JP3874004B2 - コークスの製造方法および製造設備 - Google Patents

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Description

本発明は、製鉄原料として用いるコークスの製造方法および製造設備に関する。
製鉄原料として用いるコークスは、高炉内に装入した際に粉化すると高炉の通気性を悪化させるため、高強度を有することが望ましい。高強度のコークスを製造するためにはコークス原料の石炭の粒径は小さいほど好ましいが、一方で粒径の小さい石炭は、コークス炉装入の際にハンドリングが困難になる等の問題があり、生産性が向上しないため、結局粒径が、例えば0.5mm〜6mm程度の範囲の石炭を用いることが好ましいとされている。このような粒径範囲とするために、粉砕処理した石炭を、篩い分けにより0.5mm未満、6mm超のものを除いて0.5mm〜6mmのみの粒径の石炭とすることが可能であるが、6mm超のものは再度粉砕処理してコークス原料として用いるとしても、0.5mm未満のものは好ましい用途も無く処分することになり、処理コストが発生し、歩留向上の点で好ましくなく、コークス炉内での石炭の充填率も低下するので現実的な方法ではない。
コークス炉装入用石炭の粒径の上限のみを規定して、粒度調整する方法として、石炭を所定の粒子径が得られる篩目を有する篩で分級し、篩下部分はそのままコークス用配合原料とするとともに、篩上の粗粒子部分を篩を通過するまで粉砕、分級を繰り返す方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の方法では、活性成分に富んだ石炭(軟かい石炭)と活性成分に富まない石炭(硬い石炭)とで篩目を変化させて、活性成分に富まない石炭の粒径をより小さくして配合原料としている。それぞれに粒度調整された石炭は、適宜混合されてコークス炉に装入され、従来よりも高強度のコークスが製造される。
また、コークス炉内での石炭の充填密度を高めることで、生産性を向上させ、かつ高強度のコークスが製造できる技術として、破砕した石炭を大粒径、中粒径、小粒径以下に分級して、分級した大粒径、小粒径以下の石炭を破砕機で破砕し、この破砕炭を先に分級した中粒径の石炭と共にコークス炉に装入するコークス炉装入用石炭の粒度調整方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭56−32587号公報 特開平11−302662号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、所定の粒径以上の石炭が、所定粒径以下に小さくなるまで繰り返し破砕する必要があり、同じ石炭が何度も篩い分けされ、粉砕処理されるため生産性が低下する。
また、特許文献2に記載の方法は、同一の石炭について破砕回数は最大2回であるが、破砕して得られた小粒径以下の石炭を再度破砕機で破砕するため、微細粒が増加して、コークス炉への充填状態を最密充填とする理想的な石炭の粒度分布状態に近い分布が得られるとしても、実操業上は望ましくない。また、破砕した石炭を大粒径、中粒径、小粒径以下の3段階に分級するため、篩い分けのための設備コストが上昇する。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、生産性の低下やコストの上昇を抑えながら、コークス原料の石炭の粒度分布を適正範囲とすることで、コークス強度の向上が可能な、コークスの製造方法および製造設備を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)コークス原料となる石炭の少なくとも一部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭と前記粒径の小さな石炭とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記コークス原料となる石炭の残部と共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(2)コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
)硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記石炭(X)と前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
)イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X’)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
)1〜20mmの範囲内で設定した粒径で粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級することを特徴とする(1)ないし()のいずれかに記載のコークスの製造方法。
)コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕機と、該第一の粉砕機で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合槽と、該配合槽で配合した石炭を粉砕する粉砕機と、該粉砕機で処理された石炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備。
)第一の粉砕機の粉砕能力が第二の粉砕機の粉砕能力よりも大きいことを特徴とする()に記載のコークスの製造設備。
本発明では、コークスの原料となる石炭の少なくとも一部を、粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭とに分けて、粒径の大きい石炭に粉砕処理を行った後に粒径の小さい石炭とを混合状態として再度粉砕処理を行い、コークス炉に装入してコークスを製造する。すなわち、コークス原料となる石炭の少なくとも一部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭と前記粒径の小さな石炭とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記コークス原料となる石炭の残部と共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法である。粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭との分級は篩を用いて篩い分けを行なう程度で十分であり、したがって、分級工程としては、例えば篩を用いて篩上と篩下とに石炭を分級する。篩目よりも大きい粒径である篩上について第一の粉砕工程において粉砕を行い、粒径を小さくする。篩目以下の粒径である篩下については、第一の粉砕工程を行わずに、第一の粉砕工程を行った篩上と配合(第一の配合工程)した後に、第二の粉砕工程において粉砕処理を行う。第一の配合工程においては、粒径の大きい石炭と粒径の小さな石炭とを配合槽等に投入して混合状態とすれば十分であり、以下の配合工程においても特別な混合手段を設ける必要はない。粒径の大きい石炭のみをあらかじめ粉砕(第一の粉砕工程)することで、粒径の大きい石炭の割合が減少する。その結果、粗粒の割合が減少することで第二の粉砕工程での粉砕能力を低下させて粉砕することが可能となり、これにより第二の粉砕工程での粉砕処理時に微小な粒径の石炭の発生が抑制されて、全体として石炭の粒度分布が改善される。粒径の大きい篩上の石炭を第一の粉砕工程で粉砕後に、再度篩分けによる分級を繰り返すことなく、そのまま篩下とともに第二の粉砕工程で粉砕することで、同じ石炭が繰り返し粉砕されることが無く、生産性の点で有利である。また、第一の粉砕工程後にも粒径の大きい石炭は存在するが、第二の粉砕工程で適宜粉砕されて細粒化する。したがって、第一の粉砕工程および第二の粉砕工程で粉砕処理した後にも分級工程で篩上に分類されるような粒径の大きい石炭がある程度の割合で存在するが、第一の粉砕処理を行わない場合に比較すると、その割合は十分に減少している。
したがって、「第二の粉砕工程」では「第一の粉砕工程」よりも粉砕能力を小さくすることが望ましく、例えば「第一の粉砕工程」と「第二の粉砕工程」とで粉砕能力の異なる粉砕装置を用いることや、「第二の粉砕工程」では「第一の粉砕工程」よりも粉砕能力が低下するように粉砕装置の破砕刃の回転数を少なくすること等で対応できる。
コークス原料となる石炭の全部を上記の分級工程および第一の粉砕工程で処理する場合、コークス原料となる石炭の残部は当然のことながら存在しない。一方、コークス原料となる石炭の一部のみを上記の分級工程および第一の粉砕工程で処理する場合、コークス原料となる石炭の残部は、分級工程および第一の粉砕工程で処理した石炭と共にコークス炉に装入する。すなわち、コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後にコークス炉に装入することが望ましい。
コークス原料となる石炭の一部のみを上記の分級工程および第一の粉砕工程で処理する場合、石炭は硬度やイナート量などの品質が銘柄により異なり、銘柄別に粉砕条件を調整して粉砕することが望ましい。したがって、配合槽は石炭の品質別または銘柄別に複数配置し、破砕機もそれに対応して複数配置することが好ましく、その残部の石炭については別途粉砕処理を行うことが望ましい。すなわち、コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きい石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭と前記粒径の小さい石炭とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記コークス原料となる石炭の残部は、コークス原料となる石炭の残部を配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第三の粉砕工程により粉砕して、前記第二の粉砕工程で粉砕された石炭と共にコークス炉に装入することが望ましい。分級工程で処理を行わない、コークス原料となる石炭の残部については、細粒であったり、コークス炉に装入するのに適切な粒度分布を有する場合は、第三の粉砕工程を省略することも可能である。
また、コークス原料となる石炭の一部のみを上記の分級工程および第一の粉砕工程で処理する場合、硬い石炭を優先的に処理することが望ましい。すなわち、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する場合、硬度が高い石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記石炭(X)と前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することが好ましい。
また、さらに石炭(Y)も第一の配合工程で配合して、第二の粉砕工程により粉砕処理することができる。すなわち、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭と石炭(X)の残部と前記石炭(Y)とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後にコークス炉に装入することが望ましい。
また、石炭は硬度やイナート量などの品質が銘柄により異なり、銘柄別に粉砕条件を調整して粉砕することが望ましい。したがって、配合槽は石炭の品質別または銘柄別に複数配置し、破砕機もそれに対応して複数配置することが好ましく、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(Y)を配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記石炭(X)と前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することが望ましい。
さらに、上記において、石炭(X)の残部と石炭(Y)とをそれぞれ別々の配合槽を用いて配合して、各配合槽毎に粉砕することも可能である。すなわち、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(X)の残部と前記石炭(Y)を別々に配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を別々に粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記石炭(X)と前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することが望ましい。
また、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X)の残部の少なくとも一部および/または前記石炭(Y)の少なくとも一部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、該第二の粉砕工程により処理されない残部である石炭を配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記石炭(X)と前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することも望ましい方法として選択が可能である。
通常複数銘柄からなるコークス原料である石炭を、硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とにグループ分けするには、適宜設定した所定の基準を用いて、所定の基準よりも硬度が高い石炭(X)と所定の基準よりも硬度の低い石炭(Y)とに分類すればよい。例えば、石炭銘柄A、B、Cを用いてコークスを製造する場合、平均硬度が一番高い石炭銘柄Aを硬度が高い石炭(X)に分類し、石炭銘柄B、Cを硬度が低い石炭(Y)に分類する。また、石炭銘柄A、B、Cに比較して硬度の低い石炭銘柄D、E、Fを用いる場合は、所定の基準を低く設定して、石炭銘柄D、E、Fの中で比較的硬度の高い石炭銘柄Dを硬度が高い石炭(X)に分類することができる。所定の基準は、使用する原料石炭の銘柄や、コークスの製造設備能力等を考慮してコークス製造のコストや生産効率が最適化されるように設定することが望ましい。また、上記の例からも明らかなように、硬度が高い石炭(X)と硬度が低い石炭(Y)とは、それぞれが単一銘柄に限らず、複数の銘柄の石炭から構成される場合を有するものである。
硬い石炭を優先的に第一の粉砕工程で処理する理由は、コークス原料である石炭のうち粒径の大きいものは、主に硬度が高い石炭であり、粉砕困難である硬い石炭の粉砕回数を優先して増やすことで生産性を向上させることができるからである。すなわち、全ての原料石炭について分級工程および第一の粉砕工程での処理を行わない場合には、硬度が高い石炭(X)を優先して分級および粉砕処理を行うことが好ましい。石炭(X)の一部のみについて分級工程および第一の粉砕工程での処理を行えば効果があり、例えば、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級し、前記粒径の大きな石炭に粉砕処理を行う石炭の量が全石炭量の10%程度であっても、原料全体のうち石炭(X)を優先的に分級および粉砕処理することで、全体として顕著に粒度分布を改善することができる。石炭(X)と、それ以外の石炭との分類は、厳密なものではなく、石炭の銘柄毎に平均硬度を規定して、その平均硬度が所定の基準を超えていれば石炭(X)に分類すれば良く、石炭(X)が部分的に所定の基準以下の硬度の石炭を含有しても差し支えない。石炭(X)のうち、分級工程および第一の粉砕工程での処理を行う割合を増やすほど粒度分布は改善されるが、処理コストも上昇する。
石炭は産地等により硬度が異なることが知られている。高硬度のものを優先的に分級工程・第一の粉砕工程で処理する際に、石炭(X)を分類する際の所定の基準としては、HGIを用いることが望ましく、粉砕性を表わす指数であるHGI(ハードグローブ指数:JIS−M−8801による)が80以下のものを石炭(X)とすることが好ましい。HGIが80以下である石炭として、非微粘炭を用いることが好適である。非微粘炭はHGI80以下の高硬度を有するものが多く、かつ安価な石炭である。所定の基準に対する石炭の硬度の判断は、例えば、石炭の銘柄毎に平均HGIを測定して、これらの平均値と所定の基準とを比較して行うことができる。
また、コークス原料となる石炭の一部のみを上記の分級工程および第一の粉砕工程で処理する場合、イナート量の多い石炭を優先的に処理することが望ましい。すなわち、イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X’)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とコークス炉に装入することが好ましい。
一方で、イナート量が少ない石炭(Y’)をイナート量が多い石炭(X’)と配合して粉砕することも可能である。石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭と石炭(X’)の残部と前記石炭(Y’)とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後にコークス炉に装入することが望ましい。
また、石炭は硬度やイナート量などの品質が銘柄により異なり、銘柄別に粉砕条件を調整して粉砕することが望ましい。したがって、配合槽は石炭の品質別または銘柄別に複数配置し、破砕機もそれに対応して複数配置することが好ましく、イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X’)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(Y’)を配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第三の粉砕工程により処理して、前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することが好ましい。
さらに、上記において、石炭(X’)の残部と石炭(Y’)とをそれぞれ別々の配合槽を用いて配合して、各配合槽毎に粉砕することが好ましい。すなわち、イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、前記石炭(X’)の残部と前記石炭(Y’)を別々に配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を別々に粉砕する第三の粉砕工程により処理した後に、前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することが望ましい。
さらに、イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X’)の残部の少なくとも一部および/または前記石炭(Y’)の少なくとも一部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理し、該第二の粉砕工程により処理されない残部である石炭を配合する第二の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第三の粉砕工程により処理して、前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とをコークス炉に装入することも望ましい方法として選択が可能である。
コークス原料である石炭としてイナート量の多いものを用いると、コークスの製造過程で亀裂が発生し易く、製造されるコークスの強度が低下する傾向がある。したがってコークス炉に装入する際にはできるだけ分散させて装入することが好ましく、このためにも細粒に粉砕処理することが望ましい。そこでイナート量の多い石炭の粉砕回数を優先して増やすことでコークス強度を向上させることができる。したがって、全ての原料石炭について分級工程および第一の粉砕工程での処理を行わない場合には、イナート量の多い石炭(X’)を優先して分級および粉砕処理を行うことが好ましい。石炭(X’)の一部のみについて分級工程および第一の粉砕工程での処理を行えば効果があり、例えば、粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭とに分離し、前記粒径の大きい石炭に粉砕処理を行う石炭の量が全石炭量の10%程度であっても、原料全体のうち石炭(X’)を優先的に分級および粉砕処理することで、全体として顕著に粒度分布を改善することができる。石炭(X’)と、それ以外の石炭との分類は、厳密なものではなく、石炭の銘柄毎に平均イナート量を規定して、その平均値が所定の基準を超えていれば石炭(X’)に分類すれば良く、石炭(X’)が部分的に所定の基準以下の硬度の石炭を含有しても差し支えない。石炭(X’)のうち、分級工程および第一の粉砕工程での処理を行う割合を増やすほどコークス強度は増加するが、処理コストも上昇する。
石炭は産地等によりイナート(非溶融成分)量が異なることが知られている。イナート量の多いものを優先的に分級工程・第一の粉砕工程で処理する際に、イナート量の多い石炭(X’)を分類する際の基準は、使用する原料石炭の銘柄や、コークスの製造設備能力等を考慮してコークス製造のコストや生産効率が最適化されるように適宜設定することが望ましいが、イナート量が35%以上である石炭をイナート量の多い石炭(X’)とすることが特に好ましい。イナート量が35%以上である石炭として、非微粘炭を用いることが好適である。非微粘炭はイナート量の高いものが多く、安価な石炭である。石炭のイナート量の判断は、例えば、石炭の銘柄毎に平均イナート量を測定して、これらの平均値と所定の基準(例えばイナート量35%)とを比較して行うことができる。
したがってコークス原料となる石炭の一部のみを上記の分級工程および第一の粉砕工程で処理する場合、硬度およびイナート量の両方の基準を用いて石炭を分類して、高硬度のもの、イナート量の多いものを優先的に分級工程・第一の粉砕工程で処理することが望ましい。特に望ましくは、HGIが80以下、且つ、イナート量が35%以上である石炭を優先的に分級工程・第一の粉砕工程で処理することである。非微粘炭には、HGIが80以下、且つ、イナート量が35%以上の品種が多く、安価であるので、非常に好適である。
分級工程において、石炭を粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭とに分級する際には、1〜20mmの範囲内で設定した粒径で粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級することが好ましい。分級粒径(分級する際の粒径であり、たとえば、篩を用いて分級する際の篩目に相当)が20mm超であると、粗粒の割合が増加して、コークス強度が低下する。一方で、分級粒径が1mm未満であると、細粒の割合が増加し、分級粒径超の石炭と分級粒径以下の石炭とに分離した後の分級粒径超の石炭の割合が増加して、第一の粉砕工程での処理量が増加するので、生産性も低下する。図3は分級工程における分級粒径を変化させた場合のコークスの製造コストを説明するグラフである。コークス強度は分級粒径が小さいほど大きくなり、コークス強度が大きいほど使用する石炭(配合炭)の反射率(Ro)を下げられるので低反射率の安価な石炭を原料とすることができ、結局分級粒径が小さいほど、コークスの単位生産量当りの配合炭のコストは低下して、コストの点でのメリットは大きくなる(図3のA)。一方で、コークス炉の窯当りの装入量は分級粒径を大きくするほど増加し、窯当りの装入量が多いほどコークスの生産量が増加するためコークスの単位生産量当りのコストであるコークス製造コストは低下し、コストの点でのメリットは増加する(図3のB)。したがって、全体としてのコークスの単位生産量当りのコークス製造のコストであるトータルコスト(図3のC)は、分級粒径が20mm以下程度で低下して、分級粒径を3〜10mm程度とした時に特に低くなる傾向がある。したがって、コストの点で望ましいのは分級粒径1〜20mm、特に望ましくは3〜10mm程度である。尚、コークス強度はコークスのドラム強度(DI30/15)で評価した。窯当りの装入量は、コークス炉への石炭の充填率を表す窯装入量指標で評価した。原料炭の粒度分布が一定の範囲であれば、小粒側の割合が多いことが好ましいため、更に望ましい分級粒径は3〜6mmである。分級粒径は、例えば、石炭を分級する際の篩の篩目を変更することで容易に調整可能である。
次に、本発明のコークスの製造設備について説明する。
上記のコークスの製造方法を実施するために、コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕機と、該第一の粉砕機で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合槽と、該配合槽で配合した石炭を粉砕する粉砕機と、該粉砕機で処理された石炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備を用いることが好ましい。
また、石炭は硬度やイナート量などの品質が銘柄により異なり、銘柄別に粉砕条件を調整して粉砕することが望ましい。したがって、配合槽は石炭の品質別または銘柄別に複数配置し、破砕機もそれに対応して複数配置することが好ましく、第二の配合槽および第三の粉砕機を用い、コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕機と、該第一の粉砕機で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭とを配合する第一の配合槽と、該第一の配合槽で配合した石炭を粉砕する第二の粉砕機と、前記コークス原料となる石炭の残部を配合する第二の配合槽と、該第二の配合槽で配合した石炭を粉砕する第三の粉砕機と、前記第二の粉砕機で処理された石炭と前記第三の粉砕機で処理された石炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備を用いることが好ましい。
配合槽においては、石炭を貯留する以外に、複数銘柄の石炭を順次装入して配合槽内に貯留後に切り出すことでコークス炉に装入する際の石炭の性状を均質化させる効果がある。単一銘柄の石炭のみが同一配合槽に貯留される場合もあるが、粉砕後に搬送機上で他の銘柄の石炭と混合される状態とすれば、コークス炉に装入される石炭の銘柄が部分的に偏ることが防止される。
また、石炭ヤードから搬出された石炭の一部を分級するための篩と、該篩により分級された篩上の石炭を粉砕する第一の粉砕機と、少なくとも該第一の粉砕機で粉砕した石炭と前記篩により分級された篩下の石炭とを混合して貯留する第一の配合槽と、該第一の配合槽から切り出された石炭を粉砕する第二の粉砕機と、前記石炭ヤードから搬出された上記の残部の石炭を貯留する第二の配合槽と、該第二の配合槽から切り出された石炭を粉砕する第三の粉砕機と、前記第二の粉砕機で粉砕された石炭と前記第三の粉砕機で粉砕された石炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備を用いることが好ましい。第一の配合槽には、篩により分級された石炭以外の石炭も貯留することができ、その場合は銘柄の異なる石炭の混合率が高まり、製品コークスの品質がより均質化する。
さらに、第一の粉砕機の粉砕能力が第二の粉砕機の粉砕能力よりも大きいことが望ましい。上記で説明したように、粒径の大きい石炭のみをあらかじめ第一の粉砕機で粉砕しているので、「第二の粉砕機」は「第一の粉砕機」よりも粉砕能力が小さいものを用いることが望ましい。
図1は本発明のコークスの製造設備の一実施形態を示す概略図である。
石炭ヤード1、2のうち、石炭ヤード1の石炭の一部を搬出して篩3により篩い分けして、所定粒径超である篩上aは第一の粉砕機4により粉砕処理して第一の配合槽5に投入する。篩下bはそのまま第一の配合槽5に投入する。石炭ヤード1の石炭の残部については、そのまま第一の配合槽5、第二の配合槽6、7に適宜搬出する。石炭ヤード2の石炭についても、第一の配合槽5、第二の配合槽6、7に適宜搬出する。第一の配合槽5の石炭は、適宜第二の粉砕機8で粉砕する。第二の配合槽6の石炭は第三の粉砕機9、第二の配合槽7の石炭は第三の粉砕機10で適宜粉砕後、各粉砕機で粉砕された石炭は、コンベア等で混合されながら搬送されることで、ある程度均質化してコークス炉に装入される。
第二の配合槽6、7は図1においては各3槽設置され、第二の配合槽6の石炭は第三の粉砕機9で破砕し、第二の配合槽7の石炭は第三の粉砕機10で破砕することで、銘柄別の破砕を実施できる。
原料石炭として、非微粘炭と強粘結炭とを用いる場合は、石炭ヤード1を非微粘炭、石炭ヤード2を強粘結炭とすることが望ましい。
図1に示すコークス製造設備を用いてコークスの製造を行った。原料の石炭として、非微粘炭80%と強粘結炭20%(HGI:約85、イナート量約30%)とを用い、非微粘炭のうち、全石炭量の10%にあたる非微粘炭(HGI:約75、イナート量約36%)を篩い分けして(分級工程)、6mm超の篩上のものについてはハンマーヘッド式の第一の粉砕機で680rpmで粉砕(第一の粉砕工程)して、粉砕した全てを篩下である6mm以下の石炭と共に第一の配合槽に投入後、ハンマーヘッド式の第二の粉砕機で570rpmで粉砕(第二の粉砕工程)を行った。残りの非微粘炭と、強粘結炭を別々に複数台のハンマーヘッド式の第三の粉砕機で600rpmで粉砕処理(第三の粉砕工程)して、篩い分けして粉砕処理した非微粘炭とともにコンベア上で混合して、コークス炉に装入して、コークスの製造を行った(本発明例)。比較例として、非微粘炭と、強粘結炭を別々に粉砕処理(第三の粉砕工程のみに相当)してコンベア上で混合して、コークス炉に装入する、従来の製造方法でのコークスの製造も行った。
図2に、本発明方法を用いて製造したコークス炉装入前の石炭粉(配合炭)の粒度分布を示す。比較例である、分級工程と第一の粉砕工程とを用いない従来の場合の配合炭の粒度分布も併せて示す。本発明方法を用いた場合は、粒度分布が狭くなり、0.5〜6mmの範囲の好ましい粒径を持つ石炭粒が増加したことが分かる。
製造したコークスのドラム強度(DI)を測定した。本発明方法で製造されたコークスのドラム強度(DI30/15)は94.2であり、比較例である従来のコークスのドラム強度(DI30/15)が94.0であったのに比べて0.2%も向上した。DI30/15はJIS K2151の回転強度試験法により30回転15分の条件で測定したドラム強度である。
従来と同程度の強度を有するコークスを製造するのであれば、非微粘炭の割合を85%程度まで増やすことができ、コークスのコストを削減できることが分かった。
実施例1と同様に、図1に示すコークス製造設備を用いてコークスの製造を行った。原料の石炭として、非微粘炭80%と強粘結炭20%(HGI:約85、イナート量約30%)とを用い、非微粘炭のうち、全石炭量の30%にあたる非微粘炭(HGI:約75、イナート量約36%)を篩い分けして(分級工程)、6mm超の篩上のものについてはハンマーヘッド式の第一の粉砕機で680rpmで粉砕(第一の粉砕工程)して、粉砕した全てを篩下である6mm以下の石炭と共に第一の配合槽に投入後、ハンマーヘッド式の第二の粉砕機で570rpmで粉砕(第二の粉砕工程)を行った。残りの非微粘炭と、強粘結炭を別々に複数台のハンマーヘッド式の第三の粉砕機で600rpmで粉砕処理(第三の粉砕工程)して、篩い分けして粉砕処理した非微粘炭とともにコンベア上で混合して、コークス炉に装入して、コークスの製造を行った(本発明例)。比較例として、非微粘炭と、強粘結炭を別々に粉砕処理(第三の粉砕工程のみに相当)してコンベア上で混合して、コークス炉に装入する、従来の製造方法でのコークスの製造も行った。
製造したコークスのドラム強度(DI)を測定した。本発明方法で製造されたコークスのドラム強度(DI30/15)は94.3であり、比較例である従来のコークスのドラム強度(DI30/15)が94.0であったのに比べて0.3%も向上した。
従来と同程度の強度を有するコークスを製造するのであれば、非微粘炭の割合を87%程度まで増やすことができ、コークスのコストを削減できることが分かった。
実施例1と同様に、図1に示すコークス製造設備を用いてコークスの製造を行った。原料の石炭として、非微粘炭80%と強粘結炭20%(HGI:約85、イナート量約30%)とを用い、非微粘炭のうち、全石炭量の30%にあたる非微粘炭(HGI:約75、イナート量約22%)を篩い分けして(分級工程)、6mm超の篩上のものについてはハンマーヘッド式の第一の粉砕機で680rpmで粉砕(第一の粉砕工程)して、粉砕した全てを篩下である6mm以下の石炭と共に第一の配合槽に投入後、ハンマーヘッド式の第二の粉砕機で570rpmで粉砕(第二の粉砕工程)を行った。残りの非微粘炭と、強粘結炭を別々に複数台のハンマーヘッド式の第三の粉砕機で600rpmで粉砕処理(第三の粉砕工程)して、篩い分けして粉砕処理した非微粘炭とともにコンベア上で混合して、コークス炉に装入して、コークスの製造を行った(本発明例)。比較例として、非微粘炭と、強粘結炭を別々に粉砕処理(第三の粉砕工程のみに相当)してコンベア上で混合して、コークス炉に装入する、従来の製造方法でのコークスの製造も行った。
製造したコークスのドラム強度(DI)を測定した。本発明方法で製造されたコークスのドラム強度(DI30/15)は94.1であり、比較例である従来のコークスのドラム強度(DI30/15)が94.0であったのに比べて0.1%も向上した。
従来と同程度の強度を有するコークスを製造するのであれば、非微粘炭の割合を82%程度まで増やすことができ、コークスのコストを削減できることが分かった。
本発明のコークス製造設備の一実施形態の概略図。 配合炭の粒度分布を示すグラフ。 分級工程における分級粒径とコークス製造コストの関係を示すグラフ。
符号の説明
1 石炭ヤード
2 石炭ヤード
3 篩
4 第一の粉砕機
5 第一の配合槽
6 第二の配合槽
7 第二の配合槽
8 第二の粉砕機
9 第三の粉砕機
10 第三の粉砕機
a 篩上
b 篩下

Claims (7)

  1. コークス原料となる石炭の少なくとも一部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で粉砕された石炭と前記粒径の小さな石炭とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記コークス原料となる石炭の残部と共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  2. コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程により処理した後にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  3. 硬度が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも硬度が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記石炭(X)と前記石炭(Y)とをコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  4. イナート量が多い石炭(X’)と該石炭(X’)よりもイナート量が少ない石炭(Y’)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X’)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕工程と、該第一の粉砕工程で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭および/または前記石炭(X’)の残部とを配合する第一の配合工程と、該配合した石炭を粉砕する第二の粉砕工程とにより処理した後に、前記石炭(X’)と前記石炭(Y’)とコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  5. 1〜20mmの範囲内で設定した粒径で粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載のコークスの製造方法。
  6. コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を粉砕する第一の粉砕機と、該第一の粉砕機で処理された石炭と前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合槽と、該配合槽で配合した石炭を粉砕する粉砕機と、該粉砕機で処理された石炭とをコークス炉へと搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備。
  7. 第一の粉砕機の粉砕能力が第二の粉砕機の粉砕能力よりも大きいことを特徴とする請求項に記載のコークスの製造設備。
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