JP4831073B2 - 透光性セラミック、ならびに光学部品および光学装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レンズ等の光学部品として有用な透光性セラミック、ならびにそれを用いた光学部品および光学装置に関するものである。
従来より、光ピックアップ等の光学装置に搭載するレンズ等の光学部品の材料としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているように、ガラスもしくはプラスチック、またはニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の単結晶が用いられている。
ガラスおよびプラスチックは、光透過率が高く、所望の形状への加工が容易であることから、主としてレンズ等の光学部品に用いられている。また、LiNbO3等の単結晶は、電気光学特性および複屈折を利用して、主として光導波路等の光学部品に用いられている。このような光学部品を用いた光ピックアップなどの光学装置ではさらなる小型化や薄型化が要求されている。
ところが、従来のガラスやプラスチックでは、その屈折率が2.00以下であることから、それらを用いた光学部品や光学装置において小型化や薄型化に限界がある。また、プラスチックは、耐湿性が悪く、そのうえ複屈折が生じることがあるため、入射光を効率良く透過および集光させるのが難しいという欠点も有している。
他方、たとえばLiNbO3単結晶は、屈折率が2.3と比較的高いものの、複屈折が生じるため、レンズ等の光学部品に用いることが難しく、用途が限定されてしまうという欠点を有している。
複屈折を生じず、かつ優れた光学特性を与え得る材料として、たとえば、特許文献3に記載されるように、Ba{Sn,Zr(Mg,Ta)}O3系のペロブスカイト構造を主結晶相とする透光性セラミックが知られている。この透光性セラミックは、波長587nmにおいて2.01以上の大きな屈折率(以下、特に断りのない限り、波長587nmにおける屈折率のことを言う。)を示し、光学部品および光学装置の小型化に有利である。
しかしながら、特許文献3に記載の透光性セラミックでは、その結晶粒径が数十μmと大きいため、第1に、抗折強度が低いという問題がある。抗折強度の低いセラミックを用いて薄型の光学部品を作製した場合、光学装置の落下強度等を保証しにくくなる。
第2に、透光性セラミックスをレンズ等の光学部品に加工する際、メカノケミカル研磨による表面の研磨加工が必要となるが、研磨後の表面粗さRaが大きくなるという問題がある。研磨後のRaが大きいと、光の表面散乱が生じてしまうことがある。
なお、メカノケミカル研磨以外の研磨方法としては、ダイヤモンドスラリーを用いたメカニカル研磨が挙げられる。しかしこの場合、セラミックの表面におけるスクラッチ傷の発生を防ぐために研磨速度を遅くする必要があり、その結果、研磨時間が非常に長くなってしまうという問題に遭遇する。
特開平5−127078号公報(全頁、図1) 特開平7−244865号公報(請求項6、段落番号0024) 特開2004−75512号公報(全頁、全図)
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、抗折強度が高く、かつメカノケミカル研磨を行なっても表面粗さRaが大きくならない、透光性セラミックを提供しようとすることである。
本発明の他の目的は、強度に優れ、かつ散乱の小さい光学部品、およびそれを用いた光学装置を提供しようとすることである。
本発明に係る透光性セラミックは、主結晶相が、一般式:Ba(ZrxMgyTazvw(ただし、0.100≦x≦0.700、1.83−0.333x≦z/y≦2.17+0.333x、x+y+z=1、および1.000≦v≦1.047+0.0333xの各条件を満足し、wは電気的中性を保つために必要な正の数である。)で表されるペロブスカイト型化合物からなり、波長が633nmである可視光の、試料厚み0.6mmにおける直線透過率が50%以上であることを特徴としている。
本発明に係る透光性セラミックにおいて、上記y,zおよびvは、1.80≦z/y≦2.20、および1.000≦v≦1.050といったより限定的な条件を満足することが好ましい。
本発明に係る透光性セラミックは、好ましくは、波長が633nmである可視光の、試料厚み0.6mmにおける直線透過率が60%以上である。以下、特に断りのない限り、単に「直線透過率」と言うときは、波長が633nmである可視光の、試料厚み0.6mmにおける直線透過率のことを言う。
本発明は、さらに、前述した透光性セラミックからなる光学部品、およびこの光学部品が搭載されている光学装置にも向けられる。
本発明によれば、複屈折がなく、かつ高屈折率および高透過率を示す透光性セラミックにおいて、その抗折強度を高く、かつメカノケミカル研磨後の表面粗さRaを小さくすることができる。したがって、強度に優れ、散乱の少ない光学部品、およびそれを用いた光学装置を得ることができる。
本発明に係る透光性セラミックを用いて構成される光学部品の第1の例としての両凸レンズ10を示す断面図である。 本発明に係る透光性セラミックを用いて構成される光学部品の第2の例としての両凹レンズ11を示す断面図である。 本発明に係る透光性セラミックを用いて構成される光学部品の第3の例としてのメニスカスレンズ12を示す断面図である。 本発明に係る透光性セラミックを用いて構成される光学部品の第4の例としての光路長調整板13を示す断面図である。 本発明に係る透光性セラミックを用いて構成される光学部品の第5の例としての球状レンズ14を示す断面図である。 本発明に係る透光性セラミックを用いて構成された光学部品を搭載した光学装置の一例としての光ピックアップ9を図解的に示す正面図である。
符号の説明
1 記録媒体
2 対物レンズ
3 ハーフミラー
4 コリメータレンズ
5 半導体レーザ
6 集光レンズ
7 受光素子
8 レーザ光
9 光ピックアップ
10 両凸レンズ
11 両凹レンズ
12 メニスカスレンズ
13 光路長調整板
14 球状レンズ
本発明に係る透光性セラミックは、主結晶相が、一般式:Ba(ZrxMgyTazvw(ただし、0.100≦x≦0.700、1.83−0.333x≦z/y≦2.17+0.333x、x+y+z=1、および1.000≦v≦1.047+0.0333xの各条件を満足し、wは電気的中性を保つために必要な正の数である。)で表されるペロブスカイト型化合物からなり、波長が633nmである可視光の、試料厚み0.6mmにおける直線透過率が50%以上である。この主結晶相は常誘電体であるため、複屈折を生じない。
上記Baはペロブスカイト構造の通称「Aサイト元素」に相当し、Zr、MgおよびTaは通称「Bサイト元素」に相当する。Bサイト元素とAサイト元素のモル比vは1に近い値であり、またwは3に近い値である。これにより、ペロブスカイト型化合物からなる主結晶相の電気的中性が保たれている。
Bサイト元素のうち、Mgは2価の陽イオン、Taは5価の陽イオンであり、MgとTaのモル比は1:2に近い値となっている。これもペロブスカイト型化合物の電気的中性に寄与している。そして、Zrは4価の陽イオンであり、これはMgおよびTaを置換する形で存在する。Zr置換により、主結晶相の結晶系が立方晶に変化し、透光性が向上する。Zrの含有量xが0.1以上となると、直線透過率が50%以上となる。
なお、本発明に係る透光性セラミックは、電気的中性がほぼ保たれ、かつ本発明の目的を損なわない範囲であれば、たとえば可視光を大幅に吸収して直線透過率を下げるようなことがなければ、主結晶相にBa、Mg、Ta、Zr以外の他の元素を含んでも構わない。さらに、それぞれの構成元素は、主としてペロブスカイト型化合物の所定のサイトに位置するが、本発明の目的を損なわない範囲であるならば、若干量粒界に存在していたり、他のサイトに位置していたりしても構わない。
本発明に係る透光性セラミックの最大の特徴は、4価元素にZrを採用し、Snを実質的に含まない点である。これにより、特許文献3に記載のBa{Sn,Zr(Mg,Ta)}O3系透光性セラミックと比較して、結晶粒径が十分に小さくなる。Ba{Sn,Zr(Mg,Ta)}O3系において、Sn/Zrモル比を減少させるに従い結晶粒径は徐々に小さくなるが、完全にほぼ0に近くすることで、結晶粒径は急激に小さくなる。したがって、結晶粒径を微粒化させることを最優先させる場合、4価元素にはZrを用い、Snは含有させない方がよい。これは、Ba{Sn,Zr(Mg,Ta)}O3系材料と比較して、Ba(Zr,Mg,Ta)O3系材料ではBサイト元素の配列秩序性が向上し、これにより焼結時の原子配列に大きなエネルギーを要するようになり、粒成長しにくくなったためであると推測される。
次に、Zrの含有量xは0.1〜0.7である。この範囲内でZr量xを制御することにより、屈折率などの光学特性を自在に変化させることができる。xが0.1未満の場合は、前述のとおり直線透過率が50%未満となる。また、xが0.7を超えても同様に直線透過率が50%未満となる。
次いで、TaのMgに対するモル比z/yは、1.83−0.333x≦z/y≦2.17+0.333xである。z/yがこの範囲外となると、直線透過率が50%未満となる。
次に、BサイトのAサイトに対するモル比vは、1.000〜1.047+0.0333xである。vがこの範囲外となると、直線透過率が50%未満となる。
さらに、z/yが1.80〜2.20であり、かつvが1.000〜1.050である場合、直線透過率が60%以上となるため、より好ましい。
本発明に係る透光性セラミックは、副成分として、SiO2およびB23の少なくとも一方を含むことも好ましい。すなわち、これらの副成分は、焼成時の昇温時に溶解して液相となり、これが主結晶相の粒子を効果的に配列させ、緻密化を促進させる。
上記ペロブスカイト型化合物にSiO2を添加した場合、Si成分は、例えばYAG等の他のセラミック等の場合とは異なり、主成分中へ置換固溶することはほとんどないと考えられる。そのため、本発明に係る透光性セラミックでは大きな粒成長を伴うことなく、セラミックを緻密化させることができる。B23も、SiO2と同様の作用を奏すると考えられる。
SiO2およびB23の適正な合計の含有量は、ペロブスカイト型化合物100重量部に対し、0.0025重量部以上かつ0.2重量部以下である。これにより、結晶粒径をさらに小さくすることができる。ただし、0.2重量部を超えると、直線透過率が50%未満となる。
なお、SiO2および/またはB23は、予め用意した主成分原料に添加する形で含有させてもよいし、主成分の生原料素材を混合するときに添加する形で含有させてもよい。また、SiO2およびB23の各々は、単独の粉末でもよいし、他の成分を含んだガラス成分の一部であってもよい。
なお、本発明に係る透光性セラミックの組成には、本発明の目的を損わない範囲で、不可避的に混入する不純物が含まれていてもよい。例えば原料として用いる酸化物もしくは炭酸塩に含まれる不純物や作製工程中で混入する不純物として、Fe23、CaO、Al23、SrO、WO3、Bi23、Sb25、P25、CuOおよびLa23等の希土類酸化物などが挙げられる。
次に、本発明に係る透光性セラミックの製造方法について説明する。
本発明に従って透光性セラミックを製造するため、セラミック原料粉末を所定形状に成形してなる未焼成のセラミック成形体を用意する工程と、このセラミック原料粉末と実質的に同組成の同時焼成用組成物を用意する工程と、同時焼成用組成物を未焼成のセラミック成形体に接触させながら、酸素濃度が90体積%以上の雰囲気中で、未焼成のセラミック成形体を焼成する工程とが実施される。
上記同時焼成用組成物は粉末状態であり、焼成工程は、同時焼成用組成物の粉末に未焼成のセラミック成形体を埋め込んだ状態で実施されることが特に好ましい。なお、この同時焼成用組成物は、粉末に限らず、成形体または焼結体であってもよい。
同組成の組成物とは、たとえば、上記成形体と同じ組成となるように調整した原料を仮焼し、粉砕して得られた粉末である。この同組成の組成物により、上記成形体中の揮発成分が焼成時に揮発することを抑制することができる。なお、この同組成の組成物は、上記成形体と同じ組成を有することが好ましいが、実質的に同組成であればよい。実質的に同組成とは、同一の構成元素を含んだ同等の組成系であれば、全く同一の組成比率でなくてもよいということを意味する。また、同時焼成用組成物は、必ずしも透光性を与え得る組成を有していなくてもよい。
なお、本発明に係る透光性セラミックの製造方法によれば、その焼成時雰囲気の気圧は、1気圧またはそれ以下でも構わない。すなわち、特にHIP(Hot Isostatic Press)等の加圧焼成を行なう必要はない。
また、本発明に係る透光性セラミックは高い直線透過率を示すが、表面に屈折率が透光性セラミックより低い反射防止膜(AR膜=Anti-Reflection膜)を形成すれば、さらに直線透過率を高めることができる。この反射防止膜は、MgO等の誘電体からなる膜であることが望ましい。たとえば直線透過率が73.4%であり、かつ屈折率が2.0153の場合、Fresnelの法則より直線透過率の理論最大値は78.6%となる。このとき、理論値に対する相対透過率は93.4%となる。これは、試料内部での透過損失がほとんどないことを示している。したがって、試料表面に反射防止膜を形成すれば、得られる直線透過率をほぼ理論値とすることができる。
また、本発明に係る透光性セラミックは、レンズ等の光学部品に用いることができ、たとえば、図1に示すような両凸レンズ10、図2に示すような両凹レンズ11、図3に示すようなメニスカスレンズ12、図4に示すような光路長調整板13、および図5に示すような球状レンズ14に利用することができる。
また、このような光学部品を搭載した光学装置について、光ピックアップを例にとり、説明する。
図6に示すように、光ピックアップ9は、コンパクトディスクやミニディスク等の記録媒体1に対して、コヒーレントな光であるレーザ光8を照射し、その反射光から記録媒体1に記録された情報を再生するものである。
このような光ピックアップ9においては、光源としての半導体レーザ5からのレーザ光8を平行光に変換するコリメータレンズ4が設けられ、その平行光の光路上にハーフミラー3が設けられている。このハーフミラー3は、コリメータレンズ4からの入射光を通して直進させるが、記録媒体1からの反射光については、その進行方向を反射によりたとえば約90度変更するものである。
また、光ピックアップ9には、ハーフミラー3からの入射光を記録媒体1の記録面上に集光するための対物レンズ2が設けられている。この対物レンズ2は、また、記録媒体1からの反射光を効率良くハーフミラー3に向かって送るためのものでもある。反射光が入射されたハーフミラー3では、反射により位相が変化することで、上記反射光の進行方向が変更される。
さらに、光ピックアップ9には、変更された反射光を集光するための集光レンズ6が設けられている。そして、反射光の集光位置に、反射光からの情報を再生するための受光素子7が設けられている。
このように構成される光ピックアップ9において、本発明に係る透光性セラミックを対物レンズ2の素材として用いた場合、本発明の透光性セラミックは屈折率が大きいため、光ピックアップ9の小型化や薄型化が可能である。
次に、本発明に係る透光性セラミックを実験例に基づいて説明する。
[実験例1]
素原料として、各々高純度のBaCO3、MgCO3、Ta25、SnO2およびZrO2の各粉末を準備した。そして、組成式:Ba{(SnuZr1-uxMgyTazvw(wは電気的中性を保つために必要な正の数)で表される、表1に示す組成の原料が得られるように、各素原料を秤量し、ボールミルで16時間湿式混合した。この混合物を乾燥させたのち、1300℃で3時間仮焼し、仮焼粉体を得た。このとき、wの値はほぼ3になっていた。
次に、上記の仮焼粉体を、水、有機分散剤および有機バインダとともにボールミルに入れ、12時間湿式粉砕した。有機バインダとしては、エチルセルロースを用いた。なお、エチルセルロース以外でも、ポリビニルアルコール等のようにセラミック成形体用の結合剤としての機能を備え、かつ焼成工程において焼結温度に達する前に、500℃程度で大気中の酸素と反応して炭酸ガスや水蒸気などにガス化して消失するものであれば、有機バインダとして用いることができる。
上記粉砕物を乾燥させた後、50メッシュの網(篩)を通して造粒し、得られた粉末を196MPaの圧力で押圧することにより、直径30mmおよび厚さ2mmの円板状の未焼成のセラミック成形体を得た。
次に、上記未焼成のセラミック成形体を、前記仮焼粉体と同組成の粉末中に埋め込んだ。この埋め込まれた成形体を焼成炉に入れ、大気雰囲気中で加熱し、脱バインダを行なった。引き続き、昇温しながら焼成炉内に酸素を注入し、1650℃において、焼成雰囲気中の酸素濃度を約98体積%まで上昇させた。この焼成温度および酸素濃度を維持し、セラミック成形体を20時間焼成して焼結体を得た。
このようして得られた焼結体に#2000のラップ加工を行なった後、鏡面研磨加工を施して、焼結体の厚みを0.6mmとした。この鏡面研磨加工では、研磨面がゆず肌状にならないよう、研磨液にダイヤモンドスラリーを用いた。
得られた研磨後の試料について島津製作所製分光光度計(UV−2500)を用いて、波長633nmの可視光における直線透過率を測定した。また、Metricon社製プリズムカプラー(MODEL2010)を用いて、波長587nmの可視光における屈折率を測定した。さらに、3点曲げによる抗折強度を測定した。また、各試料を1550℃にて1時間保持した後の表面観察画像から、Code法を用いて平均結晶粒径を求めた。
また、上記焼結体の両主面に対して、CeO2研磨粉を含む研磨スラリーを用いたメカノケミカル研磨を行ない、その表面について表面粗さRaを測定した。
以上のようにして求めた、結晶粒径、抗折強度、直線透過率、屈折率、および表面粗さRaが表1に示されている。
Figure 0004831073
表1を参照して、試料1〜5は、4価元素におけるSnの含有モル比uを変化させたものである。uが減少するに従い結晶粒径は小さくなるが、uが試料4のu=0.05から試料5のu=0に変化する箇所にて、結晶粒径が急激に小さくなった。本発明の範囲内である試料5では、結晶粒径が10μm未満と小さくなったため、抗折強度が200MPa以上と高く、表面粗さRaが10nm未満と小さくなった。
[実験例2]
素原料として、各々高純度のBaCO3、MgCO3、Ta25およびZrO2の各粉末を準備した。そして、組成式:Ba(ZrxMgyTazvw(wは電気的中性を保つために必要な正の数)で表される、表2に示す組成の原料が得られるように、各素原料を秤量し、ボールミルで16時間湿式混合した。
以後、実験例1の場合と同じ工程を経て、透光性セラミックの評価試料である試料101〜162を得て、実験例1の場合と同じ方法で同じ評価を行なった。この評価結果が表2に示されている。
Figure 0004831073
試料101〜103および160〜162は、Zrの含有量xが0.1〜0.7の範囲外であったため、直線透過率が50%未満となった。
試料104、108、117、123、138および144は、TaのMgに対するモル比z/yが、1.83−0.333x〜2.17+0.333xの範囲外であったため、直線透過率が50%未満となった。
試料109、112、124、127、145および149は、BサイトのAサイトに対するモル比vが、1.000〜1.047+0.0333xの範囲外であったため、直線透過率が50%未満となった。
上記の試料以外の試料が本発明の範囲内のものであるが、本発明の範囲内の試料においては、50%以上の直線透過率が得られ、また、抗折強度が200MPa以上と高く、表面粗さRaが10nm未満と小さくなった。
[実験例3]
素原料として、各々高純度のBaCO3、MgCO3、Ta25、ZrO2の各粉末を準備した。そして、実験例1の試料5と同じ組成になるように各素原料を秤量し、ボールミルで16時間湿式混合した。この混合物を乾燥させたのち、1300℃で3時間仮焼し、仮焼粉体を得た。
上記仮焼粉体100重量部に対し、表3の組成になるよう、SiO2およびB23を秤量して混合した後、焼成温度が1500℃である以外は実験例1の場合と同じ工程を経て、透光性セラミックの評価試料である試料201〜213を得て、実験例1の場合と同じ方法で同じ評価を行なった。
Figure 0004831073
表3を参照して、試料202〜204、206〜208および210〜212のように、SiO2および/またはB23を合計0.0025重量部以上かつ0.2重量部以下の範囲で添加した試料は、焼成温度が1500℃と低いにもかかわらず、十分な直線透過率を得た。また、結晶粒径が2μm以下と非常に小さくなり、その結果、抗折強度が340MPa以上と高くなり、表面粗さRaが5nm以下と小さくなった。
他方、試料205、209および213は、SiO2およびB23の合計量が、ペロブスカイト型化合物100重量部に対し0.2重量部を超えたため、直線透過率が50%未満となった。
なお、試料201は、焼成温度が1500℃と低かったため、直線透過率が低く、かつ抗折強度が低くなった。
以上、本発明を、実験例に関連して具体的に説明したが、本発明の実施の態様は、上記実験例のような態様に限定されるものではない。たとえば、原料の形態は酸化物もしくは炭酸塩に限定されるものではなく、焼結体とした段階で所望の特性が得られる原料であれば、どのような形態でもよい。また、焼成雰囲気について、上記実験例の約98体積%という酸素濃度の値は、使用した実験設備の条件下において最も好ましいものであった。したがって、酸素濃度は約98体積%に限定されるものではなく、90体積%以上の酸素濃度が確保できれば、所望の特性を備えた焼結体が得られることがわかっている。

Claims (4)

  1. 主結晶相が、一般式:Ba(ZrxMgyTazvw(ただし、0.100≦x≦0.700、1.83−0.333x≦z/y≦2.17+0.333x、x+y+z=1、および1.000≦v≦1.047+0.0333xの各条件を満足し、wは電気的中性を保つために必要な正の数である。)で表されるペロブスカイト型化合物からなり、波長が633nmである可視光の、試料厚み0.6mmにおける直線透過率が50%以上である、透光性セラミック。
  2. 1.80≦z/y≦2.20、および1.000≦v≦1.050の各条件を満足する、請求項1に記載の透光性セラミック。
  3. 請求項1または2に記載の透光性セラミックからなる光学部品。
  4. 請求項3に記載の光学部品が搭載されている光学装置。
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