JP4949564B2 - 低温液の小容量・高圧払出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、LNGサテライト基地、液化エチレン貯蔵設備、その他の低温液化貯槽等において、タンクから液を小容量で、しかも高圧で連続して払出すための低温液の小容量・高圧払出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
小型のガスタービンを用いたコ・ジェネレーションシステムへ燃料ガスを供給するLNGサテライト基地の需要が高まってきている。
【0003】
最近計画されているLNGサテライト基地は、小型のガスタービンに燃料として、NGを高圧(2.0MPa)で供給するために、高圧で小容量になるケースが多くなっている。
【0004】
このような要求に対する方法として、従来から主に2種類の方法がある。
【0005】
一つは、貯蔵タンクの圧力を、タンク内貯蔵液を蒸発させてガスの需要圧力より高くすることにより、液を払出す方法であり、他は液をポンプで加圧することにより需要圧力に答える方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前者の方法では、貯蔵タンクが大型の場合、或いは小型タンクでも、ガス需要圧力が高圧の場合は、タンクの価格及び高圧タンクでは付帯設備の価格を含めて高価になる。高圧運転では、ローリから液を受け入れる時に、0.3MPa程度に圧力を下げなければならない。基地内にこのようなガス需要が共存していない場合は、ガス排出圧縮機を設けて高圧需要圧力まで昇圧して落圧することになり、さらに設備費を高めることになる。
【0007】
貯蔵液の飽和圧力は、タンクの気相運転圧力よりもかなり低いのが一般的であるので、他のタンクのこの種の冷熱で高圧のガスを冷却凝縮させて落圧する方法もあるが、液の滞在日数が3日以上で、運転圧が1.0MPaを越えると、貯蔵液の飽和圧力が0.3MPag以上になるので、このような運転状態の基地では、単独で貯蔵液の冷熱を使用して落圧することはできない。
【0008】
従って、ガスの排出圧縮機との組合せになり設備費と運転費用が高くなる。
【0009】
一方、遠心ポンプで加圧して払出す場合は、ポンプの揚程が2.0MPaを越えると、容量が5m3 /h以下でポンプを払出す場合、需要に対して余剰となる分は、タンクに戻して運転することになる。
【0010】
しかし、長時間タンクに液を戻すと、ポンプからのエネルギーがタンク内に蓄積して液の飽和圧力を高めることになるので、タンクを高圧設計することになり、ポンプ使用の利点が薄くなる。また高圧、小容量ポンプでない場合でもポンプを使用するケースでは、ポンプのミニマムフロー以下で運転することがある。このような運転でミニフロー液をタンクに長時間流すと、タンク内のエンタルピーが増大してタンク圧力が上昇するので、高圧設計となり高価になること或いはタンク圧力が0.3MPa以上となり、ローリからの受入れに支障を来すのでポンプ利用の利点がなくなる。
【0011】
このように、LNGの貯蔵液を、貯蔵タンクから高圧で小容量払出す場合、現状の遠心ポンプ型のポンプでは、流量の合致した適切な能力のものがなく、ポンプの吐出量が需要量より大きくなるのが一般的である。このため、ポンプを長時間ミニマムフロー液として貯蔵タンクに戻すと、貯蔵液のエンタルピーを増加させ、タンク圧力を上昇させるので、タンクを高圧で設計することになり、ポンプを使用する利点がなくなる。一方、高揚程、小容量で、低温でも使用し得るポンプとしてプランジャー型があるが、この形式は一般に構成部品の低温での耐久性が短いこと、吐出圧力の脈動が大きいこと、必要吸込ヘッド圧が高いという欠点がある。
【0012】
本発明においては、需要者への払出量より大きい容量の遠心型ポンプ(高圧、小容量)を使用して、上記従来の問題点を解決したものであり、その目的は、需要量以上の供給能力のあるポンプを用いて、貯蔵タンク内の液を、小容量、高圧で、連続して払出すことができる低温液の小容量・高圧払出方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、貯蔵タンク内の低温の貯蔵液を小容量、高圧で、連続して払出すに際して、貯蔵タンクの貯蔵液を需要側に払出すポンプの吐出側にクッションタンクを接続し、ポンプからの貯蔵液を液相送入ラインを介してクッションタンクの底部、又はガス相送入ラインを介してクッションタンクの頂部のいずれかに供給し、クッションタンク内の圧力を需要側への送出圧力に保ちつつクッションタンク内の貯蔵液を需要側に払い出すと共に需要払出量を越える余分な量の貯蔵液をクッションタンク内に一時的に貯蔵し、そのクッションタンク内の貯蔵液が満液になったとき上記ポンプを停止し、上記クッションタンク内の貯蔵液を加圧器に導入して加熱蒸発させると共にその蒸発ガスを加圧調整弁を介してクッションタンクの頂部に供給してクッションタンク内の圧力を送出圧力以上にして貯蔵液をクッションタンクから需要側に払出し、クッションタンク内の貯蔵液量が所定量以下となったとき、上記ポンプを起動してクッションタンクから需要側に貯蔵液を払出すと共に余分な量の貯蔵液をクッションタンクに貯蔵する低温液の小容量・高圧払出方法である。
【0014】
請求項2の発明は、クッションタンクの容量は、ポンプ停止後1.5時間、クッションタンク内の貯蔵液を需要側に払い出せる容量以上に設定する請求項1記載の低温液の小容量・高圧払出方法である。
【0016】
請求項3の発明は、ポンプの吐出側に払出液を貯蔵タンクに戻すミニマムフローラインを設け、ポンプの起動直後は、ポンプからの液をミニマムフローラインを介して戻し、その間、クッションタンクのガス圧で、需要側にクッションタンク内の液を払出し、その後、ポンプからの払出液をクッションタンクに導入すると共にクッションタンクから需要側に液を払出す請求項1又は2記載の低温液の小容量・高圧払出方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0018】
図1において、10は、LNGサテライト基地などの低温液を貯蔵する貯蔵タンク、11は、貯蔵タンク10の貯蔵液を需要者に供給するためのポンプ、12は、ポンプ11で供給された貯蔵液の需要払出量を越える余分な量の貯蔵液を一時的に貯蔵するクッションタンクである。
【0019】
先ず、貯蔵タンク10の底部とポンプ11とは吸込ライン13で接続され、ポンプ11の吐出側14には遮断弁15が接続され、その遮断弁15の下流側とクッションタンク12の底部を結んで液相送入ライン16が設けられると共に、クッションタンク12の頂部を結んでガス相送入ライン17が設けられる。
【0020】
液相送入ライン16には、オリフィス型抵抗器18が接続され、ガス相送入ライン17には、圧力調整弁19が接続される。
【0021】
ガス相送入ライン17には、図2に示すようにクッションタンク12内のガス相12Gに貯蔵液をスプレーする多数の小孔からなる噴射ノズル20が設けられ、液相送入ライン16には、液相12Lに貯蔵液を送液するノズル21が設けられる。ノズル21の上方には、ステー23を介して邪魔板24が設けられ、ノズル21からの噴出液が液面25に到達しないようにされる。
【0022】
クッションタンク12には、液面計26が設けられる。この液面計26により、クッションタンク12内の液面が所定量以下となったとき、ポンプ11が起動され、満液になったときにポンプ11が停止されるようになっている。
【0023】
またクッションタンク12には圧力調節計27が設けられ、クッションタンク12内の検出圧力に応じて圧力調整弁19が調整されるようになっている。
【0024】
クッションタンク12の底部には、開閉弁28を介して需要側に貯蔵液を払出すための液払出ライン29が接続される。この液払出ライン29とクッションタンク12の頂部を結んでガス加圧ライン30が設けられ、そのガス加圧ライン30に加圧器31と加圧調整弁32が接続される。
【0025】
液払出ライン29には、貯蔵液をガス化して需要側の圧力まで高める気化器33が接続されると共にその気化器33の出口側のガス供給ライン34に逆止弁35とガス圧調整弁36が接続される。
【0026】
ポンプ11の吐出側には、ポンプ11の起動運転、待機運転、試運転、緊急運転時に、貯蔵タンク10に液を戻すミニマムフローライン37が接続される。このミニマムフローライン37は、貯蔵タンク10内の圧力に応じて貯蔵タンク10の頂部に戻す上部ライン37Tと下部に戻す下部ライン37Bとからなり、そのライン37T,37Bに開閉弁38T,38Bが接続される。
【0027】
ポンプ11には、吸入・吐出の差圧調節計40が接続され、その差圧調節計40にて、ミニマムフローライン37に接続したミニマムフロー調節弁41が調整されるようになっている。
【0028】
またクッションタンク12の頂部にはベントライン42が接続され、そのベントライン42が、開閉弁43を介して他の排気ライン44に、或いは開閉弁45を介してガス供給ライン34に接続される。
【0029】
次に、本発明の低温液の小容量・高圧払出方法を説明する。
【0030】
先ず、ポンプ11は、運転時は常時100%或いはそれに近い状態で運転しているため、吸込ライン13からの貯蔵液は、需要量に対して過剰な量を払出している。そこで、ポンプ11からの貯蔵液を、液相送入ライン16を介してクッションタンク12の底部、又はガス相送入ライン17を介してクッションタンク12の頂部のいずれかに供給し、クッションタンク12から需要量に見合った液量を液払出ライン29に送液し、気化器33でガス化して、ガス圧調整弁36にて送出圧力(需要圧力)に調整してガス供給ライン34からガスタービンなどの需要系に送る。
【0031】
この需要量に対して、余剰分はクッションタンク12に一時的に貯め、液面計26にてクッションタンク12が満液に達した時点でポンプ11を停止し、その後、クッションタンク12内に一時的に貯めた貯蔵液を、クッションタンク12のガス相12Gをガス加圧ライン30からのガスで加圧して液払出ライン29に連続的に送出するようにしたものである。
【0032】
ポンプ11の運転中のクッションタンク12内の貯蔵液の送出は、クッションタンク12に送入する液の過冷却状態を利用してタンク12の圧力を一定に制御しながら、連続的に需要者への送出とクッションタンク12への貯蔵を行うようにする。
【0033】
クッションタンク12の圧力を一定に保持するためには、液相送入ライン16とガス相送入ライン17からの送入量を、圧力調節計27と圧力調整弁19にて調整する。
【0034】
液相送入ライン16からクッションタンク12に送入するノズル21は、その上方に邪魔板24が設けられているため、ノズル21から噴出される液が液面25に直接到達しないようにする。噴出液が液面25に到達すると、ガス相12Gと過冷却状態にある送入液が液面25で接触してガスを吸収するためにガス相12Gの圧力を低下させる。ガスの吸収速度は、液の噴出速度と液面の位置及び液面に到達する液量に関係し、これら条件は常に変わるために需要者側への送出圧力が不安定になるが、邪魔板24で、ノズル21から噴出される液の上方への浮上力を阻止し、結果としてガスの吸収を阻害する役目を果たしている。
【0035】
一方、この液相送入ライン16のノズル21からクッションタンク12に液が入るとガス相12Gは、圧縮されて圧力が上昇するので、送入液の一部を分流してガス相送入ライン17から噴射ノズル20にてガス相12Gに過冷却の液をスプレーし、ガスを吸収することにより、液面25の上昇によるガス相12G内の圧力の上昇を抑える。
【0036】
この噴射ノズル20からの液のスプレーは、圧力調節計27でガス相12Gの圧力を検出し、ガス相12Gの圧力が一定となるように圧力調整弁19を調整する。この際、液相送入ライン16のオリフィス型抵抗器18は、ガス相送入ライン17からの送入のための差圧を保持するために設けられるが、このオリフィス型抵抗器18に代えて、差圧調整弁等を設けてもよく、或いは液相送入ライン16とガス相送入ライン17の分岐部に三方弁を設置し、その三方弁の切換でオリフィス型抵抗器18と圧力調整弁19の機能を持たせるようにしてもよい。
【0037】
噴射ノズル20は、噴霧状(液滴径を小径)にし、ガスとの接触面積を大きくするとともに適切な落下距離を液面との間に取るように、クッションタンク12の高さを決め、また液面25での凝縮吸収を早くするために、散布された液滴が広く液面に落下するようにスプレーするように小孔からなる噴射ノズル20とする。
【0038】
ガス相12Gのガスを吸収させる方法は、上述した方法とは逆に、送入液を液面に向かって噴流させ、液面に過冷却状態の液を送り、その冷熱でガス相12Gのガスを吸収させる方法でもよい。この場合、液相送入ライン16のノズル20の位置と液面の距離及び液面の面積が重要となる。高さの高いタンク12では、ノズル位置を可変にするか複数のノズルを設置する必要がある。
【0039】
ポンプ11の運転中、クッションタンク12からは、需要に見合った量の液が液払出ライン29からガス供給ライン34にて需要者に供給され、余剰の液がクッションタンク12に貯えられる。クッションタンク12の液面25が所定のレベルに到達したことを液面計26が検知したならば、その時点で液面計26の指示によりポンプ11を停止する。
【0040】
停止後は、クッションタンク12のガス相12Gの圧力により、タンク12から液が払出される。なお、この際ガスのポンプ11側への逆流を防止すべく遮断弁15を閉とする。
【0041】
液が送り出されるに従い、タンク圧力が低下するので、タンク12の液を加圧ライン30の加圧調整弁32で調整しながら加圧器31に導入し、蒸発させてタンク12の圧力を需要供給圧に維持する。
【0042】
この場合、送出方法の切替時に送出圧力の変動を小さくし、需要者への流量の変動を少なくするために、加圧ライン30の加圧調整弁32が作動するまで、圧力が大きく低下しないように、タンク12のガス相の体積を適切な値にすることが必要である。
【0043】
この適切な体積は、概略次の式で与えられる以上の容量にすればよい。
【0044】
V > Vd × t/2 × P/(Po −P) + Vd × T … (1)
V > Vd × T/0.9 … (2)
(1)と(2) 式のいずれか大きいVとする。
但し、V :クッションタンクの内容積 [m3]
Vd :需要側への送出量 [m3/sec]
t :加圧調整弁が作動し加圧器が機能するまでの時間[sec]
P :送出圧力下限値 [MPa]
Po :ポンプ停止時のタンク圧力[MPa]
T :ポンプ停止後クッションタンク単独で送出可能な時間[sec]
である。
【0045】
上記(1) 式よりPo −P(差圧)を小さくするようなクッションタンクの内容積(液相の容量とガス相の容積)にすることにより、送出液量の瞬時の変動幅を少なくすることができる。
【0046】
なお、加圧器31は、クッションタンク12内の液が低液面の場合でも、気化能力を十分発揮できるように加圧器31の上端が低液面近くになるように設置して、液を充分に導入できるようにする。
【0047】
ポンプ11の吐出側14に接続したミニマムフローライン37は、通常使用しないが、起動運転、待機運転、試運転、緊急運転などに使用する。
【0048】
すなわち、ポンプ11が停止され、クッションタンク12を加圧して貯蔵液を払出し、クッションタンク12内の貯蔵液が所定量以下になったとき、ポンプ11が起動される際に、ポンプ11が安定するまで、差圧調整弁40にてミニマムフロー調整弁41を開いて、吐出液を貯蔵タンク10側に戻し、その間は、クッションタンク12のガス圧による払出を行い、ポンプ11が100%の運転状態になったならば、ミニマムフロー調整弁41を閉じるように制御する。
【0049】
また、ミニマムフローライン37から、貯蔵液を戻す際、貯蔵タンク10内のガス相が高いときは、上部ライン37Tから戻して、タンク10内を落圧し、低いときには下部ライン37Bから戻して、貯蔵タンク10の圧力を調節する。
【0050】
次に、より具体的な例として、ガスタービン発電用の燃料ガスを供給するLNGサテライト基地のケースについて説明する。
【0051】
ガス需要は、2m3 /h、供給圧力2MPaとる。ポンプの性能は、5m3 /hで100%運転とする。
【0052】
ガスタービンの安定した発電をするために、流量を97%以上維持するようにする。
【0053】
このために圧力低下(P/Po )を95%以下にならないようにする。
【0054】
クッションタンク12の容量;
上記(1) 式と(2) 式から下記のデータのケースについてクッションタンク12の容量、寸法を決める。
【0055】
V1 :(1) 式から求めたクッションタンクの内容積[m3 ] 3.03
V2 :(2) 式から求めたクッションタンクの内容積[m3 ] 3.33
Vp :ポンプ吐出量 [m3/sec] 0.00139
Vd :需要側の送出量 [m3/sec] (2/3600)≒0.00056
t :加圧調整弁が作動し加圧器が機能するまでの時間[sec] 5.0
P :送出圧力下限値 [MPa] 2.1
Po :ポンプ停止時のタンク圧力[MPa] 2.2
T :ポンプ停止後クッションタンク単独で
送出可能な時間[sec] 5,400
上記のケースでは、V2 >V1 なので、クッションタンクの内容積は3.33[m3 ]、V2 を容積とした場合の圧力変動は、99.6%となり、この場合タンク容量は、圧力変動に対して十分である。
【0056】
クッションタンク12が上記の体積の場合のポンプ運転時間Tp は、1.0hとなり、ポンプにとってこの停止であれば起動、停止を繰り返しても電動機に悪影響を及ぼさない。また再起動時の過電流による電気の損失も少なくなる。
【0057】
クッションタンクのサイズ;
直径 1.2 m
垂直部高さ 2.55m
断熱 有
運転;
LNG貯蔵タンク10からポンプ11で昇圧された、LNGは、オリフィス型抵抗器18を通ってクッションタンク12に導入され、液払出ライン29から気化器33に送られて気化し、ガス圧調整弁36により、送出圧力が調整されて必要量が需要者に供給される。
【0058】
最初の起動時、クッションタンク12が設定下限値(2.1MPa)よりも低圧で有れば、ミニマムフロー調節弁41は閉となり、LNGは、液相送入ライン16からノズル21にてクッションタンク12に導入し、クッションタンク12の圧力が下限値以上になるまでは、需要者側へは供給されない。クッションタンクに流入したLNGは、同時に加圧器31にも導入され、LNGを急速に気化してクッションタンク12の圧力を上昇させる。
【0059】
クッションタンク12内の圧力が、需要者に供給可能な圧力(下限値圧力)以上になると、LNGが液払出ライン29より気化器33に流入して気化され、ガス供給ライン34から需要者に供給される。この間、需要者側の圧力が高い場合は、気化器33の出口の逆止弁35で逆流を防止する。
【0060】
クッションタンク12の圧力が下限圧力以下では、加圧器31の加圧調整弁32は開となっていて、気化ガスをクッションタンク12に挿入し、下限圧力を越えると加圧調整弁32が閉となり、昇圧ガスの供給を停止する。LNGの流入によりクッションタンク12のガス相12Gが圧縮され、更に昇圧を続けて、上限圧力(2.2MPa)に達すると、ガス相送入ライン17の圧力調整弁19が開となり、クッションタンク12のガス相12GにLNGを噴射ノズル20からスプレーしてガスを吸収することにより、圧力上昇を防止する。
【0061】
圧力調整弁19と圧力調節計27により制御され、一定圧力が保持できるように噴射ノズル20へのLNGの供給量を調整する。この結果、流量が変動することなく安定した需要者へのガス供給が行える。
【0062】
このような操作ができるのは、LNGサテライト基地のLNG貯蔵タンク10内の貯蔵液の飽和温度が−145℃前後(飽和圧力約0.3MPa)であり、一方、送出LNGの圧力が高く(2.2MPa)、その飽和温度が約−103℃であり、この液と平衡状態にあるガスをポンプ11からの過冷却の液(−145℃)で吸収することができるためである。
【0063】
クッションタンク12のガス相12Gを2.2MPaに加圧する場合、これと接する液面25は約−103℃となっているので、ポンプ11からのLNGの密度より約10%程度軽くなっている。このため下部のノズル21から入るLNGは、邪魔板24で、噴出流が液面25に到達しないようにすれば、クッションタンク12の下部に溜まることになり加圧ガスの液への溶け込みが防止できるので、少量のガスで容易に加圧することができる。従って、圧力制御も迅速に行え、かつ加圧器31の容量も比較的小型でよいものとすることができる。
【0064】
クッションタンク12の液面25が上昇して上限位置に到達した時点で、液面計26の信号によりポンプ11を停止する。
【0065】
ポンプ11の停止直後は、クッションタンク12に貯まっているガスの膨張でクッションタンク12内の液を気化器33側に押し出し、連続的に需要者にLNGを供給することができる。
【0066】
液が膨張して徐々に圧力が低下して下限値に到達した時点で、加圧調整弁32が開き、加圧器31内にLNGをクッションタンク12の圧力の降下度に対応して、LNG量を調節しつつ気化させ、圧力を一定に保持する。
【0067】
この加圧調整弁32は、下限圧力2.1MPaで開き始め、オフセットが10%あるので、この場合の送出圧力は、約1.9MPaとなる。この状態で一定圧力で、約1.5時間安定した流量でLNGを送出することができる。
【0068】
クッションタンク12をガスで加圧した時にポンプ11側への逆流は、ポンプ11の吐出側14に設けた遮断弁15(或いは逆止弁でもよい)で阻止する。この遮断弁15は、液面計26でポンプ11が停止されるのに連動して開から閉になるようにする。
【0069】
クッションタンク12の液面25が、下限位置に達した時に、液面計26の下限値の信号でポンプ11を自動起動する。
【0070】
ポンプ11は正常な性能を発揮するまでに約30秒必要なので、起動信号発信後も数分間以上ガス圧力で送出できるように液面25の下限値を決めておく。
【0071】
ポンプ11の起動を円滑に行うために、起動時の加圧液は、ミニマムフローライン37のミニマムフロー調節弁41により全量貯蔵タンク10に返送する。
【0072】
ポンプ11の流量と揚程を調節計40で測定し、それらの値が設計値付近に達した時点で、調節計40の信号によりミニマムフロー調節弁41は徐々に自動的に閉となり、加圧液は、クッションタンク12へ、クッションタンク12から気化器33に送出される。
【0073】
但し、ポンプ11の流量が、予め設定したミニマム流量値よりも低くなる場合は、調節計40によりミニマム流量になるようにミニマムフロー調節弁41で自動的に調節する。
【0074】
運転中に、何らかの原因で流量がミニマム流量以下に低減する場合にも、ミニマムフロー調節弁41は自動的に作動してミニマム流量を維持しポンプの安全な運転が継続される。
【0075】
LNG貯蔵タンク10へのポンプ11からのミニマムフローとしての返送は、ポンプの起動時のみであるので、その熱量は非常に少なく、この場合の入熱量は次のようになる。
【0076】
上記のポンプを100m3 のLNG貯蔵タンクに設置し、タンク内液の貯蔵量が50%の時の貯蔵液の平均エンタルピーの上昇を求めると以下のようになる。
【0077】
貯蔵日数 D 3
エンタルピー上昇 kcal/kg 3.0
飽和圧力の上昇 mmAq/3D 7,409
通常、貯蔵タンクの使用圧力は、約0.3MPaで、設計圧力は0.4〜0.98MPaであるので、上記の飽和圧力の上昇は殆ど問題にならない。またタンクの設計圧力を低くしてコストダウンが可能な場合には、さらに有利になる。これは200m3以上の容量のタンクを設備する場合にも有利である。
【0078】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、需要者への払出量より大きい容量の遠心型ポンプ(高圧、小容量)を使用して、貯蔵液を連続して払出す際に、余剰分をクッションタンクに一時的に貯め、満液となったときポンプを停止して、クッションタンクから払出すことで、ポンプのミニマムフロー運転による貯蔵タンクのエンタルピーの上昇を防止しつつ需要側に安定した払出が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】図1のクッションタンクの一部破断要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 貯蔵タンク
11 ポンプ
12 クッションタンク
29 液払出ライン
Claims (3)
- 貯蔵タンク内の低温の貯蔵液を小容量、高圧で、連続して払出すに際して、貯蔵タンクの貯蔵液を需要側に払出すポンプの吐出側にクッションタンクを接続し、ポンプからの貯蔵液を液相送入ラインを介してクッションタンクの底部、又はガス相送入ラインを介してクッションタンクの頂部のいずれかに供給し、クッションタンク内の圧力を需要側への送出圧力に保ちつつクッションタンク内の貯蔵液を需要側に払い出すと共に需要払出量を越える余分な量の貯蔵液をクッションタンク内に一時的に貯蔵し、そのクッションタンク内の貯蔵液が満液になったとき上記ポンプを停止し、上記クッションタンク内の貯蔵液を加圧器に導入して加熱蒸発させると共にその蒸発ガスを加圧調整弁を介してクッションタンクの頂部に供給してクッションタンク内の圧力を送出圧力以上にして貯蔵液をクッションタンクから需要側に払出し、クッションタンク内の貯蔵液量が所定量以下となったとき、上記ポンプを起動してクッションタンクから需要側に貯蔵液を払出すと共に余分な量の貯蔵液をクッションタンクに貯蔵することを特徴とする低温液の小容量・高圧払出方法。
- クッションタンクの容量は、ポンプ停止後1.5時間、クッションタンク内の貯蔵液を需要側に払い出せる容量以上に設定する請求項1記載の低温液の小容量・高圧払出方法。
- ポンプの吐出側に払出液を貯蔵タンクに戻すミニマムフローラインを設け、ポンプの起動直後は、ポンプからの液をミニマムフローラインを介して戻し、その間、クッションタンクのガス圧で、需要側にクッションタンク内の液を払出し、その後、ポンプからの払出液をクッションタンクに導入すると共にクッションタンクから需要側に液を払出す請求項1又は2記載の低温液の小容量・高圧払出方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2001122976A JP4949564B2 (ja) | 2001-04-20 | 2001-04-20 | 低温液の小容量・高圧払出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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