以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施例を詳述するに当って、本発明を適用するディスプレイ装置の1例としてのプラズマディスプレイ装置を示す略断面図である。図2は図1のプラズマディスプレイ装置の支持装置を取り除いた斜視図である。
図1及び図2において、プラズマディスプレイ装置10は、支持装置(スタンド)11と、対向する一対のガラス基板12,14と、一方のガラス基板12に両面接着シート15によって取り付けられたシャーシ13とからなる。対向する一対のガラス基板12,14はプラズマディスプレイパネルを構成する。
図3は電極16,18を有する第1及び第2のガラス基板12,14及びシャーシ13を示す略斜視図である。図4はプラズマディスプレイ装置の一部の断面図である。図5はプラズマディスプレイ装置の電極及び駆動回路を示す図である。図3から図5において、ガラス基板12は複数の互いに平行なアドレス電極16を有し、ガラス基板14はアドレス電極16と直交する方向に延びる複数の互いに平行な維持放電電極18を有する。電極16,18は互いに直交するように配置されている。図示しない環状壁が第1及び第2のガラス基板12,14の間においてこれらのガラス基板12,14の外周部に配置され、隔壁37がアドレス電極16と平行に隣接する2つのアドレス電極16の間に形成される。隔壁37及び環状壁は第1及び第2のガラス基板12,14を互いに固定する。
図5に示されるように、維持放電電極18は交互に配置されたX電極18xとY電極18yとを含む。つまり、維持放電電極18は、上から順番に、1番目のX電極18x、1番目のY電極18y、2番目のX電極18x、2番目のY電極18y、3番目のX電極18x、3番目のY電極18y、4番目のX電極18x、4番目のY電極18y等を含む。
アドレス電極16及び維持放電電極18に駆動電圧を供給するための駆動回路がシャーシ13に設けられる。駆動回路は、アドレスパルス発生回路22と、X電極維持パルス発生回路24,26と、Y電極維持パルス発生回路28,30と、走査回路32とを含み、これらの回路は、電源回路34に接続される。アドレスパルス発生回路22はアドレス電極16に駆動パルスを供給する。奇数X電極維持パルス発生回路24は奇数番目のX電極18xに駆動パルスを供給し、偶数X電極維持パルス発生回路26は偶数番目のX電極18xに駆動パルスを供給する。Y電極維持パルス発生回路28,30は走査回路32を介してY電極18yに駆動パルスを供給する。
図4において、このプラズマディスプレイ装置10では、ガラス基板14側が表示側となる。表示セルは隣接するX電極18xとY電極18yとの間に形成される。1つの表示セルにおいては、アドレス電極16とY電極18yとの間に高い書き込み電圧パルスを印加して放電により種火(プライミング)を生成し、それから、X電極18xとY電極18yとの間に維持放電電圧パルスを印加して放電を持続させ、表示セルを発光させる。図4のCはX電極18xとY電極18yとの間で放電が生じていることを示す。
図2は図5の駆動回路を有する回路基板を示している。回路基板36はアドレスパルス発生回路22を有し、かつ、アドレスバス基板38及びフレキシブルプリント板40を介してアドレス電極16に接続される。フレキシブルプリント板40は後述するドライバICチップ58とともにアドレス用のドライバICモジュール60を構成する。回路基板42はX電極維持パルス発生回路24,26を有し、かつ、維持放電バス基板44及びフレキシブルプリント板46を介してX電極18xに接続される。回路基板48はY電極維持パルス発生回路28,30を有し、かつ、維持放電バス基板50及びフレキシブルプリント板52を介してY電極18yに接続される。走査回路32を構成するドライバICチップ32Xはフレキシブルプリント板52に取り付けられ、走査用のドライバICモジュールを構成する。回路基板54は電源回路34を有する。
図6は本発明の第1実施例を示すものであり、図2のアドレスバス基板38とアドレス電極16との間に配置されるドライバICモジュール60を示す図である。図7は図6のドライバICモジュール60を含むプラズマディスプレイ装置10の一部を詳細に示す断面図である。図6及び図7において、ドライバICモジュール60は、フレキシブルプリント板40と、複数のドライバICチップ58と、保護板66と、高熱伝導性の樹脂シート68とを含む。さらに、この実施例には、背面板70が設けられる。
ドライバICチップ58はアドレスパルス発生回路22の制御の下でアドレス電極16に高い電圧を供給するオンオフするスイッチの作用を行うものである。ドライバICチップ58は高電圧で大電流のパルスを出力するので、ドライバICチップ58は熱を発生する。従って、ドライバICチップ58の発生する熱を放熱する放熱構造を備える必要がある。
図8はディスプレイ装置用ドライバICモジュール60の組み立て工程を示す図である。図8(A)はドライバICチップ58をフレキシブルプリント板40にフリップチップ構造で搭載する工程を示す図である。ドライバICチップ58は回路が形成されその出力端子に突起電極58aが形成された第1の表面58bと、第1の表面58bの反対側の回路が形成されていない第2の表面58cとを有する。突起電極58aはドライバICチップ58の接続用パッド(出力端子)に金メッキを施し、約10μmの高さのバンプを形成したものである。
フレキシブルプリント板40はポリイミド等の樹脂の基板40aと、基板40a上に形成された銅の配線40bと、配線40bを覆うカバーフィルム40cとを有する。銅の配線40bの表面には錫メッキが施されている。ドライバICチップ58をフレキシブルプリント板40に搭載する際に、カバーフィルム40cの一部が除去され、ドライバICチップ58の突起電極58aが露出したフレキシブルプリント板40の配線40bにフリップチップ構造によりボンディングされる。樹脂の基板40aは除去又は切断されない。突起電極58aと配線40bとを接触した状態で300℃以上に加熱すると、金と錫の合金が形成され、接着する。この接続構造は、優れた電気的な接続を提供するが、機械的な強度が弱い。そこで、樹脂62が電気接続部を覆うようにフレキシブルプリント板40の上及びドライバICチップ58のまわりに充填され、機械的な補強及び水分等に対する保護を達成する。
さらに、図6に示されるように、フレキシブルプリント板40は、一端部にアドレス電極16との第1の接続端子部40dを有し、他端部にアドレスバス基板38との第2の接続端子部40eを有する。図7に示されるように、第1の接続端子部40dはアドレス電極16に接続され、第2の接続端子部40eはアドレスバス基板38にコネクタ64により接続される。65は第2の接続端子部40eの端子補強板である。フレキシブルプリント板40の中間部に搭載されたドライバICチップ58は第1の接続端子部40dと第2の接続端子部40eとの間においてシャーシ13に向き合う位置に配置される。
図6及び図7に示されるように、保護板66はエポキシ等の樹脂材料、アルミニウム等の金属で作られ、フレキシブルプリント板40のドライバICチップ58が搭載された側に接着剤により取り付けられる。保護板66は開口部66aを有する。開口部66aは周囲壁66bによって規定される。保護板66をフレキシブルプリント板40に取り付けたときに、ドライバICチップ58は開口部66aに入り、周囲壁66bによって包囲される。また、保護板66はねじ挿入穴66cを有する。
高い熱伝導性を有する樹脂シート68はドライバICチップ58の第2の表面58cに接触した状態で保護板66の開口部66aに配置される。図6では、1つの樹脂シート68は破断して示されており、樹脂シート68の下の開口部66a及びドライバICチップ58が見えるようにしている。樹脂シート68を取り付けた後は、ドライバICチップ58は樹脂シート68で覆われる。樹脂シート68は樹脂材料とセラミック等の高い熱伝導性を有する材料とを混合してある。
図8(B)は保護板66がフレキシブルプリント板40に取り付けられ、樹脂シート68が保護板66の開口部66aに配置されたところを示す。実施例においては、保護板66の開口部66a及び樹脂シート68の形状は矩形であり、樹脂シート68は保護板66の開口部66aの周囲壁66bとの摩擦により保護板66に保持される。しかし、樹脂シート68は接着剤によりドライバICチップ58に固定されるようにしてもよい。
保護板66の厚さはフレキシブルプリント板40に搭載されたドライバICチップ58の高さよりも高く、且つフレキシブルプリント板40に搭載されたドライバICチップ58に接触している樹脂シート68の高さよりも低い。例えば、保護板66の厚さはフレキシブルプリント板40の表面からドライバICチップ58の第2の表面58cまでの距離に0.2mmを加えた値である。一方、樹脂シート68の厚さは約0.4mm程度である。従って、樹脂シート68の一部は保護板66の開口部66a内に挿入され、樹脂シート68の他の一部は保護板66の表面から外に突出している。樹脂シート68が保護板66の開口部66aに配置されたときに、開口部66aの内部において周囲壁66bとドライバICチップ58との間に空間が形成される。
背面板70は、例えば厚さ2mmアルニウム等の金属で作られ、フレキシブルプリント板40のドライバICチップ58が搭載された側とは反対側に接着剤により取り付けられる。この状態が図8(C)に示される。このようにして、フレキシブルプリント板40と、複数のドライバICチップ58と、保護板66と、樹脂シート68と、背面板70とが一体化されてなるドライバICモジュール60が形成される。
カラー表示のプラズマディスプレイ装置10は約3000個のアドレス電極16を含み、各ドライバICチップ58は128個のアドレス電極16を制御する。従って、24個のドライバICチップ58がガラス基板12の一辺に沿って一列に設けられる。図6に示すドライバICモジュール60は3個のドライバICチップ58を含んでいる。各ドライバICモジュール60は3個以上のドライバICチップ58を含むようにすることができる。
背面板70及びフレキシブルプリント板40は保護板66のねじ挿入穴66cと整列するねじ挿入穴を有する。ドライバICモジュール60をシャーシ13に搭載する際には、フレキシブルプリント板40の第1の接続端子部40dをアドレス電極16に接続し、第2の接続端子部40eをアドレスバス基板38に接続し、そしてねじ72をねじ挿入穴66c及びそれと整列したねじ挿入穴に通し、シャーシ13に設けられたねじ穴(図示さず)に螺着する(図7)。
背面板70はねじ72で押さえつけられ、ドライバICモジュール60をシャーシ13に固定する。背面板70はねじ72を介してシャーシ13と同じ電位になる。シャーシ13はグランド電位であるので、背面板70もグランド電位になる。その結果、ドライバICチップ58が発生する電磁ノイズが外部へ洩れるのが防止される。また、シャーシ13と保護板66とによって容器が形成されるので、ドライバICチップ58が発生する電磁ノイズがシャーシ13側へ洩れるのも防止される。従って、この実施例では、電磁ノイズを防止することができるという効果もある。しかし、電磁ノイズを防止する必要がない場合には、背面板70は金属以外の材料、例えば絶縁性の樹脂材料によって形成されることもできる。
ドライバICチップ58がシャーシ13に向かって押しつけられたときに、ドライバICチップ58の第2の表面58cが樹脂シート68を介してシャーシ13に押しつけられる。一般に、ドライバICチップ58の第2の表面58cは円滑ではなく、シャーシ13の表面も円滑ではない。ドライバICチップ58の第2の表面58cとシャーシ13とを直に接触させた場合、両者間には微小な隙間が生じ、良好な熱伝達が達成されない。樹脂シート68がドライバICチップ58の第2の表面58cとシャーシ13との間に配置されていると、ドライバICチップ58がシャーシ13に向かって押しつけられたときに、樹脂シート68が変形しながらドライバICチップ58の第2の表面58cとシャーシ13との間の微小な隙間を埋めていき、ドライバICチップ58の第2の表面58cはシャーシ13に熱的に密着する。こうして、ドライバICチップ58の第2の表面58cから樹脂シート68を介してシャーシ13への熱伝達経路が形成され、ドライバICチップ58が発生する熱を有効にシャーシ13へ導くことができる。例えば、樹脂シート68の熱伝導率は4W/mKであり、ドライバICチップ58とシャーシ13との間にギャップが約0.2mmであるので、樹脂シート68は十分に小さい熱抵抗をもつ。
このように、高熱伝導性の樹脂シート68はドライバICチップ58の発生する熱を効率よくシャーシ13に逃がすことができる。シャーシ13は十分に大きな面積を有し、ヒートシンクとして作用する。樹脂シート68は開口部66a内に収まっているので、取り扱い性がよい。さらに、ドライバICチップ58が樹脂シート68で覆われているので、ドライバICチップ58の第2の表面58cが露出しなくなり、指や道具がドライバICチップ58に直接に触れることがなくなる。
特に、ドライバICチップ58を構成する半導体材料(例えばシリコン)は割れやすく、損傷しやすい。従って、例えば図8(A)に示されるように、ドライバICチップ58の第2の表面58cが露出した状態でハンドリングすると、露出しているドライバICチップ58の第2の表面58c(特に角部)が指や道具に当たって損傷しやすい。本発明においては、ドライバICチップ58の第2の表面58cが保護板66よりも低い位置にあるために、樹脂シート68がない状態であっても、指又は道具がドライバICチップ58の第2の表面58c(特に角部)に不意に接触する可能性が低下する。従って、保護板66はドライバICチップ58を保護する機能を有する。さらに、樹脂シート68を設けたドライバICモジュール60をハンドリングや輸送する場合には、ドライバICチップ58は樹脂シート68で覆われているので、損傷する可能性は低い。また、複数のドライバICチップ58が組み込まれているドライバICモジュール60のハンドリングは簡単且つ便利である。
また、図7に示されるように、樹脂シート68がある程度変形した後は保護板66の表面がシャーシ13の表面に当接するため、樹脂シート68が過度に圧縮されて、樹脂シート68のドライバICチップ58の角部に位置する部分にかかる応力が緩和される。樹脂シート68の一部は変形して保護板66の開口部66aの内部の空間に入り込む。
背面板70がない場合、フレキシブルプリント板40は可撓性があるので、フレキシブルプリント板40をシャーシ13に向かって押しつけにくい。背面板70はその押しつけ力を提供することができる。また、背面板70は電磁遮蔽効果をもつようになり、ドライバICチップ58が発生したノイズを有効に遮蔽する。しかし、背面板70は金属以外の材料で構成することもできる。
図9及び図10はディスプレイ装置用ドライバICモジュールの比較例を示す図である。図9は保護板66及び樹脂シート68がない場合を示す。図8(A)の場合と同様に、ドライバICチップ58は、フレキシブルプリント板40にフリップチップ構造で搭載され、第1の表面58bの突起電極58aがフレキシブルプリント板40の配線40bに接続され、ドライバICチップ58の第2の表面58cが外に向いている。本発明のように保護板66を用いない場合には、広い面積を有する樹脂シート74がシャーシ13に接着されていて、ドライバICチップ58の第2の表面58cが樹脂シート74に接着される。こうすれば、ドライバICチップ58が発生する熱を樹脂シート74を介してシャーシ13に伝達し、放熱することができる。しかし、高熱伝導性を有する樹脂シート74では、熱伝導性を確保すると接着力は弱くなる。そこで、ドライバICチップ58は樹脂シート74が大きく変形するほどの力でシャーシ13に向かって押しつけられなければならない。樹脂シート74が大きく変形するとドライバICチップ58の第2の表面58cの角部に応力がかかり、ドライバICチップ58が損傷しやすくなる。また、ドライバICチップ58は第2の表面58cが露出した状態でハンドリングされなければならない。
図10でも、ドライバICチップ58はフリップチップ構造でフレキシブルプリント板40に搭載されている。広い面積を有する樹脂シート74がシャーシ13に接着されている。図10では、フレキシブルプリント板40がシャーシ13に取り付けられ、ドライバICチップ58の第2の表面58cが外部へ露出している。この場合、フレキシブルプリント板40の基板40aは熱伝導性が低いので、ドライバICチップ58の発生する熱は効率よくシャーシ13に伝達されない。また、図10の構成の場合、ドライバICチップ58の第2の表面58cにフィンを有するヒートシンクを取り付けることが考えられる。しかし、そのようなヒートシンクを取り付けるとプラズマディスプレイ装置10の全体の厚さが大きくなり、好ましくない。
図11は本発明の第2実施例によるプラズマディスプレイ装置のドライバICモジュールを示す斜視図である。図12は図11のドライバICモジュールを含むプラズマディスプレイ装置の一部を詳細に示す断面図である。この実施例は、前の実施例と類似しているが、前面板76が保護板66の上に取り付けられている点において前の実施例とは異なっている。フレキシブルプリント板40と、複数のドライバICチップ58と、保護板66と、樹脂シート68と、背面板70と、前面板76とが一体化されてなるドライバICモジュール60が形成される。
保護板66と背面板70は接着剤でフレキシブルプリント板40に固定され、サブアッセンブリを形成する。前面板76の外周形状は保護板66と概略同じ形状を有し、保護板66に重ねられる。保護板66及び背面板70は上記したねじ挿入穴66c等を有し、さらに2つの貫通穴を有する。前面板76はねじ挿入穴66cに対応するねじ挿入穴及び貫通穴に対応するねじ穴76aを有する。従って、ねじを保護板66及び背面板70に通し、前面板76のねじ穴76aに螺合させることにより、前面板76をサブアッセンブリに一体化し、ドライバICモジュール60を完成する。ねじは前面板76を貫通しないようにする。
ドライバICモジュール60において、樹脂シート68はある程度変形してドライバICチップ58と前面板76との間に位置する。それから、ねじ72により、ドライバICモジュール60をシャーシ13に取り付けることができる。取り付け後には、前面板76は保護板66とシャーシ13との間に位置する。
ドライバICチップ58が発生する熱は、樹脂シート68及び前面板76を介してシャーシ13へ伝達される。前面板76は背面板70と同様にアルミニウム等の金属材料で作られており、完全に金属材料で覆われた外壁をもつドライバICモジュール60を形成する。従って、ドライバICモジュール60はハンドリングしやすいものとなる。
さらに、前の実施例では、多数の樹脂シート68がシャーシ13に接触していたので、樹脂シート68とシャーシ13との界面の状態をバラツキなく保つことが難しい。この実施例では、デリケートな接触を行う樹脂シート68を前もってモジュール単位で製作するため、ドライバICチップ58と樹脂シート68と前面板76との熱的な結合がバラツキなく良好に保たれる。さらに、ドライバICモジュール60を形成する前面板76と背面板70とが金属材料で作られているので、ノイズ遮断性能が向上する。そのため、保護板66はアルミニウム等の金属材料かまたは、例えば絶縁性の樹脂材料によって形成することができる。保護板66を絶縁性の樹脂材料によって形成すると、絶縁のための距離や間隔を気にすることなく保護板66を設計することができ、より高密度の部品の実装に対応することができる。
図13は本発明の第3実施例によるプラズマディスプレイ装置のドライバICモジュールを示す斜視図である。図14は図13のプラズマディスプレイ装置の斜視図である。図15は図13のドライバICモジュールを含むプラズマディスプレイ装置の一部を詳細に示す断面図である。この実施例は、第2実施例と類似しているが、背面板70が省略されている点において第2実施例とは異なっている。従って、ドライバICモジュール60は、フレキシブルプリント板40と、複数のドライバICチップ58と、保護板66と、樹脂シート68と、前面板76とが一体化されてなる。そして、前面板76は保護板66に接着剤によって固定されている。
図14に示されるように、シャーシ13の長辺の長さとほぼ同じ長さを有するドライバICモジュール固定用板78が、全てのドライバICモジュール60をシャーシ13に固定するようになっている。固定用板78は前の実施例の背面板70と同様にフレキシブルプリント板40の外側に配置され、背面板70と同様にフレキシブルプリント板40をシャーシ13に向かって押しつける作用をする。しかし、固定用板78はドライバICモジュール60に組み込まれたものではない。ねじ80がねじ挿入穴66cを貫通してシャーシ13のねじ穴に螺合されることによって、固定用板78はドライバICモジュール60をシャーシ13に固定する。
この実施例の作用は第2実施例の作用と同じである。しかし、1個の固定用板78が全てのドライバICモジュール60をシャーシ13に固定することができるので、構成部品数を低減することができる。なお、固定用板78を幾つかに分割することができる。あるいは、固定用板78をドライバICモジュール60毎に設けることもできる。この場合でも、固定用板78はドライバICモジュール60の構成部品ではなく、ドライバICモジュール60をシャーシ13に固定するためのものである。
図16は本発明の第4実施例によるプラズマディスプレイ装置のドライバICモジュールの基本的な構成例を示し、(A),(C)は平面図、(B),(D)は(A),(C)の断面図である。ICチップ58は、フェースダウン工法であるフリップチップ実装としてのギャングボンディングの手法によりフレキシブル配線基板40に接続されている。
このフリップチップ実装の接続方法では、ICチップ58の複数の端子に設けた金バンプと、対応するフレキシブル配線基板40の金メッキされた銅箔パターンとの間をACF(異方性導電テープ)により一括して同時に熱圧着接続する手法や、フレキシブル配線基板40の錫メッキされた銅箔パターンとの間を同様に一括して熱圧着することにより、接続部に金と錫の共晶合金を作るプロセスによる金錫共晶合金法が一般的に行われている。いずれにしても、フリップチップ実装は、多端子を一括して同時に接続する(ギャングボンディング)ため、作業のタクトタイムが短く生産効率を向上させることが可能であることから、低コスト化に向けた実装接続方法として採用されつつある。
これらギャングボンディングの接続部には、この金錫共晶合金法の場合のように、必要に応じて保護樹脂を塗布して周囲環境からの保護を図る処置を施す場合もある。
このようなICチップの実装接続方法は、各種の分野に様々な用途で適用可能なものであるが、特に、低コスト化が可能で大規模の量産性に優れている特徴を生かされて、フラットパネルディスプレイ装置のパネル電極を駆動するためのドライバICモジュール用の実装構造として適用が進められつつある。
対象となるフラットパネルディスプレイ装置としては、先に述べたPDPの他、LCDおよびEL等の各種のものがあるが、本願では、特に、PDP用のパネル電極を駆動するためのドライバICモジュールに適用する場合について詳細を述べるが、これ以外の用途に対しても適用可能なことは言うまでもない。
図16(A),(B)は、このようなドライバICモジュール60の例を示しており、3個のドライバICチップ58が、フレキシブル基板40に上述したフェースダウンのギャングボンディング工法により実装されている。
ICチップ58は、高さが約0.5mmのSi素子から成り、それぞれの電気的接続用のパッド端子には、高さ約10数μmの金バンプが予め形成されている。
フレキシブル基板40は、ポリイミド製のベースフィルム上に銅箔パターンが形成され、カバーレイフィルムまたはレジスト材で表面を絶縁されて柔軟性のある基板として構成されており、3個のICチップ58が所定間隔を保ってギャングボンディングにより接続搭載されている。
フレキシブル基板40には、外部からの制御信号を受ける入力端子40eとドライバIC58からの駆動電圧を出力する出力端子40dとが設けられており、入力端子40eはディスプレイ装置内のアドレスバス基板38に接続され、出力端子40dはプラズマディスプレイパネルのアドレス電極16に接続される形で組み込まれる。
また、フレキシブル基板40の材料としては、定尺サイズの個辺形態で製造されるものや、連続したテープ形態で製造されるもの、その他、特に図示はしないが、デバイスホールを設けてあるTABテープを用いて、このデバイスホール上にICチップ58をフェースダウン工法により実装するTAB実装のものに対しても適用可能である。
板状の保護部材166が、フレキシブル配線基板40上のドライバICチップ58の搭載エリア以外の部分に、ICチップ58の2辺に隣接して、ICチップ58を保護するために取り付けられている。保護部材166は複数の小さな板状の材料からなり、ICチップ58を結ぶ線上に並べられている。
保護部材166は、厚さをドライバICチップ58と同じかそれより若干厚めに例えば0.7mm程度とし、材料はフレキシブル基板40より硬めの材料で、例えばガラスエポキシ板等の樹脂板やアルミ板等の金属板で作製し、各ICチップ58に近接させた形でフレキシブル基板上に貼り付けるようにしてある。
このような保護部材166の存在により、例えば、ドライバICモジュール60を人間が手でハンドリングする場合においては、フレキシブル基板40より厚めで硬さのある保護部材166を掴むようにすることにより、直接ICチップ58に触ることなく安定して取り扱えるようになり、触手によるICチップ58自身への汚れの付着や傷、欠け等欠陥の発生を防ぐことが可能となる。
また、自動機の吸着ノズルによるハンドリングの場合においても、硬さのある保護部材166の存在により、この保護部材166に対して安定、確実に吸着することが可能となり、吸着ノズルがICチップ58に接触すること等によるICチップ58自身への傷、欠け等欠陥の発生を防ぐことが可能となる。
さらに、フレキシブル基板40の材料として、薄めのフレキシブル基板40を使用した場合にはこのフレキシブル基板40自身を補強する役割をも果たす。あるいは、銅箔表面の絶縁膜として、カバーフィルムではなくレジスト材を塗布したレジスト膜タイプのフレキシブル基板40に対しては、レジスト膜自体の厚みに制限があることや、ある確率で微小ピンホール等の欠陥が避けられない等の特質があり、このような場合、絶縁性の保護部材166を使用することによりレジスト膜の欠陥に対する絶縁強化の目的をも果たすことが可能である。
保護部材166には、ディスプレイ装置側への取り付け用の穴や凸部を設けること等様々な加工を施すことも可能である。
図16(C),(D)は、図16(A),(B)の変形例を示しており、保護部材166のサイズを可能な限り小さくし、ICチップ58の近傍にのみ設けた構成を示している。フレキシブル基板40が厚手で硬めのものに対しては、このようにICチップ58の周辺に対してのみ保護部材166を設けることにより、同様にICチップ58を保護する効果がある。
図17(A),(B)は、図16(A),(B)のさらに異なる変形例を示しており、(A)は平面図、(B)は断面図である。この例はICチップ58の周辺を包囲する形で保護部材166を設けたものである。ICチップ58は、完全に回りを保護部材166により囲まれており、図16(C),(D)の場合よりも増して保護する効果は大きい。
図17(C),(D)は図16(A),(B)のドライバICモジュールの変形例を示し、(C)は平面図、(D)は断面図である。図16の例と同様に、保護部材166がフレキシブル基板40に設けられる。この場合、保護部材166は大きな1枚の板からなり、各ドライバICチップ58の周囲を完全に取り囲むようにフレキシブル基板40に貼り付けてある。保護部材166の幅はフレキシブル基板40の幅と略等しい。この変形例によれば、ドライバICチップ58の周囲が保護部材166により完全に取り囲まれており、様々な種類のハンドリングの際にもより安定、確実にICチップ58への傷、欠け等欠陥等の発生を防ぐと供に、フレキシブル基板40に対する保護もより強固にすることが可能となる。また、ICチップ58周辺での外部からの曲がりの力に強くなるため、ICチップ58の端子のギャングボンディング部に対する補強としての効果もある。
図18は図16のドライバICモジュールの変形例を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。前述の図16または図17で示した構成のものに対して、ICチップ58の背面にICチップ58をカバーするように樹脂部材168を配置したものである。この樹脂部材168と保護部材166により、ICチップ58はその周囲をほぼ全てカバーされ、外部からの機械力による損傷と汚れの付着や湿気の侵入等による汚染の問題をもほぼ完全に防ぐことが可能となる。
樹脂部材168の素材としては、保護部材166の開口部に液状のものを塗布した後硬化させるエポキシ樹脂のようなものや、硬化処理後に柔軟性を発現するゴム系のシリコーン樹脂のようなもの等各種を使用することが可能である。シリコーン樹脂系等のものでは、予めシート状に加工してあるタイプのものがあるが、このような場合、そのシート状のものをICチップ58が収納されている保護部材166の開口部のサイズに切断し、これを保護部材166の開口部に貼り付けるようにする。
また、ICチップ58に対する放熱性を重視する場合には、樹脂部材168に対してセラミック等の高熱伝導率の材料を樹脂中に混合することにより放熱性を高めたものを使用することも可能である。樹脂の厚みについては、任意であるが、柔軟性のあるシリコーン樹脂タイプのものやシート状のものでは、フレキシブル基板40上の保護部材166の高さを若干上回る程度に設定することにより、以下に述べるように金属製の放熱板等を樹脂表面に接触させるように溶着するか、貼り付けることにより、ICチップ58からの熱を樹脂を介して放熱板に逃げ易くし放熱性を向上させることも可能である。
図19は本発明の第5実施例によるプラズマディスプレイ装置のドライバICモジュールを示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。図20は図19のドライバICモジュールの変形例を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。図19及び図20において、放熱板176が保護部材166を覆って保護部材166に貼りつけられる。樹脂部材168はICチップ58を覆い、そして放熱板176によって覆われる。また、背面板170がフレキシブル基板40の背面側に取りつけられる。図19の保護部材166は図16の保護部材166と同様の形状を有し、図20の保護部材166は図17の保護部材166と同様の形状を有する。このようにして、ICチップに対する保護をさらに強化すると供に、ICチップ58からの発熱に対する熱放散能力を付加させた構造を提供するものである。放熱板176は保護部材166に対して接着樹脂等を用いて貼り合わすようにするが、この時、保護部材166の厚みはICチップ58の厚みより若干厚めに、例えば、ICチップ58の厚さ0.5mmに対して保護部材166の厚さは0.7mm程度に設定する。放熱板176は、例えばアルミ材等の金属製とし厚さは2mm程度に選んである。
放熱板176とICチップ58の背面との間隙に対しては、熱伝導性の高い樹脂部材168を挿入するようにすることにより、ICチップ58からの熱を放熱板176に伝え易くする。放熱板176の存在により、ICチップ58が完全にカバーされる形になり、機械的な損傷からの完全な保護のみならず、汚れの付着や湿気の侵入等の問題をもほぼ完全に防ぐことが可能となる。また、ICチップ58で発生した熱の放散能力が格段に良くなり、PDPのように大消費電力のドライバICモジュール60として最適な構造を実現できるものである。
さらに、放熱板176としての金属製のものを使用した場合には、電磁ノイズの発信源となり易いICチップ58を広いエリアで覆うようになるため、電磁ノイズの外部への漏れを防ぐ効果をも生み出す。
さらに、支持板170が、フレキシブル基板40のドライバICチップ58が搭載された面に対しての背面側に設けられ、フレキシブル基板40をも含めた保護、補強と全体を支持する機能を果す。支持板170は、ガラスエポキシ板等の樹脂板やアルミ板等の金属板で作製することができ、厚さは例えば2mm程度であり、接着樹脂を用いてフレキシブル基板40に貼り合せてもよいし、機械的に放熱板にネジ止めしても良い。
支持板170として金属製のものを使用した場合には、ICチップ58を放熱板176との間で完全に挟みこむ形になるため、電磁ノイズの外部への漏れをほぼ完全に防止できる効果がある。しかし、支持板170は、ドライバICモジュール60自身に対するハンドリングの程度や回数あるいは組み込まれるディスプレイ装置側の構造によっては必ずしも使用する必要はないし、電磁ノイズも問題がなければより軽量な樹脂板を使用する方が好ましい。また、特に図示しないが、セットへの取り付け用の穴として放熱板176から支持板170まで貫通した穴を設ける等の加工は、適宜可能である。
図21は図19のドライバICモジュールの変形例を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。この例では、保護部材166が、図20の例の保護部材166及び放熱板176を兼ねる構造になっており、部材削減によるコスト低減を図ったものである。保護部材166はアルミ材等の金属部材で形成されており、予めICチップサイズ(縦×横×厚み)を上回るサイズでICチップの搭載位置に合せた形で凹みを設けておく。そして、この保護部材166の凹み部に熱伝導性の樹脂部材168としての接着樹脂を塗布するか、または樹脂シートを入れ込んだり、さらにはICチップ背面上に塗布または接着させた後、ICチップ58および樹脂部材168を保護部材166の凹み部に収納するようにしてフレキシブル基板40に対して貼り合わせる。
図21の構造によれば、図19、図20のように放熱板176とは別体の保護部材166が不要であり、部材削減による低コスト化と放熱性能も良好なドライバICモジュールを実現できる。支持板170は、同様に樹脂板や金属板で構成するが、必ずしも使用する必要はなく、使用する場合には接着樹脂やネジ止めにより固定することができるし、ネジ止めの場合には接着樹脂を省いた形での組み立てが可能である。
図22は図19のドライバICモジュールの変形例を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。フレキシブル基板40には保護部材166を設けるとともにICチップ58を囲む空間を設け、放熱板176にもICチップ58を収納するための凹みを設けてある。この場合、保護部材166の厚みはICチップ58の厚さより薄く、例えば0.3mm程度に選んでフレキシブル基板40に貼り合わせてある。その結果、フレキシブル基板40上のICチップ58は、保護部材166より一部突き出た形になるが、この部分を放熱板176の凹み部に収納する形で放熱板176を貼り合わすものである。この構成によれば、保護部材166の厚みに合わせて放熱板176のICチップ収納部のサイズの最適化を施すことにより、ICチップ176の保護と放熱性の両面に対して最も適正化された望ましい構造を実現することが可能となる。
図23は本発明の第6実施例によるプラズマディスプレイ装置のドライバICモジュールを示す断面図である。この実施例においては、図19から図22で示した放熱板176あるいは支持板170を含むドライバICモジュール60に対して、放熱板176あるいは支持板170と、フレキシブル基板40のアース配線パターンとを電気的に接続するようにした構成を示すものである。
ICチップ58には、通常、基準電位レベルを与えるためのGND端子が設けてあり、このGND端子は、フレキシブル基板40のアース配線パターンを経由して、装置側の回路基板であるアドレスバス基板38のGND配線に接続されている。このうち、フレキシブル基板40のアース配線パターンの一部が40Gによって示されている。
本願では、このようなICチップ58のGND端子に対するGND接続をフレキシブル基板40のアース配線パターンのみによるだけではなく、放熱板176あるいは支持板170をも経由させて組み込まれる装置側のフレームGND等と接続することにより、ICチップ58をより低インピーダンスでGND接地することを可能とし、ノイズの混入による誤動作や誤表示を防止すると供に、電磁波ノイズの外部への漏洩を低減させる効果をも狙っている。
図23においては、放熱板176の一部に例えば2つのICチップ58の中間に凸部176Gを設けておき、この凸部176Gに対してフレキシブル基板40のアース配線パターン40Gを接触させるようにして電気的接続をとるようにしている。このため、フレキシブル基板40上の放熱板176との接続部に対しては、その表面に設けてあるカバーレイフィルムやレジスト膜等の絶縁材料が予め取り除かれており、導電性接着剤等を塗布して接着したり、機械的なカシメによる圧接処理等により確実に接続することが可能である。この場合、保護部材166には放熱板176の凸部176Gに対応した部分を取り除いた形状にしておく。
図24は図23のドライバICモジュールの変形例を示す断面図である。保護部材166は図21の保護部材166と同様に放熱板176と兼用されている。この例では、保護部材166とフレキシブル基板40のアース配線パターン40Gとの間を電気的に接続するようにしている。この構成では、放熱板は不要であり、元々の保護部材166自身がフレキシブル基板40に接触するように貼り合せてあるため、アース接続するためのエリアを大きく確保し易い特徴がある。
図25は図23のドライバICモジュールの変形例を示す断面図である。この例では、放熱板とフレキシブル基板40のアース配線パターン40Gとの間を接続するのではなく、フレキシブル基板40の背面側に設けてある支持板170を金属板により構成するとともに、この支持板170とフレキシブル基板40のアース配線パターン40Gとを電気的に接続したものである。
接続の仕方は、金属製のリベット状の金具169を用い、フレキシブル基板40のアース配線パターン40Gと支持板170との間を機械的なカシメにより接続するか、特殊な半田を用いての半田付け等により行うことが可能である。さらに、特に図示はしないが、前述の図22の構成に対応したものに対しても、同様に放熱板とアース配線パターンとの接続処理を行うことが可能であり、また、図19から図22の構成のそれぞれに対応して、放熱板と支持板との両方に対してアース配線パターンとの接続処理を施すことももちろん可能である。
図26は図19のドライバICモジュールを含むプラズマディスプレイ装置の一部を示
す斜視図である。図27は図26のプラズマディスプレイ装置を示す断面図である。
プラズマディスプレイパネルの背面側には、割れ易いガラス基板12を補強するとともに、制御回路や電源回路の基板類を保持するために、アルミ板等金属製のシャーシ13が貼り合されている。このシャーシ13のアドレス電極付近の端部をZ型に折り曲げ加工することにより、パネル面より若干間隙を持たせて平らな部分13Fを形成しておき、このシャーシ13の平らな部分13FにドライバICモジュール60の放熱板176を密着させるように取り付ける。
このように放熱板176をシャーシ13に密着固定する構造により、ICチップ58からの発熱は、熱伝導性の樹脂部材168から放熱板176を経由してシャーシ13に逃げ易くすることが可能となり、放熱性能の優れたディスプレイ装置を提供することができる。
ドライバICモジュール60の固定方法は、様々な方法が可能であるが、図示の様なネジ止めの場合、このネジ止めの位置は、シャーシ13への密着性を高め放熱性能をより向上させるため、中央寄りの、例えば中心のICチップ58の両サイドが理想的であるが、場合によってはモジュールの両端に設けても良い。
また、パネルサイズが比較的小型で駆動時の消費電力がそれほど大きくないものに対しては、放熱性能を重視する必要はなく、上述のように放熱板をシャーシに対して面接触固定する固定方法でなくても良い。
例えばシャーシ13の端面部に固定用のボスを取り付けておき、上記ドライバICモジュールをネジ止め固定する方法でも可能である。ドライバICモジュールの出力端子は、パネル下端に配置されたアドレス端子に対して、ACF(異方性導電フィルム)を使用して熱圧着することにより電気的接続を施す。ネジ72を通すための穴は、支持板170、フレキシブル基板40、保護部材166、放熱板176、シャーシ13に適宜設けることができる。
図28及び図29は図27のプラズマディスプレイ装置の変形例を示す断面図である。
図28は図21のドライバICモジュール60をシャーシ13に取りつけた例を示し、図
29は図22のドライバICモジュール60をシャーシ13に取りつけた例を示す。
図30は図17又は図16のドライバICモジュールを含むプラズマディスプレイ装置の一部を示す斜視図である。図31は図30のプラズマディスプレイ装置を示す断面図である。この実施例では、フラットディスプレイ装置全体のトータルシステムとしての最適なドライバ構成を提供するものであり、部材削減による小型、シンプル化による低コスト化とともに性能的にも優れた実装構成を提供する。即ち、パネルの背面側に設けてあるシャーシ13を前述のドライバICモジュール60の放熱板に見立ててこれを部材として利用し、活用しようとするものである。図30及び図31においては、図26から図29の放熱板176が省略されており、シャーシ13の一部13Fが放熱板176の機能を果す。
図32は図31のプラズマディスプレイ装置の変形例を示す断面図である。図33は図31のプラズマディスプレイ装置の変形例を示す断面図である。図32は図21又は図25のドライバICモジュール60をシャーシ13に取りつけた例を示し、図33は図22のドライバICモジュール60をシャーシに取りつけた例を示す。
図34は図30のプラズマディスプレイ装置の変形例を示す斜視図である。図35は図34のプラズマディスプレイ装置を示す断面図である。この実施例では、図30における支持板170を使用せず、さらにシンプル化して低コスト化を追求したものであり、ドライバICモジュール60を接着樹脂のみでシャーシ13へ固定保持する方法を示している。
図36は図35のプラズマディスプレイ装置の変形例を示す断面図である。この例ではシャーシ13の一部13Fが保護部材166の機能を果している。
図37は図35のプラズマディスプレイ装置の変形例を示す断面図である。この例では、シャーシ13の一部13Fが図22の放熱板176の機能を果している。
図38はドライバICモジュールを含むプラズマディスプレイ装置の変形例を示す斜視図である。図39は図38のプラズマディスプレイ装置を示す断面図である。この実施例では、複数のドライバICモジュール60をディスプレイ装置内に組み込む場合に、この複数のドライバICモジュール60に共通の支持板171により、一括して複数のドライバICモジュール60を保持固定するものである。共通の支持板171は、アルミ板等の金属材料により長尺形に作製するが、複数のドライバICモジュール60に対して1枚か、あるいは2枚に分割した形で保持固定するようにしても良い。この実施例によれば、各モジュール60毎に支持板を設ける必要がなく、ディスプレイ装置トータルとしてシンプルで低コストな構成を実現することが可能である。
図40は図39のプラズマディスプレイ装置の変形例を示す断面図である。図41は図39のプラズマディスプレイ装置の変形例を示す断面図である。図40においては、シャーシ13の一部13Fが保護部材166の機能を果たす。図41においては、シャーシ13の一部13Fが図22の放熱板176の機能を果している。
以上、本願のICチップ実装構造について、PDP装置のアドレス電極側に適用した例について詳述したが、本願の原理構成、特徴によれば、スキャン電極側に適用することも可能であり、同様にその効果を発揮できるのはもちろんである。
また、フラットディスプレイパネルの電極駆動用として説明したが、これに限らず例えば制御回路部のロジックIC実装用としても適用可能であり、特に、最近の大規模で高集積化されて消費電力が大きいICを実装した回路モジュールに対しても、このICへの保護機能と熱放散性に優れた本願の実装構造を適用することにより、高品質で信頼性の高いモジュールを実現可能とするものである。
さらに、上述した配線基板上には、特に図示はしていないが、ICチップ以外の抵抗やコンデンサー等の電気部品が搭載されていても適用可能であり、同様の性能、効果が発揮できるのはもちろんである。
以上説明したように本発明によれば、特に、フリップチップ構造のICチップ実装構造において、ICチップに対する周囲環境からの保護が確実に行え、また、ICチップからの発熱に対する放熱性能が良好な実装構造が得られると供に、生産性が高く低コストで、かつ高品質、高信頼性のICチップの実装構造を提供し、この実装構造を適用した典型例としてのディスプレイ装置等を提供することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、フリップチップ構造のICチップで発生する熱を効率よくシャーシに導きつつ、ICチップを保護することができる。