JP4830351B2 - コークスの製造方法および製造設備 - Google Patents

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Description

本発明は、製鉄原料として用いるコークスの製造方法および製造設備に関する。
製鉄原料として用いるコークスは、高炉内に装入した際に粉化すると高炉の通気性を悪化させるため、高強度を有することが望ましい。高強度のコークスを製造するためにはコークス原料の石炭の粒径は小さいほど好ましいが、一方で粒径の小さい石炭は、コークス炉装入の際にハンドリングが困難になる等の問題があり、生産性が向上しないため、結局粒径が、例えば0.5mm〜6mm程度の範囲の石炭を用いることが好ましいとされている。このような粒径範囲とするために、粉砕処理した石炭を、篩い分けにより0.5mm未満、6mm超のものを除いて0.5mm〜6mmのみの粒径の石炭とすることが可能であるが、6mm超のものは再度粉砕処理してコークス原料として用いるとしても、0.5mm未満のものは好ましい用途も無く処分することになり、処理コストが発生し、歩留向上の点で好ましくなく、コークス炉内での石炭の充填率も低下するので現実的な方法ではない。
コークス炉装入用石炭の粒径の上限のみを規定して、粒度調整する方法として、石炭を所定の粒子径が得られる篩目を有する篩で分級し、篩下部分はそのままコークス用配合原料とするとともに、篩上の粗粒子部分が篩を通過するまで粉砕、分級を繰り返す方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の方法では、活性成分に富んだ石炭(軟かい石炭)と活性成分に富まない石炭(硬い石炭)とで篩目を変化させて、活性成分に富まない石炭の粒径をより小さくして配合原料としている。それぞれに粒度調整された石炭は、適宜混合されてコークス炉に装入され、従来よりも高強度のコークスが製造される。
また、コークス炉内での石炭の充填密度を高めることで、生産性を向上させ、かつ高強度のコークスが製造できる技術として、破砕した石炭を大粒径、中粒径、小粒径以下に分級して、分級した大粒径、小粒径以下の石炭を破砕機で破砕し、この破砕炭を先に分級した中粒径の石炭と共にコークス炉に装入するコークス炉装入用石炭の粒度調整方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭56−32587号公報 特開平11−302662号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、所定の粒径以上の石炭が、所定粒径以下に小さくなるまで繰り返し破砕する必要があり、同じ石炭が何度も篩い分けされ、粉砕処理されるため生産性が低下する。
また、特許文献2に記載の方法は、同一の石炭について破砕回数は最大2回であるが、破砕して得られた小粒径以下の石炭を再度破砕機で破砕するため、微細粒が増加して、コークス炉への充填状態を最密充填とする理想的な石炭の粒度分布状態に近い分布が得られるとしても、実操業上は望ましくない。また、破砕した石炭を大粒径、中粒径、小粒径以下の3段階に分級するため、篩い分けのための設備コストが上昇する。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、生産性の低下やコストの上昇を抑えながら、コークス強度の向上が可能な、コークスの製造方法および製造設備を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭と前記第二の粉砕工程により処理された粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(2)コークス原料となる石炭の全部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭と前記第二の粉砕工程により処理された粒径の小さな石炭とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(3)コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭と共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(4)コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理し、前記コークス原料となる石炭の残部を粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭と前記第二の粉砕工程で処理された石炭と共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(5)硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および前記石炭(X)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X)と、前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(6)硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の全部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X)と、前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(7)硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭と石炭(X)の残部と前記石炭(Y)とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後に成型炭と共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(8)硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および前記石炭(X)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(Y)を粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(9)硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の全部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(Y)を粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(10)硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(X)の残部と前記石炭(Y)を別々に粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭並びに前記第二の粉砕工程および前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(11)イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および前記石炭(X’)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(12)イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の全部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(13)イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭と石炭(X’)の残部と前記石炭(Y’)とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後に前記成型炭と共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(14)イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および前記石炭(X’)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(Y’)を粉砕する第三の粉砕工程により処理して、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X’)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(15)イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の全部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理し、前記石炭(Y’)を粉砕する第三の粉砕工程により処理して、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X’)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(16)イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(X’)の残部と前記石炭(Y’)を別々に粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭並びに前記第二の粉砕工程および前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X’)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(17)1〜20mmの範囲内で設定した粒径で粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級することを特徴とする(1)ないし請求項(16)のいずれかに記載のコークスの製造方法。
(18)コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕機と、該第一の粉砕機で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造設備と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合槽と、該配合槽で配合した石炭を粉砕する第二の粉砕機と、該第二の粉砕機で処理された石炭と前記成型炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備。
(19)コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕機と、該第一の粉砕機で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造設備と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕機と、前記コークス原料となる石炭の残部を粉砕する第三の粉砕機と、前記成型炭と前記第二の粉砕機で処理された石炭と前記第三の粉砕機で処理された石炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備。
本発明では、コークスの原料となる石炭の少なくとも一部を、粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭とに分けて、粒径の大きい石炭を用いて成型炭を製造し、該成型炭を成型炭原料としなかった残部の石炭と混合してコークス炉に装入してコークスを製造する。原料石炭を分級して、粒径の大きい石炭を用いて成型炭を製造するのは、以下の理由によるものである。
石炭中にはビトリニット(V)や、セミフジニット(SF)、フジニット(F)等のイナーチニットなど様々な組織成分が分布しており、組織毎に硬度や軟化溶融性などの物理化学特性が異なっている。一般に、硬度はV<SF<Fであり、軟化溶融性はV>SF>Fである。したがって、石炭の比較的粒度の大きい、粗く残っている粒子は硬いものであり、粒子中には比較的硬いイナート成分の存在割合が高く、軟化溶融性の低い、すなわち粘結性が低いものである。このような粒子は石炭の軟化溶融する部分とは膨張収縮挙動も異なるため、粒子界面に欠陥が発生しやすく、強度低下の要因となっている。そこで、コークス強度を高くするために、このような粗大な粒子を粉砕して粒径を小さくすることで粒子界面の欠陥生成を抑制する方法が有効であると考えられる。しかし、このように粒子の径を小さくすると、比表面積が大きくなるため、粒子を融着させるための軟化溶融物の量が多く必要となる点を考慮して、このような粗大な石炭を粉砕後に成型炭として利用する方法を考案した。
すなわち、石炭を分級して、粒径の大きい石炭を粉砕した原料を用いて成型炭を製造する方法では、成型炭製造による圧密により粒子間距離が短縮する効果、ならびにバインダー添加による改質効果が期待できるため、粘結性に乏しい石炭であっても高強度なコークスを製造できる。また、石炭を分級した際に、粒径の小さい石炭とした粉炭部分においても、粒径の大きい石炭が除かれることでコークス中の欠陥を形成する原因であるイナートリッチな組織割合が減少し、成型炭としなかった部分の石炭から製造されるコークス強度の向上も期待される。
成型炭は、粉砕処理を行なった石炭とバインダーとを混合して加圧成型して製造することが好ましい。コークス原料となる石炭の少なくとも一部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級し、粒径の大きな石炭の一部または全部を粉砕した後、成型炭原料とする。バインダー(粘結剤)としては、石油系のアスファルトピッチ(ASP)、プロパン脱アルキル油(PDA)、石炭系のタールピッチ、タール、タール滓、高分子系のポリビニルアルコール(PVA)などを用いることができる。成型には例えば、ダブルロールプレスを用い、冷間あるいは水蒸気加熱成型する。軟化溶融性の高い石炭を配合して熱間成型することでバインダーを不要とすることも可能である。また、成型装置として圧縮型成形機、ペレタイザー、押出し成型機などを用いてもよい。成型炭の形状には枕型、卵型、マセック型等の任意の形状を用いることができる。成型炭の大きさは成型性や生産性を鑑み10ccから100cc程度が望ましい。
なお、本発明において成型炭原料として使用する石炭は、少なくともその一部に、石炭を分級して、粒径の大きい石炭に分類された石炭を粉砕して使用すれば良い。従って、成型炭の原料とする石炭が不足する場合は、コークス原料となる石炭の一部を分級した際に、コークス原料となる石炭の残部である、分級処理を行わなかった石炭の少なくとも一部を粉砕して、成型炭の原料とすることができる。分級処理を行わなかった石炭には、粗粒イナートが比較的多く含まれているため、粒径の小さな石炭に分級された石炭に優先して成型炭の原料とすることが好ましい。
さらに成型炭の原料とする石炭が不足する場合は、粒径の小さな石炭に分級された石炭の少なくとも一部を粉砕して、成型炭の原料とすることができる。篩下である粒径の小さな石炭にはビトリニット成分が濃縮されており分級前に比較して粘結性が良好である。また、すでに粒径が小さいためコークス化過程で強度を低下させる大きさの亀裂が生成しにくいため、分級処理を行わなかった石炭を優先して成型炭の原料とすることが好ましい。
分級処理により粒径の小さな石炭に分類された石炭は、コークス原料となる石炭の残部である、分級処理を行わなかった石炭がある場合はそれと共に、または分級処理を行わなかった石炭とは別々に配合して粉砕する。その後製造した成型炭と共にコークス炉に装入して、コークスの製造を行なう。
以上のことから本発明は、コークス原料となる石炭の少なくとも一部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭と前記第二の粉砕工程とにより処理した石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法である。粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭との分級は篩を用いて篩い分けを行なう程度で十分であり、したがって、分級工程としては、例えば篩を用いて篩上と篩下とに石炭を分級する。分級工程に用いる分級機としては、篩の他に、風力分級機、流動床分級機等を用いることもできる。篩目よりも大きい粒径である篩上について第一の粉砕工程において粉砕を行い、粒径を小さくする。篩目以下の粒径である篩下については、第二の粉砕工程において粉砕処理を行う。粒径の大きい石炭を分級工程により除去し、粗粒の割合が減少することで第二の粉砕工程での粉砕能力を低下させて粉砕することが可能となり、これにより第二の粉砕工程での粉砕処理時に微小な粒径の石炭の発生が抑制されて、全体として石炭の粒度分布が改善される。
コークス原料となる石炭の全部を上記の分級工程で処理する場合、コークス原料となる石炭の残部は当然のことながら存在しない。一方、コークス原料となる石炭の一部のみを上記の分級工程で処理する場合、コークス原料となる石炭の残部は、成型炭と、分級工程において粒径の小さい石炭として処理した石炭と共にコークス炉に装入する。すなわち、コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後にコークス炉に装入することが望ましい。
コークス原料となる石炭の一部のみを上記の分級工程で処理する場合、石炭は硬度やイナート量などの品質が銘柄により異なるため、銘柄別に粉砕条件を調整して粉砕することが望ましい。したがって、配合槽は石炭の品質別または銘柄別に複数配置し、破砕機もそれに対応して複数配置することが好ましく、その残部の石炭については別途粉砕処理を行うことが望ましい。すなわち、コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きい石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さい石炭を配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記コークス原料となる石炭の残部は、コークス原料となる石炭の残部を配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第三の粉砕工程により粉砕して、前記第二の粉砕工程で粉砕された石炭と成型炭と共にコークス炉に装入することが望ましい。分級工程で処理を行わない、コークス原料となる石炭の残部については、細粒であったり、コークス炉に装入するのに適切な粒度分布を有する場合は、第三の粉砕工程を省略することも可能である。
また、コークス原料となる石炭の一部のみを上記の分級工程で処理する場合、硬い石炭を優先的に処理することが望ましい。すなわち、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する場合、硬度が高い石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭と前記石炭(X)の残部と前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することが好ましい。
また、さらに石炭(Y)も第一の配合工程で配合して、第二の粉砕工程により粉砕処理することができる。すなわち、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭と石炭(X)の残部と前記石炭(Y)とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後に前記成型炭と共にコークス炉に装入することが望ましい。
また、石炭は硬度やイナート量などの品質が銘柄により異なり、銘柄別に粉砕条件を調整して粉砕することが望ましい。したがって、配合槽は石炭の品質別または銘柄別に複数配置し、破砕機もそれに対応して複数配置することが好ましく、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(Y)を配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記石炭(X)と前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することが望ましい。
さらに、上記において、石炭(X)の残部と石炭(Y)とをそれぞれ別々の配合槽を用いて配合して、各配合槽毎に粉砕することも可能である。すなわち、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(X)の残部と前記石炭(Y)を別々に配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を別々に粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記石炭(X)と前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することが望ましい。
また、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X)の残部の少なくとも一部および/または前記石炭(Y)の少なくとも一部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、該第二の粉砕工程により処理されない残部である石炭を配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記石炭(X)と前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することも望ましい方法として選択が可能である。
通常複数銘柄からなるコークス原料である石炭を、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とにグループ分けするには、適宜設定した所定の基準を用いて、所定の基準よりも硬度が高い石炭(X)と所定の基準よりも硬度の低い石炭(Y)とに分類すればよい。例えば、石炭銘柄A、B、Cを用いてコークスを製造する場合、平均硬度が一番高い石炭銘柄Aを硬度が高い石炭(X)に分類し、石炭銘柄B、Cを硬度が低い石炭(Y)に分類する。また、石炭銘柄A、B、Cに比較して硬度の低い石炭銘柄D、E、Fを用いる場合は、所定の基準を低く設定して、石炭銘柄D、E、Fの中で比較的硬度の高い石炭銘柄Dを硬度が高い石炭(X)に分類することができる。所定の基準は、使用する原料石炭の銘柄や、コークスの製造設備能力等を考慮してコークス製造のコストや生産効率が最適化されるように設定することが望ましい。また、上記の例からも明らかなように、硬度が高い石炭(X)と硬度が低い石炭(Y)とは、それぞれが単一銘柄に限らず、複数の銘柄の石炭から構成される場合を有するものである。
硬い石炭を優先的に分級工程で処理する理由は、コークス原料である石炭のうち粒径の大きいものは、主に硬度が高い石炭であり、上記で説明したように粒子中には比較的硬いイナート成分の存在割合が高く、粘結性が低いものであるからである。すなわち、全ての原料石炭について分級工程での処理を行わない場合には、硬度が高い石炭(X)を優先して分級処理を行うことが好ましい。石炭(X)の一部のみについて分級工程での処理を行い成型炭を製造すれば効果があり、例えば、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級し、前記粒径の大きな石炭の量が全石炭量の10%程度であっても、原料全体のうち石炭(X)を優先的に分級および粉砕処理することで、コークス強度を向上させることができる。石炭(X)と、それ以外の石炭との分類は、厳密なものではなく、石炭の銘柄毎に平均硬度を規定して、その平均硬度が所定の基準を超えていれば石炭(X)に分類すれば良く、石炭(X)が部分的に所定の基準以下の硬度の石炭を含有しても差し支えない。石炭(X)のうち、分級工程での処理を行う割合を増やすほど粒度分布は改善されるが、処理コストも上昇する。
石炭は産地等により硬度が異なることが知られている。高硬度のものを優先的に分級工程で処理する際に、石炭(X)を分類する際の所定の基準としては、HGIを用いることが望ましく、粉砕性を表わす指数であるHGI(ハードグローブ指数:JIS−M−8801による)が80以下のものを石炭(X)とすることが好ましい。HGIが80以下である石炭として、非微粘炭を用いることが好適である。非微粘炭はHGI80以下の高硬度を有するものが多く、かつ安価な石炭である。所定の基準に対する石炭の硬度の判断は、例えば、石炭の銘柄毎に平均HGIを測定して、これらの平均値と所定の基準とを比較して行うことができる。
また、コークス原料となる石炭の一部のみを上記の分級工程および第一の粉砕工程で処理する場合、イナート量の多い石炭を優先的に処理することが望ましい。すなわち、イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X’)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とコークス炉に装入することが好ましい。
一方で、イナート量が少ない石炭(Y’)をイナート量が多い石炭(X’)と配合して粉砕することも可能である。石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭と石炭(X’)の残部と前記石炭(Y’)とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後にコークス炉に装入することが望ましい。
また、石炭は硬度やイナート量などの品質が銘柄により異なり、銘柄別に粉砕条件を調整して粉砕することが望ましい。したがって、配合槽は石炭の品質別または銘柄別に複数配置し、破砕機もそれに対応して複数配置することが好ましく、イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X’)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(Y’)を配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第三の粉砕工程により処理して、前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することが好ましい。
さらに、上記において、石炭(X’)の残部と石炭(Y’)とをそれぞれ別々の配合槽を用いて配合して、各配合槽毎に粉砕することが好ましい。すなわち、イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(X’)の残部と前記石炭(Y’)を別々に配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を別々に粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することが望ましい。
さらに、イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X’)の残部の少なくとも一部および/または前記石炭(Y’)の少なくとも一部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、該第二の粉砕工程により処理されない残部である石炭を配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第三の粉砕工程により処理して、前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することも望ましい方法として選択が可能である。
コークス原料である石炭としてイナート量の多いものを用いると、コークスの製造過程で亀裂が発生し易く、製造されるコークスの強度が低下する傾向がある。そこでイナート量の多い石炭を成型炭とすることでコークス強度を向上させることができる。したがって、全ての原料石炭について分級工程および第一の粉砕工程での処理を行わない場合には、イナート量の多い石炭(X’)を優先して分級および粉砕処理を行うことが好ましい。石炭(X’)の一部のみについて分級工程での処理を行えば効果があり、例えば、粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭とに分離し、前記粒径の大きい石炭に粉砕処理を行う石炭の量が全石炭量の10%程度であっても、原料全体のうち石炭(X’)を優先的に分級することで、全体として顕著に粒度分布を改善することができる。石炭(X’)と、それ以外の石炭との分類は、厳密なものではなく、石炭の銘柄毎に平均イナート量を規定して、その平均値が所定の基準を超えていれば石炭(X’)に分類すれば良く、石炭(X’)が部分的に所定の基準以下の硬度の石炭を含有しても差し支えない。石炭(X’)のうち、分級工程および第一の粉砕工程での処理を行う割合を増やすほどコークス強度は増加するが、処理コストも上昇する。
石炭は産地等によりイナート(非溶融成分)量が異なることが知られている。イナート量の多いものを優先的に分級工程・第一の粉砕工程で処理する際に、イナート量の多い石炭(X’)を分類する際の基準は、使用する原料石炭の銘柄や、コークスの製造設備能力等を考慮してコークス製造のコストや生産効率が最適化されるように適宜設定することが望ましいが、イナート量が35%以上である石炭をイナート量の多い石炭(X’)とすることが特に好ましい。イナート量が35%以上である石炭として、非微粘炭を用いることが好適である。非微粘炭はイナート量の高いものが多く、安価な石炭である。石炭のイナート量の判断は、例えば、石炭の銘柄毎に平均イナート量を測定して、これらの平均値と所定の基準(例えばイナート量35%)とを比較して行うことができる。
したがってコークス原料となる石炭の一部のみを上記の分級工程および第一の粉砕工程で処理する場合、硬度およびイナート量の両方の基準を用いて石炭を分類して、高硬度のもの、イナート量の多いものを優先的に分級工程・第一の粉砕工程で処理することが望ましい。特に望ましくは、HGIが80以下、且つ、イナート量が35%以上である石炭を優先的に分級工程・第一の粉砕工程で処理することである。非微粘炭には、HGIが80以下、且つ、イナート量が35%以上の品種が多く、安価であるので、非常に好適である。
分級工程において、石炭を粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭とに分級する際には、1〜20mmの範囲内で設定した粒径で粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級することが好ましい。分級粒径(分級する際の粒径であり、たとえば、篩を用いて分級する際の篩目に相当)の増加に伴い分級効率は高くなるが、粉炭中の粗粒の割合が増加するためコークス強度が低下する。特に、20mm超では大幅に低下する。一方、分級粒径が小さくなるにしたがい、粉炭部に残留する粗粒子の割合が減少するため、コークス強度は向上する。しかし、篩による分級効率が低下するため、生産性が低下する。特に、1mm以下では大幅な生産性の低下が認められる。この結果、コークス強度が大きいほど使用する石炭(配合炭)の反射率(Ro)を下げられるので低反射率の安価な石炭を原料とすることができ、結局分級粒径が小さいほど、コークス単位生産量当りの配合炭のコストは低下して、コストの点でのメリットは大きくなる。一方で、分級粒径を小さくするほど分級効率が低下するため、生産性を維持するためには分級設備の処理能力を高くしなければならず、固定費が増加し、その結果コークス製造コストは増加する。図2に分級工程における分級粒径を変化させた場合のコークスの製造コストを説明するグラフを示す。図2によれば、コークス単位生産量当りのコークス製造コストであるトータルコストは、分級粒径が20mm以下程度で低下して、分級粒径を3〜10mm程度とした時に特に低くなる傾向がある。したがって、コストの点で望ましいのは分級粒径1〜20mmであり、特に望ましくは3〜10mm程度である。尚、コークス強度(ドラム強度(DI30/15))の観点からは、更に望ましい分級粒径は3〜6mmである。分級粒径は、例えば、石炭を分級する際の篩の篩目を変更することで容易に調整可能である。
次に、本発明のコークスの製造設備について説明する。
上記のコークスの製造方法を実施するために、コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕機と、該第一の粉砕機で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造設備と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合槽と、該配合槽で配合した石炭を粉砕する粉砕機と、該粉砕機で処理された石炭と前記成型炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備を用いることが好ましい。
また、石炭は硬度やイナート量などの品質が銘柄により異なり、銘柄別に粉砕条件を調整して粉砕することが望ましい。したがって、配合槽は石炭の品質別または銘柄別に複数配置し、破砕機もそれに対応して複数配置することが好ましく、第二の配合槽および第三の粉砕機を用い、コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕機と、該第一の粉砕機で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造設備と、前記粒径の小さな石炭と配合する第一の配合槽と、該第一の配合槽で配合した石炭を粉砕する第二の粉砕機と、前記コークス原料となる石炭の残部を配合する第二の配合槽と、該第二の配合槽で配合した石炭を粉砕する第三の粉砕機と、前記第二の粉砕機で処理された石炭と前記第三の粉砕機で処理された石炭と前記成型炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備を用いることが好ましい。
配合槽においては、石炭を貯留する以外に、複数銘柄の石炭を順次装入して配合槽内に貯留後に切り出すことでコークス炉に装入する際の石炭の性状を均質化させる効果がある。単一銘柄の石炭のみが同一配合槽に貯留される場合もあるが、粉砕後に搬送機上で他の銘柄の石炭と混合される状態とすれば、コークス炉に装入される石炭の銘柄が部分的に偏ることが防止される。
また、石炭ヤードから搬出された石炭の一部を分級するための篩と、該篩により分級された篩上の石炭を粉砕する第一の粉砕機と、少なくとも前記篩により分級された篩下の石炭とを混合して貯留する第一の配合槽と、該第一の配合槽から切り出された石炭を粉砕する第二の粉砕機と、前記石炭ヤードから搬出された上記の残部の石炭を貯留する第二の配合槽と、該第二の配合槽から切り出された石炭を粉砕する第三の粉砕機と、前記第二の粉砕機で粉砕された石炭と前記第三の粉砕機で粉砕された石炭と前記成型炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備を用いることが好ましい。第一の配合槽には、篩により分級された篩下の石炭以外の石炭も貯留することができ、その場合は銘柄の異なる石炭の混合率が高まり、製品コークスの品質がより均質化する。
図1は本発明のコークスの製造設備の一実施形態を示す概略図である。
石炭ヤード1、2のうち、石炭ヤード1の石炭の一部を搬出して篩3により篩い分けして、所定粒径超である篩上aは第一の粉砕機4により粉砕処理して成型炭製造設備11を用いて成型炭を製造する。篩下bはそのまま第一の配合槽5に投入する。石炭ヤード1の石炭の残部については、そのまま第一の配合槽5、第二の配合槽6、7に適宜搬出する。石炭ヤード2の石炭についても、第一の配合槽5、第二の配合槽6、7に適宜搬出する。第一の配合槽5の石炭は、適宜第二の粉砕機8で粉砕する。第二の配合槽6の石炭は第三の粉砕機9、第二の配合槽7の石炭は第三の粉砕機10で適宜粉砕後、各粉砕機で粉砕された石炭は、成型炭と共にコンベア等で混合されながら搬送されることで、ある程度均質化してコークス炉に装入される。
第二の配合槽6、7は図1においては各3槽設置され、第二の配合槽6の石炭は第三の粉砕機9で破砕し、第二の配合槽7の石炭は第三の粉砕機10で破砕することで、銘柄別の破砕を実施できる。
原料石炭として、非微粘炭と強粘結炭とを用いる場合は、石炭ヤード1を非微粘炭、石炭ヤード2を強粘結炭とすることが望ましい。
図1に示すコークス製造設備を用いてコークスの製造を行った。原料の石炭として、非微粘結炭80mass%と強粘結炭20mass%(HGI:約85、イナート量約30体積%)とを用い、非微粘結炭のうち、全石炭量の10mass%にあたる非微粘結炭(HGI:約75、イナート量約36体積%)を篩い分け(分級工程)した。篩下である6mm以下の石炭を残りの石炭の一部と共に第一の配合槽に投入後、ハンマーヘッド式の第二の粉砕機にて570rpmで粉砕(第二の粉砕工程)を行なった。残りの非微粘結炭と、強粘結炭を別々に複数台あるハンマーヘッド式の第三の粉砕機にて600rpmで粉砕処理(第三の粉砕工程)して、篩い分けして粉砕処理を行なった非微粘結炭とともにコンベア上で混合して、コークス炉に装入して、コークスの製造を行なった。
一方、成型炭製造設備により、全石炭量の0mass%、10mass%、20mass%分の成型炭を製造した。成型炭の製造条件は一定とし、バインダーに、アスファルトピッチ、タールピッチ、タール、タール滓を使用し、石炭とともに攪拌混合しながらスチーム加熱し、成型した。成型にはダブルロールプレスを用い、マセック型(90cc)の成型物を成型した。成型炭用原料は、前記分級工程における6mm超の篩上の石炭(全石炭の5mass%程度)を使用した。成型炭製造工程で原料が不足する条件(成型炭比10mass%、20mass%の場合)では、不足分を分級工程で処理されていない石炭から補填した。原料が余剰となる条件(成型炭比0%の場合)では、6mm超の篩上の余剰分についてはハンマーヘッド式の第一の粉砕機にて680rpmで粉砕(第一の粉砕工程)して、粉砕した全てを篩下である6mm以下の石炭と共に第一の配合槽に投入後、ハンマーヘッド式の第二の粉砕機にて570rpmで粉砕(第二の粉砕工程)を行なった。製造した成型炭は第二の粉砕工程、第三の粉砕工程で粉砕した、残部の石炭と共にコークス炉に装入して、コークスの製造を行なった(成型炭比20mass%、10mass%の場合が本発明例1、2、成型炭比0mass%の場合が比較例1)。さらに比較のために、分級工程での処理を行うことなく、原料石炭の0mass%、10mass%、20mass%分で上記と同様に成型炭を製造し、残部の石炭と共にコークス炉に装入して、コークスの製造を行なった(成型炭比20mass%、10mass%、0mass%の場合が比較例2、3、4)。尚、比較例4は、非微粘炭と、強粘結炭を別々に粉砕処理(第三の粉砕工程のみに相当)してコンベア上で混合して、コークス炉に装入する、従来の製造方法でのコークスの製造に相当する。
製造したコークスのドラム強度(DI)を測定した結果を表1に示す。ドラム強度としてDI30/15を使用した。尚、DI30/15はJIS K2151の回転強度試験法により15rpm、30回転の条件で測定したドラム強度である。
Figure 0004830351
分級処理を行なうことによりドラム強度は向上するが、分級後の篩上を成型炭用原料として、成型炭化することで、さらに強度が向上することが分かった。また、成型炭原料として篩上原料に篩上原料以外の他の原料石炭を配合しても強度向上効果が得られることが分かった。
実施例1と同様に、図1に示すコークス製造設備を用いてコークスの製造を行った。原料の石炭として、非微粘結炭80mass%と強粘結炭20mass%(HGI:約85、イナート量約30体積%)とを用い、非微粘結炭のうち、全石炭量の30mass%にあたる非微粘結炭(HGI:約75、イナート量約36体積%)を篩い分け(分級工程)した。篩下である6mm以下の石炭を残りの石炭の一部と共に第一の配合槽に投入後、ハンマーヘッド式の第二の粉砕機にて570rpmで粉砕(第二の粉砕工程)を行なった。残りの非微粘結炭と、強粘結炭を別々に複数台あるハンマーヘッド式の第三の粉砕機にて600rpmで粉砕処理(第三の粉砕工程)して、篩い分けして粉砕処理を行なった非微粘結炭とともにコンベア上で混合して、コークス炉に装入して、コークスの製造を行なった。
一方、成型炭製造設備により、全石炭量の0mass%、15mass%、20%mass分の成型炭を製造した。成型炭の製造条件は実施例1と同様とした。成型炭用原料は、前記分級工程における6mm超の篩上の石炭(全石炭の15mass%程度)を使用した。成型炭工程で原料が不足する条件(成型炭比20mass%の場合)では、不足分を分級工程で処理されていない石炭から補填した。成型炭工程で原料が余剰となる条件(成型炭比0mass%の場合)では、6mm超の篩上の余剰分についてはハンマーヘッド式の第一の粉砕機にて680rpmで粉砕(第一の粉砕工程)して、粉砕した全てを篩下である6mm以下の石炭と共に第一の配合槽に投入後、ハンマーヘッド式の第二の粉砕機にて570rpmで粉砕(第二の粉砕工程)を行なった。製造した成型炭は第二の粉砕工程、第三の粉砕工程で粉砕した、残部の石炭と共にコークス炉に装入して、コークスの製造を行なった(成型炭比20mass%、15mass%の場合が本発明例3、4、成型炭比0mass%の場合が比較例5)。さらに比較のために、分級工程での処理を行うことなく、原料石炭の0mass%、20mass%分で上記と同様に成型炭を製造し、残部の石炭と共にコークス炉に装入して、コークスの製造を行なった(成型炭比20mass%、0mass%の場合が比較例6、7)。
製造したコークスのドラム強度(DI)を測定した結果を表2に示す。ドラム強度としてDI30/15を使用した。
Figure 0004830351
分級処理を行なうことでドラム強度は向上するが、分級後の篩上を成型炭用原料とすることで、さらに強度が向上することが分かった。また、分級する石炭としてイナート含有量の高い石炭を選択することでより大きな強度向上効果の得られることが明らかになった。
実施例1と同様に、図1に示すコークス製造設備を用いてコークスの製造を行った。原料の石炭として、非微粘結炭80mass%と強粘結炭20mass%(HGI:約85、イナート量約30体積%)とを用い、非微粘結炭のうち、全石炭量の30mass%にあたる非微粘結炭(HGI:約75、イナート量約22体積%)を篩い分け(分級工程)した。篩下である6mm以下の石炭を残りの石炭の一部と共に第一の配合槽に投入後、ハンマーヘッド式の第二の粉砕機にて570rpmで粉砕(第二の粉砕工程)を行なった。残りの非微粘結炭と、強粘結炭を別々に複数台あるハンマーヘッド式の第三の粉砕機にて600rpmで粉砕処理(第三の粉砕工程)して、篩い分けして粉砕処理を行なった非微粘結炭とともにコンベア上で混合して、コークス炉に装入して、コークスの製造を行なった。
一方、成型炭製造設備により、全石炭量の0mass%、10mass%、20mass%分の成型炭を製造した。成型炭の製造条件は実施例1と同様とした。成型炭用原料は、前記分級工程における6mm超の篩上の石炭(全石炭の10mass%程度)を使用した。成型炭工程で原料が不足する条件(成型炭比20mass%の場合)では、不足分を分級工程で処理されていない石炭から補填した。成型炭工程で原料が余剰となる条件(成型炭比0mass%の場合)では、6mm超の篩上の余剰分についてはハンマーヘッド式の第一の粉砕機にて680rpmで粉砕(第一の粉砕工程)して、粉砕した全てを篩下である6mm以下の石炭と共に第一の配合槽に投入後、ハンマーヘッド式の第二の粉砕機にて570rpmで粉砕(第二の粉砕工程)を行なった。製造した成型炭は第二の粉砕工程、第三の粉砕工程で粉砕した、残部の石炭と共にコークス炉に装入して、コークスの製造を行なった(成型炭比20mass%、10mass%の場合が本発明例5、6、成型炭比0mass%の場合が比較例8)。さらに比較のために、分級工程での処理を行うことなく、原料石炭の0mass%、10mass%分で上記と同様に成型炭を製造し、残部の石炭と共にコークス炉に装入して、コークスの製造を行なった(成型炭比10mass%、0mass%の場合が比較例9、10)。
製造したコークスのドラム強度(DI)を測定した結果を表3に示す。ドラム強度としてDI30/15を使用した。
Figure 0004830351
分級処理を行なうことでドラム強度は向上するが、分級後の篩上を成型炭用原料とすることで、さらに強度が向上することが分かった。また、分級する石炭としてイナート含有量の低い石炭を選択することで強度向上効果は小さくなった。
本発明で用いるコークス製造設備の一実施形態の概略図。 分級工程における分級粒径とコークス製造コストの関係を示すグラフ。
符号の説明
1 石炭ヤード
2 石炭ヤード
3 篩
4 第一の粉砕機
5 第一の配合槽
6 第二の配合槽
7 第二の配合槽
8 第二の粉砕機
9 第三の粉砕機
10 第三の粉砕機
11 成型炭製造設備
a 篩上
b 篩下

Claims (19)

  1. コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭と前記第二の粉砕工程により処理された粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  2. コークス原料となる石炭の全部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭と前記第二の粉砕工程により処理された粒径の小さな石炭とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  3. コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭と共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  4. コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理し、前記コークス原料となる石炭の残部を粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭と前記第二の粉砕工程で処理された石炭と共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  5. 硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および前記石炭(X)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X)と、前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  6. 硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の全部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X)と、前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  7. 硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭と石炭(X)の残部と前記石炭(Y)とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後に成型炭と共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  8. 硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および前記石炭(X)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(Y)を粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  9. 硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の全部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(Y)を粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  10. 硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(X)の残部と前記石炭(Y)を別々に粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭並びに前記第二の粉砕工程および前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  11. イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および前記石炭(X’)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  12. イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の全部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  13. イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭と石炭(X’)の残部と前記石炭(Y’)とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後に前記成型炭と共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  14. イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭および前記石炭(X’)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(Y’)を粉砕する第三の粉砕工程により処理して、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X’)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  15. イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の全部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理し、前記石炭(Y’)を粉砕する第三の粉砕工程により処理して、前記成型炭および前記第二の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X’)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  16. イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造工程と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(X’)の残部と前記石炭(Y’)を別々に粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記成型炭並びに前記第二の粉砕工程および前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(X’)と前記第三の粉砕工程により処理された石炭からなる前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  17. 1〜20mmの範囲内で設定した粒径で粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級することを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載のコークスの製造方法。
  18. コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕機と、該第一の粉砕機で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造設備と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合槽と、該配合槽で配合した石炭を粉砕する第二の粉砕機と、該第二の粉砕機で処理された石炭と前記成型炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備。
  19. コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕機と、該第一の粉砕機で処理された石炭を用いて成型炭を製造する成型炭製造設備と、前記粒径の小さな石炭を粉砕する第二の粉砕機と、前記コークス原料となる石炭の残部を粉砕する第三の粉砕機と、前記成型炭と前記第二の粉砕機で処理された石炭と前記第三の粉砕機で処理された石炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備。
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