透過画像として撮像するため、間欠部を介して独立して直線状に配置された上流側コンベア及び下流側コンベアと、透過画像を撮像するラインカメラを少なくとも備えた透過模様撮像装置において、上流側コンベアにおける、用紙の搬送方向の長さに対応してあらかじめ設定した基準位置に配置された押し出しコロと、ラインカメラの撮像ラインと隣接した位置に配置された下流側コンベアにおける受け取りコロを少なくとも備えた構成とした。【選択図】 図2

Description

本発明は、用紙に形成された透過模様を撮像する、撮像装置に関するものである。
近年、スキャナ、カラー複写機等のデジタル機器の発展により、紙幣や旅券等の貴重印刷物の精巧な偽造品を容易に作製することが可能となり、大きな問題となっている。その偽造防止対策の一つとして抄紙機で形成したすき入れや、透かしインキにより形成した透かし印刷のような、透過模様が付与された用紙を用いた貴重印刷物が、多数流通している。透過模様は、反射光下では模様を視認することができず、透過光下のみで視認することができることから、デジタル機器で複製することは、不可能であり、その偽造抵抗力は大きい。
透過模様が形成された用紙は、その後、用紙に様々な印刷を施すことで貴重印刷物となる。そのため、用紙に様々な印刷を施す前の透過模様の形成後に、あらかじめ、透過模様の品質を検査しておく必要があるが、従来、透過模様は、作業者が肉眼で一枚一枚透過光により透かしてみることで検査を行っていた。よって、近年は効率化を目的とし、透過模様を透過画像として撮像した後、その透過画像をあらかじめ設定した基準画像として比較検査を行う、検査装置が広く用いられている。
透過模様の検査装置として特許文献1には、透明シリンダによって搬送中の透過模様が形成された用紙に対し、透明シリンダ内から照明を照射した後、透明シリンダの外に設置したカメラから透過光を撮像することで、透過模様を撮像可能とした検査装置が開示されている。
また、別の装置構成として特許文献2には、独立する二つのコンベア間に設けた撮像部により、透過模様を撮像可能とした検査装置が開示されている。図8は、特許文献2の二つのコンベア(3’、4’)を説明する模式図である。
図8(a)に示すように、それぞれが搬送ローラ(3b’、4b’)と搬送ベルト(3a’、4a’)を有する二つのコンベア間に、搬送経路に対して向かい合うように、図示しないカメラと照明を設置することで、図8(b)に示すように、搬送中の透過模様が形成された用紙(S)が、コンベア間を通過する際に、搬送経路下方に設置した照明を照射した後、搬送経路上方に設置したカメラにより、透過光を撮像することで、透過模様を撮像可能とした検査装置が開示されている。
特開2010−44771号公報 特開2013−247278号公報
特許文献1の装置により、透過模様をシリンダで搬送させながら、撮像することが可能となった。しかしながら、搬送速度を安定させて、透過模様を撮像するためには、大型の透明シリンダを用いる必要がある。よって、装置全体が非常に大型になり、設置個所が限定されるというだけではなく、装置そのものが高価となる問題がある。
また、特許文献2の装置により、コンベア上の搬送ベルトで用紙を挟持しながら搬送することで、特許文献1のシリンダ搬送機構と比べ、小型の装置構成とすることが可能となった。しかしながら、二つのコンベア(3’、4’)を離して設置することから、それぞれのローラ(3b’、4b’)が異なるモータに接続され、独立して駆動する場合、二つのコンベア(3’、4’)の機械誤差とモータの回転誤差により、二つのローラ(3b’、4b’)の回転速度に差が生じる。よって、二つのコンベア(3’、4’)を搬送される用紙(S)の搬送速度は、不安定となる。
また、回転精度の高いモータを用いて、二つのローラ(3b’、4b’)の速度が略等しくなったとしても、ローラ(3b’、4b’)が搬送ベルト(3a’、4a’)を摩擦伝動させることで回転するため、搬送ベルト(3a’、4a’)はスリップをする。このスリップする量は、独立する搬送ベルト(3a’、4a’)と各ローラ(3b’、4b’)との摩擦係数や、搬送ベルト(3a’、4a’)のテンションの差により、一定にはならない。
よって、同じ速度で搬送ベルト(3a’、4a’)が回転することは、非常に困難であることから、二つのコンベア(3’、4’)上を搬送される用紙(S)の搬送速度においても、不安定でばらついたものとなる。
具体的には、図8(a)に示すように、まず用紙(S)は、上流側コンベア(3’)上を搬送する。この場合、用紙(S)は、上流側コンベア(3’)のみで搬送されたのち、図8(b)に示すように、用紙(S)の紙頭(T1)が、下流側コンベア(4)上に達することで、上流側コンベア(3’)と下流側コンベア(4’)の二つのコンベア上を搬送される。最後に、用紙(S)紙尻(T2)が、図8(c)に示すように、上流側コンベア(3’)を離れ、下流側コンベア(4’)のみで搬送される。
なお、用紙(S)の紙頭(T1)とは、用紙(S)が上流から下流である搬送方向(v1)に移動しているとした場合、用紙(S)の搬送方向(v1)下流の端辺をいい、用紙(S)紙尻(T2)とは搬送方向(v1)上流の端辺をいう。
図8(a)及び図8(c)は、いずれも一つのコンベアで搬送されているが、前述のとおり、ローラ(3b’、4b’)と搬送ベルト(3a’、4a’)とのスリップにより、搬送ベルト(3a’、4a’)の回転速度はばらつき、搬送ベルト(3a’、4a’)により搬送される用紙(S)の搬送速度も、ばらついたものとなる。
また、図8(b)では、二つのコンベア(3’、4’)上を搬送されるため、用紙(S)には、上流側コンベア(3’)の搬送ベルト(3a’)による押出し力と、下流側コンベア(4’)の搬送ベルト(4a’)による引張力が同時に作用する。その際、二つのコンベア(3’、4’)の搬送ベルト(3a’、4a’)の回転速度のばらつきにより、その上を搬送される用紙(S)の搬送速度は、搬送ベルト(3a’、4a’)の搬送速度のばらつきが合わさった、更に大きなばらついた速度となる。よって、図8(b)では、用紙(S)の搬送速度が一定にならず、透過模様(2)を安定して撮像することが、不可能である。
なお、一枚の撮像画像を取得する際には、図8(d)に示すように、用紙(S)の搬送方向(v1)に対して(X)の範囲は、図8(a)に示した上流側コンベア(3’)の搬送速度で撮像され、(Y)の範囲は、図8(b)に示した、二つのコンベア(3’、4’)の各々の搬送速度のばらつきが合わさった搬送速度で撮像され、(Z)の範囲は、図8(c)に示した、下流側コンベア(4’)の搬送速度で撮像され、合計三つの異なる搬送速度で撮像される。
仮に、図8(b)に示した(Y)の範囲で、搬送速度が安定したとしても、異なる三つの搬送速度で搬送することに変わりはない。搬送速度が異なる場合、その速度差に起因して、透過模様(2)は安定して撮像することが、不可能である。
よって、(Y)の範囲では、用紙(S)の搬送速度のばらつきを無くすとともに、できる限り短い長さとすることが、好ましい。
なお、特許文献2では、コンベア同士で搬送速度のばらつきが生じた場合の対処法として、撮像画像を補正した後検査を行う方法を提案している。しかしながら、用紙(S)の搬送速度のばらつきを解消しておらず、改善の余地がある。
本発明は、これらの課題を解消するものであり、透過模様をコンベア上で撮像する際に、用紙(S)の搬送速度のばらつきに関係なく、安定して明瞭な検査画像を撮像可能な、透過模様撮像装置を提供するところにある。
前述の目的を達成前述の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、用紙に形成された透過模様を透過画像として撮像するため、間欠部を介して独立して直線状に配置された上流側コンベア及び下流側コンベアと、透過画像を撮像するラインカメラを少なくとも備えた透過模様撮像装置において、上流側コンベアにおける、用紙の搬送方向の長さに対応してあらかじめ設定した基準位置に配置された押し出しコロと、ラインカメラの撮像ラインと隣接した位置に配置された下流側コンベアにおける受け取りコロを少なくとも備えた速度調整機構を有することを特徴とする透過模様撮像装置である。
また、請求項2は、速度調整機構における押し出しコロは、二つのコンベア間を搬送される用紙の搬送速度の誤差を基に第一の再設定により基準位置に配置することが可能なことを特徴とする請求項1記載の透過模様撮像装置である。
また、請求項3は、速度調整機構は、用紙の搬送方向の長さを測定する用紙寸法測定手段をさらに有し、用紙寸法測定手段において測定した用紙の搬送方向の長さに合わせて、第二の再設定により基準位置を配置することが可能なことを特徴とする請求項1又は2記載の透過模様撮像装置である。
さらに、請求項4は、基準位置は、受け取りコロからの距離が、用紙の搬送方向の長さの97.5%となる位置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の透過模様撮像装置である。
以上のような、本発明の透過模様撮像装置を用いることで、二つのコンベア間において用紙の搬送速度のばらつきを抑えて、用紙を受け渡すことが、可能となる。よって、透過模様を明瞭な透過画像として撮像することが可能となる。
本発明の被検査対象物である用紙(S)の一例を示す平面図。 透過模様撮像装置(M)を示す模式図。 透過模様撮像装置(M)を示すブロック図。 速度調整機構(5)を説明する模式図。 押し出しコロ(5a)と受け取りコロ(5b)の距離(X1)と検査誤差を示すグラフ。 ベルト回転速度算出部(16)を示す模式図。 用紙寸法測定手段(13)を示す模式図。 特許文献2の撮像部を説明する模式図。
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他色々な形態が実施可能である。
図1は、本発明の被検査対象物である用紙(S)の一例を示す平面図であり、基材(1)の少なくとも一部に透過模様(2)が形成されている。透過模様(2)とは、基材(1)と異なる透過性を有する模様であり、例えば、抄紙機やレーザ加工により形成したすき入れや、酸化チタンを含有したインキや、浸透インキにより形成した透かし模様のことである。
用紙(S)を透過光下にて観察することで、基材(1)と異なる透過性を有する透過模様(2)が鮮明に視認される。以下、本発明では基材(1)に透過模様(2)が形成されていることを、用紙(S)に透過模様(2)が形成されていると言う。
図1では、用紙(S)上に複数の同一模様である透過模様(2)を、4列×5面の20面に各々形成した後、その用紙(S)に印刷を施し、最後に一面ずつに断裁することで、20枚の貴重印刷物となる。なお、前述した20面に限らず、透過模様(2)が形成されていれば、面数及び透過模様(2)を形成する位置は、特に限定されない。
次に、用紙(S)に形成された透過模様(2)を撮像する、透過模様撮像装置(M)について説明する。
図2の透過模様撮像装置(M)は、上流側コンベア(3)、下流側コンベア(4)、速度調整機構(5)、エンコーダ(6)、照明(7)、ラインカメラ(8)、押さえ部材(9)、画像処理部(11)及び制御部(12)を少なくとも備える。
透過模様撮像装置(M)は、用紙(S)をフィーダ部(図示せず)により、上流側コンベア(3)へ送り出す。次に、ラインカメラ(8)により用紙(S)の透過模様(2)を撮像する。
以下、図3の透過模様撮像装置(M)のブロック図と併せて、本発明の透過模様(2)を撮像する透過模様撮像装置(M)について説明する。
上流側コンベア(3)及び下流側コンベア(4)は、用紙(S)を搬送させる手段であり、それぞれが、搬送ベルト(3a、4a)及びローラ(3b、4b)から成る。二つのコンベア(3、4)は、搬送方向と同一方向に直線状に配置されることで、平坦性を維持した状態で、透過模様撮像装置(M)内を一枚ずつ搬送することが可能となる。
二つのコンベア(3、4)は、図示しないモータと接続したローラ(3b、4b)が回転することで搬送ベルト(3a、4a)が同期して回転する。それにより、搬送ベルト(3a、4a)上の用紙(S)が、透過模様撮像装置(M)内を搬送する。
なお、用紙(S)を3m/s程度の速度で搬送する際には、搬送中の用紙(S)にばたつきが発生し、ラインカメラ(8)から、正確な検査画像を取得できない場合がある。その際、搬送ベルト(3a、4a)に複数の吸引孔を設けて、搬送ベルト(3a、4a)と接触する用紙(S)の下面を吸引しながら用紙(S)を搬送しても良い。さらに、二つのコンベア(3、4)近傍に用紙(S)の上面を押さえる手段を取り付けても良い。
吸引手段や用紙(S)の上面を押さえる手段は、後述する速度調整機構(5)による用紙(S)の搬送を妨げないように、速度調整機構(5)の押し出しコロ(5a)及び受け取りコロ(5b)の用紙(S)への押圧に比べ、弱い押圧とする。
なお、ローラ(3b、4b)は、搬送ベルト(3a、4a)に張力を付加するテンションローラや、回転時の搬送ベルト(3a、4a)の蛇行を防止するガイドローラを用いることも可能である。また、図2では、一つのコンベアに二つのローラを配置しているが、これに限らず、ローラ(3b、4b)の位置や本数は、用紙(S)が搬送可能であれば、コンベアの大きさ、搬送速度等に合わせて、適宜選択することが可能である。
本発明では、各コンベア(3、4)において、一つのコンベア内に配置した二つのローラのうち、一方のローラ、例えば上流側コンベア(3)のローラ(3b2)をモータと接続して回転する駆動ローラとし、他方のローラ、例えば上流側コンベア(3)のローラ(3b1)をモータとは接続しない従動ローラとする。
これは、搬送方向(v1)に対して二つのローラのうち、下流側のローラ(3b2)を駆動ローラとすることで、搬送ベルト(3a)をローラで引っ張りながら駆動させることで、駆動ローラと搬送ベルト(3a)のスリップ量が小さく、安定して用紙(S)を搬送することが可能となる。
上流側のローラ(3b1)を駆動ローラとした場合、搬送ベルト(3a)をローラで押し出しながら駆動させるため、搬送ベルト(3a)がゆるみ、ローラ(3b)と搬送ベルト(3a)のスリップ量が大きくなることで、上流側コンベア(3)を搬送される用紙(S)の搬送速度のアバレが大きくなり、好ましくない。
なお、下流側コンベア(4)においても、同様に、搬送方向(v1)に対して二つのローラのうち、下流側のローラ(4b2)を駆動ローラとすることで、搬送ベルト(4a)をローラで引っ張りながら駆動させることで、駆動ローラと搬送ベルト(4a)のスリップ量が小さく、安定して用紙(S)を搬送することが可能となる。
エンコーダ(6)は、用紙(S)を搬送する搬送ベルト(4a)のローラ(4b)の回転タイミングを検知する手段であり、下流側コンベア(4)の搬送方向(v1)に対し下流側のローラ(4b2)のローラ軸に設置する。
前述のとおり、スリップ量の小さい、搬送方向(v1)に対して、下流側に配置されるローラ(4b2)に設置したエンコーダ(6)からのタイミング信号を利用することで、ラインカメラ(8)では下流側コンベア(4)の搬送速度と同期した透過画像を撮像することが可能となる。
照明(7)は、用紙(S)の下面へ高い照度の可視光を照射する手段であり、上流側コンベア(3)と下流側コンベア(4)間である間欠部(Q)における、用紙(S)搬送経路の下方に配置する。照明(7)を、二つのコンベア(3、4)間に配置することで、用紙(S)の下方から照射された可視光は、用紙(S)を透過した後、用紙(S)を挟んで対向する位置に配置したラインカメラ(8)によって受光することで、用紙(S)の透過画像を撮像することが可能となる。
用紙(S)に対して照明(7)により可視光を均一に照射することで、用紙(S)全体に形成された透過模様(2)が撮像可能となる。
なお、用紙(S)が3m/s程度の速度で搬送される場合、用紙(S)に形成された透過模様(2)を、ラインカメラ(8)により0.2mm程度の高い分解能で鮮明に撮像するためには、照明(7)を高輝度白色LED照明又はメタルハライド照明等の高い照度の可視光を照射することができる照明が必要である。
さらに、照明(7)は、近接した上流側コンベア(3)と下流側コンベア(4)間のスペースに、搬送中の用紙(S)を邪魔することなく収めることが可能なコンパクトなタイプを用いることが、好ましい。
ラインカメラ(8)は、透過模様(2)を画像として撮像する手段であり、図2に示すように、間欠部(Q)へ用紙(S)の搬送経路を介して、照明(7)と対向する位置へ配置される。なお、ラインカメラ(8)を搬送する用紙(S)の他方の面へ配置した場合、用紙(S)を二つのコンベア(3、4)の下面を搬送することになり、その際には、前述のとおり搬送ベルト(3a、4a)に複数の吸引孔を設け、用紙(S)を吸引しながら搬送することも、可能である。
しかしながら、コンベア(3、4)の下面で保持可能なように用紙(S)に対して吸引力を上げることによって、用紙(S)にしわが発生する場合があり、そのため、ラインカメラ(8)を搬送する用紙(S)の下面側に配置することは、好ましくない。
なお、ラインカメラ(8)は、一次元の画像を順次撮像するカメラであり、その撮像した一次元の画像を画像処理部(11)において、ラインカメラ(8)により取得した順序で配列することにより、一つの二次元の画像と成る。この二次元画像が透過画像となる。以下、本発明では、透過画像は、ラインカメラ(8)により撮像した画像とし、一次元の画像から二次元の画像を形成する工程については、説明を省略する。
ラインカメラ(8)は、3m/s程度の速度で搬送される用紙(S)全体に形成された透過模様(2)を撮像する必要がある場合は、感度が高いものを用いるのが、好ましい。
また、本発明では、ラインカメラ(8)の代わりにエリアカメラを用いた場合は、撮像対象をカメラの前で静止させた後に撮像する必要があり、機械の不稼働時間が多く発生することから、好ましくない。よって、本発明では、ラインカメラ(8)を用いる。
なお、ラインカメラ(8)は、用紙(S)の搬送方向と直交する方向における用紙(S)からの反射光及び透過光を画像として入力する、公知のCCDラインカメラを用いる。
押さえ部材(9)は、ラインカメラ(8)に撮像時に、用紙(S)をガイドする手段であり、上流側コンベア(3)における用紙(S)の搬送経路延長上において、撮像ライン(X2)と隣接する位置に配置される。
押さえ部材(9)は、用紙(S)の搬送経路延長上に、向かい合わせで二つの板状部材が配置されて成る。本発明の透過模様撮像装置(M)は、透過模様を撮像するために、間欠部(Q)を有し、そこにラインカメラ(8)が設置されている。よって、用紙(S)が間欠部(Q)を通過する際には、用紙(S)を保持するものが何もないため、撮像ライン(X2)内で用紙(S)がばたつき、安定した画像を撮像することができない。
押さえ部材(9)を設置した場合、搬送された用紙(S)は、押さえ部材(9)で保持した後、撮像ライン(X2)を通過する。よって、撮像ライン(X2)内で用紙(S)がばたつくことなく、安定した画像を撮像することが可能となる。
押さえ部材(9)は、狭い間欠部Qに挿入可能で、図1に示した用紙(S)の幅方向(v2)を全面押さることが可能となるように、細長い形状の部材とすることが好ましい。また、押さえ部材(9)のうち、上方(ラインカメラ側)の部材は、用紙(S)を押える弾性体の厚み0.2mm程度の薄板とし、下方(照明側)の部材は、搬送中の用紙(S)を一定の高さに保持することができる剛体の角材やアングル構造の部材とすることが、好ましい
また、用紙(S)と接触する部位は、用紙(S)の搬送を妨げないように平滑且つ滑らかな形状とし、また、耐久性を高めるため、クロム等のメッキ施された金属を用いるとよい。なお、押さえ部材(9)は用紙(S)を挟みこむことから搬送中の用紙(S)に摩擦力が作用し、用紙(S)の搬送速度が低下する。よって、下流側コンベア(4)のローラ(4b)の軸芯に取付けられたエンコーダ(6)との同期性が低くなるため、押さえ部材(9)による用紙(S)への押圧は、用紙(S)の浮きを抑える程度の可能な程度の押圧とする。
画像形成部(10)は、ラインカメラ(8)により線状に撮像した透過画像を演算処理により、一枚の画像とする手段であり、画像処理部(11)は、二つのコンベア(3、4)上を搬送する用紙(S)の搬送方向の長さや、二つのコンベア(3、4)間の搬送速度のばらつきを算出し、後述する速度調整機構(5)の位置調整する手段である。
制御部(12)は、透過模様撮像装置(M)を構成する各手段の動作を制御する箇所である。
コンベアを用いて、用紙(S)に形成した透過模様(2)を撮像するためには、二つのコンベア(3、4)間を、搬送方向(v1)上に離して設置をし、その離して設置した際に生じる空間である間欠部(Q)に、図2に示すように照明(7)とラインカメラ(8)を向かい合わせで配置する必要がある。
それにより、搬送中の用紙(S)が、間欠部(Q)を通過する際に、照明(7)からの照射光が、用紙(S)の透過模様(2)を透過して、その透過光をラインカメラ(8)で受光することで、透過画像を取得することが可能となる。
透過模様撮像装置(M)は、各コンベア(3、4)がそれぞれ有するローラ(3b、4b)のうち、どちらか一方のローラが駆動することで用紙(S)が搬送される。例えば、上流側コンベア(3)のローラ(3b2)と、下流側コンベア(4)のローラ(4b2)が回転駆動することに伴い、搬送ベルト(3a、4a)が動くことで、コンベア上の用紙(S)が搬送される。
しかしながら、従来技術において説明したように、独立して駆動する二つのコンベア(3、4)を、間欠部(Q)を有して設置した場合、二つのコンベア(3、4)の搬送速度にばらつきが生じる。
そこで、本発明の透過模様撮像装置(M)は、速度にばらつきが生じる二つのコンベア(3、4)の、搬送速度を一定に維持しながら、用紙(S)を上流コンベア(3)から下流コンベア(4)へ受け渡す手段である速度調整機構(5)を設ける。
図2に示すように、速度調整機構(5)は、用紙(S)の搬送経路に対して、二つのコンベア(3、4)と向かい合う位置に配置される。
速度調整機構(5)は、上流側コンベア(3)において、同一の搬送速度で、上流側コンベア(3)から下流側コンベア(4)へ、用紙(S)を送り出す押し出しコロ(5a)と、下流側コンベア(4)において、上流側コンベア(3)から送り出された用紙(S)を、上流側コンベア(3)の用紙(S)の搬送速度と同一の搬送速度で受け取る、受け取りコロ(5b)から成る。各コロ(5a、5b)は、スプリング等により搬送ベルトに押圧して設置されることで、搬送ベルト(3a、4a)の駆動(搬送速度)と同期して回転する。
受け取りコロ(5b)は、ラインカメラ(8)の撮像ライン(X2)と隣接した位置に配置される。
用紙(S)の透過模様(2)を安定して撮像するには、受け取りコロ(5b)により用紙(S)の紙頭(T1)を保持する位置を、可能な限り搬送方向(v1)の上流側(図2内左側)となる位置に配置する必要がある。ただし、間欠部(Q)には、ラインカメラ(8)の撮像ライン(X2)があり、受け取りコロ(5b)の影が、透過模様(2)の撮像を邪魔してはならない。よって、受け取りコロ(5b)は、下流側コンベア(4)における撮像ライン(X2)と隣接する位置である、左側ローラ(4b)の上方へ配置する。
受け取りコロ(5b)を撮像ライン(X2)と隣接した位置に配置することで、間欠部(Q)を通過する際にばたつく用紙(S)の紙頭(T1)を、撮像後すぐに保持することが、可能となる。よって、上流側コンベア(3)から搬送された用紙(S)を、上流側コンベア(3)の用紙(S)の搬送速度と同一の搬送速度で、下流側コンベア(4)により受け取ることが、可能となる。
押し出しコロ(5a)は、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さ(L)に対応してあらかじめ設定した基準位置(F1)に配置される。
用紙(S)の搬送方向(v1)の長さ(L)とは、前述した図8(d)に示す、搬送方向(v1)と並行する長さ(L)のことである。また、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さ(L)に対応した基準位置(F1)とは、前述した図8(d)に示す(Y)の範囲がなくなる位置のことであり、搬送中の用紙(S)の紙頭(T1)が、撮像ライン(X2)と隣接した位置に配置された受け取りコロ(5b)の位置である受け取り位置(F2)に到達した際に、用紙(S)の紙尻(T2)が、押し出しコロ(5a)の位置に達している位置のことである。なお、受け取り位置(F2)とは、受け取りコロ(5b)の中心となる位置のことである、
例えば、受け取り位置(F1)から基準位置(F1)までの距離(x1)が、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さ(L)と同じ長さの場合、押し出しコロ(5a)が、用紙(S)の紙尻(T2)を放すとともに、用紙(S)の紙頭(T1)が、受け取りコロ(5b)により挟持される。
よって、用紙(S)の長さに対応した基準位置(F1)に、押し出しコロ(5a)を配置することで、前述した図8(d)に示す(Y)の範囲の問題点であった、上流側コンベア(3’)の搬送ベルト(3a’)による押出し力と、下流側コンベア(4’)の搬送ベルト(4a’)による引張力が同時に作用することがなくなることから、図8(d)に示す(Y)の範囲がなくなり、安定した用紙(S)の搬送速度で、透過模様(M)を撮像することが、可能となる。
各コロ(5a、5b)の材質は、用紙(S)を一定の速度で送り出す為に、表層が摩擦係数の高いグリップ力の優れた材質、例えばウレタン製とする。また、各コロ(5a、5b)の直径、幅、押圧、個数及び幅方向(v2)における取付け位置は、撮像対象の透過模様(2)が形成された用紙(S)の幅方向(v2)の長さと、用紙(S)の特性(坪量、こわさ、表面特性等)により、適宜選択する。
例えば、用紙(S)が坪量100g/m程度で、幅方向(v2)の長さが700mm程度の上質紙の場合、各コロ(5a、5b)は、直径をローラ(3b、4b)と同等の約50mm、幅約20mm、押圧3kgfとし、各コロ(5a、5b)を、いずれも幅方向(v2)と並行となる方向に直線状に4個、用紙(S)の幅方向(v2)の長さ700mmを均等に割り振った位置に配置するとよい。
次に、速度調整機構(5)の動作について説明する。図4は、速度調整機構(5)を説明する模式図である。図4(a)に示すように、透過模様撮像装置(M)は、まず用紙(S)は、上流側コンベア(3)上を搬送する。この際、用紙(S)は、上流側コンベア(3)のみで搬送されるが、押し出しコロ(5a)が用紙(S)上に設置されていることから、搬送速度は安定している。
次に、用紙(S)は、図4(b)に示すように、用紙(S)の紙頭が、下流側コンベア(4)上に達することで、二つのコンベア(3、4)上を搬送される。この際、前述のとおり、二つのコンベア(3、4)の搬送速度にばらつきが生じているが、図4(b)は、押し出しコロ(5a)を設けることで、用紙(S)の搬送速度を一定に維持しながら、上流側コンベア(3)から下流側コンベア(4)へ用紙(S)を送り出すことが可能となる。
また、押し出しコロ(5a)から送り出された用紙(S)は、下流側コンベア(4)の受け取りコロ(5b)により、用紙(S)の紙頭を受け取る。その際、用紙(S)は、上流側コンベア(3)の用紙(S)の搬送速度と同一の搬送速度で、受け取ることが、可能である。
最後に、用紙(S)は、図4(c)に示すように、上流側コンベア(3)を離れ、下流側コンベア(4)のみで搬送される。その場合においても、受け取りコロ(5b)により、用紙(S)を押さえながら搬送しているので、搬送速度は安定する。
以上のとおり、速度調整機構(5)の押し出しコロ(5a)と、受け取りコロ(5b)の距離(X1)が、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さと同じ場合について説明したが、実際には、押し出しコロ(5a)及び受け取りコロ(5b)の機械精度、取り付け精度、グリップ力のばらつきや、用紙(S)の搬送誤差や、搬送ベルト(3a、4a)と駆動ローラ(3b、4b)とのスリップにより、押し出しコロ(5b)が用紙(S)を開放した瞬間から、受け取りコロ(5b)により用紙(S)の紙頭をグリップすることはできない。
また、押し出しコロ(5b)と受け取りコロ(5b)の間の間欠部(Q)には、押え部材(12)により用紙(S)の減速効果により、微少ではあるが、用紙(S)と、受け取りコロ(5b)及び押し出しコロ(5b)とのスリップが発生する。
そのために、適切な押し出しコロ(5a)と、受け取りコロ(5b)の距離X1については、押し出しコロ(5a)と、受け取りコロ(5b)とが同時に用紙(S)をグリップする間を設けることで、その間の用紙(S)の搬送速度を安定させる必要があり、押し出しコロ(5a)を配置する基準位置(F1)は、押し出しコロ(5a)と受け取りコロ(5b)の距離(X1)が、用紙(S)の搬送方向(v1)における長さの97.5%の位置であることが、好ましい。
図5は、用紙(S)の搬送方向(v1)における透過模様(2)の撮像位置の精度を示したグラフである。
搬送方向(v1)の紙頭から任意の一つの透過模様(2)までの距離を予め、ガラステーブルやスケールを用いて実測したのち、その実測した用紙(S)を、透過模様検査装置(M)に10回通紙して、搬送方向(v1)の紙頭から前述した実測した任意の一つの透過模様(2)までの距離を測定する。
透過模様検査装置(M)における、搬送方向(v1)の紙頭(T1)から前述した実測した任意の一つの透過模様(2)までの距離を測定方法は、まず、ラインカメラ(6)で撮像した撮像画像に対して、画像処理部(10)で、透過画像に公知の画像処理を行い、用紙(S)の紙頭(T1)と、透過模様(2)を検出する。次に、搬送方向(v1)及び幅方向(v2)の各用紙(S)の用紙端と透過模様(2)の間の画素数を計測する。
最後に、搬送方向(v1)の画素数に、ラインカメラ(8)の搬送方向(v1)における分解能を乗じることで搬送方向(v1)の用紙(S)の用紙端(T1)と透過模様(2)との間の距離を算出することで、搬送方向(v1)の紙頭(T1)から前述した任意の一つの透過模様(2)までの距離を測定することが可能である。
なお、用紙(S)の搬送方向(v1)及び/又は幅方向(v2)の長さを算出するために、用紙(S)を撮像する場合、用紙(S)をエリアカメラで正確に撮像するために、透過模様検査装置(M)の搬送速度は、10m/分の低速にしてもよい。
次に、測定した値(測定値)と、予め実測した値(実測値)との差を平均化したのち、縦軸とした。なお、図5では、透過模様検査装置(M)の搬送速度を130m/分、検査対象の用紙(S)坪量90g/m2、用紙幅(幅方向v2)700mmとした。
横軸は、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さに対する、受け取りコロ(5b)から基準位置(F1)までの距離(X1)を示しており、例えば、横軸が90%とは、受け取りコロ(5b)から基準位置(F1)までの距離(X1)が、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さの90%であることを示す。
図5に示すように、受け取りコロ(5b)から基準位置(F1)までの距離(X1)は、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さに対する90%〜105%の範囲(G)で検査誤差が小さい。よって、受け取りコロ(5b)から基準位置(F1)までの距離(X1)は、検査誤差の少ない90%〜105%の中間値である、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さの97.5%の位置とすることが、好ましい。
押し出しコロ(5a)の位置は、前述した基準位置(F1)に配置することで、図8(d)に示した(Y)の範囲をなくすことが可能となる。しかしながら、前述のとおり、搬送ベルト(3a、4a)の摩耗や、搬送ベルト(3a、4a)と駆動ローラ(3b、4b)とのスリップ等に伴い、二つのコンベア(3、4)の搬送速度が変化する。そのため、基準位置(F1)を設定した際の搬送速度と、実際に検査を行う際の搬送速度は、異なる。
そこで、速度調整機構(5)の押し出しコロ(5a)を、二つのコンベア(3、4)間を搬送される用紙(S)の搬送速度の誤差を測定し、その誤差を基に第一の再設定により基準位置(F1)に再度配置する。再配置することで、二つのコンベア(3、4)の搬送速度が変化した場合でも、常に安定して透過画像を撮像することが、可能となる。
本発明における用紙(S)の搬送速度の誤差とは、搬送される用紙(S)の搬送速度と、二つのコンベア(3、4)の搬送ベルト(3a、4a)の回転速度との差のことであり、各々の速度は、以下の方法で測定される。
用紙(S)の搬送速度の測定方法は、ローラ(4b2)が一定速度で回転する場合、まず、予め搬送方向の紙頭(T1)から紙尻(T2)までの長さを実測した用紙(S)を、透過模様検査装置(M)に通紙したのち、用紙(S)の透過画像を撮像する。次に、画像処理部(11)において、透過画像における、用紙(S)の搬送方向における用紙(S)の紙頭(T1)と紙尻(T2)までの画素数をカウントする。
次に、用紙(S)の透過画像の紙頭(T1)と紙尻(T2)までの画素数1画素の撮像に要した所要時間を乗じることで用紙(S)の紙頭(T1)と紙尻(T2)までの所要時間が算出される。最後に、紙頭(T1)から紙尻(T2)までの用紙(S)の実測した長さを、この算出された用紙(S)の紙頭(T1)と紙尻(T2)までの所要時間で除することで、用紙(S)の搬送速度が測定される。
なお、搬送される、用紙(S)の紙頭(T1)と紙尻(T2)までの所要時間は、光電センサ(図示しない)をラインカメラ(8)の撮像を妨げない位置に取り付けて、この光電センサが用紙(S)の紙頭(T1)及び紙尻(T2)を検出した時に、その信号を制御部(12)に転送し、制御部(12)において、用紙(S)の紙頭(T1)と紙尻(T2)までの所要時間を、制御部(12)の内部クロックから測定してもよい。
次に、二つのコンベア(3、4)の搬送ベルト(3a、4a)の回転速度の測定方法について説明する。図6は、二つのコンベア(3、4)に設置した、搬送ベルト(3a、4a)の回転速度を測定するベルト回転速度算出部(16)を示す模式図である。搬送ベルト(3a、4a)の回転速度は、反射型光電センサ(17)と、ベルト回転速度測定部(16)等から測定される。
反射型光電センサ(17)は、二つのコンベア(3、4)の上方に取り付けられた光電センサであり、搬送ベルト(3a、4a)には、この反射型光電センサ(17)で検出可能なマーク(P)が印字されている。ベルト回転速度測定部(16)は、搬送ベルト(3a、4a)の回転に伴い、ベルト回転速度測定部(16)の内部クロックによりマーク(P)間の所要時間が測定される。次に、ベルト回転速度測定部(16)に予め入力された搬送ベルト(3a、4a)の夫々の周長を、夫々の搬送ベルト(3a、4a)のマーク(P)間の所要時間で除することで夫々の搬送ベルト(3a、4a)の回転速度が測定される。
このように測定された用紙(S)の搬送速度と、搬送ベルト(3a、4a)の回転速度は、制御部(12)に転送されたのち、用紙(S)の搬送速度と、搬送ベルト(3a、4a)の回転速度が比較される。用紙(S)の搬送速度が、搬送ベルト(3a)に近い場合は、押し出しコロ(5a)を上流側に移動することで、用紙(S)の搬送速度を、搬送ベルト(4a)の回転速度に近づけることが可能となる。
ただし、押し出しコロ(5a)を、上流側に移動させれば、その分、押し出しコロ(5a)と受け取りコロ(5b)とが同時に用紙(S)をグリップする間が少なくなることから用紙(S)の搬送速度は不安定となることがある。そのため、制御部(12)には、用紙(S)搬送速度の誤差に応じ、適切な押し出しコロ(5a)の移動量を予め設定しておく必要がある。
また、透過模様撮像装置(M)は、上流側コンベア(3)又は下流側コンベア(4)上に、用紙(S)の搬送方向の長さ(v1)を測定する用紙寸法測定手段(13)をさらに有し、用紙寸法測定手段(13)で測定した用紙(S)の搬送方向の長さ(v1)に合わせて、第二の再設定により基準位置(F1)を配置することも可能である。
図7は、用紙寸法測定手段(13)を示す、模式図である。前述のとおり、押し出しコロ(5a)の位置は、用紙(S)の搬送方向(v1)における長さに対して、基準位置(F1)が設定される。よって、用紙(S)の搬送方向の長さ(v1)を測定する用紙寸法測定手段(13)によって測定した用紙(S)の搬送方向の長さ(v1)に合わせて、第二の再設定により基準位置(F1)を配置することで、様々な長さの用紙(S)の透過模様(M)を、安定して撮像することが、可能となる。
用紙寸法測定手段(13)は、エリアカメラ(14)及び寸法用照明(15)等の、用紙(S)の長さを測定可能な手段であり、上流側コンベア(3)又は下流側コンベア(4)上に、配置される。
第二の再設定による基準位置(F1)の配置方法としては、まず、搬送中の用紙(S)に対して、用紙寸法測定手段(13)の寸法用照明(15)を照射し、エリアカメラ(14)により反射画像を撮像する。次に、反射画像を基に、画像処理部(11)で用紙(S)の搬送方向(v1)の長さを算出する。なお、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さの算出方法は、図5を用いて前述した算出方法と同様であることから、説明を省略する。
次に、用紙寸法測定手段(13)において測定した、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さに合わせて、基準位置(F1)を、受け取りコロ(5b)からの距離(X1)が、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さの95%から105%となるように、その範囲内に再配置することで、用紙(S)の搬送方向の長さ(v1)に合わせて、第二の再設定により基準位置(F1)を配置することが可能となる。
なお、押し出しコロ(5a)を、制御部(12)及び図示ない駆動モータと接続させた後、測定した用紙(S)の搬送方向(v1)の長さを画像処理部(11)へ送信し、画像処理部(11)から、用紙(S)の搬送方向(v1)の長さに対応した押し出しコロ(5a)の移動量を算出した後、その算出した数値に基づき、制御部(12)及び駆動モータにより、押し出しコロ(5a)を移動させて、再配置することも、可能である。
押し出しコロ(5a)を、制御部(12)及び図示ない駆動モータと接続することで、作業者が手動で調整するのではなく、機械的に調整することが、可能となる。
なお、ラインカメラ(8)の搬送方向(v1)における分解能は、用紙(S)の搬送特性が変化した場合、適切な分解能に変更する必要がある。
用紙(S)の搬送特性が変化した場合とは、搬送ベルト(3a、4a)のテンションを調整した場合、搬送ベルト(3a、4a)を交換した場合、押し出しコロ(5a)と受け取りコロ(5b)の個数、押圧、配置を変えた場合、検査対象の用紙(S)の長さ(大きさ)、坪量、厚さ、強さといった用紙(S)の仕様を大きく変えた場合である。
用紙(S)の搬送特性が変化した場合、画像処理部(10)では、用紙(S)の透過画像から搬送方向(v1)の画素数を計測したのち、用紙寸法測定手段(11)で測定した当該の用紙(S)の搬送方向(v1)の長さを、計測した画素数で除することにより、新たに、ラインカメラ(8)の搬送方向(v1)の分解能を算出して設定することが可能である。
以上のように、本発明では、速度調整機構(5)を設けることで、二つのコンベア(3、4)間において、用紙(S)の搬送速度を均一にした状態で、用紙(S)を受け渡すことが、可能となる。よって、透過模様を明瞭な透過画像として撮像することが可能となる。
1 基材
2 透過模様
3 上流側コンベア
3a、4a 搬送ベルト
3b、4b ローラ
4 下流側コンベア
5 速度調整機構
5a 押し出しコロ
5b 受け取りコロ
6 エンコーダ
7 照明
8 ラインカメラ
9 押さえ部材
10 画像形成部
11 画像処理部
12 制御部
13 用紙寸法測定手段
14 エリアカメラ
15 寸法用照明
16 ベルト回転速度算出部
17 反射型光電センサ
18 上流側エンコーダ
P マーク
S 用紙
M 透過模様撮像装置

Claims (4)

  1. 用紙に形成された透過模様を透過画像として撮像するため、間欠部を介して独立して直線状に配置された上流側コンベア及び下流側コンベアと、透過画像を撮像するラインカメラを少なくとも備えた透過模様撮像装置において、
    前記上流側コンベアにおける、前記用紙の搬送方向の長さに対応してあらかじめ設定した基準位置に配置された押し出しコロと、前記ラインカメラの撮像ラインと隣接した位置に配置された前記下流側コンベアにおける受け取りコロを少なくとも備えた速度調整機構を有することを特徴とする透過模様撮像装置。
  2. 前記速度調整機構における前記押し出しコロは、前記二つのコンベア間を搬送される前記用紙の搬送速度の誤差を基に第一の再設定により前記基準位置に配置することが可能なことを特徴とする請求項1記載の透過模様撮像装置。
  3. 前記速度調整機構は、前記用紙の搬送方向の長さを測定する用紙寸法測定手段をさらに有し、前記用紙寸法測定手段において測定した前記用紙の搬送方向の長さに合わせて、第二の再設定により前記基準位置を配置することが可能なことを特徴とする請求項1又は2記載の透過模様撮像装置。
  4. 前記基準位置は、前記受け取りコロからの距離が、前記用紙の搬送方向の長さの97.5%となる位置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の透過模様撮像装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019190956A (ja) * 2018-04-24 2019-10-31 キヤノンマシナリー株式会社 ワーク外観検査装置
CN111337489A (zh) * 2018-12-18 2020-06-26 理想科学工业株式会社 图像检查装置

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