JP4832833B2 - 配置レンズ諸元導出方法、プログラム、情報記憶媒体及び配置レンズ諸元導出装置 - Google Patents

配置レンズ諸元導出方法、プログラム、情報記憶媒体及び配置レンズ諸元導出装置 Download PDF

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本発明は、立体視用に表示装置の画面上に配置されたレンチキュラレンズアレイに係る諸元を求める配置レンズ諸元導出方法等に関する。
従来から知られているとおり、LCD等のフラットパネルディスプレイとレンズアレイ(例えば、レンチキュラレンズアレイや蝿の目レンズアレイ)やバリアアレイ(例えば、パララックスバリアアレイやピンホールアレイ)等の光学素子群を組み合わせることで立体視映像表示装置を作成することができる。その方式には、多眼方式(2眼を含む)や超多眼方式、IP(Integral Photography)方式、光線再生法等が知られており、例えば非特許文献1や非特許文献2に開示されている。
高木康博,「64眼式三次元カラーディスプレイとコンピュータ合成した三次元物体の表示」,3次元画像コンファレンス2002講演論文集,3次元画像コンファレンス2002実行委員会,2002年7月4日,p.85−88 尾西明洋、武田勉、谷口英之、小林哲郎,「光線再生法による三次元動画ディスプレイ」,3次元画像コンファレンス2001講演論文集,3次元画像コンファレンス2001実行委員会,2001年7月4日,p.173−176
多眼方式では、図47に示すように、立体視画像が表示された表示面の各画素から射出され、光学素子群(同図では、レンチキュラレンズアレイ)により指向性が与えられた光線が、設定された複数(同図では、4つ)の視点位置に集まるように設計されている。そして、解像度は光学素子のピッチに依存し、視点(ビュー)の数は画素ピッチと光学素子のピッチとの比に依存している。そのため、視点数が少ない多眼方式においては、各視点での解像度は比較的高いが、視点数が少ないため自然な立体感が得られないという欠点があった。
そこで、多眼方式を改良し、左右両眼の視差の内側にも非常に多くの視点を設定することで自然な立体感を得られるようにしたものが、図48に示す超多眼方式である。しかし、超多眼方式では、視点数を非常に多くした結果、解像度の低下が著しいという欠点があり、満足な解像度を得るためには非常に高解像度な画素パネルを用いる必要があった。即ち、解像度と視点数とがトレードオフの関係にあった。
また、多眼方式及び超多眼方式では、想定した複数の視点位置それぞれから描画を行う(画像を生成する)こととしていた。このため、光学素子のピッチと画素ピッチとが正確に合うように設計を行う必要があった。
IP(Integral Photography)方式及び光線再生法では、図49、50に示すように、各画素から射出され、光学素子群により指向性を与えられた光線が、物体のサンプリングされた点群に集まるように設計されており、これを、更に遠くの視点から観察することによって立体視を実現している。図49はIP方式の場合を示しており、図50は光線再生法の場合を示している。
そして、解像度は、物体のサンプリング点の数に依存し、各サンプリング点の視線数は、そのサンプリング点に集まる光線の数に依存している。つまり、サンプリング点の数が少ない程、各サンプリング点に多くの光線を集めることができ、自然な立体感の再現が可能となるが、サンプリング点が少ないために解像度が低くなる。また、解像度を高くするためサンプリング点の数を増加させると、各サンプリング点には少数の光線しか集めることができず、自然な立体視が不可能となる。
特に、IP方式では、図49に示すように、自然な距離感を観察できる位置が描画面(立体視画像の表示面)に平行な結像面に限られ、それ以外の位置での物体の距離感は不自然に観察される。一方、光線再生法は、IP方式に比較して自由な距離で結像を行うことができるものである。
また、IP方式には、レンズアレイを用いるものとピンホールアレイを用いるものとがあるが、図49に示したように、レンズアレイを用いた場合には、描画面と結像面との間の距離がレンズの焦点距離に依存する。即ち、図51に示すように、レンズの焦点面と表示面との間の距離をA、レンズの焦点面と結像面との間の距離をB、レンズの焦点距離をFとすると、良く知られているように、次式の関係があるため、結像位置(描画面からの距離)を同時に2つ以上設定することができない。
(1/A)+(1/B)=(1/F)
一方、光線再生法は、図50に示すように、レンズアレイでなくピンホールアレイを用いていることで、結像距離を同時に2つ以上設定することができる(同図では、2つ)が、ピンホールアレイを用いているために画面が暗く、点列が並んだような映像となってしまう欠点がある。
また、IP方式及び光線再生法では、原理上、非常に多くの光線を集める必要があるため、サンプリング点が疎ら、即ち解像度の低いものが一般的である。つまり、満足な解像度を得るためには、超多眼方式の場合と同様に、非常に高解像度な画素パネルを用いる必要があった。即ち、多眼方式や超多眼方式とは尺度が異なるが、解像度と視点数とがトレードオフの関係にあったといえる。
また、IP方式及び光線再生法では、各結像位置と各光学素子の位置関係、或いは、各結像位置と各画素との位置関係によって視線(視点)の位置及び方向を決定していた。具体的には、光学素子群を先に用意し、視線を結像位置と各光学素子の位置関係で決定する場合には、光学素子群に合わせて画素の配置を決定せねばならない。また、画素パネルを先に用意し、視線を各結像位置と各画素との位置関係で決定する場合には、画素パネルに合わせて光学素子群の配置を決定せねばならない。何れにしても、光学素子のピッチと画素のピッチを合わせる設計を行う必要があった。
何れの方式にせよ、従来の立体視映像表示装置では、光学素子群の光学素子ピッチと画素パネルの画素ピッチとを合わせる必要があり、光学素子群と画素パネルのどちらのピッチを他方に合わせて決定するかは、主に、両者のコスト関係によって決定される。
例えば、古くから知られている、立体視画像を印刷した印刷物(紙やプラスチックカード等)とレンチキュラレンズアレイ等の光学素子を組み合わせた立体視用の印刷加工物においては、立体視画像が印刷された印刷物の印刷面に光学素子群(レンズアレイやバリアアレイ等)が貼付等して装着されており、印刷物に印刷された立体視画像の各ドットの反射光線が光学素子群によって指向性が与えられることで立体視が実現される。このような印刷加工物の場合には、印刷する立体視画像のドットの配置変更が容易であるため、光学素子群に合わせて印刷する立体視画像のドットのピッチが決定される。また、コンピュータのディスプレイ等を画素パネルとして用いる場合には、その画素ピッチに合わせた専用の光学素子群(例えば、レンチキュラレンズアレイ)を設計・製作して用いていた。
そこで、従来の立体視の方式のような視点の数と映像解像度とのトレードオフの関係を打破し、自然な立体感と高い解像度を両立させることのできる新しい立体視の方式(以下、「FV(フラクショナル・ビュー)方式」と呼ぶ。)を発明した。
図22〜46を参照して、このFV方式について詳細に説明する。尚、各図面では、光線の方向を明確に示すためにあえてハッチングを描いていない。また、以下では、光学素子群としてレンチキュラレンズアレイを用いた立体視画像を生成する場合について説明するが、これに限定されるものではない。
1.立体視画像の生成原理
図22は、FV方式における立体視画像生成の概要を示す図であり、表示面22に対する垂直断面図を示している。FV方式では、表示面22の画素PE毎に、(1)該画素PEの代表点(例えば、画素PEの中心)と該画素PEに対応するレンズ(光学素子)の主点とを通過した後の光線の逆方向を視線方向とする視線Vを決定し、(2)決定した視線Vの視線方向にある物体の色情報を該画素PEの色情報とする(レンダリング)ことで立体視画像を生成する。
(1)視線Vの決定
視線Vは、立体視画像を表示させることとなる立体視映像表示装置の構成パラメータ(後述するように、画素パネルとレンズ板との相対的な配置関係や画素パネルの画素ピッチ、レンズ板のレンズピッチや焦点距離等)と、想定した観察者の位置(以下、「想定観察位置」と呼ぶ。)とに基づいて決定する。具体的には、画素PE毎に、表示装置の構成パラメータ及び想定観察位置に基づいて該画素PEに対応するレンズ(光学素子)を決定し、該画素PEの代表点と決定した該画素PEに対応するレンズの主点とを通過した後の光線(代表光線)を算出する。そして、その代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を該画素の視線Vとして決定する。尚、想定観察位置は、立体視映像表示装置の表示面に対する相対的な観察者の視点の位置とする。
ここで、立体視映像表示装置について説明する。ここでは、レンチキュラ方式の立体視映像表示装置に表示させる立体視画像を生成する。レンチキュラ方式の立体視映像表示装置とは、光学素子群としてレンチキュラレンズアレイを用いた立体視映像表示装置であり、平面液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの表示面から一定の距離にレンチキュラレンズアレイが装着され、観察者がレンチキュラレンズアレイを介して表示面に表示された画像を見る(観察する)ことで、観察者に立体視を認識せしめる表示装置である。
また、立体視映像表示装置は、表示面とレンチキュラレンズアレイとの配置関係によって、(A)垂直レンチキュラ方式、(B)斜めレンチキュラ方式、の2種類に分類される。
(A)垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置
図23は、垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aの概略構造を示す図である。同図(a)は、立体視映像表示装置200Aの表示面に対する横方向(水平走査方向)断面図を示し、同図(b)は、観察者側から見た平面図を示している。
同図によれば、立体視映像表示装置200Aは、主に、バックライト10と、画素パネル20と、レンズ板30とを備えて構成される。バックライト10、画素パネル20及びレンズ板30は、それぞれ板状体であって互いに平行に配置されている。
バックライト10は光を出射し、その光は画素パネル20とレンズ板30とを通過して立体視映像表示装置200Aの外に進行する。即ち、観察者は、レンズ板30を介して画素パネル20に表示される画像を見ることになる。
画素パネル20は、画素(ピクセル)が一定の配列で配置されたカラー表示可能なディスプレイであり、レンズ板30と組み合わせることで立体視が可能となるものであれば種類は問わない。例えば、カラーフィルタ方式の液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、無機ELディスプレイ或いは有機ELディスプレイ等がある。また、カラーフィルタを用いないものでも、単色発光素子を配列した有機ELディスプレイやLEDディスプレイのように、赤(R)、緑(G)及び青(B)等の単色に自発光する素子を配置したディスプレイであっても適用可能である。また、いわゆる同色に発光する画素が配置されたモノクロディスプレイであっても構わず、更には、R(赤),G(緑),B(青)以外の色の画素を持ったディスプレイであっても構わない。また、画素の配置については、格子状は勿論、画素の代表点の座標を求めることが可能なものであれば、デルタ配列やその他の配列であっても構わない。
レンズ板30は、一方の面が、断面半円筒状(蒲鉾型)若しくはこれと光学的に等価な光学素子であるマイクロレンズ(以下、単に「レンズ」という)32が連接して成る凹凸面であり、他方の面が略平面状のレンチキュラレンズアレイである。レンズ板30の各レンズ32は、表示面22の各画素PEから射出される光線(射出光線)に指向性を与える働きをする。
また、レンズ板30は、平面が画素パネル20の表示面22に対向し、且つ、レンズ板30の主点面と表示面22との間の距離Gが各レンズ32の焦点距離Fにほぼ一致するように配置されている。尚、この距離Gは、焦点距離Fに完全に一致せず、ある程度の誤差があっても良い。例えば図42(a)は、G=F、とした状態であり、特定の方向から見ると、1つの画素PEがレンズ32いっぱいに広がって観察される。また、距離Gが焦点距離Fから少し離れた位置、即ち同図(b)、(c)に示す状態でも、特定の方向から見ると、1つの画素PEがレンズ32いっぱいに広がって観察される。しかし、距離Gが焦点距離Fからこれ以上離れた位置になると、レンズ32がその隣の画素PEをも映してしまうため、立体視の画質が損なわれる。即ち、画素パネル20のサブピクセル単位での画素ピッチの長さをS、レンズ板30のレンズピッチの長さをLとすると、距離Gが次式(1)を満たすように配置されていれば、そうでない場合よりも画質の良い立体視を実現することができる。
(L−S)・F/L≦G≦(L+S)・F/L ・・・(1)
尚、IP方式では、像を一定距離Cに結像させるため、距離Gが焦点距離Fよりも長くなっている。つまり、次式が成立する。この点において、FV方式は、IP方式とは原理的に異なる。
1/G+1/C=1/F、即ち、G=(C・F)/(C−F)>F
また、光線再生法では、複数の距離で結像させるため、光学素子にレンズを用いることができず、ピンホールを用いている。この点において、FV方式は、光線再生法とも原理的に異なる。
表示パネル20及びレンズ板30をこのように配置させることで、各レンズ32の焦点が画素パネル20の表示面22の一点に位置し、該焦点が位置する画素PEがレンズ32によって拡大されて見えることになる。尚、光学的にほぼ等価であるとみなせる場合には、レンズ板30の凹凸面を画素パネル20の表示面22に対向するように配置しても良い。
また、レンズ板30は、図23(b)に示すように、各レンズ32の主点線36(主点の集合。レンチキュラレンズ板のマイクロレンズは円筒形状(蒲鉾型)であるため、主点の集合は直線となる。)の方向が画素パネル20の縦方向の画素配列方向(鉛直走査方向)に一致するように配置される。同図(b)において、線32aはレンズ板30の各レンズ32の端部を示している。
ところで、従来のレンチキュラ方式の立体視映像表示装置では、レンズ板のレンズピッチと画素パネルの画素ピッチとが合う(以下、単に「ピッチが合う」という。)ように設計される。即ち、n眼式の場合には次式(2)が成立する。
L=n・S ・・・(2)
しかし、FV方式では、レンズ板30は、レンズピッチが画素パネル20の画素ピッチと合わない(以下、単に「ピッチが合わない」という。)ように設計されている。即ち、次式(3)が成立しない。
L=n・S ・・・(3)
但し、nは自然数である。
ところで、実際に観察者が立体視映像表示装置に表示された立体視画像を見る場合には、その観察者の視点は表示面22から有限距離に位置する。即ち、図24に示すように、表示面22の場所によって観察者の視点の視線方向が異なり、このため、レンズ32と画素PEとの対応関係がずれることになる。つまり、実質的なレンズピッチLEは次式(4)で与えられる。尚、同図は、立体視映像表示装置の表示面に対する横方向断面図を示している。
E=L×(D+F)/D ・・・(4)
但し、Dは、観察者の視点と表示面との間の距離である。
従って、厳密には、次式(5)が成立することが「ピッチが合う」状態であり、成立しないことが「ピッチが合わない」状態であるといえる。
E=n・S ・・・(5)
また、「ピッチが合う/合わない」ことは、実際の(或いは、想定した)観察者の視点から見た1つの画素PEに対する視角(対画素視角)σと、この画素PEの射出光線に指向性を与える1つのレンズ32に対する視角(対レンズ視角)λとによっても表現される。対画素視角σは式(6a)で与えられ、対レンズ視角λは次式(6b)で与えられる。
tanσ=S/(D+F) ・・・(6a)
tanλ=L/D ・・・(6b)
そして、次式(7)が成立することが「ピッチが合う」状態であり、成立しないことが「ピッチが合わない」状態である。
λ=n・σ ・・・(7)
但し、nは自然数である。
つまり、式(7)が成立するのは、対レンズ視角λが対画素視角σのn倍に一致する、即ちレンズピッチLEが画素ピッチSのn倍に一致する場合であり、その場合が「ピッチが合う」状態であるといえる。
尚、式(7)の条件は、従来の多眼式或いは超多眼式の立体視において、各視点間の距離を人間の両眼距離と一致させる必要を考慮しない場合の条件である。各視点間の距離を人間の両眼距離と一致させるためには、図43に示すように、観察距離Dと、両眼距離Eと、画素ピッチSと、レンズの焦点距離Fとの間に次式(8)が成立する必要がある。
E/D=S/F ・・・(8)
即ち、従来の各視点間の距離を人間の両眼距離と一致させた多眼式の場合には、式(7)及び式(8)を同時に満たす必要がある。そのため、従来の多眼式では、正確なレンズ設計が必要であった。
(B)斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置
図25は、斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Bの概略構造を示す図である。同図(a)は、立体視映像表示装置200Bの表示面に対する横方向(水平走査方向)断面図を示し、同図(b)は、観察者側から見た平面図を示している。
斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置では、画素パネル20の画素配列方向に対してレンズ板30の主点線36の方向が斜めに配置される(レンズ32の端部32aの方向も同様)ため、レンズ板30を介して画素パネル20を見たときに視認される映像に生じるモアレを分散させて目立たなくさせることが知られている。
同図によれば、立体視映像表示装置200Bは、垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aと同様に、主に、板状体であって互いに平行配置されたバックライト10と、画素パネル20と、レンズ板30と、を備えて構成される。
そして、斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Bでは、レンズ板30は、同図(b)に示すように、主点線36の方向が画素パネル20の縦方向の画素配列方向(鉛直走査方向)に対して角度θを成すように配置されている。従って、同図(a)に示す断面図におけるレンズピッチ(画素パネル20の画素ピッチ方向に沿ったレンズの幅)Mは、次式(9)で与えられる。
M=L/cosθ ・・(9)
また、レンズ板30は、同図(a)に示す断面図におけるレンズピッチMと画素パネル20の画素ピッチSとが合わないように配置されている。即ち、次式(10)が成立しない。
M=n・S ・・・(10)
但し、nは自然数である。
より詳細には、(A)垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aと同様に、実際の(或いは、想定した)観察者の視点の位置によって実質的なレンズピッチMEが変化し、そのレンズピッチMEは次式(11)で与えられる。
E=M×(D+F)/D ・・・(11)
また、式(6b)において、L←M、として与えられる対レンズ視角λを用いて式(7)が成立する状態が、斜めレンチキュラレンズ方式の立体視映像表示装置200Bにおいて「ピッチが合わない」ことに相当する。
尚、従来の斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置では、図26(a)に示すように、5眼式ではあるが、レンズピッチMEが画素ピッチSの2.5倍に一致させた方式や、同図(b)に示すように、7眼式ではあるが、レンズピッチMEが画素ピッチSの3.5倍に一致させた方式が用いられることがある。
しかし、例えば同図(a)に示すような画素配置(5眼式)の場合、後述する図40(b)に示すような画素配置であるとみなして描画を行っているため、実際の配置との差異により、1つの眼に視差が異なる2つビューの状態が混じって観察されて物体が二重に見えるクロストークが顕著になるという問題がある。
尚、図26に示すような従来の斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置(多眼式)では、式(7)は次式のようになる。
λ=2.5σ、即ち、λ:σ=5:2 (図26(a)の場合)
λ=3.5σ、即ち、λ:σ=7:2 (図26(b)の場合)
このように、従来の多眼式では、水平方向で一定の長さ毎に同じ視点の繰り返しが発生している。また、これらの多眼式では、予め設定されたn個の視点(個別視点)に基づく画像(個別視点画像)を生成し、それらの画像を視点の繰り返しパターンに合わせて再配置(インターリーブ)することで立体視画像を生成している。
しかしながら、FV方式では、以上のような同じ視点の繰り返しが発生しない場合にこそ、良い立体視画像が得られることを特徴としている。ここで、水平方向に同じ視点の繰り返しが発生する条件とは、前述の対画素視角σと対レンズ視角λとの間に、次式(12)の関係が成立することであるといえる。
λ:σ=n:m ・・・(12)
但し、n、mは自然数である。
つまり、式(12)が成立しないときが、「同じ視点の繰り返しが発生しない」、即ち「ピッチが合わない状態となる。但し、この同じ視点の繰り返しは、少なくとも立体視画像の画像表示領域内で発生しなければ良いので、それを考慮した「同じ視点の繰り返しが発生しない」、即ち「ピッチが合わない」条件は、式(12)において、「mがΦ/λ未満の自然数」であることである。但し、Φは、実際の(或いは想定した)観察者の視点から見た表示面22中の立体視画像が表示される領域(立体視画像表示領域)に対する視角(対表示領域視角)である。
このように、FV方式では、ピッチが合っていない(即ち、式(12)が成立しない)立体視映像表示装置を考え、この立体視映像表示装置に表示させる立体視画像を生成するものとする。つまり、従来のレンチキュラ方式の立体視映像表示装置では、立体視可能とするためにはレンズピッチと画素ピッチが合うように設計する必要があるが、FV方式は、ピッチが合っていない立体視映像表示装置において立体視を可能ならしめる。従って、個々のディスプレイの画素ピッチに合ったレンチキュラレンズ板を製造する必要が無くなり、既製のレンチキュラレンズ板を種々のディスプレイに適用できることとなって、レンズ板のコストを大幅に下げるという効果が得られる。また、選択可能な複数のレンズ板から最も目的に合ったものを選ぶこともできる。更には、斜めレンチキュラ方式を採用する場合に、斜めの角度θも自由に設定できる。具体的には、新たなレンズを製造することなく、画素パネルに対するレンズ板の斜めの配置角度θを調節するだけで、モアレや色縞を軽減することができる。
続いて、表示面22の各画素PEの視線Vの決定方法を説明するが、その前に、表示面22の座標系を図27に示すように定義する。即ち、表示面22の水平走査方向(横方向)に沿った方向をx軸方向とし、鉛直走査方向(縦方向)に沿った方向をy軸方向とし、表示面22から観察者側へ垂直に向かう方向をz軸正方向とする。
先ず、FV方式における視線Vの決定方法の内、最も基本となる方法について説明する。この方法は、観察者の視線が表示面22の「正面」(表示面22の中心Oを通過する観察視線方向が表示面22に対して垂直となる位置)で、且つ「無限遠」にあると想定した方法であり、非立体視画像の描画方法でいえば「直投影」に相当する。また、ここでは、立体視映像表示装置が上述した垂直/斜めレンチキュラ方式のそれぞれである場合の視線Vの決定方法について説明する。尚、以下では、1つの画素PEについての視線Vの決定方法を説明するが、他の画素PEについても勿論同様に決定できる。
(A)垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置
立体視映像表示装置が垂直レンチキュラ方式である場合の視線Vの決定方法を、図28を参照して説明する。図28は、垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aの概略三面図であり、同図(a)は、x−z平面に平行な断面図(水平走査方向断面図)を示し、同図(b)は、y−z平面に平行な断面図(鉛直走査方向断面図)を示し、同図(c)は、x−y平面図を示している。
先ず、視線Vを決定する画素(以下、「対象画素」という)PEに対応するレンズ32を決定する。図28(a)において、レンズ板30の各レンズ32を画素パネル20の表示面22に平行投影して(即ち、各レンズ32の端部32aを通過する表示面22に垂直な直線によって)、表示面22を各レンズ32の投影領域に分割する。そして、対象画素PEの代表点(ここでは、画素の中心とする)が属する投影領域のレンズ32を対象画素PEに対応するレンズ32とする。但し、同図(a)は、対象画素PEの代表点を通過する断面図である。
同図(a)では、表示面22は、レンズ32−1の投影領域26−1と、レンズ32−2の投影領域26−2と、・・・、に分割される。そして、対象画素PEの代表点は投影領域26−1に属しているので、対象画素PEに対応するレンズ32はレンズ32−1となる。
次いで、対象画素PEの代表点と、対象画素PEに対応するレンズ32の主点とを通過した後の光線(以下、「代表光線」という)PRを算出し、その代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素PEの視線Vとする。具体的には、対象画素PEに対応するレンズ32−1の主点線36の内、y座標が対象画素PEの代表点のy座標に等しい点を算出し、これを代表主点36aとする。そして、対象画素PEの代表点と、この代表主点36aとを通過した後の代表光線PRを算出し、この代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素PEに対応する視線Vとする。ここでは、簡明のため、対象画素PEの代表点から対象画素PEに対応するレンズ32の代表主点に向かう方向を代表光線PRの方向とする。
(B)斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置
次に、立体視映像表示装置が斜めレンチキュラ方式の場合の視線Vの決定方法を、図29を参照して説明する。図29は、斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Bの概略三面図であり、同図(a)は、x−z平面に平行な断面図(横方向断面図)を示し、同図(b)は、y−z平面に平行な断面図(縦方向断面図)を示し、同図(c)は、x−y平面図を示している。
かかる装置での視線Vの決定方法は、上述した(A)垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aの場合と同様である。即ち、同図(a)において、レンズ板30を画素パネル20の表示面22に平行投影して、表示面22を各レンズ32の投影領域に分割する。そして、対象画素PEの代表点が属する投影領域のレンズ32を、対象画素PEに対応するレンズ32とする。但し、同図(a)は、対象画素PEの代表点を通過する断面図(横方向断面図)である。
同図(a)では、表示面22は、レンズ32−4の投影領域26−4と、レンズ32−5の投影領域26−5と、・・・、に分割される。そして、対象画素PEの代表点は投影領域26−4に属しているので、対象画素PEに対応するレンズ32はレンズ32−4となる。
次いで、対象画素PEに対応するレンズ32の主点線36の内、y座標が対象画素PEの代表点のy座標に等しい点を算出し、これを代表主点36bとする。そして、対象画素PEの代表点と、この代表主点36bとを通過した後の代表光線PRを算出し、この代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素PEに対応する視線Vとする。
以上説明したこの方法は、観察者の視点が無限遠にあることを想定したものだが、実際の立体視画像の観察時には、観察者の視点は無限遠ではないため、後述する方法に対して、特に近距離から観察した場合、遠近法(パース)の掛かり具合に違和感を感じることがある。しかし、各視線Vの決定方法が簡単であるため、計算負荷を軽減することができる等といった利点がある。
次に、上述した方法に比較してより自然な立体視が可能となる視線Vの決定方法を説明する。この方法は、観察者の視点を一定の位置に想定した描画方法であり、非立体画像の描画方法でいえば「透視投影」に相当する。
ここでは、想定観察位置40を、図30に示すように、立体視映像表示装置の表示面22に対して「正面」に設定する。「正面」の想定観察位置40とは、表示面22の中心Oを通過する観察視線方向が、表示面22に対して垂直となる位置である。以下、この想定観察位置40と表示面22との間の距離Dを「想定観察距離D」という。そして、想定観察位置40を「正面且つ有限距離の定位置」とした場合の視線Vの決定方法を、垂直/斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置それぞれについて説明する。
(A)垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置
立体視映像表示装置が垂直レンチキュラ方式である場合の視線Vの決定方法を、図31、32を参照して説明する。図31は、垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aの部分概略斜視図である。また、図32は、立体視映像表示装置200Aの概略三面図であり、同図(a)は、図31のx−z平面に平行なA−A位置での断面図(水平走査方向断面図)を示し、図32(b)は、図31のy−z平面に平行なB−B位置での断面図(鉛直方向断面図)を示し、図32(c)は、x−y平面図を示している。尚、レンズ板30及び画素パネル20は、レンズ板30の各レンズ32の焦点距離Fを隔てて平行配置されている。
先ず、対象画素PEに対応するレンズ32を決定する。具体的には、図32(a)において、想定観察位置40からレンズ板30の各レンズ32を画素パネル20の表示面22に投影して(即ち、想定観察位置40から各レンズ32の端部へと向かう直線によって)、表示面22を各レンズ32の投影領域に分割する。そして、対象画素PEの代表点がどの投影領域に属するかによって対応するレンズ32を決定する。但し、同図(a)は、対象画素PEの代表点を通過する断面図である。
同図(a)では、表示面22は、レンズ32−7の投影領域26−7と、レンズ32−8の投影領域26−8と、レンズ32−9の投影領域26−9と、・・・、に分割される。そして、対象画素PEの代表点は投影領域26−7に属しているので、この対象画素PEに対応するレンズ32はレンズ32−7となる。
次に、対象画素PEの代表点と、対象画素PEに対応するレンズ32の主点とを通過した後の代表光線を算出し、算出した代表光線と位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素の視線Vとする。具体的には、図32(b)において、対象画素PEの代表点と想定観察位置40とを結ぶ直線LN1と、レンズ板30の主点面(各レンズ32の主点を含む面。表示面22に平行な平面である)35との交点のy座標を算出する。算出したy座標を「y1」とする。但し、同図(b)は、対象画素PEの代表点を通過する断面図である。
次いで、対象画素PEに対応するレンズ32−1の主点線36の内、y座標が「y1」である点を算出し、これを代表主点36cとする。そして、対象画素PEの代表点と、この代表主点36cとを通過した後の代表光線PRを算出し、この代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素PEに対応する視線Vとする。
(B)斜めレンチキュラ方式
次に、立体視映像表示装置が斜めレンチキュラ方式である場合の視線Vの決定方法を、図33、34を参照して説明する。図33は、斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Bの部分概略斜視図である。また、図34は、立体視映像表示装置200Bの概略三面図であり、同図(a)は、図33のx−z平面に平行なC−C位置での断面図(横方向断面図)を示し、図34(b)は、図33のy−z平面に平行なD−D位置での断面図(縦方向断面図)を示し、図34(c)は、x−y平面図を示している。尚、画素パネル20及びレンズ板30は、レンズ板30の各レンズ32の焦点距離Fを隔てて平行配置されている。
先ず、図34(b)において、対象画素PEの代表点と想定観察位置40とを結ぶ直線LN2と、レンズ板30の主点面35との交点のy座標を算出する。算出したy座標を「y2」とする。但し、同図(b)は、対象画素PEの代表点を通過する断面図である。
次いで、図34(a)において、想定観察位置40から各レンズ32を表示面22に投影して、表示面22を各レンズ32の投影領域に分割する。そして、対象画素PEの代表点がどの投影領域に属するかによって対応するレンズ32を決定する。但し、同図(a)は、y座標が先に算出した「y2」である断面図である。
同図(a)では、表示面22は、レンズ32−10の投影領域26−10と、レンズ32−11の投影領域26−11と、レンズ32−12の投影レンズ32−12と、・・・、に分割される。そして、対象画素PEの代表点は投影領域26−10に属しているので、この対象画素PEに対応するレンズ32はレンズ32−10となる。
続いて、対象画素PEに対応するレンズ32の主点線36の内、y座標が「y2」である点を算出し、これを代表主点36dとする。そして、対象画素PEの代表点と、この代表主点36dとを通過した後の代表光線PRを算出し、この代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素PEの視線Vとする。
以上、想定観察位置が「正面且つ無限遠」及び「正面且つ有限距離の定位置」のそれぞれである場合の、表示面22の各画素PEの視線Vの決定方法を説明した。尚、以上では、各レンズ32に入射する光線は屈折を起こさない(即ち、対象画素PEの代表点から対象画素PEに対応するレンズ32の代表主点に向かう方向が代表光線PRの方向に一致する)ものとして説明したが、厳密には、図35に示すように、屈折作用によって、代表光線PRは、対象画素PEの代表点と対象画素PEに対応するレンズ32の代表主点とを結ぶ直線に対してy座標位置が僅かにずれて一致しない。そこで、このずれを算出して補正することにより、各画素PEの視線Vを正確に求めることとすればより好適である。
また、各画素PEに対するレンズ32の決定を、図31、32を参照して説明したように、想定観察位置40を「有限距離の定位置」として行うことで、遠近法(パース)の掛かり具合が自然になること以外にも、想定観察位置40周辺での観察範囲が広くなるという効果を得ることができる。その効果を、図44を参照して説明する。
図44に示すように、一つのレンズに対応する全画素の射出光線が拡がる角度αと、レンズの焦点距離Fと、レンズの水平方向のピッチLとの間には、概ね次式(13)の関係がある。
tan(α/2)=L/(2F) ・・・(13)
そして、図45に示すように、レンズ板の全てのレンズから拡がる角度αの範囲内に観察者の両眼(視点)が位置するとき、好適な立体視が可能となる。
また、図45は、各画素に対応するレンズの決定を、想定観察位置40を「正面且つ無限遠」として行った場合の図であるが、各画素に対応するレンズの決定を、想定観察位置40を「有限距離の定位置」として行うことで、図46に示すように、想定観察位置40周辺での適視範囲を広げることができる。但し、この効果は、あくまでも想定観察位置40周辺でのみ得られるものであり、それ以外の場所ではむしろ画質が悪くなることがある。そこで、例えば観察者が複数想定される場合等、観察位置を一箇所に特定(想定)できない場合には、各画素に対応するレンズの決定を、想定観察位置を「正面且つ無限遠」として行い、その後の視線Vの決定は、想定観察位置40を「正面且つ有限距離の定位置」として行っても良い。
このように、各画素に対応する視線Vを決定した後、図36に示すように、決定した視線Vを基に、仮想カメラに相当する画素別視点CMを画素PE毎に設定する。尚、ここでは、画素PEに該画素PEに対応する画素別視点CMを設定するが、画素別視点CMを特に設定せず、全画素PEについての視線Vに共通なz方向の描画範囲を設定し、各視線Vについて描画を行うこととしても良い。
図36は、画素別視点CMの設定を説明するための図であり、表示面22の一部横方向断面図を示している。同図に示すように、各画素PE(PE1,PE2,・・・)の画素別視点CM(CM1,CM2,・・・)は、その視線方向が対応する視線V(V1,V2,・・・)となるように設定する。また、各画素別視点CMと表示面22との間の距離は、例えば同図に示すように、表示面22に平行な同一平面上に位置するように設定する。
同図では、画素PE1,PE2,・・・、のそれぞれの視線Vは視線V1,V2,・・・、である。従って、画素PE1の画素別視点CMは、視線V1がその視線方向の画素別視点CM1となる。また、画素PE2の画素別視点CMは、視線V2がその視線方向の画素別視点CM2となる。更に、画素PE3,PE4,・・・、についても同様に、それぞれの画素別視点CMは、視線V3,V4,・・・、がその視線方向の画素別視点CM3,CM4,・・・、となる。
(2)レンダリング
各画素PEの画素別視点CMを設定した後、設定した各画素別視点CMを基に三次元仮想空間をレンダリングすることで立体視画像を生成する。具体的には、画素PE毎に、該画素PEに対応する画素別視点CMの視線方向のオブジェクト空間の色情報(RGB値やα値等)を算出し、算出した色情報を該画素PEの色情報とすることで立体視画像を生成する。
図37は、色情報の算出を説明する図であり、表示面22の一部横方向断面図を示している。同図に示すように、表示面22の各画素PEについて、対応する画素別視点CMの視線方向のオブジェクト空間の色情報を算出し、算出した色情報を該画素PEの色情報とする。色情報の算出方法としては、例えば画素別視点CMからその視線方向に沿った光線を基に決定する、いわゆるレイトレーシング法等によって実現される。
同図では、画素PE1,PE2,・・・、のそれぞれの画素別視点は画素別視点CM1,CM2,・・・、である。従って、画素PE1の色情報は、画素別視点CM1の視線方向のオブジェクト空間の色情報となり、また、画素PE2の色情報は、画素別視点CM2の視線方向のオブジェクト空間の色情報となる。更に、画素PE3,PE4,・・・、のそれぞれについても同様に、対応する画素別視点CM3,CM4,・・・、の視線方向のオブジェクト空間の色情報が該画素PE3,PE4,・・・、の色情報となる。
このように、FV方式では、表示面の画素PE毎に、(1)視線Vを決定し、(2)決定した視線Vの視線方向の色情報を該画素PEの色情報とする(レンダリングする)、ことで立体視画像を生成する。
尚、このように生成した画像を立体視画像としてFV方式用の立体視映像表示装置に表示させた場合、観察者によって視認される映像は、従来の立体視映像と比べて若干正確さに欠く像となる。
図38は、FV方式の立体視映像が若干正確さに欠けることを説明するための図であり、表示面22の横方向一部断面図を示している。同図において、観察者の右目EY1から立体視映像表示装置を見ると、レンズ32−1を介して画素PE1が見え、レンズ32−2を介して画素PE2が見え、レンズ32−3を介して画素PE3が見える。
ところで、画素PE1の色情報は、画素別視点CM1の視線方向のオブジェクト空間の色情報であり、画素PE2の色情報は、画素別視点CM2の視線方向のオブジェクト空間の色情報であり、また、画素PE3の色情報は、画素別視点CM3の視線方向のオブジェクト空間の色情報である。即ち、右目EY1と画素別視点CM1,CM2,CM3とは一致しないため、観察者によって認識される各画素PEの色情報は、その位置から見た正確な色情報とはならない。
しかしながら、画素別視点CM1,CM2,CM3の位置は右目EY1の近傍であり、また、それらの視線方向は、右目EY1がレンズ32−1,32−2,32−3を介して画素PE1,PE2,PE3を見る視線方向とは僅かにずれる程度である。このため、観察者の右目EY1で視認される像(色情報)は、その位置から見た正確な像(色情報)ではないものの、一定の明確性を有して視認される。
また、FV方式では、視点(ビュー)の数が極めて多く、自然な立体視が可能となる。このことを、従来の多眼方式の立体視と比較した図39、40、41を参照して説明する。
図39は、従来の多眼方式の立体視の概略(イメージ)を示す図であり、3眼式の場合を示している。同図上側に示すように、従来の3眼式の立体視では、オブジェクト空間において、適当な距離を隔てて3つの個別視点1,2,3を設定し、個別視点1,2,3のそれぞれから見たオブジェクト空間の個別視点画像1,2,3を生成する。そして、これら3つの個別視点画像1,2,3をインターリーブ処理することで立体視画像を生成する。尚、同図において、立体視画像の各画素の数字は対応する個別視点画像(個別視点)の番号を表している。また、各画素別視点CMの位置及び視線方向は、概略図(イメージ図)であるために大凡であり、正確なものではない。
そして、同図下側に示すように、生成した立体視画像を従来の3眼式の立体視映像表示装置に表示させて適視位置1,2,3のそれぞれから見ると、適視位置1では個別視点画像1が見え、適視位置2では個別視点画像2が見え、適視位置3では個別視点画像3が見える。より詳細には、適視位置1をほぼ中心とする適視範囲1では個別視点画像1が見え、適視位置2をほぼ中心とする適視範囲2では個別視点画像2が見え、適視位置3をほぼ中心とする個別視点適視範囲3では画像3が見える。但し、同図において、適視範囲は概略図(イメージ図)であるために大凡のものであり、正確なものではない。
即ち、観察者OBが、右目EY1が適視位置2にほぼ一致し、左目EY2が適視位置1にほぼ一致する位置で立体視画像を見ると、右目EY1では個別視点画像2が見え、左目EY2では個別視点画像1が見えることで立体視映像を認識する。つまり、右目EY1を個別視点2とし、左目EY2を個別視点1としてオブジェクト空間を見た状態に相当する。
また、観察者OBの位置が、立体視画像に対して右方向へ移動すると、右目EY1或いは左目EY2が適視範囲の境界部分を通過する際に、該右目EY1或いは左目EY2で見える画像が急に切り換わる。具体的には、例えば右目EY1が適視範囲2と適視範囲3との境界部分を通過する際に、右目EY1に見える画像が個別視点画像2から個別視点画像3に切り換わる。また、左目EY2が適視範囲1と適視範囲2との境界部分を通過する際に、左目EY2に見える画像が個別視点画像1から個別画像2に切り換わる。
これは、従来の多眼方式の立体視では、n個の個別視点から見た各個別視点画像をインターリーブ処理して立体視画像を生成し、これを、ピッチが合うように設計されたn眼式の立体視映像表示装置に表示させることで立体視を実現しているためである。即ち、従来の立体視映像表示装置では、立体視画像を、レンチキュラレンズ板によって各個別視点画像に分離しているためである。
また更に、従来の斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置では、実際には図40(a)に示すような画素配置となっているところを、同図(b)に示すような画素配置になっているものとみなして描画処理を行っている。そのため、実際の配置との差異によるクロストーク(隣の視点位置の画像が混じって見える現象)が起こり、個別視点画像の分離性が良くないという問題が発生していた。
図41は、FV方式の立体視の概要(イメージ)を示す図である。FV方式では、上述のように、画素PE毎に画素別視点CMを設定し、各画素別視点CMの視線方向のオブジェクト空間の色情報を対応する画素PEの色情報とすることで立体視画像を生成している。即ち、同図上側に示すように、画素数に等しい画素別視点CM1,CM2,・・・を設定し、設定した画素別視点CM1,CM2,・・・、のそれぞれの視線方向の色情報を画素PE1,PE2,・・・、の色情報として立体視画像を生成している。尚、同図において、立体視画像の各画素PEの数字は、対応する画素別視点CMの番号を表している。
このように生成された立体視画像を、例えば図23に示したFV方式用の立体視映像表示装置200Aに表示させ、観察者OBが、同図下側に示す位置で立体視画像を見る。すると、左目EY2には、画素PE1,PE2,PE3,・・・、から構成される画像Aが見え、右目EY1には、画素PE11,PE12,PE13,・・・、から構成される画像Bが見える。つまり、左目EY2を、画素別視点CM1,CM2,・・・,CM10、から成る視点群とし、右目EY1を、画素別視点CM11,CM12,・・・,CM20、から成る視点群としてオブジェクト空間を見ている状態に相当する。
そして、観察者OBの位置が、立体視画像に対して少し右方向に移動すると、観察者の左目EY2に見える画像が、画像Aの一部の画素PEが隣の画素PEに入れ替わった画像Aに変化し、右目EY1に見える画像が、画素Bの一部の画素PEが隣の画素PEに入れ替わった画像Bに変化する。
このように、FV方式では、立体視画像を見る観察者の位置(観察位置)が変化すると、この変化に伴って右目EY1及び左目EY2のそれぞれに見える画像が少しずつ変化する。詳細には、幾つかの画素がその近隣の画素に入れ替わった画像に変化する。従って、観察者OBの右目EY1及び左目EY2のそれぞれに見える画像が少しづつ変化することで、認識される映像が少しずつ変化する。
このため、例えば図39に示した従来の多眼方式の立体視映像のように、適視範囲の境界部分で見える画像が急に切り変わる(即ち、認識される立体視映像が急に変化する)といった現象が生じず、観察位置の変化に伴って少しづつ変化する自然な立体視映像を実現できるとともに、観察者により視認される像の明確性が一定以上に保たれる。
尚、上述のように、観察者OBの右目EY1及び左目FY2の各目に見える画像は、実際の画像とは若干正確さに欠く映像となる。しかし、各目が各画素を見る視線方向は、図41下側に示すように、該画素の画素別視点CMの視線方向にほぼ沿った方向となっている。即ち、左目EY2が画像Aの各画素PE1,PE2,・・・、を見る視線方向は、これら各画素PE1,PE2,・・・、に対応する画素別視点CM1,CM2,・・・、の視線方向にほぼ沿った方向となっている。また、右目EY1についても同様に、画像Bの各画素PE11,PE12,・・・、を見る視線方向は、これら各画素PE11,PE12,・・・、に対応する画素別視点CM11,CM12,・・・、の視線方向にほぼ沿った方向となっている。このため、観察者に視認される映像は、若干正確さに欠くものの、像として視認できる明確性を有したものとなる。また、前述のように、観察者の位置が変化しても、視認される像の明確性が一定以上に保たれる。
また、FV方式において観察者に認識される立体視映像は、従来の多眼方式の立体視映像と同程度の解像度が得られる。例えば図23に示す立体視映像表示装置200Aでは、レンズピッチLはサブピクセル単位での画素ピッチSの3〜4倍である。従って、かかる立体視映像表示装置200では、画素パネル20の解像度の1/3〜1/4程度の解像度、即ち、従来の3〜4眼式の立体視映像と同程度の解像度が得られることになる。
このように、FV方式による立体視では、認識される立体視映像の正確さが僅かに欠けるけれども、従来の多眼方式の立体視映像と同程度の解像度を有しつつ、且つ、視点(ビュー)の数が膨大になったような自然な立体視映像を実現できる。
ここまで、FV方式による立体視画像生成について詳細に説明してきた。上述した通りに、FV方式の利点は、ピッチが合っていない立体視映像表示装置において立体視を可能ならしめることである。すなわち、表示装置(ディスプレイ)の画素ピッチに合ったレンチキュラレンズ板を製造する必要がなく、既製のレンチキュラレンズ板を種々の表示装置に適用することができる。また、選択可能な複数のレンズ板から最も目的に合ったものを選ぶこともできる。
しかし、例えば(B)斜めレンチキュラ方式を採用した場合、レンチキュラレンズ板を表示装置に配置する際には、レンズ板の斜めの配置角度や、配置基準位置等を適切に調整しなければならない。また、立体視画像を生成する際には、視線Vを決定する必要があるため、レンズ板の斜めの配置角度や配置基準位置に加えて、レンズのレンズピッチの精確な値を知る必要がある。
従来は、レンズピッチについては、製造時の値(メーカー交称値)を用いたり、定規等を用いて測定したりしていた。また、配置角度については、切断加工時の設計値を用いたり、配置した後に分度器等により測定したりしていた。更に、レンズを配置するときに、物理的に置く位置や角度を変更することで、角度や配置基準位置の調整を行っていた。
しかし、製造・加工時の設計値や、定規等での測定による値では、精度が不十分であるため、FV方式で要求される画素毎の光線方向を求めるに当たって、精確に求めることができず、結果として立体視映像の品質が不十分なものとなるという問題があった。
また、配置角度と配置基準位置についても、定規や分度器等では精確に測定することが難しく、更に、レンズをいったん取り外して再度設置する場合や、意図せずレンズがずれたような場合には、物理的に動かして再度調整を行うことが煩わしいという問題があった。
そこで、表示装置に配置するレンズ板の配置角度、配置基準位置及びレンズのレンズピッチの値(以下、これらを包括して「配置レンズ諸元」と呼ぶ。)を簡単な手順で求めることができれば至便である。
本発明はこのような課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、配置レンズ諸元を簡便に求めるための方法を提案することにある。
以上の課題を解決するための第1の発明は、
立体視用に表示装置(例えば、図2の表示装置5)の画面上に配置されたレンチキュラレンズアレイ(例えば、図2のレンチキュラレンズ板6)に係る諸元を求める配置レンズ諸元導出方法(例えば、図1の配置レンズ諸元導出の流れ)であって、
所与の角度及び所与の均等間隔の平行直線群を前記表示装置に表示させる直線群表示ステップ(例えば、図1のステップA1)と、
前記レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と前記表示された平行直線群を前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される色縞の角度とが合うように、前記平行直線群の角度を変化させる角度調整ステップ(例えば、図1のステップA5)と、
前記角度調整ステップで調整された前記平行直線群の角度を固定し、前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される前記表示装置画面全体の色が均一色となるように、前記平行直線群の均等間隔を変化させる間隔調整ステップ(例えば、図1のステップA7)と、
を含み、前記間隔調整ステップで調整された均等間隔から前記レンズピッチを求め、前記角度調整ステップで調整された角度から前記レンチキュラレンズアレイの配置角度を求める配置レンズ諸元導出方法である。
この第1の発明によれば、レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と、表示装置に表示させた平行直線群をレンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される色縞の角度とが合うように、平行直線群の角度が調整される。また、調整された平行直線群の角度において、レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される表示装置画面全体の色が均一色となるように、平行直線群の均等間隔が調整される。そして、調整された均等間隔からレンズピッチが求められ、調整された角度からレンチキュラレンズアレイの配置角度が求められる。従って、配置レンズ諸元であるレンズピッチやレンチキュラレンズアレイの配置角度が未知である場合であっても、表示装置に平行直線群を表示させておき、この平行直線群の角度と均等間隔とを調整するだけで、配置レンズ諸元を簡便に求めることができるようになる。
第2の発明は、第1の発明の配置レンズ諸元導出方法であって、
前記角度調整ステップは、前記平行直線群を前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認されるレンズ縞の角度を前記レンズ境界線角度として、前記平行直線群の角度を変化させるステップであることを特徴とする配置レンズ諸元導出方法である。
この第2の発明によれば、平行直線群をレンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認されるレンズ縞の角度をレンズ境界線角度として、平行直線群の角度が調整される。
第3の発明は、第1又は第2の発明の配置レンズ諸元導出方法であって、
前記角度調整ステップで調整された角度及び前記間隔調整ステップで調整された均等間隔を固定し、希望観察位置の両眼中央位置で前記レンチキュラレンズアレイを通じて前記表示装置画面を見た際に視認される前記表示装置画面全体の色が所定の色条件を満たす色となるように、前記平行直線群の表示位置を平行移動させる位置調整ステップ(例えば、図1のステップA9)を更に含み、
前記位置調整ステップで調整された表示位置から前記表示装置画面に対する前記レンチキュラレンズアレイの配置基準位置を求める配置レンズ諸元導出方法である。
この第3の発明によれば、調整された平行直線群の角度及び均等間隔において、希望観察位置の両眼中央位置でレンチキュラレンズアレイを通じて表示装置画面を見た際に視認される表示装置画面全体の色が所定の色条件を満たす色となるように、平行直線群の表示位置が調整される。そして、調整された表示位置から、表示装置画面に対するレンチキュラレンズアレイの配置基準位置が求められる。従って、配置レンズ緒元であるレンチキュラレンズの配置基準位置が未知である場合であっても、表示装置に表示させた平行直線群の表示位置を調整するだけで、配置レンズ諸元を簡便に求めることができるようになる。
第4の発明は、第3の発明の配置レンズ諸元導出方法であって、
前記所定の色条件は、前記表示装置画面の背景色及び前記平行直線群の色に基づいて予め定められる色であることを判定するための条件であることを特徴とする配置レンズ諸元導出方法である。
この第4の発明によれば、表示装置画面の背景色及び平行直線群の色に基づいて、予め定められる色であることの判定が行われることになる。
第5の発明は、第4の発明の配置レンズ諸元導出方法であって、
前記直線群表示ステップは、前記表示装置画面に、背景色を黒色、前記平行直線群の色を白色として表示させるステップであり、
前記所定の色条件は、赤色成分と青色成分とが同等で、これらの成分以上に緑色成分が含まれた色を判定するための条件であることを特徴とする配置レンズ諸元導出方法である。
この第5の発明によれば、表示装置画面に、背景色を黒色として白色の平行直線群が表示され、レンチキュラレンズアレイを通じて視認される表示装置画面の色が、赤色成分と青色成分とが同等で、これらの成分以上に緑色成分が含まれた色であるか否かが判定されることになる。
第6の発明は、第1〜第5の何れか一の発明の配置レンズ諸元導出方法であって、
前記配置されたレンチキュラレンズアレイと前記表示装置とは、希望観察位置における一のレンチキュラレンズに対する視角を対光学素子視角λ、前記一のレンチキュラレンズにより指向性が与えられる前記表示装置の一の画素に対する視角を対画素視角σ、前記表示装置中の立体視画像描画領域に対する視角を対描画領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない関係にあることを特徴とする配置レンズ諸元導出方法である。
また、第7の発明は、第6の発明の配置レンズ諸元導出方法であって、
前記配置されたレンチキュラレンズアレイと前記表示装置とは、更に、一のレンチキュラレンズの水平方向幅をL、前記一のレンチキュラレンズにより指向性が与えられる前記表示装置の一の画素の水平方向幅をS、前記表示装置中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=o:p(但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数)が成立しない関係にあることを特徴とする配置レンズ諸元導出方法である。
また、第8の発明は、第1〜第5の何れか一の発明の配置レンズ緒元導出方法であって、
前記配置されたレンチキュラレンズアレイと前記表示装置とは、一のレンチキュラレンズの水平方向幅をL、前記一のレンチキュラレンズにより指向性が与えられる前記表示装置の一の画素の水平方向幅をS、前記表示装置中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=o:p(但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数)が成立しない関係にあることを特徴とする配置レンズ諸元導出方法である。
この第6、第7又は第8の発明によれば、レンズのレンズピッチと表示装置の画素ピッチとが合わない(いわゆる「ピッチが合わない」)場合における配置レンズ諸元が導出されることになる。
第9の発明は、
前記表示装置を表示制御するコンピュータ(例えば、図14の配置レンズ諸元導出装置4)に、前記レンチキュラレンズアレイを通じて前記表示装置画面を撮影するカメラ(例えば、図14のデジタルカメラ7)の撮影画像に基づいて第1〜第8の何れか一の発明の配置レンズ諸元導出方法を実行させるためのプログラム(例えば、図14の第2配置レンズ諸元導出プログラム441)である。
この第9の発明によれば、レンチキュラレンズアレイを通じて表示装置画面を撮影したカメラの撮影画像に基づいて、第1〜第8の何れか一の発明の配置レンズ諸元導出方法により配置レンズ諸元が導出されることになる。
第10の発明は、第9の発明のプログラムであって、
前記角度調整ステップは、前記コンピュータが前記撮影画像をフーリエスペクトル解析し、低周波成分のピーク(輝点)の位相と高周波成分のピーク(輝点)の位相とをそろえるように前記平行直線群の角度を変化させることで、前記レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と前記表示された平行直線群を前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される色縞の角度とが合うような調整を行うステップである(例えば、図16のステップG1〜G11)ことを特徴とするプログラムである。
この第10の発明によれば、撮影画像がフーリエスペクトル解析され、低周波成分のピーク(輝点)の位相と高周波成分のピーク(輝点)の位相とがそろうように平行直線群の角度が調整される。空間領域においてレンズ境界線角度と色縞の角度とが一致していれば、周波数領域では低周波成分のピークの位相と高周波成分のピークの位相とが一致することになるため、低周波成分のピークの位相と高周波成分のピークの位相とがぴったり一致している撮影画像を特定することで、平行直線群の角度を精度良く調整することができるようになる。
第11の発明は、第9又は第10の発明のプログラムであって、
前記間隔調整ステップは、前記コンピュータが前記撮影画像をフーリエスペクトル解析し、低周波成分のピーク(輝点)を低減させるように前記均等間隔を変化させることで、前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される前記表示装置画面全体の色が均一色となるような調整を行うステップである(例えば、図18のステップH1〜H15)ことを特徴とするプログラムである。
この第11の発明によれば、撮影画像がフーリエスペクトル解析され、低周波成分のピーク(輝点)が低減されるように均等間隔が調整される。空間領域において表示装置画面全体の色が均一色となっていれば、周波数領域では低周波成分のピークが低減されることになるため、低周波成分のピークが最も低減されている撮影画像を特定することで、平行直線群の均等間隔を精度良く調整することができるようになる。
第12の発明は、
前記表示装置を表示制御するコンピュータ(例えば、図14の配置レンズ諸元導出装置4)に、前記レンチキュラレンズアレイを通じて前記表示装置画面を撮影するカメラ(例えば、図14のデジタルカメラ7)の撮影画像に基づいて第5の発明の配置レンズ諸元導出方法を実行させるためのプログラム(例えば、図14の水平基準位置調整プログラム447)であって、
前記位置調整ステップは、前記コンピュータが前記撮影画像のG(緑色)成分画像をフーリエスペクトル解析し、低周波成分のピーク(輝点)を低減させるように前記平行直線群の表示位置を平行移動させることで、前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される前記表示画面全体の色が赤色や青色に偏らないような調整を行うステップである(例えば、図20のステップK1〜K17)ことを特徴とするプログラムである。
この第12の発明によれば、撮影画像のG(緑色)成分画像がフーリエスペクトル解析され、低周波成分のピーク(輝点)が低減されるように表示位置が調整される。空間領域において表示装置画面全体の色が赤色成分と青色成分とが同等で、これらの成分以上に緑色成分が含まれた色となっていれば、G成分画像の周波数領域では低周波成分のピークが低減されることになる。従って、G成分画像の低周波成分のピークが最も低減されている撮影画像を特定することで、平行直線群の表示位置を精度良く調整することができるようになる。
第13の発明は、第9〜第12の何れか一の発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体(例えば、図14の記憶部440)である。
この第13の発明によれば、第9〜第12の何れか一の発明と同様の作用効果を奏する情報記憶媒体が実現される。
第14の発明は、
立体視用に表示装置の画面上に着脱可能に配置されたレンチキュラレンズアレイに係る諸元を求める配置レンズ諸元導出方法であって、
所与の角度及び所与の均等間隔の平行直線群を前記表示装置に表示させる直線群表示ステップと、
前記レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と前記表示された平行直線群を前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される色縞の角度とが合うように前記レンチキュラレンズアレイを前記表示装置画面と平行に回転させることで、前記レンチキュラレンズアレイの配置角度を導出する配置角度導出ステップと、
前記配置角度導出ステップで前記レンチキュラレンズアレイの配置角度が導出された状態のまま前記レンチキュラレンズアレイを固定し、前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される前記表示装置画面全体の色が均一色となるように前記平行直線群の均等間隔を変化させることで当該均等間隔を調整し、調整した均等間隔から前記レンズピッチを求めるレンズピッチ導出ステップと、
を含む配置レンズ諸元導出方法である。
また、第15の発明は、第14の発明の配置レンズ諸元導出方法であって、
前記レンズピッチ導出ステップで前記レンズピッチが導出された状態のまま、希望観察位置の両眼中央位置で前記レンチキュラレンズアレイを通じて前記表示装置画面を見た際に視認される前記表示装置画面全体の色が所定の色条件を満たす色となるように前記レンチキュラレンズアレイを前記表示装置画面と平行に移動させることで、前記レンチキュラレンズアレイの配置基準位置を導出する配置基準位置導出ステップ、
を更に含む配置レンズ諸元導出方法である。
第14の発明によれば、表示装置に平行直線群が表示され、レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と、レンチキュラレンズアレイを通じてカメラで撮影した撮影画像に表れる色縞の角度とが合うようにレンチキュラレンズが表示装置画面と平行に回転されることで、レンチキュラレンズアレイの配置角度が導出される。また、レンチキュラレンズアレイの配置角度が導出された状態のままレンチキュラレンズアレイが固定され、レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される表示装置画面全体の色が均一色となるように平行直線群の均等間隔が調整され、調整された均等間隔からレンズピッチが求められる。
また、第15の発明によれば、レンズピッチが導出された状態のまま、希望観測位置の両眼中央位置でレンチキュラレンズアレイの通じて表示装置画面を見た際に視認される表示装置画面全体の色が所定の色条件を満たす色となるようにレンチキュラレンズアレイが表示装置画面と平行に移動されることで、レンチキュラレンズアレイの配置基準位置が導出される。従って、レンチキュラレンズを画面上に配置・固定しておくのではなく、レンチキュラレンズを自在に動かしながら配置レンズ諸元を簡便に導出することができるようになる。
第16の発明は、
立体視用に表示装置(例えば、図14の表示装置5)の画面上に配置されたレンチキュラレンズアレイ(例えば、図14のレンチキュラレンズ板6)に係る諸元を、前記レンチキュラレンズアレイを通じて前記表示装置画面を撮影するカメラ(例えば、図14のデジタルカメラ7)の撮影画像に基づいて導出する配置レンズ諸元導出装置(例えば、図14の配置レンズ諸元導出装置4)であって、
所与の角度及び所与の均等間隔の平行直線群を前記表示装置に表示させる制御を行う直線群表示制御手段(例えば、図14の第2配置レンズ諸元導出部421;図15のステップF1)と、
前記レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と前記撮影画像中に表れる色縞の角度とが合うように、前記平行直線群の角度を変化させる制御を行う角度調整手段(例えば、図14の直線群角度調整部423;図15のステップF3)と、
前記角度調整手段によって調整された前記平行直線群の角度を固定し、前記撮影画像に基づいて、前記表示装置画面全体の色が均一色となるように、前記平行直線群の均等間隔を変化させる制御を行う間隔調整手段(例えば、図14の直線群間隔調整部425;図15のステップF5)と、
前記間隔調整手段によって調整された均等間隔に基づいて前記レンズピッチを導出し、前記角度調整手段によって調整された角度に基づいて前記レンチキュラレンズアレイの配置角度を導出する導出手段(例えば、図14の第2配置レンズ諸元導出部421)と、
を備えた配置レンズ諸元導出装置である。
この第16の発明によれば、表示装置に平行直線群が表示され、レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と、レンチキュラレンズアレイを通じてカメラで撮影した撮影画像に表れる色縞の角度とが合うように、平行直線群の角度が調整される。また、調整された平行直線群の角度において、レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される表示装置画面全体の色が均一色となるように、平行直線群の均等間隔が調整される。そして、調整された均等間隔からレンズピッチが求められ、調整された角度からレンチキュラレンズアレイの配置角度が求められる。従って、配置レンズ諸元であるレンズピッチやレンチキュラレンズアレイの配置角度が未知である場合であっても、表示装置に平行直線群を表示させておき、この平行直線群の角度と均等間隔とを調整するだけで、配置レンズ諸元を簡便に求めることができるようになる。
本発明によれば、レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と、表示装置に表示させた平行直線群をレンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される色縞の角度とが合うように、平行直線群の角度が調整される。また、調整された平行直線群の角度において、レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される表示装置画面全体の色が均一色となるように、平行直線群の均等間隔が調整される。そして、調整された均等間隔からレンズピッチが求められ、調整された角度からレンチキュラレンズアレイの配置角度が求められる。従って、配置レンズ諸元であるレンズピッチやレンチキュラレンズアレイの配置角度が未知である場合であっても、表示装置に平行直線群を表示させておき、この平行直線群の角度と均等間隔とを調整するだけで、配置レンズ諸元を簡便に求めることができるようになる。
2.配置レンズ諸元導出の原理
図1〜図9を参照して、配置レンズ諸元導出の原理について説明する。
先ず、ユーザは、図2に示すようなレンチキュラレンズ板6が配置された表示装置5に、均等間隔で並べられた複数の平行な直線からなる平行直線群を表示させる(図1のステップA1)。この平行直線群が表示された表示画面の一例を、図3に示す。但し、表示させる平行直線群の色を「白」、表示画面の背景色を「黒」とするものとして、以下説明する。
表示画面の左上隅を基準位置Oとし、基準位置Oから画面向かって横方向をx軸、縦方向をy軸とする。また、平行直線群を構成する直線がy軸となす角θを「直線群角度」、隣接する2本の直線の間隔mを「直線群間隔」、基準位置Oに最近接する直線のx軸上での基準位置Oからのずれの大きさdxを「水平基準位置」と呼ぶことにする。尚、初期値としての直線群角度θ及び直線群間隔mは、製造加工時の値や、定規等での測定による大まかな値を用いると良い。また、初期値としての水平基準位置dxについては、どのような値を用いても良いが、例えば「0」を用いることができる。
表示装置5に平行直線群を表示させたら、ユーザは調整を行うための観察位置(以下、「調整用観察位置」と呼ぶ。)を決定し(図1のステップA3)、この調整用観察位置からレンチキュラレンズ板6越しに表示画面を観察する。具体的には、ユーザは、画面中心から画面垂直方向に想定観察距離Dだけ離れた位置に観察する方の片眼が位置するように、調整用観察位置に自らの位置(その片眼の位置)を位置決めする。そして、この位置で片眼で観察しつつ、調整を行う。尚、実際には、この位置決めした調整用観察位置が、両眼中央位置に対応することになる。
そして、ユーザは、直線群角度θ、直線群間隔m、水平基準位置dxの順でそれぞれの値を変化させながら平行直線群を再描画させ、各パラメータの値の調整を行う(図1のステップA5〜A9)。
図4は、直線群角度調整の流れを示すフローチャートである。
先ず、ユーザは、直線群角度θを変化させる指示入力を行い(ステップB1)、平行直線群を再描画させる(ステップB3)。そして、ユーザは、調整用観察位置からレンチキュラレンズ板6を通じて視認される色縞(モアレ)の角度と、レンズの境界線の角度とが一致したかどうかを判定する(ステップB5)。尚、実際には、平行直線群をレンチキュラレンズ板6を通じて見ると、レンズの境界線がレンズ縞として視認されるため、このレンズ縞の角度をレンズの境界線の角度とみなして判定を行っても構わない。
ステップB5において角度が一致しなかったと判定した場合は(ステップB5;No)、ステップB1に戻り、角度が一致したと判定した場合は(ステップB5;Yes)、ユーザは、ステップB1で変化指示入力を行った直線群角度θを最適角度として確定して(ステップB7)、直線群角度調整を終了する。
図5は、直線群角度調整において、実際にレンズ板を通じて視認される画面の一例を示す図である。
図5(a)及び図5(c)は、直線群角度調整が適切に行われていない場合(図4のステップB5;No)に視認される画面を示す図であり、図5(b)は、直線群角度調整が適切に行われた場合(図4のステップB5;Yes)に視認される画面を示す図である。
図5(a)では、例えば線G1−G2として視認される色縞(モアレ)の角度と、線L1−L2として視認されるレンズの境界線の角度とが一致しておらず、同様に図5(c)では、例えば線G5−G6として視認される色縞(モアレ)の角度と、線L1−L2として視認されるレンズの境界線の角度とが一致していない。一方、図5(b)では、例えば線G3−G4として視認される色縞(モアレ)の角度と、線L1−L2として視認されるレンズの境界線の角度とが一致している。すなわち、図5(b)の状態における平行直線群の直線群角度θが、最適角度ということになる。
直線群角度調整を終了すると、ユーザは、直線群角度θを最適角度に固定した上で、直線群間隔mの調整を行う。
図6は、直線群間隔調整の流れを示すフローチャートである。
先ず、ユーザは、直線群間隔mを変化させる指示入力を行い(ステップC1)、平行直線群を再描画させる(ステップC3)。そして、ユーザは、調整用観察位置からレンズ板を通じて視認される画面の色が全体的に均一となったか否かを判定する(ステップC5)。
ステップC5において色が均一とはならなかったと判定した場合は(ステップC5;No)、ステップC1に戻り、色が均一となったと判定した場合は(ステップC5;Yes)、ユーザは、ステップC1で変化指示入力を行った直線群間隔mを最適間隔として確定して(ステップC7)、直線群間隔調整を終了する。
図7は、直線群間隔調整において、実際にレンズ板を通じて視認される画面の一例を示す図である。
図7(a)は、直線群間隔調整が適切に行われていない場合(図6のステップC5;No)に視認される画面を示す図であり、図7(b)は、直線群間隔調整が適切に行われた場合(図6のステップC5;Yes)に視認される画面を示す図である。
図7(a)では、色縞(モアレ)が表れており、画面の色が全体的に均一とはなっていないが、図7(b)では、色縞(モアレ)が消え、画面の色が全体的に均一となっている。すなわち、図7(b)の状態における平行直線群の直線群間隔mが、最適間隔ということになる。
尚、直線群角度調整においては、色縞(モアレ)の角度とレンズの境界線の角度とが一致したことの目視判定が、直線群間隔調整の目視判定よりも難しいため、一度行っただけでは精度良く調整することが難しい場合がある。その場合には、直線群間隔調整の後で再度、直線群角度調整と直線群間隔調整とを繰り返し行い、最終的に画面の色が均一となるようにすれば良い。
直線群間隔調整を終了すると、ユーザは、直線群間隔mを最適間隔に固定した上で、水平基準位置dxの調整を行う。
図8は、水平基準位置調整の流れを示すフローチャートである。
先ず、ユーザは、水平基準位置dxを変化させる指示入力を行い(ステップD1)、平行直線群を再描画させる(ステップD3)。そして、ユーザは、調整用観察位置からレンズ板を通じて視認される画面の色が赤色や青色に偏っていないかどうかを判定する(ステップD5)。但し、画面の色が赤色や青色に偏っていない状態とは、赤色成分と青色成分とが同等で、これらの成分以上に緑色成分が含まれている状態(より具体的には、R(赤)、G(緑)、B(青)の値(明度)が、R=B≦Gの状態であり、例えば「灰色」)のことをいう。
尚、R=B≦Gの判定を行うのは、表示させる平行直線群の色を「白」、背景色を「黒」とした場合であり、平行直線群及び背景色の配色を変更した場合は、この色条件を変更する必要がある。これについては、4−4−4.配色で再度説明する。
ステップD5において色が赤色や青色に偏っていると判定した場合は(ステップD5;No)、ステップD1に戻り、色が赤色や青色に偏っていないと判定した場合は(ステップD5;Yes)、ユーザは、ステップD1で変化指示入力を行った水平基準位置dxを最適基準位置として確定して(ステップD7)、水平基準位置調整を終了する。
図9は、水平基準位置調整において、実際にレンズ板を通じて視認される画面の一例を示す図である。
図9(a)及び図9(c)は、水平基準位置調整が適切に行われていない場合(図8のステップD5;No)に視認される画面を示す図であり、図9(b)は、水平基準位置調整が適切に行われた場合(図8のステップD5;Yes)に視認される画面を示す図である。
図面がグレースケールであるためわかりづらいが、図9(a)では、画面全体が青味がかった色となっており、図9(c)では、画面全体が赤味がかった色となっている。一方、図9(b)では、画面全体が赤色や青色に偏っておらず、灰色となっている。すなわち、図9(b)の状態における平行直線群の水平基準位置dxが、最適基準位置ということになる。
水平基準位置調整を終了すると、ユーザは、直線群角度調整で求めた最適角度をレンズ板の配置角度、直線群間隔調整で求めた最適間隔をレンズのレンズピッチ、水平基準位置調整で求めた最適基準位置をレンズ板の配置基準位置とし、配置レンズ諸元導出を終了する。
上述した配置レンズ諸元導出方法によれば、配置レンズ諸元であるレンズピッチや、レンチキュラレンズ板の配置角度、配置基準位置が未知である場合であっても、表示装置に平行直線群を表示させておき、この平行直線群の直線群角度θと、直線群間隔mと、水平基準位置dxとを調整するだけで、配置レンズ諸元を簡便に求めることができるようになる。
尚、ここでは、レンチキュラレンズ板6が表示装置5に配置・固定されており、直線群角度θと、直線群間隔mと、水平基準位置dxとを変化させながら平行直線群を再描画させることで各パラメータの値の調整を行うものとして説明したが、逆に、各パラメータの値を固定しておき、レンチキュラレンズ板6を移動・回転させながら調整を行うこととしても良いのは勿論である。
具体的には、先ずユーザは、ある直線群角度θ、直線群間隔m及び水平基準位置dxで、平行直線群を表示装置5に表示させておく。そして、ユーザは、レンズ板越しに視認されるレンズの境界線角度と色縞(モアレ)の角度とが一致するように、レンチキュラレンズ板6を表示画面と平行に回転させる。
次いで、レンズの境界線角度と色縞(モアレ)の角度とが一致したら、ユーザはレンチキュラレンズ板6を固定したまま、直線群間隔mを色々と変化させながら平行直線群を再描画させ、視認される画面の色が全体的に均一となるようにする。
その後、画面の色が全体的に均一となったら、ユーザは直線群間隔mを固定したまま、視認される画面全体の色が赤色や青色に偏らないように、レンチキュラレンズ板6を表示画面と平行に移動させる。この際、レンチキュラレンズ板6が回転しないように注意する。
以上説明した原理で求められた配置レンズ諸元は、視線Vを決定するために用いられる。具体的には、図34で説明した手順(但し、(B)斜めレンチキュラ方式の場合)で視線Vを決定するのだが、これには先ず、レンズの主点線36を定式化する必要がある。
レンズの主点線36は、レンズ板の配置角度、配置基準位置及びレンズのレンズピッチがわかれば定式化することができる。しかし、原理で求められたレンズピッチは、実際のレンズのレンズピッチLとはならない。なぜなら、ユーザはレンズを通じて視認される表示画面を見ながら調整を行ったため、求められたレンズピッチは、レンズの主点線を表示装置5の画素面に投影した場合の、隣り合う主点線の間隔に等しいからである。すなわち、原理で求められたレンズピッチは、図24で説明した実質的なレンズピッチLに相当するものである。
そこで、式(4)を変形した次式(14)に従ってレンズピッチLを算出する。
L=L×D/(D+F) ・・・(14)
また、同様の理由から、原理で求められたレンズ板の配置基準位置も、実際のレンズ板の配置基準位置とは一致しない。そこで、次式(15)に従ってレンズ板の配置基準位置Xを算出する。
X=X×D/(D+F) ・・・(15)
但し、Xは、原理で求められたレンズ板の配置基準位置である。
そして、式(14)により算出されたレンズピッチLと、式(15)により算出されたレンズ板の配置基準位置Xと、原理で求められたレンズ板の配置角度とを用いて、主点線36を定式化する。
3.第1実施形態
次に、2.原理に基づいた配置レンズ諸元導出を行う配置レンズ諸元導出システム1について説明する。かかる配置レンズ諸元導出システム1は、ユーザが肉眼で表示画面を見ながら操作入力することで、配置レンズ諸元を求めるために利用するコンピュータシステムである。
3−1.構成
図10は、本実施形態における配置レンズ諸元導出システム1の構成を示す図である。配置レンズ諸元導出システム1は、配置レンズ諸元導出装置2と、レンチキュラレンズ板6が配置された表示装置5とを備えて構成される。
配置レンズ諸元導出装置2は、ユーザ操作に従って配置レンズ諸元を導出する装置であって、入力部200と、処理部220と、記憶部240とを備えて構成される。入力部200は、ユーザによる操作指示入力を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部220に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやレバー、ジョイスティック、ダイヤル、マウス、トラックボール、キーボード、タブレット、タッチパネル、各種センサ等の入力装置によって実現される。
処理部220は、配置レンズ諸元導出装置2全体の制御や配置レンズ諸元の導出等を行うと共に、表示装置5を表示制御する。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。特に、本実施形態では、処理部220は、第1配置レンズ諸元導出部221を含む。
第1配置レンズ諸元導出部221は、記憶部240に記憶されている第1配置レンズ諸元導出プログラム241に従った処理を実行し、ユーザの操作入力に従って、表示装置5に配置されたレンチキュラレンズ板6にかかる配置レンズ諸元を導出する。
記憶部240は、処理部220に配置レンズ諸元導出装置2を統合的に制御させるためのシステムプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部220の作業領域として用いられ、処理部220が各種プログラムに従って実行した演算結果や入力部200から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現される。
特に、本実施形態では、記憶部240は、処理部220を第1配置レンズ諸元導出部221として機能させるための第1配置レンズ諸元導出プログラム241と、第1配置レンズ諸元データ243とを記憶している。
第1配置レンズ諸元データ243は、第1配置レンズ諸元導出処理により求められた配置レンズ諸元のデータであり、そのデータ構成例を図11に示す。レンズ板の配置角度、レンズピッチ及びレンズ板の配置基準位置が記憶されている。
3−2.処理の流れ
次に、処理の流れを説明する。
図12は、第1配置レンズ諸元導出処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、第1配置レンズ諸元導出部221が記憶部240の第1配置レンズ諸元導出プログラム241を実行することで実現される処理である。
先ず、第1配置レンズ諸元導出部221は、初期設定に基づく画面表示を行う(ステップE1)。具体的には、第1配置レンズ諸元導出部221は、初期設定として予め設定されている直線群角度θ、直線群間隔m及び水平基準位置dxで、平行直線群を表示装置5に表示させる。
ここでユーザは、図1のステップA3で説明した通りに、調整用観察位置を決定し、この調整用観察位置からレンチキュラレンズ板6越しに表示画面を観察する。具体的には、ユーザは、画面中心から画面垂直方向に想定観察距離Dだけ離れた位置に観察する方の片眼が位置するように、自らの位置を調整用観察位置に位置決めする。
次いで、第1配置レンズ諸元導出部221は、ユーザの操作入力に従って、直線群角度調整(ステップE3;図4参照)と、直線群間隔調整(ステップE5;図6参照)と、水平基準位置調整(ステップE7;図8参照)とを行う。
具体的には、直線群角度調整では、第1配置レンズ諸元導出部221は、ユーザによる直線群角度θの変化指示入力に従って平行直線群を表示装置5に再描画させ、ユーザによる確定指示がなされた直線群角度θを最適角度とする。同様にして、直線群間隔調整、水平基準位置調整では、第1配置レンズ諸元導出部221は、ユーザによる直線群間隔m、水平基準位置dxの変化指示入力に従って平行直線群を表示装置5に再描画させ、ユーザによる確定指示がなされた直線群間隔m、水平基準位置dxを、それぞれ最適間隔、最適基準位置とする。
そして、第1配置レンズ諸元導出部221は、最適角度、最適間隔及び最適基準位置を、それぞれレンズ板の配置角度、レンズピッチ及びレンズ板の配置基準位置とし、第1配置レンズ諸元データ243として記憶部240に記憶させて、第1配置レンズ諸元導出処理を終了する。
3−3.作用効果
第1実施形態によれば、ユーザが肉眼で画面を見ながら配置レンズ諸元システム1に操作指示入力することで、表示装置5の表示画面に表示させた平行直線群の直線群角度θ、直線群間隔m及び水平基準位置dxの調整・再描画を行わせ、表示装置5に配置されたレンチキュラレンズ板6にかかる配置レンズ諸元が導出される。
4.第2実施形態
次に、ユーザによる肉眼での視認や、ユーザの操作指示入力を必要とせず、全自動で配置レンズ諸元を導出する配置レンズ諸元導出システム3について説明する。
4−1.構成
図13及び図14は、本実施形態における配置レンズ諸元導出システム3の構成を示す図である。
配置レンズ諸元導出システム3は、配置レンズ諸元導出装置4と、レンチキュラレンズ板6が配置された表示装置5と、デジタルカメラ7とを備えて構成される。デジタルカメラ7は、レンチキュラレンズ板6を介して表示装置5の表示画面を撮影可能に配置される。具体的には、画面中心から画面垂直方向に想定観察距離Dだけ離れた位置に、視線方向が画面中心を向く方向となるように配置される。
配置レンズ諸元導出装置4は、入力部400と、処理部420と、記憶部440とを備えて構成される。入力部400は、ユーザによる操作指示入力を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部420に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやレバー、ジョイスティック、ダイヤル、マウス、トラックボール、キーボード、タブレット、タッチパネル、各種センサ等の入力装置によって実現される。
処理部420は、配置レンズ諸元導出装置4全体の制御や配置レンズ諸元の導出等を行う。また、処理部420は、表示装置5を表示制御すると共に、デジタルカメラ7を制御する。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。特に、本実施形態では、処理部420は、第2配置レンズ諸元導出部421を含み、第2配置レンズ諸元導出部421は更に、直線群角度調整部423と、直線群間隔調整部425と、水平基準位置調整部427とを含む。
第2配置レンズ諸元導出部421は、記憶部440に記憶されている第2配置レンズ諸元導出プログラム441に従った処理を実行し、表示装置5に接着されたレンチキュラレンズ板6にかかる配置レンズ諸元を導出する。
記憶部440は、処理部420に配置レンズ諸元導出装置4を統合的に制御させるためのシステムプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部420の作業領域として用いられ、処理部420が各種プログラムに従って実行した演算結果や入力部400から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現される。
特に、本実施形態では、記憶部440は、処理部420を第2配置レンズ諸元導出部421として機能させるための第2配置レンズ諸元導出プログラム441と、第2配置レンズ諸元データ449とを記憶している。また、第2配置レンズ諸元導出プログラム441は、第2配置レンズ諸元導出部421を直線群角度調整部423として機能させるための直線群角度調整プログラム443と、直線群間隔調整部425として機能させるための直線群間隔調整プログラム445と、水平基準位置調整部427として機能させるための水平基準位置調整プログラム447とをサブルーチンとして含んでいる。
第2配置レンズ諸元データ449は、第2配置レンズ諸元導出処理により求められた配置レンズ諸元のデータである。この第2配置レンズ諸元データ449のデータ構成例は、第1配置レンズ諸元データ243と同一である。
4−2.処理の流れ
次に、処理の流れを説明する。
図15は、第2配置レンズ諸元導出処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、第2配置レンズ諸元導出部421が記憶部440の第2配置レンズ諸元導出プログラム441を実行することで実現される処理である。
先ず、第2配置レンズ諸元導出部421は、初期設定に基づく画面表示を行う(ステップF1)。具体的には、第2配置レンズ諸元導出部421は、初期設定として予め設定されている直線群角度θ、直線群間隔m及び水平基準位置dxで、平行直線群を表示装置5に表示させる。
そして、第2配置レンズ諸元導出部421は、直線群角度調整プログラム443を実行することで、直線群角度調整処理を行う(ステップF3)。
図16は、直線群角度調整処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、直線群角度調整部423は、デジタルカメラ7に、レンチキュラレンズ板6を介して表示装置5の表示画面を撮影させる(ステップG1)。
次いで、直線群角度調整部423は、ステップG1で撮影された撮影画像に対してFFT(高速フーリエ変換)処理を行い、該撮影画像の周波数成分を取得する(ステップG3)。尚、FFT(高速フーリエ変換)処理は公知の処理であるため、詳細な説明を省略する。
そして、直線群角度調整部423は、ステップG3で得られた周波数成分のうちの高周波成分のピーク(輝点)の位相と、低周波成分のピーク(輝点)の位相とが一致しているか否かを判定する(ステップG5)。このような判定を行うのは、空間領域においてレンズの境界線の角度と、色縞(モアレ)の角度とが一致していれば、周波数領域では高周波成分(レンズ縞に相当)のピークの位相と、低周波成分(色縞に相当)のピークの位相とが一致するからである。言い換えると、高周波成分と低周波成分とでピークの位相がずれている場合は、レンズの境界線の角度と、色縞(モアレ)の角度とが合っていない。
ステップG5において、位相が一致していないと判定した場合は(ステップG5;No)、直線群角度調整部423は、直線群角度θを再設定する(ステップG7)。具体的には、直線群角度調整部423は、再設定する前の直線群角度θに所定の角度を加算した角度を、新しい直線群角度θとする。また、再設定した直線群角度θが予め定められた閾値を超えた場合には、逆に、再設定する前の直線群角度θから所定の角度を減算して、新しい直線群角度θとする。
そして、直線群角度調整部423は、ステップG7で再設定した直線群角度θで平行直線群を表示装置5に再描画させて(ステップG9)、ステップG1に戻る。
一方、ステップG5において、位相が一致していると判定した場合は(ステップG5;Yes)、直線群角度調整部423は、現在設定されている直線群角度θを最適角度として確定し(ステップG11)、直線群角度調整処理を終了する。
図17は、直線群角度調整処理のステップG1においてデジタルカメラ7により撮影された撮影画像と、ステップG3で撮影画像に対してFFT処理が行われることで得られたフーリエスペクトル画像との一例を示す図である。図17(a)〜(c)は撮影画像を示しており、それぞれの撮影画像に対するフーリエスペクトル画像を示したものが、図17(d)〜(f)である。また、図17(a)及び(c)は、直線群角度調整が適切に行われていない場合の撮影画像であり、図17(b)は、直線群角度調整が適切に行われた場合の撮影画像である。
これを見ると、直線群角度調整が適切に行われていない場合は(図16のステップG5;No)、フーリエスペクトル画像において高周波成分(レンズ縞に相当)のピークの位相と、低周波成分(色縞に相当)のピークの位相とが一致しておらず、撮影画像においてレンズの境界線の角度と、色縞(モアレ)の角度とが一致していないことがわかる。一方、直線群角度調整が適切に行われた場合は(図16のステップG5;Yes)、フーリエスペクトル画像において高周波成分のピークの位相と、低周波成分のピークの位相とが一致しており、撮影画像においてレンズの境界線の角度と、色縞(モアレ)の角度とが一致していることがわかる。
第2配置レンズ諸元導出処理に戻って、直線群角度調整処理を終了すると、第2配置レンズ諸元導出部421は、直線群間隔調整プログラム445を実行することで、直線群間隔調整処理を行う(ステップF5)。
図18は、直線群間隔調整処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、直線群間隔調整部425は、デジタルカメラ7に、レンチキュラレンズ板6を介して表示装置5の表示画面を撮影させる(ステップH1)。
次いで、直線群間隔調整部425は、ステップH1で撮影された撮影画像に対してFFT(高速フーリエ変換)処理を行い、該撮影画像の周波数成分を取得する(ステップH3)。
そして、直線群間隔調整部425は、低周波成分のパワースペクトルの積分値を算出して記憶部440に記憶させ(ステップH5)、所定の範囲内の全ての直線群間隔mについて処理を実行したか否かを判定する(ステップH7)。
低周波成分のパワースペクトルの積分値を算出するのは、空間領域において画面の色が全体的に均一となっていれば、周波数領域において低周波成分(色縞に相当)のピーク(輝点)が低減されるからである。言い換えると、低周波成分のピークが低減されていない場合は、画面の色が全体的に均一となっておらず、色縞(モアレ)が生じていることになる。
ステップH7において、未だ所定の範囲内の全ての直線群間隔mについて処理を実行していないと判定した場合は(ステップH7;No)、直線群間隔調整部425は、直線群間隔mを再設定する(ステップH9)。具体的には、直線群間隔調整部425は、再設定する前の直線群間隔mに所定の値を加算した間隔を、新しい直線群間隔mとする。また、再設定した直線群間隔mが予め定められた閾値を超えた場合には、逆に、再設定する前の直線群間隔mから所定の値を減算して、新しい直線群間隔mとする。
そして、直線群間隔調整部425は、ステップH9で再設定した直線群間隔mで平行直線群を表示装置5に再描画させて(ステップH11)、ステップH1に戻る。
一方、ステップH7において、所定の範囲内の全ての直線群間隔mについて処理を実行したと判定した場合は(ステップH7;Yes)、直線群間隔調整部425は、ステップH5で算出した積分値が最小である直線群間隔mを特定し(ステップH13)、特定した直線群間隔mを最適間隔として確定して(ステップH15)、直線群間隔調整処理を終了する。
尚、2.原理でも同様の説明を行ったが、直線群角度調整処理と、直線群間隔調整処理とを一度行っただけでは、精度良く調整を行うことができない場合がある。そこで、直線群間隔調整処理の後で再度、直線群角度調整処理と直線群間隔調整処理とを繰り返し行い、最終的に画面の色が均一となるようにすれば尚良い。
図19は、直線群間隔調整処理のステップH1においてデジタルカメラ7により撮影された撮影画像と、ステップH3で撮影画像に対してFFT処理が行われることで得られたフーリエスペクトル画像との一例を示す図である。図19(a)及び(b)は撮影画像を示しており、それぞれの撮影画像に対するフーリエスペクトル画像を示したものが、図19(c)及び(d)である。また、図19(a)は、直線群間隔調整が適切に行われていない場合の撮影画像であり、図19(b)は、直線群間隔調整が適切に行われた場合の撮影画像である。
これを見ると、直線群間隔調整が適切に行われていない場合は、フーリエスペクトル画像において低周波成分(色縞に相当)のピークが低減されておらず(パワースペクトルの積分値が大きくなっており)、撮影画像では画面の色が全体的に均一となっておらず、色縞(モアレ)が生じていることがわかる。一方、直線群間隔調整が適切に行われた場合は、フーリエスペクトル画像において低周波成分のピークが低減されており(パワースペクトルの積分値が小さくなっており)、撮影画像では画面の色が全体的に均一となっていることがわかる。
第2配置レンズ諸元導出処理に戻って、直線群間隔調整処理を終了すると、第2配置レンズ諸元導出部421は、水平基準位置調整プログラム447を実行することで、水平基準位置調整処理を行う(ステップF7)。
図20は、水平基準位置調整処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、水平基準位置調整部427は、デジタルカメラ7に、レンチキュラレンズ板6を介して表示装置5の表示画面を撮影させる(ステップK1)。
次いで、水平基準位置調整部427は、ステップK1で撮影された撮影画像のG(緑色)成分を取得し(ステップK3)、取得したG成分でなるG成分画像に対してFFT(高速フーリエ変換)処理を行って、該G成分画像の周波数成分を取得する(ステップK5)。
そして、水平基準位置調整部427は、低周波成分のパワースペクトルの積分値を算出して記憶部440に記憶させ(ステップK7)、所定の範囲内の全ての水平基準位置dxについて処理を実行したか否かを判定する(ステップK9)。
G成分画像の低周波成分のパワースペクトルの積分値を計算するのは、空間領域において画面の色が赤色や青色に偏っていない場合は、そのG成分画像について、周波数領域での低周波成分のピーク(輝点)が低減されるからである。言い換えると、G成分画像の低周波成分のピークが低減されていない場合は、画面の色が赤色や青色に偏っていることになる。
ステップK9において、未だ所定の範囲内の全ての水平基準位置dxについて処理を実行していないと判定した場合は(ステップK9;No)、水平基準位置調整部427は、水平基準位置dxを再設定する(ステップK11)。具体的には、水平基準位置調整部427は、再設定する前の水平基準位置dxに所定の値を加算した基準位置を、新しい水平基準位置dxとする。また、再設定した水平基準位置dxが予め定められた閾値を超えた場合には、逆に、再設定する前の水平基準位置dxから所定の値を減算して、新しい水平基準位置dxとする。
そして、水平基準位置調整部427は、ステップK11で再設定した水平基準位置dxで平行直線群を表示装置5に再描画させて(ステップK13)、ステップK1に戻る。
一方、ステップK9において、所定の範囲内の全ての水平基準位置dxについて処理を実行したと判定した場合は(ステップK9;Yes)、水平基準位置調整部427は、ステップK7で算出した積分値が最小である水平基準位置dxを特定し(ステップK15)、特定した水平基準位置dxを最適基準位置として確定して(ステップK17)、水平基準位置調整処理を終了する。
図21は、水平基準位置調整のステップK1においてデジタルカメラ7により撮影された撮影画像と、ステップK5で撮影画像のG成分画像に対してFFT処理が行われることで得られたフーリエスペクトル画像との一例を示す図である。図21(a)〜(c)は撮影画像を示しており、それぞれの撮影画像のG(緑色)成分画像に対するフーリエスペクトル画像を示したものが、図21(d)〜(f)である。また、図21(a)及び(c)は、水平基準位置調整が適切に行われていない場合の撮影画像であり、図21(b)は、水平基準位置調整が適切に行われた場合の撮影画像である。
これを見ると、水平基準位置調整が適切に行われていない場合は、G成分画像のフーリエスペクトル画像において低周波成分のピークが低減されておらず(パワースペクトルの積分値が大きくなっており)、図面がグレースケールのためわかりづらいが、撮影画像では画面の色が、青味がかった色又は赤味がかった色になっている。一方、水平基準位置調整が適切に行われた場合は、G成分画像のフーリエスペクトル画像において低周波成分のピークが低減されており(パワースペクトルの積分値が小さくなっており)、撮影画像では、画面の色が赤色や青色に偏らずに灰色となっている。
第2配置レンズ諸元導出処理に戻って、水平基準位置調整処理を終了すると、第2配置レンズ諸元導出部421は、ステップF3の直線群角度調整処理で求めた最適角度、ステップF5の直線群間隔調整処理で求めた最適間隔及びステップF7の水平基準位置調整処理で求めた最適基準位置を、それぞれレンズ板の配置角度、レンズピッチ及びレンズ板の配置基準位置とし、第2配置レンズ諸元データ449として記憶部440に記憶させる。そして、第2配置レンズ諸元導出部421は、第2配置レンズ諸元導出処理を終了する。
4−3.作用効果
第2実施形態によれば、レンチキュラレンズ板6を介して表示装置5の表示画面を撮影した撮影画像をフーリエスペクトル解析することで、表示装置5の表示画面に表示させた平行直線群の直線群角度θ、直線群間隔m及び水平基準位置dxの調整を行い、配置レンズ諸元を導出するシステムが実現される。
フーリエスペクトル解析の結果に基づいて各パラメータの値の自動調整を行うようにしたことで、ユーザが目視で調整を行う場合に比べて、より精度が高く且つ一定の調整を期待することができる。
4−4.変形例
4―4−1.フーリエ変換
本実施形態では、撮影画像から周波数成分を抽出する際に、FFT(高速フーリエ変換)処理を行うこととして説明したが、FFT以外のDFT(離散フーリエ変換)処理を用いても良いのは勿論である。
4−4−2.直線群間隔調整処理
直線群間隔調整処理では、撮影画像をフーリエスペクトル解析した結果に基づいて最適間隔を決定するものとして説明した。しかし、フーリエスペクトル解析を行わず、空間領域で取得されるデータに基づいて最適間隔を決定するようにしても良い。例えば、撮影画像中から、ある一定面積の領域を所定数(例えば、100個)サンプリングして、各サンプリング領域毎の平均色を取る。そして、それらの平均色の全ての組み合わせについて画像データ(R、G、B値)の差を算出する。そして、算出した差のうち最大のものを特定し、その値が所定値以下である場合に、該撮影画像における直線群間隔mを最適間隔に決定する。上述した条件を満たす撮影画像は、色が全体的に均一である可能性が高いからである。
4−4−3.水平基準位置調整処理
水平基準位置調整処理では、撮影画像をフーリエスペクトル解析した結果に基づいて最適基準位置を決定するものとして説明した。しかし、フーリエスペクトル解析を行わず、空間領域で取得されるデータに基づいて最適基準位置を決定するようにしても良い。例えば、撮影画像中から、ある一定面積の領域を所定数(例えば、100個)サンプリングして、それら全てのサンプリング領域の全てのドットの画像データ(R、G、B値)の平均値を算出する。そして、算出した平均値が赤色や青色に偏っていない場合(R=B≦G)に、該撮影画像における水平基準位置dxを最適基準位置に決定する。上述した条件を満たす撮影画像は、色が赤色や青色に偏っていない可能性が高いからである。
4−4−4.配色
上述した説明では、表示させる平行直線群の色を「白」、表示画面の背景色を「黒」とするものとしたが、色の組み合わせは何もこれに限られるわけではない。例えば、表示させる平行直線群の色を「黒」、表示画面の背景色を「白」としても良い。
この場合、直線群角度θ及び直線群間隔mについては、同様の手順で調整を行えば良い。また、水平基準位置dxについては、視認される画面の色が赤色成分と青色成分とが同等で、これらの成分以下の緑色成分が含まれた色となるように(R=B≧Gとなるように)、調整を行えば良い。
4−4−5.ライン描画アルゴリズム
通常のライン描画アルゴリズムでは、例えば図52(a)のようなラインを描きたい場合、図52(b)のように、ピクセル単位で発光・非発光をコントロールするのが一般的である。上述した説明では、どのようなライン描画アルゴリズムを採用して平行直線群を描画させるかについては特に言及しなかったが、例えば図52(c)のように、アンチエリアシング処理を施すアルゴリズムを採用することにしても良い。
また、ピクセル単位ではなく、サブピクセル単位で発光・非発光を制御するようにしても良い。例えば図52(b)に示したライン描画は、サブピクセル単位で見ると図53(a)のようになっている。そこで、サブピクセルが横に並んでいることを考慮して、図53(b)、(c)に示すように、サブピクセル単位で発光・非発光を制御してライン描画を行うようにする。
上述したライン描画アルゴリズムを用いて平行直線群を描画させると、視認される平行直線群が滑らかなものとなるため、より精度の高い調整を期待することができるようになる。
4−4−6.パララックスバリア
上述した説明では、画素から射出される光線を振り分けるための光学素子としてレンチキュラレンズを用いることとしたが、これと同等の効果を持つ光学素子を用いても良いことは勿論である。例えば、レンチキュラレンズの代わりに、パララックスバリアを用いても良い。
配置レンズ諸元導出の流れを示すフローチャート。 レンチキュラレンズ板及び表示装置の概略外観図。 表示画面に表示される平行直線群の一例を示す図。 直線群角度調整の流れを示すフローチャート。 直線群角度調整においてレンズ板を通じて視認される画面の一例を示す図。 直線群間隔調整の流れを示すフローチャート。 直線群間隔調整においてレンズ板を通じて視認される画面の一例を示す図。 水平基準位置調整の流れを示すフローチャート。 水平基準位置調整においてレンズ板を通じて視認される画面の一例を示す図。 第1実施形態における配置レンズ諸元導出システムの概略構成図。 第1配置レンズ諸元データのデータ構成例を示す図。 第1配置レンズ諸元導出処理の流れを示すフローチャート。 第2実施形態における配置レンズ諸元導出システムの概略構成図。 第2実施形態における配置レンズ諸元導出システムの概略構成図。 第2配置レンズ諸元導出処理の流れを示すフローチャート。 直線群角度調整処理の流れを示すフローチャート。 直線群角度調整処理で得られる撮影画像及びフーリエスペクトル画像の一例を示す図。 直線群間隔調整処理の流れを示すフローチャート。 直線群間隔調整処理で得られる撮影画像及びフーリエスペクトル画像の一例を示す図。 水平基準位置調整処理の流れを示すフローチャート。 水平基準位置調整処理で得られる撮影画像及びフーリエスペクトル画像の一例を示す図。 立体視画像生成の概要図。 垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置の概略構成図。 「ピッチが合う/合わない」ことの説明図。 斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置の概略構成図。 従来の、(a)斜め5眼式、(b)斜め7眼式、のレンチキュラレンズ方式の立体視映像表示装置における画素パネル及びレンズ板の配置関係図。 表示面に対する座標系設定の説明図。 垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「正面且つ無限遠」での視線決定の説明図。 斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「正面且つ無限遠」での視線決定の説明図。 想定観察位置が「正面」の状態を示す図。 垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「有限距離の定位置」での視線決定の説明図。 垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「有限距離の定位置」での視線決定の説明図。 斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「有限距離の定位置」での視線決定の説明図。 斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「有限距離の定位置」での視線決定の説明図。 レンズ板による屈折作用の説明図。 画素別視点設定の説明図。 画素の色情報算出の説明図。 視認される画素の色情報が若干正確さに欠けることの説明図。 従来の多眼方式(n眼式)の立体視の概要図。 従来の斜めレンチキュラレンズ方式の立体視映像表示装置においてクロストークが生じることの説明図。 FV方式での立体視の概要図。 適切な画素パネルとレンズ板との間の距離の説明図。 両眼距離を考慮した場合の説明図。 1つのレンズによる光線の拡がりの説明図。 想定観察位置を「正面かつ無限遠」として画素に対応するレンズを決定した場合の適視範囲の説明図。 想定観察位置を「正面且つ有限距離の定位置」として画素に対するレンズを決定した場合の適視範囲の説明図。 多眼式の立体視の概念図。 超多眼式の立体視の概念図。 IP方式の立体視の概念図。 光線再生法の立体視の概念図。 表示面と結像面との間の距離がレンズの焦点距離に依存することの説明図。 変形例におけるライン描画アルゴリズムによるライン描画の一例を示す図。 変形例におけるライン描画アルゴリズムによるライン描画の一例を示す図。
符号の説明
1、3 配置レンズ諸元導出システム
2、4 配置レンズ諸元導出装置
200、400 入力部
220、420 処理部
221 第1配置レンズ諸元導出部
421 第2配置レンズ諸元導出部
423 直線群角度調整部
425 直線群間隔調整部
427 水平基準位置調整部
240、440 記憶部
241 第1配置レンズ諸元導出プログラム
243 第1配置レンズ諸元データ
441 第2配置レンズ諸元導出プログラム
443 直線群角度調整プログラム
445 直線群間隔調整プログラム
447 水平基準位置調整プログラム
449 第2配置レンズ諸元データ
5 表示装置
6 レンチキュラレンズ板
7 デジタルカメラ

Claims (16)

  1. 立体視用に表示装置の画面上に配置されたレンチキュラレンズアレイに係る諸元を求める配置レンズ諸元導出方法であって、
    所与の角度及び所与の均等間隔の平行直線群を前記表示装置に表示させる直線群表示ステップと、
    前記レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と前記表示された平行直線群を前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される色縞の角度とが合うように、前記平行直線群の角度を変化させる角度調整ステップと、
    前記角度調整ステップで調整された前記平行直線群の角度を固定し、前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される前記表示装置画面全体の色が均一色となるように、前記平行直線群の均等間隔を変化させる間隔調整ステップと、
    を含み、前記間隔調整ステップで調整された均等間隔から前記レンズピッチを求め、前記角度調整ステップで調整された角度から前記レンチキュラレンズアレイの配置角度を求める配置レンズ諸元導出方法。
  2. 前記角度調整ステップは、前記平行直線群を前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認されるレンズ縞の角度を前記レンズ境界線角度として、前記平行直線群の角度を変化させるステップであることを特徴とする請求項1に記載の配置レンズ諸元導出方法。
  3. 前記角度調整ステップで調整された角度及び前記間隔調整ステップで調整された均等間隔を固定し、希望観察位置の両眼中央位置で前記レンチキュラレンズアレイを通じて前記表示装置画面を見た際に視認される前記表示装置画面全体の色が所定の色条件を満たす色となるように、前記平行直線群の表示位置を平行移動させる位置調整ステップを更に含み、
    前記位置調整ステップで調整された表示位置から前記表示装置画面に対する前記レンチキュラレンズアレイの配置基準位置を求める請求項1又は2に記載の配置レンズ諸元導出方法。
  4. 前記所定の色条件は、前記表示装置画面の背景色及び前記平行直線群の色に基づいて予め定められる色であることを判定するための条件であることを特徴とする請求項3に記載の配置レンズ諸元導出方法。
  5. 前記直線群表示ステップは、前記表示装置画面に、背景色を黒色、前記平行直線群の色を白色として表示させるステップであり、
    前記所定の色条件は、赤色成分と青色成分とが同等で、これらの成分以上に緑色成分が含まれた色を判定するための条件であることを特徴とする請求項4に記載の配置レンズ諸元導出方法。
  6. 前記配置されたレンチキュラレンズアレイと前記表示装置とは、希望観察位置における一のレンチキュラレンズに対する視角を対光学素子視角λ、前記一のレンチキュラレンズにより指向性が与えられる前記表示装置の一の画素に対する視角を対画素視角σ、前記表示装置中の立体視画像描画領域に対する視角を対描画領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない関係にあることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の配置レンズ諸元導出方法。
  7. 前記配置されたレンチキュラレンズアレイと前記表示装置とは、更に、一のレンチキュラレンズの水平方向幅をL、前記一のレンチキュラレンズにより指向性が与えられる前記表示装置の一の画素の水平方向幅をS、前記表示装置中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=o:p(但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数)が成立しない関係にあることを特徴とする請求項6に記載の配置レンズ諸元導出方法。
  8. 前記配置されたレンチキュラレンズアレイと前記表示装置とは、一のレンチキュラレンズの水平方向幅をL、前記一のレンチキュラレンズにより指向性が与えられる前記表示装置の一の画素の水平方向幅をS、前記表示装置中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=o:p(但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数)が成立しない関係にあることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の配置レンズ諸元導出方法。
  9. 前記表示装置を表示制御するコンピュータに、前記レンチキュラレンズアレイを通じて前記表示装置画面を撮影するカメラの撮影画像に基づいて請求項1〜8の何れか一項に記載の配置レンズ諸元導出方法を実行させるためのプログラム。
  10. 前記角度調整ステップは、前記コンピュータが前記撮影画像をフーリエスペクトル解析し、低周波成分のピーク(輝点)の位相と高周波成分のピーク(輝点)の位相とをそろえるように前記平行直線群の角度を変化させることで、前記レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と前記表示された平行直線群を前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される色縞の角度とが合うような調整を行うステップであることを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
  11. 前記間隔調整ステップは、前記コンピュータが前記撮影画像をフーリエスペクトル解析し、低周波成分のピーク(輝点)を低減させるように前記均等間隔を変化させることで、前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される前記表示装置画面全体の色が均一色となるような調整を行うステップであることを特徴とする請求項9又は10に記載のプログラム。
  12. 前記表示装置を表示制御するコンピュータに、前記レンチキュラレンズアレイを通じて前記表示装置画面を撮影するカメラの撮影画像に基づいて請求項5に記載の配置レンズ諸元導出方法を実行させるためのプログラムであって、
    前記位置調整ステップは、前記コンピュータが前記撮影画像のG(緑色)成分画像をフーリエスペクトル解析し、低周波成分のピーク(輝点)を低減させるように前記平行直線群の表示位置を平行移動させることで、前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される前記表示画面全体の色が赤色や青色に偏らないような調整を行うステップであることを特徴とするプログラム。
  13. 請求項9〜12の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
  14. 立体視用に表示装置の画面上に着脱可能に配置されたレンチキュラレンズアレイに係る諸元を求める配置レンズ諸元導出方法であって、
    所与の角度及び所与の均等間隔の平行直線群を前記表示装置に表示させる直線群表示ステップと、
    前記レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と前記表示された平行直線群を前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される色縞の角度とが合うように前記レンチキュラレンズアレイを前記表示装置画面と平行に回転させることで、前記レンチキュラレンズアレイの配置角度を導出する配置角度導出ステップと、
    前記配置角度導出ステップで前記レンチキュラレンズアレイの配置角度が導出された状態のまま前記レンチキュラレンズアレイを固定し、前記レンチキュラレンズアレイを通じて見た際に視認される前記表示装置画面全体の色が均一色となるように前記平行直線群の均等間隔を変化させることで当該均等間隔を調整し、調整した均等間隔から前記レンズピッチを求めるレンズピッチ導出ステップと、
    を含む配置レンズ諸元導出方法。
  15. 前記レンズピッチ導出ステップで前記レンズピッチが導出された状態のまま、希望観察位置の両眼中央位置で前記レンチキュラレンズアレイを通じて前記表示装置画面を見た際に視認される前記表示装置画面全体の色が所定の色条件を満たす色となるように前記レンチキュラレンズアレイを前記表示装置画面と平行に移動させることで、前記レンチキュラレンズアレイの配置基準位置を導出する配置基準位置導出ステップ、
    を更に含む請求項14に記載の配置レンズ諸元導出方法。
  16. 立体視用に表示装置の画面上に配置されたレンチキュラレンズアレイに係る諸元を、前記レンチキュラレンズアレイを通じて前記表示装置画面を撮影するカメラの撮影画像に基づいて導出する配置レンズ諸元導出装置であって、
    所与の角度及び所与の均等間隔の平行直線群を前記表示装置に表示させる制御を行う直線群表示制御手段と、
    前記レンチキュラレンズアレイのレンズ境界線角度と前記撮影画像中に表れる色縞の角度とが合うように、前記平行直線群の角度を変化させる制御を行う角度調整手段と、
    前記角度調整手段によって調整された前記平行直線群の角度を固定し、前記撮影画像に基づいて、前記表示装置画面全体の色が均一色となるように、前記平行直線群の均等間隔を変化させる制御を行う間隔調整手段と、
    前記間隔調整手段によって調整された均等間隔に基づいて前記レンズピッチを導出し、前記角度調整手段によって調整された角度に基づいて前記レンチキュラレンズアレイの配置角度を導出する導出手段と、
    を備えた配置レンズ諸元導出装置。
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