JP4830867B2 - 微細気泡発生装置 - Google Patents

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本願発明は、液体中に気体を溶解させた後に液体から気体を分離析出して微細気泡を発生させる微細気泡発生装置に関するものである。
従来から、特開平06−205812号公報に示されるように、液体に気体を一旦溶解させてその後液中から気体を析出させて微細気泡を発生させる微細気泡発生装置には、液体が流れる流路に、液体に気体を混入させて気体混合液体を得る気体混入部と、気体混合液体を加圧して流路に流すポンプと、内部に液層と気層とを有すると共に気体混合液体が供給されて気体を液体に溶解させて気液溶解流体を得る気液溶解タンクと、気液溶解流体中の気体を析出させて微細気泡を発生させる微細気泡発生部とを設けたものがある。
特開平06−205812号公報
上記従来例である微細気泡発生装置においては、吐出口より微細気泡を含んだ気液溶解流体を噴射吐出させており、適当な大きさの多量の微細気泡を含むことによって、噴射吐出する気液溶解流体を白濁したものとすることができる。しかし、気液溶解流体が吐出口より噴射吐出する際に、急激に減圧されることで微細気泡の大きさが安定しないことより、適当な大きさの微細気泡を多量に含んでいる白濁した気液溶解流体が安定して浴水等に供給されないという問題があった。
また、上記微細気泡発生装置は、一台の浴槽など一箇所の水廻り設備に対応したものであった。このことにより、複数の水廻り設備に気液溶解流体を供給するためには、複数台の微細気泡発生装置が必要であった。
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その目的は、吐出口より噴射吐出する微細気泡の大きさを安定させて、適当な大きさの微細気泡を多量に含んでいる白濁した気液溶解流体を安定して浴水等に供給することができ、併せて複数の水廻り設備に気液溶解流体を供給することができる微細気泡発生装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明では、液体中に気体が加圧溶解された気液溶解流体を圧力開放して微細気泡を生成する微細気泡生成手段と、前記微細気泡を噴射吐出させる吐出口とを備える微細気泡発生装置において、微細気泡生成手段は、内部に気体と液体とが貯留され、ポンプにより噴出された液体および気体が内壁面や液体に衝突して気体を液体に溶解させて微細気泡を含んだ気液溶解流体を生成する気体溶解部と、気体溶解部で生成された微細気泡をベンチュリ管により粉砕してより小さい微細気泡を生成する微細気泡粉砕部とを有し、吐出口は複数個所に設けられており、微細気泡生成手段と吐出口とを接続する分岐接続手段を備えており、分岐接続手段は、微細気泡の径を成長させるに十分な長さである3m以上の長さの管部と、管部を分岐する分岐部と、分岐部と吐出口の間に設けられた二方弁とを有しているものであることを特徴としている。
本願請求項1記載の発明の微細気泡発生装置においては、微細気泡生成手段は、気体溶解部と微細気泡粉砕部とを有しているので、より小さい径の微細気泡を多量に効率よく生成することができる。さらに、微細気泡生成手段と吐出口との間に、十分な長さである3m以上の長さの管部を有した分岐接続手段を備えたことによって、微細気泡を含んだ気液溶解流体への圧力が分岐接続手段の吐出口側へ向かって徐々に減圧される。このことによって、吐出口より微細気泡を噴出吐出するまでに、微細気泡生成手段で生成した多量の小さい径の微細気泡を白濁に適した径まで成長させ、吐出口より噴射吐出する微細気泡の大きさを安定させることができるので、適当な大きさの微細気泡を多量に含んでいる白濁した気液溶解流体を安定して浴水等に供給することができる。また、分岐接続手段は、管部と分岐部を有し、管部は、分岐部によって複数に分岐されて、微細気泡生成手段と複数の吐出口とを接続するものであるので、微細気泡生成手段で生成された微細気泡を含んだ気液溶解流体を複数の吐出口へ供給することができる。このことによって、吐出口を様々な水廻り設備へ設けることによって、1つの微細気泡生成手段より複数の水廻り設備へ微細気泡を含んだ気液溶解流体を供給することができる。
また、微細気泡生成手段は、ベンチュリ管で構成されているので、内径が小さくなった部分で流速及び圧力を変化させることができる。このことによって、気液溶解流体中の気泡を粉砕することができるので、容易に微細気泡をより小さくすることができる。
図1〜図5は、本願発明の第1の実施形態である微細気泡発生装置を示している。微細気泡発生装置100は、液体中に気体が加圧溶解された気液溶解流体を圧力開放して微細気泡を生成する微細気泡生成手段30と、前記微細気泡を噴射吐出させる吐出口3とを備えており、微細気泡生成手段30は、気体を液体に溶解させて微細気泡を含んだ気液溶解流体を生成する気体溶解部8と、気体溶解部8で生成された微細気泡を粉砕してより小さい微細気泡を生成する微細気泡粉砕部12とを有し、吐出口3は複数個所に設けられており、微細気泡生成手段30と吐出口3とを接続する分岐接続手段13を備えており、分岐接続手段13は、微細気泡の径を成長させるに十分な長さの管部13aと、管部13aを分岐する分岐部13bとを有している。また、ベンチュリ管12は、中央部分が狭小部となっている上流部12aと複数の狭小部を有する下流部12bとで構成されている。
以下、この実施形態の微細気泡発生装置をより具体的詳細に説明する。図1は、複数の水廻り設備40へ微細気泡を含んだ気液溶解流体を供給する微細気泡発生装置100の基本構成図である。それぞれの水廻り設備40にはそれぞれ吐出口3が設けられ、微細気泡生成手段30で生成された微細気泡を含んだ気液溶解流体が、分岐接続手段13によってそれぞれの吐出口3へ供給される。ここで、水廻り設備40は、風呂、キッチン、トイレ、洗面など住戸で用いられる水を使う設備をはじめ、工場や公共施設などで同様に水を使う設備であってもよい。
ポンプ6は、微細気泡生成手段30へ水等の液体を供給するものである。ポンプ6の吐出側は、流入管7を介して微細気泡生成手段30の気体溶解部8の吸込側にある噴射口9に接続されている。気体溶解部8の吐出側の流出口10は、流出管11を介して微細気泡生成手段30のベンチュリ管12の一端に接続され、ベンチュリ管12の他端は分岐接続手段13を介して吐出口3に接続されている。また、空気吸込口4は、ポンプ6と気体溶解部8との間の流入管7に空気流入管14を介して接続され、空気流入管14には、逆止弁15が設けられている。
そして、気体が溶解した水が水廻り設備40に設けられた吐出口3より吐出されると、気液溶解流体は、溶解気体が析出して多量の微細気泡が発生して白濁したものとなる。
気体溶解部8は、図2および図3に詳細に示すように、断面円形の直筒状をした側壁部21と、この側壁部21の両側の端部を閉塞する端壁部22とからなる筒状体23で構成されて、長手方向すなわち略円筒状をした側壁部21の中心軸イ(図2の一点鎖線参照)が水平方向ロ(図2の矢印参照)に対して10〜45度の傾斜角度θで傾斜する姿勢で配置されている。
この傾斜姿勢の筒状体23は、上方側の端部が上流端Aになるとともに、下方側の端部が下流端Bとなり、上流端A側に気液混合流体を筒状体23内に噴射するための噴射口9が形成されるとともに、下流端B側に液体を筒状体23内から流出する流出口10が形成されている。
筒状体23内には、溶質となる例えば空気等の気体と、溶媒となる例えば水等の液体とが貯留されるもので、略円筒状をした側壁部21の上下方向の略中央付近には気体と液体との界面24が位置し、界面24より上流端A側の部分は、気体が貯留される気体貯留部25になるとともに、界面24より下流端B側の部分は、液体が貯留される液体貯留部26となる。
噴射口9は、気体貯留部25の内壁面(界面24より上流端A側の側壁部21または端壁部22の内壁面)か、あるいは界面24より若干下側の液体貯留部26の内壁面(界面24より下流端B側の側壁部21の内壁面)に形成され、流出口10は、液体貯留部26の端部付近の内壁面(界面24より下流端B側の側壁部21または端壁部22の内壁面)に形成される。
筒状体23の側壁部21には、弁(図示せず)を設けた空気抜き口27が形成してあり、この空気抜き口27の位置が気体貯留部25に貯留される気体と液体貯留部26に貯留される液体の界面24のレベルとなる。
次に、気体溶解部8の作用を説明する。筒状体23の下側にある噴射口9から、筒状体23内に貯留されているのと同じ液体および気体が噴射されると、噴射口9と対向する側壁部21の上側の内壁面に衝突し、この内壁面で跳ね返って界面24にて液体貯留部26に貯留されている液体に衝突して攪拌される。また、液体貯留部26に貯留されている液体は、気液混合流体が界面24に衝突して攪拌される他に、噴射口9から筒状体23内に噴射される気液混合流体によっても攪拌される。
このように、気液混合流体の側壁部21の内壁面との衝突や界面24での衝突による攪拌、噴射される際の液体の攪拌等により、筒状体23内に貯留している気体および液体、気液混合流体中の気体および液体が混合され、気体の液体への溶解が促進される。すなわち、混合攪拌によるせん断により、液体に混合している気泡(気体)が細分化されて、液体と接する総表面積が大きくなるので、気体の液体への溶解が促進される。
気体の溶解が進行した液体は筒状体23の液体貯留部26に貯留されるが、貯留されている液体には未溶解の気泡も数多く混合し、このような気泡は上方に行くほど密に存在しており、液体貯留部26の下端部近傍では気泡はあまり存在せず、大きな気泡は殆ど存在しない。そして、気体の溶解が進行して大きな気泡が殆ど存在しない液体貯留部26の下端部の液体が筒状体23の下側にある流出口10から筒状体23外に流出されるようになる。
図4は、ベンチュリ管12の断面図である。ベンチュリ管12は、中央部分に1個の狭小部を有する上流部12aと複数個(図4の例では5個)の狭小部を有する下流部12bとの2段構成となっている。このように、下流部12bにおいて狭小部を並列で複数個を設けることにより、上流部12aで気液溶解流体中の気泡を粉砕してある程度小さな微細気泡とした後に、下流部12bでより小さく微細気泡化させることができるので、より小さい微細気泡を大量に発生させることができる。
図1に示すように、分岐接続手段13は、管部13a、分岐部13b及びニ方弁13cを有している。分岐部13bは分岐接続手段13の中程に構成されており、分岐部13bより微細気泡生成手段30側は、1本の管部13aで構成され、管部13aは微細気泡生成手段30と接続されている。また、分岐部13bより吐出口3側は、複数の管部13aで構成され、それぞれの管部13aの先端には吐出口3が接続されている。さらに、管部13aの分岐部13bと吐出口3との間に設けられたニ方弁13cを閉じることによって、それぞれの吐出口3からの気液溶解流体の吐出を個別に停止することができる。
また、微細気泡生成手段30より流れてくる微細気泡を大量に含んだ気液溶解流体が、管部13aを流れていくことによって、管部13aの内面との摩擦や気液溶解流体の粘性などの特性により、気液溶解流体への圧力が除々に低下していく。ここで、吐出口3から噴出吐出される微細気泡を白濁に適した径まで成長させ、噴出吐出される噴流を十分に白濁させることができるために、微細気泡生成手段30から吐出口までの距離は3m以上必要であり、好ましくは5m以上がよい。なお、白濁に適した微細気泡の径は、5〜30μm(平均20μm程度)の数十μmオーダーである。
本実施形態で示した微細気泡生成装置100は、戸建て住宅や集合住宅において用いることが可能である。例えば、1台の微細気泡生成装置100を1戸の戸建て住宅に設置し、複数の吐出口3を浴槽、キッチン、トイレ、洗面などの水廻り設備40にそれぞれ設けることによって、1台の微細気泡生成装置100によって、複数の水廻り設備40へ微細気泡を含んだ気液溶解流体を供給することが可能である。
また、図5に示すように、マンションなどの集合住宅へ微細気泡発生装置100を用いることもできる。図5では、複数住戸(本例では6戸)に対して1台の微細気泡発生装置100を設置した例を示しているが、住戸ごとに微細気泡発生装置100を設置してもよい。各住戸のそれぞれの水廻り設備40に吐出口3を設けることによって、1台の微細気泡生成装置100によって、複数の住戸に備えられている複数の水廻り設備40へ微細気泡を含んだ気液溶解流体を供給することが可能である。
したがって、微細気泡生成手段30は、気体溶解部8とベンチュリ管12とを有しているので、より小さい径の微細気泡を多量に効率よく生成することができる。さらに、微細気泡生成手段30と吐出口3との間に、十分な長さの分岐接続手段13を備えたことによって、微細気泡を含んだ気液溶解流体への圧力が分岐接続手段13の吐出口3側へ向かって徐々に減圧される。このことによって、吐出口3より微細気泡を噴出吐出するまでに、微細気泡生成手段30で生成した多量の小さい径の微細気泡を白濁に適した径まで成長させ、吐出口3より噴射吐出する微細気泡の大きさを安定させることができるので、適当な大きさの微細気泡を多量に含んでいる白濁した気液溶解流体を安定して浴槽1に供給することができる。
また、分岐接続手段13は、管部13aと分岐部13bを有し、管部13aは、分岐部13bによって複数に分岐されて、微細気泡生成手段30と複数の吐出口3とを接続するものであるので、微細気泡生成手段30で生成された微細気泡を含んだ気液溶解流体を複数の吐出口3へ供給することができる。このことによって、吐出口3を様々な水廻り設備40へ設けることによって、1つの微細気泡生成手段30より複数の水廻り設備40へ微細気泡を含んだ気液溶解流体を供給することができる。
また、ベンチュリ管12を用いることによって、ベンチュリ管12の内径が小さくなった部分で気液溶解流体の流速及び圧力を変化させることができる。このことによって、気液溶解流体中の微細気泡を粉砕することができるので、容易に微細気泡をより小さくすることができる。
本願発明の第1の実施形態である微細気泡発生装置の基本構成図である。 同微細気泡発生装置における気体溶解部の斜視図である。 同微細気泡発生装置における気体溶解部を示し、(a)は断面図、(b)は(a)のI−I概略断面図である。 同微細気泡発生装置におけるベンチュリ管の断面図である。 同微細気泡発生装置を集合住宅に設置した場合の概略構成図である。
符号の説明
3 吐出口
8 気体溶解部
12 ベンチュリ管(微細気泡粉砕部)
13 分岐接続手段
13a 管部
13b 分岐部
30 微細気泡生成手段
40 水廻り設備
100 微細気泡発生装置

Claims (1)

  1. 液体中に気体が加圧溶解された気液溶解流体を圧力開放して微細気泡を生成する微細気泡生成手段と、前記微細気泡を噴射吐出させる吐出口とを備える微細気泡発生装置において、微細気泡生成手段は、内部に気体と液体とが貯留され、ポンプにより噴出された液体および気体が内壁面や液体に衝突して気体を液体に溶解させて微細気泡を含んだ気液溶解流体を生成する気体溶解部と、気体溶解部で生成された微細気泡をベンチュリ管により粉砕してより小さい微細気泡を生成する微細気泡粉砕部とを有し、吐出口は複数個所に設けられており、微細気泡生成手段と吐出口とを接続する分岐接続手段を備えており、分岐接続手段は、微細気泡の径を成長させるに十分な長さである3m以上の長さの管部と、管部を分岐する分岐部と、分岐部と吐出口の間に設けられた二方弁とを有しているものであることを特徴とする微細気泡発生装置。
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