JP4826222B2 - 駆動回路及びこれを用いた撮像装置 - Google Patents

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本発明は、圧電アクチュエータを駆動する駆動回路及びこれを用いた撮像装置に関し、特に、複数の圧電素子から構成され、その機械共振を利用した圧電アクチュエータ(トラス型アクチュエータ)を駆動する駆動回路及びこれを用いた撮像装置に関する。
従来、複数の圧電素子から構成され、その機械共振を利用した圧電アクチュエータ、例えばトラス型アクチュエータ(以降、トラスアクチュエータという)が知られている(例えば特許文献1、2参照)。このトラスアクチュエータは、例えば図17(a)、(b)に示すトラスアクチュエータ900のように、第1及び第2圧電素子901、902の2つの圧電素子、チップ部材903及びベース部材904から構成されており、一定の押圧力によってチップ部材903が被駆動体905に押し付けられた状態となっている。この状態で、被駆動体905を図17(a)に示すように右方向に移動させる場合、トラスアクチュエータ900は、同図中、左側の第1圧電素子901を駆動し(この駆動側の圧電素子を「駆動素子」という)、右側の第2圧電素子902の端子間を短絡状態にして第1圧電素子901の駆動(主動)に対して従動させる(この従動側の圧電素子を「従動素子」という)。また、被駆動体905を図17(b)に示すように左方向に移動させる場合、トラスアクチュエータ900は、右側の第2圧電素子902を駆動し(第2圧電素子902が駆動素子となる)、左側の第1圧電素子901の端子間を短絡状態にする(第1圧電素子901が従動素子となる)。このように被駆動体905の移動方向に応じて、トラスアクチュエータ900の各圧電素子における駆動素子側と従動素子側とが入れ替わる構成となっている。なお、以降、圧電素子(駆動素子又は従動素子)の端子間のことを、適宜、圧電素子間(駆動素子間又は従動素子間)と表現するものとする。
ところで、圧電アクチュエータは、高応答で且つ高精度位置決めが可能である。この圧電アクチュエータをカメラ等に搭載することで、AF(オートフォーカス)や手振れ補正の性能向上が期待される。圧電アクチュエータを例えばバッテリー駆動の小型機器に搭載するためには、圧電アクチュエータを低電圧駆動させることが要求される。すなわち、低電圧駆動を行うことができれば、電池による駆動(電池直駆動)が容易となり、DC/DCコンバータ等を排除又は小型化することができ、これにより、圧電アクチュエータの駆動回路が小型化されて(低コスト化も図れる)、上記バッテリー駆動の小型機器への搭載が容易となる。
そこで、上記トラスアクチュエータにおいてこの低電圧駆動を行うために、圧電素子と直列に昇圧用のインダクタが接続され、これにより得られる直列共振(電気共振)が利用される。圧電素子とインダクタとが直列共振状態にあるとき、圧電素子間には最大電圧が印加される。この直列共振状態での直列共振周波数を、トラスアクチュエータの上記機械共振の周波数(機械共振周波数)とほぼ一致させて駆動することで、低電圧駆動が可能となる。
特開2001−54291号公報 特開2001−258278号公報
しかしながら、上記従来技術では、圧電素子の等価回路を考えた場合の該圧電素子のコンデンサ容量(後述の制止コンデンサ)と、上記昇圧用インダクタのインダクタンスとで並列共振回路が構成されることから、従動素子の端子間はこの並列共振によってハイインピーダンス状態となり電流が流れ難くなるため、従動素子の伸縮度合いが小さくなってしまい、トラスアクチュエータの駆動特性は低下する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、圧電アクチュエータを低電圧駆動させることが可能であるとともに、上記並列共振により従動素子の端子間がハイインピーダンスとなって駆動特性が低下するのを防止することができる高性能且つ簡易な構成(低コスト)の駆動回路及びこれを用いた撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係る駆動回路は、複数の圧電素子から構成され、所定の駆動状態において、該複数の圧電素子のうちの少なくとも1つの圧電素子が他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータを駆動するための駆動回路であって、駆動回路は、前記複数の圧電素子それぞれに対して設けられ、前記圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタと、前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、前記圧電素子の端子間に、当該圧電素子と直列に接続されている前記インダクタを含まないように回路を形成可能に構成された開閉可能な閉じ手段とを備え、前記圧電素子が前記従動素子として機能する場合に、前記開閉可能な閉じ手段が閉じることにより、該従動素子の端子間が前記インダクタを介することなく閉状態となるように駆動することを特徴とする。
また、本発明に係る撮像装置は、複数の圧電素子を備え、所定の駆動状態において、該複数の圧電素子のうちの少なくとも1つの圧電素子が他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータと、前記複数の圧電素子それぞれに対して設けられ、前記圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタと、前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、前記圧電素子の端子間に、当該圧電素子と直列に接続されている前記インダクタを含まないように閉回路を形成可能に構成された開閉可能な閉じ手段とを備え、前記圧電素子が前記従動素子として機能する場合に、前記開閉可能な閉じ手段が閉じることにより、該従動素子の端子間が、前記インダクタを介することなく閉状態となるように駆動する駆動回路とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、複数の圧電素子から構成され、所定の駆動状態で、少なくとも1つの圧電素子を含んで閉回路が形成されて、その圧電素子が他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータを駆動するための駆動回路であって、該駆動回路は、前記複数の圧電素子それぞれに対して設けられ、前記圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタと、前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、前記圧電素子の端子間に、当該圧電素子と直列に接続されている前記インダクタを含まないように回路を形成可能に構成された開閉可能な閉じ手段とを備え圧電素子が従動素子として機能する場合に、前記開閉可能な閉じ手段が閉じることにより、該従動素子の端子間が前記インダクタを介することなく閉状態となるように駆動される。
また、上記構成において、前記閉じ手段は、前記インダクタと圧電素子との接続点と、前記H型ブリッジの接地側または駆動電源側とを開閉可能に接続するスイッチを有し、当該スイッチが閉となるときに、当該スイッチと前記H型ブリッジとにより、前記従動素子の端子間が、前記インダクタを介することなく閉状態となるように、前記スイッチとH型ブリッジとのスイッチングが制御されることが好ましい。
また、上記構成において、前記閉じ手段は、前記インダクタの端子間を開閉可能に接続するスイッチを有し、当該スイッチが閉となるときに、当該スイッチと前記H型ブリッジとにより、前記従動素子の端子間が、前記インダクタを介することなく閉状態となるように、前記スイッチとH型ブリッジとのスイッチングが制御されることが好ましい。
さらにまた、本発明に係る駆動回路は、複数の圧電素子から構成され、所定の駆動状態において、該複数の圧電素子のうちの少なくとも1つの圧電素子が他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータを駆動するための駆動回路であって、該駆動回路は、前記複数の圧電素子それぞれに対して設けられ、前記圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタと、前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、前記圧電素子に対して並列に該圧電素子の端子間に接続されたコンデンサとを備え、前記圧電素子が前記従動素子として機能する場合に、前記コンデンサにより圧電素子の端子間を短絡させて閉回路とすべく前記H型ブリッジの全てのスイッチを開状態とすることを特徴とする。
さらにまた、本発明に係る撮像装置は、複数の圧電素子を備え、所定の駆動状態において、該複数の圧電素子のうちの少なくとも1つの圧電素子が他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータと、前記複数の圧電素子それぞれに対して設けられ、前記圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタと、前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、前記圧電素子に対して並列に該圧電素子の端子間に接続されたコンデンサとを備え、前記圧電素子が従動素子として機能する場合に、前記コンデンサにより圧電素子の端子間を短絡させて閉回路とすべく前記H型ブリッジの全てのスイッチを開状態とすることを特徴とする。
上記構成によれば、複数の圧電素子から構成され、所定の駆動状態で、少なくとも1つの圧電素子が他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータを駆動するための駆動回路であって、該駆動回路は、前記複数の圧電素子それぞれに対して設けられ、前記圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタと、前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、前記圧電素子に対して並列に該圧電素子の端子間に接続されたコンデンサとを備え、圧電素子が従動素子として機能する場合に、前記コンデンサにより圧電素子の端子間が短絡されて閉回路とすべく、前記H型ブリッジの全てのスイッチが開状態となるように駆動される。
また、上記構成において、前記コンデンサの容量をCとすると、容量Cは以下の(1)式に示す関係を満たすことが好ましい。
2Cd≦C ・・・(1)
但し、Cd:誘電体としての圧電素子の等価コンデンサ容量。
また、上記構成において、前記圧電素子及び該圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタによる直列共振周波数(fs)が、前記圧電アクチュエータの機械共振周波数(fm)と略一致するように駆動することが好ましい。
また、上記構成において、前記圧電アクチュエータは、前記複数の圧電素子である第1及び第2の圧電素子と、該第1及び第2の圧電素子を支持するベース部材と、該第1及び第2の圧電素子それぞれに結合された結合部材とを備え、前記第1及び第2の圧電素子のいずれか一方の駆動及び他方の従動に伴って前記結合部材が楕円運動又は円運動するトラス型アクチュエータであることが好ましい。
請求項1,4,8,11記載の発明によれば、圧電素子と直列に昇圧用のインダクタが接続された構成であるので、当該圧電素子とインダクタとによる直列共振(電気共振)を利用することで、圧電アクチュエータを低電圧駆動することが可能となるとともに、圧電素子が従動素子として機能する場合に、従動素子の端子間が閉じ手段またはコンデンサにより前記インダクタを介することなく短絡して閉じた状態(閉回路)となる構成であるので、圧電素子を誘電体として見なした場合のコンデンサ容量(キャパシティ)と、昇圧用インダクタのインダクタンスとの並列共振によって従動素子の端子間がハイインピーダンスとなり駆動特性が低下するのを防止することが可能となり、高性能且つ簡易な構成(低コスト)の駆動回路または撮像装置を実現することができる。
請求項5,12記載の発明によれば、コンデンサ容量Cは2Cd≦Cの関係を満たすものであるので、このように「2Cd」といった所定値を基準として、例えば圧電素子の端子間が完全短絡状態になる場合と同等の特性を得るといった所望の特性を得るためのコンデンサ容量Cを容易に設定することが可能となる。
請求項6,13記載の発明によれば、圧電素子及び該圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタによる直列共振周波数が圧電アクチュエータの機械共振周波数と略一致するように駆動されるので、圧電アクチュエータを低電圧駆動することができる。
請求項7,14記載の発明によれば、当該構成の駆動回路を用いて、トラス型アクチュエータの低電圧駆動、及び駆動特性の低下防止が可能となる。
図1は、本発明に係る駆動回路の一適用例である圧電駆動装置の概略構成図である。図1に示すように、圧電駆動装置1は、トラスアクチュエータである圧電アクチュエータ100を構成する、第1圧電素子10、第2圧電素子10’、チップ部材11及びベース部材12と、圧電アクチュエータ100を駆動するための駆動電源13及び駆動制御部14とを備えている。第1及び第2圧電素子10、10’は、それぞれ印加される電圧に応じて伸縮する変位素子であり、この伸縮に応じて振動を発生させるものである。第1及び第2圧電素子10、10’は、それぞれPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電特性を示すセラミック薄板101と電極102(103)とが交互に積層されてなり、各セラミック薄板101と各電極102(103)とは互いに固着されている。この1つおきに配置された電極102、103(電極群)は、それぞれ信号線L1、L2(信号線L1’、L2’)を介して駆動電源13に接続されている。信号線L1、L2(信号線L1’、L2’)間に所定の電圧を印加すると、電極102、103に挟まれたセラミック薄板101には、その積層方向に電界が発生し、1つおきに分極(電界)の向きが同じになる(隣接するセラミック薄板101同士は分極が逆になる)。なお、第1及び第2圧電素子10、10’は、同図に示すように略直角(「L」字状)に交差して配置されている。
チップ部材11は、第1圧電素子10又は第2圧電素子10’の伸縮により振動され、この振動によって、チップ部材11と圧接された被駆動体であるロータ111を回転運動させるものである。チップ部材11は、例えば安定して高い摩擦係数が得られ且つ耐摩耗性に優れたタングステン等の材質からなり、第1及び第2圧電素子10、10’の交差側端部に固着されるなどして結合されている。換言すれば、第1及び第2圧電素子10、10’はチップ部材11を介して一体的に接合されている。
ベース部材12は、第1及び第2圧電素子10、10’並びにチップ部材11を支持するものであり、第1及び第2圧電素子10、10’の上記交差側端部と反対側の端部がベース部材12に固定されている。なお、ベース部材12は、例えば製造が容易で且つ強度に優れたステンレス鋼等からなる。
駆動電源13は、交流の駆動電圧を各電極102、103に供給する電力供給源(交流電源)である。ここでは、上記駆動電圧は例えば±1VMの大きさである(1VM=7[V]程度の電圧)。駆動制御部14は、第1及び第2圧電素子10、10’の駆動を制御するものである。駆動制御部14は、後述する駆動回路20、30や調整回路400を備えており、第1及び第2圧電素子10、10’に対する駆動電源13からの電力供給を制御する、具体的には第1及び第2圧電素子10、10’のいずれか一方を選択して駆動電源13からの電力供給を行う。
このように、駆動制御部14によって圧電アクチュエータ100の第1及び第2圧電素子10、10’のいずれか一方のみに電力供給を行い、例えば第1圧電素子10を駆動させると、この第1圧電素子10の振動がベース部材12を介して第2圧電素子10’に伝達され、第2圧電素子10’が所定の位相差をもって共振する。これにより、チップ部材11が同図中に示すような楕円(又は円)を描くように駆動する。このチップ部材11を例えば所定の軸周りに回転可能なロータ111の円筒面に押し付けることで、ロータ111を回転運動させることができる、すなわちチップ部材11の楕円運動(円運動を含む)をロータ111の回転運動に変換することができる。なお、チップ部材11を例えば棒状(直線状)の部材に押し付けた場合には、このチップ部材11の楕円運動を該棒状部材の直線運動に変換することができる。
ここで、図2に示す本発明の説明をする前に、図12〜16を用いて、従来における圧電アクチュエータ(トラスアクチュエータ)の各圧電素子の駆動原理について説明する。従来一般的に、例えば上記図17に示す第1圧電素子901及び第2圧電素子902は、それぞれ、図12に示すような駆動素子側の駆動回路810、及び従動素子側の駆動回路820によって駆動される。駆動回路810は、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4を備えており、これらスイッチによって、スイッチング素子である所謂H型ブリッジ(以降、Hブリッジという)回路が構成されている(GNDは接地を示している。以下同様)。第1〜第4スイッチSW1〜SW4は、それぞれオン(ON)、オフ(OFF)の切り替えを行うスイッチ(スイッチング素子)であり、例えばnpn型又はpnp型トランジスタからなる。この駆動回路810では、Hブリッジにおける第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2と、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4とがそれぞれペアとなって(対になって)スイッチング動作が行われる。一方、駆動回路820では、Hブリッジの第2スイッチSW2及び第4スイッチSW4のみがオンにされて、従動素子間が短絡(ショート)状態となる。なお、駆動電源811は上記駆動電源13に相当する交流電源である。
上記駆動素子は、駆動回路810による例えば図13に示す矩形波の信号によって駆動される。すなわち、符号T1で示す位置において第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2が「H(ハイ)」でオンにされ、且つ第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4が「L(ロー)」でオフにされる。次に、符号T2で示す位置において第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2が「L」でオフにされ、且つ第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4が「H」でオンにされる。このオン、オフの切り替えが繰り返されることで上記スイッチング動作が行われて当該駆動素子に対する矩形波が発生する。なお、このとき、駆動素子間には、駆動電源811からの交流電圧(±1VM)により約2VMの電圧が印加される。
図14は、上記図12に示す駆動回路810、820の等価回路を示しており、符号830で示す図は駆動回路810に対する等価回路(等価回路830とする)であり、符号840で示す図は駆動回路820に対する等価回路(等価回路840とする)である。等価回路830において、第1圧電素子901は、制止コンデンサ831(Cd)と、等価インダクタ832(Lm)、負荷833(r0)及び等価静電容量834(Cm)を用いて表すことができる。制止コンデンサ831は、第1圧電素子901を通常の誘電体(コンデンサ)として見なした場合のコンデンサ容量(キャパシティ)(等価コンデンサ容量と表現する)であり、等価インダクタ832は、第1圧電素子901の質量の作用をこれと等価のインダクタのインダクタンスに置き換えたものであり、負荷833は、第1圧電素子901の負荷損失を表す抵抗であり、また、等価静電容量834は、第1圧電素子901のばね作用をこれと等価の静電容量に置き換えたものである。ただし、符号835の領域に示すように、等価インダクタ832、負荷833及び等価静電容量834により第1圧電素子901の所謂機械腕(以降、機械腕835という)が構成される。
一方、等価回路840についても、上記と同様、第2圧電素子902は、制止コンデンサ841(Cd;制止コンデンサ831に相当)と、等価インダクタ(等価インダクタ832に相当)、負荷(負荷833に相当)及び等価静電容量(等価静電容量834に相当)からなる機械腕845とで表される。ただし、駆動回路810によって駆動素子(第1圧電素子901)が駆動されると、駆動素子は駆動周波数で伸縮運動を行い、この駆動素子の伸縮運動は従動素子(第2圧電素子902)に伝達され、従動素子も駆動周波数と同じ周波数で伸縮運動を行う。従動素子は、外力により伸縮すると、その伸縮する周期で起電力を発生する。このとき、機械腕845は交流電源である駆動電源811と等価になる。従動素子間は短絡しているので、従動素子間には電流が流れる。従動素子間に電流が流れることで、従動素子の伸縮は大きなものとなる。
このように構成される駆動回路810、820(等価回路830、840)を基に、圧電アクチュエータの低電圧駆動が可能となる構成を考える。図15は、上記背景技術で説明したように直列共振(電気共振)を利用して低電圧駆動が行えるように構成した駆動回路810’、820’を示している。駆動回路810’は、駆動回路810に対して、第1圧電素子901と直列に昇圧用のインダクタ851を接続したものであり、駆動回路820’は、駆動回路820に対して、第2圧電素子902と直列に昇圧用のインダクタ852を接続したものである。このように圧電素子と直列に昇圧用インダクタを接続することで、圧電素子と昇圧用インダクタとによる直列共振が発生するようになる。圧電素子と昇圧用インダクタとが直列共振状態にあるとき、すなわち直列共振周波数で共振しているとき、圧電素子間には最大電圧が印加される。この直列共振周波数fs(以下の(1-1)式参照)を圧電アクチュエータ(トラスアクチュエータ)の機械共振周波数fm(以下の(1-2)式参照)と略一致させて(fs≒fm)駆動することで、低電圧駆動が可能となる。
Figure 0004826222
Figure 0004826222
このように、直列共振を利用して低電圧駆動が可能となるものの、従動素子側の駆動回路820’を、上記図12に示す駆動回路820と同じく、第2スイッチSW2及び第4スイッチSW4をオンにすると、以下のハイインピーダンスとなる不具合が発生する。
駆動回路810’、820’は、図16に示す等価回路830’、840’で表わされる。この等価回路840’においても、図14に示す等価回路840と同様、従動素子の機械腕845(等価回路830’の機械腕835に相当する)は、駆動電源811と等価となる。このとき、制止コンデンサ841とインダクタ852とは閉回路となっており、駆動電源811に対して、制止コンデンサ841とインダクタ852とが並列共振回路を構成する。この並列共振における並列共振周波数fpは、以下の(1-3)式で表される。
Figure 0004826222
ここで、fs=fp≒fmであるので、従動素子間は、この並列共振によってハイインピーダンス(Hi−Z)となる。ハイインピーダンスとなることにより、従動素子間に電流が流れにくくなるため、従動素子の伸縮が小さくなり、圧電アクチュエータの駆動特性は低下する。
このように、低電圧駆動を行うべく圧電素子と直列にインダクタを設けると、従動素子において、このインダクタと制止コンデンサとによって並列共振が生じてハイインピーダンス状態となり、駆動特性の低下を招いてしまう。そこで、この問題を解決するべく、以下で説明するように、本発明に係る駆動回路では、上記回路構成に加えて、さらに各圧電素子に対して並列にコンデンサが接続された回路構成(駆動方法)を用いる。
図2は、本発明に係る第1及び第2圧電素子10、10’の駆動回路の一例を示す図であり、駆動回路20、30は、それぞれ第1及び第2圧電素子10、10’を駆動するものである。これら駆動回路20、30は、スイッチング素子としての上記Hブリッジから構成されている。駆動回路20、30は、駆動制御部14に内蔵されており、該駆動制御部14による駆動指示信号に基づいてそれぞれ第1及び第2圧電素子10、10’に対する駆動信号つまり駆動電圧を発生させて各圧電素子を駆動させる。ただし、上記駆動制御部14による駆動指示信号は、駆動制御部14内の例えばインバータ;反転回路(図示省略)によって発生されてもよく、また、このインバータによる駆動指示信号の発生は、駆動制御部14内の水晶発振子等の発振素子(図示省略)による所定周波数のクロック信号に基づいて行われてもよい。駆動回路20、30は、第1及び第2圧電素子10、10’における何れか一方を駆動素子として機能させ、他方は従動素子として機能させる。図2では、駆動回路20が駆動素子側であり、駆動回路30が従動素子側となる場合を示している。なお、駆動回路20、30は同じ回路構成を有しており、ここでは主に駆動回路20の回路構成について説明する。
駆動回路20は、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3、第4スイッチSW4、インダクタ21(L)及びコンデンサ22(C)を備えている。第1〜第4スイッチSW1〜SW4は、上記と同様、それぞれオン、オフの切り替えを行うスイッチ(スイッチング素子)であり、例えばnpn型又はpnp型トランジスタ、具体的にはNチャンネルFET又はPチャンネルFETからなる。インダクタ21は、第1圧電素子10に対する昇圧用のインダクタであり、第1圧電素子10の一端(一端子部)と直列に接続されている。コンデンサ22は、上記制止コンデンサとインダクタとによる並列共振に起因するハイインピーダンスを防止するべく設けられたコンデンサであり、第1圧電素子10と並列に該第1圧電素子10の端子間に接続されている(第2圧電素子10’には、これと並列に該端子間にコンデンサ32が接続されている)。以降、圧電素子間に並列に接続されたこのコンデンサのことを「並列コンデンサ」と表現する。
駆動回路20は、駆動素子(第1圧電素子10)を充電させるための正の駆動電圧、及び駆動素子を放電(逆方向充電)させるための負の駆動電圧を交互に発生させ、これら正負の駆動電圧からなる駆動信号、つまり上記図13に示すような矩形波(ただし、ここでは駆動素子間は2VM以上に昇圧される)を出力し、駆動素子を圧電アクチュエータ100の機械共振周波数付近の周波数で駆動させる。この駆動素子の駆動時には、Hブリッジにおける第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4がそれぞれペアでスイッチングされる。
一方、駆動回路30は、駆動回路20による第1圧電素子10の駆動時に、Hブリッジにおける第1〜第4スイッチSW1〜SW4を全てオフ(開状態)にして、従動素子(第2圧電素子10’)の端子間を短絡状態とする(正確には、後述するようにインピーダンスを下げる)。なお、駆動回路30のインダクタ31(L)及びコンデンサ32(C)はインダクタ21及びコンデンサ22に相当する。
図3は、上記図2に示す駆動回路20、30の等価回路を示しており、符号200で示す図は駆動回路20に対する等価回路(等価回路200とする)であり、符号300で示す図は駆動回路30に対する等価回路(等価回路300とする)である。等価回路200において、第1圧電素子10は、上記図14に示す各圧電素子と同様、第1圧電素子10を通常の誘電体(コンデンサ)として見なした場合のコンデンサ容量(キャパシティ)である制止コンデンサ23(Cd)と、第1圧電素子10の質量の作用をこれと等価のインダクタのインダクタンスに置き換えたものである等価インダクタ24(Lm)と、第1圧電素子10の負荷損失を表す抵抗である負荷25(r0)と、第1圧電素子10のばね作用をこれと等価の静電容量に置き換えたものである等価静電容量26(Cm)とを用いて表される。また、等価インダクタ24、負荷25及び等価静電容量26により第1圧電素子10の機械腕27が構成されている。
一方、等価回路300についても、上記と同様、第2圧電素子10’は、制止コンデンサ33(Cd;制止コンデンサ23に相当)と、等価インダクタ(等価インダクタ24に相当)、負荷(負荷25に相当)及び等価静電容量(等価静電容量26に相当)からなる機械腕37とで表される。この場合も上記と同様、駆動回路20によって駆動素子(第1圧電素子10)が駆動されて当該駆動周波数で伸縮運動が行われると、この駆動素子の伸縮運動が従動素子(第2圧電素子10’)に伝達されて従動素子も駆動周波数と同じ周波数で伸縮運動し、この伸縮の周期で起電力を発生する。
このとき、機械腕37は交流電源である駆動電源13と等価になる。そして、駆動電源13に対して、上記制止コンデンサ23に相当する制止コンデンサ33(Cd)とコンデンサ32とが並列に接続された状態(第2圧電素子10’とコンデンサ32とで閉回路が形成された状態)となる。換言すれば、符号38で示すように制止コンデンサ33とインダクタ31とで開回路が形成された状態となる。なお、従動素子(第2圧電素子10’)間はコンデンサ32により謂わば交流的に短絡状態となっているので、該従動素子間には電流が流れる。従動素子間に電流が流れることで、従動素子の伸縮は大きなものとなる。このとき、従動素子間はインピーダンスで結線されたことになり、インピーダンスを「Z」で表すと、インピーダンスZは以下の(1-4)式で与えられる。
Figure 0004826222
但し、記号「f」及び「C」はそれぞれ従動素子(又は駆動素子)の駆動周波数及びコンデンサ32の容量(コンデンサ容量)を示す。
上記(1-4)式から、駆動周波数f及び/又はコンデンサ容量Cを大きくすることで、インピーダンスZは小さくなる。これにより、従動素子間はインピーダンスZ分の損失により若干の駆動特性低下はあるものの、煩雑なスイッチング素子等を回路に追加することなく、圧電アクチュエータ100(圧電駆動装置1)の駆動特性を確保することが可能となる。
なお、この場合も圧電素子とインダクタとによる直列共振を利用し、直列共振周波数fsc(以下の(1-5)式参照)を圧電アクチュエータ100の機械共振周波数fmと略一致させて(fsc≒fm)駆動することにより、低電圧駆動が可能である。
Figure 0004826222
このように、駆動回路20、30は、圧電素子に対して直列にインダクタが接続されるとともに、該圧電素子に対して並列にコンデンサが接続された回路構成とされ、上述のように動作する、つまり駆動素子側はHブリッジの第1及び第2スイッチSW1、SW2、第3及び第4スイッチSW3、SW4がそれぞれペアでスイッチングし、従動素子側はHブリッジの全てのスイッチがオフとなることで、駆動素子側において第1圧電素子10とインダクタ21とによる直列共振を利用した低電圧駆動が可能であるとともに、従動素子側において、制止コンデンサ33とインダクタ31との並列共振に起因するハイインピーダンスを解消することが可能となる。
ちなみに、本実施形態における従動素子では、駆動回路30に示すように第1〜第4スイッチSW1〜SW4は全てオフとされるが、仮に、この駆動回路30における第2スイッチSW2及び第4スイッチSW4が、駆動回路820’(図15参照)と同様、図4に示す駆動回路30’のようにオンされたとすると(図3における等価回路300の符号38に示す開回路の状態が、当該駆動回路30’に対する等価回路300’の符号38’に示す閉回路の状態にされたとすると)、上記と同様に従動素子間がハイインピーダンスとなり不具合が発生する。すなわち、従動素子の機械腕37と等価の駆動電源13に対して、制止コンデンサ33と、コンデンサ32と、インダクタ31との3つが並列に接続された状態となり、このとき、並列共振周波数fpc(以下の(1-6)式参照)で並列共振することになり、従動素子間はハイインピーダンスとなる。したがって、上述したように従動素子側の駆動回路の全てのスイッチがオフにされる。
Figure 0004826222
ところで、圧電素子(第1圧電素子10又は第2圧電素子10’)は、上述したように機械的な伸縮により起電力を発生する。このとき、圧電素子(制止コンデンサ23又は33)に蓄えられる電荷をQとすると、図3の等価回路300に示すように、圧電素子には並列コンデンサ(コンデンサ22又は32)が接続されているので、この電荷Qは、制止コンデンサ(Cd)と並列コンデンサ(C)とで分割される。当該分割による制止コンデンサの電荷をQ1、並列コンデンサの電荷をQ2とし、また、駆動電源13により制止コンデンサ及び並列コンデンサに印加される電圧をそれぞれV1、V2とすると、Q1=Cd*V1、Q2=C*V2(但し、これら式中の記号「Cd」、「C」はそれぞれ制止コンデンサ及び並列コンデンサの容量を示す。また、記号「*」は乗算を示す)と表される。制止コンデンサ及び並列コンデンサは駆動電源13と並列に接続されていることから、V1=V2となるので、上記電荷Qの制止コンデンサ及び並列コンデンサによる分割比は各コンデンサの容量の比となる、すなわちQ1:Q2=Cd:Cとなる。
従動素子間を短絡状態に近づけるには、並列コンデンサのインピーダンスを可能な限り小さくすればよい。この場合、上記(1-4)式の関係から、駆動周波数fと並列コンデンサの容量Cを大きくすればよいのであるが、実際には、駆動周波数fは決まっている(各圧電素子に応じた固定値として設定されている)ので、並列コンデンサの容量Cの方を大きくすることになる。
しかしながら、コンデンサ容量Cを大きくしていくと、これに伴って並列コンデンサのサイズが大きくなり、省スペース化或いは低コスト化の面で不利となる。そこで、並列コンデンサの容量Cを、以下の(1)、(2)のように規定する(ここでは実験則に基づいて規定している)。
(1)完全短絡状態と略同等の特性が得られるようにしたい場合には、容量Cの値を、2Cd≦Cとする。これは、少なくとも容量Cの値が2Cd以上であれば、完全短絡状態と略同等の特性が得られるので、この条件(2Cd≦C)を満たすように、且つ、コンデンサのサイズやコストを考慮しつつ、好適な容量Cを設定すればよい。
(2)上記(1)の場合よりも特性は劣るが圧電アクチュエータとして機能させたい場合には、容量Cの値を、Cd≦C≦2Cdとする。
但し、容量Cの値はこれら(1)、(2)の規定に限定されず、例えばC<Cdと規定した場合でも、出力レベルは低いが圧電アクチュエータとしての出力は得ることができる。
これにより、例えば、制止コンデンサ(圧電素子)の容量Cd=9nF(ナノファラッド)、駆動周波数f=180kHzの圧電素子(圧電アクチュエータ100)を駆動する場合、昇圧用インダクタのインダクタンスL=27μH、並列コンデンサの容量C=20nF(これは上記(1)の規定による2Cd≦Cを満たす値)などと設定される。
図5は、上記圧電駆動装置1(駆動回路20、30及び圧電アクチュエータ100)の一適用例である撮像装置60を示す斜視図である。撮像装置60は、例えば監視カメラとして機能するものであり、撮像ユニット61、第1駆動ユニット62及び第2駆動ユニット63からなる。撮像ユニット61は、ビデオカメラ或いはデジタルカメラ等からなり、被写体を撮像するものである。
第1駆動ユニット62は、撮像ユニット61を、チルト方向、すなわち例えば地面に対して水平なT軸回りに回転駆動(回動)させるものであり、チルトロータ621及びチルトステータ622からなる。チルトロータ621は、後述するトラスアクチュエータ670の駆動によってチルトステータ622に対して相対的に回転するものである。チルトステータ622は、チルトロータ621を回転自在に支持するものである。チルトステータ622は、同図に示すように例えば「L」字状に構成されて、チルトロータ621と反対側の端部が後述のパンロータ631に対して固定されている。
第2駆動ユニット63は、撮像ユニット61を、パン方向、すなわち上記地面に対して垂直な(T軸に対して垂直方向の)P軸回りに回転駆動(回動)させるものであり、パンロータ631及びパンステータ632からなる。パンロータ631は、後述するトラスアクチュエータ670の駆動によってパンステータ632に対して相対的に回転するものである。パンステータ632は、パンロータ631を回転自在に支持するものである。
撮像装置60は、このように回転駆動する2つの第1駆動ユニット62及び第2駆動ユニット63によって所謂首振り機構を実現している。なお、撮像装置60は、撮像ユニット61並びに第1及び第2駆動ユニット62、63が内包される所定のハウジング部(図示省略)を備えていてもよく、このハウジング部にパンステータ632が固定された構成であってもよい。また、図5の符号611で示すものは撮像ユニット61の撮影レンズ(撮影レンズ611)であり、符号612で示すものは撮像ユニット61と第1駆動ユニット62とを連結する連結体(連結体612;撮像ユニット61に含む)である。
図6は、上記第1駆動ユニット62及び第2駆動ユニット63の構成について説明する図である。ただし、これら駆動ユニットは同様の構成を有しているため、ここでは第1駆動ユニット62を例に挙げて説明する。同図中における符号640に示す図は、第1駆動ユニット62の回転平面方向、つまり上記T軸と垂直な平面方向の断面図であり、符号660に示す図は、第1駆動ユニット62のT軸方向(符号640に示す図のA−A断面)の断面図である。
第1駆動ユニット62は、第1及び第2圧電素子641、642、チップ部材643、ベース部材644、ロータ645(図1のロータ111、図5のチルトロータ621に相当する)、加圧バネ646、剛球647、圧接バネ648、基台649、蓋部材650及び規制部材651〜653を備えている。ただし、第1及び第2圧電素子641、642、チップ部材643及びベース部材644によりトラスアクチュエータ670(上記圧電アクチュエータ100に相当する)を構成し、剛球647及び圧接バネ648により圧接機構680を構成している。
トラスアクチュエータ670は、チップ部材643が加圧バネ646による付勢力によってロータ645の内周壁面に圧接しており、第1及び第2圧電素子641、642の駆動による該チップ部材643の振動によってロータ645を回転させる。この場合も上述と同様、第1及び第2圧電素子641、642における駆動素子側と従動素子側とを切り替えて駆動することで、時計又は反時計回りにロータ645を回転させることができる。上記加圧バネ646は、その一端が規制部材651(規制部材651は基台649に固定されている)によって固定されており、規制部材652にその一端が固定されたベース部材644の他端側に上記付勢力を与えている。ロータ645は、該ロータ645の回転軸6451が基台649の軸受部6491に嵌合され、基台649に対して回転自在に設けられている。なお、トラスアクチュエータ670を駆動するための上記駆動制御部14や駆動電源13に相当する駆動部(図示省略)は、例えば上記ハウジング部内の適所に設けられている。
圧接機構680は、第1駆動ユニット62内におけるトラスアクチュエータ670と回転軸6451を挟んだ反対位置に、具体的には、剛球647とロータ645との当接部が、チップ部材643とロータ645との当接部の回転軸6451に対する略軸対称の位置となるような位置に配置されている。この圧接機構680では、例えば摩擦係数が小さく且つ回転自在な剛球647が、圧接バネ648によって径方向外向きに付勢されてロータ645の内周壁面に圧接されるとともに、剛球647が基台649に対して上記径方向に移動可能となるよう基台649及び蓋部材650によって保持(挟持)されている。剛球647及び圧接バネ648は、その周囲に設けられた規制部材653によってロータ645に圧接する方向が規制されている(ロータ645に対して一方向に荷重が掛かるように構成されている)。
このような構成により、チップ部材643がロータ645を圧接する力と、剛球647がロータ645を圧接する力とが略均衡し、回転軸6451及び軸受部6491に対して一方向につまり偏って荷重が加わらないようになっている。なお、上述したように回転可能な剛球647がロータ645に圧接される構成であるため、ロータ645の回転運動を妨げることなく剛球647をロータ645に圧接させることができ(剛球647とロータ645との間に発生する摩擦力を小さくすることができ)、回転軸6451や軸受部6491に対する負荷を軽減することができる。
なお、圧電駆動装置1は、上記首振り機構に限らず、例えばレンズ駆動(ズーム、フォーカス)或いは手ぶれ補正駆動等、種々の駆動機構に適用可能である。
以上のように、本実施形態の駆動回路(駆動回路20、30或いは後述の駆動回路700、700’、720)によれば、複数の圧電素子(第1及び第2圧電素子10、10’)から構成されて、所定の駆動状態において該複数の圧電素子のうちの少なくとも1つの圧電素子が実質的に閉回路として構成されて他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータ100における各圧電素子に対して該駆動回路が設けられており、この駆動回路は、圧電素子(第1及び第2圧電素子10、10’)と直列に接続された昇圧用のインダクタ21、31と、これら圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、圧電素子の端子間を実質的に閉状態とすることが可能に構成された閉じ手段(コンデンサ22、32或いは後述の駆動回路700、700’、720におけるスイッチ701〜703)とを備えて、圧電素子が従動素子として機能する場合に、該従動素子の端子間が閉じ手段により実質的に閉状態となるように駆動される。
このように、圧電素子と直列に昇圧用のインダクタが接続された構成であるので、当該圧電素子とインダクタとによる直列共振(電気共振)を利用することで、圧電アクチュエータ100を低電圧駆動することが可能となるとともに、圧電素子が従動素子として機能する場合に、従動素子の端子間が閉じ手段により実質的に閉状態となる、すなわち従動素子の端子間が例えば短絡して閉じた状態(閉回路)となる構成であるので、圧電素子の制止コンデンサCd(コンデンサ容量)と昇圧用のインダクタLのインダクタンスとの並列共振によって従動素子の端子間がハイインピーダンスとなり駆動特性が低下するのを防止することが可能となり、高性能且つ簡易な構成(低コスト)の駆動回路を実現することができる。
また、上記閉じ手段は、圧電素子に対して並列に該圧電素子の端子間に接続されたコンデンサ22、32であり、圧電素子が従動素子として機能する場合に、コンデンサ(コンデンサ32)により圧電素子の端子間を短絡させる(交流的に短絡させる)べくH型ブリッジの全てのスイッチ(スイッチング動作部;第1〜第4スイッチSW1〜SW4)を開状態(オフ)とするので、より簡易な構成及び動作によって、低電圧駆動を可能とし且つ駆動特性の低下防止が可能な圧電アクチュエータ100の駆動回路を容易に得ることができる。
また、コンデンサ容量Cは上記(1)の規定に示す2Cd≦Cの関係を満たすものであるので、このように「2Cd」といった所定値を基準として、例えば圧電素子の端子間が完全短絡状態になる場合と同等の特性を得るといった所望の特性を得るためのコンデンサ容量Cを容易に設定することが可能となる。
また、圧電素子及び該圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタによる直列共振周波数(上記(1-1)式に示すfs)が圧電アクチュエータ100の機械共振周波数(上記(1-2)式に示すfm)と略一致するように駆動されるので、圧電アクチュエータ100を低電圧駆動することができる。
また、圧電アクチュエータ100は、複数の圧電素子である第1及び第2の圧電素子10、10’と、該第1及び第2の圧電素子10、10’を支持するベース部材12と、該第1及び第2の圧電素子10、10’それぞれに結合されたチップ部材11(結合部材)とを備え、第1及び第2の圧電素子10、10’のいずれか一方の駆動及び他方の従動に伴ってチップ部材11が楕円運動又は円運動するトラスアクチュエータであるので、上記構成の駆動回路20、30を用いて、このトラスアクチュエータの低電圧駆動、及び駆動特性の低下防止が可能となる。
また、本発明に係る撮像装置(撮像装置60)によれば、複数の圧電素子(第1及び第2圧電素子10、10’)から構成され、所定の駆動状態において、該複数の圧電素子のうちの少なくとも1つの圧電素子が実質的に閉回路として構成されて他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータ100の当該各圧電素子に対して設けられ、圧電素子(第1及び第2圧電素子10、10’)と直列に接続された昇圧用のインダクタ21、31と、これら圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、圧電素子の端子間を実質的に閉状態とすることが可能に構成された閉じ手段(コンデンサ22、32或いは後述の駆動回路700、700’、720におけるスイッチ701〜703)とを備えた駆動回路(駆動回路20、30或いは後述の駆動回路700、700’、720)によって、圧電素子が従動素子として機能する場合に、該従動素子の端子間が閉じ手段により実質的に閉状態となるように駆動される。
このように、圧電素子と直列に昇圧用のインダクタが接続された構成であるので、当該圧電素子とインダクタとによる直列共振(電気共振)を利用することで、圧電アクチュエータ100を低電圧駆動することが可能となるとともに、圧電素子が従動素子として機能する場合に、従動素子の端子間が閉じ手段により実質的に閉状態となる、すなわち従動素子の端子間が例えば短絡して閉じた状態(閉回路)となる構成であるので、圧電素子の制止コンデンサCd(コンデンサ容量)と昇圧用のインダクタLのインダクタンスとの並列共振によって従動素子の端子間がハイインピーダンスとなり駆動特性が低下するのを防止することが可能な、高性能且つ簡易な構成(低コスト)の駆動回路を備えた撮像装置を実現することができる。
なお、本発明は以下の変形態様をとることができる。
(A)上記実施形態では、図2に示すように圧電素子と並列にコンデンサを接続し、従動素子側においては、Hブリッジ回路の全てのスイッチをオフ(開状態)にして該従動素子の端子間を閉状態とする(交流的に短絡させる)構成としているが、これに限定されず、例えば図7に示す駆動回路700のように、各圧電素子の駆動回路において、上記コンデンサを設ける代わりに、圧電素子及びインダクタ間と、Hブリッジ回路のGND側との間に所定のスイッチ701を備え、従動素子側においては、該従動素子(ここでは、第2圧電素子10’)の両端部のスイッチ701と第2スイッチSW2とを共にオンにすることで(これ以外のスイッチはオフにする)、従動素子の端子間を閉状態とする構成としてもよい。ただし、この場合、駆動素子側では、図2に示す駆動回路20と同様、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2、第3スイッチSW3及び第4スイッチSWがそれぞれペアでスイッチングされる。なお、この駆動回路700は同図中に示す等価回路710で表される(図3に示す等価回路300のコンデンサ32が削除されたものが等価回路710に相当する)。
(B)上記変形態様(A)における駆動回路700のスイッチ701は、具体的には、以下に示す回路構成であってもよい。すなわち図8に示すように、スイッチ701(ここではスイッチ回路701と表現する)は、例えば抵抗R1〜R4と、pnp型のトランジスタTr1と、npn型のトランジスタTr2、Tr3とを備えて構成され、トランジスタTr2のコレクタ側が後述の信号線711に接続されている。なお、モータドライバ710は、駆動回路700における第2圧電素子10’(第1圧電素子10)を駆動するドライバであり、上記Hブリッジ回路(第1〜第4スイッチSW1〜SW4)及び該Hブリッジ回路のスイッチング駆動を行う回路等に相当する。
圧電アクチュエータ100の駆動時、上述したように従動素子に起電力が生じる。この生じた起電力により、符号711で示す位置(信号線711;図7参照)にはAC電圧(AC(交流)的な正負の電位)が掛かる。このような起電力によってトラス(圧電アクチュエータ100)の共振が阻害され、効率が低下する。そのために、駆動素子側ではハイインピーダンスとなり、受動素子側では当該発生したAC電圧(起電力)をGNDへ短絡させることが可能な回路構成を有するスイッチ回路701が各圧電素子に対して必要となる。このスイッチ回路701の動作シーケンスは、以下(a)、(b)の場合に大別される。
(a)駆動素子側において、スイッチ回路701をインダクタ21及び第1圧電素子10と切り離す場合。すなわち、スイッチ回路701のA点をオープンにする場合。この場合、入力信号SigAとしてHIGH(ハイ)の信号を入力すると、トランジスタTr1がオフとなり、B点の電位が不定となってトランジスタTr2、Tr3が共にオフとなる。トランジスタTr2、Tr3がオフとなることにより、トランジスタTr2のコレクタ側はハイインピーダンスとなり、スイッチ回路701が本回路(駆動素子側の駆動回路700)から切り離される。なお、このとき、A点には例えば図9(a)に示すような、駆動時の波形、すなわちモータドライバ710の電力による波形が現れる。
(b)従動素子側において、スイッチ回路701をインダクタ31及び第2圧電素子10’と接続する場合。すなわち、スイッチ回路701のA点をクローズにする場合。この場合、入力信号SigAとしてLOW(ロー)の信号を入力すると、トランジスタTr1がオンとなり、また、トランジスタTr2、Tr3が共にオンとなる。トランジスタTr2、Tr3がオンとなることにより、本回路(従動素子側の駆動回路700)に発生した上記信号線401に掛かるAC電圧は、GNDレベルへ誘導される。なお、この信号線401に掛かるAC電圧、すなわち信号線401と接続されたスイッチ回路701のA点(トランジスタTr2のコレクタ側)に掛かるAC電圧の波形(仮に入力信号SigAがHIGHの信号のままとなっている場合、或いはSigAがLOW信号になっていない場合の従動素子の起電力による波形)は、例えば図9(b)に示すような波形(従動時の波形)となるが、入力信号SigAがLOW信号とされる時には、このAC電圧波形は、GNDレベルへ誘導されることで、図9(c)に示すように波形が無いものとなる、すなわち、従動素子に発生したAC電圧はGNDへ短絡(アース)されて消滅する。
(C)上記変形態様(A)の駆動回路700(各駆動回路)は、図1に示すように圧電素子(インダクタ)を挟んでスイッチ701の位置と反対側の位置に、すなわち圧電素子及びインダクタ間と、Hブリッジ回路の駆動電源側との間にスイッチ702を設けた駆動回路700’としてもよい。この場合も、上述と同様、従動素子側において、該従動素子(第2圧電素子10’)の両端部のスイッチ702と第3スイッチSW3とを共にオンにすることで(これ以外のスイッチはオフにする)、従動素子の端子間が閉状態となる。また、このスイッチ702は、上記スイッチ回路701と同様の構成を備えた回路であってもよい。
(D)図11に示す駆動回路720のように、各圧電素子の駆動回路において、インダクタ(図11ではインダクタ31)と並列に該インダクタの端子間にスイッチ703を設ける構成としてもよい。この場合、従動素子側において、スイッチ703と共に、第2及び第4スイッチSW2、SW4、或いは第1及び第3スイッチSW1、SW3をオンにすることで、該従動素子の端子間が閉状態となる。
本発明に係る駆動回路の一適用例である圧電駆動装置の概略構成図である。 本実施形態に係る第1及び第2圧電素子の駆動回路の一例を示す図である。 上記図2に示す各駆動回路の等価回路を示す図である。 上記駆動回路の従動素子間がハイインピーダンスとなり不具合が発生する場合を説明するための図である。 上記圧電駆動装置(駆動回路及び圧電アクチュエータ)の一適用例である撮像装置を示す斜視図である。 上記撮像装置の第1駆動ユニット及び第2駆動ユニットの構成について説明する図である。 上記図2に示す駆動回路の一変形例を示す図である。 上記図7に示す駆動回路におけるスイッチ回路の一例を示す図である。 上記図8に示すスイッチ回路のA点における波形図であり、(a)は駆動時のA点の波形、(b)は従動時のA点の波形、(c)は入力信号SigAがLOW時のA点の波形を示す図である。 上記図7に示す駆動回路の一変形例を示す図である。 上記図2に示す駆動回路の一変形例を示す図である。 従来の駆動回路を示す図である。 上記図12に示す駆動回路の駆動信号の一例を示す波形図である。 上記図12に示す駆動回路の等価回路を示す図である。 従来の駆動回路を示す図である。 上記図15に示す駆動回路の等価回路を示す図である。 従来の圧電駆動装置(圧電アクチュエータ)を示す図であり、(a)は被駆動体を右方向に移動させる場合、(b)は被駆動体を左方向に移動させる場合を示す図である。
1 圧電駆動装置
10 第1圧電素子(圧電素子、第1の圧電素子)
10’ 第2圧電素子(圧電素子、第2の圧電素子)
11 チップ部材(結合部材)
12 ベース部材
13 駆動電源
14 駆動制御部
20、30、700、700’、720 駆動回路
21、31 インダクタ
22、32 コンデンサ(閉じ手段)
23 制止コンデンサ
24 等価インダクタ
25 負荷
26 等価静電容量
27 機械腕
60 撮像装置
61 撮像ユニット
62 第1駆動ユニット
63 第2駆動ユニット
100 圧電アクチュエータ
200、300、710 等価回路
670 トラスアクチュエータ
680 圧接機構
701 スイッチ又はスイッチ回路(閉じ手段)
702、703 スイッチ(閉じ手段)

Claims (14)

  1. 複数の圧電素子から構成され、所定の駆動状態において、該複数の圧電素子のうちの少なくとも1つの圧電素子が他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータを駆動するための駆動回路であって、
    駆動回路は、前記複数の圧電素子それぞれに対して設けられ、
    前記圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタと、
    前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、
    前記圧電素子の端子間に、当該圧電素子と直列に接続されている前記インダクタを含まないように回路を形成可能に構成された開閉可能な閉じ手段とを備え、
    前記圧電素子が前記従動素子として機能する場合に、前記開閉可能な閉じ手段が閉じることにより、該従動素子の端子間が前記インダクタを介することなく閉状態となるように駆動することを特徴とする駆動回路。
  2. 前記閉じ手段は、前記インダクタと圧電素子との接続点と、前記H型ブリッジの接地側または駆動電源側とを開閉可能に接続するスイッチを有し、当該スイッチが閉となるときに、当該スイッチと前記H型ブリッジとにより、前記従動素子の端子間が、前記インダクタを介することなく閉状態となるように、前記スイッチとH型ブリッジとのスイッチングが制御されることを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
  3. 前記閉じ手段は、前記インダクタの端子間を開閉可能に接続するスイッチを有し、当該スイッチが閉となるときに、当該スイッチと前記H型ブリッジとにより、前記従動素子の端子間が、前記インダクタを介することなく閉状態となるように、前記スイッチとH型ブリッジとのスイッチングが制御されることを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
  4. 複数の圧電素子から構成され、所定の駆動状態において、該複数の圧電素子のうちの少なくとも1つの圧電素子が他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータを駆動するための駆動回路であって、
    該駆動回路は、前記複数の圧電素子それぞれに対して設けられ、
    前記圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタと、
    前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、
    前記圧電素子に対して並列に該圧電素子の端子間に接続されたコンデンサとを備え、
    前記圧電素子が前記従動素子として機能する場合に、前記コンデンサにより圧電素子の端子間を短絡させて閉回路とすべく前記H型ブリッジの全てのスイッチを開状態とすることを特徴とする駆動回路。
  5. 前記コンデンサの容量をCとすると、容量Cは以下の(1)式に示す関係を満たすことを特徴とする請求項記載の駆動回路。
    2Cd≦C ・・・(1)
    但し、Cd:誘電体としての圧電素子の等価コンデンサ容量。
  6. 前記圧電素子及び該圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタによる直列共振周波数が、前記圧電アクチュエータの機械共振周波数と略一致するように駆動することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の駆動回路。
  7. 前記圧電アクチュエータは、前記複数の圧電素子である第1及び第2の圧電素子と、該第1及び第2の圧電素子を支持するベース部材と、該第1及び第2の圧電素子それぞれに結合された結合部材とを備え、
    前記第1及び第2の圧電素子のいずれか一方の駆動及び他方の従動に伴って前記結合部材が楕円運動又は円運動するトラス型アクチュエータであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の駆動回路。
  8. 複数の圧電素子を備え、所定の駆動状態において、該複数の圧電素子のうちの少なくとも1つの圧電素子が他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータと、
    前記複数の圧電素子それぞれに対して設けられ、前記圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタと、前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、前記圧電素子の端子間に、当該圧電素子と直列に接続されている前記インダクタを含まないように回路を形成可能に構成された開閉可能な閉じ手段とを備え、前記圧電素子が前記従動素子として機能する場合に、前記開閉可能な閉じ手段が閉じることにより、該従動素子の端子間が前記インダクタを介することなく閉状態となるように駆動する駆動回路とを備えることを特徴とする撮像装置
  9. 前記閉じ手段は、前記インダクタと圧電素子との接続点と、前記H型ブリッジの接地側または駆動電源側とを開閉可能に接続するスイッチを有し、当該スイッチが閉となるときに、当該スイッチと前記H型ブリッジとにより、前記従動素子の端子間が、前記インダクタを介することなく閉状態となるように、前記スイッチとH型ブリッジとのスイッチングが制御されることを特徴とする請求項8記載の撮像装置。
  10. 前記閉じ手段は、前記インダクタの端子間を開閉可能に接続するスイッチを有し、当該スイッチが閉となるときに、当該スイッチと前記H型ブリッジとにより、前記従動素子の端子間が、前記インダクタを介することなく閉状態となるように、前記スイッチとH型ブリッジとのスイッチングが制御されることを特徴とする請求項8記載の撮像装置。
  11. 複数の圧電素子を備え、所定の駆動状態において、該複数の圧電素子のうちの少なくとも1つの圧電素子が他の圧電素子の駆動に対する従動素子として機能する圧電アクチュエータと、
    前記複数の圧電素子それぞれに対して設けられ、前記圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタと、前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うH型ブリッジと、前記圧電素子に対して並列に該圧電素子の端子間に接続されたコンデンサとを備え、前記圧電素子が従動素子として機能する場合に、前記コンデンサにより圧電素子の端子間を短絡させて閉回路とすべく前記H型ブリッジの全てのスイッチを開状態とすることを特徴とする撮像装置。
  12. 前記コンデンサの容量をCとすると、容量Cは以下の(1)式に示す関係を満たすことを特徴とする請求項11記載の撮像装置。
    2Cd≦C ・・・(1)
    但し、Cd:誘電体としての圧電素子の等価コンデンサ容量。
  13. 前記圧電素子及び該圧電素子と直列に接続された昇圧用のインダクタによる直列共振周波数が、前記圧電アクチュエータの機械共振周波数と略一致するように駆動することを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の撮像装置。
  14. 前記圧電アクチュエータは、前記複数の圧電素子である第1及び第2の圧電素子と、該第1及び第2の圧電素子を支持するベース部材と、該第1及び第2の圧電素子それぞれに結合された結合部材とを備え、
    前記第1及び第2の圧電素子のいずれか一方の駆動及び他方の従動に伴って前記結合部材が楕円運動又は円運動するトラス型アクチュエータであることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の撮像装置。
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