JP4831968B2 - 水に不溶な薬物のための経皮送達システム - Google Patents

水に不溶な薬物のための経皮送達システム Download PDF

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Description

本発明は経皮薬物送達の分野に関し、特に、被験者の皮膚にミクロチャネルを生成することにより作動する装置の協力によって、ステロイドのような水に不溶な薬物を送達するための、経皮送達システムに関する。
経皮薬物送達は、便利で苦痛のない送達方法を提供できるので魅力的な考え方である。経口送達において遭遇する吸収率と代謝率の変動を避けるとともに、胃腸の炎症のような副作用も除かれる;非侵襲的な方法であり、そして経時的に特別な薬物の血中濃度を非常に良く制御することができる。
しかし、皮膚は体の中へ異物が侵入することに対するバリアーとして機能する複雑な構造物である。周囲から無傷な皮膚の中へ又は皮膚を通って移動する分子は、最初に、局部用組成物即ち経皮送達薬物の吸収に対する、特に油不溶性及びイオン化塩型の薬物に対する主要なバリアーとなる角質層に侵入しなければならない。
多様な薬物の送達を可能にする多数の種々の経皮薬物送達方法が開発されてきた。一つの方法は多数の皮膚浸透増強剤、即ち皮膚透過を増加する「透過増強剤」の開発を含む、皮膚を介してその送達を可能にするような薬物の製剤を含む。製剤化された薬物は、パッチ、フィルム、又は種々の組成のマトリックスの形態で皮膚に適用される。その他の方法は、経皮送達を促進するための非化学的方法、例えば、イオントフォレーシス、エレクトロポレーション又はソノフォレーシスの使用を含む。
経皮送達器具
エレクトロトランスポート又はイオントフォレーシス薬物送達装置が薬物送達に有用であることが開示されており、経皮送達が有利であることが期待される。例えば、Alzaに対する米国特許番号6,169,920及び6,317,629はイオントフォレーシス薬物送達装置を開示し、Alzaに対する米国特許番号5,983,130はイオン化できる薬物に適したエレクトロトランスポート薬物送達方法及び装置を開示している。
エレクトロポレーションも電場の適用により孔のサイズを拡大する方法として当業者にはよく知られている。エレクトロポレーションは、角質層の電気抵抗を一過性に減少させそして電場を適用して既存の孔のサイズを拡大することにより小分子の経皮的流れを増加する方法として開示されている(Chizmadzhev et al., Biophysics Journal, 1998, 74(2),843-856)。
Weaver et al.に対する米国特許番号5,019,034は、高電圧で短い持続時間の電気パルスを皮膚に適用してエレクトロポレーションを生じさせる器具を記述している。
Eppstein et al.に対するWO 97/07734は、角質層に接触させる電気抵抗素子を使用する角質層の熱除去を開示しており、その素子による高電流は、その近傍の組織、特に皮膚の最外層の10〜50ミクロンの厚さの角質層に熱を発生させる。
参照により本明細書に取り入れたEppstein et al.に対する米国特許番号5,885,211、6,022,316、6,142,939及び6,173,202は、アナライト又は活性物質の経皮輸送を増強するために、熱伝導素子により蒸発点(vapor point)以上に組織に結合した水を加熱することにより角質層にマイクロポアを形成する方法を記述している。その他の増強技術は音エネルギー、圧、及び化学増強剤の使用を含む。
Gerstelに対する米国特許番号3,964,482、Zuckに対する米国特許番号6,050,988、及びTrautman et al.に対する米国特許番号6,083,196は、物質の経皮移動を促進する別の装置及び方法を記述している。
参照により本明細書にその全体を取り入れた、Avrahamiに対する米国特許番号6,148,232は、被験者の皮膚のそれぞれの点に電極を適用しそして無線周波数(RF)の電気エネルギーを二つ以上の電極間に適用して主にそれぞれの点の中間領域で角質層の除去を生じさせて、ミクロチャネルを形成する装置を記述している。電極の配置及び隣接する電極間の皮膚の電気抵抗を監視することを含めて角質層の除去を限定する種々の技術が記述されている。
米国特許番号6,148,232及びその継続出願に係る特許(米国特許番号5,983,135;6,597,946;及び6,611,706、及び国際特許出願番号WO 01/85234;WO 02/085451;及びWO 02/092163)に記述されているタイプの器具は、以降ViaDerm又はMicroDermと呼ぶ。
経皮パッチ
経皮パッチのデザインには広く使用されている二つのタイプがある。すなわち薬物に対して透過性のある基部表面を持つ貯臓器中に薬物を含有する貯臓器タイプ、及び皮膚に貼りつくポリマー層に薬物が分散しているマトリックスタイプ。両タイプの用具は通常バッキング層及び使用前に取り除くリリースライナー層を含む。薬物の治療有効量が送達されるように皮膚透過性を増加させる試みにおいて、種々の化学物質で皮膚を前もって処理すること、或いは活性成分の浸透の率を増加させる「増強剤」又は「透過促進剤」として知られる補助剤の存在下に同時に薬物を送達することが提案された。例えば本明細書と参照により取り入れるLee et al.に対する米国特許番号6,004,578及びその中の引用文献に記述されているような種々の物質がこの目的のために示唆されている。
しかし、このような透過促進剤は、しばしば、炎症、感作、又はひどい不便(severe inconvenience)のような問題を生じるので、皮膚を介して安全にそして有効に送達できる薬物の数はまだ限られている。
水に不溶の薬物の送達
多くの強力な薬物は水に不溶であり、治療剤として使用する有効性を制限している。このような薬物の水への溶解性を増加させる一つの方法は、水に不溶の薬物と担体分子との間に可逆性の複合体を形成することである;担体分子の性質は担体分子及び可逆性複合体が水に可溶性であるようなものである。担体分子の中には、例えば、米国特許番号5,134,127;5,376,645;5,874,418;及び6,046,177に記述されている非晶質のシクロデキストリン類がある。経口、鼻内、又は非経口送達のための水に不要な薬物の可溶化剤としてシクロデキストリン及びその誘導体を使用することは開示されている。
ステロイド化合物はヒトにおいて非常に多数の重要な生理的機能に影響し、天然並びに合成ステロイド及びその誘導体が治療目的に使用されている。ステロイドの送達方法はステロイドの種類及び特定の病気の両方に依存する。患者に治療目的で送達される多数の有益なステロイドは水に不溶である。
ステロイドであるテストステロンは、精巣で形成される主なアンドロゲンホルモンである。テストステロン療法は、男性性腺分泌機能低下症の治療が適応症であり、そしてAIDS及び癌による消耗状態の治療、骨粗鬆症の治療、女性及び男性受胎調節のための併用ホルモン置換療法への使用が提案されている。
単独又はエストロゲン様薬物との併用によるアンドロゲンの経皮送達は、例えば、米国特許番号4,867,982;5,460,820;5,622,944;及び6,214,374;及び国際特許出願番号WO 95/03764;WO 97/24148;WO 98/37871;及びWO 00/76522に開示されている。引用した多数の特許は、テストステロンの経皮送達のための種々のパッチの使用を開示している。そのようなパッチの使用における一つの制約は、陰嚢に適用する必要があるということであり、これは患者にとって不快であるという問題を有する(米国特許番号4,704,282、及び5,840,327)。非陰嚢への適用も示唆されているが(例えば、米国特許番号5,152,997;及び6,132,760)、皮膚を介する有効な送達に透過促進剤の使用が必要となり、それによって炎症及び感作の著しい問題を生じることがある。さらに、示されているパッチの大きさは、小さなパッチで30 cm2の範囲であり、一方最もよく使用されるパッチは60 cm2の範囲の大きさである。このようなパッチの使用上のその他の制約は、アンドロゲン血清中濃度、したがってアンドロゲン生物学的利用率を適切に調節できないことである。ゲルに製剤化されたアンドロゲンの経皮送達も示唆されている(例えば、WO 00/217927);ゲルによるアンドロゲン送達の主な制約は、治療の必要な被験者に密接に接触する他の者への望ましくない汚染を生じることである。
治療的送達を可能にするためのステロイドの医薬調合において不定形シクロデキストリンを使用することは開示されているが、背景技術のどこにもこれ等の製剤が経皮的使用に適していることは教示も示唆もされていない。
既述の米国特許番号5,874,418は、例としてテストステロンを使用して、薬理学的活性薬物の持続放出性製剤の調製のための、7スルホアルキルエーテル置換基を持つ特別なシクロデキストリン誘導体、(SBE)7-β-シクロデキストリンの利用を示している。
米国特許番号5,824,668は、非経口送達用に製剤化された少なくとも一つの5βステロイド及び非晶質シクロデキストリンを含む組成物を開示している。国際特許出願WO 96/16659は眼、耳及び鼻の治療に有用なコルチコステロイドとシクロデキストリンの安定化懸濁液を開示している。
このように、炎症を殆ど起こさずそして小さな皮膚領域に適用される、一般的に水に不溶な薬物、そして特に水に不溶なステロイドの有効な経皮送達のための組成物及び方法に対する明確なニーズが存在しそしてそれは非常に有益であろう。
発明の要約
水に不溶な薬物の経皮送達のための有効なシステム及び方法を提供することが本発明のいくつかの態様の目的である。特に、ステロイドの経皮送達のための改良システム及び方法を提供することが本発明の目的である。
薬物が適用される皮膚の領域の炎症及び感作を殆ど生じない水に不溶な薬物の経皮送達システムを提供することが本発明のいくつかの態様の他の目的である。
薬物の治療血中濃度を達成する水に不溶な薬物の経皮送達システムを提供することが本発明のいくつかの態様のさらに他の目的である。
被験者の皮膚のある領域に親水性ミクロチャネルを作ることが出来る装置と、水に不溶な薬物及び水溶液中の薬物の溶解性を増強する担体分子を含む医療用パッチとを含むシステムが、パッチから人の血中への薬物の経皮送達を促進できることをここで開示する。
親水性ミクロチャネルと水溶性製剤に製剤化された水に不溶の薬物を含むパッチとの組合せにより、初めて、皮膚の炎症及び感作を殆ど生ぜずに、被験者の血中へ水に不溶な薬物の実質的で有効な送達を達成することができる。
また本発明は、初めて、担体分子により水溶液中に薬物が可溶化される水に不溶な薬物の医療用パッチを提供する。このパッチはさらに親水性ポリマーを含む。このようなパッチを本発明の装置と併用することにより皮膚に炎症を生ぜずに水に不溶な薬物をゆっくり経皮送達する有効な手段が提供されることをここで開示する。
第一の態様により、本発明は、被験者の皮膚を介して薬物の経皮送達を促進する装置であって、被験者の皮膚のある領域に少なくとも一つのミクロチャネルを作る装置と、少なくとも一つの水に不溶な薬物及び水溶液中で当該薬物の溶解度を増加させる少なくとも一つの担体分子を含む医薬組成物を含有するパッチとを含む、水に不溶な薬物の経皮送達のためのシステムを提供する。
典型的には、水に不溶な薬物は、室温において水に対して約0.1〜1 mg/ml未満の溶解度を有するであろう。
本明細書で使用される用語「ミクロチャネル」とは、一般的に皮膚の表面から角質層の全て又はかなりの部分で伸長し、そしてそれを介して分子が拡散できる経路のことである。
本発明のシステムによる薬物の適用が特に有効であることが立証されているが、本発明の組成物及び方法は、当業者に既知の多数のパッチとともに使用するのに適している。
一態様によると、水に不溶な薬物は、天然又は合成麻酔薬、鎮痛薬、拮抗薬、抗アドレナリン作動性薬及び抗不整脈薬、抗生物質、抗コリン作動薬及びコリン様薬物、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗菌薬及び抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗ムスカリン薬及びムスカリン様薬、抗悪性腫瘍薬、抗精神病薬、抗不安薬、ホルモン、催眠薬、免疫抑制薬又は免疫活性薬、神経遮断性薬物、ニューロン遮断薬、抗高血圧薬、栄養剤、鎮静剤、ステロイド、及びそれらの誘導体からなる群から選択される。
その他の態様によると、ステロイドはアンドロゲンである。現在の好ましい態様によると、アンドロゲンはテストステロンである。
その他の態様によると、使用される担体分子は、α、β及びγシクロデキストリン及びそれらの誘導体からなる群から選択される。
さらにそのほかの態様によると、担体分子は、β-シクロデキストリン類のグループから選択される。現在の好ましい態様によると、担体分子はスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンである。
その他の態様によると、医薬組成物はさらに、これらに限定されるものではないが、水溶性多糖、親水性ポリマー、希釈剤、着色剤、接着剤、保存剤、抗酸化剤、緩衝剤及び安定剤を含めて一つ以上の当業者既知の成分を含むことができる。医薬組成物は透過性増強剤を含まない。製剤は、適切な形態、例えば、溶液、粉末、ゲル、ヒドロゲルなどとすることができる。
一部の態様によると、本発明は、以下の一つ以上に開示されているViaDerm又はMicroDermと呼ばれる器具を含めて、RF電気エネルギーを使用して角質層の除去を誘発することによりミクロチャネルを創るための技術を取り入れている;Avrahamiに対する米国特許番号6,148,232;Avrahamiに対する米国特許番号5,983,135;Avrahami et al.に対する米国特許番号6,597,946;Avrahami et al.に対する米国特許番号6,611,706;WO 01/85234;WO 02/085451;WO 02/092163;その内容を参照によりその全体を本明細書に取り入れる。但し、本発明の一部の好ましい態様は前記の器具により皮膚を除去することによりなされる経皮送達に関係するものの、実質的に被験者の皮膚にチャネルを創る当業者に既知の方法は、どれでも使用できることを強調しておく。
本発明のある態様によると、システムは、被験者の皮膚を介する薬物の経皮送達を促進する器具を備え、該器具は:
a.任意に取り外すことができ、少なくとも一つの電極、好ましくは複数の電極を含む電極カートリッジと;
b.当該電極が皮膚の近傍にある時に電極に電気的エネルギーを適用して、典型的には、電流又は1以上のスパークを発生し、電極の下の領域の角質層の除去を可能にして、少なくとも一つのミクロチャネルを生成するように設計された調節ユニットを含むメインユニットと
を有する。
その他の態様において、本発明のシステムは、複数のミクロチャネルを発生し、そのミクロチャネルは一定の形と大きさを持つ。
その他の態様によると、本発明は、少なくとも一つの水に不溶の薬物と、水溶液中でその薬物の溶解度を増加させる少なくとも一つの担体分子とを含む医薬組成物を含有する医療用パッチを提供する。
一の態様によると、水に不溶な薬物は、天然若しくは合成の麻酔薬、鎮痛薬、拮抗薬、抗アドレナリン作動薬及び抗不整脈薬、抗生物質、抗コリン作動薬及びコリン様薬物、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗菌薬及び抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗ムスカリン薬及びムスカリン様薬、抗悪性腫瘍薬、抗精神病薬、抗不安薬、ホルモン、催眠薬、免疫抑制薬又は免疫活性薬、神経遮断性薬物、ニューロン遮断薬、抗高血圧薬、栄養剤、鎮静剤、ステロイド、並びにそれらの誘導体からなる群から選択される。
その他の態様によると、ステロイドはアンドロゲンである。現在好ましい態様によると、アンドロゲンはテストステロンである。
さらにその他の態様によると、使用される担体分子は、α、β及びγシクロデキストリン及びそれらの誘導体からなる群から選択される。
そのほかの態様によると、担体分子はβ-シクロデキストリン類のグループから選択される。現在の好ましい態様によると、担体分子はスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンである。
さらにそのほかの態様によると、医療用パッチは、バッキング層、接着剤、及びリリースライナーから選択される少なくとも一つの層をさらに含む。
さらにそのほかの態様によると、本発明は、水に不溶な薬物の経皮送達を促進する方法であって:
(i) 被験者の皮膚の領域に少なくとも一つのミクロチャネルを生成し;
(ii)ミクロチャネルが存在する皮膚の領域に、少なくとも一つの水に不溶な薬物と水溶液中における当該薬物の溶解度を増加させる少なくとも一つの担体分子とを含む医薬組成物を含有するパッチを貼る
段階を含む方法を提供する。
そのほかの態様によると、本発明は、水に不溶な薬物の経皮送達を増強する方法であって:
(i) 被験者の皮膚の領域に少なくともひとつのミクロチャネルを生成し、
(ii)ミクロチャネルが存在する皮膚の領域に、少なくとも一つの水に不溶な薬物と水溶液中における当該薬物の溶解度を増加させる少なくとも一つの担体分子とを含む医薬組成物を含有する、パッチを貼り、
(iii) 薬物の治療血中濃度を達成する
段階を含む方法を提供する。
本発明の方法は、水に不溶な薬物の少なくとも1 ng/mlの血清濃度を達成する。好ましくは、水に不溶な薬物の少なくとも1 ng/mlの血清濃度は少なくとも12時間維持され、より望ましくは少なくとも24時間維持される。
本発明は以下の説明、図及び特許請求の範囲でより詳細に説明される。
発明の詳細な説明
本発明は、水に不溶な薬物、特にステロイドの有効な経皮送達のためのシステム及び方法を提供する。
水に不溶な薬物、特にステロイドを角質層を介して送達するために設計された既知経皮パッチはいくつかの特徴を有している:
-分子の送達はパッチの下の領域全体を介して生じる。
-パッチと皮膚の間の接触面は疎水性の傾向がある。これが一つの疎水性マトリックス(パッチ)から別の疎水性マトリックス(角質層)への薬物分子の移動を促進している。
-パッチは通常透過性増強剤を含む。この分子の目的は、角質層の構造を変えそして崩壊することによって角質層における薬物分子の溶解度を上昇させることにある。増強剤は紅斑、浮腫又は掻痒のような好ましくない副作用の原因にもなる。
本発明のシステムは、被験者の皮膚を介して薬物の経皮送達を促進するための器具であって、被験者の皮膚の領域に少なくとも一つのミクロチャネルを生成することができる器具と、少なくとも一つの水に不溶な薬物及び水溶液中で当該薬物の溶解度を増加させる少なくとも一つの担体分子を含む医薬組成物を含有するパッチとを備える。
角質層を通って表皮に入るミクロチャネルを形成することにより、薬物分子が生きている組織に達するために角質層を通過する必要がなくなる。これにはいくつかの意味を持つ:
-分子の送達は、主に処理した皮膚の面積の1%未満を占めるミクロチャネルを介して生じる。
-製剤中に透過性増強剤を含める必要がないので、皮膚安全性が改善される。
-薬物分子は最終的に角質層の下の生きている組織の親水性環境に達する。親水性ミクロチャネルは予め水溶性に製剤化された薬物を含むパッチの使用を可能にする。
これ等の考察に基づいて、本発明のシステムは、角質層の除去により生成されるミクロチャネルを介して、水溶性製剤に製剤化された薬物を送達するのに極めて適している。結果として、本発明のシステムは経皮薬物送達のための透過性増強剤の使用を必要としないので、それによる問題、特に炎症を受けない。炎症は、皮膚が局所に適用された物質、特に密封されている物質に反応して、不快な灼熱感、掻痒感及びぴりぴり感を伴う水疱又は発赤を生じる事により発生する。経皮送達システムの中の炎症を生じる可能性のある物質は避けるか又はその数を最小にすることが望ましい。
本特許出願の文脈において使用されている用語「ミクロチャネル」とは、一般的に皮膚の表面から角質層の全て又は有意な部分を介して伸長し、それを通して分子が拡散できる経路のことである。好ましい態様において、本発明は、本願の譲渡人に譲渡された、Avrahamiに対する米国特許番号6,148,232及びそれに続く特許(米国特許番号5,983,135;6,597,976;6,611,706;WO 01/085232;WO 02/085451;WO 02/092163)に開示されているRFエネルギーを適用して電流又はスパークを発生することにより角質層の除去を誘発してミクロチャネルを生成するための器具及び技術を具備しており、これらの特許は参照により本明細書にその全体を取り入れる。但し、実質的に被験者の皮膚にチャネルを生成するための当業者に既知の方法はいずれも使用することができる(例えば、米国特許番号5,885,211、6,022,316、6,142,939、6,173,202、6,148,232を参照)。用語「ミクロポア」及び「ミクロチャネル」は本明細書では互換的に使用される。
本発明の装置により作られるミクロチャネルは、親水性であり、10〜100ミクロンの範囲の直径及び40〜300ミクロンの深さを持ち、皮膚を通しての物質の拡散を促進する。
その他の態様により、本発明は水に不溶な薬物を含む医療用パッチを提供する。このパッチはミクロチャネルが作られた処置領域の上におかれる。パッチは任意の適当な医薬組成物を含むことができ、使用前の薬物種の安定で、微生物管理による無菌の保存に適合するものであれば任意の適当な形状とすることができる。
用語「医療用パッチ」及び「パッチ」は、本明細書において本発明の水に不溶な薬物を含む医薬組成物を含有するパッチを定義するために互換的に使用される。
用語「安定」とは、本明細書では、25℃の温度において少なくとも12ヶ月間、好ましくは少なくとも24ヶ月間、より好ましくは少なくとも36ヶ月間の間、少なくとも80%、好ましくは90%、より好ましくは90%を超える薬物の生物学的及び/又は薬理学的活性を維持するのに十分堅固である組成物のことをいう。
本発明の医療用パッチの中の医薬組成物は、少なくとも一つの水に不溶な薬物と、水溶液中で当該薬物の溶解度を増加させる少なくとも一つの担体分子とを含む。そのような親水性医薬組成物と本発明に開示された親水性ミクロチャネルという特有の組合せにより、初めて、炎症を増強する物質を使用しない水に不溶な薬物の有効な経皮送達が提供される。
本明細で使用される用語「水に不溶な薬物」とは、典型的には室温において0.1〜1 mg/ml未満の水に対する溶解度を持つ化合物のことである。
本発明のそのほかの態様によると、水に不溶な薬物は、天然若しくは合成麻酔薬、鎮痛薬、拮抗薬、抗アドレナリン作動薬及び抗不整脈薬、抗生物質、抗コリン作動薬及びコリン様薬物、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗菌薬及び抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗ムスカリン薬及びムスカリン様薬、抗悪性腫瘍薬、抗精神病薬、抗不安薬、ホルモン、催眠薬、免疫抑制薬若しくは免疫活性薬、神経遮断性薬物、ニューロン遮断薬、抗高血圧薬、栄養剤、鎮静剤、ステロイド、並びにそれらの誘導体からなる群から選択される。
用語「誘導体」は、当業者に既知の化学的若しくは酵素的な反応により化学的に誘導された一つ以上の残基又は化学結合を持つ薬物の化学的誘導体のことである。そのような誘導分子は、例えば、遊離水酸基が誘導されてO-アシル又はO-アルキル誘導体を形成するような分子を含む。
本発明のさらに他の態様によると、水に不溶な薬物は、天然若しくは合成のアンドロゲン類、及びそれらの誘導体からなる群から選択されるステロイドである。現在の好ましい態様では、アンドロゲンはテストステロンである。
本発明のそのほかの態様によると、担体分子は、α、β及びγシクロデキストリン及びそれらの誘導体からなる群から選択される。好ましくは、担体分子はβデキストリン類及びその誘導体の群から選択される。現在のより好ましい態様では、担体分子はスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンである。
しかし、本発明の独特なシステムによれば、本明細書で後に例示されるように透過増強剤を必要とせずに水に不溶な薬物の有効な経皮送達が提供されることは強調されなければならない。本発明のパッチから透過増強剤を除去することにより、水に不溶な薬物を含むパッチを使用したときに生じることが知られている炎症、掻痒、紅斑、アレルギー性接触皮膚炎などの副作用が回避される。
一つの現在好ましい態様によると、本発明の医療用パッチは、担体分子としてスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンと、水に不溶なステロイドとしてテストステロンとを含む。
テストステロンとスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(SBE7β)の製剤は、本明細書に完全に記述されているように参照により取り入れるStella et al.に対する米国特許番号5,874,418に例示されている。本発明は、このような製剤がテストステロンの経皮送達に有効であることを初めて示すものである(下記の実施例3参照)。現在テストステロンが使用されている治療適応は、成人及び十代の男性性腺分泌機能低下症(原発性及び二次的アンドロゲン欠乏)、卵巣摘出及び閉経による女性のテストステロン欠乏を含む。これらの適応に対する好ましい治療は、持続的で一定のテストステロンの補充が必要である。そのため種々のタイプのパッチによる経皮適用は非常に魅力的である。しかし、既に本明細書で記述したように、このようなパッチの使用はその副作用のためにいまだ制限されている。このような副作用は、本発明のシステム及び方法では除去され、本発明は、テストステロンの便利で有効な経皮送達を可能にする。
医療用パッチはさらに、非限定的に、可溶性多糖、親水性ポリマー、希釈剤、着色剤、保存剤、抗酸化剤、緩衝剤及び安定剤、抗菌剤、結合剤、充填剤、界面活性剤、崩壊剤、接着剤、及び可塑剤を含む、一つ以上の当業者に既知の成分を含むことができる。医薬組成物は、適切なパッチ形態、例えば、溶液、粉末、ゲル、ヒドロゲルなどに製剤化することができる。
本発明により接着剤として使用することができる親水性ポリマーは、バイオポリマー又は親水性合成ポリマー、それらの誘導体、及び組合せを含む。本発明により使用することができるバイオポリマーは、非限定的に、セルロース、キチン、キトサン、アルギナート、コラーゲン、ゼラチン、ペクチン、例えば、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸及びヘパラン硫酸のようなグリコサミノグリカン、プロテオグリカン、フィブロネクチン及びラミニンを含む。
本発明により使用することができる親水性合成ポリマーは、非限定的に、ポリグリコール酸(PGA)及びポリ乳酸(PLA)ポリマー、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、並びにポリウレタンを含む生分解性及び非分解性ポリマーを含む。一つの現在好ましい態様では、ポリビニルピロリドンが医薬組成物に加えられた。その他の現在好ましい態様では、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの合成コポリマーであるPoloxamer 407が医薬組成物に加えられた。
その他の好ましい態様によると、医療用パッチは半透過性親水性膜を含む。半透過性膜は皮膚から医療用パッチへ物質の望ましくない移動を防止するのに役立つ。例えば、テストステロンは5-α-レダクターゼによりジ-ヒドロ-テストステロン(DHT)へ代謝される。本発明により皮膚にミクロチャネルが形成されていると、皮膚から出てきた体液がこの酵素を含む可能性がある。半透過性膜がない場合には、このようなテストステロン代謝がパッチの中で起こることがあり、被験者の血清に入る前にテストステロンを分解する。この半透過性膜はパッチ内の医薬組成物に微生物が入るのを防ぐバリアーとしても役立つ。好ましくは、半透過性親水性膜は30,000ダルトン未満のカットオフサイズの孔を持っている。この半透過性膜は、ポリジメチルシロキサン、エチレン-ビニル酢酸コポリマー、及びヒドロキシルアルキルメタクリラートのような非分解性のポリマー並びに分解性ポリマーなかんずく乳酸/グリコール酸コポリマーから製造することができる。
その他の態様により、本発明のパッチはさらに、バッキング層、接着剤、及びリリースライナー層から選択される少なくとも一つの層を含む。
バッキング層は経皮システムの主な構造要素として機能し、柔軟性及び好ましくは密封性のある装置を提供する。バッキング層に使用される材料は不活性であり薬物保持層に含まれる医薬組成物の薬物又は任意の成分のいずれも吸収できないものでなければならない。バッキングはパッチの上面から移動することにより薬物が失われることを防止する保護カバーとして役立つ柔軟なエラストマー材料で構成されていることが望ましく、好ましくは使用中パッチにより覆われている体表面の領域が加湿されるようにシステムにある程度の密封性を付与する。バッキング層に使用される材料は、皮膚と装置の柔軟性又は弾力性の相違により皮膚から用具がはがれる可能性を殆ど又は全く伴わずに、装置が皮膚の輪郭に追従し、通常は機械的張力を受けやすい関節又はそのほかの湾曲部などで皮膚の領域に快適に貼付されるものでなければならない。バッキング層に有用な材料の例としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン及びポリエーテルアミドがある。
パッチを被験者の皮膚に接着することができる接着剤としては、非限定的に、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリラート、ポリオキシエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ(ヒドロキシエチル メタクリレート)又はそれらのコポリマー若しくは混合物がある。
本発明によるパッチの適用は、使用前にパッチを保護しているカバー又は包装を少なくとも部分的に除去した後に行われる。これによりそれ自身が接着性を持つことができる医薬組成物が露出される。
本発明のそのほかの態様によると、薬物適用は:
(a) 皮膚の上に置かれる接着性の切り抜き鋳型であって、それを介してカートリッジが置かれて、当該鋳型を通して露出された皮膚の領域を処置するための鋳型と、
(b) 水に不溶の薬物及び担体を含むパッチであって、皮膚の処置領域の上に置かれる鋳型に付着させたパッチとを含む医療用パッチにより行われる。この適用において、保護層の除去の後、医療用のパッチの鋳型部分は、皮膚の上におかれ、接着剤により固定される。次いで電極カートリッジは、器具のメインユニットに接続され、ユーザーは鋳型の内側の皮膚の領域にカートリッジをおくようにメインユニットを保持し、そして電極にエネルギーが供給されて皮膚が処置される。その後、カートリッジは廃棄される。医療用パッチが持ち上げられると同時に皮膚の処置領域の上に置かれるように、カバーから突き出ているタブを引くことにより医療用パッチから保護カバーを取り除く。鋳型とパッチを一体とすることにより、ユーザーが正確に皮膚の処置領域に医療用パッチをおくことが補助されうることは特筆すべき点である。使用説明書を正しく遵守することにより通常感染は確実に回避される。
さらにそのほかの態様によると、薬物適用は、統合された電極/薬物を含むパッドカートリッジにより行われ、これは、本特許出願の譲渡人に譲渡され参照により本明細書に取り入れるWO 02/092163に開示されているようにMicroDermとしても呼ばれる簡易型装置を提供する。この適用において、カートリッジは、電極アレイ、調節ユニット、及び薬物を含むパッドを含む。したがって、典型的に鋳型を必要としない。ユーザーは皮膚に電極を置き、この接触は電極の範囲内で電流又はスパークの形成を開始するのに十分であり、その結果ミクロチャネルを形成する。電極が皮膚の上に置かれた時に、薬物を含むパッドの下層に結合した接着ストリップが皮膚と接触しはりつく。薬物を含むパッド上のトップカバーはカートリッジの電極領域と結合しており、そのためハンドルに固定された電極領域が皮膚から取り除かれたときにトップカバーは薬物を含むパッドから引き剥がされそしてパッドは同時に皮膚の処置領域の上を被う。このタイプの適用により、ユーザーは電極カートリッジまたは薬物を含むパッドのどこにも触る必要がないので、実質的にユーザーが器具を汚染する可能性を減らすか又はなくす。
その他の態様によると、本発明のシステムは、被験者の皮膚を介する薬物の経皮送達を促進する装置であって:
a.任意に取り外すことができ、少なくとも一つの電極、好ましくは複数の電極を含む電極カートリッジと;
b.電極が皮膚に近傍にある時に電気エネルギーを電極に適用するように設計され、典型的には電流又は1回以上のスパークを発生して、電極の下の領域にある角質層を除去することができ、それによって少なくとも一つのミクロチャネルを生成する調節ユニットを含むメインユニットと
を有する装置を備える。
一の態様によると、器具の調節ユニットは、電流又はスパークの発生を制御することによって、形成されるミクロチャネルの幅、深さ及び形を調節するために、電極に供給する電気エネルギーの大きさ、周波数、及び/又は持続時間を調節する電気回路要素を含む。好ましくは、電気エネルギーはラジオ周波数よるものである。
被験者の皮膚上に本発明の器具を置いた時に生じる圧力は電極に供給される電気エネルギーを活動させる。そのような作用様式により、電極の活動が皮膚に密着したときにのみ生じることを確実にし、ミクロチャネルの望ましい形成を可能にする。
電極カートリッジは典型的に1回使用後に廃棄されるので、メインユニットに容易に接続されその後にメインユニットからとりはずされるように設計される。
カートリッジ及びその関連電極の汚染の機会を最小化するために、カートリッジの接続及びとりはずしはユーザーがカートリッジに物理的に接触することなく行われる。好ましくは、カートリッジは微生物学的に管理されたカートリッジホルダーにシールされており、それは使用直前に開封され、その際カートリッジの上面にメインユニットが接続され、それによりカートリッジをメインユニットに固定する機構が働く。ユーザーがカートリッジに触れる必要のないカートリッジの開放と取り外しの簡単な手段も提供される。
任意に、電極カートリッジは、ミクロチャネルが創られた皮膚領域をマークするための手段をさらに含むことができ、それにより医療用パッチを皮膚の処置領域上に正確に置くことができる。たとえ典型的には多数のミクロチャネルが生成されるとしても、除去した皮膚領域に明らかな炎症又は浮腫は生じないので、本明細書で記載する器具及び方法によるミクロチャネルの形成は、一般的には眼に見える痕跡を残さないことは注目される。
本発明によると、ミクロチャネルは、細胞を加熱することにより角質層を除去するために、皮膚に電流を適用することにより形成することができる。スパークの発生、スパーク発生の停止、又は特別な電流レベルは、望ましい深さに達して電流適用を終了すべきことをフィードバックして適用すればよい。この適用のために、電極は、好ましくは望む深さでしかしその深さを超えずに、角質層にミクロチャネルを形成することを容易にするカートリッジに形成され及び/又はその中に納められる。または、スパークを発生させずに角質層にミクロチャネルを形成するように電流を発生させることができる。得られたミクロチャネルは後に例示するように形と大きさが一様である。
一の態様によると本発明は、「経皮薬物送達及びアナライト抽出のための単極及び二極電流適用」と題するAvrahami and Sohnに対する米国特許番号6,611,706(これは本特許出願の譲渡人に譲渡されており、参照によりその全体を本明細書に取り入れる)に既述されている方法及び装置を取り入れる。例えば、'936出願は除去電極を皮膚に接触するか又はそれから約500ミクロン離して維持することを記述している。'936出願はさらに、約10 kHz及び4000 kHzの間、好ましくは約10 kHz及び500 kHzの間、より好ましくは100 kHzの周波数の電場の適用による角質層のスパーク誘発除去を記述している。
そのほかに又はさらに、本発明のそのほかの態様では、「経皮薬物送達及びアナライト抽出のための手持ち器具及び方法」と題するWO 02/085451(これは本特許出願の譲渡人に譲渡されており参照により本明細書に取り入れる)に記述されている方法及び器具を取り入れている。さらにそのほかに又は追加して、本発明のそのほかの態様は既に引用したAvrahamiに対する米国特許番号6,148,232(これは本特許出願の譲渡人に譲渡されておりそして引用してここに取り入れた)に記述されている方法及び装置を取り入れる。
本発明の一部の好ましい態様によると、カートリッジは、電極のアレイ、好ましくは密に配置された電極を納めており、それらはカートリッジの下の皮膚の領域に高密度のミクロチャネルを創るために一緒に作動する。しかし、典型的には角質層中に形成されたミクロチャネルの全体の面積は、電極アレイにより覆われた総面積に比較すると小さい。
本発明のさらに好ましい態様によると、電極アレイから皮膚への電流経路の帰路としてカートリッジの皮膚接触面を使用することにより同心円状の電極セットが形成される。好ましくは、カートリッジは比較的大きな皮膚との接触面積を持ち、カートリッジの近傍の皮膚に比較的低い電流密度を生じるので、接触面の皮膚に有意な熱又は実質的な損傷は生じない。電極アレイ中の各電極の近くにおいては、逆に、高エネルギーが適用された場は典型的に急速な発熱及び角質層の除去を誘発し、正確な形と大きさでミクロチャネルを創る。
その他の態様によると、本発明は、被験者の皮膚の領域に少なくとも一つのミクロチャネルを生成し;ミクロチャネルが存在する皮膚の領域に、少なくとも一つの水に不溶な薬物及び水溶液中で水に不溶な薬物の溶解度を増加させる少なくとも一つの担体分子を含む医薬組成物を含有する、パッチを接着する、水に不溶な薬物の経皮送達を促進するための方法を提供する。
その他の態様により、本発明は、
(i) 被験者の皮膚上の領域に少なくとも一つのミクロチャネルを作成し;
(ii)ミクロチャネルが存在する皮膚の領域に、少なくとも一つの水に不溶な薬物及び水溶液中で水に不溶な薬物の溶解度を増加させる少なくとも一つの担体分子を含む医薬組成物を含有する:パッチを接着し、
(iii) 予定の時間の間、薬物の治療有効血中濃度を達成する
水に不溶な薬物の経皮送達を促進するための方法を提供する。
ここに定義される「治療有効血中濃度」は、治療効果を生じる薬物の濃度を意味する。
本発明の方法は、水に不溶な薬物の少なくとも1 ng/mlの血清濃度を達成する。好ましくは、水に不溶な薬物の少なくとも1 ng/mlの血清濃度は少なくとも12時間、そしてより好ましくは少なくとも24時間維持される。
一の態様によると、水に不溶な薬物は、天然若しくは合成麻酔薬、鎮痛薬、拮抗薬、抗アドレナリン作動薬及び抗不整脈薬、抗生物質、抗コリン作動薬及びコリン様薬物、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗菌薬及び抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗ムスカリン薬及びムスカリン様薬、抗悪性腫瘍薬、抗精神病薬、抗不安薬、ホルモン、催眠薬、免疫抑制薬又は免疫活性薬、神経遮断性薬物、ニューロン遮断薬、抗高血圧薬、栄養剤、鎮静剤、ステロイド、並びにそれらの誘導体からなる群から選択される。
その他の態様によると、ステロイドはアンドロゲンである。現在の好ましい態様によると、アンドロゲンはテストステロンである。
その他の態様によると、担体分子はα、β及びγシクロデキストリン並びにその誘導体からなる群から選択される。
その他の態様によると、担体分子はβシクロデキストリン類の群から選択される。
さらに現在の好ましい態様によると、担体分子はスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンである。現在のより好ましい態様によると、医療用パッチはテストステロンとスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンとを含む。
その他の態様によると、医療用パッチはさらに親水性ポリマーを含むことができる。後記の実施例3に開示されているような親水性ポリマーは、テストステロンの放出速度を減少させることが示された。かくして、このようなポリマーは、テストステロンの除放の手段を提供する。
医療用パッチは、ミクロチャネルを生成する装置の一部としてもよく、このような装置と分離した部品としてもよい;後者の場合には、ミクロチャネルを生成する装置を皮膚から取り去った後に医療用パッチが除去皮膚領域上に置かれる。
好ましい一の態様によると、生成されるミクロチャネルの数は、皮膚を介して移動することが望まれる水に不溶な薬物の量に対して調節される。
本発明を一般的に記述したが、本発明は以下の実施例を照することよりより容易に理解されるであろう。実施例は、本発明を例証するため提供されたものであり、本発明を限定することを意図していない。
実施例1:非去勢T-161ラットにおけるテストステロンの経皮送達
テストステロン送達の動物モデルとして去勢雄ラットを使用することは十分に確立されている。しかし、このモデルはテストステロンベースラインが存在する実際のインビボの状態を表さない。テストステロンの経皮送達の有効性を評価するために、非去勢ラットをViaDermで処置し次いでテストステロンパッチを送達した。
材料と方法:
動物:
雄ラット、250〜300 gr, Sprague Dawley. 対照群(非処置、非去勢ラット):3匹。テストステロン送達群:4匹。
テストステロン溶液:
テストステロン溶液は、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを使用して調製した。その調製方法は以下の通り:400 mgのスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(CyDex)を水に溶解し、次いで32 mgの粉末テストステロン(Fluka chemical)を1 mlのスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン/水溶液に加えた。この混合物を24時間振とう機上に置き、次いで5分間6000 rpmで遠心分離した。この上清を試験に使用した。
パッチの調製及び適用
シリコーン(Degania Silicone, Israelによる原料"SIL-K")をバッキングライナーとして使用した。ライナー上に300 μmの厚さの接着剤をリリースライナーとともに積層した。シリコーンストリップを通して孔をあけるためにスクエアダイを使用した。次いで開けられた孔を2X2 cmシリコーンで被いそしてLoctiteのシリコーンプライマー7701及びLoctiteの4401接着剤を使用してその場に接着した。これにより、体表面に付着することによりシールされ、200 μlの容積となる袋が創られた。皮膚に貼ったらすぐに皮膚が損傷されていないことを確認した後、袋から空気を抜き、上記のようにして調製されたテストステロン溶液の200 μlを28G針をつけた2-mlシリンジにより袋の中に注入した。
テストステロン送達:
ラットを以下のようにViaDerm及びテストステロンにより処置した:
麻酔下に、腹部の毛を刈りそして剃った。プロピルアルコールを含有するパッドを剃った領域に適用し、次いでその領域を30分間空気乾燥した。トランス経皮水消失(TEWL)のベースライン値を測定した。許容範囲を8.5 gr/m2・hまでとした。
ViaDermを剃った皮膚に2回適用した。ViaDermパラメーターは次の通り:バースト時間(burst length)‐500 μs;開始振幅‐250 V;バースト回数‐5。5分後にTEWLの2回目の測定を行った。許容範囲を30 gr/m2・hまでとした。
テストステロン溶液(6 mg/200 μl、上記のように調製した)を含有する医療用パッチをViaDermで処置した皮膚領域に適用した。処置領域に包帯をした。血液検体をパッチ適用完了後0、2、4、6、12及び24時間に採取したが、この間ラットは麻酔されていなかった。
対照群では、ラットは毛を剃られ、プロピルアルコールパッドを適用され、そしてTEWLが測定された。
血液検体採取:
各血液検体(0.5 ml)はエッペンドルフ試験管中で6,000 rpm, 10 分間遠心分離した。血清をパスツールピペットにより新しい0.5 mlエッペンドルフ試験管に移し、再度6,000 rpm, 5分間遠心分離した。各血清検体を2分割して-18℃に保存した。
テストステロン測定:
血清検体中のテストステロンレベルはテストステロンELISAキットDSL 10-4000を使用して分析した。
結果:
臨床症状:
処置後12から24時間にかけて、ViaDerm及びテストステロンで処置したラットでは目の周囲に黒い乾いた分泌物を生じた。この分泌物は、乾燥血液と思われ、ラットにおいてストレス状態により生じたと考えられる現象である。このようなストレス状態はテストステロンの過量送達により生じることがある。分泌の程度を評価し1〜4のスケールで比較した:ViaDerm及びテストステロン処置ラット‐ラット1:II;ラット2:III;ラット3:II;ラット4:I。非処置ラット‐分泌なし。
分析結果:
図1に示すように、テストステロンの血清濃度は、テストステロンパッチのみで処置した対照ラットよりもViaDerm+デストステロンパッチで処置したラットにおいて有意に高かった。これ等の結果は、無傷の(非去勢)ラットにおいてテストステロン-スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン溶液の非常に良好な透過性プロフィールが得られ、それにより24時間以上にわたり内在性のレベルより高いテストステロンレベルを呈することも示した。
実施例2:T-178ブタにおけるテストステロンの経皮送達
市販パッチ("ANDROPATCH(登録商標)" 5 mg/day, SmithKline Beecham)による経皮テストステロン送達を、ViaDerm前処置をした又はしない水溶性テストステロンの経皮送達と比較した。水溶性テストステロンの適用は、溶液又は乾燥型のいずれかで行った。
材料と方法:
動物:
雄ブタ、10〜12 Kg, 大型白、合計20頭。
空気乾燥パッチの調製及び適用:
シリコーンシート(Degania Silicone, Israelによる原料"SIL-K")をバッキングライナーとして使用した。ライナー上に350 μmの厚さに接着剤をリリースライナーとともに積層した。シリコーンストリップ及びリリースライナーを通して孔をあけるためにスクエアダイを使用した。厚い接着剤の層をバッキングライナーシートの上に展開した。上記の孔を空けたシリコーン/リリースライナーをバッキングライナーの上に放出ライナーを表面にしておいた。
200 μlのテストステロン-スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン溶液(3%,実施例1において調製したように6 mgのテストステロンを含有する)をシリコーンにより形成した空隙に入れた。溶液は均一にひろがって、一様なフィルムを形成し、少なくとも12時間乾燥させた。
適用前に、リリースライナー及びシリコーンを取り除き、そしてパッチを使用できるようにした。
テストステロン送達:
群1:ブタを、ANDROPATCH(登録商標) 5 mg(パッチ当り合計24.3 mgのテストステロン)で処置した‐6匹。
群2:ブタを、無傷の皮膚に適用されたテストステロン-スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン3%溶液(適用当り6 mg/200 μl、1匹当り合計36 mgテストステロン)で6回処置した‐4匹。
処置段階は以下の通りである:体幹の毛を剃った。プロピルアルコールを含有するパッドを剃った領域に適用し、そしてその領域を30分間空気乾燥した。TEWLのベースライン値を測定した。許容範囲を8.5 gr/m2・hrまでとした。
電流を適用せずにViaDermを皮膚に適用した(プラセボ適用)。5分後、2回目のTEWL測定を行った。許容範囲を最初のTEWL測定値に対して10%を越えない相違とした。
テストステロンを含有する医療用パッチ(上記実施例1と同様に調製)をViaDermを適用した皮膚領域に適用した。処置領域に包帯した。血液検体をt=0、2、4、6、12、18及び24 hに採取した。
群3:ViaDermをバースト時間(burst length)700 μ秒及び開始振幅330 Vで5回適用した以外は群2について記述したようにブタを処置した。ViaDerm処置皮膚に6回テストステロン-スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン3%溶液(6 mg/200 μl、1匹当り合計36 mg;6匹)を適用した。2回目のTEWL測定値の許容範囲を20 gr/m2・hrまでとした。
群4:適用した医療用パッチが上記のように調製した空気乾燥テストステロン-スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む以外は群3に記述したのと同様にしてブタを処置した。
テストステロン-スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンパッチ(6 mg/パッチ、1匹当り合計36 mg;4匹)の6回適用を行った。
処置に先立って、Arrow CV-50016中心静脈カテーテルを使用して全てのブタに頚静脈カニュレーションを行った。
血液検体採取:
血液検体を頚静脈カテーテルから指定の時点に採取した。各検体(1.5 ml)はエッペンドルフ試験管中で6,000 rpm、10分間遠心分離した。血清をパスツールピペットにより新しい1.5 mlエッペンドルフ試験管に移し、再度6,000 rpm, 5分間遠心分離した。(試験管がフィブリンを含んでいる場合には、検体を再度6,000 rpm, 5分間遠心分離した)。遠心分離の後血清を2本の0.5 mlエッペンドルフ試験管に分割して-18℃に保存した。
テストステロンの測定:
血清検体中のテストステロンレベルはテストステロンELISAキットDSL 10-4000を使用して分析した。
結果
図2は水溶性テストステロンのほんのわずかな経皮送達が観察されたことを示している。ViaDermによる皮膚の前処置は有意に送達を促進した。血清中のテストステロンの総量は、経皮適用が市販パッチ又は本発明のViaDerm-テストステロンシステムによって行われた場合に同等であったが、薬物送達のパターンは異なった。これ等の結果は、ViaDerm-テストステロンシステムが便利で患者に優しいテストステロンの経皮送達システムを提供することを示している。
実施例3:ヒドロゲル中に処方されたテストステロンのインビトロ経皮送達の評価。
用語「ヒドロゲル」とは3次元(3-D)親水性ネットワークのことであり、これは架橋構造を有し大量の水又は生物学的液体を吸収することができる。大量の液体を吸収する結果として、3-Dネットワークは膨潤し実質的に水に不溶なヒドロゲルを形成する。
治療に使用するには、それから被験者の血清にテストステロンが放出される徐放性テストステロンパッチがあると都合が良い。徐放性テストステロンパッチを作るために、テストステロンをヒドロゲル中に処方した。ヒドロゲルパッチからのテストステロン放出及びその経皮送達の速度は、ブタ皮膚を使用して、分散細胞によりインビトロにおいて試験された。
2種のテストステロン及びヒドロゲルからなる基本的製剤が調製された。一つはポリビニルピロリドン(PVP)に基づき、一つはPoloxamer 407(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの合成コポリマー)に基づくものである。
PVPを使用するヒドロゲルへのテストステロンの処方
PVPを使用するテストステロンヒドロゲルの調製に使用された成分を表1にまとめて示す。
Figure 0004831968
スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを水に溶解した。この溶液にテストステロンを加え、その混合物を少なくとも3時間600rpmで振とうしつつインキュベートした。混合物を2,500 gで5分間遠心分離し、その上清を使用した。その溶液が澄明になるまで、マグネチックスタラーで撹拌しつつ1時間をかけて少量ずつPVPをゆっくり加えた。
Poloxamer 407を使用するヒドロゲルへのテストステロンの処方
Poloxamer 407を使用するテストステロンヒドロゲルの調製に使用された成分を表2にまとめて示す。
Figure 0004831968
冷水をPoloxamer 407に加えた。その混合物をvortexにより激しく混合し、次いで少なくとも30分間-20℃でインキュベートした。その固体混合物を解凍し、次いで再度激しく混合した。この操作を澄明溶液が得られるまで繰り返した。この溶液は室温に温めるとゲルに変化する。次いでスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(Captisol)をPoloxamerゲルに加えた。ゲル/captisol混合物を0℃以下の温度に再び冷却してゲルを液状化し、そしてCaptisolが全て溶解するまでその混合物を撹拌した。室温に温めることにより溶液をゲルに変化させた。最後に、澄明なCaptisol- Poloxamerゲルにテストステロンを加えた。再度混合物を0℃以下に冷却してゲルを液状化し、撹拌しながらこの温度に維持して、テストステロンを完全に溶解した。得られた溶液を室温に温めることによりゲルとした。テストステロンを含有するヒドロゲル検体の重さをバッキングライナー上で測定した。
ヒドロゲルからのテストステロンのインビトロ経皮送達の評価
分散細胞を使用して、ヒドロゲルからのテストステロン放出を評価した。ブタ皮膚の試料はブタの耳から採取し、-20℃で保存した。使用24時間前に、皮膚検体を4℃に移し、使用1時間前に蓋をせずに室温に置いた。分散細胞の3.1 cm2の表面積を有する下部開口部、閉じるように皮膚検体を置いた。分散細胞を組み立てそして上部は皮膚の乾燥を防ぐために覆った。分散細胞の皮膚は、最初、緩衝液保存容器から0.5 ml/minでポンプで送って10%ポリエチレングリコールを含むリン酸緩衝食塩液(PBS)pH 7.2で洗った。皮膚の周囲の温度は分散細胞ジャケットを介して温水をポンプで送ることにより33±1℃に保った。テストステロンを含有するヒドロゲル検体をバッキングライナー上で重さを量り、ブタ皮膚表面に置いた。緩衝液を16.6 μl/minの速度で分散細胞にポンプで送った。セルからの流出液は3時間ごとの間隔で24時間フラクションコレクターにより集めた。対照として、テストステロン溶液(1%テストステロン-Captisol溶液、図3A及び図3Bにおいてそれぞれ208/3及び206/3と命名されている)を含有する貯蔵パッチを分散細胞のブタ皮膚表面上に置いた。図3A及び図3Bに示すように、ヒドロゲル中に製剤化されたテストステロンは皮膚を介する経皮送達をより遅くした。テストステロンヒドロゲル製剤におけるヒドロゲルの量の増加はテストステロン放出速度を減少させた。
実施例4:ViaDerm装置:明細及びインビボにおける性能
上記実施例に記述された前臨床及び臨床試験においてミクロチャネルを創るために使用されたViaDerm器具は米国特許6,148,232及びWO 02/085451及びWO 02/092163 に開示されている。
ViaDermは以下から構成されている:
1.RF電流を発生する調節ユニットを含む再使用可能なメインユニット(図4)。
2.メインユニットの端末に接続するマイクロ電極のアレイを含む使い捨て電極カートリッジ(図5)。
ViaDermによりブタ皮膚に作製したミクロチャネルの組織学的試験により、ミクロチャネルの大きさは調節できるし、また正確であることが示された:各ミクロチャネルは幅30 μmで深さ50〜100 μmであった。ブタ皮膚において、表皮の深さは約40 μmであるので、このミクロチャネルは真皮にまで達している。しかし表皮の深さは約100 μmであるヒトでは、該ミクロチャネルは表皮の範囲内にとどまっている。さらに、ミクロチャネルの周囲の皮膚は正常な構造を維持していたためミクロチャネルは極めて局在していることが認められた(図6)。
異なる数のミクロチャネルを作製した後にブタ耳の皮膚の切片においてTEWLを測定した(図7)。TEWLはミクロチャネルの数の増加に伴って直線的に増加した。
実施例5:ViaDerm 性能の臨床試験
材料と方法
被験者
ViaDerm性能を20例の健康成人ボランティア、男性10例及び女性10例により行われた試験により評価した。試験はGood Laboratory Practice(GLP)基準の下に臨床研究機関ClinRxにおいて実施された。各被験者は、所与処置を異なる被験者に適用し及び/又は各被験者の異なる部位に適用する無作為方式で10回の処置を受けた。
処置プロトコール
処置部位は腕の内側と手であった。各処置は以下の段階を含んだ:皮膚の準備(清拭);処置部位及び隣接部位のTEWL(T0-)の測定;ViaDerm を処置部位に置きそして調節したRF電気エネルギーを電極に与えた;直ちに処置部位及び隣接部位のTEWLを測定した;処置部位の紅斑、浮腫及び耐容性(T0+)のスコア記録;処置部位を滅菌ヒドロゲル(Vigilon(登録商標),The Medical Supply Company Inc., NY, USA)パッチで被う;T=24 hrにおいてパッチを除去する;処置部位及び隣接部位のTEWLを測定する;T=25 hr及び48 hrにおける処置部位の紅斑及び浮腫のスコアを判定する。
ViaDermの性能
ViaDerm で処置した皮膚の部位における経皮水消失(TEWL)を隣接した非処置部位と比較して測定することによりミクロチャネルの形成を評価した。ViaDermの安全性はDraize炎症指数(表3)にしたがう0から8のスケールを使用して処置部位の炎症(紅斑及び浮腫)を測定することにより評価した。ViaDermにより誘発された炎症に対する反応は累積炎症指数(表4)により評価した。皮膚耐容性はViaDerm 処置の後100 mm Visual Analog Scale (VAS)に基づき痛みを測定することにより調べた。
Figure 0004831968


Figure 0004831968
結果
安全性評価
紅斑がViaDerm で処置しパッチで24時間被っていた部位に認められた。この紅斑はパッチ除去後24時間で消失した。紅斑は非処置隣接部位には認められなかった。紅斑の最大平均値は表3による非常に軽度の紅斑に相当する0.81であった。異なる適用部位は同様の炎症スコアを示した。
浮腫がViaDerm で処置しパッチで24時間被っていた部位に認められた。この浮腫はパッチ除去後24時間で消失した。浮腫は非処置隣接部位には認められなかった。浮腫の最大平均値は表3による無視しうる程度の浮腫に相当する0.25であった。異なる適用部位は同様の炎症スコアを示した。
最大平均複合炎症指数(紅斑及び浮腫)は、密封したViaDerm処置部位について0.75であり、隣接する非密封部位について0.5であり、軽度の反応に相当した。
耐容性評価
痛みスコアは0〜50 mmの範囲であった。被験者あたりの痛みスコアは10 ViaDerm適用の平均であった。平均値は(処置部位当り)2.1 mmから7.02 mmの範囲であった。これ等の値は無視しうると考えられた。
特別の態様の以上の説明は本発明の一般的性質を十分に明らかにしているので他の人が、現在の知識を適用して、過度の実験をすることなくそして一般的思想から離れることなく種々の適用のためにこの特別な態様を容易に修飾しそして/又は適合させることができるので、そのような適合及び修飾は開示した態様と等価の意味及び範囲の中に包含されるべきであり、またそれが意図される。ここに使用された語句は説明を目的とするものであり限定の目的ではないことは理解されるべきである。種々の開示した機能を実施するための手段、材料、及び段階は本発明から離れることなく種々の代替形態をとることができる。したがって、上記明細書及び/又は以下の請求項に見出すことができるような、機能の説明が続く表現「...するための手段」及び「...のための手段」又は方法段階の語はいずれも、構造的、物理的、化学的又は電気的要素又は構造をどれでも、又は上記明細書の中に開示された態様と正確に同等であるか否かにかかわらず、今又は将来存在する可能性があり、列挙した機能を実施する方法段階をどれでも定義しそして包含することが意図されている。すなわち、同一の機能を実施するための他の手段又は段階を使用することができ;そしてこのような表現に最も広い解釈が与えられることが意図されている。
図1はテストステロンパッチのみで処置したラットのテストステロンレベル(■)と比較したViaDermによりミクロチャネルを形成した後テストステロン含有パッチで処置した非去勢ラットにおけるテストステロンの血清濃度(◆)を示す。 図2は以下の経皮的方法により処置したブタにおけるテストステロン血清濃度を示す:無処置皮膚に市販のテストステロン含有パッチ(ANDROPATCH(登録商標))の適用;ViaDermによりミクロチャネルを形成した後にテストステロン溶液を含有するパッチを適用;ViaDermによりミクロチャネルを形成した後に空気乾燥テストステロンパッチを適用;及びミクロチャネルを形成せずにテストステロン溶液を含有するパッチを適用。 図3はインビトロ系における皮膚を介する種々のテストステロン製剤の透過を示す。図3Aは、Poloxamer 407を使用したテストステロン製剤の場合である。 図3はインビトロ系における皮膚を介する種々のテストステロン製剤の透過を示す。図3Bは、ポリビニルピロリドン(PVP)を使用したテストステロン製剤の場合である。 図4はViaDerm器具の上から(A)、横から(B)及び下から(C)の図を示す。 図5は皮膚にミクロチャネルを創るために使用されるマイクロ電極アレイを示す電極カートリッジ及びViaDerm器具のメインユニットに接続された同じ電極カートリッジの写真である。 図6はViaDerm により作られたミクロチャネルのあるブタ皮膚の組織切片を示す。 図7は経皮水消失(TEWL)値とViaDermにより作られたミクロチャネルの数の間の関係を示す。

Claims (14)

  1. 被験者の皮膚を介する薬物の経皮送達を促進する装置であって、
    a.複数の電極を含む電極カートリッジであって、該電極カートリッジは使い捨てである、電極カートリッジ;及び
    b.該電極が皮膚の近傍にある時に電極に電気的エネルギーを適用して、典型的には電流又は1以上のスパークを発生し、電極の下の領域の角質層の除去を可能にして、それによって被験者の皮膚の領域に複数の親水性のミクロチャネルを生成するように設計された調節ユニットを含むメインユニット;を含む装置、並びに
    複数の親水性ミクロチャネルが生じた後に適用されるよう設計されている医療用パッチであって、少なくとも一つの水に不溶な薬物及び水溶液中の該薬物の溶解度を増加させる少なくとも一つの担体分子を含有する親水性医薬組成物を含み、該親水性医薬組成物は透過増強剤を欠いている、医療用パッチ
    を含む、水に不溶な薬物を経皮送達するためのシステム。
  2. 前記水に不溶な薬物が、天然若しくは合成麻酔薬、鎮痛薬、拮抗薬、抗アドレナリン作動薬及び抗不整脈薬、抗生物質、抗コリン作動薬及びコリン様薬物、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗菌薬及び抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗ムスカリン薬及びムスカリン様薬、抗悪性腫瘍薬、抗精神病薬、抗不安薬、ホルモン、催眠薬、免疫抑制薬又は免疫活性薬、神経遮断性薬物、ニューロン遮断薬、抗高血圧薬、栄養剤、鎮静剤、ステロイド、並びにそれらの誘導体からなる群から選択される請求項1に記載のシステム。
  3. 前記ステロイドがアンドロゲンである、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記アンドロゲンがテストステロンである、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記担体分子が、α、β、及びγシクロデキストリン及びその誘導体からなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記担体分子が、βシクロデキストリン及びその誘導体からなる群から選択される、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記担体分子が、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンである、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記医薬組成物が、テストステロン及びスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記医薬組成物がさらに少なくとも一つの親水性ポリマーを含む、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記親水性ポリマーが、ポリグリコール酸及びポリ乳酸ポリマー、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、並びにポリウレタンからなる群から選択される、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記医薬組成物が、粉末、溶液、ゲル又はヒドロゲルからなる群から選択される形態で製剤化されている、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記パッチが、さらにバッキング層、接着剤及びリリースライナーから選択される層を含む、請求項1に記載のシステム。
  13. 前記カートリッジが取り外しできる、請求項1に記載のシステム。
  14. 電極に適用される電気エネルギーが無線周波数のものである請求項1に記載のシステム。
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