JP4832693B2 - 研削盤 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、抄紙機ロールの外面を研削するための研削盤であって、その抄紙機ロール対する平行な方向および抄紙機ロールに対する遠近方向に変位可能な研削機構を備える研削盤に関する。
【0002】
平滑面を備えるシリンダは、時々研磨し直す必要がある。これまでは、特に、大型の衛生紙(ヤンキー)用あるいは光沢仕上げ用シリンダに対して、ロール研削機やいわゆるプロファイル研削機が使用されてきた。こうしたプロファイル研削あるいはならい研削機を、回転するシリンダに対して横方向に移動させることにより、滑らかな輪郭を研磨することができる。しかしながら、この種のプロファイル機械の重量は4トンを超えるため、輸送やスペースが問題となる。表面の細かい破損部(粗さ)の除去には、これまで使用されてきた研磨処理よりもプロファイル研削あるいはならい研削の関わる比率が大幅に高いため、かなりの再設置作業が必要となる。大型の衛生紙(ヤンキー)用あるいは光沢仕上げ用シリンダの修繕にこれまで使用されてきたプロファイル研削あるいはならい研削では、大型ベンチタイプの研削盤を設置しなければならず、これには以下のような欠点がある。
−世界各地への運搬が重くてかさばる。
−海上輸送を利用するため、航路が長い。
−シリンダの下での設置および準備に比較的長い時間がかかる。
−この研削盤用のスペースを確保するために主要な抄紙機構成要素を取外して、また取りつけなければならない。
【0003】
これまで研磨のみに使用してきた研磨研削機を適用すれば、輸送費や設置および取外し時間を削減することができる。こうした研磨研削機は小型で、その重量は約0.5トンである。研磨研削機は通常、国際出願公開第WO9803304号および同第9302835号などに開示されているようにベルトあるいは帯環研削機で形成されている。この種の機械を用いると十分に大きな動力が得られるが、これは通常、シリンダの形状変更に使用するものではない。すなわち、引掻きや傷跡などの修復にのみ使用する。帯環研削機をシリンダのスクレーパブレードに装着すると、費用をかけずにシリンダに沿って横方向に移動させるように設置することができる。
【0004】
研磨研削機はシリンダの形状あるいは同心度に影響を与えないため、一定の圧力で空圧によりシリンダに押し付けることができる。しかしながら、こうした圧力は、基準がある場合にのみ調節することができるものである。大型機械床や研削機械上の物理的基準面による基準が設けられているプロファイル研削機とは違い、研磨研削機にはこうした基準が設けられていない。特に、シリンダの形状や同心度を修復しなければならない場合などに、スクレーパブレードを基準として使用することができない。
【0005】
本発明の目的は、基本構造を、上記にて引用した国際出願公開第WO9803304号および同第9302835号などに開示された研削機械とほぼ同じにすることができるが、プロファイル研削を行なうこともできる、上述した種類の研削盤を提供することである。
【0006】
この目的を以下の特徴を備えることにより実現する。
【0007】
抄紙機ロールの外面を研削することを目的とし、抄紙機ロールに平行な方向に変位可能であり、抄紙機ロールに対する遠近方向に変位可能な研削機構を備える研削盤であって、抄紙機ロールおよび抄紙機ロール外に設けられ抄紙機ロールの軸に平行に調整された少なくとも2本の基準線に対する変位可能な研削機構の位置を、基準線に垂直な平面内で特定するために、研削機構に付随して研削機構と共に変位可能な測定システムを設けており、研削機構による研削に関わる付加力または接触圧力は、抄紙機ロールに対する測定システムの相対位置を示す、測定システムから得られた抄紙機ロールとの距離の測定値に基づいて制御されているとともに、基準線に垂直な面内における研削機構の傾斜度および抄紙機ロールの角度位置における少なくとも一方を特定するために、測定システムと同一構成の追加測定システムがさらに配置されている。
【0008】
こうした仮想基準を設けることにより、研磨研削あるいはプロファイル研削機の作動力や接触圧力をそれに対応させながら制御することができる。研削盤をプロファイル研削に用いる場合にも、こうした仮想基準が設けられていれば、その基本構造を、国際特許公開第WO9803304号および同第9302835号に開示された例などの研磨研削機械などの通常の研磨機とほぼ同じにすることができる。これらの特許内容全体を本明細書内に引用したものとする。
【0009】
この測定システムがレーザ測定システムであると好ましい。
【0010】
別の好適実施形態によれば、少なくとも1本の基準線を、抄紙機ロール軸に平行に張ったワイヤとして設ける。
【0013】
この測定システムおよび追加測定システムに、三角測量を利用した測定を実行することなどを目的として、三角路測定手段を備えることができる。
【0014】
別の有利な実施形態によれば、抄紙機ロールの外面の輪郭を特定するために、上記測定システムおよび追加測定システムを設ける。
【0015】
原理としてこの研削盤は、測定および研削サイクルを並行して、あるいは交互に行なうように、制御可能である。しかしながら、測定および研削サイクルを交互に行なうように研削盤を制御すると好ましい。
【0016】
この研削機構が帯環研削機構であると好ましい。
【0017】
好適実施形態によれば、プロファイル研削ができるように、この研削盤を制御する。
【0018】
この研削機構を、ロールに付随するスクレーパブレード上、あるいは一時的にスクレーパブレードに代わりとなっているレール上に搭載し、スクレーパブレードあるいはレールそれぞれに沿って変位自在にすると好ましい。
【0019】
本発明の目的に対する実施形態を、概略図と合わせて以下に詳細に説明する。
【0020】
図1および図2によれば、研削盤10が、衛生紙用(ヤンキー)シリンダあるいは光沢仕上げ用シリンダにおける抄紙機ロール14(以下、ロール14と呼称する)の外面12を研削するために設けられている。
【0021】
研削盤10には、ロール14と本質的に平行な方向に変位可能であり、そのロール軸に垂直な方向にロール14に対して遠近移動もできる研削機構16が含まれる。
【0022】
この研削項16に付随して変位可能な測定システム18が設けられている。このシステム18を設ける目的は、ロール14に対する変位可能な研削機構16の位置、およびそのロール14外に設けられてロール軸に平行に調節された少なくとも1本の基準線20、22に対する変位可能な研削機構16の位置を特定することである。この相対的な位置は、少なくとも1本の基準線20、22に垂直な面内で特定する。こうした測定システム18で得られる測定値に基づいて、研削機構16で得る研削効果を制御する。
【0023】
測定システム18を研削機構16に搭載する。
【0024】
測定システム18がレーザ測定システムであると好ましい。
【0025】
好適実施形態によれば、少なくとも1本の基準線20、22を、ロール14の軸に平行に張ったワイヤとして設ける。
【0026】
隆起部のみを除去するように研削機構16を制御すると好ましい。
【0027】
本願では、基準線20、22に垂直な面内における研削機構16の傾斜度、および抄紙機ロール14の角度位置の少なくとも一方を特定するように、上記測定システムと同一構成の追加測定システムがさらに配置されている。
【0028】
上記測定システム18および追加測定システムに、三角路測定手段を備えるのが好ましい。これらの測定システムをロール14の外面の輪郭を特定するために用いると好ましい。原理としてこの研削盤10は、測定および研削サイクルを並行して、あるいは交互に行なうように、制御可能である。しかしながら、測定および研削サイクルを交互に行なうように研削盤を制御すると好ましい。
【0029】
本願では、図2からわかるように、研削機構を帯環研削機構としている。
【0030】
研削機構16を、好ましくは湾曲した、あるいは折り曲げられたスクレーパブレード24上および/または付随するスクレーパ梁24´上に搭載することができる。別の方法として、研削機構16を、一時的にスクレーパブレードの代わりに用いているレール上に搭載することができる。いずれの場合も、搭載した研削機構16をスクレーパブレード24およびレールに沿って変位可能とする。
【0031】
このように、研削盤の原理構造を、国際特許公開第WO9803304号および同第9302835号などに開示されたような通常の研磨機の場合と同様にすることができる。しかしながら、仮想基準を設けた研削盤も、プロファイル研削あるいはならい研削用に使用可能である。この場合、研削機構16を、隆起部のみを除去するように制御すると好ましい。
【0032】
図1において、x1、y1およびx2、y2が、測定システム18に対して調整された2本のワイヤ20、22の座標であり、X3が測定システム18と半径をrとするロール14の外面との間の距離である。図2において、測定システム18が発生する各レーザビームを「26」として示す。このロール14の例としてヤンキーシリンダなどが挙げられる。半径r自体は、以下の関数で特定可能である。
Figure 0004832693
このとき、「C」は校正されたパラメータである(ワイヤ位置など)。上述したように、測定システムに、三角路測定手段を備えることができる。2D走査(装置)を設けると好ましい。
【0033】
このように、従来の研磨研削機械をプロファイル研削あるいはならい研削にも適用できるようにするため、こうした機械に必要なハードウェアおよびソフトウェアを具備することができる。
【0034】
ロール表面のトポグラフィの、測定した対象クラウンラインに対する偏差量に関する情報を、研削機構16のホイールヘッドが印可する対応作動力および/または圧力を制御することにより、この偏差をなくすように処理することができる。
【0035】
このシステム全体の機能構造を、例えば以下のようにすることができる。
【0036】
測定システム
−トポグラフィの測定および位置付け用システム
−要件となる測定標準の校正
−正確な分析
【0037】
制御システム
−機械の遊びの算出
−運動順序の同期
−横方向の正確な制御
−初期設定による、ホイールヘッド双方の研削力の制御
−特殊状況に対する考慮
−実験における研磨特性(研磨輪郭)の特定
【0038】
付属品による改造
−研削力を制御する補助被動軸
−同期付属品
【0039】
以下の構成要素などからなる測定システムを、ロール(ヤンキーシリンダのロール)のクラウンあるいはクラウニングラインを記録するために配置することができる。
1.ロールの角度位置を特定する測定システム
2.横方向(cd)における位置を割り出す測定システム
3.少なくとも1本のスパン線の調整
4.少なくとも1本のスパン線と表面のクラウンラインとの間の半径方向距離を特定する測定装置
5.クラウンラインのトポグラフィを算出する制御プロセッサ(PC)
【0040】
構成要素1および2を用いて、ロールが回転しており、それと同時に測定装置が横方向(cd)に移動している間に、その時点におけるロールのクラウンラインの局部座標を割り出すことができる。角度位置を特定するには、ロール周囲に、基準マークを付した増分測定帯環(接着剤付き)を設けることができる。あるいは、摩擦式ホイール通路センサおよび基準マークをロール上に設けることができる。適した制御通路センサ(絶対測定)により、横方向(cd)における位置を測定することができる。
【0041】
こうしたその時点における局部座標は、トポグラフィに対する測定格子の形成、ならびに研削(研磨)位置の割り出しに必要なものである。
【0042】
ロール軸から等距離に張った1本以上のワイヤからなるスパン線(1本あるいは複数本)を配置することにより、これらを、手の届かないロール軸に対する測定用の基準とすることができる。スパン線(1本あるいは複数本)を調整すると、ロールのクラウンラインに対する対応半径とずれた位置を割り出すための測定ベースが得られる。
【0043】
ロールの部分平面内にある距離測定ユニットの位置を、軸方向に張られた1本以上のワイヤを含むスパン線(1本あるいは複数本)により特定することができる。
【0044】
したがって、クラウンラインに対して、2つの鉛直な位置、ならびに測定位置における法線に対する測定装置の角度位置が割り出されるはずである。
【0045】
この角度位置は、電子傾斜計により特定可能である。あるいは、この角度位置を、並列に張られた2本のワイヤなど、2本の基準線により特定することができる。
【0046】
距離測定ユニットには、
−ロールの断面における測定システムの位置および傾斜度を特定するためのレーザ走査システム(1本のスパン線のみを使用する場合、傾斜計を用いて傾斜度を測定してもよい)と、
−ロール表面までの距離を特定するレーザによる三角測量式距離計測器と、
−上述の構成要素を固定するための固定台と、
を備えることができる。
【0047】
距離測定ユニットはそれ自体で横方向(cd)に案内されるものではない。このユニットは、機械的に安定な方法で、給送路を備えた研磨ユニット上に搭載すべきものである。
【0048】
制御プロセッサ(PC)において、ロール上のクラウンラインの半径からの距離の差異を、その時点における測定値とつり線ならびに補正形状に関する周知のパラメータとから算出し、座標と併せて保存する。こうすることにより、つり線および設置形状に関するパラメータがPCオフラインユニットに入力されるはずである。ロール速度、給送速度およびCPU時間を調整すると、ロールのクラウンラインのトポグラフィを、ロールのクラウンライン全体に伸びる螺旋上の予め定められた格子に記録することができる。
【0049】
考慮すべきヤンキーの位置に対して、そのヤンキーの軸から等距離に正確に調整され、クラウンラインプロファイルを特定するために測定ベースとして利用可能な調節機はない。したがって、クラウンラインのトポグラフィ(プロファイル)を測定する際の本当の問題は、十分に正確な測定ベースを見出すことである。
【0050】
ヤンキー位置における所与環境下にて、この測定ベースを、少なくとも1本の基準線、好ましくは少なくとも1本のスパン線にすると好ましいが、レーザビームも原理として利用可能である。少なくとも1本のスパン線を利用して得られる利点の1つは、これをロール(ヤンキー架台部)軸に整合させて、クラウンラインの基部および端部に装着できることである。これに対してレーザビームの場合には、整合した後、ロールクラウンラインの一方の端部に固定できるだけである。
【0051】
距離測定ユニット、すなわち測定システムによりヤンキーシリンダ全体のトポグラフィを測定するには、そのトポグラフィを、正確に定められた距離値で研磨用付属品の横方向に横切らせることができるようにしなくてはならない。したがって、特にNC軸を設ける必要はない。手動で停止点から停止点まで横切らせることも可能である。
【0052】
この測定システムを動作させるには、
1.研削用付属品を距離測定ユニットと共にストリッパ上に取り付けるステップと、
2.スパン線(1本あるいは複数本)を整合させるためのホルダおよびチャックを固定するステップと、
3.円周測定値から、ヤンキーのクラウンライン半径の平均値を算出するステップと、
4.ワイヤ(1本あるいは複数本)を張り、整合させるステップと、
5.レーザによる三角測量測定手段あるいは計器を半径方向に調節するステップと、を含むことができる。
【0053】
以下の測定補助具を開始時などに利用することができる。
−ロールの直径を測定するための副尺バンドチェーン
−スパン線(1本あるいは複数本)を水平に調節するためのレベリング装置
【0054】
ヤンキーシリンダの局部半径をすぐに測定することはできない。ヤンキーシリンダの軸から等距離に位置付けられた直線状の基準線(スパン線(1本あるいは複数本))までの半径距離を測定できるだけである。
【0055】
スパン線(1本あるいは複数本)測定技術において、その線(1本あるいは複数本)の地図(形状を表す輪郭線)を測定顕微鏡で作成し、これを後で検討することができる。
【0056】
自動的にその輪郭線を測定するには、ビームの経路がテレセントリックである地図作成用レンズなどを利用可能である。スパン線(1本あるいは複数本)をこうしたレンズのテレセントリックな領域内に配置すると、これらを光源により照明し、その輪郭線をダイオードによるラインとして地図に表すことができる。その後、スパン線の直径、スパン線の図心位置、および対象領域におけるスパン線の位置について検討することができる。
【0057】
その走査処理では通常、平行なレーザビームの一部を測定対象部分に当てて移動させることができる。レーザビームは、レンズあるいは凹面鏡の焦点位置にある回転鏡表面上に偏向され得る。ここから、鏡の回転に合わせて、このビームは走査領域上に対して平行にシフトするため、これを反対側の受信機で受信することができる。
【0058】
こうした適用が望ましい場合には、対象領域にスパン線(1本あるいは複数本)を配置する必要がある。このようなスパン線の適用はまた、数種類の装置(懸垂状態の制御、位置の限定)によっても実行可能である。こうした走査方法により複数の測定および平均化を行い、正確さを高め、測定の不確かさを低減することができる。
【0059】
正確性および技術的な仮定上の理由から、好ましくは、この走査方法を用いてスパン線の位置を記録すべきである。
【0060】
ヤンキーシリンダ表面の走査には、距離測定用のさまざまな器具あるいは装置が入手可能であり、その例として、増分距離センサ(変位トランスデューサ)、誘導性プローブ、渦電流センサ、および光学センサが挙げられる。
【0061】
非接触型処理では、特に、光学的な原理に基づいた三角測量式センサが適した解決策となる。三角測量式センサは、光線(好ましくはレーザビーム)がヤンキーシリンダのクラウンライン上に定められた角度で入射するものとして説明することができる。その発光スポットは、その位置がセンサの対応距離に依存して変化するため、受信機上の地図を形成する。この位置移動を、類似の光受信機(位置に敏感に反応するセンサ)あるいはデジタルセンサ(フォトダイオードライン(CCD))で受信する。
【0062】
スパン線(1本あるいは複数本)を、ヤンキーシリンダの軸に対して等距離に調節しなければならない。これにより、ワイヤ先端部およびワイヤ末端部からの半径方向の距離がヤンキーシリンダの軸に対して調節され、ワイヤの両端部が、例えば水平に位置合わせされることになる。
【0063】
スパン線(1本あるいは複数本)とヤンキーシリンダ軸との間の半径方向の距離を、ヤンキーシリンダの正面および背面付近に位置するクラウンライン表面までの2つの測定可能な半径方向の距離により調節する。これにより、ヤンキーシリンダの直径が、これらの調節位置の双方にてわかるはずである。このように双方の調節位置にてヤンキーシリンダの平均直径を測定することは、ヤンキーシリンダの演習を特定するための副尺スチール製ベルト式測定手段により実施することができる。測定した円周から、ヤンキーシリンダの半径平均値を算出する。この値から、調節位置におけるヤンキーシリンダの調節すべきクラウンラインまでの半径方向距離を特定することができる。
【0064】
すべての計算を、連続的に行なった測定サイクルに基にすることができる。この測定値(cd、角度、md)を、限定した角度距離に維持された予め定められた軌道(螺旋)上に記録する。例証的測定サイクルの結果を図3(測定軌跡)および図4(測定結果)に簡略に示す。
【0065】
その表面形状状態を補間法(図5を参照)により視覚化することができる。
【0066】
この研磨研削装置による研削を以下のように行なう。研削時、研削曲線の研削力により得られる材料の隆起分を、研磨帯環(研削ベルト)の幅全体に対して均一に除去する。
【0067】
これにより、下限公差に達することなく、できるだけ多くの材料を除去するように研削力を特定する。
【0068】
具体的に達成すべき研削力が予め算出されるはずであるため、研削軌道を正確に維持することにより研削サイクルを最適化する。
【0069】
こうした最適化は、シリンダの(測定サイクルに用いた同じ格子における)各角度位置に対して別々に行なうことができる。こうして研削軌道の具体的な形状が得られる。この時、双方の研削ヘッドをそれぞれ、測定時に使用した地点に適用する。この地点を、以下チェックポイントとする。表面の各位置が繰返し研磨されるため、1つの研磨力入力が数箇所のチェックポイントに作用する。
【0070】
ヤンキーシリンダの壁部厚さの削減量をできるだけ少なくするため、どのチェックポイントにおいても最小寸法より研磨しすぎないようにしなければならない。
【0071】
測定を正確に行なうために第1の測定サイクル前に通常の研磨研削を行なわなくてはならないため、横方向に現れる変化は非常に少なくなる可能性がある。このため、最適化処理後も残る削り代上の残留物も許容範囲である。
【0072】
この削り代を、ヤンキーシリンダのあらゆる角度位置に対して(同様に個々に特定)別個に算出することができる。(各角度に対する)最適化の問題を解決するには、同様に繰返して計算する必要がある。
【0073】
必要な演算および記憶容量は制御プロセッサ(PC)により得られる。
【0074】
こうして得た測定値ならびに研削力を、正確にcdおよび角度に割り当てなくてはならない。一般に、また、中断後すぐに引き続き継続する必要がある場合には特に、cdおよび角度について測定システムを確実に参照しなければならない。
【0075】
従来の研磨研削機に必要な増設の例として、測定および研削サイクルを演算および調整するための測定システム、制御駆動軸、および制御プロセッサ(PC)の設置が挙げられる。
【0076】
この研削システム内に一体化すべき構成要素である測定システムをさらに搭載しなければならない。市販の構成要素を利用すると、確実に制御プロセッサ(PC)とスムースに相互作用させられる。この測定システムを使用中の研磨研削機上に搭載して、この研削機と共に機械方向(md)に移動させると好ましい。
【0077】
制御駆動軸を横方向および機械方向に設ける。
【0078】
横方向では、使用中の研磨研削機に、コントローラにより拡張される横方向(CD)用駆動部を装備する。このコントローラにより、必要な測定および研削軌道を確実に維持することができる。
【0079】
機械方向では、研削圧力をホイールヘッドに適切に作用させるために各時間信号を算出しなければならない。この場合にも制御(液圧)駆動部を使用可能である。コントローラに必要な測定信号を、制御プロセッサに対する検査値(軌跡)として給送し戻すことができる。
【0080】
参照符号の説明
10 研削盤
12 外面
14 抄紙機ロール
16 研削機構
18 測定システム
20 基準線、スパン線
22 基準線、スパン線
24 スクレーパブレード
24′ スクレーパ梁
【図面の簡単な説明】
【図1】研削盤の測定システムに利用可能な測定原理である。
【図2】抄紙機ロールに付随し、スクレーパブレードに沿って変位可能な、スクレーパブレードホルダ上に搭載された帯環研削機構を備える研削盤を示す概略側面図である。
【図3】測定サイクルから得られる、発生し得る測定軌跡を示す。
【図4】図3による測定を基に得た測定結果を示す。
【図5】補間法により視覚化した表面トポグラフィを示す。

Claims (9)

  1. 抄紙機ロール(14)の外面(12)を研削することを目的とし、抄紙機ロール(14)に平行な方向に変位可能であり、抄紙機ロール(14)に対する遠近方向に変位可能な研削機構(16)を備える研削盤(10)であって、
    抄紙機ロール(14)および抄紙機ロール(14)外に設けられ前記抄紙機ロール(14)の軸に平行に調整された少なくとも2本の基準線(20、22)に対する変位可能な研削機構(16)の位置を、基準線(20、22)に垂直な平面内で特定するために、研削機構(16)に付随して研削機構(16)と共に変位可能な測定システム(18)を設けており、研削機構(16)による研削に関わる付加力または接触圧力は、抄紙機ロール(14)に対する測定システム(18)の相対位置を示す、測定システム(18)から得られた抄紙機ロール(14)との距離の測定値に基づいて制御されているとともに、
    前記基準線(20、22)に垂直な面内における前記研削機構(16)の傾斜度および前記抄紙機ロール(14)の角度位置における少なくとも一方を特定するために、前記測定システム(18)と同一構成の追加測定システムがさらに配置されていることを特徴とする研削盤。
  2. 前記測定システム(18)が前記研削機構(16)に搭載されていることを特徴とする、請求項1に記載の研削盤。
  3. 前記測定システム(18)がレーザ測定システムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の研削盤。
  4. 前記基準線(20、22)が、前記抄紙機ロール(14)の軸に平行に張られたワイヤとして設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の研削盤。
  5. 前記測定システム(18)および前記追加測定システムが三角路測定手段を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の研削盤。
  6. 前記抄紙機ロール(14)の外側表面の形状を特定するために、前記測定システム(18)および前記追加測定システムが設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の研削盤。
  7. 測定および研削サイクルが交互に行われるように制御されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の研削盤。
  8. 前記研削機構(16)が帯環研削機構であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の研削盤。
  9. プロファイル研削を行うように制御されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の研削盤。
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