JP4829272B2 - Es細胞特異的発現遺伝子 - Google Patents

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Description

本発明は、ES細胞(embryonic stem cells)に特異的に発現しているECAT遺伝子(ES cell associated transcript gene)およびその利用に関する。
胚性幹(ES)細胞は哺乳動物の早期胚より分離された細胞で、体内のすべての細胞に分化する能力、すなわち分化全能性を維持したまま、半永久的に増殖する。ES細胞は1981年にまずマウスで樹立され、ノックアウトマウスによる遺伝子機能解析という画期的な技術をもたらした。さらに、1998年にヒトES細胞の樹立が報告されてからは、再生医学への応用が大きく期待されるようになった。ES細胞から分化させた心筋や神経細胞を心筋梗塞や神経変性疾患の患者へ移植して機能回復を計ろうというものである。
白血病に対する骨髄移植に代表されるように細胞移植療法は既に実施されているが、十分な移植細胞の確保と拒絶反応の抑制という2つの課題を抱えている。半永久的に分裂するES細胞を用いると、十分な細胞の確保という問題を一気に解決できる。さらに体細胞クローン技術と組み合わせると、拒絶反応も克服することが可能である。患者の体細胞から作製したクローン胚からES細胞を樹立し移植に用いれば、患者と同じ遺伝子を持つため拒絶は起こり得ない。したがって、ES細胞は細胞移植療法における2つの課題をともに克服する可能性を持つ。
このように大きな可能性を秘めたES細胞であるが、ヒトES細胞はマウスのES細胞に比べて樹立と維持が困難であり、確実な樹立技術および培養技術の開発が必要である。さらにヒトES細胞を樹立するためには胚を犠牲にする必要がある。さらに体細胞クローン技術と組み合わせた場合は、クローン人間の作製に容易につながる。このような倫理的問題点を解決するために、分化全能性を持ったES様細胞を体細胞から胚を経ずに直接作り出す技術の開発が望まれている。
これらの技術開発において重要な役割を果たすのがES細胞等分化全能性細胞で特異的に発現する遺伝子(ES cell associated transcript gene、以下ECAT遺伝子)である。ECAT遺伝子は、細胞がES細胞であるかどうかのマーカーとなる。またECAT遺伝子のES細胞特異的発現を引き起こす調節領域と薬剤耐性遺伝子を組み合わせることにより、多種類の細胞の混合培養からES細胞を効率よく選択することができる(特表平9−500004号公報:特許文献1、対応米国特許第6146888号公報:特許文献2)。さらに体細胞においてECAT遺伝子を発現誘導することにより、ES様細胞への変換を促進させうる可能性もある。
これまでにECAT遺伝子として唯一報告されているのは転写因子Oct3(Oct4、POU5f1とも呼ばれる。以下Oct−3/4という)遺伝子である。また、同様な遺伝子がヒトでも報告されているが(以下hOct−3/4遺伝子という:Takeda et al., Nucleic Acids Res. 20: 4613-4620, 1992:非特許文献1、配列表配列番号39)、hOct−3/4遺伝子についてはES細胞特異的な発現を証明したという報告はない。Oct−3/4はES細胞やEG細胞(embryonic germ cells)で特異的に発現する転写因子であり、細胞の分化に伴いその発現が消失する。そこでES細胞のマーカーとして利用されているし、またその遺伝子座にネオマイシン耐性遺伝子をノックインすることにより、ES細胞樹立の効率化が図られている(特表平9−500004号公報;対応米国特許第6146888号公報)。しかし、Oct−3/4は分化全能性細胞以外に栄養外胚葉細胞でも発現しているという報告(Biol Reprod 63: 1698-1705, 2000:非特許文献2)もあり、Oct−3/4遺伝子のみを指標とするとES細胞以外の細胞も選択してしまうことになる。この危険性を防ぐためには、ECAT遺伝子を複数同定し、それらを組み合わせて使用することが望ましい。
またOct−3/4のみを体細胞で発現誘導してもES様細胞への変換は認められない。また、Oct−3/4を恒常的に発現させてもLIF(leukemia inhibitor factor、白血病阻止因子)除去に伴うES細胞の分化(原始内胚葉、原始外胚葉への分化)は抑制できない。それどころか、Oct−3/4の発現量を通常のレベルのわずか1.5倍程度増加させることによっても、逆にLIF除去の際と同様の分化が誘導されるという興味深い結果が報告されている(実験医学、19、330−338、2001年:非特許文献3)。このようにOct−3/4の作用は単純ではなく、Oct−3/4のみを体細胞で発現させて、ES細胞へ誘導することは困難である。かかる点からも、複数のECAT遺伝子を組み合わせて、ES細胞を解析する必要があると考えられる。
しかしながら、Oct−3/4遺伝子以外にECAT遺伝子は見出されておらず、再生医学、ES細胞の細胞移植への応用という観点から、新たなECAT遺伝子の提供が強く求められていた。
特表平9−500004号公報 米国特許第6146888号公報 Takeda et al., Nucleic Acids Res. 20: 4613-4620, 1992 Biol Reprod 63: 1698-1705, 2000 実験医学、19、330−338、2001年
本発明は、新規なECAT遺伝子を提供することを目的とする。さらに詳しくは、本発明は、新たなECAT遺伝子およびそれがコードする遺伝子産物ペプチドを用いたES細胞のスクリーニング方法、ならびにES細胞選択用プローブを提供することを目的とする。
本発明者らは、ECATの候補遺伝子を同定するためにEST(Expressed Sequence tag)データベース(詳細は後述)を利用し、コンピューター解析による候補遺伝子の同定を行って10遺伝子を同定した。この10遺伝子のうち、8遺伝子に関してノザンブロットを行い、ES細胞ならびに12種類の臓器(マウス)における発現を解析した。結果、8遺伝子全ての発現がES細胞に特異的であることがわかった。また、これらの遺伝子の発現はES細胞をレチノイン酸で刺激誘導する、すなわち分化誘導することにより速やかに消失することがわかった。以上の結果から本発明者らは、これらの8つの遺伝子がECAT遺伝子であることを見出して本発明を完成した。さらに残る2つのうち、1つの遺伝子についてもノザンブロット等を行い解析し、ECAT遺伝子であることがわかった。
さらに、ECAT遺伝子のヒト相同遺伝子(以下hECAT)を同定し、ES細胞ならびに13種類の臓器(ヒト)における発現を解析した。
即ち本発明は下記の通りである。
(1)配列表配列番号1、3、4、5、6、7または8に記載の塩基配列からなるDNAのいずれか一つを含むことを特徴とするES細胞選択用プローブ。
(2)配列表配列番号1、3、4、5、6、7または8に記載の塩基配列からなるDNAのいずれか一つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAを含むことを特徴とするES細胞選択用プローブ。
(3)配列表配列番号1、3、4、5、6、7または8に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNAを含むことを特徴とするES細胞選択用プローブ。
(4)配列表配列番号9、13、15、17、19、21、23または41に記載の塩基配列からなるDNAのいずれか一つを含むことを特徴とするES細胞選択用プローブ。
(5)配列表配列番号9、13、15、17、19、21または23に記載の塩基配列からなるDNAのいずれか一つを含むことを特徴とする上記(4)記載のES細胞選択用プローブ。
(6)配列表配列番号9、13、15、17、19、21、23または41に記載の塩基配列からなるDNAのいずれか一つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAを含むことを特徴とするES細胞選択用プローブ。
(7)配列表配列番号9、13、15、17、19、21または23に記載の塩基配列からなるDNAのいずれか一つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAを含むことを特徴とする上記(6)記載のES細胞選択用プローブ。
(8)配列表配列番号9、13、15、17、19、21、23または41に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNAを含むことを特徴とするES細胞選択用プローブ。
(9)配列表配列番号9、13、15、17、19、21または23に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNAを含むことを特徴とする上記(8)記載のES細胞選択用プローブ。
(10)マウスES細胞の選択用である、上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載のES細胞選択用プローブ。
(11)配列表配列番号27、29、31、33、35、37または43に記載の塩基配列からなるDNAのいずれか一つを含むことを特徴とするES細胞選択用プローブ。
(12)配列表配列番号27、29、31、33、35または37に記載の塩基配列からなるDNAのいずれか一つを含むことを特徴とする上記(11)記載のES細胞選択用プローブ。
(13)配列表配列番号27、29、31、33、35、37または43に記載の塩基配列からなるDNAのいずれか一つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAを含むことを特徴とするES細胞選択用プローブ。
(14)配列表配列番号27、29、31、33、35または37に記載の塩基配列からなるDNAのいずれか一つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAを含むことを特徴とする上記(13)記載のES細胞選択用プローブ。
(15)配列表配列番号27、29、31、33、35、37または43に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNAを含むことを特徴とするES細胞選択用プローブ。
(16)配列表配列番号27、29、31、33、35または37に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNAを含むことを特徴とする上記(15)記載のES細胞選択用プローブ。
(17)ヒトES細胞の選択用である、上記(11)〜(16)のいずれか一つに記載のES細胞選択用プローブ。
(18)以下の(a)〜(c)のいずれかのDNAからなる遺伝子。
(a)配列表配列番号17に記載の塩基配列からなるDNA
(b)(a)の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNA
(c)(a)の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNA
(19)以下の(a)または(b)の蛋白質。
(a)配列表配列番号18に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質
(b)(a)のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つES細胞特異的に発現する蛋白質
(20)以下の(a)〜(c)のいずれかのDNAからなる遺伝子。
(a)配列表配列番号29に記載の塩基配列からなるDNA
(b)(a)の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNA
(c)(a)の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNA
(21)以下の(a)または(b)の蛋白質。
(a)配列表配列番号30に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質
(b)(a)のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つES細胞特異的に発現する蛋白質
(22)以下の(a)〜(c)のいずれかのDNAからなる遺伝子。
(a)配列表配列番号33に記載の塩基配列からなるDNA
(b)(a)の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNA
(c)(a)の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNA
(23)以下の(a)または(b)の蛋白質。
(a)配列表配列番号34に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質
(b)(a)のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つES細胞特異的に発現する蛋白質
(24)以下の(a)〜(c)のいずれかのDNAからなる遺伝子。
(a)配列表配列番号37に記載の塩基配列からなるDNA
(b)(a)の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNA
(c)(a)の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNA
(25)以下の(a)または(b)の蛋白質。
(a)配列表配列番号38に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質
(b)(a)のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つES細胞特異的に発現する蛋白質
(26)配列表配列番号9、13、15、17、19、21、23または41に記載される塩基配列からなるDNA、あるいは配列表配列番号10、14、16、18、20、22、24または42に記載されるアミノ酸配列からなる蛋白質の細胞内での発現状況を解析することを特徴とする、ES細胞のスクリーニング方法。
(27)配列表配列番号9、13、15、17、19、21または23に記載される塩基配列からなるDNA、あるいは配列表配列番号10、14、16、18、20、22または24に記載されるアミノ酸配列からなる蛋白質の細胞内での発現状況を解析することを特徴とする、上記(26)記載のES細胞のスクリーニング方法。
(28)さらに配列表配列番号11に記載される塩基配列からなるDNA、あるいは配列表配列番号12に記載されるアミノ酸配列からなる蛋白質の細胞内での発現状況を解析することを含む、上記(26)または(27)記載のES細胞のスクリーニング方法。
(29)さらに配列表配列番号25に記載される塩基配列からなるDNA、あるいは配列表配列番号26に記載されるアミノ酸配列からなる蛋白質の細胞内での発現状況を解析することを含む、上記(26)〜(28)のいずれか一つに記載のES細胞のスクリーニング方法。
(30)配列表配列番号27、29、31、33、35、37または43に記載される塩基配列からなるDNA、あるいは配列表配列番号28、30、32、34、36、38または44に記載されるアミノ酸配列からなる蛋白質の細胞内での発現状況を解析することを特徴とする、ES細胞のスクリーニング方法。
(31)配列表配列番号27、29、31、33、35または37に記載される塩基配列からなるDNA、あるいは配列表配列番号28、30、32、34、36または38に記載されるアミノ酸配列からなる蛋白質の細胞内での発現状況を解析することを特徴とする、上記(30)記載のES細胞のスクリーニング方法。
(32)さらに配列表配列番号39に記載される塩基配列からなるDNA、あるいは配列表配列番号40に記載されるアミノ酸配列からなる蛋白質の細胞内での発現状況を解析することを含む、上記(30)または(31)記載のES細胞のスクリーニング方法。
(33)配列表配列番号9、11、13、15、17、19、21、23または41、若しくは配列表配列番号27、29、31、33、35、37または43に記載の塩基配列において繰り返し配列を含まない連続する20塩基以上の部分配列からなり、且つES細胞に特異的に発現する遺伝子に特異的な配列を有するDNAを含むことを特徴とするES細胞選択用プローブ。
(34)上記(1)〜(17)および(33)のいずれか一つに記載のES細胞選択用プローブを用いて、ES細胞に特異的に発現する遺伝子の発現状況を解析することを含む、ES細胞のスクリーニング方法。
(35)さらに配列表配列番号2または11に記載の塩基配列からなるDNAを含むES細胞選択用プローブを用いることを特徴とする、上記(34)記載のES細胞のスクリーニング方法。
(36)さらに配列表配列番号25に記載の塩基配列からなるDNAを含むES細胞選択用プローブを用いることを特徴とする、上記(34)または(35)記載のES細胞のスクリーニング方法。
(37)さらに配列表配列番号27に記載の塩基配列からなるDNAを含むES細胞選択用プローブを用いることを特徴とする、上記(34)記載のES細胞のスクリーニング方法。
(38)さらに配列表配列番号39に記載の塩基配列からなるDNAを含むES細胞選択用プローブを用いることを特徴とする、上記(34)または(35)記載のES細胞のスクリーニング方法。
さらに本発明は、ES細胞に特異的に発現する遺伝子あるいはES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAを有する組換えベクター、特に分化抑制遺伝子強制発現用のベクター、ならびに当該ベクターで形質転換された形質転換細胞に関する。
さらに本発明は、ES細胞に特異的に発現する遺伝子あるいはES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAを含むゲノムDNA断片に薬剤耐性遺伝子等の選択用遺伝子を組み込んだ組換えベクター、特にES細胞選択用ベクター、ならびに当該ベクターで形質転換された形質転換細胞に関する。
本発明により、マウスES細胞において特異的に発現しているECAT遺伝子を9種新たに提供し得る。さらにこれらのうち7種の対応するヒトECAT遺伝子が提供される。更に、これらのECAT遺伝子あるいはその断片を組み合わせることにより、ES細胞の選択的細胞マーカーの取得が可能となる。さらには、薬剤耐性遺伝子との組み合わせによるES細胞の選択方法、体細胞からのES細胞様細胞への誘導の試み等において、Oct−3/4遺伝子あるいはその断片を単独で用いる場合よりも効果的であり、再生医療等の現場で有用であると考えられる。
本発明は、ES細胞に特異的に発現する遺伝子(以下、ES細胞特異的発現遺伝子ともいう)、即ちECAT遺伝子に関する。ECAT遺伝子の発現の有無を指標にしてES細胞であるかどうかを判断することが可能である。本発明は、このようなES細胞の当否を判断するのに好適なES細胞選択用プローブを提供する。このプローブとして、具体的には配列表配列番号1乃至8のいずれかに記載される塩基配列からなるDNA、配列表配列番号9に記載される塩基配列からなるDNA(以下ECAT1遺伝子)、配列表配列番号11に記載される塩基配列からなるDNA(以下ECAT2遺伝子)、配列表配列番号13に記載される塩基配列からなるDNA(以下ECAT3遺伝子)、配列表配列番号15に記載される塩基配列からなるDNA(以下ECAT4遺伝子)、配列表配列番号17に記載される塩基配列からなるDNA(以下ECAT5遺伝子)、配列表配列番号19に記載される塩基配列からなるDNA(以下ECAT6遺伝子)、配列表配列番号21に記載される塩基配列からなるDNA(以下ECAT7遺伝子)、配列表配列番号23に記載される塩基配列からなるDNA(以下ECAT8遺伝子)または配列表配列番号41に記載される塩基配列からなるDNA(以下ECAT9遺伝子)を含むポリヌクレオチドが例示される。さらに、本発明においては、ES細胞選択用プローブはECAT遺伝子の発現の有無を確認するという目的を達成し得るものであればいかなるものでもよく、上記の塩基配列に置換、欠失または付加等の修飾を受けていてもよい。具体的にはECAT遺伝子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAを含むポリヌクレオチド、あるいはECAT遺伝子の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり且つES細胞に特異的に発現する蛋白質をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNAを含むポリヌクレオチドも、本発明においてES細胞選択用プローブとして好適に使用できる。具体的には、配列表配列番号27に記載される塩基配列からなるDNA(以下hECAT2遺伝子)、配列表配列番号29に記載される塩基配列からなるDNA(以下hECAT3遺伝子)、配列表配列番号31に記載される塩基配列からなるDNA(以下hECAT4遺伝子)、配列表配列番号33に記載される塩基配列からなるDNA(以下hECAT5遺伝子)、配列表配列番号35に記載される塩基配列からなるDNA(以下hECAT7遺伝子)、配列表配列番号37に記載される塩基配列からなるDNA(以下hECAT8遺伝子)または配列表配列番号43に記載される塩基配列からなるDNA(以下hECAT9遺伝子)を含むポリヌクレオチドが例示される。
また、配列表配列番号25に記載される塩基配列からなるDNA、すなわちOct−3/4をコードするDNA、あるいは配列表配列番号39に記載される塩基配列からなるDNA、すなわちhOct−3/4をコードするDNAを含むポリヌクレオチドも、ES細胞選択用プローブとして使用することができる。上述のようにOct−3/4遺伝子は栄養外胚葉細胞でも発現しているという報告があるので、好ましくはOct−3/4遺伝子あるいはhOct−3/4遺伝子以外のECAT遺伝子を含むポリヌクレオチド等の、本発明の新規ES細胞選択用プローブを併用することが好ましい。また、上記ECAT遺伝子を含む新規ES細胞選択用プローブであっても、より正確にES細胞であるかどうかを判断するためには数種類のプローブを併用することが好ましい。
本明細書中、「ストリンジェントな条件」とは、塩基配列において約70%以上、好ましくは約80%以上、特に好ましくは約90%以上の相同性を有するDNAがハイブリダイズし得る条件をいい、ストリンジェンシーはハイブリダイズ反応や洗浄の際の温度、塩濃度等を適宜変化させることにより調節することができる。より好適な条件は95%以上の相同性を有するDNAがハイブリダイズし得る条件である。
ECAT2遺伝子は、EC細胞をレチノイン酸で刺激した時に発現が減少する遺伝子pH34として報告され(Differentiation 46:61-67, 1991)、また理化学研究所のデータベースによればESG(ES cell specific gene)1として記載されている。また、ECAT3遺伝子はFボックスを有するマウス蛋白質をコードする遺伝子であり、その発現が精巣と卵巣で認められているものとして報告されている(Current Biology 9:1180-1182, 1999)。また、ECAT7遺伝子はDNAメチル化を行うDNMT3に似た蛋白質DNMT3Lとして報告されている(Genomics 65:293-298, 2000)。ECAT9遺伝子は、GDF3とよばれる増殖因子として、マウスではJones CM et al., Mol Endocrinol. 6: 1961-1968, 1992に、ヒトではCaricasole et al., Oncogene 16: 95-103, 1998に報告されている。ES細胞特異的発現の報告はない。ECAT4遺伝子、ECAT5遺伝子およびECAT6遺伝子に関しては、文献上報告はないが蛋白質データベースの検索により、ECAT4遺伝子がホメオボックスを有していること、ECAT5遺伝子が癌遺伝子H−Rasに相同性を有していること、ECAT6遺伝子がケラチンに類似していることが明らかとなった。また、ECAT5遺伝子はその部分配列が知られてはいるもののcDNA配列そのものならびに当該DNA配列がコードする蛋白質のアミノ酸配列は未だ決定されていなかった。従って、本発明はECAT5遺伝子ならびにECAT5蛋白質、およびそれらと極めて相同性の高い遺伝子ならびに同様の挙動を示す蛋白質を提供する。
ここで「極めて相同性の高い遺伝子」とは、具体的にはECAT5遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする遺伝子を意味し、この要件を満たせばECAT5遺伝子の塩基配列(配列表配列番号17)において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されていてもよい。具体的にはECAT5遺伝子と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性を有する遺伝子である。また、「同様の挙動を示す蛋白質」とは、ES細胞に特異的に発現するというECAT5蛋白質の特徴を有する蛋白質を意味し、その要件を満たせばECAT5蛋白質のアミノ酸配列(配列表配列番号18)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されていてもよい。
さらに、本発明のES細胞選択用プローブには、各種ECAT遺伝子、hECAT遺伝子の配列を基に構築される、配列表配列番号9、11、13、15、17、19、21、23または41、配列表配列番号27、29、31、33、35、37または43に記載の塩基配列において繰り返し配列を含まない連続する20塩基以上の部分配列からなるDNA断片が包含される。該DNA断片は、ECAT遺伝子あるいはhECAT遺伝子とハイブリダイズし得るものであれば特に限定されないが、具体的には、各配列表配列番号の塩基配列中、少なくとも検出を目的とする各種のECAT遺伝子あるいはhECAT遺伝子に特異的な配列を含み、繰り返し配列のみで構成されることのない、通常約20塩基以上、好ましくは約100塩基以上、より好ましくは約200塩基以上の連続した部分配列を有するDNA断片である。これらの好適な例としては、配列表配列番号1乃至8に記載のDNA断片が挙げられる。
上述した9種のマウスECAT遺伝子のうちECAT2遺伝子、ECAT3遺伝子、ECAT4遺伝子、ECAT5遺伝子、ECAT7遺伝子、ECAT8遺伝子およびECAT9遺伝子の7種について対応するヒトECAT遺伝子が存在することがわかった(後述:それぞれhECAT2遺伝子、hECAT3遺伝子、hECAT4遺伝子、hECAT5遺伝子、hECAT7遺伝子、hECAT8遺伝子、およびhECAT9遺伝子)。そのうち、hECAT3、hECAT5およびhECAT8の遺伝子についてはその塩基配列ならびに当該塩基配列がコードする蛋白質のアミノ酸配列については未だ決定されていなかった。従って、本発明はhECAT3、hECAT5およびhECAT8の遺伝子ならびに蛋白質、およびそれらと極めて相同性の高い遺伝子ならびに同様の挙動を示す蛋白質を提供する。
ここで「極めて相同性の高い遺伝子」および「同様の挙動を示す蛋白質」とは、具体的にはhECAT3、hECAT5またはhECAT8の遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする遺伝子を意味し、この要件を満たせばhECAT3、hECAT5またはhECAT8の遺伝子の塩基配列(それぞれ配列表配列番号29、配列表配列番号33、配列表配列番号37)において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されていてもよい。具体的にはそれらの遺伝子と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性を有する遺伝子である。また、「同様の挙動を示す蛋白質」とは、hECAT3蛋白質、hECAT5蛋白質またはhECAT8蛋白質の特徴を有する蛋白質を意味し、その要件を満たせばhECAT3蛋白質、hECAT5蛋白質またはhECAT8蛋白質のアミノ酸配列(それぞれ配列表配列番号30、配列表配列番号34、配列表配列番号38)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されていてもよい。
本発明のプローブは、当分野で公知の手法により調製することができる。例えば、本プローブは、対応するECAT遺伝子のESTを制限酵素で切断し単離したDNA、ゲノムDNAやES細胞由来のmRNAから調製される相補DNA(cDNA)を鋳型としてPCR法により増幅させて得られるDNA、さらに化学的に合成されるDNA、およびこれらの方法を適当に組み合わせて構築されるDNAとして調製することができる。
本発明は、ES細胞に特異的に発現する遺伝子の発現状況を解析することを特徴とするES細胞のスクリーニング方法を提供する。ここで、「ES細胞に特異的に発現する遺伝子」は、上述のECAT遺伝子あるいはhECAT遺伝子と同義であり、具体的にはECAT1遺伝子、ECAT2遺伝子、ECAT3遺伝子、ECAT4遺伝子、ECAT5遺伝子、ECAT6遺伝子、ECAT7遺伝子、ECAT8遺伝子、ECAT9遺伝子、hECAT2遺伝子、hECAT3遺伝子、hECAT4遺伝子、hECAT5遺伝子、hECAT7遺伝子、hECAT8遺伝子およびhECAT9遺伝子、ならびにOct−3/4遺伝子およびhOct−3/4遺伝子等が挙げられる。
本発明においてES細胞のスクリーニングは、ES細胞特異的発現遺伝子あるいはそれらがコードするES細胞特異的発現蛋白質の発現状況を解析することにより実施される。遺伝子レベルで発現状況を解析するには、上述のES細胞選択用プローブを用いることができる。また、上述のようにOct−3/4をコードするDNAを含むポリヌクレオチドからなるプローブも併用することが好ましい。このようなプローブは蛍光物質、酵素やラジオアイソトープ等で標識されていてもよい。また、蛋白質レベルで発現状況を解析するには、上記ES細胞特異的発現蛋白質に特異的な親和性を有する物質、例えば抗体を用いて、細胞内での当該蛋白質の発現を知ることができる。より具体的には、イムノブロットや免疫沈降法等、当分野で通常実施される抗原抗体反応を利用した方法が用いられる。ここで該抗体は、当該蛋白質と特異的に結合可能なものであれば特に限定されず、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体およびそれらの機能的断片のいずれであってもよい。これらの抗体またはその断片は、蛍光物質、酵素やラジオアイソトープ等で標識されていてもよい。
さらに、これらは市販されているものを用いても良く、また常法に従って適宜調製することができる。
本発明はまた、上記いずれかのES細胞特異的発現遺伝子あるいはES細胞特異的発現蛋白質をコードする遺伝子を含む発現ベクターに関する。ここで、ES細胞特異的発現遺伝子とは上述のとおりであり、またES細胞特異的発現蛋白質をコードする遺伝子とは具体的にはECAT1(配列表配列番号10)をコードする遺伝子、ECAT2(配列表配列番号12)またはhECAT2(配列表配列番号28)をコードする遺伝子、ECAT3(配列表配列番号14)またはhECAT3(配列表配列番号30)をコードする遺伝子、ECAT4(配列表配列番号16)またはhECAT4(配列表配列番号32)をコードする遺伝子、ECAT5(配列表配列番号18)またはhECAT5(配列表配列番号34)をコードする遺伝子、ECAT6(配列表配列番号20)をコードする遺伝子、ECAT7(配列表配列番号22)またはhECAT7(配列表配列番号36)をコードする遺伝子、ECAT8(配列表配列番号24)またはhECAT8(配列表配列番号38)をコードする遺伝子およびECAT9(配列表配列番号42)またはhECAT9(配列表配列番号44)をコードする遺伝子が挙げられる。かかる発現ベクターは、中に含められる遺伝子の性質上、当該ベクターが細胞内、特にES細胞内で発現することにより分化を抑制する機能を有することが好ましい。即ち分化抑制遺伝子を強制発現するベクターである(以下、分化抑制遺伝子強制発現用ベクターともいう)。本発明の発現ベクターは、各種動物細胞内で複製保持または自律増殖でき、且つES細胞特異的発現遺伝子を発現しうるものであれば特に限定されず、ウイルスベクターやプラスミドベクター等が包含される。当該発現ベクターは、通常の遺伝子工学的手法に基づき、例えばMolecular cloning 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)等の基本書に従い作製することができる。好ましくはウイルスベクターであり、例えばレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、ポリオウイルス、シルビスウイルス等のDNAウイルス又はRNAウイルスにES細胞特異的発現遺伝子等を組み込んで作製する。また、必要に応じて、所望のプロモーター領域や薬剤耐性遺伝子領域、発現調節領域を導入することも可能である。
本発明の発現ベクターの細胞内への導入は、トランスフェクション、リポフェクション、マイクロインジェクション、衝撃ミサイル、エレクトロポレーション法等従来公知の方法によって行われる。
作製された本発明の発現ベクターが宿主細胞に組み込まれて発現しているか否かは、例えば導入されたECAT遺伝子が発現して産生する蛋白質(ポリペプチド)の量を、例えばELISA法等で測定することによって確認することができる。
さらにECAT遺伝子はES細胞であるかどうかを決定するためのプローブとしての利用に加え、ES細胞と他種類の細胞の混合物からES細胞を選択的に分離することにも利用できる。本発明者らは、各ECAT遺伝子の蛋白質翻訳領域に薬剤選択遺伝子をノックインするためのターゲッティングベクターを作成し、当該ベクターを用いて相同組換えをおこしたES細胞を樹立した。具体的には、特表平9−500004号公報(対応米国特許第6146888号公報)に記載の手法に準じて行った。例えばECAT3遺伝子、ECAT4遺伝子またはECAT5遺伝子にネオマイシン耐性遺伝子をノックインした細胞をG418存在下に培養すると、選択された細胞に分化細胞は全く認められなかった。かかる結果はECAT遺伝子がES細胞の選択的分離に利用できることを示唆するものである。より確実にES細胞のみを選択するためには、異なるECAT遺伝子を組み込んだ複数種のベクターを用いて相同組換えを行うことが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 マウスECAT遺伝子の同定
(1)コンピューター解析による候補遺伝子の同定
(手順)
ECATの候補遺伝子を同定するためにESTデータベースを利用した。ESTは各種細胞や臓器由来のcDNAライブラリーから多数のcDNAクローンを無作為に抽出し、その5’または3’断端部の配列を1反応だけ解析し、公共データベースに登録したものである。ESTは各細胞、臓器で発現している遺伝子のカタログであるといえる。マウス由来のもので100万クローン以上、マウスES細胞由来のものだけでも3万クローン以上が登録されている。
ESTデータベースとしてはUnigeneを使用した。UnigeneはESTの中で同じ遺伝子に由来すると考えられるものをクラスタリングしたものであり、2001年3月5日現在、マウスESTデータベースにおいては79917セットが報告されている。各セットは少なくとも1つのESTもしくは既知遺伝子からなる。
解析の手法としては、Digital differential display法を使用した。この方法は、指定した細胞や臓器のライブラリーにおける各セットの存在頻度、すなわち各セットに含まれるESTクローン数をそのライブラリー由来の全EST登録数で割ったものを算出し、異なる細胞や臓器間での発現頻度を調べる方法である。
Digital differential display法により次に示す5つの細胞や臓器由来のライブラリー群における遺伝子発現頻度解析を行った。各群の括弧内の数字は解析したクローン数を示している。1群から5群までは該当するライブラリーをすべて解析した。6群はデーター数が膨大であるため、全身の臓器、細胞を可及的に含むように抽出した23ライブラリーを解析した。
1群 1細胞期よりブラストシストまでの受精卵(49050クローン)
2群 ES細胞またはEmbryonic carcinoma細胞(32277クローン)
3群 受精後8.5日までの胎児(46728クローン)
4群 受精後9日以降の胎児(128882クローン)
5群 精巣(65685クローン)
6群 その他の細胞、組織(272460クローン)
Digital differential display法により受精卵とES細胞等の全能性細胞で特異的に発現することが予想されたセットについては、マウス由来のESTデータベースをBlastNにて検索し、全能性細胞由来のライブラリーでのみESTが存在するかどうかを検討した。
使用したデータベースおよび解析プログラムのURLは以下の通りである。
Unigene Mouse Sequence Collection
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/UniGene/Mm.Home.html
Digital differential display
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/UniGene/ddd.cgi?ORG=Mm
Blast search
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/
(結果)
Digital differential display法による解析とBlastNによるESTデータベース検索の結果の候補として10個の遺伝子を同定した。これらの遺伝子のESTは受精卵とES細胞において高頻度に存在するが、第6群のその他の細胞や組織では認められない。胎児や精巣由来のライブラリーにESTが含まれる遺伝子も存在したが、これは分化全能性細胞である始原生殖細胞や精母細胞に由来する可能性が高いので、ECAT遺伝子の候補に含めた。一方Oct−3/4遺伝子は受精卵とES細胞で高頻度に存在するが、その他の細胞や臓器でも少数であるが含まれていた。候補のうち8遺伝子について、マウス由来のESTデータベースをBlastNにて検索した結果を表1に示す(ECAT1〜8)。
同様にして残る2つの遺伝子のうち、1つの遺伝子(ECAT9)についても解析をすすめた。結果を表1に示す。
(2)ノザンブロット解析
(手順)
コンピューター解析により同定された候補遺伝子について、実際にES細胞特異的に発現しているかどうかをノザンブロットにより解析した。未分化ES細胞およびレチノイン酸で5日間分化誘導したES細胞よりライフテックオリエンタル社のTrizolを用いて全RNAを抽出した。成体マウスの各種臓器由来のRNAはサワデーテクノロジーより購入した。全RNA(5μg)をホルマリンアガロースゲルにより分離後、ナイロンメンブランにトランスファーし、UVクロスリンクにより固定した。目的遺伝子のESTが購入可能な場合は同DNAをプローブとして用いた。ESTが入手不可能な場合は、PCRにて各ECATに特異的なDNA断片を増幅し、プローブとして用いた。具体的には以下のプローブを用いてOct−3/4、ECAT1、ECAT2、ECAT3、ECAT4、ECAT5、ECAT6、ECAT7およびECAT8の発現を調べた。さらにECAT9の発現についても調べた。
Oct−3/4:プラスミドC1 in BS KS(Cell 60:461-472, 1990)をEcoRIで切り出して調製した配列表配列番号25に記載の配列を含むDNA断片。
ECAT1:Mm.31054EST(#AI467128)をSalI/NotIで切り出して調製した配列表配列番号1に記載の配列を含むDNA断片。
ECAT2:pH34EST(#AA473366)をSalI/NotIで切り出して調製した配列表配列番号2に記載の配列を含むDNA断片。
ECAT3:FBX15EST(#AA571680)をSalI/NotIで切り出して調製した配列表配列番号3に記載の配列を含むDNA断片。
ECAT4:ホメオボックスコーディング領域をゲートウェイ用にPCRで増幅しTAクローニングしたプラスミドからEcoRIで切り出して調製した配列表配列番号4に記載の配列を含むDNA断片。
ECAT5:E−RasS118/RACE11でRT−PCRしたものをTAクローニングしたプラスミドからEcoRIで切り出して調製した配列表配列番号5に記載の配列を含むDNA断片。
ECAT6:ケラチン−EPCR産物(48927S/48927AS)である配列表配列番号6に記載の配列を含むDNA断片。
ECAT7:DNMT3LESTクローン(AA895770,pBSSK−dnmt31)からEcoRI/XhoIで切り出して調製した配列表配列番号7に記載の配列を含むDNA断片。
ECAT8:Mm.77010RACE産物をTAクローニングしたプラスミドからEcoRIで切り出して調製した配列表配列番号8に記載の配列を含むDNA断片。
ECAT9:GDF3(Jones CM. et al., 上述)を参考にして調製された配列表配列番号41に記載の配列を含むDNA断片。
プローブの32P−dCTPによる標識は、アマシャムファルマシア社のメガラベリングキットを用いて行った。ハイブリダイゼーションはフナコシ社のQuickhybを用いて行った。洗浄後のシグナル解析は富士フィルム社のBAS5000を用いて行った。
(結果)
コンピューター検索にて同定された10遺伝子のうち、これまでに9遺伝子に関してノザンブロットを行い、ES細胞および12種類の臓器における発現を解析した。即ちES細胞と成体マウスの12種類の臓器における各ECAT遺伝子の発現をノザンブロットにより解析した結果を図1に示す。
9遺伝子に関する全ての発現がES細胞に特異的であることがわかった。精巣でも若干の発現が認められるものもあるが、精母細胞に由来すると考えられた。またこれらの遺伝子の発現はES細胞をレチノイン酸で刺激誘導するとすみやかに消失することがわかった。これらの結果から9遺伝子はECAT遺伝子であると考えられた。
(3)ECAT遺伝子の解析
ECAT遺伝子が未知遺伝子である場合全長cDNAの同定はライフテックオリエンタル社の5’RACEシステム、バージョン2を使ったRACE(Rapid Amplification of cDNA Ends)法を用いて行った。理研マウス完全長cDNAデータベースの検索はURL(http://genome.gsc.riken.go.jp/)において行った。
実施例2 取得ECAT遺伝子の公知状況解析
(1)Blast検索
ノザンブロットの結果ECAT遺伝子であることが確認された8遺伝子のEST配列をBlastで検索した結果、3遺伝子に関しては既に配列が論文として報告されていた。ECAT2遺伝子はEC細胞をレチノイン酸で刺激した時に発現が減少する遺伝子pH34として報告されていた。ECAT4遺伝子はFボックスを有するマウス蛋白質で、発現が精巣と卵巣でのみ認められるものとして報告されていた。ECAT7遺伝子はDNAメチル化を行うDNMT3に似た蛋白質DNMT3Lとして報告されていた。RACE法によりcDNA全長の同定を試みた結果、ECAT4遺伝子、ECAT5遺伝子、ECAT6遺伝子について翻訳領域を同定した。予想されるアミノ酸配列をBlastPで検索した結果、ECAT4遺伝子はホメオボックスを有していること、ECAT5遺伝子は癌遺伝子H−Rasに相同性を有していること、ECAT6遺伝子はケラチンに類似していることがわかった。また、あらたにECAT遺伝子であることが確認されたECAT9遺伝子はGDF3とよばれる増殖因子であることがわかった。
(2)理研マウスcDNAデータベースの検索
2001年2月に理研より公開されたマウス全長cDNAデータベースを検索した結果、ECAT5遺伝子を除く8遺伝子はcDNAの全長が公開されていた。ECAT5遺伝子はデータベースに含まれていなかった。またECAT2遺伝子は理研のデータベースにおいてES cell specific gene (ESG)1として記載されているが、他の8遺伝子に関してはES細胞での発現に関する情報は無かった。
実施例3 ヒトECAT遺伝子の同定
(1)ヒトゲノムDNAおよびヒト蛋白質データベースのBlast検索
Blast検索した結果、ECAT2〜5、7、8遺伝子においてはアミノ酸配列が50%以上一致するオルソログが存在することがわかった。また、ECAT9遺伝子についてもhGDF3(Caricasole et al., 上述)としてhECAT9遺伝子が存在する。ECAT1遺伝子とECAT6遺伝子に関してはヒトのオルソログは同定できなかった。
BlastP検索の結果、hECAT3遺伝子、hECAT5遺伝子、hECAT8遺伝子の3遺伝子についてはhypothetical proteinを含め塩基配列およびアミノ酸配列ともに公開されていなかった。
実施例4 ヒト相同遺伝子の発現確認
霊長類におけるECAT遺伝子のES細胞特異的な発現を確認した。
ヒト成人の13種類の臓器に由来する各全RNA(サワデーテクノロジーあるいはフナコシより購入)、ヒト間葉系幹細胞(タカラより購入)由来の全RNA、およびサルES細胞(未分化ならびにレチノイン酸により分化誘導されたもの、京都大学再生医学研究所の中辻教授提供)由来の全RNAをノザンブロット法により解析した。hECAT2,4,7,8,9およびhOct3/4に相当するESTクローンの全長cDNAをプローブとして用いた。ハイブリダイゼーションは上記実施例1のマウスECATの解析と同様の手法で行ったが、ヒトプローブでサルRNAを検出できるよう、反応や洗浄温度は低く(50℃)設定した。その結果、すべての遺伝子について未分化ES細胞において強いシグナルを認めた(図2)。ES細胞の分化にともない、シグナルは著しく減弱した。その他の臓器(細胞)においてスメア状の薄いシグナルが認められたが、これは反応および洗浄温度を下げたことにより生じた非特異的なものであると考えられる。以上の結果から、ECAT遺伝子はマウスだけではなく霊長類のES細胞においても選択的に発現しており、そのマーカー遺伝子として利用できることが確認された。
本出願は、日本で出願された特願2001−165927を基礎としておりそれらの内容は本明細書に全て包含されるものである。
図1は、ES細胞と成体マウスの12種類の臓器における各ECAT遺伝子の発現をノザンブロットにより解析した図である。 図2は、ES細胞、間葉系幹細胞とヒト成人の13種類の臓器における各ECAT遺伝子の発現をノザンブロットにより解析した図である。

Claims (6)

  1. 配列表配列番号5に記載の塩基配列からなるDNAを含むことを特徴とするES細胞選択用プローブ。
  2. 配列表配列番号17に記載の塩基配列からなるDNAを含むことを特徴とする、ES細胞選択用プローブ。
  3. 以下の(a)〜()のいずれかのDNAからなる遺伝子。
    (a)配列表配列番号17に記載の塩基配列からなるDNA
    (b)配列表配列番号18に記載のアミノ酸配列をコードするDNA
    (c)(b)のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つES細胞特異的に発現する蛋白質をコードするDNA
  4. 以下の(a)又は(b)の蛋白質。
    (a)配列表配列番号18に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質
    (b)(a)のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つES細胞特異的に発現する蛋白質
  5. 請求項記載の遺伝子を含む発現ベクター。
  6. 請求項記載の発現ベクターで形質転換された細胞。
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