JP4831470B2 - 壁面移動装置 - Google Patents
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Description
このような移動装置は、例えば、特許文献1、2に記載されている。
本体43には、巻き揚げ機45が収容されており、そのドラムにはワイヤ41が巻回されており、そのモータを回転させることで、本体43をワイヤ41に沿って昇降させている。
なお、図9に示すように、本体43の下部には、清掃旋回部47が設けられており、これに一対のアーム49が取り付けられている。また、アーム49の先端部には、煙突42内周面に沿って周方向に走行するための駆動車輪(図示せず)と、清掃用の回転ブラシ(図示せず)とが取り付けられている。
また、バッテリ台車53には、ケーブルドラム56a,56bが搭載されており、ケーブルドラム56aには、電源ケーブルと非常時脱出用ワイヤとの複合ケーブル57が巻かれており、ケーブルドラム56bには、カメラ用の光ファイバケーブル58が巻かれている。
さらに、複合ケーブル57と光ファイバケーブル58のたるみを検出するたるみ検出器(図示せず)がバッテリ台車53に設けられる。コントローラ59の制御器(図示せず)は、光ファイバケーブル58を介して、たるみ検出器から信号を受けると、ケーブルドラム56a、56bの駆動モータ(図示せず)へ制御信号を送り各ケーブルドラムに56a、56bケーブルの巻き出し又は巻く取りを行わせる。
その一方、煙突内を点検するために、例えば、原子力発電所の運転を停止させると大変な不都合となる。
前記移動本体から間隔を置いて壁面上に設置され、前記ドラムから巻き出された線状体の揺れを規制する規制装置と、
前記移動本体に設けられ、前記規制装置が積載され、前記移動本体が前記ドラムから所定の距離だけ前進すると、前記移動本体から規制装置を分離し壁面に配置する積載分離装置を備える、ことを特徴とする壁面移動装置が提供される。
従って、規制装置を壁面に設置することで、外的作用による線状体の揺れの最大変位量を大幅に抑制することができ、ケーブル全体の揺れを大幅に抑制できる。
また、このように、移動本体には、規制装置が積載される積載分離装置が設けられ、この積載分離装置は、移動本体がドラムから所定の距離だけ前進すると、移動本体から規制装置を分離し壁面に配置するので、規制装置を所望の位置に配置することができる。
一方、移動本体がドラムへ後退する時には、線状体はドラムに巻き取られて移動本体の後退方向に送られるが、線状体は、規制装置に対して移動本体の後退方向に移動できないようになっているので、線状体と共に規制装置を後退させることができる。従って、ドラムへ向かって後退してきた規制装置をドラムの手前で回収することができる。
また、線状体は、規制装置に対して移動本体の前進方向及び後退方向に移動自在となっているので、壁面に固着した規制装置によりその揺れを規制しつつ、線状体を前進方向及び後退方向に送ることが可能となる。
さらに、移動本体の後退時には、線状体はドラムに巻き取られて移動本体の後退方向に送られるが、規制装置は固着手段により一定位置に維持されるので、後退していく移動本体は、順にこれら規制装置に到達しこれら規制装置を回収することができる。
図1は、本発明の実施形態による壁面移動装置10の構成を示す図である。図1に示すように、壁面移動装置10は、ケーブル2に繋がれた状態で煙突の内壁6をその面に沿って移動する移動本体3と、煙突の入口付近に配置され、移動本体3が煙突壁面6上を前進又は後退するに伴い、ケーブル2を巻き出し又は巻き取るドラム5と、移動本体3から間隔を置いて煙突の内壁面6に設置され、ドラム5から巻き出されたケーブル2の揺れを規制する規制装置7と、を備える。
図1の例では、規制装置7は、ドラム5から巻き出されたケーブル2に間隔を置いて複数取り付けられ、煙突の内壁面6上に配置される。この配置方法は後述する。
これにより、移動台車は、煙突内壁6に磁力により吸着しながら煙突内壁6に沿って移動することができる。
また、移動本体3には、例えば、煙突の内壁面6を点検するためのカメラ8a,8b,8cや光源9a,9b,9cなどが搭載されている。移動本体3が、煙突内を進行しながら、カメラ8a,8b,8cにより煙突の内壁面6の映像を得ることにより、内壁面6に欠陥が存在するかどうかを点検することができる。
図1に示すように、移動本体3は煙突の入口のドラム5から延びているケーブル2に繋がれているので、移動本体3は煙突内で落下しないようにケーブル2により支持されながら、煙突の内壁面6に沿って下方に走行することができる。
ケーブル2に張力を与えるために、ケーブル2の巻き取り時以外は常に、ケーブル2の巻き取り方向に所定のトルクがドラム5に発生するように、ドラム5の駆動モータ5aに電流を流す駆動装置(例えば、駆動回路)5bを設ける(図1を参照)。
図2(A)は、本発明の実施形態における場合のケーブル2の揺れを示しており、図2(B)は、規制装置7を設けなかった場合のケーブル2の揺れを示している。
これらを比較すると、図2(B)の場合には、煙突入口から移動本体3まで延びているケーブル2は、煙突内の強風によりケーブル2は大きく揺れその最大変位量も大きくなる。従って、ケーブル2が煙突内面に衝突し、ケーブル2及び煙突内面が損傷してしまう恐れがある。
一方、本実施形態の図2(A)の場合には、煙突入口から移動本体3まで延びているケーブル2には、間隔を置いてケーブル2の揺れを規制する規制装置7が配置されるので、煙突内に強風が起こっても、規制装置7の位置でケーブル2の揺れは防止される。従って、規制装置7間のケーブル2部分には、それぞれ揺れが起こるが、その変位量は大幅に減少する。従って、ケーブル2の最大変位量も同様に小さくなり、ケーブル2の揺れを大幅に抑制することができる。
ローラ7aの回転軸には、ワンウェイクラッチが設けられており、これにより、図4の矢印Aの方向には回転自在となっているが、矢印Aと反対方向には回転できないようになっている。
規制装置7は、移動本体3の車輪3aと同様に、その車輪7b又は他の部分を永久磁石で形成したり、又は、規制装置7に電磁石が設けられていることにより、鉄で形成された煙突内面6に磁力により吸着しながら煙突内面6に沿って移動することができる。
このような永久磁石で形成された車輪7b、規制装置7の他の部分又は電磁石は、固着手段を構成する。
積載分離装置を移動本体3に設けることにより、移動本体3が煙突内の奥深くへ前進した場合でも、規制装置7を移動本体3から分離して適切な間隔で所望の位置に配置することができる。
好ましくは、規制装置7の車輪7bにもワンウェイクラッチが設けられ、車輪7bは、移動本体3が前進する方向には回転できないようになっており、移動本体3が後退する方向には回転可能となっている。これにより、移動本体3の前進時に規制装置7を、移動本体3から分離された位置に確実に固定することできる。
図6に示すように、積載分離装置18は、エンドレスベルト21と、エンドレスベルト21を回転駆動させる駆動モータ(図示せず)と、エンドレスベルト21に間隔を置いて固定された複数の押出部材22と、を有する。
複数の規制装置7はそれぞれ押出部材22の間に配置され、エンドレスベルト21が回転駆動されることで、各押出部材22は、対応する規制装置7をエンドレスベルト21に沿って移動させ、エンドレスベルト21の折り返し部分にて規制装置7を移動本体3から押し出す。
積載分離装置18には、複数の規制装置7が積載される積載台25が設けられる。
また、積載分離装置18には、エンドレスベルト21に沿った規制装置7の移動を案内するガイド部材(図示せず)が設けられている。このガイド部材は、規制装置7の両側面の側に設けられ、エンドレスベルト21に沿って延びている。
積載分離装置18の上記構成により、移動本体3が煙突内を前進していく過程で、エンドレスベルト21の回転駆動を制御することで、所望のタイミングで規制装置7を順に移動本体3から押し出すことができる。例えば、エンドレスベルト21の駆動モータを、コントロール室16のコンピュータ26によりデータライン12を介して制御することで、エンドレスベルト21の回転駆動を行うことができる。
弾性部材27は、積載分離装置18の積載台25に連結部材29により固定されており、規制装置7の押出方向から煙突の内壁面6へ傾斜している。また、弾性部材27の傾斜部が移動本体3から押し出される規制装置7の接触部7c(図3、図5、図8を参照)と接触して変形するように固定配置されている。
従って、規制装置7が移動本体3から押し出される時に、弾性部材27の弾性力により規制装置7を煙突の内壁面6へ向かって付勢することができる。これにより、規制装置7を確実に煙突内壁面6へ押し付けることができ、規制装置7をより確実に煙突内壁面6に固着をさせることができる。
ドラム5の巻き取り動作により、ケーブル2が移動本体3の後退方向(即ち、ドラム5に向かって)送られる時に、規制装置7のローラ7aのワンウェイクラッチにより、ローラ7aは、図4の矢印と反対方向に回転することができない。従って、ケーブル2とローラ7aとの摩擦力により、規制装置7の磁石車輪7bが後退する方向に回転し、これにより、ケーブル2と規制装置7が一体となって、ドラム5の側へ後退していく。なお、この時、移動本体3の駆動車輪3aを、後退する方向に回転駆動してもよいし、回転駆動しなくてもよい。
このようにして、規制装置7が煙突入口まで送られてくると、煙突入口において、ドラム5の手前で規制装置7をケーブル2から取り外す。
なお、規制装置7をケーブル2から取り外し可能とするために、例えば、規制装置7のローラ7aを規制装置7に対して取り外し又は移動可能としてよく、ケーブル2からの規制装置7の取り外しは、例えば手作業で又は適切な装置により行うことができる
本発明の第2実施形態による壁面移動装置10では、規制装置7のローラ7aを図4の矢印方向だけでなく、その反対方向にも回転自在に構成し、規制装置7の車輪7bも移動本体3が前進する方向及び後退する方向に回転可能に構成される。これにより、ケーブル2は、規制装置7に対して移動本体3の前進方向と後退方向の両方に移動自在となる。
代わりには、ケーブル2が規制装置7に対して移動本体3の前進及び後退方向に移動自在となるように、規制装置7にケーブル2が貫通する貫通孔を形成してもよい。また、他の適切な構成により、ケーブル2が、移動本体3の前進方向及び後退方向に規制装置7に対して移動自在となるようにしてもよい。
また、規制装置7に設けられる固着手段は、上述した以外の適切なものであってもよい。例えば、固着手段として、吸盤、エア吸引装置などを規制装置7に設けてもよい。
他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
第2実施形態によると、規制装置7のローラ7aは図4の矢印方向だけでなく、その反対方向にも回転自在であるので、規制装置7は煙突内壁面6上の一定の位置に固着した状態で、ケーブル2をドラム5へ後退させることができる。
この回収動作は、規制装置7を、再び積載分離装置18に積載することにより行うことができる。
具体的には、移動本体3の後端部に設けられた後方監視用のカメラ8cにより規制装置7の接近及び積載台25への到達を検知すると、エンドレスベルト21を逆方向に回転駆動させ、押出部材22により規制装置7を積載台25に押し込むことができる。この動作は、例えば、カメラ8cからデータライン12を介して送られてくる映像を、コントロール室16のモニタ31に表示し、作業員がモニタ31により規制装置7の積載台25への到達を確認すると、コントロール室16に設けられた操作パネル(図示せず)を操作することで、エンドレスベルト21の駆動モータを制御して行うことができる。また、規制装置7の積載台25への到達を検知する適切なセンサを移動本体3に設け、センサの信号によりエンドレスベルト21の駆動モータを自動的に制御するようにしてもよい。
このようにして、複数の規制装置7を順に回収して積載分離装置18の元の位置に回収することができる。
本発明の第3実施形態では、ケーブル2は、規制装置7に対して移動本体3の前進及び後退方向の両方に移動できないように、ケーブル2と規制装置7は互いに固定される。
例えば、規制装置7のローラ7aを回転できないように構成し、ケーブル2をローラ7aに挟み込んで、ケーブル2と規制装置7を互いに固定する。この場合、規制装置7にケーブル2を取り付け固定できるように、例えば、ローラ7aを規制装置7に対して取り外し又は移動可能とする。他の適切な手段により、ケーブル2と規制装置7とを互いに固定してもよい。
なお、ケーブル2への規制装置7の取り付け及び取り外しは、例えば手作業で又は適切な装置により行うことができる。
ケーブル2に固定された規制装置7は、ケーブル2が移動本体3の前進方向へ送られるに従い、その磁石車輪が煙突内面上を転動することで、ケーブル2と共に移動本体3の前進方向に送られていく。
これにより、移動本体3が煙突内の奥深くまで前進しても、ケーブル2には間隔を置いて規制装置7が固定されることになる。
これにより、規制装置7が煙突入口まで戻されたら、ドラム5の手前で手作業で又は適切な装置により規制装置7をケーブル2から取り外す。このようにして、複数の規制装置7を煙突入口で順に回収することができる。
上述では、積載分離装置18は、押出部材22により規制装置7を押し出す装置であるが、他の構成を持つ積載分離装置を用いてもよい。例えば、移動本体3に設けられ、規制装置7を順に移動本体3から降ろすように動作するロボットアームにより積載分離装置18を構成してもよい。また、このロボットアームにより規制装置7を移動本体3に回収してもよい。
また、上述の実施形態では、煙突の内壁面6を移動する壁面移動装置10について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明の壁面移動装置10は、煙突の内壁面6以外に、船の外壁面、橋梁の壁面などに沿って移動し、これらを点検、清掃する装置としても利用可能である。また、本発明の壁面移動装置10は水中の壁面上を移動する装置としても利用可能である。
また、上述した実施形態のように鉛直方向に移動する場合だけでなく、その他の方向(例えば、水平方向)に移動する場合にも、本発明の壁面移動装置を利用することができる。
このように、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
3 移動本体
3a 車輪
5 ドラム
5a 駆動モータ
5b 駆動装置
6 壁面
7 規制装置
7a ローラ7a
7b 車輪
7c 接触部
8a,8b,8c カメラ
9a,9b,9c 光源
10 壁面移動装置
11 電力供給ライン
12 データライン
15 電源
16 コントロール室
18 積載分離装置
21 エンドレスベルト
22 押出部材
24 プーリ
25 積載台
26 コンピュータ
27 弾性部材
29 連結部材
31 モニタ
Claims (8)
- 壁面上を移動する移動本体と、該移動本体に接続され、移動本体に電力を供給し、移動本体との間でデータ伝達を行い、又は、移動本体を支持するための線状体と、該移動本体の移動に伴い、前記線状体の巻き出し又は巻き取り動作を行うドラムと、を備えた壁面移動装置であって、
前記移動本体から間隔を置いて壁面上に設置され、前記ドラムから巻き出された線状体の揺れを規制する規制装置と、
前記移動本体に設けられ、前記規制装置が積載され、前記移動本体が前記ドラムから所定の距離だけ前進すると、前記移動本体から規制装置を分離し壁面に配置する積載分離装置を備える、ことを特徴とする壁面移動装置。 - 前記移動本体に設けられ、前記規制装置が複数積載され、前記移動本体が前記ドラムから前進するに伴い、前記移動本体から規制装置を順に分離し壁面に間隔を置いて配置する積載分離装置を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の壁面移動装置。
- 前記線状体は、移動本体が前記ドラムから前進する方向に規制装置に対して移動自在となっており、移動本体が前記ドラムへ後退する方向に規制装置に対して移動できないようになっている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の壁面移動装置。
- 前記規制装置は、前記線状体を挟む少なくとも2つのローラを有し、
前記線状体が、移動本体が前記ドラムから前進する方向に規制装置に対して移動自在となっており、移動本体が前記ドラムへ後退する方向に規制装置に対して移動できないようになっている、ことを特徴とする請求項3に記載の壁面移動装置。 - 前記規制装置には、積載分離装置から分離されると壁面に固着する固着手段が設けられており、
前記線状体は、移動本体が前記ドラムから前進する方向及び後退する方向に前記規制装置に対して移動自在となっている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の壁面移動装置。 - 前記積載分離装置は、エンドレスベルトと、該エンドレスベルトを回転駆動させる駆動モータと、該エンドレスベルトに間隔を置いて固定された複数の押出部材と、を有し、
前記複数の規制装置はそれぞれ押出部材の間に配置され、前記エンドレスベルトが回転駆動されることで、各押出部材は、対応する規制装置をエンドレスベルトに沿って移動させ、前記エンドレスベルトの所定位置にて規制装置を前記移動本体から押し出す、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の壁面移動装置。 - 前記積載分離装置は、規制装置を押し出す方向から壁面へ傾斜している弾性部材を有し、
該弾性部材は、その傾斜部が移動本体から押し出される規制装置と接触して変形するように積載分離装置に固定配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の壁面移動装置。 - 前記ドラムを回転駆動する駆動モータと、線状体の巻き出し時以外は常に、線状体の巻き取り方向に所定のトルクが前記ドラムに発生するように、前記駆動モータに電流を流す駆動装置と、をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の壁面移動装置。
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