JP4672461B2 - 画像生成装置、電子機器、印刷加工物、画像生成方法及びプログラム - Google Patents

画像生成装置、電子機器、印刷加工物、画像生成方法及びプログラム Download PDF

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本発明は、画素が配置された画素パネルと、該画素パネルの各画素に指向性を与える光学素子群とを備えた立体視映像表示装置に表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する画像生成装置等に関する。
従来から知られているとおり、LCD等のフラットパネルディスプレイとレンズアレイ(例えば、レンチキュラレンズアレイや蝿の目レンズアレイ)やバリアアレイ(例えば、パララックスバリアアレイやピンホールアレイ)等の光学素子群を組み合わせることで立体視映像表示装置を作成することができる。その方式には、多眼方式(2眼を含む)や超多眼方式、IP(Integral Photography)方式、光線再生法等が知られており、例えば非特許文献1や非特許文献2に開示されている。
高木康博,「64眼式三次元カラーディスプレイとコンピュータ合成した三次元物体の表示」,3次元画像コンファレンス2002講演論文集,3次元画像コンファレンス2002実行委員会,2002年7月4日,p.85−88 尾西明洋、武田勉、谷口英之、小林哲郎,「光線再生法による三次元動画ディスプレイ」,3次元画像コンファレンス2001講演論文集,3次元画像コンファレンス2001実行委員会,2001年7月4日,p.173−176
多眼方式では、図45に示すように、立体視画像が表示された表示面の各画素から射出され、光学素子群(同図では、レンチキュラレンズアレイ)により指向性が与えられた光線が、設定された複数(同図では、4つ)の視点位置に集まるように設計されている。そして、解像度は光学素子のピッチに依存し、視点(ビュー)の数は画素ピッチと光学素子のピッチとの比に依存している。そのため、視点数が少ない多眼方式においては、各視点での解像度は比較的高いが、視点数が少ないため自然な立体感が得られないという欠点があった。
そこで、多眼方式を改良し、左右両眼の視差の内側にも非常に多くの視点を設定することで自然な立体感を得られるようにしたものが、図46に示す超多眼方式である。しかし、超多眼方式では、視点数を非常に多くした結果、解像度の低下が著しいという欠点があり、満足な解像度を得るためには非常に高解像度の画素パネルを用いる必要があった。即ち、解像度と視点数とがトレードオフの関係にあった。
また、多眼方式及び超多眼方式では、想定した複数の視点位置それぞれから描画を行う(画像を生成する)こととしていた。このため、光学素子のピッチと画素ピッチとが正確に合うように設計を行う必要があった。
IP(Integral Photography)方式及び光線再生法では、図47、48に示すように、各画素から射出され、光学素子群により指向性を与えられた光線が、物体のサンプリングされた点群に集まるように設計されており、これを、更に遠くの視点から観察することによって立体視を実現している。図47はIP方式の場合を示しており、図48は光線再生法の場合を示している。
そして、解像度は、物体のサンプリング点の数に依存し、各サンプリング点の視線数は、そのサンプリング点に集まる光線の数に依存している。つまり、サンプリング点の数が少ない程、各サンプリング点に多くの光線を集めることができる、即ち自然な立体感の再現が可能となるが、サンプリング点が少ないために解像度が低くなる。また、解像度を高くするためサンプリング点の数を増加させると、各サンプリング点には少数の光線しか集めることができず、自然な立体視が不可能となる。
特に、IP方式では、図47に示すように、自然な距離感を観察できる位置が描画面(立体視画像の表示面)に平行な結像面に限られ、それ以外の位置での物体の距離感は不自然に観察される。一方、光線再生法は、IP方式に比較して自由な距離で結像を行うことができるものである。
また、IP方式には、レンズアレイを用いるものとピンホールアレイを用いるものとがあるが、図47に示したように、レンズアレイを用いた場合には、描画面と結像面との間の距離がレンズの焦点距離に依存する。即ち、図49に示すように、レンズの焦点面と表示面との間の距離をA、レンズの焦点面と結像面との間の距離をB、レンズの焦点距離をFとすると、良く知られているように、次式の関係があるため、結像位置(描画面からの距離)を同時に2つ以上設定することができない。
(1/A)+(1/B)=(1/F)
一方、光線再生法は、図48に示すように、レンズアレイでなくピンホールアレイを用いていることで、結像距離を同時に2つ以上設定することができる(同図では、2つ)が、ピンホールアレイを用いているために画面が暗く、点列が並んだような映像となってしまう欠点がある。
また、IP方式及び光線再生法では、原理上、非常に多くの光線を集める必要があるため、サンプリング点が疎ら、即ち解像度の低いものが一般的である。つまり、満足な解像度を得るためには、超多眼方式の場合と同様に、非常に高解像度な画素パネルを用いる必要があった。即ち、多眼方式や超多眼方式とは尺度が異なるが、解像度と視点数とがトレードオフの関係にあったといえる。
また、IP方式及び光線再生法では、各結像位置と各光学素子の位置関係、或いは、各結像位置と各画素との位置関係によって視線(視点)の位置及び方向を決定していた。具体的には、光学素子群を先に用意し、視線を結像位置と各光学素子の位置関係で決定する場合には、光学素子群に合わせて画素の配置を決定せねばならず、また、画素パネルを先に用意し、視線を各結像位置と各画素との位置関係で決定する場合には、画素パネルに合わせて光学素子群の配置を決定せねばならない。何れにしても、光学素子のピッチと画素のピッチを合わせる設計を行う必要があった。
何れの方式にせよ、従来の立体視映像表示装置では、光学素子群の光学素子ピッチと画素パネルの画素ピッチとを合わせる必要があり、光学素子群と画素パネルのどちらのピッチを他方に合わせて決定するかは、主に、両者のコスト関係によって決定される。
例えば、古くから知られている、立体視画像を印刷した印刷物(紙やプラスチックカード等)とレンチキュラレンズアレイ等の光学素子を組み合わせた立体視用の印刷加工物においては、立体視画像が印刷された印刷物の印刷面に光学素子群(レンズアレイやバリアアレイ等)を貼付等して装着されており、印刷物に印刷された立体視画像の各ドットの反射光線が光学素子群によって指向性が与えられることで立体視が実現される。このような印刷加工物の場合には、印刷する立体視画像のドットの配置変更が容易であるため、光学素子群に合わせて印刷する立体視画像のドットのピッチが決定される。また、コンピュータのディスプレイ等を画素パネルとして用いる場合には、その画素ピッチに合わせた専用の光学素子群(例えば、レンチキュラレンズアレイ)を設計・製作して用いていた。
本発明は上述した課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、従来の立体視の方式のような視点の数と映像解像度とのトレードオフの関係を打破し、自然な立体感と高い解像度を両立させることのできる新しい立体視の方式を提供するとともに、画素パネルと光学素子群のどちらか一方を他方に合わせて専用に設計しなくなてはならないといった制約を排除することである。
以上の課題を解決するための手段を以下説明するが、本発明の立体視の方式は、従来の多眼式及び超多眼式の発展形と考えられるので、主に、多眼式及び超多眼式と比較対照してそれらからの優位性について述べる。
立体視映像表示装置の画素パネルに表示することのできる情報量は一定であるため、従来では、解像度と視点数がトレードオフの関係にあるのは当然の前提と考えられていた。つまり、自然な立体感と高い解像度とを両立させるためには、解像度と視点数以外の要素を導入する必要がある。そこで、本発明では、像の正確さという要素を導入した。
従来の立体視の方式は、各視点で視認される映像(像)を念頭において立体視画像を生成している。即ち、先ず各視点の映像となる画像(以下、「個別視点画像」という)を生成し、生成した個別視点画像をインターリーブ処理等することで立体視画像を生成するという過程を経る。各視点で視認される映像となる画像を基にして立体視画像が生成されるため、各視点の映像は当然に正確な像となる。
本発明によって生成される立体視画像を立体視した場合、各視点で視認される映像は、従来の映像に比べて若干正確さに劣る。しかし、以下の実施形態において詳述する原理の通りに、本発明によって生成される立体視画像は十分に像として視認できる明確性を有している。
一方、本発明によって従来方式では実現できなかった、視点の数及び当該各視点での映像解像度の両者の向上を図ることができたとする点は、以下、各発明に沿って説明する。
第1の発明は、
画素を配置した画素パネル(例えば、図2、4の画素パネル20)と、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群(例えば、図2、4のレンズ板30)とを備え、所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素に対する視角を対画素視角σ、前記画素パネル中の立体視画像描画領域(例えば、図2、4の表示面22)に対する視角を対描画領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置(例えば、図2の立体視映像表示装置200A、図4の立体視映像表示装置200B、図21の立体視映像表示装置200)に表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する画像生成装置(例えば、図21の立体視画像生成装置1)であって、
前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線(例えば、実施形態での代表光線PR)の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成装置である。
また、第23の発明は、
画素を配置した画素パネル(例えば、図2、4の画素パネル20)と、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群(例えば、図2、4のレンズ板30)とを備え、所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素に対する視角を対画素視角σ、前記画素パネル中の立体視画像描画領域(例えば、図2、4の表示面22)に対する視角を対描画領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置(例えば、立体視映像表示装置200)に表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する画像生成方法であって、
前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線(例えば、実施形態での代表光線PR)の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法である。
また、第41の発明は、
画素を配置した画素パネル(例えば、図2、4の画素パネル20)と、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群(例えば、図2、4のレンズ板30)とを備え、所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素に対する視角を対画素視角σ、前記画素パネル中の立体視画像描画領域(例えば、図2、4の表示面)に対する視角を対描画領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置(例えば、図2の立体視映像表示装置200A、図4の立体視映像表示装置200B、図21の立体視映像表示装置200)に表示させる三次元仮想空間の立体視画像をコンピュータに生成させるためのプログラム(例えば、図21の立体視画像生成プログラム410)であって、
前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線(例えば、実施形態での代表光線PR)の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成する手段(例えば、図21の立体視画像生成部320)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
この第1、23又は41の発明によれば、いわゆる「ピッチが合わない」立体視映像表示装置に表示させる立体視画像が次のように生成される。即ち、立体視映像表示装置の画素パネル中の立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで生成される。
従って、生成された立体視画像が上記立体視映像表示装置に表示された場合、画素パネルの各画素には、当該画素の上記光線の方向に基づいた三次元仮想空間の色情報が表されるため、該光線の数ほどに視点がある、即ち画素の数ほどに視点があるといえる。故に、従来の多眼方式のように、想定する視点位置に観察者の目が位置しなくてはならないといったことがなく、超多眼方式のように、一定の領域内に観察者が位置すればどの位置に目があっても良好に立体視することができる。
一方、画素パネルの各画素の上記光線は画素毎に別個な方向ではある。しかし、その光線の方向を辿った場合、観察者の左目及び左目それぞれの位置近傍を通過する光線はほぼ均一な方向となる。従って、観察者が視認する像は、その眼の位置から見た正確な色情報ではないものの、一定の明確性を有して視認される。そして、画素面の位置における像の解像度は光学素子1つの幅程度となるため、超多眼式のような著しい解像度の劣化には至らない。
第2の発明は、第1の発明の画像生成装置であって、
前記立体視映像表示装置は、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素の水平方向幅をS、前記画素パネル中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=o:p(但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数)が更に成立しないことを特徴とする画像生成装置である。
また、第24の発明は、第23の発明の画像生成方法であって、
前記立体視映像表示装置は、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素の水平方向幅をS、前記画素パネル中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=o:p(但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数)が更に成立しないことを特徴とする画像生成方法である。
また、第42の発明は、第41の発明のプログラムであって、
前記立体視映像表示装置は、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素の水平方向幅をS、前記画素パネル中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=o:p(但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数)が更に成立しないことを特徴とするプログラムである。
この第2、24又は42の発明によれば、立体視映像表示装置が「ピッチが合わない」こととして、更に、想定観察位置が無限遠の位置と同視できる位置、即ち観察者の視線方向が画素パネルの立体視画像描画領域に対して垂直且つ平行とみなせる場合が定義され得る。
第3の発明は、
画素を配置した画素パネルと、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素の水平方向幅をS、前記画素パネル中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置に表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する画像生成装置であって、
前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成装置である。
また、第25の発明は、
画素を配置した画素パネルと、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素の水平方向幅をS、前記画素パネル中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置に表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する画像生成方法であって、
前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法である。
また、第43の発明は、
画素を配置した画素パネルと、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素の水平方向幅をS、前記画素パネル中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置に表示させる三次元仮想空間の立体視画像をコンピュータに生成させるためのプログラムであって、
前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とするプログラムである。
この第3、25又は43の発明によれば、いわゆる「ピッチが合わない」立体視映像表示装置に表示させる立体視画像が次のように生成される。即ち、立体視映像表示装置の画素パネル中の立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで生成される。
従って、生成された立体視画像が上記立体視映像表示装置に表示された場合、画素パネルの各画素には、当該画素の上記光線の方向に基づいた三次元仮想空間の色情報が表されるため、該光線の数ほどに視点がある、即ち画素の数ほどに視点があるといえる。故に、従来の多眼方式のように、想定する視点位置に観察者の目が位置しなくてはならないといったことがなく、超多眼方式のように、一定の領域内に観察者が位置すればどの位置に目があっても良好に立体視することができる。
一方、画素パネルの各画素の上記光線は画素毎に別個な方向ではある。しかし、その光線の方向を辿った場合、観察者の左目及び左目それぞれの位置近傍を通過する光線はほぼ均一な方向となる。従って、観察者が視認する像は、その眼の位置から見た正確な色情報ではないものの、一定の明確性を有して視認される。そして、画素面の位置における像の解像度は光学素子1つの幅程度となるため、超多眼式のような著しい解像度の劣化には至らない。
第4の発明は、
画素を配置した画素パネル(例えば、図2、4の画素パネル20)と、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群(例えば、図2、4のレンズ板30)とを備えた立体視映像表示装置(例えば、図2の立体視映像表示装置200A、図4の立体視映像表示装置200B、図21の立体視映像表示装置200)に表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する画像生成装置(例えば、図21の立体視画像生成装置1)であって、
前記画素パネルの各画素の色情報を、当該画素と、当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線(例えば、実施形態での代表光線PR)の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成装置である。
また、第26の発明は、
画素を配置した画素パネル(例えば、図2、4の画素パネル20)と、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群(例えば、図2、4のレンズ板30)とを備えた立体視映像表示装置(例えば、図2の立体視映像表示装置200A、図4の立体視映像表示装置200B、図21の立体視映像表示装置200)に表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する画像生成方法であって、
前記画素パネルの各画素の色情報を、当該画素と、当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線(例えば、実施形態での代表光線PR)の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法である。
また、第44の発明は、
画素を配置した画素パネル(例えば、図2、4の画素パネル20)と、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群(例えば、図2、4のレンズ板30)とを備えた立体視映像表示装置(例えば、図2の立体視映像表示装置200A、図4の立体視映像表示装置200B、図21の立体視映像表示装置200)に表示させる三次元仮想空間の立体視画像をコンピュータに生成させるためのプログラム(例えば、図21の立体視画像生成プログラム410)であって、
前記画素パネルの各画素の色情報を、当該画素と、当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線(例えば、実施形態での代表光線PR)の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成する手段(例えば、図21の立体視画像生成部320)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
この第2、26又は44の発明によれば、立体視映像表示装置の画素パネル中の立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、該立体視映像表示装置に表示させる立体視画像が生成される。
従って、生成された立体視画像が上記立体視映像表示装置に表示された場合、画素パネルの各画素には、当該画素の上記光線の方向に基づいた三次元仮想空間の色情報が表されるため、該光線の数ほどに視点がある、即ち画素の数ほどに視点があるといえる。故に、従来の多眼方式のように、想定する視点位置に観察者の目が位置しなくてはならないといったことがなく、超多眼方式のように、一定の領域内に観察者が位置すればどの位置に目があっても良好に立体視することができる。
一方、画素パネルの各画素の上記光線は画素毎に別個な方向ではある。しかし、その光線の方向を辿った場合、観察者の左目及び左目それぞれの位置近傍を通過する光線はほぼ均一な方向となる。従って、観察者が視認する像は、その眼の位置から見た正確な色情報ではないものの、一定の明確性を有して視認される。そして、画素面の位置における像の解像度は光学素子1つの幅程度となるため、超多眼式のような著しい解像度の劣化には至らない。
第5の発明は、
第1〜4の何れかの発明の画像生成装置であって、
前記画素パネルの各画素に対応する画素別視点として、当該画素の代表点と、当該画素の代表点からの射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過した後の光線(例えば、実施形態の代表光線PR)の逆方向を当該画素に対応する画素別視点の視線方向として算出する画素別視点算出手段(例えば、図21の画素別視点設定部322)を更に備え、
前記画素別視点算出手段により算出された画素別視点を基に前記三次元仮想空間をレンダリングすることで該画素別視点に対応する画素の色情報を求めることを特徴とする画像生成装置である。
また、第27の発明は、第23〜26の発明の画像生成方法であって、
前記画素パネルの各画素に対応する画素別視点として、当該画素の代表点と、当該画素の代表点からの射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過した後の光線の逆方向を当該画素に対応する画素別視点の視線方向として算出し、算出した各画素別視点を基に前記三次元仮想空間をレンダリングして該画素別視点に対応する画素の色情報を求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法である。
この第5又は27の発明によれば、上記光線の逆方向を当該画素に対応する画素別視点の視線方向として定め、この画素別視点に基づいて三次元仮想空間をレンダリングすることで当該画素の色情報が決定される。このレンダリング手法は公知の何れの手法を用いても良いが、当該画素の色情報のみが決定されれば良いため、当該画素別視点から見た三次元仮想空間全体の色情報を求める必要はない。よって、例えばレイトレーシング法等が好適である。
第6の発明は、第5の発明の画像生成装置であって、
前記画素別視点算出手段は、前記画素毎の画素別視点の視線方向を、観察者の前記立体視映像表示装置に対する想定観察位置(例えば、実施形態の想定観察位置40)に基づいて可変することを特徴とする画像生成装置である。
また、第28の発明は、第27の発明の画像生成方法であって、
前記画素毎の画素別視点の視線方向を、観察者の前記立体視映像表示装置に対する想定観察位置に基づいて可変する、ことを特徴とする画像生成方法である。
この第6又は第28の発明によれば、観察者の想定観察位置が変われば画素別視点の視線方向が変わることになる。即ち、立体視映像表示装置においては、画素パネルの画素ピッチと光学素子群の光学素子ピッチとが固定であるため、想定観察位置が変われば各画素の射出光線に指向性を与える光学素子が変わるためである。従って、観察者の想定観察位置に応じた立体視画像を生成することができるようになる。
具体的には、第7の発明として、第6の発明の画像生成装置を、
前記画素別視点算出手段が、
前記想定観察位置と前記立体視映像表示装置との相対位置関係から、前記画素パネルの各画素の代表点からの射出光線に指向性を与える前記想定観察位置に適した光学素子を定める選定手段を有し、
前記画素パネルの各画素の代表点から、前記選定手段により定められた光学素子の代表点を通過した後の光線の逆方向を当該画素に対する画素別視点の視線方向とする、
ように構成しても良い。
また、第29の発明として、第28の発明の画像生成方法において、
前記想定観察位置と前記立体視映像表示装置との相対位置関係から、前記画素パネルの各画素の代表点からの射出光線に指向性を与える前記想定観察位置に適した光学素子を定め、前記画素パネルの各画素の代表点から、前記定めた光学素子の代表点を通過した後の光線の逆方向を当該画素に対する画素別視点の視線方向とする、こととしても良い。
また更に、第8の発明として、第7の発明の画像生成装置を、
前記選定手段が、前記想定観察位置から前記各光学素子を前記画素パネルへ投影した場合の投影領域と前記画素パネルの各画素との重畳関係に基づいて、前記画素パネルの各画素の代表点からの射出光線に指向性を与える前記想定観察位置に適した光学素子を定めるように構成しても良い。
また、第30の発明として、第29の発明の画像生成方法において、
前記想定観察位置から前記各光学素子を前記画素パネルへ投影した場合の投影領域と前記画素パネルの各画素との重畳関係に基づいて、前記画素パネルの各画素の代表点からの射出光線に指向性を与える前記想定観察位置に適した光学素子を定める、こととしても良い。
第9の発明は、第5〜8の何れか一つの発明の画像生成装置であって、
前記画素別視点算出手段は、前記画素パネルの各画素に対応する画素別視点として、当該画素内の複数の異なる代表点それぞれと、当該画素の複数の異なる代表点それぞれらかの射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過した後の光線の逆方向を視線方向とする複数の画素別視点を求める複数視点算出手段を有し、
前記画素別視点算出手段により1つの画素に対して複数の画素別視点を求め、前記三次元仮想空間中の当該複数の画素別視点それぞれを基に求めた色情報を合成することで当該画素に対応する色情報を算出する合成算出手段(例えば、図21の色情報算出部324)を更に備える、
ことを特徴とする画像生成装置である。
また、第31の発明は、第27〜30の何れか一つ発明の画像生成方法であって、
前記画素パネルの各画素に対応する画素別視点として、当該画素内の複数の異なる代表点それぞれと、当該画素の複数の異なる代表点それぞれからの射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過した後の光線の逆方向を視線方向とする複数の画素別視点を求め、前記三次元仮想空間中の当該複数の画素別視点それぞれを基に求めた色情報を合成することで当該画素に対応する色情報を算出する、ことを特徴とする画像生成方法である。
各画素に対応する画素別視点の視線方向は画素毎に異なり、また、観察者の想定位置が変われば視線方向も異なる。このため、この第9又は31の発明のように、各画素に対して複数の画素別視点を求め、これら複数の画素別視点それぞれの視線方向の色情報を合成して当該画素の色情報とすることで、例えば物体の周辺部分に生じるジャギーを抑制することが可能となる。
また、第10の発明として、第1〜9の何れか一つの発明の画像生成装置の前記光学素子群を、レンチキュラレンズアレイ、蝿の目レンズアレイ、パララックスバリアアレイ、又はピンホールアレイとしても良い。
また、第11の発明として、第1〜9の何れか一つの発明の画像生成装置の前記光学素子群を、光学素子としてレンズが複数連接されたレンチキュラレンズアレイ又は蝿の目レンズアレイとし、
当該光学素子群を、前記画素パネルの表示面と前記光学素子群の主点面との間の距離が前記レンズの焦点距離に一致するように前記画素パネルと観察者との間に設置することとしても良い。
また、第12の発明として、第1〜9の何れか一つの発明の画像生成装置の前記光学素子群を、光学素子としてレンズが複数連接されたレンチキュラレンズアレイ又は蝿の目レンズアレイとし、
当該光学素子群を、前記画素パネルの画素表示面と前記光学素子群の主点面との間の距離をD、前記レンズの焦点距離をF、前記画素の水平走査方向のピッチをS、前記レンズの水平走査方向のピッチをLとしたとき、(L−S)・F/L≦D≦(L+S)・F/L、が成立するように前記画素パネルと観察者との間に設置することとしても良い。
また、第13の発明として、第10〜12の何れか一つの発明の画像生成装置の前記光学素子群を、光学素子配列方向が前記画素パネルの画素配列方向に対して斜めとなるように配置することとしても良い。
第14の発明は、
画素を配置した画素パネル(例えば、図2、4の画素パネル20)と、
前記画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群(例えば、図2、4のレンズ板30)と、
前記画素パネルに表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する第1〜13の何れか一つの発明の画像生成装置と、
を備える電子機器である。
この第14の発明によれば、第1〜13の何れかの発明と同様の作用効果を有する電子機器を実現できる。
第15の発明は、
三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの反射光線に指向性を与える光学素子群とを備え、所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットに対する視角を対ドット視角σ、前記印刷物中の画像印刷領域に対する視角を対印刷領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない印刷加工物であって、
前記印刷物には、各ドットの色情報が、当該ドットの代表点と、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理することで求められた立体視画像が印刷されていることを特徴とする印刷加工物である。
また、第32の発明は、
三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの反射光線に指向性を与える光学素子群とを備え、所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットに対する視角を対ドット視角σ、前記印刷物中の画像印刷領域に対する視角を対印刷領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない印刷加工物に印刷する前記立体視画像を生成する画像生成方法であって、
各ドットの色情報を、当該ドットと、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法である。
また、第45の発明は、
三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの反射光線に指向性を与える光学素子群とを備え、所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットに対する視角を対ドット視角σ、前記印刷物中の画像印刷領域に対する視角を対印刷領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない印刷加工物に印刷する前記立体視画像をコンピュータに生成させるためのプログラムであって、
各ドットの色情報を、当該ドットと、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成する手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
この第15、32又は45の発明によれば、いわゆる「ピッチが合わない」立体視映像表示装置に準ずる印刷加工物に印刷させる立体視画像が次のように生成される。即ち、各ドットの色情報を、当該ドットの代表点と当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて三次元仮想空間をレンダリング処理することで生成される。
そして、生成された立体視画像が上記印刷加工物に印刷された場合、該印刷された画像の各ドットには、当該ドットの上記光線の方向に基づいた三次元仮想空間の色情報が表されるため、該光線の数ほどに視点がある、即ちドットの数ほどに視点があるといえる。故に、従来の多眼方式のように、想定する視点位置に観察者の目が位置しなくてはならないといったことがなく、超多眼方式のように、一定の領域内に観察者が位置すればどの位置に目があっても良好に立体視することができる。
一方、印刷物に印刷された立体視画像の各ドットの上記光線はドット毎に別個な方向ではある。しかし、その光線の方向を辿った場合、観察者の左目及び左目それぞれの位置近傍を通過する光線はほぼ均一な方向となる。従って、観察者が視認する像は、その眼の位置から見た正確な色情報ではないものの、一定の明確性を有して視認される。そして、画素面における像の解像度は光学素子1つの幅程度となるため、超多眼式のような著しい解像度の劣化には至らない。
第16の発明は、第15の発明の印刷加工物であって、
一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットの水平方向幅をS、前記印刷物中の画像印刷領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=o:p(但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数)が更に成立しないことを特徴とする印刷加工物である。
第33の発明は、第32の発明の画像生成方法であって、
一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットの水平方向幅をS、前記印刷物中の画像印刷領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=o:p(但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数)が更に成立しないことを特徴とする画像生成方法である。
第46の発明は、第45の発明のプログラムであって、
一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素の水平方向幅をS、前記画素パネル中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=o:p(但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数)が更に成立しないことを特徴とするプログラムである。
この第16、33又は46の発明によれば、印刷加工物が「ピッチが合わない」こととして、更に、想定観察位置が無限遠の位置と同視できる位置、即ち観察者の視線方向が印刷物の画像印刷領域に対して垂直且つ平行とみなせる場合が定義され得る。
第17の発明は、
三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットの水平方向幅をS、前記印刷物中の画像印刷領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない印刷加工物であって、
前記印刷物には、各ドットの色情報が、当該ドットの代表点と、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理することで求められた立体視画像が印刷されていることを特徴とする印刷加工物である。
第34の発明は、
三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットの水平方向幅をS、前記印刷物中の画像印刷領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない印刷加工物に印刷する前記立体視画像を生成する画像生成方法であって、
各ドットの色情報を、当該ドットと、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法。
第47の発明は、
三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットの水平方向幅をS、前記印刷物中の画像印刷領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない印刷加工物に印刷する前記立体視画像をコンピュータに生成させるためのプログラムであって、
各ドットの色情報を、当該ドットと、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成する手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
この第17、3又は47によれば、いわゆる「ピッチが合わない」印刷加工物の印刷物に印刷される立体視画像が次のように生成される。即ち、印刷物中の画像印刷領域内の各ドットの色情報を、当該ドットの代表点と当該ドットの射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで生成される。
従って、生成された立体視画像が上記印刷物に印刷された場合、立体視画像の各ドットには、当該ドットの上記光線の方向に基づいた三次元仮想空間の色情報が表されるため、該光線の数ほどに視点がある、即ちドットの数ほどに視点があるといえる。故に、従来の多眼方式のように、想定する視点位置に観察者の目が位置しなくてはならないといったことがなく、超多眼方式のように、一定の領域内に観察者が位置すればどの位置に目があっても良好に立体視することができる。
一方、印刷された立体視画像の各ドットの上記光線はドット毎に別個な方向ではある。しかし、その光線の方向を辿った場合、観察者の左目及び左目それぞれの位置近傍を通過する光線はほぼ均一な方向となる。従って、観察者が視認する像は、その眼の位置から見た正確な色情報ではないものの、一定の明確性を有して視認される。そして、画素面の位置における像の解像度は光学素子1つの幅程度となるため、超多眼式のような著しい解像度の劣化には至らない。
第18の発明は、
三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの反射光線に指向性を与える光学素子群とを備えた印刷加工物であって、
前記印刷物には、各ドットの色情報が、当該ドットと、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理することで求められた立体視画像が印刷されていることを特徴とする印刷加工物である。
また、第35の発明は、
三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの反射光線に指向性を与える光学素子群とを備えた印刷加工物に印刷する前記立体視画像を生成する画像生成方法であって、
各ドットの色情報を、当該ドットと、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法である。
また、第48の発明は、
三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの反射光線に指向性を与える光学素子群とを備えた印刷加工物に印刷する前記立体視画像をコンピュータに生成させるためのプログラムであって、
各ドットの色情報を、当該ドットと、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成する手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
この第18、35又は48の発明によれば、立体視映像表示装置に順ずる印刷加工物に印刷させる立体視画像が次のように生成される。即ち、各ドットの色情報を、当該ドットの代表点と当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで生成される。
そして、生成された立体視画像が上記印刷加工物に印刷された場合、該印刷された画像の各ドットには、当該ドットの上記光線の方向に基づいた三次元仮想空間の色情報が表されるため、該光線の数ほどに視点がある、即ち画素の数ほどに視点があるといえる。故に、従来の多眼方式のように、想定する視点位置に観察者の目が位置しなくてはならないといったことがなく、超多眼方式のように、一定の領域内に観察者が位置すればどの位置に目があっても良好に立体視することができる。
一方、印刷された立体視画像の各ドットの上記光線はドット毎に別個な方向ではある。しかし、その光線の方向を辿った場合、観察者の左目及び左目それぞれの位置近傍を通過する光線はほぼ均一な方向となる。従って、観察者が視認する像は、その眼の位置から見た正確な色情報ではないものの、一定の明確性を有して視認される。そして、画素面における像の解像度は光学素子1つの幅程度となるため、超多眼式のような著しい解像度の劣化には至らない。
また、第19の発明として、第15〜18の発明の印刷加工物の前記光学素子群を、レンチキュラレンズアレイ、蝿の眼レンズアレイ、パララックスバリアアレイ又はピンホールアレイとしても良い。
また、第20の発明として、第15〜18の発明の印刷加工物の前記光学素子群を、光学素子としてレンズが複数連接されたレンチキュラレンズアレイ又は蝿の目レンズアレイとし、
当該光学素子群を、前記印刷物の印刷面と前記光学素子群の主点面との間の距離が前記レンズの焦点距離に一致するように前記印刷物と観察者との間に設置することとしても良い。
また、第21の発明として、第15〜18の発明の印刷加工物の前記光学素子群を、光学素子としてレンズが複数連接されたレンチキュラレンズアレイ又は蝿の目レンズアレイとし、
当該光学素子群を、前記印刷物の印刷面と前記光学素子群の主点面との間の距離をD、前記レンズの焦点距離をF、前記立体視画像のドットの水平走査方向のピッチをS、前記レンズの水平走査方向のピッチをLとしたとき、(L−S)・F/L≦D≦(L+S)・F/L、が成立するように前記印刷物と観察者との間に設置することとしても良い。
また、第22の発明として、第13〜21の何れか一つの発明の印刷加工物の前記光学素子群を、光学素子配列方向が前記印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの配列方向に対して斜めとなるように配置することとしても良い。
第36の発明は、第32〜35の発明の画像生成方法であって、
前記各ドットに対応するドット別視点として、当該ドットの代表点と、当該ドットの代表点からの反射光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過した後の光線の逆方向を当該ドットに対応するドット別視点の視線方向として算出し、算出した各ドット別視点を基に前記三次元仮想空間をレンダリングして該ドット別視点に対応するドットの色情報を求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法である。
この第36の発明によれば、上記光線の逆方向を当該ドットに対応するドット別視点の視線方向として定め、このドット別視点に基づいて三次元仮想空間をレンダリングすることで当該ドットの色情報が決定される。このレンダリング手法は公知の何れの手法を用いても良いが、当該画素の色情報のみが決定されれば良いため、当該画素別視点から見た三次元仮想空間全体の色情報を求める必要はない。よって、例えばレイトレーシング法等が好適である。
第37の発明は、第36の発明の画像生成方法であって、
前記ドット毎のドット別視点の視線方向を、観察者の前記印刷加工物に対する想定観察位置に基づいて可変する、ことを特徴とする画像生成方法である。
この第37の発明によれば、観察者の想定観察位置が変わればドット別視点の視線方向が変わることになる。即ち、印刷加工物においては、印刷された立体視画像のドットのピッチと光学素子群の光学素子ピッチとを固定とした場合、想定観察位置が変われば各ドットの反射光線に指向性を与える光学素子が変わるためである。従って、観察者の想定観察位置に応じた立体視画像を生成することができるようになる。
具体的には、第38の発明として、第37の発明の画像生成方法において、
前記想定観察位置と前記印刷加工物との相対位置関係から、前記印刷物に印刷される立体視画像の各ドットの代表点からの射出光線に指向性を与える前記想定観察位置に適した光学素子を定め、前記印刷物に印刷される立体視画像の各ドットの代表点から前記定めた光学素子の代表点を通過した後の光線の逆方向を当該ドットのドット別視点の視線方向とする、こととしても良い。
また更に、第39の発明として、第38に記載の画像生成方法において、
前記想定観察位置から前記各光学素子を前記印刷物の印刷面へ投影した場合の投影領域と前記各ドットとの重畳関係に基づいて、当該ドットの代表点からの反射光線に指向性を与える前記想定観察位置に適した光学素子を定める、こととしても良い。
第40の発明は、第36〜39の何れかの発明の画像生成方法であって、
各ドットに対応するドット別視点として、当該ドット内の複数の異なる代表点それぞれと、当該ドットの複数の異なる代表点それぞれからの反射光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過した後の光線の逆方向を視線方向とする複数のドット別視点を求め、前記三次元仮想空間中の当該複数のドット別視点それぞれを基に求めた色情報を合成することで当該画素に対応する色情報を算出する、ことを特徴とする画像生成方法である。
各ドットに対応するドット別視点の視線方向はドット毎に異なり、また、観察者の想定位置が変われば視線方向も異なる。このため、この第40の発明のように、各ドットに対して複数のドット別視点を求め、これら複数のドット別視点それぞれの視線方向の色情報を合成して当該ドットの色情報とすることで、例えば物体の周辺部分に生じるジャギーを抑制することが可能となる。
本発明によれば、像の正確さを立体視に支障のない程度に劣化させることで、画素パネルの全画素数に相当する視点がありながらも、映像の解像度を光学素子1つ分の幅程度に保つことができる新たな立体視の方式を実現できるとともに、画素パネルと光学素子群のどちらか一方を他方に合わせて専用に設計しなくてはならないといった制約を排除することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。尚、各図面では、光線の方向を明確に示すためにあえてハッチングを描いていない。また、以下では、光学素子群としてレンチキュラレンズアレイを用いた立体視映像表示装置に表示させる立体視画像を生成する場合について説明するが、本発明の適用がこれに限定されるものではない。
[立体視画像の生成原理]
図1は、本実施形態における立体視画像生成の概要を示す図であり、表示面22に対する垂直断面図を示している。同図に示すように、本実施形態では、表示面22の画素PE毎に、(1)該画素PEの代表点(例えば、画素PEの中心)と該画素PEに対応するレンズ(光学素子)の主点とを通過した後の光線の逆方向を視線方向とする視線Vを決定し、(2)決定した視線Vの視線方向にある物体の色情報を該画素PEの色情報とする(レンダリング)、ことで立体視画像を生成する。
(1)視線Vの決定
視線Vは、立体視画像を表示させることとなる立体視映像表示装置の構成パラメータ(後述するように、画素パネルとレンズ板との相対的な配置関係や画素パネルの画素ピッチ、レンズ板のレンズピッチや焦点距離等)と、想定した観察者の位置(以下、「想定観察位置」という)とに基づいて決定する。具体的には、画素PE毎に、立体視映像表示装置の構成パラメータ及び想定観察位置に基づいて該画素PEに対応するレンズ(光学素子)を決定し、該画素PEの代表点と決定した該画素PEに対応するレンズの主点とを通過した後の光線(代表光線)を算出する。そして、その代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を該画素の視線Vとして決定する。尚、想定観察位置は、立体視映像表示装置の表示面に対する相対的な観察者の視点の位置とする。
ここで、本実施形態で扱う立体視映像表示装置について説明する。本実施形態では、レンチキュラ方式の立体視映像表示装置に表示させる立体視画像を生成する。レンチキュラ方式の立体視映像表示装置とは、光学素子群としてレンチキュラレンズアレイを用いた立体視映像表示装置であり、平面液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの表示面から一定の距離にレンチキュラレンズアレイが装着され、観察者がレンチキュラレンズアレイを介して表示面に表示された画像を見る(観察)することで、観察者に立体視を認識せしめる表示装置である。
また、立体視映像表示装置は、表示面とレンチキュラレンズアレイとの配置関係によって、(A)垂直レンチキュラ方式、(B)斜めレンチキュラ方式、の2種類に分類される。
(A)垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置
図2は、垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aの概略構造を示す図である。同図(a)は、立体視映像表示装置200Aの表示面に対する横方向(水平走査方向)断面図を示し、同図(b)は、観察者側から見た平面図を示している。
同図によれば、立体視映像表示装置200Aは、主に、バックライト10と、画素パネル20と、レンズ板30とを備えて構成される。バックライト10、画素パネル20及びレンズ板30は、それぞれ板状体であって互いに平行に配置されている。
バックライト10は光を出射し、その光は画素パネル20とレンズ板30とを通過して立体視映像表示装置200Aの外に進行する。即ち、観察者は、レンズ板30を介して画素パネル20に表示される画像を見ることになる。
画素パネル20は、画素(ピクセル)が一定の配列で配置されたカラー表示可能なディスプレイであり、レンズ板30と組み合わせることで立体視が可能となるものであれば種類は問わない。例えば、カラーフィルタ方式の液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、無機ELディスプレイ或いは有機ELディスプレイ等がある。また、カラーフィルタを用いないものでも、単色発光素子を配列した有機ELディスプレイやLEDディスプレイのように、赤(R)、緑(G)及び青(B)等の単色に自発光する素子を配置したディスプレイであっても適用可能である。また、いわゆる同色に発光する画素が配置されたモノクロディスプレイであっても構わず、更には、R(赤),G(緑),B(青)以外の色の画素を持ったディスプレイであっても構わない。また、画素の配置については、格子状は勿論、画素の代表点の座標を求めることが可能なものであれば、デルタ配列やその他の配列であっても構わない。
レンズ板30は、一方の面が、断面半円筒状(蒲鉾型)若しくはこれと光学的に等価な光学素子であるマイクロレンズ(以下、単に「レンズ」という)32が連接して成る凹凸面であり、他方の面が略平面状のレンチキュラレンズアレイである。レンズ板30の各レンズ32は、表示面22の各画素PEから射出される光線(射出光線)に指向性を与える働きをする。
また、レンズ板30は、平面が画素パネル20の表示面22に対向し、且つ、レンズ板30の主点面と表示面22との間の距離Gが各レンズ32の焦点距離Fにほぼ一致するように配置されている。尚、この距離Gは、焦点距離Fに完全に一致せず、ある程度の誤差があっても良い。例えば図40(a)は、G=F、とした状態であり、特定の方向から見ると、1つの画素PEがレンズ32いっぱいに広がって観察される。また、距離Gが焦点距離Fから少し離れた位置、即ち同図(b)、(c)に示す状態でも、特定の方向から見ると、1つの画素PEがレンズ32いっぱいに広がって観察される。しかし、距離Gが焦点距離Fからこれ以上離れた位置になると、レンズ32がその隣の画素PEをも映してしまうため、立体視の画質が損なわれる。即ち、画素パネル20のサブピクセル単位での画素ピッチの長さをS、レンズ板30のレンズピッチの長さをLとすると、距離Gが次式(1)を満たすように配置されていれば、そうでない場合よりも画質の良い立体視を実現することができる。
(L−S)・F/L≦G≦(L+S)・F/L ・・・(1)
尚、IP方式では、像を一定距離Cに結像させるため、距離Gが焦点距離Fよりも長くなっている。つまり、次式が成立する。この点において、本実施形態における方式は、IP方式とは原理的に異なる。
1/G+1/C=1/F、即ち、G=(C・F)/(C−F)>F
また、光線再生法では、複数の距離で結像させるため、光学素子にレンズを用いることができず、ピンホールを用いている。この点において、本方式は光線再生法とも原理的に異なる。
表示パネル20及びレンズ板30をこのように配置させることで、各レンズ32の焦点が画素パネル20の表示面22の一点に位置し、該焦点が位置する画素PEがレンズ32によって拡大されて見えることになる。尚、光学的にほぼ等価であるとみなせる場合には、レンズ板30の凹凸面を画素パネル20の表示面22に対向するように配置しても良い。
また、レンズ板30は、図2(b)に示すように、各レンズ32の主点線36(主点の集合。レンチキュラレンズ板のマイクロレンズは断面円筒形状(蒲鉾型)であるため、主点の集合は直線となる)の方向が画素パネル20の縦方向の画素配列方向(鉛直走査方向)に一致するように配置される。同図(b)において、線32aはレンズ板30の各レンズ32の端部を示している。
ところで、従来のレンチキュラ方式の立体視映像表示装置では、レンズ板のレンズピッチと画素パネルの画素ピッチとが合う(以下、単に「ピッチが合う」という)ように設計される。即ち、n眼式の場合には次式(2)が成立する。
L=n・S ・・・(2)
しかし、本実施形態では、レンズ板30は、レンズピッチが画素パネル20の画素ピッチとが合わない(以下、単に「ピッチが合わない」という)ように設計されている。即ち、次式(3)が成立しない。
L=n・S ・・・(3)
但し、nは自然数である。
ところで、実際に観察者が立体視映像表示装置に表示された立体視画像を見る場合には、その観察者の視点は表示面22から有限距離に位置する。即ち、図3に示すように、表示面22の場所によって観察者の視点の視線方向が異なり、このため、レンズ32と画素PEとの対応関係がずれることになる。つまり、実質的なレンズピッチL´は次式(4)で与えられる。尚、同図は、本実施形態の立体視映像表示装置の表示面に対する横方向断面図を示している。
L´=L×(D+F)/D ・・・(4)
但し、Dは、観察者の視点と表示面との間の距離である。
従って、厳密には、次式(5)が成立することが「ピッチが合う」状態であり、成立しないことが「ピッチが合わない」状態であるといえる。
L´=n・S ・・・(5)
また、「ピッチが合う/合わない」ことは、実際(或いは、想定した)の観察者の視点から見た1つの画素PEに対する視角(対画素視角)σと、この画素PEの射出光線に指向性を与える1つのレンズ32に対する視角(対レンズ視角)λとによっても表現される。対画素視角σは式(6a)で与えられ、対レンズ視角λは次式(6b)で与えられる。
tanσ=S/(D+F) ・・・(6a)
tanλ=L/D ・・・(6b)
そして、次式(7)が成立することが「ピッチが合う」状態であり、成立しないことが「ピッチが合わない」状態である。
λ=n・σ ・・・(7)
但し、nは自然数である。
つまり、式(7)が成立するのは、対レンズ視角λのm倍が対画素視角σのn倍に一致する、即ちレンズピッチL´のm倍が画素ピッチSのn倍に一致する場合であり、その場合が「ピッチが合う」状態であるといえる。
尚、式(7)の条件は、従来の多眼式或いは超多眼式の立体視において、各視点間の距離を人間の両眼距離と一致させる必要を考慮しない場合の条件である。各視点間の距離を人間の両眼距離と一致させるためには、図41に示すように、観察距離Dと、両眼距離Eと、画素ピッチSと、レンズの焦点距離Fとの間に次式(8)が成立する必要がある。
E/D=S/F ・・・(8)
即ち、従来の各視点間の距離を人間の両眼距離と一致させた多眼式の場合には、式(7)及び式(8)を同時に満たす必要がある。そのため、従来の多眼式では、正確なレンズ設計が必要であった。
(B)斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置
図4は、斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Bの概略構造を示す図である。同図(a)は、立体視映像表示装置200Bの表示面に対する横方向(水平走査方向)断面図を示し、同図(b)は、観察者側から見た平面図を示している。
斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置では、画素パネル20の画素配列方向に対してレンズ板30の主点線36の方向(レンズ32の端部32a)が斜めに配置されるため、レンズ板30を介して画素パネル20を見たときに視認される映像に生じるモアレを分散させて目立たなくさせることが知られている。
同図によれば、立体視映像表示装置200Bは、垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aと同様に、主に、板状体であって互いに平行配置されたバックライト10と、画素パネル20と、レンズ板30と、を備えて構成される。
そして、斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Bでは、レンズ板30は、同図(b)に示すように、主点線36の方向が画素パネル20の縦方向の画素配列方向(鉛直走査方向)に対して角度θを成すように配置されている。従って、同図(a)に示す断面図におけるレンズピッチ(画素パネル20の画素ピッチ方向に沿ったレンズの幅)Mは、次式(9)で与えられる。
M=L/cosθ ・・(9)
また、レンズ板30は、同図(a)に示す断面図におけるレンズピッチMと画素パネル20の画素ピッチSとが合わないように配置されている。即ち、次式(10)が成立しない。
M=n・S ・・・(10)
但し、nは自然数である。
より詳細には、(A)垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aと同様に、実際の(或いは、想定した)観察者の視点の位置によって実質的なレンズピッチM´が変化し、そのレンズピッチM´は次式(11)で与えられる。
M´=M×(D+F)/D ・・・(11)
また、式(6b)において、L←M、として与えられる対レンズ視角λを用いて式(7)が成立する状態が、斜めレンチキュラレンズ方式の立体視映像表示装置200Bにおいて「ピッチが合わない」ことに相当する。
尚、従来の斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置では、図5(a)に示すように、5眼式ではあるが、レンズピッチM´が画素ピッチSの2.5倍に一致させた方式や、同図(b)に示すように、7眼式ではあるが、レンズピッチM´が画素ピッチSの3.5倍に一致させた方式が用いられることがある。
しかし、例えば同図(a)に示すような画素配置(5眼式)の場合、後述する図19(b)に示すような画素配置であるとみなして描画を行っているため、実際の配置との差異により、1つの眼に視差が異なる2つビューの状態が混じって観察されて物体が二重に見えるクロストークが顕著になるという問題がある。
尚、図5に示すような従来の斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置(多眼式)では、式(7)は次式のようになる。
λ=2.5σ、即ち、λ:σ=5:2 (図5(a)の場合)
λ=3.5σ、即ち、λ:σ=7:2 (図5(b)の場合)
このように、従来の多眼式では、水平方向で一定の長さ毎に同じ視点の繰り返しが発生している。また、これらの多眼式では、予め設定されたn個の視点(個別視点)に基づく画像(個別視点画像)を生成し、それらの画像を視点の繰り返しパターンに合わせて再配置(インターリーブ)することで立体視画像を生成している。
しかしながら、本実施形態の画像生成方法では、以上のような同じ視点の繰り返しが発生しない場合にこそ、良い立体視画像が得られることを特徴としている。ここで、水平方向に同じ視点の繰り返しが発生する条件とは、前述の対画素視角σと対レンズ視角λとの間に、次式(12)の関係が成立することであるといえる。
λ:σ=n:m ・・・(12)
但し、n、mは自然数である。
つまり、式(12)が成立しないときが、「同じ視点の繰り返しが発生しない」、即ち「ピッチが合わない状態となる。但し、この同じ視点の繰り返しは、少なくとも立体視画像の画像表示領域内で発生しなければ良いので、それを考慮した「同じ視点の繰り返しが発生しない」、即ち「ピッチが合わない」条件は、式(12)において、「mがΦ/λ未満の自然数」であることである。但し、Φは、実際の(或いは想定した)観察者の視点から見た表示面22中の立体視画像が表示される領域(立体視画像表示領域)に対する視角(対表示領域視角)である。
このように、本実施形態は、ピッチが合っていない(即ち、式(12)が成立しない)立体視映像表示装置とし、この立体視映像表示装置に表示させる立体視画像を生成するものとする。つまり、従来のレンチキュラ方式の立体視映像表示装置では、立体視可能とするためにはレンズピッチと画素ピッチが合うように設計する必要があるが、本実施形態は、ピッチが合っていない立体視映像表示装置において立体視を可能ならしめる。従って、個々のディスプレイの画素ピッチに合ったレンチキュラレンズ板を製造する必要が無くなり、既製のレンチキュラレンズ板を種々のディスプレイに適用できることとなって、レンズ板のコストを大幅に下げるという効果が得られる。また、選択可能な複数のレンズ板から最も目的に合ったものを選ぶこともできる。更には、斜めレンチキュラ方式を採用する場合に、斜めの角度θも自由に設定できる。具体的には、新たなレンズを製造することなく、画素パネルに対するレンズ板の斜めの配置角度θを調節するだけで、モアレや色縞を軽減することができる。
続いて、表示面22の各画素PEの視線Vの決定方法を説明するが、その前に、表示面22の座標系を図6に示すように定義する。即ち、表示面22の水平走査方向(横方向)に沿った方向をx軸方向とし、鉛直走査方向(縦方向)に沿った方向をy軸方向とし、表示面22から観察者側へ垂直に向かう方向をz軸正方向とする。
先ず、本方式おける視線Vの決定方法の内、最も基本となる方法について説明する。この方法は、観察者の視線が表示面22の「正面」(表示面22の中心Oを通過する観察視線方向が表示面22に対して垂直となる位置)で、且つ「無限遠」にあると想定した方法であり、非立体視画像の描画方法でいえば「直投影」に相当する。また、ここでは、立体視映像表示装置が上述した垂直/斜めレンチキュラ方式のそれぞれである場合の視線Vの決定方法について説明する。尚、以下では、1つの画素PEについての視線Vの決定方法を説明するが、他の画素PEについても勿論同様に決定できる。
(A)垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置
立体視映像表示装置が垂直レンチキュラ方式である場合の視線Vの決定方法を、図7を参照して説明する。図7は、垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aの概略三面図であり、同図(a)は、x−z平面に平行な断面図(水平走査方向断面図)を示し、同図(b)は、y−z平面に平行な断面図(鉛直走査方向断面図)を示し、同図(c)は、x−y平面図を示している。
先ず、視線Vを決定する画素(以下、「対象画素」という)PEに対応するレンズ32を決定する。図7(a)において、レンズ板30の各レンズ32を画素パネル20の表示面22に平行投影して(即ち、各レンズ32の端部32aを通過する表示面22に垂直な直線によって)、表示面22を各レンズ32の投影領域に分割する。そして、対象画素PEの代表点(ここでは、画素の中心とする)が属する投影領域のレンズ32を対象画素PEに対応するレンズ32とする。但し、同図(a)は、対象画素PEの代表点を通過する断面図である。
同図(a)では、表示面22は、レンズ32−1の投影領域26−1と、レンズ32−2の投影領域26−2と、・・・、に分割される。そして、対象画素PEの代表点は投影領域26−1に属しているので、対象画素PEに対応するレンズ32はレンズ32−1となる。
次いで、対象画素PEの代表点と、対象画素PEに対応するレンズ32の主点とを通過した後の光線(以下、「代表光線」という)PRを算出し、その代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素PEの視線Vとする。具体的には、対象画素PEに対応するレンズ32−1の主点線36の内、y座標が対象画素PEの代表点のy座標に等しい点を算出し、これを代表主点36aとする。そして、対象画素PEの代表点と、この代表主点36aとを通過した後の代表光線PRを算出し、この代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素PEに対応する視線Vとする。ここでは、簡明のため、対象画素PEの代表点から対象画素PEに対応するレンズ32の代表主点に向かう方向を代表光線PRの方向とする。
(B)斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置
次に、立体視映像表示装置が斜めレンチキュラ方式の場合の視線Vの決定方法を、図8を参照して説明する。図8は、斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Bの概略三面図であり、同図(a)は、x−z平面に平行な断面図(横方向断面図)を示し、同図(b)は、y−z平面に平行な断面図(縦方向断面図)を示し、同図(c)は、x−y平面図を示している。
かかる装置での視線Vの決定方法は、上述した(A)垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aの場合と同様である。即ち、同図(a)において、レンズ板30を画素パネル20の表示面22に平行投影して、表示面22を各レンズ32の投影領域に分割する。そして、対象画素PEの代表点が属する投影領域のレンズ32を、対象画素PEに対応するレンズ32とする。但し、同図(a)は、対象画素PEの代表点を通過する断面図(横方向断面図)である。
同図(a)では、表示面22は、レンズ32−4の投影領域26−4と、レンズ32−4の投影領域26−4と、・・・、に分割される。そして、対象画素PEの代表点は投影領域26−4に属しているので、対象画素PEに対応するレンズ32はレンズ32−4となる。
次いで、対象画素PEに対応するレンズ32の主点線36の内、y座標が対象画素PEの代表点のy座標に等しい点を算出し、これを代表主点36bとする。そして、対象画素PEの代表点と、この代表主点36bとを通過した後の代表光線PRを算出し、この代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素PEに対応する視線Vとする。
以上説明したこの方法は、観察者の視点が無限遠にあることを想定したものだが、実際の立体視画像の観察時には、観察者の視点は無限遠ではないため、後述する方法に対して、特に近距離から観察した場合、遠近法(パース)の掛かり具合に違和感を感じることがある。しかし、各視線Vの決定方法が簡単であるため、計算負荷を軽減することができる等といった利点がある。
次に、上述した方法に比較してより自然な立体視が可能となる視線Vの決定方法を説明する。この方法は、観察者の視点を一定の位置に想定した描画方法であり、非立体画像の描画方法でいえば「透視投影」に相当する。
ここでは、想定観察位置40を、図9に示すように、立体視映像表示装置の表示面22に対して「正面」に設定する。「正面」の想定観察位置40とは、表示面22の中心Oを通過する観察視線方向が、表示面22に対して垂直となる位置である。以下、この想定観察位置40と表示面22との間の距離Dを「想定観察距離D」という。そして、想定観察位置40を「正面且つ有限距離の定位置」とした場合の視線Vの決定方法を、垂直/斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置それぞれについて説明する。
(A)垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置
立体視映像表示装置が垂直レンチキュラ方式である場合の視線Vの決定方法を、図10、11を参照して説明する。図10は、垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aの部分概略斜視図である。また、図11は、立体視映像表示装置200Aの概略三面図であり、同図(a)は、図10のx−z平面に平行なA−A´位置での断面図(水平走査方向断面図)を示し、図11(b)は、図10のy−z平面に平行なB−B´位置での断面図(鉛直方向断面図)を示し、図11(c)は、x−y平面図を示している。尚、レンズ板30及び画素パネル20は、レンズ板30の各レンズ32の焦点距離Fを隔てて平行配置されている。
先ず、対象画素PEに対応するレンズ32を決定する。具体的には、図11(a)において、想定観察位置40からレンズ板30の各レンズ32を画素パネル20の表示面22に投影して(即ち、想定観察位置40から各レンズ32の端部へと向かう直線によって)、表示面22を各レンズ32の投影領域に分割する。そして、対象画素PEの代表点がどの投影領域に属するかによって対応するレンズ32を決定する。但し、同図(a)は、対象画素PEの代表点を通過する断面図である。
同図(a)では、表示面22は、レンズ32−7の投影領域26−7と、レンズ32−8の投影領域26−8と、レンズ32−9の投影領域26−9と、・・・、に分割される。そして、対象画素PEの代表点は投影領域26−7に属しているので、この対象画素PEに対応するレンズ32はレンズ32−7となる。
次に、対象画素PEの代表点と、対象画素PEに対応するレンズ32の主点とを通過した後の代表光線を算出し、算出した代表光線と位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素の視線Vとする。具体的には、図11(b)において、対象画素PEの代表点と想定観察位置40とを結ぶ直線LN1と、レンズ板30の主点面(各レンズ32の主点を含む面。表示面22に平行な平面である)35との交点のy座標を算出する。算出したy座標を「y1」とする。但し、同図(b)は、対象画素PEの代表点を通過する断面図である。次いで、対象画素PEに対応するレンズ32−1の主点線36の内、y座標が「y1」である点を算出し、これを代表主点36cとする。そして、対象画素PEの代表点と、この代表主点36cとを通過した後の代表光線PRを算出し、この代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素PEに対応する視線Vとする。
(B)斜めレンチキュラ方式
次に、立体視映像表示装置が斜めレンチキュラ方式である場合の視線Vの決定方法を、図12、13を参照して説明する。図12は、斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Bの部分概略斜視図である。また、図13は、立体視映像表示装置200Bの概略三面図であり、同図(a)は、図12のx−z平面に平行なC−C´位置での断面図(横方向断面図)を示し、図13(b)は、図12のy−z平面に平行なD−D´位置での断面図(縦方向断面図)を示し、図13(c)は、x−y平面図を示している。尚、画素パネル20及びレンズ板30は、レンズ板30の各レンズ32の焦点距離Fを隔てて平行配置されている。
先ず、図13(b)において、対象画素PEの代表点と想定観察位置40とを結ぶ直線LN2と、レンズ板30の主点面35との交点のy座標を算出する。算出したy座標を「y2」とする。但し、同図(b)は、対象画素PEの代表点を通過する断面図である。
次いで、図13(a)において、想定観察位置40から各レンズ32を表示面22に投影して、表示面22を各レンズ32の投影領域に分割する。そして、対象画素PEの代表点がどの投影領域に属するかによって対応するレンズ32を決定する。但し、同図(a)は、y座標が先に算出した「y2」である断面図である。
同図(a)では、表示面22は、レンズ32−10の投影領域26−10と、レンズ32−11の投影領域26−11と、レンズ32−12の投影レンズ32−12と、・・・、に分割される。そして、対象画素PEの代表点は投影領域26−10に属しているので、この対象画素PEに対応するレンズ32はレンズ32−10となる。
続いて、対象画素PEに対応するレンズ32の主点線36の内、y座標が「y2」である点を算出し、これを代表主点36dとする。そして、対象画素PEの代表点と、この代表主点36dとを通過した後の代表光線PRを算出し、この代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素PEの視線Vとする。
以上、想定観察位置が「正面且つ無限遠」及び「正面且つ有限距離の定位置」のそれぞれである場合の、表示面22の各画素PEの視線Vの決定方法を説明した。尚、以上では、各レンズ32に入射する光線は屈折を起こさない(即ち、対象画素PEの代表点から対象画素PEに対応するレンズ32の代表主点に向かう方向が代表光線PRの方向に一致する)ものとして説明したが、厳密には、図14に示すように、屈折作用によって、代表光線PRは、対象画素PEの代表点と対象画素PEに対応するレンズ32の代表主点とを結ぶ直線に対してy座標位置が僅かにずれて一致しない。そこで、このずれを算出して補正することにより、各画素PEの視線Vを正確に求めることとすればより好適である。
また、各画素PEに対するレンズ32の決定を、図10、11を参照して説明したように、想定観察位置40を「有限距離の定位置」として行うことで、遠近法(パース)の掛かり具合が自然になること以外にも、想定観察位置40周辺での観察範囲が広くなるという効果を得ることができる。その効果を、図41を参照して説明する。
図41に示すように、一つのレンズに対応する全画素の射出光線が拡がる角度αと、レンズの焦点距離Fと、レンズの水平方向のピッチLとの間には、概ね次式(13)の関係がある。
tan(α/2)=L/(2F) ・・・(13)
そして、図42に示すように、レンズ板の全てのレンズから拡がる角度αの範囲内に観察者の両眼(視点)が位置するとき、好適な立体視が可能となる。
また、図42は、各画素に対応するレンズの決定を、想定観察位置40を「正面且つ無限遠」として行った場合の図であるが、各画素に対応するレンズの決定を、想定観察位置40を「有限距離の定位置」として行うことで、図43に示すように、想定観察位置40周辺での適視範囲を広げることができる。但し、この効果は、あくまでも想定観察位置40周辺でのみ得られるものであり、それ以外の場所ではむしろ画質が悪くなることがある。そこで、例えば観察者が複数想定される場合等、観察位置を一箇所に特定(想定)できない場合には、各画素に対応するレンズの決定を、想定観察位置を「正面且つ無限遠」として行い、その後の視線Vの決定は、想定観察位置40を「正面且つ有限距離の定位置」として行っても良い。
このように、各画素に対応する視線Vを決定した後、図15に示すように、決定した視線Vを基に、仮想カメラに相当する画素別視点CMを画素PE毎に設定する。尚、ここでは、画素PEに該画素PEに対応する画素別視点CMを設定するが、画素別視点CMを特に設定せず、全画素PEについての視線Vに共通なz方向の描画範囲を設定し、各視線Vについて描画を行うこととしても良い。
図15は、画素別視点CMの設定を説明するための図であり、表示面22の一部横方向断面図を示している。同図に示すように、各画素PE(PE1,PE2,・・・)の画素別視点CM(CM1,CM2,・・・)は、その視線方向が対応する視線V(V1,V2,・・・)となるように設定する。また、各画素別視点CMと表示面22との間の距離は、例えば同図に示すように、表示面22に平行な同一平面上に位置するように設定する。
同図では、画素PE1,PE2,・・・、のそれぞれの視線Vは視線V1,V2,・・・、である。従って、画素PE1の画素別視点CMは、視線V1がその視線方向の画素別視点CM1となる。また、画素PE2の画素別視点CMは、視線V2がその視線方向の画素別視点CM2となる。更に、画素PE3,PE4,・・・、についても同様に、それぞれの画素別視点CMは、視線V3,V4,・・・、がその視線方向の画素別視点CM3,CM4,・・・、となる。
(2)レンダリング
各画素PEの画素別視点CMを設定した後、設定した各画素別視点CMを基に三次元仮想空間をレンダリングすることで立体視画像を生成する。具体的には、画素PE毎に、該画素PEに対応する画素別視点CMの視線方向のオブジェクト空間の色情報(RGB値やα値等)を算出し、算出した色情報を該画素PEの色情報とすることで立体視画像を生成する。
図16は、色情報の算出を説明する図であり、表示面22の一部横方向断面図を示している。同図に示すように、表示面22の各画素PEについて、対応する画素別視点CMの視線方向のオブジェクト空間の色情報を算出し、算出した色情報を該画素PEの色情報とする。色情報の算出方法としては、例えば画素別視点CMからその視線方向に沿った光線を基に決定する、いわゆるレイトレーシング法等によって実現される。
同図では、画素PE1,PE2,・・・、のそれぞれの画素別視点は画素別視点CM1,CM2,・・・、である。従って、画素PE1の色情報は、画素別視点CM1の視線方向のオブジェクト空間の色情報となり、また、画素PE2の色情報は、画素別視点CM2の視線方向のオブジェクト空間の色情報となる。更に、画素PE3,PE4,・・・、のそれぞれについても同様に、対応する画素別視点CM3,CM4,・・・、の視線方向のオブジェクト空間の色情報が該画素PE3,PE4,・・・、の色情報となる。
このように、本実施形態では、表示面の画素PE毎に、(1)視線Vを決定し、(2)決定した視線Vの視線方向の色情報を該画素PEの色情報とする(レンダリングする)、ことで立体視画像を生成する。
尚、このように生成した画像を立体視画像として本実施形態の立体視映像表示装置に表示させた場合、観察者によって視認される映像は、従来の立体視映像と比べて若干正確さに欠く像となる。
図17は、本実施形態の立体視映像が若干正確さに欠けることを説明するための図であり、表示面22の横方向一部断面図を示している。同図において、観察者の右目EY1から立体視映像表示装置を見ると、レンズ32−1を介して画素PE1が見え、レンズ32−2を介して画素PE2が見え、レンズ32−3を介して画素PE3が見える。
ところで、画素PE1の色情報は、画素別視点CM1の視線方向のオブジェクト空間の色情報であり、画素PE2の色情報は、画素別視点CM2の視線方向のオブジェクト空間の色情報であり、また、画素PE3の色情報は、画素別視点CM3の視線方向のオブジェクト空間の色情報である。即ち、右目EY1と画素別視点CM1,CM2,CM3とは一致しないため、観察者によって認識される各画素PEの色情報は、その位置から見た正確な色情報とはならない。
しかしながら、画素別視点CM1,CM2,CM3の位置は右目EY1の近傍であり、また、それらの視線方向は、右目EY1がレンズ32−1,32−2,32−3を介して画素PE1,PE2,PE3を見る視線方向とは僅かにずれる程度である。このため、観察者の右目EY1で視認される像(色情報)は、その位置から見た正確な像(色情報)ではないものの、一定の明確性を有して視認される。
また、本実施形態によれば、視点(ビュー)の数が極めて多く、自然な立体視が可能となる。このことを、従来の多眼方式の立体視と比較した図18、19、20を参照して説明する。
図18は、従来の多眼方式の立体視の概略(イメージ)を示す図であり、3眼式の場合を示している。同図上側に示すように、従来の3眼式の立体視では、オブジェクト空間において、適当な距離を隔てて3つの個別視点1,2,3を設定し、個別視点1,2,3のそれぞれから見たオブジェクト空間の個別視点画像1,2,3を生成する。そして、これら3つの個別視点画像1,2,3をインターリーブ処理することで立体視画像を生成する。尚、同図において、立体視画像の各画素の数字は対応する個別視点画像(個別視点)の番号を表している。また、各画素別視点CMの位置及び視線方向は、概略図(イメージ図)であるために大凡であり、正確なものではない。
そして、同図下側に示すように、生成した立体視画像を従来の3眼式の立体視映像表示装置に表示させて適視位置1,2,3のそれぞれから見ると、適視位置1では個別視点画像1が見え、適視位置2では個別視点画像2が見え、適視位置3では個別視点画像3が見える。より詳細には、適視位置1をほぼ中心とする適視範囲1では個別視点画像1が見え、適視位置2をほぼ中心とする適視範囲2では個別視点画像2が見え、適視位置3をほぼ中心とする個別視点適視範囲3では画像3が見える。但し、同図において、適視範囲は概略図(イメージ図)であるために大凡のものであり、正確なものではない。
即ち、観察者OBが、右目EY1が適視位置2にほぼ一致し、左目EY2が適視位置1にほぼ一致する位置で立体視画像を見ると、右目EY1では個別視点画像2が見え、左目EY2では個別視点画像1が見えることで立体視映像を認識する。つまり、右目EY1を個別視点2とし、左目EY2を個別視点1としてオブジェクト空間を見た状態に相当する。
また、観察者OBの位置が、立体視画像に対して右方向へ移動すると、右目EY1或いは左目EY2が適視範囲の境界部分を通過する際に、該右目EY1或いは左目EY2で見える画像が急に切り換わる。具体的には、例えば右目EY1が適視範囲2と適視範囲3との境界部分を通過する際に、右目EY1に見える画像が個別視点画像2から個別視点画像3に切り換わる。また、左目EY2が適視範囲1と適視範囲2との境界部分を通過する際に、左目EY2に見える画像が個別視点画像1から個別画像2に切り換わる。
これは、従来の多眼方式の立体視では、n個の個別視点から見た各個別視点画像をインターリーブ処理して立体視画像を生成し、これを、ピッチが合うように設計されたn眼式の立体視映像表示装置に表示させることで立体視を実現しているためである。即ち、従来の立体視映像表示装置では、立体視画像を、レンチキュラレンズ板によって各個別視点画像に分離しているためである。
また更に、従来の斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置では、実際には図19(a)に示すような画素配置となっているところを、同図(b)に示すような画素配置になっているものとみなして描画処理を行っている。そのため、実際の配置との差異によるクロストーク(隣の視点位置の画像が混じって見える現象)が起こり、個別視点画像の分離性が良くないという問題が発生していた。
図20は、本実施形態の立体視の概要(イメージ)を示す図である。本実施形態では、上述のように、画素PE毎に画素別視点CMを設定し、各画素別視点CMの視線方向のオブジェクト空間の色情報を対応する画素PEの色情報とすることで立体視画像を生成している。即ち、同図上側に示すように、画素数に等しい画素別視点CM1,CM2,・・・を設定し、設定した画素別視点CM1,CM2,・・・、のそれぞれの視線方向の色情報を画素PE1,PE2,・・・、の色情報として立体視画像を生成している。尚、同図において、立体視画像の各画素PEの数字は、対応する画素別視点CMの番号を表している。
このように生成された立体視画像を、例えば図2に示した本実施形態の立体視映像表示装置200Aに表示させ、観察者OBが、同図下側に示す位置で立体視画像を見る。すると、左目EY2には、画素PE1,PE2,PE3,・・・、から構成される画像Aが見え、右目EY1には、画素PE11,PE12,PE13,・・・、から構成される画像Bが見える。つまり、左目EY2を、画素別視点CM1,CM2,・・・,CM10、から成る視点群とし、右目EY1を、画素別視点CM11,CM12,・・・,CM20、から成る視点群としてオブジェクト空間を見ている状態に相当する。
そして、観察者OBの位置が、立体視画像に対して少し右方向に移動すると、観察者の左目EY2に見える画像が、画像Aの一部の画素PEが隣の画素PEに入れ替わった画像A´に変化し、右目EY1に見える画像が、画素Bの一部の画素PEが隣の画素PEに入れ替わった画像B´に変化する。
このように、本実施形態では、立体視画像を見る観察者の位置(観察位置)が変化すると、この変化に伴って右目EY1及び左目EY2のそれぞれに見える画像が少しずつ変化する。詳細には、幾つかの画素がその近隣の画素に入れ替わった画像に変化する。従って、観察者OBの右目EY1及び左目EY2のそれぞれに見える画像が少しづつ変化することで、認識される映像が少しずつ変化する。
このため、例えば図18に示した従来の多眼方式の立体視映像のように、適視範囲の境界部分で見える画像が急に切り変わる(即ち、認識される立体視映像が急に変化する)といった現象が生じず、観察位置の変化に伴って少しづつ変化する自然な立体視映像を実現できるとともに、観察者により視認される像の明確性が一定以上に保たれる。
尚、上述のように、観察者OBの右目EY1及び左目FY2の各目に見える画像は、実際の画像とは若干正確さに欠く映像となる。しかし、各目が各画素を見る視線方向は、図20下側に示すように、該画素の画素別視点CMの視線方向にほぼ沿った方向となっている。即ち、左目EY2が画像Aの各画素PE1,PE2,・・・、を見る視線方向は、これら各画素PE1,PE2,・・・、に対応する画素別視点CM1,CM2,・・・、の視線方向にほぼ沿った方向となっている。また、右目EY1についても同様に、画像Bの各画素PE11,PE12,・・・、を見る視線方向は、これら各画素PE11,PE12,・・・、に対応する画素別視点CM11,CM12,・・・、の視線方向にほぼ沿った方向となっている。このため、観察者に視認される映像は、若干正確さに欠くものの、像として視認できる明確性を有したものとなる。また、前述のように、観察者の位置が変化しても、視認される像の明確性が一定以上に保たれる。
また、本実施形態において観察者に認識される立体視映像は、従来の多眼方式の立体視映像と同程度の解像度が得られる。例えば図2に示す立体視映像表示装置200Aでは、レンズピッチLはサブピクセル単位での画素ピッチSの3〜4倍である。従って、かかる立体視映像表示装置200では、画素パネル20の解像度の1/3〜1/4程度の解像度、即ち、従来の3〜4眼式の立体視映像と同程度の解像度が得られることになる。
このように、本実施形態による立体視では、認識される立体視映像の正確さが僅かに欠けるけれども、従来の多眼方式の立体視映像と同程度の解像度を有しつつ、且つ、視点(ビュー)の数が膨大になったような自然な立体視映像を実現できる。
[立体視画像生成装置]
次に、上述した原理に基づく立体視画像生成装置について説明する。かかる立体視画像生成装置は、動画の立体視を実現する立体視画像を生成するものである。
図21は、本実施形態における立体視画像生成装置1の構成を示すブロック図である。同図によれば、立体視画像生成装置1は、入力部100と、立体視映像表示装置200と、処理部300と、記憶部400と、を備えて構成される。
入力部100は、ユーザによる操作指示を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部300に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやレバー、ジョイスティック、ダイヤル、マウス、トラックボール、キーボード、タブレット、タッチパネル、各種センサ等の入力装置によって実現される。
立体視映像表示装置200は、立体視画像生成部320により生成された立体視画像を表示して観察者に立体視映像を認識せしめる表示装置である。本実施形態では、例えば図2に示した垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200A、或いは、例えば図4に示した斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Bの何れかにより実現される。
処理部300は、立体視画像生成装置1全体の制御や画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。特に、本実施形態では、処理部300は、三次元仮想空間であるオブジェクト空間を設定するオブジェクト空間設定部310と、オブジェクト空間設定部310により設定されたオブジェクト空間の立体視画像を生成する立体視画像生成部320と、を含む。
立体視画像生成部320は、画素別視点設定部322と、色情報算出部324とを含み、記憶部400に記憶されている立体視画像生成プログラム410に従った処理を実行することで、オブジェクト空間設定部310により設定されたオブジェクト空間の立体視画像を生成し、生成した立体視画像を立体視映像表示装置200に表示させる。
画素別視点設定部322は、表示装置データ420及び想定観察位置データ430を参照してオブジェクト空間に画素別視点CMを設定する。具体的には、立体視映像表示装置200の表示面22の画素PE毎に、表示装置データ420及び想定観察位置データ430を参照して対応するレンズ32を決定する。そして、該画素PEの代表点と、該画素PEに対応するレンズ32の主点(詳細には、代表主点)とを通過した後の代表光線PRを算出し、この代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を該画素PEの視線Vとする。
このとき、画素PEに対応するレンズ32及び視線Vの決定は、立体視映像表示装置200に応じた方法で行う。即ち、垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aであれば、図10、11を参照して説明したように行い、斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Bでれば、図12、13を参照して説明したように行う。
そして、画素別視点設定部322は、各画素PEについて、算出した視線Vを視線方向とする画素別視点CMを設定する。また、画素別視点CMの位置は、立体視画像生成部320によって決定された設定基準位置を基に設定する。具体的には、例えば図16に示したように、表示面22に平行な同一面上に各画素別視点CMを設定する。
ここで、表示装置データ420とは、立体視映像表示装置200の構成パラメータのデータである。図22に、表示装置データ420のデータ構成の一例を示す。同図によれば、表示装置データ420は、立体視映像表示装置200を構成する画素パネル20の画素ピッチ(421)と、レンズ板30のレンズピッチ(422)及び焦点距離(423)と、画素パネル20に対するレンズ板30の配置角度(424)と、を格納する。
配置角度(424)は、画素パネル20の画素ピッチ方向とレンズ板30のレンズピッチ方向とが成す角度θの値を格納する。即ち、配置角度(424)は、立体視映像表示装置200が垂直/斜めレンチキュラ方式の何れであるかを示すデータであり、垂直レンチキュラ方式の場合には、θ=0゜となり、斜めレンチキュラ方式の場合には、θ=0゜以外となる。尚、この表示装置データ420は、固定的なデータとして予め記憶されていることとするが、後述のように、入力部100からのユーザ入力に従って設定されることとしても良い。
また、想定観察位置データ430とは、想定観察位置40のデータであり、具体的には、立体視映像表示装置200の画素パネル20の表示面と、想定した観察者の視点(想定観察位置)40との間の想定観察距離Dの値を格納する。尚、この想定観察位置データ430は、固定的なデータとして予め記憶されていることとするが、入力部100からのユーザ入力によって設定されることとしても良い。想定観察位置データ430をユーザ入力により設定できるようにすることで、想定視点位置を変更したい場合にも容易に対応できる。また、入力装置としてヘッドトラッキング装置を用いて、観察位置が自動的にフィードバック(入力)されるようにしても良い。
また、画素別視点設定部322によって設定された各画素PEの画素別視点CMのデータは画素別視点データ440に格納される。図23に、画素別視点データ440のデータ構成の一例を示す。同図によれば、画素別視点データ440は、立体視映像表示装置200の画素パネル20の画素(441)毎に、設定された画素別視点(442)を対応付けて格納している。画素別視点(422)には、対応する画素別視点CMを表すデータとして視線Vのデータが格納される。
色情報算出部324は、画素別視点設定部322により設定された画素別視点CMに基づいて各画素PEの色情報を算出する。具体的には、各画素PEについて、画素別視点データ440に格納されている対応する画素別視点CMの視線方向のオブジェクト空間の色情報を算出し、算出した色情報を該画素PEの色情報とする。色情報算出部324により算出された各画素PEの色情報は、フレームバッファ450の該当位置に書き込まれる。
記憶部400は、処理部300に立体視画像生成装置1の統合的に制御させるためのシステムプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部300の作業領域として用いられ、処理部300が各種プログラムに従って実行した演算結果や入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現される。
特に、本実施形態では、記憶部400は、処理部300を立体視画像生成部320として機能させるための立体視画像生成プログラム410と、表示装置データ420と、想定観察位置データ430と、画素別視点データ440と、を記憶するとともに、立体視画像生成部320により生成された画像のデータを格納するフレームバッファ450を備えている。
フレームバッファ450は、立体視画像生成部320により生成された1フレーム分の画像データ(詳細には、各画素の色情報)を格納するメモリであり、立体視映像表示装置200の画素パネル20の解像度や色数に応じて用意される。
[処理の流れ]
次に、処理の流れを説明する。
図24は、本実施形態における立体視画像生成処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、1フレーム毎に立体視画像を生成して表示させる、即ちリアルタイムな動画の立体視を実現させる処理であり、立体視画像生成部320が記憶部400の立体視画像生成プログラム410を実行することで実現される。
同図によれば、立体視画像生成処理では、立体視画像生成部320は、先ず、画素別視点CMの設定位置の基準となる基準位置(設定基準位置)を決定する(ステップS11)。次いで、表示面22の各画素PEを対象としてループAの処理を実行することで、各画素PEの画素別視点CMをオブジェクト空間に設定する。
ループAでは、画素別視点設定部322が、処理対象となっている画素PE(以下、「該画素」という)に対応するレンズ32を決定する(ステップS13)。次いで、該画素PEの代表点と、該画素PEに対応するレンズ32の主点(代表主点)とを通過した後の光線(代表光線)PRを算出し、その代表光線PRと位置は同じで方向を逆にした視線を視線Vとする(ステップS15)。そして、その視線Vの方向を視線方向とする画素別視点CMを設定する(ステップS17)。ループAはこのように実行される。
表示面22の全画素PEを処理対象としてループAの処理を行うと、ループAを終了する。ループAを終了すると、立体視画像生成部320は、続いて、1フレーム(例えば、1/60秒)毎にループBの処理を実行する。
ループBでは、先ず、オブジェクト空間設定部310によりオブジェクト空間が設定される(ステップS19)。その後、立体視画像生成部320は、表示面22の各画素PEを対象としてループCの処理を実行する。ループCでは、色情報算出部324が、処理対象となっている画素PE(該画素)の画素別視点CMの視線方向のオブジェクト空間の色情報を算出し、算出した色情報を該画素PEの色情報としてフレームバッファ450の該当位置に書き込む(ステップS21)。ループCはこのように実行される。
そして、表示面22の全画素PEを対象としてループCの処理を行うと、ループCを終了する。ループCが終了すると、次いで、立体視画像生成部320は、フレームバッファ450に格納されている1フレーム分の画像を、立体視画像として立体視映像表示装置200に表示させる(ステップS23)。
このように、1フレーム毎にループBの処理を繰り返し実行することで、動画の立体視が実現される。そして、例えば入力部100から立体視画像の生成終了指示が入力される等して立体視画像の生成終了が指示されると、立体視画像生成部320はループBを終了し、本実施形態における立体視画像生成処理は終了となる。
[作用・効果]
以上のように、本実施形態によれば、表示面22の画素PE毎に画素別視点CMを設定し、設定した画素別視点CMの視線方向のオブジェクト空間の色情報を該画素PEの色情報とすることで立体視画像を生成している。
従って、画素PEの数程度の画素別視点CMが設定される、即ち画素PEの数程度の視点(ビュー)が存在するため、従来の多眼方式の立体視のように、想定する観察位置(個別視点)に目が位置しなくてはならないといった必要が無く、従来の超多眼方式のように、一定の領域内であればどの位置に目があっても立体視可能となる。
また、各画素PEの画素別視点CMは、想定観察位置40を基に該画素PEに対応するレンズ32を決定し、該画素PEの代表点と該画素PEに対応するレンズ32の主点とを通過した後の光線(代表光線)PRの逆方向が視線方向となるように決定している。従って、観察者がレンズ32を介して視認する各画素PEに対応する画素別視点CMの視線方向は、観察者の視線方向にほぼ沿った方向となり、このため、観察者によって視認される像(色情報)は、その位置から見た正確な像(色情報)ではないものの、十分に視認できる程度の明確性を持つ。
また、像の解像度は、レンズ板30で分離される程度の解像度となるため、従来の多眼方式の立体視と同程度の解像度となり、従来の超多眼方式のような著しい解像度の劣化は生じない。
更に、本実施形態は、ピッチが合っていない立体視映像表示装置に表示させる立体視画像を生成するものである。言い換えれば、ピッチが合っていない立体視映像表示装置でも立体視を可能ならしめる。従って、ディスプレイ毎にピッチが合ったレンチキュラレンズ板を製造する必要が無く、1つのレンチキュラレンズ板を画素ピッチが異なる他のディスプレイに適用して立体視映像表示装置を製作できるため、立体視映像表示装置の製造にかかるコストを大幅に削減できる。
[変形例]
尚、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、次の変形例が挙げられる。
(A)想定観察位置
上述した実施形態では、想定観察位置40を表示面22に対して「正面」としたが、これを「斜め」としても良い。
想定観察位置40が「斜め」とは、図25に示す状態をいう。即ち、「斜め」の想定観察位置40とは、表示面22の中心Oを通過する観察視線方向が表示面22に対して垂直とならない位置である。「斜め」の想定観察位置40は、表示面22と該想定観察位置40との間の距離(想定観察距離)Dと、同図(b)のx−z平面図に示す、視線方向が表示面22の垂直方向に対して成す角度γxと、同図(c)のy−z平面図に示す、視線方
向が表示面22の垂直方向に対して成す角度γyと、によって表現される。尚、この場合
の表示面22の各画素PEの視線Vの決定方法は、図10、11、或いは、図12、13に示した方法と同様に行うことができる。
またこの場合、視点が無限遠にあることを想定しても良い。この場合の各画素PEの視線Vの決定方法は、図7、8に示した方法と同様に行うことができる。但し、各画素PEに対応するレンズ32を決定するときに、図7(a)において、レンズ板30の各レンズ32を画素パネル20の表示面22に斜投影して表示面22を各レンズ32の投影領域に分割し、対象画素PEの代表点が属する投影領域のレンズ32を対象画素PEに対応するレンズ32とすれば良い。尚、想定観察位置40が「斜め」でその位置が無限遠の場合は、非立体視画像の描画方法では「斜投影」に相当する。
想定観察位置40を「斜め」とすることで、例えば図26に示すように、立体視映像表示装置を、その表示面22が水平且つ上方を向くように机の上に置き、観察者OBが斜め上方から表示面22を見るような場合に適した立体視画像の生成を実現できる。
(B)レンズ板
また、上述した実施形態では、光学素子群としてレンチキュラレンズアレイを用いた立体視映像表示装置の場合を説明したが、これを、(B−1)蝿の目レンズアレイを用いた立体視映像表示装置としても良いし、(B−2)パララックスバリアアレイを用いた立体視映像表示装置としても良いし、(B−3)ピンホールアレイを用いた立体視映像表示装置としても良い。この場合、表示面22の各画素PEの視線Vは次のように決定する。
(B−1)蝿の目レンズアレイ
蝿の目レンズアレイとは、図27に示すように、格子状の単位レンズが縦横に連続して配置された(連接された)レンズアレイ(レンズ板)のことである。蝿の目レンズアレイを用いた立体視映像表示装置では、蝿の目レンズアレイは、単位レンズの横方向の連接方向が画素パネル20の画素ピッチ方向(水平走査方向)と平行になるように配置される。またこのとき、蝿の目レンズアレイは、単位レンズのレンズピッチと画素パネル20の画素ピッチとが合わないように設計されている。即ち、単位レンズのレンズピッチをLとすると、式(12)が成立しない。
図28は、蝿の目レンズアレイを用いた立体視映像表示装置200Cでの視線Vの決定方法を説明するための図であり、立体視映像表示装置200Cの概略三面図を示している。同図(a)は、対象画素PEの代表点を通るx−z平面に平行な水平走査方向断面図を示し、同図(b)は、対象画素PEの代表点を通るy−z平面に平行な鉛直走査方向断面図を示し、同図(c)は、x−y平面図を示している。尚、想定観察位置40は「正面」である。
先ず、同図(a)、(b)に示すように、想定観察位置40から、蝿の目レンズアレイで実現されるレンズ板60の各単位レンズ62を画素パネル20の表示面22に投影して(即ち、想定観察位置40から各単位レンズ62の端部へ向かう直線によって)、表示面22を各単位レンズ62の投影領域に分割する。そして、対象画素PEの代表点が属する投影領域の単位レンズ62−1を、該対象画素PEに対応する単位レンズとする。そして、対象画素PEの代表点と、対象画素PEに対応する単位レンズ62−1の主点(単位レンズの中心)とを通過した後の光線(代表光線)PRと位置は同じで方向を逆にした視線を対象画素PEの視線Vとする。
尚、同図では、レンズ板60を、単位レンズ62の横方向の連接方向が画素パネル20の画素ピッチ方向と平行になるように配置することとしたが、これを、図29に示すように、蝿の目レンズアレイの横方向の連接方向と画素パネル20の画素ピッチ方向とが角度θを成すよう、斜めに配置することとしても良い。
また、蝿の目レンズを構成する単位レンズを、格子形状(四角形)ではなく、例えば三角形や、図30に示す六角形等の多角形としても良い。何れの場合も、表示面22の各画素PEの視線Vの決定方法は、図28に示した場合と同様である。
(B−2)パララックスバリアアレイ
パララックスバリアアレイとは、図31に示すように、光を遮蔽する遮光板(バリア)に光を透過させるためのスリット状のバリア開口部(光学素子)が等間隔で多数設けられたものである。即ち、スリット状のバリア開口部を有する単位パララックスバリアを連接させたバリアアレイであり、バリア開口部によって画素パネル20の各画素PEから射出される光線(射出光線)に指向性を与える。これによって、レンチキュラレンズアレイを用いた立体視映像表示装置と同様に立体視映像を認識させることが可能となる。尚、同図中、黒い或いは灰色の部分がバリア部分(遮光部分)である。このとき、パララックスバリアアレイは、バリア開口部が画素パネル20の鉛直走査方向と平行になるように配置される。また、パララックスバリアアレイは、単位パララックスバリアのピッチをLとしたとき、上述した式(12)が成立しない(即ち、ピッチが合わない)ように設計されている。
従って、この場合、各画素PEの視線Vの決定は、上述した実施形態におけるレンチキュラレンズアレイの場合と同様に実現できる。具体的には、パララックスバリアアレイを、バリア開口部が画素パネル20の鉛直走査方向と平行になるように配置した場合には、上述した実施形態における(A)垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Aに相当する。また、パララックスバリアアレイを、バリア開口部が画素パネル20の鉛直走査方向に対して角度θを成すように斜めに配置した場合には、(B)斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置200Bに相当する。
また、パララックスバリアアレイを、図32に示すように、バリア開口部が斜めに形成された斜めパララックスバリアとしても良い。このような斜めパララックスバリアを用いた場合は、上述したパララックスバリアアレイ(図31参照)を画素パネル20に対して斜めに配置した場合に相当する。
また、パララックスバリアアレイを、図33に示すように、横方向に連接された複数の単位パララックスバリアが、縦方向に所定量ずつずらして階段状に配置された階段パララックスバリアアレイとしても良い。このような階段パララックスバリアを用いた立体視映像表示装置では、階段パララックスバリアは、バリア開口部が画素パネル20の鉛直走査方向と平行になるように配置される。
(B−3)ピンホールアレイ
ピンホールアレイとは、図34に示すように、光を遮断する遮断板(バリア)に光を透過させる孔状のピンホール(光学素子)が等間隔で多数設けられたものである。即ち、ピンホールを有する格子状の単位ピンホールバリアを縦横に連続して配置させた(連接させた)バリアアレイであり、ピンホールによって画素パネル20の各画素PEの射出光線に指向性を与える。尚、同図中、灰色の部分が遮光部分(バリア部分)である。このとき、ピンホールアレイは、単位ピンホールバリアの横方向が画素パネル20の画素ピッチ方向(水平走査方向)と平行になるように配置される。また、ピンホールアレイは、単位ピンホールバリアのピッチをLとすると、式(12)が成立しないように設計されている。
そして、ピンホールアレイを用いた立体視映像表示装置では、次のように画素パネル20の各画素PEの視線Vが決定される。即ち、想定観察位置40からピンホールアレイの各単位ピンホールバリアを画素パネル20の表示面22に投影して、表示面22を各単位ピンホールバリアの投影領域に分割する。そして、各画素PEの代表点が属する投影領域の単位ピンホールバリアを該画素PEに対応する単位ピンホールバリアとする。そして、各画素PEについて、該画素PEの代表点と、該画素PEに対応する単位ピンホールバリアのピンホールを通過した後の光線(代表光線)と位置は同じで方向を逆にした視線を該画素PEの視線Vとする。
また、ピンホールアレイを構成する単位ピンホールバリアを、格子形状(四角形)ではなく、三角形や、例えば図35に示す六角形等の多角形としても良い。何れの場合も、各画素PEの視線Vの決定方法は、上述した格子形状の場合と同様である。
尚、パララックスバリアアレイやピンホールアレイは、通常、単位バリアを示す境界線が明示されていないが、バリアアレイ上の任意の点から最も距離の近いスリット或いはピンホールを求め、そのスリット或いはピンホールによってバリア板を領域分割することで、単位バリア毎の境界線を設定することができる。
(C)画素PEの色情報の算出
また、上述した実施形態では、1画素につき1つの画素別視点CMを設定し、設定した画素別視点CMの視線方向のオブジェクト空間の色情報を該画素の色情報としたが、これを、1画素につき複数の画素別視点CMを設定し、各画素別視点CMの視線方向の色情報を平均(相加平均又は加重平均等)することで該画素の色情報を算出しても良い。
図36は、1つの画素PEに3つの画素別視点CMを設定する場合を示す図であり、表示面22の一部横方向断面図を示している。同図に示すように、先ず、対象とする1つの画素PEの3つの代表点1,2,3を決定する。同図では、画素PEの中心を代表点1とし、x軸の正/負方向それぞれに所定距離だけ離れた点を代表点2,3としている。
次いで、これら各代表点1,2,3それぞれについて、該代表点と、該画素PEに対応するレンズ32の主点(代表主点)とを通過した後の光線(代表光線)を算出し、その各代表光線と位置は同じで方向を逆にした視線を該画素PEの視線V1,V2,V3とする。そして、その視線V1,V2,V3のそれぞれを視線方向とする画素別視点CM1,CM2,CM3を設定する。その後、設定した画素別視点CM1,CM2,CM3のそれぞれの視線方向のオブジェクト空間の色情報を算出し、算出した各色情報を合成(相加平均や、例えば画素別視点CMの色情報を50%とし、他の画素別視点CM2,CM3の色情報を25%として加算する加重平均等)した値を、該画素PEの色情報とする。このようにすることで、生成した画像において物体の周辺部分に発生するジャギーを抑制することが可能となる。
(D)生成した立体視画像の扱い
また、上述した実施形態では、立体視画像生成装置1は、1フレーム毎に立体視画像の生成(描画)して表示させる、即ちリアルタイムな立体視の動画を実現することとしたが、生成した立体視画像を直ぐに表示させずに蓄積記憶しておき、全フレームの画像生成が終了した後、蓄積画像をムービー画像として順次表示させることとしても良い。
(E)立体視映像表示装置を別装置とする
また、上述した実施形態では、立体視画像生成装置1は、立体視映像表示装置200の一部として説明したが、立体視映像表示装置200を別装置として構成し、生成した立体視画像を、接続されている立体視映像表示装置200に出力して表示させることとしても良い。
図37は、立体視映像表示装置を別装置とした立体視画像生成装置3の構成を示すブロック図である。同図によれば、立体視画像生成装置3は、入力部100と、処理部300と、記憶部400と、を備えて構成される。かかる立体視画像生成装置3では、接続される立体視映像表示装置200に合わせて表示装置データ420を設定する必要がある。
従って、立体視画像生成部320は、画像生成の際には、先ず、例えばユーザにより入力部100から入力された立体視映像表示装置200の型番(詳細には、画素パネル20やその上面に配置されているレンズ板30の型番)に基づいて、記憶部400に記憶されている画素パネルデータ460及びレンズ板データ470のそれぞれから適切なデータを選択し、表示装置データ420として設定する。
画素パネルデータ460とは、立体視映像表示装置200に用いられ得る画素パネル20の物理パラメータを格納したデータテーブルである。図38(a)に、画素パネルデータ460のデータ構成の一例を示す。同図(a)によれば、画素パネルデータ460は、立体視映像表示装置200に用いられ得る画素パネル20の種類(種別)毎に、その型番(461)と、画素ピッチ(462)を対応付けて格納している。
また、レンズ板データ470とは、立体視映像表示装置200に用いられ得るレンズ板30の物理パラメータを格納したデータテーブルである。図38(b)に、レンズ板データ470のデータ構成の一例を示す。同図(b)によれば、レンズ板データ470は、立体視映像表示装置200に用いられ得るレンズ板30の種類(種別)毎に、その型番(471)と、レンズピッチ(472)と、焦点距離(473)と、配置角度(474)と、を対応付けて格納している。
また、入力部100を、立体視画像生成装置と別装置としても良い。例えば、図39に示すように、入力部100及び立体視映像表示装置200を立体視映像生成装置と別装置とする。即ち、立体視画像生成装置5は、処理部300と、記憶部400とを備えて構成される。このような構成には、例えば携帯電話機等の通信端末装置のディスプレイに立体視画像を表示させたい場合等が考えられる。即ち、入力部100及び立体視映像表示装置200を備えた通信端末装置等の外部装置7から、レンズピッチLやディスプレイ(画素パネル20)に対する光学素子群(レンズ板30)の配置角度θ、焦点距離F等のレンズに関する情報と、画素ピッチS等のディスプレイに関する情報と、想定観察位置40等の観察者に関する情報とを画像生成装置5に送信する。そして、画像生成装置5では、受信したそれらの情報に基づいて立体視画像を生成し、生成した立体視画像を外部装置7に送信する、或いは、生成した画像を蓄積記憶した後、動画として該部装置7に送信する。
(F)印刷加工物
また、上述した実施形態では、フラットパネルディスプレイ等の画素パネル20を備えた立体視映像表示装置に表示させる立体視画像を生成する場合を説明したが、画素パネル20の代わりに立体視画像が印刷された紙やプラスチックカード等の印刷物を用いた印刷加工物についても同様に適用可能である。かかる印刷加工物では、立体視画像が印刷された印刷物の印刷面に、光学素子群(レンズアレイやピンホールアレイ等)が貼付等によって装着されており、印刷されている画像の各ドットの反射光線が光学素子群によって指向性が与えられることで、立体視が実現される。
このような立体視用の印刷加工物に印刷する画像を生成する場合、従来の方法では、従来の多眼式の立体視映像表示装置の場合と同様に、一定数の視点を設定してその視点毎に画像(画素別視点)を生成し、それらの画像を一定のパターンに応じて再配置(インターリーブ)することで印刷する画像を生成している。
印刷加工物では、既製の光学素子に合わせて、生成・印刷する立体視画像の解像度(即ち、画像の各ドットの位置や大きさ)を自由に設定・変更できる。また、生成・印刷する立体視画像の解像度を大きくすることで、視点が比較的多い場合であっても、視認される立体視映像の解像度を充分な大きさにすることができる。但しその場合、立体視画像のデータサイズが、解像度に比例して大きなものとなってしまうという問題はある。
このような印刷加工物に本実施形態を適用する場合には、印刷の対象である立体視画像の各ドットを画素パネル20の各画素PEとして扱うことで、上述した実施形態と同様に立体視画像を生成できる。具体的には、印刷加工物における立体視画像の印刷領域の大きさ、及び、印刷する立体視画像の解像度が決まっていれば、印刷対象の立体視画像の各ドットの位置及び大きさは一意に決まる。このため、立体視画像の各ドットを、上述した実施形態における表示パネル20の各画素PEと同様に扱うことができる。
つまり、例えば光学素子群としてレンチキュラレンズアレイを用いる場合には、先ず、立体視画像のドット毎に対応するレンズ(光学素子)を決定する。次いで、各ドットについて、該ドットの代表点(例えば、中心)と、該ドットに対応するレンズの主点とを通過した後の光線(代表光線PR)を算出し、その光線と位置が同じで方向が逆の視線を該ドットの視線Vとして決定する。その後、各ドットについて、視線Vの視線方向の色情報を該ドットの色情報とすることで、立体視画像を生成する。
また、印刷加工物は、光学素子群としてレンズアレイを用いている場合には、印刷されている立体視画像の各ドットのピッチをSとすると、印刷面とレンズアレイの主点面との間の距離Gが上式(1)を満たすように構成されることで、より画質の良い立体視を実現できる。
本実施形態の描画方法によれば、従来の方法よりも低い解像度で、即ち従来の方法よりも小さい画像データサイズで、上述した作用効果を奏する立体視印刷加工物に印刷する立体視画像を生成することができる。
(G)想定する観察者の位置
また、上述した実施形態では、観察者の想定位置を基に、立体視映像表示装置における「ピッチが合う/合わない」状態がより正確に定義できるように説明した。しかし、同様の作用効果が発揮され得る限りにおいては、かかる定義は拡大解釈され得、均等であることはいうまでもない。例えば、多眼方式や超多眼方式において、観察者の視点の想定位置を、画素パネル20の表示面22から無限遠の位置と同視できる位置であるように設定する場合がある。このとき、各画素から射出され、レンズの主点を通過する代表光線の方向は、視点毎に平行となる。
従って、垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置の場合、図50に示すように、画素パネル20のサブピクセル単位での画素ピッチの長さをS、レンズ板30のレンズピッチの長さをLとすると、n眼式の場合、次式(15)が成立することが「ピッチが合う」状態であり、成立しないことが「ピッチが合わない」状態となる。
L=n・S ・・(15)
但し、図50は、垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置の表示面22に対する横方向(水平走査方向)断面図を示している。
また、斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置の場合、画素パネル20の画素ピッチ方向に沿ったレンズ32の幅であるレンズピッチMは、式(9)で与えられる。従って、n眼式の場合、次式(16)が成立することが「ピッチが合う」状態であり、成立しないことが、「ピッチが合わない」状態となる。
M=n・S ・・(16)
但し、図4に示したように、レンズ板30は主点線36の方向が画素パネル20の縦方向の画素配列方向(鉛直走査方向)に対して角度θを成すように配置されていることとする。
また、段落[0126]−[0130]に述べたことと同様に、同じ視点の繰り返し、即ち平行な射出光線の繰り返しが発生する条件は、レンズの水平方向のピッチをL、画素の水平方向のピッチをSとしたとき、次式(17)の関係が成立することであるといえる。但し、o,pは自然数である。
L:S=o:p ・・(17)
また、平行な射出光線の繰り返しが発生しない、即ち「ピッチが合わない」状態となる条件は、画素パネル20中の立体視画像が表示される領域(立体視画像表示領域)の水平方向の幅をRとしたとき、次式(18)の成立しないことであるといえる。但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数である。
L:S=o:p ・・(18)
ところで、多眼方式においては、このように視点位置を無限遠に設定した場合であっても、実際には有限距離から観察することになるので、観察される立体視の画質は適切であるとはいえなくなる。しかしながら、多眼方式の初期の時代においては、レンズ製造や印刷の精度があまり高くなく、技術的に未成熟であったため、このようにレンズのピッチと画素のピッチとが、一定距離の視点から見込む角度ではなく実測長で整数比となる方法が用いられたことがあった。また、現在においても、設計を簡易化するため等の理由でこの方法が用いられることがある。一方、超多眼方式のように、左右両眼の視差の内側にも多くの視点を設定する場合においては、視点数が非常に多いため、観察距離が変化しても適切な光源が眼に入る効果が得られる。そのため、視点位置を無限遠に設定して生成した立体視画像を有限距離から観察しても、違和感のない立体視画像が得られる。そこで、計算量をより少なくする等の目的で、このように視点位置が無限遠になるように、即ちレンズの水平方向のピッチと画素の水平方向のピッチとが実測長で整数比となるように設定することも多くなっている。
本件発明を、レンズと画素の「ピッチが合う/合わない」ことを以上のようにレンズのピッチと画素のピッチの実測長で論じたとしても、本願発明で言わんとする「ピッチが合わない」ことの技術的範囲内であることはいうまでもない。
実施形態における立体視画像生成の概要図。 垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置の概略構成図。 「ピッチが合う/合わない」ことの説明図。 斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置の概略構成図。 従来の、(a)斜め5眼式、(b)斜め7眼式、のレンチキュラレンズ方式の立体視映像表示装置における画素パネル及びレンズ板の配置関係図。 表示面に対する座標系設定の説明図。 垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「正面且つ無限遠」での視線決定の説明図。 斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「正面且つ無限遠」での視線決定の説明図。 想定観察位置が「正面」の状態を示す図。 垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「有限距離の定位置」での視線決定の説明図。 垂直レンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「有限距離の定位置」での視線決定の説明図。 斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「有限距離の定位置」での視線決定の説明図。 斜めレンチキュラ方式の立体視映像表示装置における想定観察位置が「有限距離の定位置」での視線決定の説明図。 レンズ板による屈折作用の説明図。 画素別視点設定の説明図。 画素の色情報算出の説明図。 視認される画素の色情報が若干正確さに欠けることの説明図。 従来の多眼方式(n眼式)の立体視の概要図。 従来の斜めレンチキュラレンズ方式の立体視映像表示装置においてクロストークが生じることの説明図。 本実施形態での立体視の概要図。 立体視画像生成装置の構成図。 表示装置データのデータ構成例。 画素別視点データのデータ構成例。 立体視画像生成処理の流れを示すフローチャート。 想定観察位置が「斜め」の状態を示す図。 画素パネルを斜め上方から見た場合の図。 蝿の眼レンズアレイの平面図。 蝿の目レンズアレイを用いた立体視映像表示装置における視線決定の説明図。 蝿の眼レンズアレイを斜め配置した場合の平面図。 単位レンズを六角形とした蝿の眼レンズアレイの平面図。 パララックスバリアの平面図。 斜めパララックスバリアの平面図。 階段パララックスバリアの平面図。 ピンホールバリアの平面図。 単位ピンホールバリアを六角形としたピンホールバリアの平面図。 1画素に複数の画素別視点を設定する場合の説明図。 立体視映像表示装置を別装置とした立体視画像生成装置の構成図。 画素パネルデータ及びレンズ板データのデータ構成例。 入力部及び立体視映像表示装置を別装置(外部装置)とした立体視画像生成装置の構成図。 適切な画素パネルとレンズ板との間の距離の説明図。 両眼距離を考慮した場合の説明図。 1つのレンズによる光線の拡がりの説明図。 想定観察位置を「正面かつ無限遠」として画素に対応するレンズを決定した場合の適視範囲の説明図。 想定観察位置を「正面且つ有限距離の定位置」として画素に対するレンズを決定した場合の適視範囲の説明図。 多眼式の立体視の概念図。 超多眼式の立体視の概念図。 IP方式の立体視の概念図。 光線再生法の立体視の概念図。 表示面と結像面との間の距離がレンズの焦点距離に依存することの説明図。 想定する観察者の位置を無限遠とした場合の「ピッチが合う/合わない」ことの説明図。
符号の説明
1、3、5 立体視画像生成装置
100 入力部
300 処理部
310 オブジェクト空間設定部
320 立体視画像生成部
322 画素別視点設定部
324 色情報算出部
400 記憶部
410 立体視画像生成プログラム
420 表示装置データ
430 想定観察位置データ
440 画素別視点データ
450 フレームバッファ
200 立体視映像表示装置
10 バックライト
20 画素パネル
22 表示面
EL 画素
30 レンズ板(レンチキュラレンズ板)
32 レンズ(マイクロレンズ)
40 想定観察位置
PE 画素
V 視線
CM 画素別視点

Claims (23)

  1. 画素を配置した画素パネルと、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素に対する視角を対画素視角σ、前記画素パネル中の立体視画像描画領域に対する視角を対描画領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置に表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する画像生成装置であって、
    前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成装置。
  2. 請求項1に記載の画像生成装置であって、
    前記立体視映像表示装置は、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素の水平方向幅をS、前記画素パネル中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=o:p(但し、oは自然数、pはR/L未満の自然数)が更に成立しないことを特徴とする画像生成装置。
  3. 画素を配置した画素パネルと、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素の水平方向幅をS、前記画素パネル中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置に表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する画像生成装置であって、
    前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成装置。
  4. 請求項1〜の何れか一項に記載の画像生成装置であって、
    前記画素パネルの各画素に対応する画素別視点として、当該画素の代表点と、当該画素の代表点からの射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過した後の光線の逆方向を当該画素に対応する画素別視点の視線方向として算出する画素別視点算出手段を更に備え、
    前記画素別視点算出手段により算出された画素別視点を基に前記三次元仮想空間をレンダリングすることで該画素別視点に対応する画素の色情報を求めることを特徴とする画像生成装置。
  5. 請求項に記載の画像生成装置であって、
    前記画素別視点算出手段は、前記画素毎の画素別視点の視線方向を、観察者の前記立体視映像表示装置に対する想定観察位置に基づいて可変することを特徴とする画像生成装置。
  6. 請求項に記載の画像生成装置であって、
    前記画素別視点算出手段は、
    前記想定観察位置と前記立体視映像表示装置との相対位置関係から、前記画素パネルの各画素の代表点からの射出光線に指向性を与える前記想定観察位置に適した光学素子を定める選定手段を有し、
    前記画素パネルの各画素の代表点から、前記選定手段により定められた光学素子の代表点を通過した後の光線の逆方向を当該画素に対する画素別視点の視線方向とする、
    ことを特徴とする画像生成装置。
  7. 請求項に記載の画像生成装置であって、
    前記選定手段は、前記想定観察位置から前記各光学素子を前記画素パネルへ投影した場合の投影領域と前記画素パネルの各画素との重畳関係に基づいて、前記画素パネルの各画素の代表点からの射出光線に指向性を与える前記想定観察位置に適した光学素子を定めることを特徴とする画像生成装置。
  8. 請求項4〜7の何れか一項に記載の画像生成装置であって、
    前記画素別視点算出手段は、前記画素パネルの各画素に対応する画素別視点として、当該画素内の複数の異なる代表点それぞれと、当該画素の複数の異なる代表点それぞれからの射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過した後の光線の逆方向を視線方向とする複数の画素別視点を求める複数視点算出手段を有し、
    前記画素別視点算出手段により1つの画素に対して複数の画素別視点を求め、前記三次元仮想空間中の当該複数の画素別視点それぞれを基に求めた色情報を合成することで当該画素に対応する色情報を算出する合成算出手段を更に備える、
    ことを特徴とする画像生成装置。
  9. 請求項1〜の何れか一項に記載の画像生成装置であって、
    前記光学素子群は、レンチキュラレンズアレイ、蝿の目レンズアレイ、パララックスバリアアレイ、又はピンホールアレイであることを特徴とする画像生成装置。
  10. 請求項1〜の何れか一項に記載の画像生成装置であって、
    前記光学素子群は、光学素子としてレンズが複数連接されたレンチキュラレンズアレイ又は蝿の目レンズアレイであり、
    当該光学素子群は、前記画素パネルの表示面と前記光学素子群の主点面との間の距離が前記レンズの焦点距離に一致するように前記画素パネルと観察者との間に設置されている、
    ことを特徴とする画像生成装置。
  11. 請求項1〜の何れか一項に記載の画像生成装置であって、
    前記光学素子群は、光学素子としてレンズが複数連接されたレンチキュラレンズアレイ又は蝿の目レンズアレイであり、
    当該光学素子群は、前記画素パネルの表示面と前記光学素子群の主点面との間の距離をD、前記レンズの焦点距離をF、前記画素の水平走査方向のピッチをS、前記レンズの水平走査方向のピッチをLとしたとき、(L−S)・F/L≦D≦(L+S)・F/L、が成立するように前記画素パネルと観察者との間に設置されている、
    ことを特徴とする画像生成装置。
  12. 請求項9〜11の何れか一項に記載の画像生成装置であって、
    前記光学素子群は、光学素子配列方向が前記画素パネルの画素配列方向に対して斜めとなるように配置されていることを特徴とする画像生成装置。
  13. 画素を配置した画素パネルと、
    前記画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群と、
    前記画素パネルに表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する請求項1〜12の何れか一項に記載の画像生成装置と、
    を備える電子機器。
  14. 立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの反射光線に指向性を与える光学素子群とを備え印刷加工物であって、
    前記印刷物には、各ドットの色情報が、当該ドットの代表点と、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理することで求められた立体視画像が印刷されており、
    前記光学素子群が、
    所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットに対する視角を対ドット視角σ、前記印刷物中の画像印刷領域に対する視角を対印刷領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない関係に配置構成されてなる、
    印刷加工物。
  15. 立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え印刷加工物であって、
    前記印刷物には、各ドットの色情報が、当該ドットの代表点と、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理することで求められた立体視画像が印刷されており、
    前記光学素子群が、
    一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットの水平方向幅をS、前記印刷物中の画像印刷領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない関係に配置構成されてなる、
    印刷加工物。
  16. 画素を配置した画素パネルと、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素に対する視角を対画素視角σ、前記画素パネル中の立体視画像描画領域に対する視角を対描画領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置に表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する画像生成方法であって、
    前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法。
  17. 画素を配置した画素パネルと、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素の水平方向幅をS、前記画素パネル中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置に表示させる三次元仮想空間の立体視画像を生成する画像生成方法であって、
    前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法。
  18. 三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの反射光線に指向性を与える光学素子群とを備え、所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットに対する視角を対ドット視角σ、前記印刷物中の画像印刷領域に対する視角を対印刷領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない印刷加工物に印刷する前記立体視画像を生成する画像生成方法であって、
    各ドットの色情報を、当該ドットと、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法。
  19. 三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットの水平方向幅をS、前記印刷物中の画像印刷領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない印刷加工物に印刷する前記立体視画像を生成する画像生成方法であって、
    各ドットの色情報を、当該ドットと、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とする画像生成方法。
  20. 画素を配置した画素パネルと、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素に対する視角を対画素視角σ、前記画素パネル中の立体視画像描画領域に対する視角を対描画領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置に表示させる三次元仮想空間の立体視画像をコンピュータに生成させるためのプログラムであって、
    前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成する手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
  21. 画素を配置した画素パネルと、該画素パネルの各画素の射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一の画素の水平方向幅をS、前記画素パネル中の立体視画像描画領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない立体視映像表示装置に表示させる三次元仮想空間の立体視画像をコンピュータに生成させるためのプログラムであって、
    前記立体視画像描画領域内の各画素の色情報を、当該画素の代表点と当該画素の射出光線に指向性を与える光学素子の代表点とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成することを特徴とするプログラム。
  22. 三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの反射光線に指向性を与える光学素子群とを備え、所定の想定観察位置における一の光学素子に対する視角を対光学素子視角λ、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットに対する視角を対ドット視角σ、前記印刷物中の画像印刷領域に対する視角を対印刷領域視角Φとしたとき、λ:σ=n:m(但し、nは自然数、mはΦ/λ未満の自然数)が成立しない印刷加工物に印刷する前記立体視画像をコンピュータに生成させるためのプログラムであって、
    各ドットの色情報を、当該ドットと、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成する手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
  23. 三次元仮想空間を描画した所定解像度の立体視画像が印刷された印刷物と、該印刷物に印刷されている立体視画像の各ドットの射出光線に指向性を与える光学素子群とを備え、一の光学素子の水平方向幅をL、前記一の光学素子により指向性が与えられる一のドットの水平方向幅をS、前記印刷物中の画像印刷領域の水平方向幅をRとしたとき、L:S=n:m(但し、nは自然数、mはR/L未満の自然数)が成立しない印刷加工物に印刷する前記立体視画像をコンピュータに生成させるためのプログラムであって、
    各ドットの色情報を、当該ドットと、当該ドットの反射光線に指向性を与える光学素子とを通過する光線の方向に基づいて前記三次元仮想空間をレンダリング処理して求めることで、立体視画像を生成する手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
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