JP4827000B2 - 銀電解水吐水装置 - Google Patents
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また、小便器においては、尿石が、配管内に付着して排水路を狭くしたり、便器の表面に付着して外観を損ねたり、細菌繁殖の温床となって臭気を放つということが問題となっている。
さらに、一旦便器の表面に付着してしまった尿石はブラシで強く擦らないと除去することができない。このため、これらの尿石の除去は、通常の清掃では難しく、専門の業者に依頼する必要があり、大きな負担となっているという問題がある。
また、銀電極の消耗を抑制し、これらのメンテナンスフリーを長期間に亘って実現するには、銀イオンの生成効率を十分に高くする必要があるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、銀電解による銀イオンの生成効率を向上させ、銀電解に伴う消費電力を低減させる銀電解水吐水装置を提供することを目的としている。
このように構成された本発明の銀電解水吐水装置においては、少なくとも陽極の電極が銀イオンを生成する銀電極である一組の電極間を流れる洗浄水の流速が電解槽内の主流路の水流に比べて流速が小さいため、一般的に乱れの少ない流れの状態で電極の間を通過して、電極の間には境界層が形成される。この境界層により、電極で生成された銀イオンが電極の間の水中に含まれる塩素イオンと反応して塩化銀が生成されるのが抑制され、銀イオンの状態のまま維持されるため、電極における銀イオンの生成効率を向上させることができる。また、所定量の銀イオンを得るのに、電極の消費電力が抑制されるため、電極の消耗を抑えることができる。
図1は小便器洗浄装置に適用した本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置を示す全体構成図である。図2は本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置を示す正面断面斜視図であり、図3は図2のC−C線に沿って見た断面斜視図である。
図1に示すように、符号1は、本実施形態の銀電解水吐水装置1を示し、この銀電解水吐水装置1の上流側流路は、洗浄水として利用される上水や中水などの水道水Wの流路となっており、この流路には開閉弁6が設けられている。この開閉弁6は、例えば、プランジャ式ラッチング・ソレノイド・バルブのように制御装置4により自動開閉されるものであってもよいし、手動式のものであってもよい。一方、銀電解水吐水装置1の下流側流路には、水洗小便器8が設けられている。
さらに、電解槽2内には、これら給水路3と排水路5の側壁よりも中央から外側に突出した側壁16が設けられ、この側壁16により、外側にほぼ四角形状に突出する箱形凹部を形成している。
さらに、各銀電極12a,12bは、電解槽2の外側に延出した接続端子13に接続され、詳細は後述する制御装置4からの指令により接続端子13に電力が供給されるようになっている。
なお、本実施形態では、一組の電極は何れも、銀(Ag)、又は銀を含有する金属によって形成されているが、それに限定されず、少なくとも、アノード(陽極)の電極が、銀又は銀を含む銀電極により形成されていれば良い。また、各銀電極12a,12bの枚数は、1枚ずつでもよいし、2枚以上でもよい。
主流路2aは、電解槽2内において給水路3から排水路5へ向けて縦方向に延びる流路である。この主流路2aでは、開閉弁6が開放されて銀電解水吐水装置1の給水路3から電解槽2内へ流入した水道水Wによる水流W1が、電解槽2内に配置された一組の銀電極12a,12bを含む電極保持部材14a,14b同士の間を通過することなく、電極保持部材14の外部を通過して下流側の排水路5へ主流として流れるようになっている。
一方、分流路2bは、一組の銀電極12a,12bを含む電極保持部材14a,14b同士の間に形成されている流路である。この分流路2bでは、主流路2aの下流側で水流W1から分流した水流W2が、一組の銀電極12a,12bを含む電極保持部材14a,14b同士の間を主流路2aの水流W1の方向と逆方向に流れるようになっている。電圧が印加された一組の銀電極12a,12b同士の間を通過する水流W2には、陽極側の銀電極12aから銀イオンAg+が放出され、この銀イオンAg+を含む水流W2’が、分流路2bの下流側で再び主流路2aの水流W1に合流するようになっている。また、水流W1に合流した水流W2’は、排水路5を流れて水洗小便器8に供給されるようになっている。
図4は、本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置の電極保持部材を示す斜視図であり、図5は、図4に示す本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置の電極保持部材のD−D断面図であり、図6は、図4に示す本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置の電極保持部材のE−E断面図である。
図4〜図6に示すように、各銀電極12a,12bは各電極保持部材14a,14bにそれぞれ埋め込まれて保持されており、各電極保持部材14a,14bの各銀電極12a,12bを保持している側の表面14cは、各銀電極12a,12bの表面12cと面一となっている。
また、各電極保持部材14a,14bの表面14cにおける銀電極12の周囲には、助走区間22が形成されている。この助走区間22は、銀電極12の上流側に位置する助走区間22a、銀電極12の下流側に位置する助走区間22b、銀電極12の側方に位置する助走区間22c,22dによって構成されている。
ここで、上述した「助走区間」とは、分流路2bの電極保持部材14a,14bの銀電極12a,12b間に洗浄水が流入する際に、銀電極12a,12bの表面12cにおける水流W2について乱れを低減させて層流のような乱れの少ない流れにさせる領域を意味する。また、助走区間22は、銀電極12a,12bが配置されている側の電極保持部材14a,14bの表面14cの領域以外にも、水流W2の流路形状が変化しないように分流路2b内において電極保持部材14a,14bの表面14cの領域から面一となるように所定方向に延びた領域も含む。
図1に示すように、本実施形態による銀電解水吐水装置1の制御装置4は、制御部24、開閉弁電磁駆動部26、電流供給部28、電源部30、及び、センサ32によって構成されている。
制御部24は、他の回路要素26,28,30,32を制御するように構成されている。
開閉弁電磁駆動部26は、例えば、開閉弁6の開度を調整する際に開閉弁6に電圧を出力することにより開閉弁6を駆動させるように構成されている。
電流供給部28は、銀電極12に電流を供給することにより、銀電極12から銀イオンAg+を溶出させるように構成されている。
電源部30は、交流100ボルトや交流200ボルトなどの商用電源からの交流電力を直流電力に変換するように構成されている。
センサ32は、例えば、水洗小便器8の上方または前面などに配置され、赤外線などにより使用者の存在を検知するように構成されている。制御部24がセンサ32からの検知情報に基づいて開閉弁電磁駆動部26を作動させて、開閉弁6の開度を調整することにより、水洗小便器8に洗浄水が適宜流されるようになっている。
図7に示すように、電流供給部28は、電気伝導度検出回路34、定電流回路36、極性反転回路38によって構成されている。
洗浄水の殺菌効果を高め、同時に洗浄水による便器の変色などを防ぐためには、銀イオンAg+の添加量を所定の範囲内とすることが望ましく、水道水Wの電気伝導度に応じて、銀電極12に供給する電流を調節する必要がある。このため、電気伝導度検出回路34により、水道水の電気伝導度が検出されるように構成されている。
なお、水の電気伝導度の検出は、例えば、定電流回路36により銀電極12の電極間に一定電流を流し、その時の電極間電圧を電気伝導度検出回路34で測定することによって行われるようになっている。
さらに、極性反転回路38は、銀電極12に出力する電流の極性を適宜反転させるように構成されている。なお、極性の反転は、銀イオンAg+の溶出に伴う両銀電極12a,12bの消耗が均等になるように、例えば、一回の洗浄水の生成毎に行われるようになっている。
図8(a)は、本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置1の電解槽2について、銀電極12を含む電極保持部材14を電解槽2内に配置する前の状態における水の流れを示す概略断面図であり、図8(b)は、本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置1の電解槽2について、銀電極12を含む電極保持部材14を電解槽2内に配置した状態における水の流れを示す概略断面図である。
まず、図8(a)に示すように、銀電極12を含む電極保持部材14を電解槽2内に配置する前の状態の銀電解水吐水装置1では、電解槽2内の給水路3と排水路5との間に電解槽2を形成したことにより、この電解槽2内には、図8(a)の点線の内側に示す主流路領域S1が給水路3から排水路5にかけてわずかに広がるように形成される。この主流路領域S1では、給水路3から電解槽2内に流入した水道水Wは、速い流速を保ったまま排水路5へ流出する。
一方、主流路領域S1の外側には、主流路外領域S2が形成される。この主流路外領域S2では、流れの剥離により渦を巻いた流れ、すなわち、非常に流速の小さい流れが逆流する。
主流路2aの水流W1は、電解槽2内に配置された一組の銀電極12a,12bを含む電極保持部材14a,14b同士の間を通過することなく、電極保持部材14の外部を通過して下流側の排水路5へ主流として流れる。
一方、分流路2bの水流W2は、主流路2aの水流W1の方向と逆方向に、水流W1の流速に比べて非常に小さい流速で流れ、各電極保持部材14a,14bの助走区間22a,22c,22dを経て銀電極12a,12bの間をゆっくりと通過する。
両銀電極12a,12bの間に電圧が印加され、例えば、銀電極12aが陽極として作用し、銀電極12bが陰極として作用している場合、陽極側の銀電極12aから銀イオンAg+が生成され、これら銀イオンAg+が銀電極12a,12b間の水流W2に放出される(詳細は後述する)。これらの銀イオンAg+を含む水流W2’は、分流路2bの下流側で再び主流路2aの水流W1に合流する。
水流W1に合流した水流W2’は、排水路5を流れて水洗小便器8に供給される。銀イオンAg+を含む水流W2’の洗浄水が水洗小便器8内に流入すると、この洗浄水に含まれる銀イオンAg+が水洗小便器8内の殺菌や除菌に利用される。
図9は、銀電極12において銀イオンAg+が生成されている状態を示す概略図である。図9に示すように、分流路2bの水流W2は、各電極保持部材14a,14bの助走区間22a,22c,22dを通過して整流されることにより、少なくとも両銀電極12a,12bの間では層流のような乱れの少ない流れとなっている。このとき、陽極側の銀電極12aでは、銀電解によって銀イオンAg+が溶出されている。
また、助走区間22a,22c,22dを通過した水流W2は、主流路2aの水流W1の流速よりも非常に小さい流速で両銀電極12a,12bの間に流入しているため、各銀電極12a,12bの近傍にはある程度の厚さの境界層BLが形成されている。
ここで、「境界層」とは、物体表面近くの領域であり、流速が小さく、層流域のように乱れの少ない流れの領域を意味する。
本実施形態においては、銀電極12a,12bの間では、水流W2が乱れの少ない層流のような状態で非常に小さい流速で流入しているため、境界層BLの厚さが適度に保たれている。したがって、この境界層BLによって、塩素イオンCl−が図9の矢印Bの方向に示すように移動して陽極の銀電極12a側へ供給されることが抑制され、銀イオンAg+と塩素イオンCl−との反応による塩化銀AgClの生成が抑制されるため、銀イオンAg+の状態が維持される。
また、本実施形態の銀電解水吐水装置1によれば、分流路2bの水流W2は、電極保持部材14の助走区間22a,22b,22c,22dにより層流のような乱れの少ない流れとなり、銀電極12a,12bの間を主流路2aの水流W1の流速に比べて非常に小さい流速で通過する。このため、塩素イオンCl−を含む水流W2の流量が制限される。加えて、銀電極12a,12bの近傍に形成される境界層BLにより、銀電極12a,12bの間で銀イオンAg+と反応する塩素イオンCl−の絶対量が低下し、塩化銀AgClの生成が抑制される。したがって、陽極側の銀電極12aで銀電解によって溶出された銀イオンAg+については、塩化銀AgClの生成による損失が抑制されて銀イオンAg+の状態のまま維持されるため、銀イオンAg+の生成効率を向上させることができる。
さらに、本実施形態の銀電解水吐水装置1によれば、所定量の銀イオンAg+の生成に伴う銀電解による消費電力を抑えることができる。また、銀電極の消耗が抑制されるため、銀電解槽の耐用期間を大幅に延ばすことができる。
また、本実施形態の銀電解水吐水装置1によれば、水洗小便器8に供給する洗浄水における銀イオンAg+の添加量を適度に設定することができ、水洗小便器8やそれらの配管等に対して十分な殺菌効果を得ることができる。
さらに、本実施形態の銀電解水吐水装置1によれば、電極保持部材14が、四角形状に形成された電解槽2の側壁16とほぼ平行に配置されているため、電解槽2を円管状に形成した場合に比べ、分流路2bに流入する水流W2が均一となり、銀電極12a,12b間の水流の乱れを抑制することができる。
図10に示すように、本発明の第1実施形態の変形例による銀電解水吐水装置の一組の電極保持部材40においては、上流側の助走区間42aの流入側端部44が丸形状に形成されている。
このように構成された本発明の第1実施形態による銀電解水吐水装置1の変形例によれば、水流W2が電極保持部材40の上流側の助走区間42aに流入する際に、丸形状の流入端部44により水流W2を整流化して乱れを防ぐことができる。
したがって、電極保持部材40の上流側の助走区間42aと下流側の助走区間42bの距離を第1実施形態の助走区間22a,22bに比べて短く設定することができる。
まず、図11(a)に示すように、本発明の第2実施形態による銀電解水吐水装置50は、電解槽52の上流側に形成された給水路53と、この給水路53の下流端からその内側壁54に向かって給水路53の側壁よりも外側に突出する拡大部58を形成する電解槽52と、この電解槽52の下流側端部に形成されるこの電解槽52とほぼ同じ太さの出口55とを備えている。
図11(a)に示す銀電解水吐水装置50では、図11(a)の点線の内側に示す主流路領域S1’が電解槽52内で下流側の出口55に向かって広がるように形成され、この主流路領域S1’を水道水Wの流速の速い流れが給水路53から電解槽52の出口55に向かって主流として流れるように構成されている。
また、この主流路領域S1’の外側の領域には、電解槽52内が満水となったとき、電解槽52の下流側で流れの剥離が発生して、非常に流速の小さい流れが逆流する主流路外領域S2’が形成されるようになっている。
分流路52bの水流W2は、主流路52aの水流W1の方向と逆方向に、水流W1の流速よりも非常に小さい流速で流れ、各電極保持部材14a,14bの助走区間22a,22bを経て銀電極12a,12bの間を乱れが少なく非常に小さい流速で通過する。また、水流W2が銀電極12a,12bの間を通過する際、陽極側の銀電極12aで生成された銀イオンAg+が水流W2に放出され、銀イオンAg+を含む水流W2’となる。この水流W2’は、分流路52bの下流側で再び主流路52aの水流W1に合流する。これら合流した水流W1と水流W2’は、電解槽52の出口55から流出し水洗小便器8に供給される。銀イオンAg+を含む水流W2’の洗浄水が水洗小便器8内に流入すると、この洗浄水に含まれる銀イオンAg+が水洗小便器8内の殺菌や除菌に利用される。
また、分流路52bの銀電極12a,12b間では、水流W2が乱れの少ない流れで非常に小さい流速で流入することによって形成されるある程度の厚さの境界層BLにより、銀イオンAg+と塩素イオンCl−との反応による塩化銀AgClの生成が抑制されるため、銀イオンAg+の状態が維持される。
また、所定量の銀イオンAg+の生成に伴う銀電解による消費電力を抑えることができ、銀電極の消耗が抑制されるため、銀電解槽の耐用期間を大幅に延ばすことができる。
図12に示すように、本発明の第2実施形態の変形例による銀電解水吐水装置50aにおいては、一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bが、その中央から外側に突出した電解槽52の主流路外領域S2’内の上流側端部の近傍に配置されて、電解槽52の側壁54に対してほぼ垂直に延びている構成が第2実施形態の構成と異なっている。
このように構成された本発明の第2実施形態の変形例による銀電解水吐水装置50aによれば、上述した第2実施形態と同様に、主流路外領域S2’に一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bを配置して電解槽52内に分流路52bを形成し、水洗小便器8に供給する前の洗浄水の一部の水流W2を主流路52aの水流W1の流速よりも非常に小さい流速で分流路52bの銀電極12a,12b間へ分流させることにより、銀イオンAg+の生成効率を大幅に向上させることができる。
なお、この図12に示すように、本発明の第2実施形態の変形例による銀電解水吐水装置50aにおいては、主流路52aが縦方向(鉛直方向)となるように電解槽52を配置して、この電解槽52内の残水の排出を促すこともできるが、主流路52aが横方向となるように電解槽52を配置して、銀電極12a,12bの間の分流路52bが縦方向となってこの銀電極12a,12bの間の分流路52b間の残水の排出を促すことも可能である。
まず、図13(a)に示すように、本発明の第3実施形態による銀電解水吐水装置70は、電解槽72の上流側に入口73が形成され、この入口73とほぼ同じ太さの流路を形成する電解槽72と、この電解槽72の下流側に形成された排水路75とを備え、この電解槽72の下流側端部は、排水路75の内壁76に向かって内方に絞られる絞り部78を形成している。
また、この主流路領域S1”の外側の領域には、上流側から下流側にかけて流速の小さい流れとなる主流路外領域S2”が形成されるようになっている。
分流路72bの水流W2は、各電極保持部材14a,14bの助走区間22a,22bを経て銀電極12a,12bの間を乱れが少なく、水流W1の流速よりも非常に小さい流速で通過する。また、水流W2が銀電極12a,12bの間を通過する際、陽極側の銀電極12aで生成された銀イオンAg+が水流W2に放出され、銀イオンAg+を含む水流W2’となる。この水流W2’は、分流路72bの下流側で再び主流路72aの水流W1に合流して水洗小便器8に供給される。
また、分流路72bの銀電極12a,12b間では、水流W2が乱れの少ない流れで非常に小さい流速で流入することによって形成される境界層BLにより、銀イオンAg+と塩素イオンCl−との反応による塩化銀AgClの生成が抑制され、銀イオンAg+の状態が維持される。
図14に示すように、本発明の第3実施形態の変形例による銀電解水吐水装置70aにおいては、一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bが、その中央から外側に突出した電解槽72の主流路外領域S2”内の絞り部78の上流側近傍に配置されて、電解槽72の側壁80に対してほぼ垂直に延びている構成が第3実施形態の構成と異なっている。
このように構成された本発明の第3実施形態の変形例による銀電解水吐水装置70aによれば、上述した第2実施形態と同様に、主流路外領域S2”に一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bを配置して電解槽72内に分流路72bを形成し、水洗小便器8に供給する前の洗浄水の一部の水流W2を分流路72bの銀電極12a,12b間へ分流させることにより、銀イオンAg+の生成効率を大幅に向上させることができる。
図15に示すように、本実施形態の銀電解水吐水装置90の電解槽92では、電解槽92内に、一組の銀電極12a,12bを含む一組の電極保持部材14a,14bが配置されたことによって、上述した第1〜第3実施形態のものと同様に、主流路92aと分流路92bが形成されているが、これらの流路92a,92bの形状が第1〜第3実施形態のものと異なっている。なお、電解槽92の下流側には排水路95が形成されている。
すなわち、主流路92aの流路の断面形状については、電極保持部材14によって形成される部分以外は丸形状であり、全体的に鍵穴形状のようになっている。一方、分流路92bの流路形状については、一組の板状の電極保持部材14a,14bにより、流路断面が四角形状になっている。
ここで、図16〜図18において、第1実施形態の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
図16〜図18に示すように、本実施形態の銀電解水吐水装置100では、電解槽2の上流側に発電装置102が配置されている構成が第1実施形態の構成と異なっている。
整流部108は、発電装置102により発電された交流電力を整流して直流電流に変換し、この電流を制御部106及び電流供給部28に供給するように構成されている。
蓄電部110は、発電装置102により発電された電力を蓄積するように構成されており、例えば、電圧変換回路(図示せず)と蓄電手段であるキャパシタ(図示せず)などによって構成されている。
さらに、図18に示すように、発電装置102内には、電解槽2の上流側の給水路3へと通ずる通水路112が形成され、この通水路112には発電装置102の駆動軸114を回転させる水車116が設けられている。
さらに、発電装置102によって得られた電力は、制御装置104の蓄電部110に一旦蓄積され、必要に応じて、銀電極12a,12bに供給することができる。
また、発電装置102の通水路112を通過して電解槽2内に流入した水のうち、分流路2bに分流された水流W2は、銀電極12a,12bの間を流速の小さい流れで通過して銀イオンが添加されて水流W2’として主流路2aの水流W1と合流する。水流W1に合流した水流W2’は、排水路5を流れて水洗小便器8に供給され、水洗小便器8内の殺菌や除菌に利用される。
例えば、本発明の第5実施形態の変形例による銀電解水吐水装置として、発電装置102において得られた電力を蓄電部110に蓄電することなく、銀電極12a,12bに対して必要に応じて直接供給するような構成にしてもよい。
また、発電装置102により発電された電力を蓄電部110に蓄電することなく、銀電極12に必要に応じて直接供給するため、損失が抑制され、限られた発電力を効率的に銀イオンの生成に利用することができる。
さらに、銀イオンの生成効率を大幅に向上させることができ、発電装置102から得られた電力を有効利用して十分な濃度の銀イオンAg+を含有させた洗浄水を生成することができる。
図19に示すように、本実施形態の銀電解水吐水装置120では、電解槽2の下流側に発電装置102が配置されている構成が第5実施形態の構成と異なっている。
このように構成された本発明の第6実施形態による銀電解水吐水装置120によれば、電解槽2の下流側に発電装置102が配置されているため、電解槽2内に流入する水道水Wの流れは、発電装置102の水車116の回転によって乱されることなく、一様となるため、電解槽2の設定の自由度を上げることができる。
図20に示すように、本実施形態の銀電解水吐水装置130では、制御装置132の制御部134において、第1実施形態の銀電解水吐水装置1における交流電力を直流電力に変換する電源部30の代わりの手段として電池136が使用されている。この電池136は、乾電池などの1次電池でもよいし、ニッケル・カドミウム電池や燃料電池などの2次電池であってもよい。
このように構成された本発明の第7実施形態による銀電解水吐水装置130によれば、電池136により、銀電極12や制御装置132の各回路要素26,28,32に対して
電力が供給される。また、第1実施形態と同様に、水洗小便器8に供給する前の洗浄水の一部の水流W2を分流路52bの銀電極12a,12b間へ分流させることにより、銀イオンAg+の生成効率を大幅に向上させることができ、所定量の銀イオンAg+の生成に伴う銀電解による消費電力を抑えることができる。さらに、銀電極12a,12bと電池136の寿命を大幅に伸ばすことができ、銀電極12a,12bや電池136の交換等に関するメンテナンスの負担を減らすことができるため、経済性と利便性の高い銀電解水吐水装置を提供することができる。
図21に示すように、本実施形態の銀電解水吐水装置140においては、電解槽142の上流側に発電装置144が配置されている点で上述した第5実施形態の構成と共通しているが、発電装置144から電解槽142にかけて流路が折り返えして形成されるように電解槽142と発電装置144が並置されている構成が、第5実施形態の構成と異なっている。ここで、図21において、第5実施形態の部分と同一の部分については、同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
本実施形態の銀電解水吐水装置140の発電装置144内には、その下部を上流側の流路とし、発電装置144の上部を下流側の流路として垂直方向に延びるように通水路146が形成されている。この通水路146には発電装置144の駆動軸144を回転させる水車116が設けられている。
また、発電装置144及び電解槽142の上部には、発電装置144の通水路146の下流側と電解槽142の上流側に形成された給水路143の上流側とを連通させるように、ほぼ水平方向に延びる上部通水路148が形成されている。
さらに、電解槽142は、給水路143の内面152と排水路145の内面154よりも外側に突出する箱形凹部を形成している。
また、電解槽142内には、これら銀電極12a,12bを含む電極保持部材14a,14bが電解槽142内に配置されたことにより、主流路142aとこの主流路142aの下流から分岐した分流路142bの2つの流路が形成されている。
さらに、各電極保持部材14a,14bにおける銀電極12a,12bの位置は、全体的にやや上方側に位置しており、各銀電極12a,12bの下端から各電極保持部材14a,14bの下端までの長さは、各銀電極12a,12bの上端から各電極保持部材14a,14bの上端までの長さよりも大きくなっている。
さらに、内側電極保持部材14aの外面156aは、給水路143の内面152とほぼ面一となっており、分流路142bが給水路143に対して外側にずれるように形成されている。一方、外側電極保持部材14bの内側の面である表面14cは、排水路145の内面154とほぼ面一となっており、両電極保持部材14a,14bの間に形成される分流路142bのほぼ真下に排水路145の一部が位置するようになっている。
まず、電解槽142内の幅Lは32.5mmであり、電解槽142の拡大部158と絞り部160との間の距離Hは29.5mmである。
つぎに、各電極保持部材14a,14bの諸寸法については、全長hが16mmであり、幅lが2.3mmである。各銀電極12a,12bの諸寸法については、全長h1が10mmであり、幅l1が0.8mmである。また、銀電極12a,12bの間の距離d1は3mmである。
また、電極保持部材14a,14bの上端と電解槽142の拡大部158との間の距離h2は2mmであり、電極保持部材14a,14bの下端と電解槽142の絞り部160との間の距離h3は11.5mmである。
さらに、各銀電極12a,12bの上端から各電極保持部材14a,14bの上端までの長さh4は2mmであり、各銀電極12a,12bの下端から各電極保持部材14a,14bの下端までの長さh5は4mmである。
また、槽142の内壁面155と外側電極保持部材14bの外面156bとの間の距離d2は、6.2mmである。さらに、給水路143の直径D1と排水路145の直径D2はともに16mmであり、給水路143と排水路145の中心軸間距離d3は5mmである。また、給水路143の中心軸と電極保持部材14a,14bの中間との距離d4は11.5mmである。
また、上述した実施形態の銀電解水吐水装置を水洗大便器の洗浄装置として適用する場合、大便器としては、フラッシュバルブ式の大便器を使用してもよいし、ロータンク式の大便器を使用してもよい。
さらに、上述した実施形態の銀電解水吐水装置においては、便器の洗浄装置以外にも、例えば、手洗器や台所用水洗、浴室水洗などに利用される洗浄水の吐水装置に適用した場合でも、銀イオン水による殺菌効果を十分に発揮することができる。
2,52,72,92,142 電解槽
2a,52a,72a,92a,142a 主流路
2b,52b,72b,92b,142b 分流路
3,53,143 給水路
4,104,132 制御装置
5,75,95,145 排水路
6 開閉弁
8 水洗小便器
12,12a,12b 銀電極
13 接続端子
14,14a,14b,40 電極保持部材
16,54,80 電解槽の側壁
18,58,158 拡大部
20,78,160 絞り部
22,22a,22b,22c,22d,42a,42b 助走区間
24,106,134 制御部
26 開閉弁電磁駆動部
28 電流供給部
30 電源部
32 センサ
34 電気伝導度検出回路
36 定電流回路
38 極性反転回
55 電解槽の出口
73 電解槽の入口
76 排水路の内壁
102,144 発電装置
108 整流部
110 蓄電部
112 146 通水路
114 駆動軸
116 水車
136 電池
148 上部通水路
152 給水路の内面
154 排水路の内面
155 電解槽の内壁面
156 内側電極保持部材の外面
BL 境界層
S1,S1’,S1” 主流路領域
S2,S2’,S2” 主流路外領域
Claims (5)
- 銀イオンを含む洗浄水を吐水する銀電解水吐水装置であって、
洗浄水が流入する電解槽と、
少なくとも陽極の電極が銀イオンを生成する銀電極である一組の電極であって、これらの電極の間に洗浄水の一部が流れるように上記電解槽内に配置された上記電極と、
上記電極に電力を供給する給電手段と、
を有し、
上記電解槽の上流側に形成された給水路と、下流側に形成された排水路とを有し、上記給水路、又は、排水路の少なくとも一方よりも外側に突出する位置に上記電極が配置されていることで、記電極間を流れる洗浄水の流速は、上記電解槽内の上記給水路から上記排水路へ向けて延びる主流路を流れる洗浄水の流速よりも小さいことを特徴とする銀電解水吐水装置。 - 上記電極は、電極保持部材によって保持され、この電極保持部材の上記電極を保持している側の表面は、その電極の表面と面一となっている請求項1記載の銀電解水吐水装置。
- 上記給電手段は、上記電解槽に流入又は流出する洗浄水により発電する発電手段を有する請求項1又は請求項2記載の銀電解水吐水装置。
- 上記給電手段は、更に、上記発電手段により発電された電力を蓄積する蓄電手段を有する請求項3記載の銀電解水吐水装置。
- 上記電極保持部材は、その流入側端部が上記電極の間に流入する水流を整流化するように丸形状に形成されている請求項2記載の銀電解水吐水装置。
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