JP4829526B2 - 排熱利用システム及び運転方法 - Google Patents
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Description
(a)運転時間の短い排熱発生機器を優先機として、優先して排熱取得を開始する機能、
(b)運転時間の長い排熱発生機器を優先機として、優先して排熱取得を停止する機能、
(c)優先機を決定する運転時間として、排熱発生機器の累積運転時間或いは所定期間の運転時間とする優先機決定機能、
(d)優先機を決定する運転時間として、排熱発生機器の累積排熱取得時間或いは所定期間の排熱取得時間とする優先機決定機能
(e)累積或いは所定期間の排熱発生機器の運転時間又は排熱取得時間に、所定の優先時間を加減算した優先機判断時間を使用して優先機を決定する優先機決定機能、
(f)累積或いは所定期間の排熱発生機器の運転時間又は排熱取得時間に、所定の優先率を乗除算した優先機判断時間を使用して優先機を決定する優先機決定機能
〔排熱利用システム〕
図1は本発明に係る排熱利用システムの概略フローを示す図である。図示するように、排熱利用処理システムは、複数の排熱発生機器からなる排熱発生機器群1と複数の排熱利用機器からなる排熱利用機器群2とを、排熱搬送経路3で接続されている。排熱搬送経路3は排熱搬送媒体を流す流路で、排熱発生機器群1から排熱利用機器群2に排熱搬送媒体を送る排熱搬送往路3−1と、排熱媒体を循環使用するための排熱搬送復路3−2で構成される。なお、排熱搬送媒体を循環使用しない場合、例えば排熱搬送後に放出する蒸気或いはその凝縮水、1回だけ利用して排出する河川水や海水、井水等の場合は排熱搬送復路3−2を設ける必要がない。
・排ガスボイラの容量制御(ボイラへの排ガス導入量制御)
・排熱発生機器本体の容量制御
・地熱や温泉熱の取得手段の容量制御(ポンプやバルブによる流量制御等)
・太陽熱の場合は太陽熱集熱器の受熱面積の制御(集熱器台数制御等)
の例がある。
排熱搬送媒体は、排熱発生機器群1の排熱発生機器及び排熱利用機器群2の排熱利用機器で熱交換を行い、顕熱(温度差)、潜熱(相変化)、その他の化学変化(吸熱/発熱反応)を利用して、排熱発生機器から排熱利用機器に熱を搬送する媒体である。この排熱搬送媒体例としては、水(温水、冷水)、蒸気、各種水溶液、各種有機物(フロン類、アルコール類等)がある。この各種水溶液としては、下記の水溶液がある。
・各種の無機物或いは有機物(エチレングリコール)を混入し、不凍液とした水溶液
・各種の無機物或いは有機物を混入し、凍結時に流動性を有するようにした水溶液
排熱発生機器群1の排熱発生機器は1種類或いは複数種類の機器からなり、図1の排熱利用システムでは、複数台のエンジンコジェネレーション10−1、…10−n、タービンコジェネレーション11−1、…11−n、複数台の各種加熱炉12−1、…12−n、複数台の蒸気ボイラや蒸気利用機器13−1、…13−n、各種の自然熱源14−1、…14−nがある。コジェネレーションは燃料を投入することで、電気と熱を同時に供給する装置であり、エンジンあるいはタービンで発電機を駆動するものや燃料電池がある。蒸気利用機器としては蒸気焚吸収冷凍機、各種製造やクリーニング工場等での各種蒸気による加熱器がある。自然熱源としては地熱、温泉、太陽熱がある。
コジェネレーション10−1、…10−n、11−1、…11−nは、
・熱に比べて電気の方が、使用領域が広く、有効性も高い。
・熱に比べて電気の方が、一般的に使用する時間帯、期間、時期が広い。
ため、一般的にユーザーが電気を必要とする時に運転される(電主熱従)。ただし、
・熱(蒸気や温水)が必要とされて運転されることも考えられる。
・熱利用機器の使用状況に合わせて運転することも考えられる。
が、一般的でない。
排熱利用機器群2は1種類或いは複数種類の排熱利用機器からなり、図1の排熱利用システムでは、複数台の給湯装置20−1、…20−n、複数台の蒸気発生装置21−1、20−2、…21−n、複数台の吸収冷凍機22−1、22−2、…22−n、複数台の発電装置23−1、23−2、…23−n、複数台の動力発生(回収)装置24−1、24−2、…24−n、複数台の蒸留装置25−1、25−2、…25−nがある。
排熱発生機器群1のエンジンコジェネレーション10−1、…10−nが運転された場合に、エンジンコジェネレーション10−1、…10−nからの排熱が排熱利用機器群2に供給可能となり、ユーザーのニーズに合わせて排熱利用機器群2の排熱利用機器を運転することが一般的である。ただし、
・排熱発生機器群1の運転状態に合わせて、排熱利用機器群2の排熱利用機器を運転する。
・排熱利用機器群2の排熱利用機器が運転した時に、排熱搬送媒体を排熱利用機器群2の各排熱利用機器に供給する。
・排熱搬送媒体を排熱搬送経路3に常に流しておき、各排熱利用機器群2の各排熱利用機器の運転時にそのまま、排熱を利用できるようにしてもよい。この場合、排熱利用機器群2の排熱利用機器が停止中は排熱搬送媒体は、当該排熱利用機器に使用されずに素通りすることになる。
としてもよい。
・排熱発生機器群1の排熱発生機器に合わせて、排熱利用機器を運転する。
・排熱利用機器群2の排熱利用機器が運転された時に、排熱搬送媒体を排熱利用機器に供給する。
・排熱搬送媒体を排熱搬送経路3に常に流しておき、排熱利用機器群2の各排熱利用機器の運転時にそのまま、排熱を利用できるようにしてもよい。この場合、排熱利用機器群2が排熱利用機器停止中は排熱搬送媒体は、当該排熱利用機器を使用されずに素通りすることになる。
としてもよい。
・排熱発生機器群1の排熱発生機器の運転に合わせて、排熱利用機器群2の排熱利用機器を運転する。
・排熱利用機器群2の各排熱利用機器が運転された時に、排熱搬送媒体を排熱利用機器群2に供給する。
・排熱搬送媒体を排熱搬送経路3に常に流しておき、排熱利用機器群2の各排熱利用機器の運転時にそのまま、排熱を利用できるようにしいもよい。この場合、排熱利用機器群2の停止中は排熱搬送媒体は、当該排熱利用機器に使用されずに素通りすることなる。
としてもよい。
排熱発生機器群1の排熱発生機器が運転され、排熱利用機器群2に排熱が供給可能となった場合に、排熱利用機器群2の排熱利用機器が必要とする排熱を過不足なく供給しなければならない。そのためには、排熱発生機器群1の排熱発生機器からの排熱取得量を調整・制御する必要がある。この排熱取得量を調整する例としては、
・エンジンコジェネレーション10−1、…10−nやタービンコジェネレーション11−1、…11−nの排ガスボイラの容量制御(ボイラへの排ガス導入量制御)
・排熱源となる各種冷却水等の冷却器・放熱器・冷却塔による放熱量制御
・各排熱発生機器の容量制御(排熱取得量に合わせて制御が可能なら)。ただし、各排熱発生機器の容量制御は、電主熱従の排熱利用システム(例えばコジェネレーション)では採用困難であり、熱主電従の思想を持つコジェネレーションでは可能である。
・自然熱源14−1、…14−nの排熱取得の容量制御(搬送媒体の流量制御等)の例がある。
・一般に、機械類は低負荷運転時より負荷の高い状態の方が機器の運転効率がよい。
・排熱発生機器の取得台数を減らすことで、搬送ポンプなどの補機の運転台数も減らせる。(補機の運転時間が減らせ、メンテナンス期間が延ばせるとともに、搬送ポンプ等の補機動力を減らすことができる。)
のような理由から、できるだけ排熱需要を満足できる最小台数で高負荷状態での運転が好ましいことによる。
・排熱利用量が所定の調整量以上増えた場合、排熱発生機器群1の排熱を取得する排熱発生機器の台数を増やす。
・排熱利用量が所定の調整量以上減った場合、排熱発生機器群1の排熱を取得する排熱発生機器の台数を減らす。
のように増減することが望ましい。
排熱取得機器台数制御は次の(1)〜(6)のルールに従って行う。
(1)排熱発生機器群1内の故障した排熱発生機器は台数制御から外す。
排熱発生機器群1の排熱取得中の排熱発生機器に故障が発生した場合は、当該排熱発生機器からの排熱取得を停止して代替排熱発生機器から排熱取得を行い、排熱取得を行っていない排熱発生機器に故障が発生した場合は、当該排熱発生機器を排熱取得機器台数制御フローから外し、排熱取得台数を増加させる場合は他の排熱発生機器からの排熱取得を開始する。
また、排熱発生機器が故障から復帰した場合は、当該排熱発生機器を排熱取得機器台数制御フローに戻し、排熱取得機器台数制御フローの必要に応じて排熱取得を行う。
同様に運転或いは排熱取得が禁止されている排熱発生機器も同様に台数制御から外す(例えば、メンテナンス中等)。
運転時間の短い排熱発生機器から排熱の取得を開始することによって、補機類を含めて各種排熱発生機器の運転時間の均等化が図れる。
運転時間の長い排熱発生機器から排熱の取得を停止することによって、補機類を含めて各種排熱発生機器の運転時間の均等化が図れる。
排熱発生機器設置からの累積運転時間で判断すれば、設置からの累積運転時間の均等化が図れる。
また、月間或いは週間等のある中短期間で運転時間を判断すれば、排熱発生機器の取り替えや追加設置した排熱発生機器があっても設置時期に応じた運転時間の均等化が図れる。
(1)排熱搬送媒体の熱量による判定
熱量(排熱搬送量)の測定は、排熱搬送媒体の排熱発生機器群1或いは排熱利用機器群2の排熱搬送往路3−1と排熱搬送還路3−2の温度と流量を測定することで算出でき、排熱搬送媒体の熱量(往或いは還)が増加したら排熱利用量増加したと判断し、排熱利用量が所定の閾値を越えて増加した場合に、排熱取得する排熱発生機器の台数を増加させればよい。また排熱利用量が所定の閾値を所定時間継続して越えたら排熱取得する排熱発生機器の台数を増加するようにしてもよい。
同様に、排熱搬送媒体の熱量(往或いは還)が減少したら排熱利用量減少したと判断し、排熱利用量が所定の閾値未満になったら排熱取得する排熱発生機器の台数を減少させればよい。また、所定の閾値未満が所定時間継続したら排熱取得する排熱発生機器の台数を減少するようにしてもよい。
排熱搬送媒体が定流量の場合、搬送媒体の温度(往路或いは還路)或いは温度差(往路と還路)の上昇或いは下降で排熱利用機器の排熱利用量の増減が検出でき、排熱搬送媒体の温度(往或いは還)が上昇した場合、排熱利用量が増加したと判断し、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の温度が所定の閾値を超えたら排熱取得機器の排熱取得台数を増加させてもよい。また、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の温度が所定の閾値を所定時間継続して超えたら排熱取得機器の排熱取得台数を増加させてもよい。
同様に、排熱搬送媒体の温度(往或いは還)が下降したら排熱利用量の減少したと判断し、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の温度が、所定の閾値未満になったら排熱取得機器の台数を減少させればよい。また、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の温度が、所定の閾値未満が所定時間継続したら排熱取得機器の台数を減少させてもよい。
排熱搬送媒体の温度(往或いは還)或いは往路或いは還路の温度差が一定になるように流量制御を行っている場合には、排熱搬送媒体の流量の増減で排熱利用機器の排熱利用量の増減を検出でき、排熱搬送媒体の流量(排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の)が増加した場合、排熱利用量を増加したと判断し、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の流量が所定の閾値を超えたら排熱取得機器の運転台数を増加させればよい。また、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の流量が所定の閾値を所定時間継続して超えたら排熱取得機器の運転台数を増加させてもよい。
同様に、排熱搬送媒体の流量(往或いは還)が減少した場合、排熱利用量を減少したと判断し、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の流量が所定の閾値未満になったら、排熱取得機器の運転台数を減少させればよい。また、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の流量が所定の閾値未満が所定時間継続したら、排熱取得機器の運転台数を減少させてもよい。
排熱搬送媒体が蒸気である場合には、排熱搬送量が増減すると蒸気消費量が増減し、蒸気圧力が増減することになる。従って排熱搬送媒体の圧力の増減から排熱利用機器の排熱利用量の増減が検出できる。
蒸気以外においても、排熱搬送量の調整を搬送媒体の流量で行っている場合、流量の増減に連動してポンプ吐出圧や管内圧が増減するので、排熱搬送媒体の圧力(ポンプ吐出圧や管内圧)の増減から排熱利用機器の排熱利用量の増減を検出できる。
従って、排熱搬送媒体の圧力(往或いは還)が下降した場合、排熱利用量を増加したと判断し、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の圧力が所定の閾値未満となったら排熱発生機器の排熱取得台数を増加させればよい。また、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の圧力が所定の閾値を所定時間継続したら排熱発生機器の排熱取得台数を増加させてもよい。
同様に、排熱搬送媒体の圧力(往或いは還)が上昇した場合、排熱利用量が減少したと判断し、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の圧力が所定の閾値を越えたら排熱発生機器の排熱取得台数を減少させればよい。また、排熱搬送往路3−1又は排熱搬送還路3−2の排熱搬送媒体の圧力が所定の閾値を所定時間継続して越えたら排熱発生機器の排熱取得台数を減少させてもよい。
排熱発生機器からの排熱取得台数の制御を行う場合に、運転時間以外の条件で優先機を決定することもある。
まず、排熱発生機器群1の排熱発生機器の運転に関わる条件で優先するものがある場合で、例えば、排熱発生機器の冷却水(エンジンコージェネレーションのエンジン冷却水や各種加熱炉の冷却水など)を排熱取得源とする場合は、排熱取得が排熱発生機器の運転に直接影響するので、優先して排熱取得すべきであり、排熱発生機器群1の自然熱源等、排熱取得だけが機能である排熱発生機器からの排熱取得の優先順位は低くすべきである。
次に、部分負荷効率のよい排熱発生機器からの排熱取得を優先的に開始し、部分負荷効率の悪い排熱取得機器を優先的に停止するとよい。これにより部分負荷効率の悪い排熱取得機器を高負荷で運転することが可能になり、排熱取得効率を上げることができる。
排熱取得能力が異なる排熱発生機器を台数制御する場合、運転時間だけで運転或いは停止の優先機器を決定した場合の課題として、排熱発生機器の冷却水を熱源とする排熱発生機器からの排熱取得が優先的に行われず、排熱発生機器の運転に支障がでたり、或いは排熱発生機器冷却水の持つ熱エネルギーを無駄に放出することになる。
また、最適な容量の排熱発生機器からの排熱取得ができないという課題もある。例えば、排熱取得量100kWの排熱発生機器の運転時間が、排熱取得量50kWの排熱発生機器の運転時間よりも短い場合、排熱取得量の不足量が50kW以下でも排熱取得量100kWの排熱発生機器から排熱取得を開始してしまうし、排熱取得量100kWの排熱発生機器の運転時間が、排熱取得量50kWの排熱発生機器の運転時間よりも長い場合、排熱取得量の過剰量が50kW以下でも排熱取得量100kWの排熱発生機器から排熱取得を停止してしまう。
・(優先機器判定時間)=(運転時間)−(優先時間)
同様に、排熱利用機器の排熱利用量が減少し、排熱を取得する排熱発生機器の台数を減少させる際には、次式のように各排熱発生機器の運転時間に優先時間を加算した優先機器判断時間が短い排熱発生機器から排熱取得を開始する。
・(優先機器判定時間)=(運転時間)+(優先時間)
この時、排熱発生機器冷却水を排熱取得源とする場合には長い優先時間を設定するとよく、自然熱源等、排熱取得だけが機能である排熱発生機器からの排熱取得の優先時間は長くすべきである。
また、小容量機器には長い優先時間を設定し、大容量機器になるに従って短い優先時間を設定する。
ここで、同容量機器は優先時間を同じにし、最大容量機器の優先時間は0時間とし、全機器同容量の場合は、全機器の優先時間は0時間とすればよい。
さらに、排熱取得の部分負荷効率がよいものは、排熱取得の優先時間は長くすべきである。
優先時間を負数として設定することもできるが、その場合は前述の優先機器判定時間の算出式の加減算が逆になる。
1.排熱発生機器冷却水を排熱取得源とする場合で、排熱取得量の小容量機器
2.排熱発生機器冷却水を排熱取得源とする場合で、排熱取得量の大容量機器
3.排熱取得源が排熱発生機器冷却水以外、自然熱源(排熱取得目的のみのもの)以外の排熱取得量の小容量機器
4.排熱取得源が排熱発生機器冷却水以外、自然熱源(排熱取得目的のみのもの)以外の排熱取得量の大容量機器
5.排熱取得目的のみ自然熱源の排熱取得量の小容量機器
6.排熱取得目的のみ自然熱源の排熱取得量の大容量機器
また、同等の優先順位の場合は同じ優先順位とすればよい。
<排熱取得台数を増加させるケース>
例えば、排熱取得量100kWの排熱発生機器の運転時間が、排熱取得量50kWの排熱発生機器の運転時間よりも短い場合(運転時間による判断では排熱取得量100kWの排熱発生機器が優先機器)でも、排熱取得量100kWの排熱発生機器の優先機器判断時間が、排熱取得量50kWの排熱発生機器の優先機器判断時間よりも長い場合(優先機器判断時間による判断では排熱取得量50kWの排熱発生機器が優先機器)になり、小容量の排熱取得量50kWの排熱発生機器から排熱取得を開始する。
また、それぞれ機器の運転時間の不均一が大きくなる(優先機器判断時間同士の比較でも排熱取得量100kWの排熱発生機器が短い)と、運転時間の短い機器からの排熱取得を行うことにより、運転時間の過剰な不均一を解消することができる。
同様に、排熱取得量100kWの排熱発生機器の運転時間が、排熱取得量50kWの排熱発生機器の運転時間より長い場合(運転時間による判断では排熱取得量100kWの排熱発生機器が優先機器)、排熱取得量100kWの排熱発生機器の優先機器判断時間が、排熱取得量50kWの排熱発生機器の優先機器判断時間より短い場合(優先機器判断時間による判断では排熱取得量50kWの排熱発生機器が優先機器)、小容量の排熱取得量50kWの排熱発生機器から排熱取得を停止する。
また、それぞれ機器の運転時間の不均一が大きくなる(優先機器判断時間同士の比較でも排熱取得量100kWの排熱発生機器が長い)と、運転時間の長い機器からの排熱取得を停止することになり、運転時間の過剰な不均一を解消することができる。
優先時間を設定するという方法以外でも、運転時間(累積或いは所定期間内の排熱発生機器の運転時間或いは排熱取得時間)に優先率を乗除算することによっても同等な結果が得られる。
この場合、優先率の設定は1以上の値として、取得台数増加時には、次式のように運転時間を優先率で除算した値を優先機器判断時間とする。
・(優先機器判断時間)=(運転時間)÷(優先率)
同様に、取得台数減少時には、次式のように運転時間に優先率を乗算した値を優先機器判断時間とする。
・(優先機器判断時間)=(運転時間)×(優先率)
ここで、優先率の設定を0以上1以下とした場合は、優先機器判断時間算出時の乗除算を、取得台数増加時には乗算、取得台数減少時には除算のように、逆にすればよい。
このような運転時間に優先率を乗除算する方法では、運転時間の不均一は所定の割合以上に広がらないように台数制御が行われる。例えば、優先率が1.1の場合は、運転時間の不均一は10%以内となる。
また、運転時間として累積時間を使用しても、運転時間の不均一は所定の割合以内であれば、優先機器判断が有効にすることができる。
逆に、季節、時間、電力(発電機)負荷、気温、加熱炉負荷などの任意の条件によって、優先時間(優先率)変更することによって、優先順位を変更することもできる。
また、排熱取得台数制御を行う排熱発生機器は、異なる種類の排熱発生機器が混在しても構わない。但し、一般的には同種類の排熱発生機器で排熱取得台数制御を行うことが望ましい。
ここで、ケースAのような場合でも、排熱容量の小さい機器の方が排熱容量の大きい機器に比べて優先判断時間が短くなるように優先時間を設定することで、排熱容量の小さい排熱発生機器から優先して排熱取得を開始し、適正な排熱取得容量とすることができる。
ここで、ケースBのような場合でも、排熱容量の小さい機器の方が排熱容量の大きい機器に比べて優先判断時間が長くなるように優先時間を設定することで、排熱容量の小さな排熱発生機器から優先して排熱取得を開始し、適正な排熱取得容量とすることができる。
ステップ1:先ず排熱搬送往路3−1から排熱搬送媒体を蓄熱手段26に投入して蓄熱する。
ステップ2:次に排熱ボイラE・Bを先行して排熱取得を停止(2台のエンジンコジェネレーション10−1、10−2のそれぞれ排熱ボイラE・Bは前述の台数制御ルールで停止)する。
ステップ3:排熱放熱機器15の運転を開始する。
ステップ4:エンジンコジェネレーション10−1、10−2を停止し、エンジンの冷却水Wを停止(2台は上記台数制御ルールで停止)する。
ステップ1:排熱放熱機器15の運転を停止する。
ステップ2:エンジンコジェネレーション10−1、10−2を運転して、エンジンの冷却水Wの供給を開始(2台を台数制御ルールで運転)する。
ステップ3:排ガスボイラE・Bの排熱取得開始(2台を台数制御ルールで運転)する。
ステップ4:蓄熱を放熱する。
2 排熱利用機器群
3 排熱搬送経路
4 配管
5 搬送媒体往ヘッダー
6 配管
7 排熱媒体還ヘッダー
8 配管
9 配管
10 エンジンコジェネレーション
11 タービンコジェネレーション
12 加熱炉
13 蒸気ボイラや蒸気利用機器
14 自然熱源
15 排熱放熱機器
20 給湯装置(器)
21 蒸気発生装置
22 吸収冷凍機
23 発電装置
24 動力発生装置
25 蒸留装置
26 蓄熱手段
30 排熱利用システム制御盤
Claims (5)
- 複数台の排熱発生機器と、複数台の排熱利用機器と、該排熱発生機器と排熱利用機器とを接続する排熱搬送経路と、制御装置を備えた排熱利用システムであって、
前記排熱利用機器の排熱利用量を検出する排熱利用量検出手段と、
前記排熱搬送経路を流れる排熱搬送媒体を各前記排熱発生機器から及び前記排熱利用機器に流したり或いは流さなかったりする排熱搬送経路切り替え手段、又は各前記排熱発生機器から及び前記排熱利用機器への排熱搬送媒体の流量を制御するための流量制御手段を備え、
前記制御装置は、前記排熱利用量検出手段で検出した排熱利用量検出値から排熱利用量の増・減を判断し、該排熱利用量が所定量増・減したら、前記排熱搬送経路切り替え手段又は流量制御手段を制御して排熱発生機器の排熱取得台数を増・減させる排熱取得台数制御機能を備えることを特徴とする排熱利用システム。 - 請求項1に記載の排熱利用システムにおいて、
前記排熱発生機器の故障を検出する故障検出手段を備え、前記制御装置は、故障中の排熱発生機器を排熱取得台数制御から外す機能を備えたことを特徴とする排熱利用システム。 - 請求項1又は2に記載の排熱利用システムにおいて、
前記制御装置の排熱取得台数制御機能は、下記(a)乃至(d)の機能のうちの何れか1つ又は2つ以上を備えたことを特徴とする排熱利用システム。
(a)運転時間の短い排熱発生機器を優先機として、優先して排熱取得を開始する機能、
(b)運転時間の長い排熱発生機器を優先機として、優先して排熱取得を停止する機能、
(c)優先機を決定する運転時間として、排熱発生機器の累積運転時間或いは所定期間の運転時間とする優先機決定機能、
(d)優先機を決定する運転時間として、排熱発生機器の累積排熱取得時間或いは所定期間の排熱取得時間とする優先機決定機能 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排熱利用システムにおいて、
前記制御装置の排熱取得台数制御機能は、下記(e)、(f)の何れか一方又は両機能を備えたことを特徴とする排熱利用システム。
(e)累積或いは所定期間の排熱発生機器の運転時間又は排熱取得時間に、所定の優先時間を加減算した優先機判断時間を使用して優先機を決定する優先機決定機能、
(f)累積或いは所定期間の排熱発生機器の運転時間又は排熱取得時間に、所定の優先率を乗除算した優先機判断時間を使用して優先機を決定する優先機決定機能 - 複数台の排熱発生機器と、複数台の排熱利用機器と、該排熱発生機器と排熱利用機器とを接続する排熱搬送経路とを備えた排熱利用システムの運転方法であって、
前記排熱搬送経路を流れる排熱搬送媒体を各前記排熱発生機器から及び前記排熱利用機器に流したり或いは流さなかったりする排熱搬送経路切り替え手段、又は各前記排熱発生機器から及び前記排熱利用機器への排熱搬送媒体の流量を制御するための流量制御手段を備え、
排熱利用機器の排熱利用量が所定量増加したら前記排熱搬送経路切り替え手段又は流量制御手段の制御により排熱発生機器の排熱取得台数を増加させ、排熱利用機器の排熱利用量が所定量減少したら、前記排熱搬送経路切り替え手段又は流量制御手段の制御により排熱発生機器の排熱取得台数を減少させることを特徴とする排熱利用システムの運転方法。
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