JP4832633B2 - 低温液の加圧払出方法及びその装置 - Google Patents

低温液の加圧払出方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LNGサテライト基地などの低温液化貯蔵タンク等において、そのタンクからLNGからなる低温液を払い出す際の小容量・高吐出圧力ポンプでの低温液の加圧方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近計画されているLNGサテライト基地は、小型のガスタービンに燃料として天然ガス(NG)を供給するために、高圧で小容量でLNGを払い出すケースが多くなってきている。
【0003】
このような要求に対する方法として、従来からの方式として主に2種類ある。
【0004】
一つは、貯蔵タンクの圧力を、貯蔵液を蒸発させることで、ガスの需要圧力より高くして液を払い出す方法であり、また他の方法は、貯蔵タンクから払い出された液をポンプで需要圧力まで加圧する方法である。
【0005】
図2は、前者の方法を示すものである。図2において、貯蔵タンク40内の貯蔵液41を、循環ライン42を通してタンク加圧用気化器43に導入して蒸発させ、そのBOGを圧力調整弁44を介してタンク40の頂部の気相部45に戻すことで、タンク40を加圧する。次に貯蔵液41を払出ライン46から流量計47と流量調整弁48を通して流量を調整しながら、気化器43に導入して蒸発させることで、ガスタービンの燃焼室への供給圧力(2.0MPa)まで高めて供給するようにしている。
【0006】
図3は、後者の方法を示すもので、貯蔵タンク40内の貯蔵液41を払出ライン46から払出ポンプ49で吸い込んで加圧し、これを気化器50を通して蒸発させて供給する。この場合、現状では、需要側の供給量に対して払出ポンプ49の吐出容量が大きいため、余剰分を戻しライン51を介して貯蔵タンク40のボトム或いはトップに戻し、また払出ライン46に接続した流量計52で検出すると共に戻しライン51に接続した制御弁53で、戻し量を制御することで、ポンプ運転に必要な最低流量を確保している。
【0007】
さらに払出ポンプ49で貯蔵液41が払い出されると、貯蔵タンク40の気相部45の圧力が低くなるため、循環ライン42より、タンク加圧用気化器43に貯蔵液41を導入して蒸発させ、圧力調整弁44にてタンク頂部の気相部45にそのBOGを戻して、タンク40内の運転圧力を維持するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図2の方法では、貯蔵タンク40が大型の場合、或いは小型タンクでも、ガスの需要圧力が高圧の場合は、タンクが高圧設計となるため、付帯設備の価格を含めて高価になる問題がある。また高圧運転するにしても、タンクローリーから貯蔵液を受け入れる際には、貯蔵タンクを0.3MPag程度に落圧する必要があり、基地内に落圧する際のBOGの需要がない場合には、落圧用のBOGタンクや、そのBOGを再度運転圧まで昇圧する圧縮機も必要となり、更に設備費を高めることになる。
【0009】
一方、図3に示した、払出ポンプで加圧して払い出す場合には、ポンプの揚程が1.0MPagを越えると、容量が3m3 /h以下では、実績のあるポンプがないのが現状である。従って、3m3 /h以下で払い出す場合、先ずポンプをミニマムフロー量を確保して運転し、需要に対して余剰となる分は、貯蔵タンク40に戻して運転することになる。
【0010】
しかし、長時間、貯蔵タンク40に余剰分を戻すと、ポンプからのエネルギーがタンク40内に蓄積され、液の飽和圧力が液量が少ないほど早く高くなり、タンクを高圧設計することが必要となり、ポンプ使用の利点が薄くなる問題がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、需要側への払出量より容量の大きな払出ポンプで、貯蔵タンク内のLNGからなる低温液を支障なく払い出すことができる低温液の加圧払出方法及びその装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、最大需要量に対して吐出容量の大きな払出ポンプで、貯蔵タンク内のLNGからなる低温液を設定の吐出圧力に加圧してガスタービンに払い出す際に、需要側に払い出す払出し量が払出ポンプの設定ミニマムフロー量以下となったときの低温液の加圧払出方法において、払出ポンプの吸込圧力と吐出圧力の差圧と、ポンプの性能曲線からポンプ流量を求めると共に設定ミニマムフロー量を設定し、上記払出ポンプを、設定の吐出圧力と設定ミニマムフロー量で運転し、その払出ポンプから吐出される低温液の一部を払出ポンプの吸込側に戻して需要側への払出し量を制御し、他方、払出ポンプに吸い込まれる低温液の温度を検出すると共にその温度から飽和圧力を求め、その求めた飽和圧力より払出ポンプに吸い込まれる低温液の吸込圧力が高くなるよう貯蔵タンクを加圧するようにした低温液の加圧払出方法である。
【0014】
請求項の発明は、払出ポンプの待機運転、試運転、切換運転時で、需要側への払出がない場合、或いはミニマムフロー量がポンプ吸込側への戻し量の許容値以上になる場合の流量を計測して、これら運転期間はポンプ吐出液を貯蔵タンクに戻すようにした請求項1記載の低温液の加圧払出方法である。
【0015】
請求項の発明は、最大需要量に対して吐出容量の大きな払出ポンプで、貯蔵タンク内のLNGからなる低温液を設定の吐出圧力に加圧してガスタービンに払い出す際に、需要側に払い出す払出し量が払出ポンプの設定ミニマムフロー量以下となったときの低温液の加圧払出装置において、設定の吐出圧と設定ミニマムフロー量で運転される払出ポンプと、その払出ポンプから吐出される低温液の一部を払出ポンプの吸込側に戻す戻しラインと、戻しラインに接続された制御弁と、払出ポンプの吐出圧力と吸込圧力の差が設定圧となるように上記制御弁を制御するミニマムフロー制御手段と、払出ポンプに吸い込まれる低温液の温度を検出する温度検出手段と、その温度検出手段で検出された温度から飽和圧力を求め、その払出ポンプに吸い込まれる低温液の吸込圧力が上記飽和圧力より高くなるよう貯蔵タンクを加圧する貯蔵タンク加圧手段とを備えた低温液の加圧払出装置である。
【0017】
請求項4の発明は、払出ポンプの待機運転、試運転、切換運転時で、需要側への払出がない場合、或いはミニマムフロー量がポンプ吸込側への戻し量の許容値以上になる場合の流量を計測して、これら運転期間はポンプ吐出液をタンクに戻す切換弁を備えた請求項3記載の低温液の加圧払出装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0019】
図1において、10は、LNG等の低温液11を貯蔵する貯蔵タンクで、その貯蔵タンク10の底部に、ガスタービン等の需要側にLNG等の低温液11を払い出すための払出ライン12が接続される。
【0020】
この払出ライン12には、払出ポンプ13が接続されると共にその下流側に払出液を蒸発させるための気化器14が接続されると共に需要側に供給する圧力を制御する圧力調整弁14aが接続される。
【0021】
この払出ポンプ13の吐出側のライン12dと吸込側ライン12sを結んで、吐出液を吸込側に戻す戻しライン15が接続される。この戻しライン15には、制御弁16が接続され、その下流側に三方弁17が接続されて吸込側ライン12sと接続される。また三方弁17には、分岐ライン18が接続され、その分岐ライン18に、開閉弁19を介して払出液を貯蔵タンク10の底部に戻すボトムライン20と、開閉弁21を介してタンク頂部の気相部22に戻すトップライン23が接続される。
【0022】
貯蔵タンク10の底部と頂部を結んで循環ライン24が接続され、その循環ライン24にタンク加圧用気化器25が接続されると共に圧力制御弁26が接続されて貯蔵タンク加圧手段27が構成される。
【0023】
また貯蔵タンク10の頂部には安全弁28が接続される。
【0024】
次に、加圧払出しのための制御系を説明する。
【0025】
貯蔵タンク10には、その気相部22の圧力を検知するタンク圧力検出手段30が接続され、払出ポンプ13の吸込側には、吸込圧力PP を検知する吸込圧力検出手段31と吸込温度TP を検知する吸込温度検出手段32がそれぞれ接続され、吐出側には、吐出圧力Pd を検知する吐出圧力検出手段33が接続される。
【0026】
また払出ライン12の戻しライン15より下流側で気化器14に至る吐出側ライン12dには、需要側に払い出される払出液の払出し量Wu を検出する流量検出手段34が接続される。
【0027】
タンク圧力検出手段30で検出したタンク圧力と、吸込圧力検出手段31で検出した吸込圧力PP と、吸込温度検出手段32で検出した吸込温度TP とがタンク圧力制御手段36に入力され、そのタンク圧力制御手段36にて圧力制御弁26が制御されてタンク圧力が制御される。
【0028】
また吸込圧力検出手段31で検出した吸込圧力PP と、吐出圧力検出手段33で検出された吐出圧力Pd とがミニマムフロー制御手段37に入力される。ミニマムフロー制御手段37は、吐出圧力Pd と吸込圧力PP の差(Pd −PP )が設定圧となるように制御弁16を制御する。
【0029】
さらに流量検出手段34の検出した払出し量Wu とタンク圧力検出手段30で検出したタンク圧力とが、流量制御手段38に入力される。流量制御手段38は、その払出し量Wu が少なく、ミニマムフロー量が多くなりポンプ吸込側ライン12sに戻す許容量の設定値以上のときには、分岐ライン18側に、払出し量Wu が多く、ミニマムフロー量が設定値以下のときには、払出ポンプ13の吐出液を吸込側に戻すように三方弁17を切り換え、また、ミニマムフローをポンプ吸込側ライン12sに戻している運転中にタンク圧力が設定圧以上となったときには、吐出液を貯蔵タンク10側に戻すように切り換える。
【0030】
これはポンプのミニマムフロー液の飽和圧力よりタンク圧力を高くするように、気化器25と圧力調整弁26で調節しているが、タンクの設計圧力に近づいた場合は昇圧できないので、ポンプ吸込側にミニマムフロー液を返すことができないためである。
【0031】
また、払出ポンプの待機運転、試運転、切換運転時などで、需要側への払出がない場合、或いはミニマムフロー量がポンプ吸込側への戻し量の許容値以上になる場合の流量を計測して、これら運転期間はポンプ吐出液を切換弁である三方弁17にてタンク10に戻すようにする。
【0032】
次に加圧払出方法を説明する。
【0033】
貯蔵タンク10からの低温液11は、払出ライン12より払出ポンプ13にて昇圧され、気化器14で気化され、ガスタービン等の需要側に供給される。この場合、ミニマムフロー制御手段37は、制御弁16を制御して吐出圧力検出手段33と吸込圧検出手段31で検出される差圧(Pd−PP )がポンプ性能曲線から求められる設定圧力となるように制御する。
【0034】
この需要側に供給する払出ポンプ13の揚程は、1.0MPa以上であり、また払出液の流量は、3m3 /h以下の場合では、実績のある適切なポンプが無いのが現状である。
【0035】
従って、3m3 /h以下で、低温液を払い出す場合、先ず払出ポンプ13を、設定ミニマムフロー量で運転し、余剰分を、戻しライン15と三方弁17にて吸込側に戻して運転することで、払出ポンプ13からのエネルギを貯蔵タンク10に戻すことなく需要側に払い出すことができる。
【0036】
この場合、吸込側に戻すと吸込液の温度が上がり、飽和圧力が高くなるため、ポンプ13内でキャビテーションを起こし易くなる。
【0037】
そこで、払出ポンプ13に吸い込まれる低温液の吸込温度TP を吸込温度検出手段32で検出し、その吸込温度TP から飽和圧力を求め、その求めた飽和圧力より払出ポンプ13に吸い込まれる低温液の吸込圧力PP が高くなるようにタンク加圧手段27にて貯蔵タンク10を加圧することで、キャビテーションを防止する。
【0038】
以下これを詳しく説明する。
【0039】
貯蔵タンク10から払出ポンプ13で吸引される液量、すなわち需要側への払出量Wu が少ない場合、払出ポンプ13を流量制御手段37と制御弁16により設定ミニマムフロー量(Wmc)で運転する。
【0040】
この設定ミニマムフロー運転中に、流量制御手段38は、流量検出手段34で検出した払出し量Wu が設定量以上のときに三方弁17により、戻しライン15からの液を、吸込側ライン12sに流れるようにする。この場合、戻しライン15の吸込側ライン12Sの混入点cは、払出ポンプ13からできるだけ離れるように、また吸込圧力検出手段31と吸込温度検出手段32は、混入点cより下流側で、払出ポンプ13の吸込側に近くなるように設ける。
【0041】
この設定ミニマムフロー量(Wmc)は、吸込圧力検出手段31での吸込圧力PP と吐出圧力検出手段33での吐出圧力Pd の差圧と、ポンプの性能曲線から求めることができ、ミニマムフロー制御手段37は、差圧流量計で、流量が設定値となるように制御弁16を制御する。
【0042】
なお、流量の検出は、別途流量計を設けて検出しても或いは貯蔵タンク10が低圧タンクの場合には、ポンプモータの電力計から推定するようにしてもよい。
【0043】
このミニマムフロー運転中の制御弁16の制御により吸込圧力PP は変化し、また戻し量Wm で、ポンプからのエネルギが加わるため吸込液の温度が上昇し、吸込液の飽和圧力が、ポンプ13への押し込み圧力(タンクからの圧力)より高くなるため、吸入液が沸騰して気泡を発生し、ポンプ13でキャビテーションを起こしてしまう。
【0044】
そこで、タンク圧力制御手段36は、吸込温度検出手段32からの吸入液の吸込温度TP から、その吸入液の飽和圧力を求め、その飽和圧力より払出ポンプ13に吸い込まれる低温液の吸込圧力PP が高くなるよう、タンク加圧手段27の圧力制御弁26を制御して貯蔵タンク10を加圧することでキャビテーションを防止する。
【0045】
飽和圧力に対して吸込圧力PP は、ポンプの吐出液の飽和圧力より、約0.02MPa以上高くなるように設定して、圧力制御弁26を制御する。この過圧幅は、払出ポンプ13のNPSHA(Net Positive Suction Head Available ; 利用可能な有効吸込ヘッド)の確保、ミニマムフロー液のライン中で沸騰を避けること、及び温度の検出誤差を避けるためのものである。
【0046】
貯蔵タンク10の低温液11が少なくなり、タンク10内の圧力が高くなった場合には、三方弁17を切り換えて、戻しライン15の液を、貯蔵タンク10に戻し、図には示していないが、払出ライン12を他の貯蔵タンク10に切り換えて払出を行う。また、貯蔵タンク10への低温液11の受入は、タンク内を0.3MPaに落圧した後、タンクローリ等から受け入れる。
【0047】
以上において、払出ライン12から払出ポンプ13に戻し得る液量には次のような制限がある。
【0048】
タンク内の低温液のエンタルピーを基準にして、混入点c以降の混合液のエンタルピーを求める。
【0049】
先ず、需要側のLNG消費量と払出ポンプの性能を基に、
Figure 0004832633
とする。
【0050】
次にミニマムフロー運転中は、Wu<Wmcであり、WP は一定であり、この条件で、
P : ポンプ吸込液エンタルピー(Kw/kg)
Pt : タンク内液の飽和圧力 (MPag)
P : ポンプ吸込液の飽和圧力 (MPag)
Pd : ポンプ吐出圧力 (MPag)
Ed : ポンプ吐出液のエンタルピー(Kw/kg)
P : ポンプ吸込圧力 (MPag)
とし、例えば、タンク内液の飽和圧力Pt を0.2MPag、ポンプ吐出圧力Pd を1.2MPag、ポンプ吸込圧力Pを0.4MPagと設定する。
【0051】
またミニマムフロー運転中は、Wt=Wuであり、Wm =Wmc−Wu である。
【0052】
ポンプ吸込液エンタルピーEP は、
Figure 0004832633
であり、9.77Kw/kgとなる。
【0053】
ポンプ吸込液の飽和圧力PP は、
P =Δp(EP +Et )+Pt …(2)
であり、Δpは、単位熱量当りの圧力上昇(物質と状態で決まる)で、0.020MPa/kcalとすると、PP は、需要側への払出量が195kg/hの時に、0.395MPagとなり、ポンプ吸込圧力設定値0.4MPagと等しくなる。
【0054】
払出ポンプが、キャビテーションを起こさないためには、ポンプ吸込圧力Pが飽和圧力PP より高くなければならないため、
P > PP …(3)
が成立する。
【0055】
(1)式中のEd は、ポンプから受けるエネルギによって決まるのでこの値を算出する。
【0056】
ポンプの軸馬力は次式で求めることができる。
【0057】
HP=WP ×ΔH×ρ/(3600×75×η) …(4)
但し、
ΔH: ポンプ揚程(177mLC)
ρ : 液密度(460kg/m3
η : ポンプ効率(0.30)
とする。
【0058】
Wmc=Wm となるミニマムフロー点でのポンプ吐出液のエンタルピーEd は、
Ed =(Wm /WP )×ρ135×ηm/η×640×1/Wm ×WP +EP …(5)
但し、
ηm: ミニマムフロー点でのポンプ効率(0.25)
となる。
【0059】
(1)式と(5)式から、
Ed =(Wm/WP)×ρ135×ηm/η×640/Wm×WP(1−Wm/(Wm+Wm))…(6)
となり、11.7Kw/kgとなる。この場合のポンプ吐出液の飽和圧力はね0.401MPagとなる。
【0060】
ミニマムフロー運転中は、(1)〜(6)式までの式を、(2)式が満足するように諸条件を設定して運転すれば、ポンプにキャビテーションを発生させることはない。なお、ミニマムフロー運転中、加圧手段27にて貯蔵タンク10内の圧力が上昇し、また液面が低く払い出される液の過冷却度も低下して、吸込液の飽和圧力が、ポンプ吸込圧力に達したならば払出ポンプ13を停止するか、上述したように他の貯蔵タンクの払出ラインに切り換える。
【0061】
(2)式中のEP ,PP ,Ed は、設計条件と運転条件から設定される上述した数値データから算出される。
【0062】
本例では、最大ガス需要が、約1,000kg/hで、1500kg/hの容量のポンプを選定した場合を説明したが、この場合、ポンプ吸込側へミニマムフローが返せる最低の需要量(P=PP になる量)は、最大需要量の19.5%(195kg/h)であることが分かる。この値は、タンク中の液の飽和圧力に過圧する幅が大きければ大きい程小さくなる。またタンク内の液の飽和圧力が低い程過圧幅を大きくできるので上記値は小さくなる。
【0063】
夜間等における通常運転での最低需要量は20%以上と推定されるので、ミニマムフロー戻し液を貯蔵タンクに戻さないで運転できると共に貯蔵タンクの圧力上昇或いは濃縮等を防止できる。
【0064】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、貯蔵タンクから貯蔵液を払出ポンプで需要側に払い出すにおいて、需要側への払出量が、払出ポンプの設定ミニマムフロー量より少なくても、吐出液の一部を払出ポンプの吸込側に戻すことで、貯蔵タンクの圧力上昇を防止しながら少量の払出が可能となる。またミニマムフロー運転中に吸込液の飽和圧力以上にポンプの吸込圧力が高くなるよう貯蔵タンクを加圧することで、キャビテーションを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】貯蔵タンクを加圧して払い出す従来例を示す図である。
【図3】払出ポンプを用いて払い出す従来例を示す図である。
【符号の説明】
10 貯蔵タンク
11 低温液
13 払出ポンプ
15 戻しライン
16 制御弁
27 貯蔵タンク加圧手段

Claims (4)

  1. 最大需要量に対して吐出容量の大きな払出ポンプで、貯蔵タンク内のLNGからなる低温液を設定の吐出圧力に加圧してガスタービンに払い出す際に、需要側に払い出す払出し量が払出ポンプの設定ミニマムフロー量以下となったときの低温液の加圧払出方法において、払出ポンプの吸込圧力と吐出圧力の差圧と、ポンプの性能曲線からポンプ流量を求めると共に設定ミニマムフロー量を設定し、上記払出ポンプを、設定の吐出圧力と設定ミニマムフロー量で運転し、その払出ポンプから吐出される低温液の一部を払出ポンプの吸込側に戻して需要側への払出し量を制御し、他方、払出ポンプに吸い込まれる低温液の温度を検出すると共にその温度から飽和圧力を求め、その求めた飽和圧力より払出ポンプに吸い込まれる低温液の吸込圧力が高くなるよう貯蔵タンクを加圧することを特徴とする低温液の加圧払出方法。
  2. 払出ポンプの待機運転、試運転、切換運転時で、需要側への払出がない場合、或いはミニマムフロー量がポンプ吸込側への戻し量の許容値以上になる場合の流量を計測して、これら運転期間はポンプ吐出液を貯蔵タンクに戻すようにした請求項1記載の低温液の加圧払出方法。
  3. 最大需要量に対して吐出容量の大きな払出ポンプで、貯蔵タンク内のLNGからなる低温液を設定の吐出圧力に加圧してガスタービンに払い出す際に、需要側に払い出す払出し量が払出ポンプの設定ミニマムフロー量以下となったときの低温液の加圧払出装置において、設定の吐出圧と設定ミニマムフロー量で運転される払出ポンプと、その払出ポンプから吐出される低温液の一部を払出ポンプの吸込側に戻す戻しラインと、戻しラインに接続された制御弁と、払出ポンプの吐出圧力と吸込圧力の差が設定圧となるように上記制御弁を制御するミニマムフロー制御手段と、払出ポンプに吸い込まれる低温液の温度を検出する温度検出手段と、その温度検出手段で検出された温度から飽和圧力を求め、その払出ポンプに吸い込まれる低温液の吸込圧力が上記飽和圧力より高くなるよう貯蔵タンクを加圧する貯蔵タンク加圧手段とを備えたことを特徴とする低温液の加圧払出装置。
  4. 払出ポンプの待機運転、試運転、切換運転時で、需要側への払出がない場合、或いはミニマムフロー量がポンプ吸込側への戻し量の許容値以上になる場合の流量を計測して、これら運転期間はポンプ吐出液をタンクに戻す切換弁を備えた請求項3記載の低温液の加圧払出装置。
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