JP4827129B2 - シートバックパッド及びその製造方法 - Google Patents

シートバックパッド及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、
背凭れ部と、表側の面の外方側に隆起した左右一対のサイド部とを備え、前記サイド部の裏側部が前記サイド部の隆起方向と同じ方向に窪まされて、前記サイド部に、前記裏側部の窪み部を幅方向で挟んで位置する外側の側壁部と内側の側壁部とが形成され、前記外側の側壁部の後端部から幅方向内方側に延出する返し部が前記外側の側壁部に一体に形成され、前記外側の側壁部の下端部に、リクライニング機構配置用として上方に凹入する切欠き部が形成され、前記背凭れ部の裏側の面と、前記左右一対のサイド部の裏側の面と、前記返し部の前側の面とに補強布が一体化された発泡樹脂成形体から成るシートバックパッド、及び、このシートバックパッドを製造する方法に関する。
運転席や助手席といった自動車のフロントシートは、運転者等が臀部を乗せるシートクッションと、背中を支持するシートバックとから成るとともに、シートバックをシートクッションに対して起立させる運転姿勢と、後方下方に揺動させた姿勢とに亘って角度調節自在とするリクライニング機構が装備されている。通常、リクライニング機構はその構造上、シートバックとシートクッションとの揺動支点部位における左右端部に構成されており、その配置スペースや手指による操作スペースを設けるためにシートバック下端部の左右両端部(又は何れか一方の端部)が、シート幅方向で内側に削り取られたように凹入形成されている。
例えば、特許文献1(図1,図2を参照)においては、リクライニング機構を覆うカバー部材(符号43が付されたサイドガーニッシュ)がシートの左右両側に配置されている。従って、シートバック(符号12)の左右端部の下端部が幅方向で内側に凹入形成されており、それによってシートバック(符号12)の背面視の形状が下窄み形状になっている。このような形状のシートバックを作成する場合、その中身であるシートバックパッドを、特許文献2の図1に示されるように、シートバックの背面視形状を下窄み形状に形成しておくことが必要になる。
そして、シートバックの下窄み形状が、近年の自動車の高品質化の観点から、「見栄えが悪い」という指摘が多くなってきて無視できない状況がある。即ち、高級セダンやハイクオリティーカー等においては、シート等の自動車内装部品には、単なる機能部品としてだけでなく、高級家具等のように優雅で格調高いと言った具合の高規格、高品位のなものが要求されるので、シートバックの形状やデザイン性にも厳しい目が向けられており、前述のような要求が顕著化してきている。従って、供給側としては前記指摘に対して何らかの対策を講じる必要に迫られて来ている。
特開2005−040480号公報 特開平10−014705号公報
本発明の目的は、前述のように自動車用シートの高品質化を図るべく背面視における下窄み形状を是正して見栄えを向上させることができるように、シートバックパッドを形状工夫されたものとして実現し、提供する点にある。
請求項1に係る発明は、
背凭れ部と、表側の面の外方側に隆起した左右一対のサイド部とを備え、前記サイド部の裏側部が前記サイド部の隆起方向と同じ方向に窪まされて、前記サイド部に、前記裏側部の窪み部を幅方向で挟んで位置する外側の側壁部と内側の側壁部とが形成され、前記外側の側壁部の後端部から幅方向内方側に延出する返し部が前記外側の側壁部に一体に形成され、前記外側の側壁部の下端部に、リクライニング機構配置用として上方に凹入する切欠き部が形成され、前記背凭れ部の裏側の面と、前記左右一対のサイド部の裏側の面と、前記返し部の前側の面とに補強布が一体化された発泡樹脂成形体から成るシートバックパッドであって、
前記返し部が前記切欠き部の後ろ側を覆う状態に下方に延出され、前記補強布の一部の補強布部分が前記返し部の延出部の前側の面に一体化されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のシートバックパッドの製造方法であって、
前記背凭れ部の表側の面、及び、前記サイド部の表側の面を形成するための第1型面を備えた下型と、前記返し部の後ろ側の面を形成するための第2型面を備えた上型と、前記サイド部の裏側の面、及び、前記返し部の前側の面、並びに、前記背凭れ部の裏側の面を形成するための第3型面を備えた中型とから成る成形型を用い、
前記返し部の延出部に対応する中型部分に永久磁石を配設しておき、
前記補強布部分の両布面のうち、前記返し部の延出部の前側の面に一体化される側の布面に磁性を備えた接着シートを貼着し、保形性を備えた保形材を前記補強布部分に前記接着シートを覆うように重合固定し、
前記中型の第3型面に前記補強布を重合固定するとともに、前記永久磁石に前記接着シートを吸着させることで、前記補強布部分を前記中型部分の第3型面部分に重合固定し、前記上型と中型と下型との間に形成されるキャビティに発泡樹脂原液を供給し発泡させて前記シートバックパッドを製造することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2記載のシートバックパッドの製造方法において、
前記保形材はプレスフェルトであり、前記プレスフェルトを前記補強布部分に縫合により一体化することを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、シートバックパッドのサイド部の後端に続いて形成される返し部が従来よりも下方に延長されて、リクライニング機構配置用の切欠き部の後ろ側を覆う延出部が形成されているので、背面視においてはリクライニング機構やそれを覆うカバー類が見えない、又はほとんど見えないようになるとともに、シートとしての外郭形状(アウトライン)には、従来のような下窄まり形状となるような形状の急変部が存在しなくなり、円滑な外郭形状を有する背面視形状となる。その結果、自動車用シートの高品質化を図るべく背面視における下窄み形状を是正して見栄えを向上させることができるように、シートバックパッドを形状工夫されたものとして実現し、提供することができる。
請求項2の発明によれば、詳しくは実施形態の項において説明するが、シートバックパッドの裏面に一体化される補強布の中型への装着作業が簡単化、並びに迅速化されるようになる。即ち、補強布は中型の外面に予め作業者の人為作業によって装着しておき、その状態で成形型を閉じて発泡成形するようになるのであるが、成形型を開いた状態における上型と中型との間には、通常、狭い隙間しかなく、もともと補強布を装着しづらい面がある。本発明では、返し部に延出部を追加させるので、その狭い隙間に従来よりも長く先端突出する剛性の乏しい布片を移動させ、かつ、中型の所定位置に正確に位置決めさせて装着させる操作が要求されるので、そのままでは大変やりづらい作業になってしまい、作業に時間を要するとか、位置ずれした状態で補強布が成形されてしまうといった不都合を招くおそれがあった。
そこで、例えば、返し部の延出部に対応する中型部分にピンを立てておき、補強布部分にピンを突き刺すことで中型部分に補強布部分を固定する手段(位置決め精度が向上し、位置ずれも回避できる)が考えられるが、この手段は次に述べるように依然として作業がし難い。前述のように、中型部分の周りには狭い空間しかなく、作業者が手指を入れ難い上に、型の構造上、作業者は中型部分に対してピンが起立する方向とは逆の方向から補強布の重合作業を行うことになり、ピンが見え難くこの点からも作業が困難である。また、補強布部分は幅の狭い舌片のような形状になっていてひらひら状態であるため、補強布部分の姿勢が安定せず、補強布部分の位置が定まらない、という不利もあるからである。
これに対して本発明の上記手段によれば、ひらひら状態にある補強布部分に保形材を重合固定して一体的に設けることにより、ある程度の保形性(剛性)を持たせることでひらひらと位置が定まらない状態が回避されるようになるので、補強布を中型に沿わせ作業する際の補強布の(補強布部分の)移動操作性が改善されるようになる。そして、中型部分に配備されている永久磁石に、接着シートが吸着(磁着)されることにより、ある程度の距離に接近操作すれば、補強布部分が正規の位置にひとりでに位置決め状態で配置固定されるので、作業スペースが狭い場所において先端突出する補強布部分の中型への装着作業が、大幅に簡単で容易化されるようになる、という効果を奏するものとしながら、見栄えの向上するシートバックパッドの製造方法を提供することができる。
上記のように、補強布部分の両布面のうち、前記返し部の延出部の前側の面に一体化される側の布面に磁性を備えた接着シートを貼着し、保形性を備えた保形材を前記補強布部分に前記接着シートを覆うように重合固定するから、製品となった状態では接着シート及び保形材が返し部に埋没している。従って、製品となった状態で接着シート及び保形材が補強布部分から脱落する不具合を回避することができる。
請求項3の発明によれば、保形材としてプレスフェルトを用いるものであり、簡単で便利に保形材を補強布部分に装着することができる便利さがある。
以下に、本発明によるシートバックパッド及びその製造方法の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1〜図6は、シートバックパッドAに関する図であり、図7〜図10は、成形型17に関する図であり、図11,図12,図13は、補強布20の補強布部分24a,25aと中型16との関係を示す図である。
本発明によるシートバックパッドAは、自動車のフロントシート用のものであり、図3〜図6に示すように、発泡樹脂成形体(軟質ポリウレタンフォーム等)で形成されるバックパッド本体10と、バックパッド本体10の裏面に一体化された補強布20とから構成されている。補強布20は、主にバックパッド本体10の補強を行う機能を担い、フェルト、寒冷紗、粗毛布等の不織不布、織編物、或いはこれら両者の積層複合体等が用いられる。
バックパッド本体10は、運転者の背中を受止めて支持するための背凭れ部1(センター部)と、背凭れ部1の左右端に連なる左右一対のサイド部2,3と、各サイド部2,3の後端部に連なる左右の返し部4,5と、左右の返し部の上部どうしを一体的に接続連結する張出し部9とを有する。背凭れ部1の上端部1Aの上面部1Jに形成された左右一対の挿入穴1aは、ヘッドレスト(図示省略)を装着するためのものである。図2等に示すMは後方に凹入された溝である。
サイド部2,3は、表側の面2m,3mの外方側(前方側)aに隆起し、その裏側部uがサイド部2,3の隆起方向と同じ方向(前方)aに窪まされており、それによって裏側部uの窪み部11を幅方向bで挟んで位置する外側の側壁部6と内側の側壁部7とが形成されている。返し部4,5は、サイド部2,3における外側の側壁部6の後端部6Pから幅方向内方側b1に延出する状態で外側の側壁部6に一体形成されている。外側の側壁部6の下端部6Kには、リクライニング機構配置用として上方dに凹入する切欠き部8が形成され、返し部4,5は、切欠き部8の後ろ側eを覆う状態に下方cに延出された延出部4a,5aを有している。
図3,5に示すように、背凭れ部1の下端部1Bにおける背面側には、後方に延びるロアー返し部12が一体形成されるとともに、背凭れ部1の上端部1Aと張出し部9との前後間には、上方に大きく湾入する空間部である抉り部13が形成されている。また、図6に示すように、サイド部2,3の窪み部11は、各サイド部2,3の上端部2A、3Aに対応する高さ位置まで上方凹入する状態に形成されている。
補強布20は、図3〜図6に示すように、背凭れ部1の裏側の面1bに対応する主部21と、左右のサイド部2,3の裏側の面2b,3bに対応する左右の側部22,23と、左右の返し部4,5の前側の面4b,5bに対応する背側部24,25と、張出し部9の前側の面9bに対応する背上部29と、ロアー返し部12の後上側の面12bに対応する底部28とから成る。側部22,23は、外側の側壁部6の裏面に対応する外側部26と、内側の側壁部7に対応する内側部27とから形成されている。背側部24,25の下端部である補強布部分24a,25aは、返し部4,5の下端部である延出部4a,5aの前側の面に対応する状態に形成されている。
図3に示すように、シートバックパッドAにおける返し部4,5は従来よりも下方に延長されており、リクライニング機構配置用の切欠き部8の後ろ側eを覆う延出部4a,5aが形成されているので、背面視においてはリクライニング機構やそれを覆うカバー類(図示省略)が見えない、又はほとんど見えないようになるとともに、シートとしての外郭形状(アウトライン)が、従来のような下窄まり形状ではなくなるので、見栄えを向上させることができている。
そして、図11,図12,図13に示すように、前記補強布部分24a,25aの両布面50、51のうち、前記返し部4,5の延出部4a,5aの前側の面4b,5bに一体化される側の布面50に磁性を備えた接着シート31を貼着し、保形性を備えた保形材30を前記補強布部分24a,25aに接着シート31を覆うように重合固定してある。
保形材30はプレスフェルトであり、プレスフェルトを補強布部分24a,25aに縫合することにより、保形材30が補強布部分24a,25aに一体化されている。接着シート31は、裏面に接着剤を有するシート材の表面に、鉄粉のような磁性体の金属粉末が所要パターンで塗布されて成る。
背側部24,25における下端部である補強布部分24a,25aの若干上側となる左右方向の端部にも、それらの返し部4,5の存在側と反対側の面(又は返し部4,5の存在側の面、図14参照)に接着シート32が設けられている。これらの接着シート32は、前述の接着シート31と同じものであって、その裏面に設けられている接着剤により、補強布20の背側部24,25に接着されて一体化されている。
次に、上記シートバックパッドAの製造方法について説明する。シートバックパッドAは、図7〜図10に示すように、下型14と、この下型14に支点Pで揺動開閉自在に枢支される上型15と、同じく支点Pで揺動開閉可能に下型14に枢支される中型16とによる成形型17を用いて発泡成形される。図7は実際の形状に近い成形型17の斜視図を示し、図8〜図10は図面理解上、ある程度変形(デフォルメ)させた原理図として描いてある。
下型14の一端部に、上型15との型合せ面tと同一面に位置する前記支点Pを有する内外各一対の蝶番18,19が設けられており、一対の外側蝶番18,18で上型15を揺動開閉自在に枢支し、一対の内側蝶番19,19で中型16を揺動開閉可能に枢支している。上型15には、中型16の上部を部分的に収容する矩形孔である開口部15A(図7を参照)が形成されており、中型16には、その開口部15Aを通して内側蝶番19,19を支持するための迂回アーム部材16A(図9,10を参照)が設けられている。
つまり、中型16は、上型15を貫通する迂回アーム部材16Aを介して下型14に枢支されているので、迂回アーム部材16Aと上型15とが干渉する位置関係により、中型16の上型15に対する下方側(下型14側)への揺動量が規制されている。その中型16の上型15に対する開き側への最大揺動量は、迂回アーム部材16Aの形状的な迂回量を少なくして十分な強度を持たせる点から、発泡成形後のバックパッド本体10を型抜きするに足りる量に設定されることとなる。
従って、中型16が上型15に接近揺動されて部分的に開口部15Aに収容され、これら両型16,15が型合せされた閉じ姿勢(図9,10に示される姿勢)と、開き揺動された開き姿勢(図7を参照)とに亘って揺動切換可能に構成されてはいるが、中型16の上型15に対する開き側への最大揺動量は少ない。故に、開き姿勢における中型16と上型15との隙間はあまり広いものではなく、後述する補強布20の中型16への装着作業を難しくする要因の一つになっている。
下型14は、背凭れ部1の表側の面1m、及びサイド部2,3の表側の面2m,3mを形成するための第1型面14kを備えて形成され、上型15は、左右の返し部4,5の後ろ側の面4m、5m、及び張出し部9の後ろ側の面9mを形成するための第2型面15kを備えて形成されている。中型16は、サイド部2,3の裏側の面2b,3b、返し部4,5の前側の面4b,5b、及び張出し部9の前側の面9b、並びに、背凭れ部1の裏側の面1bを形成するための第3型面16kを備えて形成されている。
そして、図11〜図13に示すように、中型16における返し部4,5の延出部4a,5aに対応する中型部分16a及びその若干上側に位置する部分16bには、永久磁石33が配設されている。即ち、永久磁石33は、補強布20における下側及び上側の接着シート31,32に対応する位置に、中型部分等16aの表面に面一となる状態に埋め込み固定されている。中型16には、切欠き部8を形成するために横側方に突出形成された中型側張出し部16hが設けられており、補強布20は、その張出し部16hを避けて中型に巻付けるようにして装着するための湾入部20wが形成されている。図11は、中型16に装着すべく折り曲げ途中状態にある補強布20における張出し部16hに対応する部分を示しており、中型16の形状に沿う角度状態(図12を参照)になるように、外側部26を基準として矢印イ方向に背側部25を折り曲げるとともに、矢印ロ方向に内側部27を折り曲げる操作が行われる。これらの折り曲げは補強布20を中型16に重合しながら行う。
次に、製造工程について説明する。図7に示すように、成形型17を開いた状態として、中型16に補強布20を装着する布装着工程を行い、上型15を、中型16と共に下型14に当接するまで支点P周りに閉じ揺動させ、成形型17を閉じるとともに、成形型17が閉じられたことにより、図9,10に示すように、上型15と中型16と下型14との間に形成されるキャビティ34に発泡樹脂原液Gを供給する供給工程を行う(発泡樹脂原液Gは成形型17を閉じる前に供給する)。キャビティ34に供給された発泡樹脂原液Gは、ひとりでに発泡を開始し、その体積を急速に拡大してキャビティ34内に充満される発泡工程が、供給工程に引き続いて行われる。この発泡工程の際に、中型16に装着されている補強布20がバックパッド本体10に一体化される。
そして、発泡樹脂原液Gの発泡によるバックパッド本体10の形状が安定するまで、発泡が終了して暫くは成形型17を閉じ状態に維持する。その後、成形型17を開き、詳しくは、下型に対して上型15を大きく開くとともに、上型15に対して中型16を若干開いた開き状態として、発泡形成されて補強布20が一体化されているシートバックパッドAを成形型から取外す。
前述したように、成形型17が開いた状態では、中型16と上型15との相対的な開き揺動量(揺動角度)は少なく、それら両者16,15の隙間に腕や手指を差し伸べて補強布20を中型16の第3型面16kに敷設して装着する作業は行い難いものである。そして、本実施例のように、従来のシートバックパッドに比べて下方に延長された延出部4a,5aを形成すべく、最も揺動支点P側に位置して最も上型15との隙間の狭い箇所である中型部分16aに、補強布20において先端突出することで剛性の無いひらひら状態にある補強布部分24a,25aは、そのままでは位置が定まらず所定の位置、即ち、中型部分16aに正確に配置させるのが困難である。
そこで、本発明においては、ひらひら状態にある補強布部分24a,25aにプレスフェルトによる保形材30を縫合(接着等のその他の一体化手段でも良い)して一体的に設けることにより、ある程度の剛性を持たせて補強布20を中型16に沿わせ作業する際の補強布20の(補強布部分24a,25aの)移動操作性が改善されるようにする。すなわち、前記返し部4,5の延出部4a,5aに対応する中型部分16aに永久磁石33を配設しておき、補強布部分24a,25aの両布面50,51のうち、前記返し部4,5の延出部4a,5aの前側の面4b,5bに一体化される側の布面50に磁性を備えた接着シート31を貼着し、保形性を備えた保形材30を補強布部分24a,25aに接着シート31を覆うように重合固定し、中型16の第3型面16kに補強布20を重合固定するとともに、永久磁石33に接着シート31を吸着させることで、補強布部分24a,25aを中型部分16aの第3型面部分16cに重合固定する。図11,12及び図13(b)に示すように、中型部分16aに配備されている永久磁石33に、接着シート31が吸着(磁着)されることにより、ある程度の距離に接近操作すれば、補強布部分24a,25aが正規の位置にひとりでに位置決め状態で配置固定(正確には、配置されて磁着係止)されるので、最も作業スペースが狭い場所において先端突出する補強布部分24a,25aの中型16への装着作業が、大幅に簡単で容易化される利点を有している。
図13(a),図13(b)における符号Hは円形貫通孔であり、この貫通孔Hを塞ぐようにして前記布面50に接着シート32を貼着し、さらに、保形材30を前記補強布部分24a,25aに接着シート31を覆うように重合固定する。貫通孔Hは、補強布20に対して接着シート31及び保形材30の位置を決めるための目印になる。そして、貫通孔Hがあることで接着シート32が永久磁石33に、より吸着されやすくなる。
本実施例においては、図11,12及び図13(a)に示すように、中型部分16aの若干上側となる部分16bにも永久磁石33を設けて、接着シート32を有する背側部24,25下部の中型16への装着操作も行い易い。従って、それら上下の磁着手段(永久磁石33と接着シート31,32との組合せ)による相乗作用により、シートとしての見栄えを良くする延出部4a,5aを持つ構造のバックパッド本体10としながらも、補強布20の中型16への装着操作が極めて行い難い部分である補強布部分24a,25aの作業性がより簡単化、迅速化されるという好ましい効果を得ることができるシートバックパッドA、並びにその製造方法の提供に成功している。
〔別実施例〕
保形材30は、パンチカーペット等の剛性のある部材であってもよい。また、磁性を備えた接着シートとしては、薄い金属板、金属箔等、種々の変更が可能である。
自動車用シートにおけるシートバックパッドの右側面図 図1のシートバックパッドの正面図 図1のシートバックパッドを右斜め後方から見た斜視図 図1のシートバックパッドのイ−イ線断面図 図2のシートバックパッドのロ−ロ線断面図 図2のシートバックパッドのハ−ハ線断面図 シートバックパッドの成形型を示す開き状態での全体斜視図 成形型における図4に対応する箇所の断面図 成形型における図5に対応する箇所の断面図 成形型における図6に対応する箇所の断面図 補強布を中型に装着すべく折り曲げる途中状態を示す要部の斜視図 支点側から見た中型の部分斜視図及び補強布の装着工程を示す作用図 (a)返し部における中型と補強布との関係を示す部分断面図、(b)返し部下端部における中型と補強布との関係を示す部分断面図 別実施形態を示す図
符号の説明
1 背凭れ部
1A,2A,3A 上端部
1B 下端部
1J 上面部
1a 挿入穴
2 左サイド部(サイド部)
1b,2b,3b 裏側の面
1m,2m,3m 表側の面
3 右サイド部(サイド部)
4 左返し部(返し部)
4b,5b,9b 前側の面
4m,5m,9m 後ろ側の面
5 右返し部(返し部)
4a,5a 延出部
6 外側の側壁部
6P 外側の側壁部の後端部
6K 外側の側壁部の下端部
7 内側の側壁部
8 切欠き部
9 張出し部
10 バックパッド本体
11 窪み部
12 ロアー返し部
12b 後上側の面
13 抉り部
14 下型
14k 第1型面
15 上型
15A 開口部
15k 第2型面
16 中型
16A 迂回アーム部材
16a 中型部分
16b 中型部分の上側に位置する部分
16c 第3型面部分
16h 中型側張出し部
16k 第3型面
17 成形型
18 外側蝶番
19 内側蝶番
20 補強布
20w 湾入部
21 主部
22 左側部
23 右側部
24 左背側部(背側部)
24a 補強布部分
25 右背側部(背側部)
25a 補強布部分
26 外側部
27 内側部
28 底部
29 背上部
30 保形材(プレスフェルト)
31,32 接着シート
33 永久磁石
34 キャビティ
50,51 布面
A シートバックパッド
G 発泡樹脂原液
H 貫通孔
M 溝
P 支点
a 外方側(隆起方向)
b 幅方向
b1 幅方向内方側
c 下方
d 上方
e 後ろ側
t 型合せ面
u 裏側部

Claims (3)

  1. 背凭れ部と、表側の面の外方側に隆起した左右一対のサイド部とを備え、前記サイド部の裏側部が前記サイド部の隆起方向と同じ方向に窪まされて、前記サイド部に、前記裏側部の窪み部を幅方向で挟んで位置する外側の側壁部と内側の側壁部とが形成され、前記外側の側壁部の後端部から幅方向内方側に延出する返し部が前記外側の側壁部に一体に形成され、前記外側の側壁部の下端部に、リクライニング機構配置用として上方に凹入する切欠き部が形成され、前記背凭れ部の裏側の面と、前記左右一対のサイド部の裏側の面と、前記返し部の前側の面とに補強布が一体化された発泡樹脂成形体から成るシートバックパッドであって、
    前記返し部が前記切欠き部の後ろ側を覆う状態に下方に延出され、前記補強布の一部の補強布部分が前記返し部の延出部の前側の面に一体化されているシートバックパッド。
  2. 請求項1記載のシートバックパッドの製造方法であって、
    前記背凭れ部の表側の面、及び、前記サイド部の表側の面を形成するための第1型面を備えた下型と、前記返し部の後ろ側の面を形成するための第2型面を備えた上型と、前記サイド部の裏側の面、及び、前記返し部の前側の面、並びに、前記背凭れ部の裏側の面を形成するための第3型面を備えた中型とから成る成形型を用い、
    前記返し部の延出部に対応する中型部分に永久磁石を配設しておき、
    前記補強布部分の両布面のうち、前記返し部の延出部の前側の面に一体化される側の布面に磁性を備えた接着シートを貼着し、保形性を備えた保形材を前記補強布部分に前記接着シートを覆うように重合固定し、
    前記中型の第3型面に前記補強布を重合固定するとともに、前記永久磁石に前記接着シートを吸着させることで、前記補強布部分を前記中型部分の第3型面部分に重合固定し、前記上型と中型と下型との間に形成されるキャビティに発泡樹脂原液を供給し発泡させて前記シートバックパッドを製造するシートバックパッドの製造方法。
  3. 前記保形材はプレスフェルトであり、前記プレスフェルトを前記補強布部分に縫合により一体化する請求項2記載のシートバックパッドの製造方法。
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