JP4827771B2 - オリゴフルオレン化合物を用いた有機発光素子及び表示装置 - Google Patents

オリゴフルオレン化合物を用いた有機発光素子及び表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、オリゴフルオレン化合物を用いた有機発光素子及び表示装置に関する。
電界発光素子は、自発光型のため視認性が高く、表示性能に優れ、高速応答が可能である。また、電界発光素子は薄型化が可能なため、平板状ディスプレイ等の表示素子として注目を集めている。
中でも、有機化合物を発光体とする有機発光素子は、無機発光素子と比較して低電圧駆動が可能なこと、大面積化が容易なこと、適当な色素を選ぶことにより、所望の発光色を容易に得られること等の特徴を有する。このため、有機発光素子は次世代ディスプレイとして活発に開発が行われている。
ここで、有機化合物を発光体とする有機発光素子を作製する方法としては、大きく分けて2つある。1つは、低分子化合物を真空蒸着法等のドライプロセスによって成膜することで素子を作製するタイプである。もう1つは、スピンコート法やキャスト法、インクジェット法等のいわゆる塗布成膜法で成膜することで素子を作製するタイプである。
上記塗布成膜法で作製される有機発光素子(以下、塗布型有機発光素子という)はドライプロセスにより作製される有機発光素子と比べて、
(1)低コストである
(2)大面積の有機発光素子の作製が容易である
(3)ドーパント等を導入する際に、導入する量を精密に制御できる
等のメリットがある。
上記塗布型有機発光素子について、図面を参照しながら説明する。図4は、塗布型有機発光素子の一般的な構成を示す断面図である。図4に示される有機発光素子110は、基板100上に、陽極101、正孔注入層102、発光層103、電子注入層104及び陰極105が順次積層されている。
有機発光素子110において、正孔注入層102には、一般的にポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の混合物(PEDOT:PSS)が用いられ、スピンコート等の塗布製膜法によって成膜される。PEDOT:PSSは水に可溶であるが、無極性溶媒には不溶である。このため、発光層103を無極性溶媒を用いた塗布製膜法によって形成しても正孔注入層102であるPEDOT:PSS膜は溶出しない。従って、有機発光素子を塗布製膜法で作製するときには好適な正孔注入材料とされている。
塗布製膜法で発光層103を作製するときには、主に発光性を有する高分子化合物が用いられる。これは、高分子化合物が高アモルファス性を有しているため、低分子系に比べて結晶化が起こりにくいからである。具体的に用いられる材料としては、ポリフェニレンビニレン(PPV)、ポリフルオレン(PF)、ポリビニルカルパゾール(PVK)、これらの誘導体等の高分子化合物が挙げられる。また、塗布製膜法で発光層103を作製する具体的方法として、スピンコート法、インクジェト法等が挙げられる。
発光層103を成膜した後は、真空蒸着法を用いて、発光層103上にフッ化リチウム等からなる電子注入層104及び金属電極からなる陰極105を順次成膜することにより、有機発光素子110が完成する。
このように塗布型有機発光素子は、簡易なプロセスで作製することができるという優れた特徴を持っており、様々な用途への応用が期待されている。しかし、十分に大きな発光強度を得ることができない点、及び寿命が十分でない点という改善すべき課題を有している。
十分に大きな発光強度が得られない原因については様々な推測がなされているが、その原因の一つとして、高分子化合物の分子量制御や精製の困難性にあると考えられている。
上記問題の解決手段の一つとして、分子量の制御及び精製が容易でかつ高アモルファス性を有するオリゴマー化合物を用いる手法が考えられる。
オリゴマー材料を有機発光材料に適用した例として、特許文献1及び非特許文献1が挙げられる。
特開2003−55275公報 S.W.Culligan et al.,Advanced Material,2003,15,No.14,p1176.
しかしながら、非特許文献1で用いられている下記式で表されるオリゴフルオレン化合物
Figure 0004827771
は液晶性を有しており、その相転移温度は120℃前後である。このため、有機発光素子を駆動するときに、素子自体の温度が液晶相転移温度を超える程度まで上昇する可能性があり、結果として上記オリゴフルオレン化合物が液晶化してしまう。また、一旦液晶化してしまうと、膜質が大きく変化してしまうことで、素子特性にも大きな変化が生じてしまう。そのため、安定性に乏しい素子しか提供できないという問題があった。
上記オリゴフルオレン化合物が液晶性を有しているのは、全てのフルオレンユニットが長鎖アルキル基を有しているためと考えられる。
そこで、非液晶性にするためにアルキル基を短くする工夫が考えられる。しかし、アルキル基を短くすると、無極性溶媒等の有機溶媒に対する溶解性を上げることが困難となり、塗布成膜を行うことが困難となってしまう。
また、非特許文献1では、発光層を構成する材料はオリゴフルオレン化合物のみである。このため青色の単色発光しか行えず、ホスト・ゲスト系のような高効率化も図っていない。また、上記オリゴフルオレン化合物は、長鎖アルキル基が多数付加されているために素子が高抵抗化してしまうことも懸念される。
特許文献1も、オリゴフルオレン化合物を用いて有機発光素子を作製しており、ポリフルオレンに対する優位性を示している。しかしながら、特許文献1では、塗布型有機発光素子に用いるためのオリゴフルオレン化合物自体の構造の最適化を行っていない。このため、オリゴフルオレン化合物の構造を最適化すれば、有機発光素子の発光効率及び耐久性がより向上することが期待される。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、オリゴフルオレン化合物を用いた、発光効率及び耐久性に優れた有機発光素子を提供することにある。また本発明の他の目的は、有機発光素子を構成する層を製膜するのに適したインク組成物を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、上記有機発光素子を具備した表示装置を提供することにある。
本発明の有機発光素子は、陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に配置され、下記一般式[I]で示されるオリゴフルオレン化合物を含有する有機化合物層とを有することを特徴とする。
Figure 0004827771
(式中、R1及びR2は、メチル基、エチル基、3−メチルブチル基から選ばれる一のフルオレン環の1 2は、同じであ。また、一のフルオレン環のR 1 及びR 2 と他のフルオレン環1及びR2は、同じであっても異なっていてもよい。但し、R1又はR2で表される全ての置換基のうち、少なくとも4つが3−メチルブチル基であり、少なくとも4つがメチル基又はエチル基である。nは、4以上10以下の整数を表す。)
本発明によれば、オリゴフルオレン化合物を用いた、発光効率及び耐久性に優れた有機発光素子を提供することができる。また本発明によれば、有機発光素子を構成する層を製膜するのに適したインク組成物を提供することができる。さらに本発明によれば、上記有機発光素子を具備した表示装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明するが、これによって本発明は限定されない。
本発明の有機発光素子は、陽極と陰極と、陽極と陰極との間に挟持される有機化合物を含む層と、から構成される。
以下、図面を参照しながら本発明の有機発光素子を詳細に説明する。
図1は、本発明の有機発光素子における第一の実施形態を示す断面図である。
図1の有機発光素子10は、基板1上に、陽極2、正孔注入層3、発光層4、電子注入層5及び陰極6が順次積層されている。
図2は、本発明の有機発光素子における第二の実施形態を示す断面図である。
図2の有機発光素子20は、図1の有機発光素子10において、正孔注入層3と発光層4の間に正孔輸送層7を、発光層4と電子注入層5の間に電子輸送層8を、それぞれ設けたものである。正孔輸送層7及び電子輸送層8を設けることにより、発光層4へのキャリアの注入性が向上する。また、本発明の有機発光素子は正孔輸送層7と電子輸送層8のいずれか一方のみを有する構成であってもよい。
図3は、本発明の有機発光素子における第三の実施形態を示す断面図である。
図3の有機発光素子30は、図1の有機発光素子10において、正孔注入層3と発光層4の間に電子ブロッキング層9を設けたものである。電子ブロッキング層9を設けることにより、電子又は励起子が発光層4から陽極2側に抜けることが抑制される。このため、有機発光素子の発光効率が向上する。
また、本発明の有機発光素子は、上記の構成以外にも、発光層4と電子注入層5の間に正孔ブロッキング層を設けた構成や、電子ブロッキング層、正孔ブロッキング層の両方を設けた構成等も例示することができる。
また、本発明の有機発光素子には陽極2と陰極6の間に発光層5のみが介在する構成であってもよい。
本発明の有機発光素子は、有機化合物を含む層に、下記一般式[I]で示されるオリゴフルオレン化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする。
Figure 0004827771
式[I]において、R1及びR2は、アルキル基を表す。R1及びR2は、同じであっても異なっていてもよい。また、異なるフルオレン環に置換されるR1及びR2は、同じであっても異なっていてもよい。但し、R1又はR2で表される全ての置換基のうち、少なくとも4つが炭素数4以上のアルキル基(好ましくは、炭素数が4以上10以下のアルキル基)であり、少なくとも4つが炭素数1又は2のアルキル基である。
1及びR2で表される炭素数が4以上のアルキル基として、直鎖状、分鎖状及び環状のアルキル基が挙げられるが、特に制限されない。具体的には、n−ブチル基、t−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。
1及びR2で表される炭素数が1又は2のアルキル基は、メチル基とエチル基である。
式[I]において、nは、4乃至10の整数を表す。
本発明の有機発光素子は、一般式[I]に示される炭素数が4以上の長鎖アルキル基及び炭素数が1又は2の短鎖アルキル基を有するオリゴフルオレン化合物が素子の構成材料として用いられている。このオリゴフルオレン化合物は長鎖アルキル基由来の有機溶媒に対する高溶解性と、長鎖・短鎖アルキル基混合による高アモルファス性の両方を備える。このため、分子数を小さくすることによって生じる結晶化の問題や難溶解性の問題、さらには分子数が大きくなることによって生じる分子量制御や精製の問題を同時に解決することが可能となる。また、長鎖アルキル基の数が減少していることから素子の低抵抗化も可能となる。
また、上記オリゴフルオレン化合物は、好ましくは、非液晶性である。非結晶性である理由は、上記オリゴフルオレン化合物は、フルオレン環に適当な数量の長鎖アルキル基と短鎖アルキル基が置換されているためである。このような構造を有していることにより、R1及びR2がいずれも長鎖アルキル基の場合と比較して液晶になりづらい構造となる。
液晶性の化合物の場合、相転移温度を超えてしまうと、液晶化に伴う膜質の変化により素子の特性が変化してしまい、素子が安定して発光することが困難となってしまう。ここで、本発明の有機発光素子に用いられるオリゴフルオレン化合物が非液晶性であると、液晶化に伴う膜質の変化の問題を解決することができる。その結果、有機発光素子が安定して発光することが可能となる。
以下、本発明の有機発光素子に用いられるオリゴフルオレン化合物の代表例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004827771
Figure 0004827771
一般式[I]のオリゴフルオレン化合物を含有する有機化合物を含む層とは、例えば、図1乃至図3で示される正孔注入層3、発光層4、電子注入層5、正孔輸送層7、電子輸送層8及び電子ブロッキング層9である。一般式[I]のオリゴフルオレン化合物は、これらの層のうち一層のみに含まれていてもよいし、複数の層に含まれていてもよい。
本発明の有機発光素子において、一般式[I]のオリゴフルオレン化合物は、好ましくは、発光層4に含まれる。ここで発光層4は、オリゴフルオレン化合物単独で形成されていてもよいが、好ましくは、ホストとゲストからなる。ここで一般式[I]で示されるオリゴフルオレン化合物は、バンドギャップが2.5〜3.0eV程度と広いため、好ましくは、ホストとして用いられる。
このときゲストとしては発光性材料であればよく、一重項発光材料と三重項発光材料のいずれも用いることができる。好ましくは、三重項発光材料を用いる。三重項発光材料をゲストとして発光層4に含有することにより、三重項からの発光を取り出すことが可能となるため、有機発光素子の発光効率がより向上するからである。
ここで、三重項発光材料の例として、以下に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれに限られたものではない。
Figure 0004827771
また、一重項発光材料の例として、以下に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれに限られたものではない。
Figure 0004827771
また、一般式[I]で表されるオリゴフルオレン化合物は電子輸送性を有しているため、このオリゴフルオレン化合物を、例えば、図1乃至図3で示される電子注入層5や電子輸送層8を構成する材料として用いることも可能である。
次に、本発明の有機発光素子の各層を構成するオリゴフルオレン化合物以外の材料について説明する。
基板1を構成する材料としては、ガラス、セラミック、半導体、金属、プラスチック等が挙げられるが、特に制限されることはない。ここで有機発光素子がボトムエミッションタイプの場合は、ガラス基等の透明な基板が用いられる。一方、トップエミッションタイプの場合は、基板下部への光の漏れを防ぐために、金属基板を用いたり、ガラス基板等にAg等の陰極材料を形成してミラー構造を形成したりする。また、基板1にカラーフィルター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜等を用いて発色光をコントロールする事も可能である。さらに、基板1上に薄膜トランジスタ(TFT)を作製し、このTFTに接続するように有機発光素子を作製することも可能である。
陽極2を構成する材料としては、仕事関数がなるべく大きなものがよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン、クロム等の金属単体あるいはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物又はCuI等のハロゲン化物が使用できる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマーも使用できる。これらの電極物質は単独で用いてもよいし、複数併用して用いてもよい。また、陽極2は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
正孔注入層3を構成する材料としては、正孔輸送性を有する材料であれば何でもよい。好ましくは、塗布型の有機発光素子を作製するときに用いられ、かつ発光層4を構成する材料を溶解する溶媒に対する耐性を有している材料である。
正孔注入層3を構成する材料の例として、以下に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれに限られたものではない。
Figure 0004827771
Figure 0004827771
Figure 0004827771
電子注入層5を構成する材料としては、例えば、LiFやCsCO3、CaO等といった、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のフッ化物、炭酸化合物、酸化物等を挙げることができる。また、電子輸送性を有する有機化合物であってもよい。
電子注入層5を構成する材料の例として、以下に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれに限られたものではない。
Figure 0004827771
陰極6を構成する材料としては、仕事関数の小さなものがよい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、ルテニウム、チタニウム、マンガン、イットリウム、銀、鉛、錫、クロム等の金属単体あるいはこれらの金属の合金が挙げられる。合金の具体例としては、リチウム−インジウム、ナトリウム−カリウム、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム、マグネシウム−インジウム等が挙げられる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は単独で用いてもよいし、複数併用して用いてもよい。また、陰極6は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
陽極2及び陰極6は、少なくともいずれか一方が透明又は半透明であることが望ましい。
図2に示される正孔輸送層7及び電子輸送層8を構成する材料は、それぞれ正孔輸送性、電子輸送性を有していればよく、公知の正孔輸送性材料や電子輸送性材料を用いることが可能である。
また、図3に示される電子ブロック層9を構成する材料は、発光層4から陽極2へ移動しようとする電子をブロックする材料であればよい。例えば、上述したPEDOT:PSS等の高分子系ホール輸送性化合物や、TPD等の低分子系ホール輸送性化合物を用いることが可能である。これ以外にも、例えば、SiO2やSiN等の無機系の絶縁体層やシロキサン等の有機ケイ素系ポリマーを用いることも可能である。
尚、作製した有機発光素子に対して、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッソ樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜又は光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属等をカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。
本発明の有機発光素子において、発光層4の形成方法としては、真空蒸着法と塗布法のいずれでもよい。一般式[I]で示されるオリゴフルオレン化合物が有機溶媒への溶解性が高いことから、好ましくは、塗布法で形成する。ここで塗布方法としては、スピンコート法、スリットコーター法、印刷法、インクジェット法、デイスペンス法、スプレー法等が例示される。
次に、本発明のインク組成物について説明する。
本発明のインク組成物は、下記一般式[I]で示されるオリゴフルオレン化合物を少なくとも一種含有する。
Figure 0004827771
一般式[I]のオリゴフルオレン化合物は、有機溶媒に対する溶解性がよいので、インク組成物として使用することができる。また、本発明のインク組成物を用いることにより、本発明の有機発光素子を構成する有機化合物からなる層、特に発光層4を塗布法により作製することが可能となり、比較的安価で大面積の素子を容易に作製できる。
一般式[I]で示されるオリゴフルオレン化合物を溶解する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、ジオキサン、テトラリン、n−ドデシルベンゼン、メチルナフタレン、テトラヒドロフラン、ダイグライム、1,2−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロプロパン等が挙げられる。
また、本発明のインク組成物は、オリゴフルオレン化合物の他に添加剤となる化合物を含んでもよい。添加剤となる化合物としては、例えば、上述の公知な正孔輸送性材料、発光性材料、電子輸送性材料等が挙げられる。
インク組成物における一般式[I]で示されるフルオレン化合物の濃度は、組成物全体に対して、好ましくは、0.05重量%以上20重量%以下であり、より好ましくは、0.1重量%以上5重量%以下である。
本発明の有機発光素子は、画素パターンに形成された電極上に、本発明の有機発光素子を形成することにより、ディスプレイ等の表示装置を構築することができる。本発明の有機発光素子を具備する表示装置は、高効率のため消費電力が少なく、長寿命である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<合成例1>例示化合物No.1の合成
Figure 0004827771
(1)2000ml三ツ口フラスコに、ジピナコール体[1]20g(42.2mmol)、モノブロモ体[2]39.0g(101mmol)、トルエン600ml及びエタノール200mlを入れた。次に、反応溶液を窒素雰囲気中室温で攪拌しながら、炭酸ナトリウム40g/水200mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)2.4g(2.2mmol)を添加した。次に、反応溶液を室温で30分攪拌した後77℃に昇温し5時間攪拌した。反応終了後、反応溶液の有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−トルエン混合溶媒)で精製することにより、白色結晶のフルオレン3量体[3]を24.6g(収率70%)得た。
(2)500ml三ツ口フラスコに、フルオレン3量体[3]8.0g(9.6mmol)及びクロロホルム200mlを入れ、反応溶液の温度を5℃に保ちながら、塩化鉄0.08g(0.48mmol)を添加した。次に、臭素1.5g(9.6mmol)のクロロホルム40ml溶液を滴下した。この後、反応溶液を室温まで昇温し8時間撹拌した。反応終了後、反応溶液の有機層をクロロホルムで抽出し、チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘプタン−トルエン混合溶媒)で精製することにより、白色結晶のモノブロモフルオレン3量体[4]を3.9g(収率45%)得た。
(3)200ml三ツ口フラスコに、モノブロモフルオレン3量体[4]2.0g(2.2mmol)及びトルエン80mlを入れた。次に、反応溶液を窒素雰囲気中室温で攪拌しながら、トリエチルアミン0.62ml(4.4mmol)及び(1,3−ジフェニルホスフィノプロパン)ジクロロニッケル0.12g(0.22mmol)を添加した。次に、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン0.64ml(4.4mmol)を滴下した。この後、反応溶液を100℃に昇温して8時間撹拌した。反応終了後、反応溶液の有機層を酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−トルエン混合溶媒)で精製することにより、白色結晶のモノピナコールフルオレン3量体[5]を1.37g(収率65%)得た。
(4)200ml三ツ口フラスコに、モノブロモフルオレン3量体[4]0.86g(0.95mmol)、モノピナコールフルオレン3量体[5]1.0g(1.0mmol)、トルエン80ml及びエタノール40mlを入れた。次に、反応溶液を窒素雰囲気中室温で攪拌しながら、炭酸ナトリウム2g/水10mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.06g(0.05mmol)を添加した。次に、反応溶液を室温で30分攪拌した後77℃に昇温し5時間攪拌した。反応終了後、反応溶液の有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−トルエン混合溶媒)で精製することにより、黄白色結晶の例示化合物No.1を1.15g(収率73%)得た。
得られた化合物について、示差走査熱量計(DSC)を用いてガラス転位温度の測定を行った。その結果を表1に示す。
<合成例2>例示化合物No.5の合成
Figure 0004827771
(1)合成例1(1)と同様の方法で、ジピナコール体[6]からフルオレン3量体[7]を合成した。合成例1(2)と同様の方法でフルオレン3量体[7]からモノブロモフルオレン3量体[8]を合成した。合成例1(3)と同様の方法で、モノブロモフルオレン3量体[8]からモノピナコールフルオレン3量体[9]を合成した。
(2)500ml三ツ口フラスコに、フルオレン3量体[7]10.0g(12.5mmol)及びクロロホルム200mlを入れ、反応溶液を5℃に保ちながら、塩化鉄0.1g(0.63mmol)を添加した。次に、臭素4.4g(27.3mmol)のクロロホルム50ml溶液を滴下した。この後、反応溶液を室温まで昇温し8時間撹拌した。反応終了後、反応溶液の有機層をクロロホルムで抽出し、チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘプタン−トルエン混合溶媒)で精製することにより、白色結晶のジブロモフルオレン3量体[10]を9.1g(収率76%)得た。
(3)200ml三ツ口フラスコに、ジブロモフルオレン3量体[10]1.0g(1.04mmol)、モノピナコールフルオレン3量体[9]2.1g(2.29mmol)、トルエン80ml及びエタノール40mlを入れた。次に、反応溶液を窒素雰囲気中室温で攪拌しながら、炭酸ナトリウム2g/水10mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.06g(0.05mmol)を添加した。次に、反応溶液を室温で30分攪拌した後77℃に昇温し5時間攪拌した。反応終了後、反応溶液の有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−トルエン混合溶媒)で精製することにより、黄白色結晶の例示化合物No.5を1.7g(収率68%)得た。
得られた化合物について、示差走査熱量計(DSC)を用いてガラス転位温度の測定を行った。その結果を表1に示す。
<合成例3>例示化合物No.6の合成
Figure 0004827771
(1)300ml三ツ口フラスコに、ジブロモフルオレン3量体[10]5.0g(5.2mmol)、モノピナコール体[11]2.2g(5.2mmol)、トルエン150ml及びエタノール50mlを入れた。次に、反応溶液を窒素雰囲気中室温で攪拌しながら、炭酸ナトリウム10g/水50mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.3g(0.26mmol)を添加した。次に、反応溶液を室温で30分攪拌した後77℃に昇温し5時間攪拌した。反応終了後、反応溶液の有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−トルエン混合溶媒)で精製することにより、白色結晶のモノブロモフルオレン4量体[12]を2.1g(収率34%)を得た。
(2)200ml三ツ口フラスコに、ジピナコール体[1]0.5g(1.05mmol)、モノブロモフルオレン4量体[12]2.8g(2.32mmol)、トルエン80ml及びエタノール30mlを入れた。次に、反応溶液を窒素雰囲気中室温で攪拌しながら、炭酸ナトリウム2g/水10mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.06g(0.05mmol)を添加した。次に、反応溶液を室温で30分攪拌した後77℃に昇温し5時間攪拌した。反応終了後、反応溶液の有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:トルエン混合溶媒)で精製することにより、黄白色結晶の例示化合物No.6を1.4g(収率55%)得た。
得られた化合物について、示差走査熱量計(DSC)を用いてガラス転位温度の測定を行った。その結果を表1に示す。
<合成例4>例示化合物No.10の合成
Figure 0004827771
(1)500ml三ツ口フラスコに、モノピナコールフルオレン3量体[9]9.7g(10.4mmol)、ジブロモフルオレン3量体[10]10g(10.4mmol)、トルエン250ml及びエタノール80mlを入れた。次に、反応溶液を窒素雰囲気中室温で攪拌しながら、炭酸ナトリウム20g/水100mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.58g(0.5mmol)を添加した。次に、反応溶液を室温で30分攪拌した後77℃に昇温し5時間攪拌した。反応終了後、反応溶液の有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−トルエン混合溶媒)で精製することにより、黄白色結晶のモノブロモフルオレン6量体[13]を6.3g(収率36%)得た。
(2)300ml三ツ口フラスコに、モノブロモフルオレン6量体[13]4.0g(2.4mmol)及びトルエン100mlを入れた。次に、反応溶液を窒素雰囲気中室温で攪拌しながら、トリエチルアミン0.5ml(3.6mmol)及び(1,3−ジフェニルホスフィノプロパン)ジクロロニッケル0.13g(0.24mmol)を添加した。次に、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン0.52ml(3.6mmol)を滴下した。この後、反応溶液を100℃に昇温し10時間撹拌した。反応終了後、反応溶液の有機層を酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−トルエン混合溶媒)で精製することにより、黄白色結晶のモノピナコールフルオレン6量体[14]を2.4g(収率59%)得た。
(3)200ml三ツ口フラスコに、モノブロモフルオレン6量体[13]1.0g(0.59mmol)、モノピナコールフルオレン6量体[14]1.03g(0.59mmol)、トルエン80ml及びエタノール30mlを入れた。次に、反応溶液を窒素雰囲気中室温で攪拌しながら、炭酸ナトリウム1.2g/水6mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.03g(0.03mmol)を添加した。次に、反応溶液を室温で30分攪拌した後77℃に昇温し5時間攪拌した。反応終了後、反応溶液の有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−トルエン混合溶媒)で精製することにより、黄白色結晶の例示化合物No.10を0.91g(収率48%)得た。
得られた化合物について、示差走査熱量計(DSC)を用いてガラス転位温度の測定を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004827771
比較として、非特許文献1で示される下記式のオリゴフルオレン誘導体についても示差走査熱量計(DSC)を用いてガラス転移温度等の測定を行った。
Figure 0004827771
上記のオリゴフルオレン誘導体では、120℃前後にネマティック液晶相への相転移が確認されたのに対して、合成例1乃至4で得られたオリゴフルオレン化合物では液晶化は確認されなかった。また、上記の表1から、合成例1乃至4で得られたオリゴフルオレン化合物のガラス転位温度は、非特許文献1のオリゴフルオレン化合物の液晶相転移温度(120℃前後)よりも高いことがわかる。このため、合成例1乃至4で得られたオリゴフルオレン化合物は、熱的安定性に優れた、高アモルファス性の化合物であることが分かった。
<実施例1>
図1に示される有機発光素子を作製した。本実施例で使用する、各層を構成する材料は以下に示す通りである。
基板1:ガラス基板
陽極2:酸化錫インジウム(ITO)
正孔注入層3:PEDOT:PSS(バイトロン社製、PAl−4083)
発光層4:例示化合物No.1
電子注入層5:CsCO3
陰極6:アルミニウム(Al)
有機発光素子の具体的な作製工程を以下に示す。
ガラス基板(基板1)上に、ITOをスパッタ法にて膜厚120nmで成膜し陽極2を形成した。次に、このITO膜を有するガラス基板をアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。次に、UV/オゾン洗浄した。このようにして処理したガラス基板を透明導電性支持基板として使用した。
次に、陽極2上に、正孔輸送層3として、PEDOT:PSSをスピンコート法により成膜した。尚、正孔輸送層3の膜厚は30nmである。
次に、発光層4として、例示化合物No.1のクロロホルム溶液(濃度:1.0重量%)を調製し、次いでこの溶液をスピンコート法により正孔注入層3上に成膜した。尚、発光層4の膜厚は90nmである。
次に、電子注入層5として、CsCO3を真空蒸着法により発光層4の上に膜厚2.4nmとなるように成膜した。このとき蒸着時の真空度を0.5×10-4Pa、成膜速度を0.3nm/secとした。
次に、陰極6として、Alを真空蒸着法により膜厚150nmとなるように形成した。このとき、蒸着時の真空度を0.5×10-4Pa、成膜速度を1.0〜1.5nm/secとした。
最後に、窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
このようにして図1に示す有機発光素子10を得た。
得られた素子について、ITOを正極、Alを負極にして、5.2Vの直流電圧を印加した。その結果、電流密度116mA/cm2で素子に電流が流れることがわかった。また、輝度390cd/m2の例示化合物No.1由来の青色の発光が観測された。色度座標は、NTSC(X,Y)=(0.18,0.14)であった。
<実施例2>
実施例1において、発光層4を成膜する際に、例示化合物No.1の代わりに例示化合物No.5を使用した以外は、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。得られた有機発光素子について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<実施例3>
実施例1において、発光層4を成膜する際に、例示化合物No.1の代わりに例示化合物No.6を使用した以外は、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。得られた有機発光素子について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<実施例4>
実施例1において、発光層4を成膜する際に、例示化合物No.1の代わりに例示化合物No.10を使用した以外は、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。得られた有機発光素子について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0004827771
<実施例5>
実施例1において、発光層4を成膜する際に、例示化合物No.1の代わりに、ホストである例示化合物No.5とゲストである下記式に示されるIr(C8−piq)3の混合物に変更した以外は、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
Figure 0004827771
尚、発光層4の具体的な成膜方法を以下に示す。
まず、例示化合物No.5のクロロホルム溶液(濃度:1.0重量%)を調製した。一方、Ir(C8−piq)3のクロロホルム溶液(濃度:1.0重量%)を別途調製した。次に、Ir(C8−piq)3の含有量が例示化合物No.5とIr(C8−piq)3の合計重量に対して1.0重量%になるように上記2種類の溶液を混合した。この混合溶液をスピン塗布により正孔注入層3上に成膜し発光層4を形成した。
得られた有機発光素子について、ITOを正極、Alを負極にして、8.5Vの直流電圧を印加した。その結果、電流密度103mA/cm2で素子に電流が流れることがわかった。また、輝度5975cd/m2でIr(C8−piq)3由来の赤色発光が観測された。また、色度座標は、NTSC(X,Y)=(0.65,0.33)であった。さらに、初期輝度を1000cd/m2として耐久試験を行ったところ、輝度半減時間は約350時間であった。
<実施例6>
実施例5において、ホストとして例示化合物No.5の代わりに例示化合物No.6を用いた以外は、実施例5と同様の方法で有機発光素子の作製を行った。得られた素子について実施例5と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
<実施例7>
実施例5において、クロロホルムの代わりに、1,2−ジクロロプロパンを用いて、例示化合物No.5の溶液とIr(C8−piq)3の溶液をそれぞれ調製した以外は、実施例5と同様の方法で有機発光素子の作製を行った。得られた素子について実施例5と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
<実施例8>
実施例7において、ホストとして例示化合物No.5の代わりに例示化合物No.6を用いた以外は、実施例7と同様の方法で有機発光素子の作製を行った。得られた素子について実施例5と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例1>
実施例5において、ホストとして例示化合物No.5の代わりに、下記式で示されるオリゴフルオレン化合物(A)を用いた他は、実施例5と同様の方法で有機発光素子の作製を行った。
Figure 0004827771
得られた素子について実施例5と同様の評価を行った。比較例1の素子について、ITOを正極、Alを負極にして、10Vの直流電圧を印加した。その結果、電流密度98mA/cm2で素子に電流が流れることがわかった。また、輝度3200cd/m2のIr(C8−piq)3由来の赤色発光が観測された。色度座標は、NTSC(X,Y)=(0.65,0.33)であった。また、初期輝度を1000cd/m2として素子の耐久試験を行ったところ、輝度半減時間は約25時間であった。
Figure 0004827771
表2と表3の結果を比較すると、発光層4をホストとゲストからなる層にすることにより、外部量子効率の大幅な増加が確認された。この結果より、ホストであるオリゴフルオレン化合物から、ゲストであるIr(C8−piq)3への効率的なエネルギー移動が起きていることが確認された。また、この結果より一般式[I]で示されるオリゴフルオレン化合物が発光層4のホストとして有用であることが分かった。
また、実施例5と比較例1の有機発光素子を比較すると、実施例5の方が発光効率及び寿命の観点から優れている素子であることが分かった。この結果から、一般式[I]で示されるオリゴフルオレン化合物を用いた有機発光素子は、全てが長鎖アルキル基のオリゴフルオレン化合物を用いた有機発光素子と比較して、発光効率及び耐久性の点で優れていることが示された。
本発明の有機発光素子における第一の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機発光素子における第二の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機発光素子における第三の実施形態を示す断面図である。 塗布型有機発光素子の一般的な構成を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 発光層
5 電子注入層
6 陰極
7 正孔輸送層
8 電子輸送層
9 電子ブロッキング層
10,20,30 有機発光素子
100 基板
101 陽極
102 正孔注入層
103 発光層
104 電子注入層
105 陰極
110 有機発光素子

Claims (4)

  1. 陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に配置され、下記一般式[I]で示されるオリゴフルオレン化合物を含有する有機化合物層とを有することを特徴とする、有機発光素子。
    Figure 0004827771
    (式中、R1及びR2は、メチル基、エチル基、3−メチルブチル基から選ばれる一のフルオレン環の1 2は、同じであ。また、一のフルオレン環のR 1 及びR 2 と他のフルオレン環1及びR2は、同じであっても異なっていてもよい。但し、R1又はR2で表される全ての置換基のうち、少なくとも4つが3−メチルブチル基であり、少なくとも4つがメチル基又はエチル基である。nは、4以上10以下の整数を表す。)
  2. 前記有機化合物層が発光層であることを特徴とする、請求項に記載の有機発光素子。
  3. 前記発光層がホストとゲストとからなり、該ホストが前記オリゴフルオレン化合物であり、該ゲストが三重項発光材料であることを特徴とする、請求項に記載の有機発光素子。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする、表示装置。
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