JP2007330831A - 洗浄水供給装置 - Google Patents

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圭子 安井
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Shigeru Shirai
白井  滋
Koji Oka
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Abstract

【課題】原水に含まれるイオンだけを材料に連続式で電気分解しても、原水の水質の変動によって十分にスケール防止効果や殺菌効果の強い酸性電解水が得られないことがある。原水に含まれるイオンだけを材料にして、水質の変動によらず常にスケール防止効果や殺菌効果の強い酸性電解水を得ることを目的とする。
【解決手段】イオン交換樹脂などの吸着手段2を用いて目的とするイオン、例えば塩化物イオンを吸着したのちに電気分解して、イオン交換樹脂の再生と濃縮されたイオンの脱着を同時に行う。脱着された塩化物イオンを陽極側電解槽5で電気分解することにより強い殺菌力とスケール防止効果を持つ強酸性電解水を間欠的に供給することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は洗浄水供給装置に関するものである。
衛生陶器などの表面に蓄積してゆく強固な汚れの主なものとして尿石があり、その主成分はリン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、炭酸カルシウムである。これらの塩は次のようなプロセスで蓄積する。洗い流されずに便器表面に残留した尿素をバクテリアが分解する過程で、液体のpHが上昇する。水道水および尿由来のカルシウムイオンとリン酸イオン、シュウ酸イオン、炭酸イオンが高pH条件下で沈殿して、便器表面に微細な結晶を生じる。微細な結晶が生じ短部分に微生物がより容易に付着して、上記のプロセスが促進される。その結果、カルシウム塩と有機物とが集合した強い臭気を発生する黄色の尿石となる。また、水道水中に含まれる多価陽イオンは中性〜アルカリ性において、炭酸塩や水酸化物などのスケール汚れを引き起こす。水道水中に溶存する腐植酸、フルボ酸などの天然有機酸は鉄、アルミニウムなどのイオンと強い結合を作って、着色したスケール汚れを引き起こす。
そこで、一般には殺菌力のある洗剤または漂白剤(たとえば次亜塩素酸ナトリウムを含む洗剤)や強い酸性の洗剤を用いて、尿石汚れを溶解しながらこすり落とす、または生成を防ぐことがおこなわれる。上記の漂白剤は刺激臭があるため、そのような掃除は不快な作業である。そこで、水道水を無隔膜の電解槽を用いて連続的に電気分解して遊離塩素を発生させて殺菌および酸性条件によって尿石の付着を抑制する方法が考案された(特許文献1、図4)。原水供給管1を通って供給された水道水は無隔膜式電解槽14内で、直流電圧を連続的に印加されて陽極4に近い側に次亜塩素酸イオンを生成する。この方法は、常に次亜塩素酸イオンを含む中性ないし弱酸性電解水を衛生陶器や配管に流すことで尿石の発生を防ぐことを意図している。この手法は、消費剤を使わず自動的に行うことができるためメンテナンスの手間を省けるという利点がある。
特許第3603580号公報
しかしながら、水道水に含まれる塩化物イオン濃度は全国平均で360μM程度であるため、生成する次亜塩素酸イオン濃度は30μM程度に過ぎない(以下、弱酸性電解水と呼ぶ)。また得られる中性ないし弱酸性のpH条件では、遊離塩素は主に次亜塩素酸イオンであり、殺菌力は次亜塩素酸に比べると約1/10にすぎない。弱酸性電解水がバクテリアによってpHを高められた液と混じって部分的に中和されることや、地域によっては塩化物イオン濃度の低い水道水が存在することを考慮すると、水道水の連続電解による方法は尿石や各種のスケール防止には不十分である。
本発明はこの課題を解決するため、原水以外に材料補給をすることなく、尿石や各種スケールの付着を完全に抑制よりpHが低くかつ殺菌力の強い酸性電解水を生成して洗浄水を生成することを目的とする。
前記従来の問題を解決するために、本発明の洗浄水供給装置は、吸着槽および脱着手段を有し、原水中のイオン成分を濃縮した後、電気分解用電極により酸化することにより、スケール防止および殺菌作用のある強酸性の洗浄液を供給する。
本発明の洗浄水供給装置によれば、スケール防止および殺菌作用のある強酸性の洗浄液を供給することができるので、洗浄水として用いてスケールの付着をほぼ完全に防止することができる。また、洗剤や殺菌剤などの化学合成薬品を使わないので洗浄後排水しても環境に負荷を与えない。
第1の発明は、水を供給する供給管と、前記供給管より供給された水中に含まれる特定の成分を吸着するための吸着槽と、前記吸着槽で吸着した特定成分を脱着する脱着手段と、前記脱着手段により脱着された特定成分を酸化または還元する酸化還元手段と、前記酸化還元手段により生成された溶液を洗浄水として被洗浄物へ供給するものである。
そして、この構成により、供給された一般水道水や井戸水に含まれる特定成分を濃縮して回収し、比較的少量の溶液に脱着し、酸化又は還元して洗浄水を供給するので、洗浄力、殺菌効果の高い洗浄水を生成するものである。電気分解のためのイオン性物質を補給する手間とコストを要さず、かつ単なる水道水の電解水よりも高い洗浄効果が得られる。
第2の発明は、第1の発明において、吸着槽は、供給された水に含まれるイオンを吸着するための吸着手段と、イオン交換膜と、酸化還元手段として一対の電極と電圧印加手段とを備え、前記電極により間欠的に水分子を電気分解するものである。
そして、この構成により、洗浄水として酸性電解水を生成して供給するものである。
例えば、原水に含まれる陰イオンを陰イオン交換樹脂などに吸着させることによって濃縮した後に、電気分解するものである。濃縮された陰イオンを原料にして強酸性電解水を、電気分解のためのイオン性物質を補給する手間とコストを要さずに得られる。水道水には平均1.5mM程度の陰イオンが溶解しているため、例えば100倍に濃縮した場合150mMの塩溶液を元に電気分解したのと同等の強酸性電解水が生成することが見込め、pH1程度の酸性電解水が得られる。このようなpH条件では、リン酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、鉄やアルミニウムなど金属の水酸化物の沈殿がほぼ完全に抑制され、スケールや尿石の発生が防止できる。
第3の発明は、第2の発明において吸着手段は塩化物イオンを吸着するようにしたものである。
そして、原水に溶存した塩化物イオンを陰イオン交換樹脂などに吸着させることによって濃縮した後に、電気分解して、洗浄水として次亜塩素酸を生成するものである。水道水には平均0.3mM程度の塩化物イオンが溶解しているため、例えば100倍に濃縮した場合pH2.5程度、有効塩素濃度20-60ppm程度の強酸性電解水が得られる。有効塩素は主に次亜塩素酸であり非常に強い殺菌作用が期待できるため、トイレや浴室や排水管など菌の増殖しやすい場所の洗浄に適する洗浄水となる。
第4の発明は、第2の発明において、吸着手段は陰イオンと陽イオンの両方を吸着するようにして、洗浄水として酸性度の異なる容液を生成するようにしたものである。
そして、原水に含まれる陽イオンと陰イオンの両方をイオン交換樹脂などの手段によって濃縮して回収し、電気分解によって強酸性電解水と強アルカリ性電解水の両方を生成するものである。強酸性電解水は上記で述べたとおり実用上十分に強いスケール防止効果と殺菌効果が期待できるが、その反面排水管を腐食させる恐れがある。そこで、被洗浄物に強酸性電解水を供給して洗浄した後、使用済みの強酸性電解水に強アルカリ性電解水を加
えて中和し、腐食の危険を減らした状態で排水する。強アルカリ水を洗浄に用いた後の強酸性水と混合して中和させたのち排出する。これによって、中和水が配管をいためることがない。
第5の発明は、第2の発明において、吸着手段は、供給された水に含まれる溶存有機酸を吸着するようにし、電圧印加手段の電解によって生成した酸性電解水を供給水に添加する添加手段と、電圧印加手段の電解によって生成したアルカリ電解水を前記吸着槽に供給する手段とを有したものである。
そして、原水に含まれる溶存有機酸を濃縮して回収し、回収した有機酸を界面活性剤として用いて洗浄水を生成して供給するものである。
水道水や天然水に一般に含まれるフルボ酸などの溶存有機物は、カルボキシル基などの親水性の構造と、芳香環や脂肪族炭素鎖などの疎水的な構造とを同一分子内に有するため界面活性作用を有するので、効果的に汚れを落とすことができる。
第6の発明は、第1から5の発明のいずれかにおいて、被洗浄物の状態変化を検知する検知手段を備え、前記検知手段により被洗浄対象物の状態が変化すると洗浄水を供給するようにしたものである。
そして、被洗浄物のpHが高くなる、被洗浄物の表面に着色が生じるなどの状態変化を検知することにより、沈殿が生成しやすい状態や汚れの付着状態を検知して、洗浄液を供給するものである。上記の発明1から5により生成した洗浄成分は、通常の水道水を供給して生成すると、吸着手段での各成分の濃縮を行うために、一定量の洗浄水としては間欠的にしか得られない。そのため被洗浄物に汚れ成分の沈殿が生成されやすくなる可能性もあるが、被洗浄物の状態変化を検知し、状態に応じて洗浄水を供給することで効率的に洗浄して、被洗浄物に汚れの付着を防ぐことが可能となる。
第7の発明は、第1〜6の発明において、吸着層に設けた水路は、同一平面内で旋回しながら流れるように構成し、前記水路を一つまたは複数組み合わせた形状としたものである。
そして、この水路の形状は原水に含まれる有用成分の吸着を効率的に行うことが可能で、吸着槽をコンパクトな形状にできる。すなわち水路内を一定の流速で原水を流した場合、吸着剤はより細長い管状に収められた方がより高い吸着効率を発揮する。また、隔膜を挟んで吸着槽に隣接する電極も吸着槽の形状に合わせて細長くすると有用成分の脱着およびイオン交換樹脂の再生の効率が高まる。細長い形状を保ちつつ装置全体をコンパクトな形状にするために、吸着槽の流路を平面状に並べその両側に電極を配置するものである。
第8の発明は、第2〜7の発明の吸着手段を中空らせん型または略らせん型に配置した水路内に収め、かつイオン交換膜を略らせん型の水路の内側と外側に備え、略らせん型の水路の内側と外側に電極を設けたものである。この構成により、第7の発明と同様に有用成分の吸着を効率化しつつ、吸着槽をコンパクトな形状にすることが可能となる。吸着槽の流路をらせん状または略らせん状に配置し、らせん形状の水路の内外にイオン交換膜および電極を配置することによって細長い形状の流路、電極との接触面積と、全体のコンパクトさを兼ね備えるものである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における洗浄水供給装置の構成図である。本実施の形態は、洗浄水供給装置をトイレ装置に設けたものである。ここで、水道供給栓に接続された原水供給管1を通じて水道水が吸着槽2に導入される。吸着槽2には強酸性の陽イオン交換樹脂および強塩基性の陰イオン交換樹脂が混ぜられて収められる。隔膜8をはさんで陽極側電解槽5、陰極側電解槽7が吸着槽2に隣接する。電極4および6は白金、酸化イリジウム、酸化パラジウムなどから成る。吸着槽2はバルブ9をはさんで被洗浄槽12に接続され、さらに排水用リザーバー13へと接続される。排水用リザーバーは一般的な排水管に接続される。
図1において供給された水に含まれるイオンは吸着槽2に収められるH型の陽イオン交換樹脂およびOH-型の陰イオン交換樹脂によって吸着される。通常はバルブ10が開いていて、バルブ9と11は閉じていて、イオン成分が取り除かれた水が洗浄槽12へと供給される。イオンの総濃度の低い水が洗浄槽に供給されるため洗浄槽へのスケールの付着が恒常的に抑制される。
間欠的に直流電源3から電極4,6に電圧が印加されて電気分解槽5,7内で電気分解反応が行われる。このとき、吸着槽2内の水分子が電気分解され次の反応(化1)が起こる。
H2O →H++OH- (1)
生じたHイオンは陽イオン交換樹脂上に吸着された陽イオンを置換することによって陽イオン交換樹脂をH型に再生する。遊離した陽イオンは隔膜8を通過して陰極側電解槽7に移動する。電解槽7では以下の反応(化2)が起こり、アルカリ電解水が生成する。
2H2O+2e-→2OH-+H2 (2)
また、反応(化1)によって生じたOH-イオンは陰イオン交換樹脂をOH-型に再生し、脱着した陰イオンは隔膜8を通過して陽極側電解槽5に移動する。電解槽5では以下の反応が起こり、酸性電解水が生成する。
H2O→2H++1/2O2+2e- (3)
2Cl-→Cl2+2e- (4)
Cl2+H2O→HClO+H++Cl- (5)
この際、バルブ9,11が開いて、バルブ10は閉じられる。生成した酸性電解水が洗浄槽12に供給される。また、アルカリ電解水は排水用リザーバー13内で、洗浄槽12から排水された酸性電解水を中和して、配管が痛むのを防ぐ効果をもつ。
本実施例の洗浄装置によれば、水道水中の陰イオン特に塩化物イオンを濃縮する効果があるために図4に示す従来型の水道水電気分解式の洗浄装置に比べると、pHのより低い酸性電解水が生成できるために、次亜塩素酸イオンに比べて殺菌力が約10倍強い次亜塩素酸が遊離塩素の大部分を占めることが特長である。一例として、0.1mMの塩化物イオン濃度を持つ水道水を原水にして、塩化物イオン濃度が100倍に濃縮されるように通常の通水と電気分解との時間配分を組めば、pH2.5程度の酸性電解水が得られ、20-60ppm程度の有効塩素濃度の次亜塩素酸が生成する。このような洗浄液は、ほぼ全ての微生物をきわめて短時間で死滅させることができる。また、このpH条件においてはリン酸カルシウム、シュウ酸カルシウムなどの尿石成分が沈殿することがなく、また鉄や他の金属の水酸化物が沈殿することもなく衛生陶器などの被洗浄槽を清潔な状態に保つことができる。
使用者が比較的少ない家庭用トイレ装置に本発明による洗浄水供給装置を設けた場合、1日に使用される100L程度の水道水から、洗浄水が0.5−1.0L程度得られる。
洗浄、殺菌の観点からは、尿素がバクテリアによって分解された際に便器下部の水のpHが7.0以上に上昇することを検知するたびに、イオンの脱着と洗浄水の生成、供給が行なわれるのが好ましい。その一方で、刺激的な塩素臭を嫌う使用者を想定すれば、深夜や明け方など使用頻度が少なくかつバクテリア数が増えやすい時間帯に洗浄水の供給が行なわれるように設定することもできる。さらには、pHなどによって検知される便器内のバクテリア活性と使用されない時間帯の両方を勘案して、洗浄液を供給するタイミングを最適化することも可能である。
本実施の形態では洗浄水供給装置をトイレ装置に設けた場合について説明したが、水周りの設備機器でたとえば、シンク内、洗面ボール内、浴槽などを洗浄対象としてもよい。
(実施の形態2)
図2(a)および(b)は、本発明の実施の形態2における、吸着槽2および陽極側電解槽5および陰極側電解槽7の構成の断面図を示す。ここに示す構成以外は、実施の形態1と同様の構成と作用であるので、説明を省略する。イオン交換樹脂などの吸着剤は中空状円筒形をした2のスペースに収められる。原水は18の穴から槽内に導入され、パーティション20で仕切られた18内の略らせん状の各段を順に下に流れて19の穴から排出される。略らせん状をした通水経路の断面が正方形または円形の場合、水の移動経路長(18から19までの長さ)は断面の一辺または直径の少なくとも少なくとも10倍、のぞましくは20倍以上とする。このようにして細長い形状の吸着槽内を原水が通ることでイオン性物質の吸着の効率を高くすることができる。
2の内側および外側にはイオン交換膜などの隔膜を挟んで、内側に陽極側電解槽と外側に陰極側電解槽が配置される。このような構成により、吸着されたイオン性物質は効率よく電解槽5、7に移動する。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における洗浄水供給装置の構成図である。装置は陽イオン吸着槽15および隔膜8をはさんで隣接する陽極側電解槽5、陰極側電解槽7およびバルブ9,10および溶存有機酸吸着槽16から構成される。電極4および6は白金、酸化イリジウム、酸化パラジウム、炭素などから成る。陽イオン吸着槽15には強酸性の陽イオン交換樹脂が、溶存有機酸吸着槽16にはマクロポーラスタイプの疎水性樹脂が収められる。
通常使用時はバルブ9を開け、バルブ10を閉じることにより次のような機能を果たす。溶存有機酸とミネラルイオン成分を含む水道水や渓流水などの原水を陽イオン吸着槽15に通すと陽イオンがHと交換される。水道水や天然水に含まれる陽イオン濃度の合計は一般に1mMまたはそれ以上であるので、それらが全てHと交換された場合pHは3程度に低下する。溶存有機酸の酸性官能基はカルボキシル基またはフェノール性水酸基であり、pKa値はほぼ4以上であるので、pHが3程度まで低下することにより溶存有機酸はプロトン化して疎水性が高まり溶存有機酸吸着槽16に吸着される。このようにして陽イオンも有機酸も含まない弱酸性の水が配管17から得られ、さまざまな洗浄用途に使うことができる。
間欠的に、バルブ10を開けバルブ9を閉じた状態で、電極4,6に直流が加えられて電気分解槽5,7内で電解反応が行われる。このとき、吸着槽2内の水分子が電気分解され次の反応が起こる。
H2O →H++OH- (1)
生じたH+イオンは陽イオン交換樹脂上に吸着された陽イオンを置換することによって陽
イオン交換樹脂をH+型に再生する。遊離した陽イオンは隔膜8を通過して陰極側電解槽7に移動する。電解槽7では以下の反応(化2)が起こり、アルカリ電解水が生成する。
2H2O+2e-→2OH-+H2 (2)
アルカリ電解水は溶存有機酸吸着槽16に導入されて、有機酸の酸性官能基を高pH条件で解離させることによって親水化して、吸着されていた有機酸を脱着する。濃縮された状態で脱着した有機酸は界面活性剤として配管17から供給することができる。
本実施例の洗浄装置によれば、通常使用時は原水から陽イオンと溶存有機酸を除去することによって、ミネラル質および有機質のスケールの付着を防ぐ効果がある。したがって、スケールの付着を嫌い、かつ比較的多量に消費するような洗浄用途に適している。また、電解時はそれまでに吸着されていた溶存有機酸をより高濃度で脱着して、界面活性剤として洗浄用途に供給することができる。このような作用により、石鹸や洗剤を使用することなく天然の界面活性物質を用いて洗浄を行なうことができるため、例えば下水処理設備の整っていない地域などで環境に負荷を与えない洗浄法が可能となる。有機酸自体が黄褐色に着色しているため、野菜の土汚れや靴の一次洗浄などに適している。
本発明の洗浄水供給装置は、通常の水道水を用いて洗浄水を生成するので、特殊な薬品の添加が必要なく、吸着手段のメンテナンスがしやすいうえ、洗浄後排水しても環境負荷がない。
実施の形態1の洗浄装置と一般の水道水を用いて洗浄水を生成する場合は、一定の濃度以上の効果的な洗浄水を作成する必要がある場合は、濃縮という過程が必要でインターバルをおいての供給となるので、日常生活において、常に洗浄水を用いる必要がなく、間欠的に使用する場合などの洗浄水の供給に適している。よって、家庭用、業務用、また、公衆使用の便器、手洗い、浴槽、洗濯槽、キッチンシンクなどの水周り品の洗浄に適する。またそれ以外にも、食品工場など大量の水を消費しつつ定期的に殺菌を行なう必要があるような施設において利用価値が高い。また、環境生態学的に保全の必要性が高いとされる湿原の近辺など、溶存有機酸を比較的高濃度に含む地表水が得られる地域において、環境に負荷を与えない洗浄水を必要とする用途において利用価値が高い。具体的には、地域の野菜の集荷センターなどで土汚れの洗浄や、農業用機器や器具の洗浄などに適している。
本発明の実施の形態1における洗浄装置の構成図 (a)本発明の実施の形態2における洗浄装置の吸着槽の全体図(b)本発明の実施の形態2における洗浄装置の吸着槽の断面図 本発明の実施の形態3における洗浄装置の構成図 従来の洗浄装置の構成図
符号の説明
1 原水供給管
2 吸着槽
4 陽極
6 陰極
8 イオン交換膜
16 溶存有機酸吸着槽

Claims (8)

  1. 水を供給する供給管と、前記供給管より供給された水中に含まれる特定の成分を吸着するための吸着槽と、前記吸着槽で吸着した特定成分を脱着する脱着手段と、前記脱着手段により脱着された特定成分を酸化または還元する酸化還元手段とを備え、前記酸化還元手段により生成された溶液を洗浄水として被洗浄物へ供給する洗浄水供給装置。
  2. 吸着槽は、供給された水に含まれるイオンを吸着するための吸着手段と、イオン交換膜とを有し、酸化還元手段は、一対の電極と電圧印加手段とを有する酸化還元手段とを有した請求項1記載の洗浄水供給装置。
  3. 吸着手段は塩化物イオンを吸着する請求項2記載の洗浄水供給装置。
  4. 吸着手段は陰イオンと陽イオンの両方を吸着可能とし、洗浄水として酸性度の異なる溶液を生成する請求項2記載の洗浄水供給装置。
  5. 吸着手段は供給された水に含まれる溶存有機酸を吸着し、電圧印加手段の電解によって生成した酸性電解水を供給水に添加する添加手段を備えて、電圧印加手段の電解によって生成したアルカリ電解水を前記吸着槽に供給する請求項2記載の洗浄水供給装置。
  6. 被洗浄物の状態変化を検知する検知手段を備え、前記検知手段による被洗浄対象物の状態変化に応じて洗浄水を供給するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄水供給装置。
  7. 吸着層に設けた水路は同一平面内で旋回するように構成し、前記水路を一つまたは複数組み合わせた形状とした請求項1〜6のいずれか1項に記載の洗浄水供給装置。
  8. 水路を中空らせん型または略らせん型に配置し、前記水路内に吸着手段を有して、前記水路の内側と外側にイオン交換膜と電極とを設けた請求項2〜7のいずれか1項に記載の洗浄水供給装置。
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