JP2007143269A - 駆動回路及びこれを用いた撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電アクチュエータの駆動回路における昇圧用インダクタの個数低減及び各圧電素子に対応する回路の削減。
【解決手段】複数の圧電素子(第1及び第2圧電素子10、10’)から構成される圧電アクチュエータを少なくとも1つ駆動する駆動回路20に、複数の圧電素子と直列に1つ接続された昇圧用のインダクタ21と、各圧電素子及びインダクタ21を駆動するべく所定のスイッチング動作を行うスイッチング動作部(第1〜第6スイッチSW1〜SW6)とを備え、スイッチング動作部によるスイッチング動作に応じて、インダクタ21と、該インダクタ21により昇圧する上記複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続を切り替える。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧電アクチュエータを駆動する駆動回路及びこれを用いた撮像装置に関し、特に、複数の圧電素子から構成され、その機械共振を利用した圧電アクチュエータ(トラス型アクチュエータ)を駆動する駆動回路及びこれを用いた撮像装置に関する。
従来、複数の圧電素子から構成され、その機械共振を利用した圧電アクチュエータ、例えばトラス型アクチュエータ(以降、トラスアクチュエータという)が知られている(例えば特許文献1、2参照)。このトラスアクチュエータは、例えば図11(a)、(b)に示すトラスアクチュエータ900のように、第1及び第2圧電素子901、902の2つの圧電素子、チップ部材903及びベース部材904から構成されており、一定の押圧力によってチップ部材903が被駆動体905に押し付けられた状態となっている。この状態で、被駆動体905を図11(a)に示すように右方向に移動させる場合、トラスアクチュエータ900は、同図中、左側の第1圧電素子901を駆動し(この駆動側の圧電素子を駆動素子という)、右側の第2圧電素子902の端子間を短絡状態にして第1圧電素子901の駆動(主動)に対して従動させる(この従動側の圧電素子を従動素子という)。また、被駆動体905を図11(b)に示すように左方向に移動させる場合、トラスアクチュエータ900は、右側の第2圧電素子902を駆動し(第2圧電素子902が駆動素子となる)、左側の第1圧電素子901の端子間を短絡状態にする(第1圧電素子901が従動素子となる)。このように被駆動体905の移動方向に応じて、トラスアクチュエータ900の各圧電素子における駆動素子側と従動素子側とが入れ替わる構成となっている。なお、以降、圧電素子(駆動素子又は従動素子)の端子間のことを、適宜、圧電素子間(駆動素子間又は従動素子間)と表現するものとする。
ところで、圧電アクチュエータは、高応答で且つ高精度位置決めが可能である。この圧電アクチュエータをカメラ等に搭載することで、AF(オートフォーカス)や手振れ補正の性能向上が期待される。圧電アクチュエータを例えばバッテリー駆動の小型機器に搭載するためには、圧電アクチュエータを低電圧駆動させることが要求される。すなわち、低電圧駆動を行うことができれば、電池による駆動(電池直駆動)が容易となり、DC/DCコンバータ等を排除又は小型化することができ、これにより、圧電アクチュエータの駆動回路が小型化されて(低コスト化も図れる)、上記バッテリー駆動の小型機器への搭載が容易となる。
そこで、上記トラスアクチュエータにおいてこの低電圧駆動を行うために、圧電素子と直列に昇圧用のインダクタが接続され、これにより得られる直列共振(電気共振)が利用される。圧電素子とインダクタとが直列共振状態にあるとき、圧電素子間には最大電圧が印加される。この直列共振状態での直列共振周波数を、トラスアクチュエータの上記機械共振の周波数(機械共振周波数)とほぼ一致させて駆動することで、低電圧駆動が可能となる。
特開2001−54291号公報 特開2001−258278号公報
しかしながら、上記従来技術では、駆動時、駆動素子側のインダクタは上記直列共振回路(昇圧回路)として機能するものの、従動素子側のインダクタは特に何も機能しない。一般的にコンデンサは小型であるが、昇圧用のインダクタはコンデンサと比べてかなり大型である。したがって、圧電アクチュエータの回路規模を小さくするためには、このインダクタの個数を削減する必要がある。現状では、圧電素子1個に対して1個のインダクタ(上記トラスアクチュエータ1個に対しては2個のインダクタ)が必要である。したがって、複数の圧電素子を備えた圧電アクチュエータを構成する場合、少なくともこの圧電素子の数だけインダクタが必要となる。また、圧電アクチュエータの回路規模を小さくするためには、このインダクタの個数を削減するとともに、各圧電素子に対応する該圧電素子の駆動に必要な回路(現状では、1つの圧電素子に対して後述する1つのHブリッジ回路が必要)についても削減することが必要となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、インダクタの個数を最小限に抑える(削減する)ことができ、或いは各圧電素子に対応する回路を削減する(回路規模を縮小する)ことができ、ひいては駆動回路の小型化、低コスト化を図ることが可能な駆動回路及びこれを用いた撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係る駆動回路は、複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路であって、前記駆動回路は、前記複数の圧電素子と直列に1つ接続されたインダクタと、前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うスイッチング動作部とを備え、前記スイッチング動作部によるスイッチング動作に応じて、前記インダクタと、前記複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続を切り替えることを特徴とする。
上記構成によれば、複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路であって、複数の圧電素子と直列に1つ接続されたインダクタと、圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うスイッチング動作部とを備える駆動回路によって、スイッチング動作部によるスイッチング動作に応じて、インダクタと、複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続が切り替えられる。
また、上記構成において、前記スイッチング動作部は、H型ブリッジ回路の半分の構成を有してなるハーフブリッジ回路からなり、前記インダクタの前記圧電素子と接続されていない端子を1つのハーフブリッジ回路に、前記複数の圧電素子それぞれの前記インダクタと接続されていない端子を1つのハーフブリッジ回路に接続することが好ましい。
また、上記構成において、複数の前記圧電アクチュエータユニットを同位相で駆動する場合に、各圧電アクチュエータユニットのそれぞれの対応する圧電素子の少なくとも一端子側を、前記ハーフブリッジ回路における同じスイッチを用いて駆動することが好ましい。
また、本発明に係る駆動回路は、複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路であって、複数のスイッチから構成され、前記複数の圧電素子の少なくとも一端子側を同じスイッチを用いて駆動することが可能に構成されたスイッチング動作部を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路における、複数のスイッチから構成されたスイッチング動作部によって、複数の圧電素子の少なくとも一端子側が該スイッチング動作部の同じスイッチを用いて駆動される。
また、上記構成において、前記駆動回路は、複数の前記圧電アクチュエータユニットを同位相で駆動する場合に、各圧電アクチュエータユニットにおける前記同位相の駆動に対応する圧電素子の少なくとも一端子側を、前記スイッチング動作部における同じスイッチを用いて駆動することが好ましい。
また、上記構成において、前記複数の圧電素子それぞれと直列に接続された1つのインダクタをさらに備えることが好ましい。
また、本発明に係る撮像装置は、複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路であって、前記複数の圧電素子それぞれと直列に接続された1つのインダクタと、前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うスイッチング動作部とを有し、前記スイッチング動作部によるスイッチング動作に応じて、前記インダクタと、該インダクタとの共振により印加電圧を昇圧させる前記複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続を切り替える駆動回路を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、撮像装置における、複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路であって、複数の圧電素子それぞれと直列に接続された1つのインダクタと、圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うスイッチング動作部とを有する駆動回路によって、スイッチング動作部によるスイッチング動作に応じて、インダクタと、該インダクタとの共振により印加電圧を昇圧させる複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続が切り替えられる。
また、本発明に係る撮像装置は、複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路であって、複数のスイッチから構成され、前記複数の圧電素子の少なくとも一端子側を同じスイッチを用いて駆動することが可能に構成されたスイッチング動作部を有する駆動回路を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、撮像装置における、複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路が有する、複数のスイッチから構成されたスイッチング動作部によって、複数の圧電素子の少なくとも一端子側が該スイッチング動作部の同じスイッチを用いて駆動される。
請求項1記載の発明によれば、インダクタが複数の圧電素子と直列に1つ接続され、また、スイッチング動作部によって、インダクタと複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続が切り替えられる構成であるので、圧電アクチュエータユニットの駆動において複数の圧電素子に対して1つのインダクタを共用することが可能となり、したがって、占有面積の大きいインダクタの使用個数を最小限に抑える(削減する)ことができ、ひいては駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、スイッチング動作部が、インダクタの圧電素子と接続されていない端子が1つのハーフブリッジ回路に、複数の圧電素子それぞれのインダクタと接続されていない端子が1つのハーフブリッジ回路に接続される構成であるので、1つの圧電素子に対して1つのHブリッジ回路を使用することなく、すなわち、この場合、例えば2個の圧電素子に対してハーフブリッジ回路4つ相当の回路規模となるところ、該2個の圧電素子に対して3つのハーフブリッジ回路で済むことになり、Hブリッジ回路の使用個数を少なくして回路規模を縮小することができる。これにより、上記インダクタの削減と合わせて、より駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
請求項3記載の発明によれば、複数の圧電アクチュエータユニットを同位相で駆動する場合に、各圧電アクチュエータユニットのそれぞれの対応する圧電素子の少なくとも一端子側が、スイッチング動作部におけるハーフブリッジ回路の同じスイッチを用いて駆動される(或るスイッチが共用される)構成であるので、例えば4個の圧電アクチュエータユニット(各圧電アクチュエータユニットは例えば2個の圧電素子を備えている)に対してHブリッジ回路を8つ備える回路規模となるところ、該4個の圧電アクチュエータユニットに対して3つのハーフブリッジ回路或いは2つのHブリッジ回路で済むことになり、ハーフブリッジ回路或いはHブリッジ回路の使用個数を少なくして回路規模を縮小することができる。これにより、上記インダクタの削減と合わせて、より駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
請求項4記載の発明によれば、圧電アクチュエータユニットにおける複数の圧電素子の少なくとも一端子側が、スイッチング動作部の同じスイッチを用いて駆動される構成であるので、圧電アクチュエータユニットの駆動において複数の圧電素子に対してスイッチング動作部のスイッチを共用することが可能となり、したがって、各圧電素子に対応する回路を削減する(回路規模を縮小する)ことができ、ひいては駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
請求項5記載の発明によれば、同位相で駆動される各圧電アクチュエータユニットの圧電素子の少なくとも一端子側が、スイッチング動作部における同じスイッチを用いて駆動される構成であるので、複数の圧電アクチュエータユニットの駆動において、各圧電アクチュエータユニットの圧電素子に対してスイッチング動作部のスイッチを共用することが可能となり、したがって、各圧電アクチュエータユニット(圧電素子)に対応する回路を削減する(回路規模を縮小する)ことができ、ひいては駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
請求項6記載の発明によれば、1つのインダクタが複数の圧電素子それぞれと直列に接続される構成であるので、圧電アクチュエータユニットの駆動において複数の圧電素子に対して1つのインダクタを共用することが可能となり、したがって、占有面積の大きいインダクタの使用個数を最小限に抑える(削減する)ことができる。これにより、上記回路規模の削減と合わせて、より駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
請求項7記載の発明によれば、1つのインダクタが複数の圧電素子それぞれと直列に接続され、また、スイッチング動作部によって、インダクタと該インダクタとの共振により印加電圧を昇圧させる複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続が切り替えられる構成であるので、撮像装置における圧電アクチュエータユニットの駆動において、複数の圧電素子に対して1つのインダクタを共用することが可能となり、したがって、占有面積の大きいインダクタの使用個数を最小限に抑える(削減する)ことができ、ひいては駆動回路の小型化、低コスト化が図られた撮像装置を得ることができる。
請求項8記載の発明によれば、圧電アクチュエータユニットにおける複数の圧電素子の少なくとも一端子側が、スイッチング動作部の同じスイッチを用いて駆動される構成であるので、撮像装置における圧電アクチュエータユニットの駆動において、複数の圧電素子に対してスイッチング動作部のスイッチを共用することが可能となり、したがって、各圧電素子に対応する回路を削減する(回路規模を縮小する)ことができ、ひいては駆動回路の小型化、低コスト化が図られた撮像装置を得ることができる。
図1は、本発明に係る駆動回路の一適用例である圧電駆動装置の概略構成図である。図1に示すように、圧電駆動装置1は、トラスアクチュエータである圧電アクチュエータ100を構成する、第1圧電素子10、第2圧電素子10’、チップ部材11及びベース部材12と、圧電アクチュエータ100を駆動するための駆動電源13及び駆動制御部14とを備えている。第1及び第2圧電素子10、10’は、それぞれ印加される電圧に応じて伸縮する変位素子であり、この伸縮に応じて振動を発生させるものである。第1及び第2圧電素子10、10’は、それぞれPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電特性を示すセラミック薄板101と電極102(103)とが交互に積層されてなり、各セラミック薄板101と各電極102(103)とは互いに固着されている。この1つおきに配置された電極102、103(電極群)は、それぞれ信号線L1、L2(信号線L1’、L2’)を介して駆動電源13に接続されている。信号線L1、L2(信号線L1’、L2’)間に所定の電圧を印加すると、電極102、103に挟まれたセラミック薄板101には、その積層方向に電界が発生し、1つおきに分極(電界)の向きが同じになる(隣接するセラミック薄板101同士は分極が逆になる)。なお、第1及び第2圧電素子10、10’は、同図に示すように略直角(「L」字状)に交差して配置されている。
チップ部材11は、第1圧電素子10又は第2圧電素子10’の伸縮により振動され、この振動によって、チップ部材11と圧接された被駆動体であるロータ111を回転運動させるものである。チップ部材11は、例えば安定して高い摩擦係数が得られ且つ耐摩耗性に優れたタングステン等の材質からなり、第1及び第2圧電素子10、10’の交差側端部に固着されるなどして結合されている。換言すれば、第1及び第2圧電素子10、10’はチップ部材11を介して一体的に接合されている。
ベース部材12は、第1及び第2圧電素子10、10’並びにチップ部材11を支持するものであり、第1及び第2圧電素子10、10’の上記交差側端部と反対側の端部がベース部材12に固定されている。なお、ベース部材12は、例えば製造が容易で且つ強度に優れたステンレス鋼等からなる。
駆動電源13は、交流の駆動電圧を各電極102、103に供給する電力供給源(交流電源)である。ここでは、上記駆動電圧は例えば±1VMの大きさである(1VM=7[V]程度の電圧)。駆動制御部14は、第1及び第2圧電素子10、10’の駆動を制御するものである。駆動制御部14は、後述する駆動回路20、30や駆動回路40、40’及び50を備えており、第1及び第2圧電素子10、10’に対する駆動電源13からの電力供給を制御する、具体的には第1及び第2圧電素子10、10’のいずれか一方を選択して駆動電源13からの電力供給を行う。
このように、駆動制御部14によって圧電アクチュエータ100の第1及び第2圧電素子10、10’のいずれか一方のみに電力供給を行い、例えば第1圧電素子10を駆動させると、この第1圧電素子10の振動がベース部材12を介して第2圧電素子10’に伝達され、第2圧電素子10’が所定の位相差をもって共振する。これにより、チップ部材11が同図中に示すような楕円(又は円)を描くように駆動する。このチップ部材11を例えば所定の軸周りに回転可能なロータ111の円筒面に押し付けることで、ロータ111を回転運動させることができる、すなわちチップ部材11の楕円運動(円運動を含む)をロータ111の回転運動に変換することができる。なお、チップ部材11を例えば棒状(直線状)の部材に押し付けた場合には、このチップ部材11の楕円運動を該棒状部材の直線運動に変換することができる。
ここで、続いて図2に示す本発明の説明をする前に、図10を用いて、圧電アクチュエータ(トラスアクチュエータ)の各圧電素子の駆動原理について説明する。同図に示す回路は、従来において圧電アクチュエータの圧電素子それぞれに対して設けられる2つの駆動回路を示しており、駆動回路800は、駆動素子として機能している例えば上記第2圧電素子10に対して設けられたものであり、駆動回路820は、従動素子として機能している上記第2圧電素子10’に対して設けられたものである。これら駆動回路800、820は同じ回路構成を有しており、ここでは、駆動回路800が駆動素子側、駆動回路820が従動素子側となる場合を示している。
駆動回路800、820は、それぞれ第1〜第4スイッチSW10〜SW40を備えた、スイッチング素子である所謂H型ブリッジ(以降、Hブリッジという)回路、インダクタ801、821(L)及びコンデンサ802、822(C)を備えている。インダクタ801、821は、昇圧用のインダクタであり、それぞれ第1及び第2圧電素子10、10’の一端子側に直列に接続されている。コンデンサ802、822は、それぞれ第1及び第2圧電素子10、10’の端子間に該圧電素子と並列に接続されている。
駆動回路800は、駆動素子(第1圧電素子10)を充電させるための正の駆動電圧、及び駆動素子を放電(逆方向充電)させるための負の駆動電圧を交互に発生させ、これら正負の駆動電圧からなる駆動信号(矩形波)を出力し、駆動素子を圧電アクチュエータ100の機械共振周波数付近の周波数で駆動させる。この駆動素子の駆動時には、Hブリッジにおける第1スイッチSW10及び第2スイッチSW20と、第3スイッチSW30及び第4スイッチSW40とがそれぞれペアとなって(対になって)スイッチング動作、すなわちオン、オフの切り替えが行われる。次に、このスイッチングによる駆動時には、駆動素子の端子間(上記電極102、103間、或いは信号線L1、L2間)には、駆動電源13からの交流電圧(例えば±1VM)により例えば約2VM以上の電圧が印加される(昇圧用インダクタ801により2VM以上に昇圧される)。ただし、1VM=7[V]程度の電圧である。なお、駆動回路800に対する上記正負の駆動電圧を発生させるための駆動指示信号は、駆動制御部14内の例えばインバータ(反転回路)(図示省略)によって発生されてもよい。このインバータによる駆動指示信号の発生は、駆動制御部14内の水晶発振子等の発振素子(図示省略)による所定周波数のクロック信号に基づいて行われてもよい。
一方、駆動回路820は、駆動回路800による第1圧電素子10の駆動時、Hブリッジにおける第1〜第4スイッチSW10〜SW40を全てオフ(開状態)にして、従動素子(第2圧電素子10’)の端子間を短絡(ショート)状態とする(正確には、後述するようにインピーダンスを下げる)。
ところで、駆動回路800、820は、上述したように各圧電素子と直列に昇圧用のインダクタ801、821が接続された構成となっているが、これにより、圧電素子とインダクタとで直列共振を起こすようになる。圧電素子とインダクタとが直列共振状態にあるとき、すなわち直列共振周波数で共振しているとき、圧電素子間には最大電圧が印加される。この直列共振周波数fsを圧電アクチュエータ(トラスアクチュエータ)の機械共振周波数fmと略一致させて(fs≒fm)駆動することで、低電圧駆動が可能となる。
また、駆動回路800、820は、上述したように各圧電素子と並列にコンデンサ802、822が接続された構成となっているが、このような回路構成を備えて、上記従動素子側において全てのスイッチSW10〜SW40がオフにされることにより、該従動素子間がハイインピーダンス状態となるのを防止することが可能となる。このことについて説明する。一般的に、各圧電素子はその等価回路を考えた場合、制止コンデンサ(Cd)、等価インダクタ(Lm)、負荷(r0)及び等価静電容量(Cm)を用いて表すことができる。制止コンデンサとは、圧電素子を通常の誘電体(コンデンサ)として見なした場合のコンデンサ容量(キャパシティ)(等価コンデンサ容量と表現する)であり、等価インダクタとは、圧電素子の質量の作用をこれと等価のインダクタのインダクタンスに置き換えたものであり、負荷とは、圧電素子の負荷損失を表す抵抗であり、等価静電容量とは、圧電素子のばね作用をこれと等価の静電容量に置き換えたものである。また、これら等価インダクタ、負荷及び等価静電容量の3つによって圧電素子の所謂機械腕が構成される。
駆動回路800によって駆動素子(第1圧電素子10)が駆動されると、駆動素子は駆動周波数で伸縮運動を行い、この駆動素子の伸縮運動は従動素子(第2圧電素子10’)に伝達され、従動素子も駆動周波数と同じ周波数で伸縮運動を行う。従動素子は、外力により伸縮すると、その伸縮する周期で起電力を発生する。このとき、従動素子の上記機械腕は交流電源である駆動電源13と等価になる。ここで、仮に、各駆動回路800、820にコンデンサ802、822を備えていないとした場合、すなわちHブリッジ回路でインダクタ及び圧電素子のみを駆動する回路構成の場合(ただし、この場合、駆動素子側では、上述と同様、Hブリッジにおける第1スイッチSW10及び第2スイッチSW20、第3スイッチSW30及び第4スイッチSW40がそれぞれペアで駆動周波数に応じてスイッチングされ、一方、従動素子側では、該従動素子間を短絡させる(閉回路にする)べく第2及び第4スイッチSW20、SW40がオンとされている(第1及び第3スイッチSW10、SW30はオフにされている))、上記機械腕と等価となった駆動電源13に対して、第2圧電素子10’の上記制止コンデンサと、インダクタ821とが並列共振回路を構成することになる。この並列共振における並列共振周波数fpは、以下の(1-1)式で表される。
Figure 2007143269
ここで、fs=fp≒fmであることから、従動素子間は、この並列共振によってハイインピーダンス(Hi−Z)となる。ハイインピーダンスとなることにより、従動素子間に電流が流れにくくなるため、従動素子の伸縮が小さくなり、圧電アクチュエータの駆動特性は低下する。
このように、低電圧駆動を行うべく圧電素子と直列にインダクタを設けると、従動素子側において、このインダクタと制止コンデンサとによって並列共振が生じてハイインピーダンス状態となり、駆動特性の低下を招いてしまう。そこで、この問題を解決するべく、図10に示すように、各圧電素子と並列にコンデンサ802、822を接続する(以降、この並列接続されるコンデンサのことを、適宜、「並列コンデンサ」と表現する)とともに、従動素子側の駆動回路820の全てのスイッチSW10〜SW40をオフにする。この構成により、従動素子側において、上記機械腕と等価となった駆動電源13に対して、制止コンデンサとコンデンサ822とが並列に接続された状態(第2圧電素子10’とコンデンサ822とで閉回路が形成された状態)となる。換言すれば、制止コンデンサとインダクタ821とが開回路を形成した状態となる。従動素子間はコンデンサ822により交流的に短絡状態となっているので、該従動素子間には電流が流れる。従動素子間に電流が流れることで、従動素子の伸縮は大きくなる。
なお、図10に示す従動素子側の第2圧電素子10’の端子間は、上記並列コンデンサを備えることで、Z=1/2πfC(但し、f:圧電素子の駆動周波数、C:並列コンデンサの容量)の関係を有するインピーダンスZで結線されたことになり、駆動周波数f及び/又はコンデンサ容量Cをより大きな値に設定することにより、容易にインピーダンスZを小さくする、すなわちインピーダンスZを小さくして圧電アクチュエータ100の駆動特性低下を防止することが可能となる。
このように駆動回路800、820は、圧電素子に対して直列にインダクタが接続されるとともに、該圧電素子に対して並列にコンデンサが接続された回路構成とされ、上述のように動作する、つまり駆動素子側はHブリッジの第1及び第2スイッチSW10、SW20、第3及び第4スイッチSW30、SW40がそれぞれペアでスイッチングし、従動素子側はHブリッジの全てのスイッチがオフとなることで、駆動素子側において第1圧電素子10とインダクタ801とによる直列共振(電気共振)を利用した低電圧駆動が可能であるとともに、従動素子側において、制止コンデンサとインダクタ821との並列共振に起因するハイインピーダンスを解消することが可能となる。
図2は、本発明に係る第1及び第2圧電素子10、10’の駆動回路の一例を示す図であり、駆動回路20は、第1及び第2圧電素子10、10’を駆動するものである。駆動回路20は、駆動制御部14に内蔵されており、この駆動制御部14による駆動指示信号に基づいてそれぞれ第1及び第2圧電素子10、10’に対する駆動信号つまり駆動電圧を発生させて各圧電素子を駆動する。駆動回路20は、第1及び第2圧電素子10、10’における何れか一方を駆動素子として機能させるとともに、他方は従動素子として機能させて、駆動方向すなわち上記ロータ111の回転方向(時計回り又は反時計回り)に応じて、これら第1及び第2圧電素子10、10’における駆動素子側及び従動素子側を入れ替えて(反転させて)駆動する。
駆動回路20は、第1〜第6スイッチSW1〜SW6、インダクタ21(L)及びコンデンサ22、23(C)を備えている(GNDは接地を示している。以下同様)。第1〜第6スイッチSW1〜SW6は、それぞれ「開(オープン)」及び「閉(クローズ)」の 切り替え、すなわちオン(ON)、オフ(OFF)の切り替えを行うスイッチ(スイッチング素子)であり、例えばnpn型又はpnp型トランジスタ、具体的にはNチャンネル又はPチャンネルFETからなる。これらスイッチは、第1スイッチSW1及び第4スイッチSW4、第2スイッチSW2及び第5スイッチSW5、第3スイッチSW3及び第6スイッチSW6をそれぞれペアとして、H型ブリッジ回路における右又は左半分の回路、換言すれば、H型に配置された4つのスイッチからなるHブリッジ回路を圧電素子の両端子側の2つの部分に分けてなる、2つのスイッチを備えた回路を構成している。以降、このHブリッジ回路の半分の回路構成のことを「ハーフブリッジ回路(ハーフブリッジ)」と表現するものとする。したがって、駆動回路20は、インダクタ21に対して1つのハーフブリッジを、複数の圧電素子(第1及び第2圧電素子10、10’)それぞれに対して1つのハーフブリッジを備え、合計3つのハーフブリッジを備えていると言える。
インダクタ21は、第1圧電素子10又は第2圧電素子10’に対する昇圧用のインダクタであり、第1圧電素子10又は第2圧電素子10’と直列に接続されている。コンデンサ22、23は、後述の並列共振によるハイインピーダンス状態となる問題を解消するべく設けられたコンデンサであり、コンデンサ22は第1圧電素子10と並列に該第1圧電素子10の端子間に接続されており、コンデンサ23は第2圧電素子10’と並列に該第2圧電素子10’の端子間に接続されている。
ところで、上述で説明した駆動回路20の構成は、謂わば図10に示す駆動回路800、820が合体してなるものであると言える。具体的には、例えば、駆動回路800における第1及び第4スイッチSW10、SW40(これら2つのスイッチによるハーフブリッジ)並びにインダクタ801を、駆動回路820における第1及び第4スイッチSW10、SW40(これら2つのスイッチによるハーフブリッジ)並びにインダクタ821と共用して或いは1つに纏めて(駆動回路820における第1及び第4スイッチSW10、SW40並びにインダクタ821を削除して)、駆動回路820のa1点及びa2点に示す箇所(信号線)を、駆動回路800のb1点及びb2点に示す箇所と接続し、さらに、駆動回路820のa3点に示す箇所を駆動回路800のb3点に示す箇所に接続したような構成となる。ただし、駆動電源13及びGNDはそれぞれ1つとなり、コンデンサ802、822がそれぞれコンデンサ22、23となり、インダクタ801がインダクタ21となり、駆動回路800の第1〜第4スイッチSW10〜SW40がそれぞれ駆動回路20の第1スイッチSW1、第5スイッチSW5、第2スイッチSW2及び第4スイッチSW4となり、また、駆動回路820の第2及び第3スイッチSW20、SW30がそれぞれ駆動回路20の第6スイッチSW6及び第3スイッチSW3となる。
この駆動回路20では、図2に示すように第1スイッチSW1及び第5スイッチSW5と、第2スイッチSW2及び第4スイッチSW4とがそれぞれペアで駆動周波数に応じてスイッチングするとともに、第3スイッチSW3及び第6スイッチSW6がオフになる場合、同図中、左側の圧電素子つまり第1圧電素子10が駆動素子となり、右側の圧電素子つまり第2圧電素子10’が従動素子となる。この場合、インダクタ21によって駆動素子側の第1圧電素子10に対する昇圧が行われる。
一方、第1スイッチSW1及び第6スイッチSW6と、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4とがそれぞれペアで駆動周波数に応じてスイッチングするとともに、第2スイッチSW2及び第5スイッチSW5がオフになる場合、右側の圧電素子が駆動素子となり、左側の圧電素子が従動素子となる。この場合、インダクタ21によって駆動素子側の第2圧電素子10’に対する昇圧が行われる。
このように、1つのインダクタが複数の圧電素子によって共用され、圧電アクチュエータ100の駆動方向に応じて、すなわち各スイッチによるスイッチング動作に応じて、圧電アクチュエータ100の複数の圧電素子のうちの、インダクタ21によって昇圧される圧電素子が切り替えられる(選択される)構成とすることで、昇圧用のインダクタを有効に使うことができる。すなわち、図10に示したように、従来では圧電アクチュエータ1個に対して2個の昇圧用インダクタが必要であったが、本発明では圧電アクチュエータ1個に対して1個の昇圧用インダクタで十分となる。
また、上記回路構成により、圧電アクチュエータ100の複数の圧電素子(第1及び第2圧電素子10、10’)の少なくとも一端子側が、同じスイッチ(ここでは第1スイッチSW1及び第4スイッチSW4)を用いて駆動することが可能であるので、すなわち第1圧電素子10及び第2圧電素子10’それぞれの駆動において第1スイッチSW1及び第4スイッチSW4が共用される回路構成であるので、従来では図10に示すように例えば2個の圧電素子に対して4個のハーフブリッジ(2個のHブリッジ)が必要であったが、本発明では3個のハーフブリッジで十分となる。このように駆動回路20に示す回路構成とすることで、昇圧用のインダクタの個数を最小限に抑える(削減する)ことができるとともに、各圧電素子(或いはインダクタ)の駆動に対応する回路を削減する(回路規模を縮小する)ことができる。
ところで、上述では図1に示すように、1つの圧電アクチュエータ100を用いて被駆動体(ロータ111)を駆動させているが、この圧電アクチュエータ100の個数を増やすことで、被駆動体に対する出力をより大きくすることができる。本実施形態における駆動回路20(圧電駆動装置1)の構成による効果は、このように圧電アクチュエータの個数が増えた場合に、より顕著となる。複数の圧電アクチュエータを備えた圧電駆動装置としては、例えば図3に示すように、直線状の被駆動体301に沿って直線状に配置された、ここでは被駆動体301を挟んで対向配置された二対の圧電アクチュエータ、すなわち圧電アクチュエータ310、320、及び圧電アクチュエータ330、340からなるものがある。
各圧電アクチュエータ310〜340は、それぞれ圧電素子P11、P12、圧電素子P21、P22、圧電素子P31、P32、及び圧電素子P41、P42から構成されており、同位相で駆動される。なお、ここでは合計4つの圧電アクチュエータを備える構成としているが、複数個であるのならばこの個数に限定されない。また、各圧電アクチュエータは、上記対向配置されてなくともよく、互いにズレて配置されていてもよいし、被駆動体301の片側に4つが配列された構成でもよい。この図3に示す構成において、各圧電アクチュエータの例えば圧電素子P11、P21、P31及びP41を駆動すると、被駆動体301は同図中、右側にスライド移動する。一方、圧電素子P12、P22、P32及びP42を駆動すると、被駆動体301は同図中、左側にスライド移動する。
また、複数の圧電アクチュエータを備えた圧電駆動装置として、例えば図4に示すように、円環状(円形状)の被駆動体302の外周に沿って円状に例えば上記4個の圧電アクチュエータ310、320、330及び340が配置されてなるものがある。この場合も上記と同様、各圧電アクチュエータの例えば圧電素子P11、P21、P31及びP41を同位相で駆動すると、被駆動体302は同図中、時計回り(CW方向)に回転移動する。一方、圧電素子P12、P22、P32及びP42を駆動すると、被駆動体302は反時計回り(CCW方向)に回転移動する。なお、図3、4における圧電アクチュエータ310〜340は、圧電アクチュエータ100と同様に図略の駆動制御部(図1の駆動制御部14参照)を備えており、この駆動制御部内に、圧電アクチュエータの各種駆動回路が内蔵されている。
上記図3、4のシステム(圧電駆動装置)に、本発明の駆動回路20を適用すると、図5に示す駆動回路40となる。この駆動回路40は、全体的には、駆動回路20の3つのハーフブリッジ回路部分に対して、4つの圧電アクチュエータ310〜340の各圧電素子に対するインダクタ及びコンデンサからなる回路部分が並列に接続されている。そして、各部においては、上記直列共振を利用して低電圧駆動を可能とするべく、圧電アクチュエータ310の複数の圧電素子P11、P12と直列に1つの昇圧用のインダクタL1が接続されている。すなわち、インダクタL1に対して圧電素子P11が直列に接続されており、且つ、このインダクタL1に対して圧電素子P12が直列に接続されている。これと同じく、各圧電アクチュエータ320、330及び340の各圧電素子P21及びP22、P31及びP32、P41及びP42に、それぞれインダクタL2〜L4が1つ直列に接続されている。また、各圧電素子の端子間には、上記並列共振によるハイインピーダンスを防止するべく圧電素子と並列に各コンデンサC11、C12、C21、C22、C31、C32、C41、C42が接続されている。
また、駆動回路40は、各インダクタL1〜L4に対して第1及び第4スイッチSW1、SW4からなる1つのハーフブリッジ401を、また、各圧電アクチュエータ310〜340における各圧電素子それぞれに対して1つのハーフブリッジ、すなわち、圧電素子P11、P21、P31及びP41に対する第2及び第5スイッチSW2、SW5からなる1つのハーフブリッジ402、圧電素子P12、P22、P32及びP42に対する第3及び第6スイッチSW3、SW6からなる1つのハーフブリッジ403を備えている。なお、ハーフブリッジ401〜403は、信号線404〜406によって、それぞれインダクタL1〜L4、圧電素子P11、P21、P31及びP41、圧電素子P12、P22、P32及びP42の一端子側と並列に接続されている。
そして、図5に示すように、第1スイッチSW1及び第5スイッチSW5、第2スイッチSW2及び第4スイッチSW4がそれぞれペアで駆動周波数に応じてスイッチングするとともに、第3スイッチSW3及び第6スイッチSW6がオフになる場合、同図中、左側の圧電素子(圧電素子P11、P21、P31及びP41)が駆動素子となり、右側の圧電素子(圧電素子P12、P22、P32及びP42)が従動素子となる。この場合、各インダクタL1〜L4によって駆動素子側の圧電素子に対する昇圧が行われる。
一方、第1スイッチSW1及び第6スイッチSW6、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4がそれぞれペアで駆動周波数に応じてスイッチングするとともに、第2スイッチSW2及び第5スイッチSW5がオフになる場合、上記右側の圧電素子が駆動素子となり、上記左側の圧電素子が従動素子となる。この場合、各インダクタL1〜L4によって駆動素子側の圧電素子に対する昇圧が行われる。
このように、駆動回路40は、駆動回路20と同様、各スイッチによるスイッチング動作に応じて、インダクタL1(インダクタL2〜L4も同じ)と、該インダクタL1によって昇圧させる、複数の圧電素子P11、P12(圧電素子P21及びP22、P31及びP32、P41及びP42も同じ)における少なくとも1つの圧電素子との接続を切り替える。また、複数の圧電素子の少なくとも一端子側を同じスイッチを用いて駆動する。すなわち図5の場合、例えば、圧電素子P11、P21、P31及びP41の一端子側が、第2及び第5スイッチSW2、SW5からなるスイッチ(ハーフブリッジ402)を用いて駆動され、圧電素子P12、P22、P32及びP42の一端子側が、第3及び第6スイッチSW3、SW6からなるスイッチ(ハーフブリッジ403)を用いて駆動される。また例えば、圧電素子P11、P21、P31及びP41、並びに圧電素子P12、P22、P32及びP42の上記一端子側に対する他端子側が、第1及び第4スイッチSW1、SW4からなるスイッチ(ハーフブリッジ401)を用いて駆動される。
図3、4に示すように4個の圧電アクチュエータを使用する場合、従来の駆動回路では昇圧用のインダクタは8個必要であるが、駆動回路40では、各圧電アクチュエータの複数の圧電素子が1つのインダクタを共用しており、4個のインダクタで済むようになる。また、従来ではHブリッジが8個必要であるが、各圧電アクチュエータの圧電素子が同じスイッチ(ハーフブリッジ)を共用しており、3個のハーフブリッジで済むようになる。このように、駆動回路40に示す回路構成とすることで、昇圧用のインダクタの個数を最小限に抑える(削減する)ことができるとともに、各圧電素子(或いはインダクタ)の駆動に対応する回路を削減する(回路規模を縮小する)ことができる。なお、当該回路規模縮小の効果は、圧電アクチュエータ(圧電素子)の個数が増えるほど大きくなる。ただし、この駆動回路に対する圧電アクチュエータの設置個数(並列接続数)は、ドライバ(スイッチング素子)の駆動能力が許す限り、任意の個数が可能である。
図6は、上記図5における駆動回路40に対し、スイッチング素子として上記ハーフブリッジの代わりに汎用のHブリッジを適用した一例である駆動回路50を示している。なお、Hブリッジの汎用品は、ハーフブリッジの汎用品よりも普及しており、小型パッケージのものもある。同図に示すように、駆動回路50は、Hブリッジ501、502の2つのHブリッジを備えている。Hブリッジ501の第1及び第5スイッチSW1’、SW5’間の端子部(信号線)は、信号線503、504を介して各インダクタL1〜L4と接続されている。Hブリッジ502の第3及び第7スイッチSW3’、SW7’間の端子部は、信号線505、504を介して各インダクタL1〜L4と接続されている。また、Hブリッジ501の第2及び第6スイッチSW2’、SW6’間の端子部は、信号線506を介して、ここでの駆動素子である圧電素子P11、P21、P31及びP41の一端子側と接続され、Hブリッジ502の第4及び第8スイッチSW4’、SW8’間の端子部は、信号線507を介して、ここでの従動素子である圧電素子P12、P22、P32及びP42の一端子側と接続されている。
各圧電アクチュエータを或る方向に駆動する場合、駆動素子側では、Hブリッジ501における第1スイッチSW1’及び第6スイッチSW6’と、第2スイッチSW2’及び第5スイッチSW5’とが、それぞれペアで駆動周波数に応じてスイッチングされ、一方、従動素子側では、Hブリッジ502における第3、第4、第7及び第8スイッチSW3’、SW4’、SW7’及びSW8’の全てのスイッチがオフにされる。この場合、各インダクタL1〜L4によって駆動素子側の圧電素子P11、P21、P31及びP41に対する昇圧が行われる。
また、各圧電アクチュエータを他方向に駆動する場合、駆動素子側では、Hブリッジ502における第3スイッチSW3’及び第8スイッチSW8’と、第4スイッチSW4’及び第7スイッチSW7’とが、それぞれペアで駆動周波数に応じてスイッチングされ、一方、従動素子側では、Hブリッジ501における第1、第2、第5及び第6スイッチSW1’、SW2’、SW5’及びSW6’の全てのスイッチがオフにされる。この場合、各インダクタL1〜L4によって駆動素子側の圧電素子P12、P22、P32及びP42に対する昇圧が行われる。
このように、駆動回路50は、上記駆動回路20と同様、各スイッチによるスイッチング動作に応じて、インダクタL1(インダクタL2〜L4も同じ)と、該インダクタL1によって昇圧させる、複数の圧電素子P11、P12(圧電素子P21及びP22、P31及びP32、P41及びP42も同じ)における少なくとも1つの圧電素子との接続を切り替える。また、複数の圧電素子の少なくとも一端子側を同じスイッチを用いて駆動する。すなわち図6の場合、例えば、圧電素子P11、P21、P31及びP41の一端子側が、Hブリッジ501における第2及び第6スイッチSW2’、SW6’からなるスイッチを用いて駆動され、圧電素子P12、P22、P32及びP42の一端子側が、Hブリッジ502における第4及び第8スイッチSW4’、SW8’からなるスイッチを用いて駆動される。また例えば、圧電素子P11、P21、P31及びP41、並びに圧電素子P12、P22、P32及びP42の上記一端子側に対する他端子側が、Hブリッジ501における第1及び第5スイッチSW1’、SW5’からなるスイッチ、或いはHブリッジ502における第3及び第7スイッチSW3’、SW7’からなるスイッチを用いて駆動される。
この駆動回路50の場合も、従来の駆動回路では昇圧用のインダクタは8個必要であるが、各圧電アクチュエータの複数の圧電素子が1つのインダクタを共用しており、4個のインダクタで済むようになる。また、従来ではHブリッジが8個必要であるが、各圧電アクチュエータの圧電素子が同じスイッチを共用しており、2個で済むようになる。このように、駆動回路50に示す回路構成とすることで、昇圧用のインダクタの個数を最小限に抑える(削減する)ことができるとともに、各圧電素子(或いはインダクタ)の駆動に対応する回路を削減する(回路規模を縮小する)ことができる。なお、当該回路規模縮小の効果は、圧電アクチュエータ(圧電素子)の個数が増えるほど大きくなる。
使用する複数の圧電素子の特性が略一致している場合は、図7に示すような駆動方法も可能である。すなわち、図7の駆動回路40’に示すように、上記図5に示す駆動回路40のインダクタL1〜L4を1つのインダクタL5で置き換えて、より少ない(1個の)インダクタで駆動する構成としてもよい。これにより、さらに回路規模を縮小することができる。このインダクタL5の一端子側は、全ての圧電素子(駆動素子及び従動素子)の一端子側と接続されている。この場合も、圧電素子P11、P12に対してインダクタL5、圧電素子P21、P22に対してインダクタL5(以降、圧電素子P31、P32、P41、P42についても同じ)というように、複数の圧電素子と直列に1つの昇圧用のインダクタが接続された構成となっており、各スイッチによるスイッチング動作に応じて、各圧電アクチュエータにおける、インダクタL5によって昇圧される圧電素子が切り替えられる(ここでは圧電素子P11、P21、P31及びP41と、圧電素子P12、P22、P32及びP42とが切り替えられる)。また、駆動回路40と同様、複数の圧電素子の少なくとも一端子側が同じスイッチ(ハーフブリッジ)を用いて駆動される。
この駆動方法における各圧電アクチュエータ310〜340の機械共振周波数をfm1、fm2、fm3及びfm4とし(これらは以下の(1-2)〜(1-5)式で表される)、
Figure 2007143269
Figure 2007143269
Figure 2007143269
Figure 2007143269
また、圧電素子とインダクタとが直列共振状態にある場合の直列共振周波数(電気直列共振周波数)をfsとすると(これは以下の(1-6)式で表される)、
Figure 2007143269
ここでは、直列共振周波数fsを、機械共振周波数fm1、fm2、fm3及びfm4と略一致させて(fs≒fm1≒fm2≒fm3≒fm4)駆動することになる。この場合、圧電アクチュエータの個数によらず、昇圧用のインダクタは上述したように1個で十分である。
なお、駆動回路40’では、これまで圧電素子毎に設けられていたハイインピーダンス防止用の並列コンデンサも各圧電素子で共用することが可能となり、コンデンサC51、C52に示すように設置個数を削減することができ、より一層、回路規模を縮小することができる。因みに、コンデンサ51は圧電素子P11、P21、P31及びP41で共用され、コンデンサC52は圧電素子P12、P22、P32及びP42で共用される。また、当該回路規模縮小の効果は、圧電アクチュエータ(圧電素子)の個数が増えるほど大きくなる。
図8は、圧電駆動装置1(駆動回路20)の一適用例である撮像装置60を示す斜視図である。撮像装置60は、例えば監視カメラとして機能するものであり、撮像ユニット61、第1駆動ユニット62及び第2駆動ユニット63からなる。撮像ユニット61は、ビデオカメラ或いはデジタルカメラ等からなり、被写体を撮像するものである。
第1駆動ユニット62は、撮像ユニット61を、チルト方向、すなわち例えば地面に対して水平なT軸回りに回転駆動(回動)させるものであり、チルトロータ621及びチルトステータ622からなる。チルトロータ621は、後述するトラスアクチュエータ670の駆動によってチルトステータ622に対して相対的に回転するものである。チルトステータ622は、チルトロータ621を回転自在に支持するものである。チルトステータ622は、同図に示すように例えば「L」字状に構成されて、チルトロータ621と反対側の端部が後述のパンロータ631に対して固定されている。
第2駆動ユニット63は、撮像ユニット61を、パン方向、すなわち上記地面に対して垂直な(T軸に対して垂直方向の)P軸回りに回転駆動(回動)させるものであり、パンロータ631及びパンステータ632からなる。パンロータ631は、後述するトラスアクチュエータ670の駆動によってパンステータ632に対して相対的に回転するものである。パンステータ632は、パンロータ631を回転自在に支持するものである。
撮像装置60は、このように回転駆動する2つの第1駆動ユニット62及び第2駆動ユニット63によって所謂首振り機構を実現している。なお、撮像装置60は、撮像ユニット61並びに第1及び第2駆動ユニット62、63が内包される所定のハウジング部(図示省略)を備えていてもよく、このハウジング部にパンステータ632が固定された構成であってもよい。また、符号611で示すものは撮像ユニット61の撮影レンズ(撮影レンズ611)であり、符号612で示すものは撮像ユニット61と第1駆動ユニット62とを連結する連結体(連結体612;撮像ユニット61に含む)である。
図9は、上記第1駆動ユニット62及び第2駆動ユニット63の構成について説明する図である。ただし、これら駆動ユニットは同様の構成を有しているため、ここでは第1駆動ユニット62を例に挙げて説明する。同図中における符号640に示す図は、第1駆動ユニット62の回転平面方向、つまり上記T軸と垂直な平面方向の断面図であり、符号660に示す図は、第1駆動ユニット62のT軸方向の断面図である。
第1駆動ユニット62は、第1及び第2圧電素子641、642、チップ部材643、ベース部材644、ロータ645(図1のロータ111、図8のチルトロータ621に相当する)、加圧バネ646、剛球647、圧接バネ648、基台649、蓋部材650及び規制部材651〜653を備えている。ただし、第1及び第2圧電素子641、642、チップ部材643及びベース部材644によりトラスアクチュエータ670(上記圧電アクチュエータ100に相当する)を構成し、剛球647及び圧接バネ648により圧接機構680を構成している。
トラスアクチュエータ670は、チップ部材643が加圧バネ646による付勢力によってロータ645の内周壁面に圧接しており、第1及び第2圧電素子641、642の駆動による該チップ部材643の振動によってロータ645を回転させる。この場合も上述と同様、第1及び第2圧電素子641、642における駆動素子側及び従動素子側を切り替えて駆動することで、時計又は反時計回りにロータ645を回転させることができる。上記加圧バネ646は、その一端が規制部材651(規制部材651は基台649に固定されている)によって固定されており、規制部材652にその一端が固定されたベース部材644の他端側に上記付勢力を与えている。ロータ645は、該ロータ645の回転軸6451が基台649の軸受部6491に嵌合され、基台649に対して回転自在に設けられている。なお、トラスアクチュエータ670を駆動するための上記駆動制御部14や駆動電源13に相当する駆動部(図示省略)は、例えば上記ハウジング部内の適所に設けられている。
圧接機構680は、第1駆動ユニット62内の、トラスアクチュエータ670と回転軸6451を挟んだ反対位置に、具体的には、剛球647とロータ645との当接部が、チップ部材643とロータ645との当接部の回転軸6451に対する略軸対称の位置となるような位置に配置されている。この圧接機構680では、例えば摩擦係数が小さく且つ回転自在な剛球647が、圧接バネ648によって径方向外向きに付勢されてロータ645の内周壁面に圧接されるとともに、剛球647が基台649に対して上記径方向に移動可能となるよう基台649及び蓋部材650によって保持(挟持)されている。剛球647及び圧接バネ648は、その周囲に設けられた規制部材653によってロータ645に圧接する方向が規制されている(ロータ645に対して一方向に荷重が掛かるように構成されている)。
このような構成により、チップ部材643がロータ645を圧接する力と、剛球647がロータ645を圧接する力とが略均衡し、回転軸6451及び軸受部6491に対して一方向に(偏って)荷重が加わらないようになっている。なお、上述したように回転可能な剛球647がロータ645に圧接される構成であるため、ロータ645の回転運動を妨げることなく剛球647をロータ645に圧接させることができ(剛球647とロータ645との間に発生する摩擦力を小さくすることができ)、回転軸6451や軸受部6491に対する負荷を軽減することができる。
なお、圧電駆動装置1は、上述の首振り機構に限らず、例えばレンズ駆動(ズーム、フォーカス)或いは手ぶれ補正駆動等、種々の駆動機構に適用可能である。また、撮像装置60に、上記駆動回路40、40’、50及びこれにより駆動される複数の圧電アクチュエータからなる圧電駆動装置を備える構成としてもよい。すなわち、例えば図9においてロータ645に対して複数個、例えば上記4つの圧電アクチュエータ(トラスアクチュエータ670を4個備える)を備える構成としてもよい。
以上のように本実施形態の駆動回路20(40、40’、50)によれば、複数の圧電素子(第1及び第2圧電素子10、10’、又は圧電素子P11、P12、圧電素子P21、P22、圧電素子P31、P32、圧電素子P41、P42)から構成される圧電アクチュエータ100(310〜340)を少なくとも1つ駆動する駆動回路であって、複数の圧電素子と直列に1つ接続されたインダクタ21(インダクタL1〜L4又はL5)と、圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うスイッチング動作部(第1〜第6スイッチSW1〜SW6又は第1〜第8スイッチSW1’〜SW8’)とを備える当該駆動回路によって、スイッチング動作部によるスイッチング動作に応じて、インダクタ21と、該インダクタ21により昇圧する複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続が切り替えられる。
このように、インダクタが複数の圧電素子と直列に1つ接続され、また、スイッチング動作部によって、インダクタと、複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続が切り替えられる構成であるので、圧電アクチュエータの駆動において複数の圧電素子に対して1つのインダクタを共用することが可能となり、したがって、占有面積の大きいインダクタの使用個数を最小限に抑える(削減する)ことができ、ひいては駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
また、図2に示すように、スイッチング動作部が、インダクタ21における圧電素子(第1圧電素子10或いは第2圧電素子10’)と接続されていない端子が1つのハーフブリッジ回路(第1及び第4スイッチSW1、SW4からなるハーフブリッジ)に、複数の圧電素子それぞれにおけるインダクタ21と接続されていない端子が1つのハーフブリッジ回路(第2及び第5スイッチSW2、SW5からなるハーフブリッジ、第3及び第6スイッチSW3、SW6からなるハーフブリッジ)に接続される構成であるので、1つの圧電素子に対して1つのHブリッジ回路を使用することなく、すなわち、この場合、例えば2個の圧電素子に対してハーフブリッジ回路4つ相当の回路規模となるところ、該2個の圧電素子に対して3つのハーフブリッジ回路で済むことになり、Hブリッジ回路の使用個数を少なくして回路規模を縮小することができる。これにより、上記インダクタの削減と合わせて、より駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
また、図5、6に示すように、複数の圧電アクチュエータ310〜340を同位相で駆動する場合に、各圧電アクチュエータそれぞれの対応する圧電素子(圧電素子P11、P21、P31及びP41、或いはP12、P22、P32及びP42)の少なくとも一端子側が、スイッチング動作部のハーフブリッジ回路(図6では各Hブリッジ501、502の半分の回路部分)における同じスイッチを用いて駆動される(或るスイッチが共用される)構成であるので、例えば4個の圧電アクチュエータ(各圧電アクチュエータは例えば2個の圧電素子を備えている)に対してHブリッジ回路を8つ備える回路規模となるところ、該4個の圧電アクチュエータに対して3つのハーフブリッジ回路或いは2つのHブリッジ回路で済むことになり、ハーフブリッジ回路或いはHブリッジ回路の使用個数を少なくして回路規模を縮小することができる。これにより、上記インダクタの削減と合わせて、より駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
また、本発明に係る駆動回路20(40、40’、50)は、複数の圧電素子(第1及び第2圧電素子10、10’、又は圧電素子P11、P12、圧電素子P21、P22、圧電素子P31、P32、圧電素子P41、P42)から構成される圧電アクチュエータ100(310〜340)を少なくとも1つ駆動する該駆動回路における、複数のスイッチ(第1〜第6スイッチSW1〜SW6又は第1〜第8スイッチSW1’〜SW8’)から構成されたスイッチング動作部によって、複数の圧電素子の少なくとも一端子側が該スイッチング動作部の同じスイッチを用いて駆動される。
このように、圧電アクチュエータにおける複数の圧電素子の少なくとも一端子側が、スイッチング動作部の同じスイッチを用いて駆動される構成であるので、圧電アクチュエータの駆動において複数の圧電素子に対してスイッチング動作部のスイッチを共用することが可能となり、したがって、各圧電素子に対応する回路を削減する(回路規模を縮小する)ことができ、ひいては駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
また、図5〜7に示すように、同位相で駆動される各圧電アクチュエータ310〜340の圧電素子(圧電素子P11、P21、P31及びP41、或いはP12、P22、P32及びP42)の少なくとも一端子側が、スイッチング動作部(第1〜第6スイッチSW1〜SW6又は第1〜第8スイッチSW1’〜SW8’)における同じスイッチを用いて駆動される構成であるので、複数の圧電アクチュエータの駆動において、各圧電アクチュエータの圧電素子に対してスイッチング動作部のスイッチを共用することが可能となり、したがって、各圧電アクチュエータ(圧電素子)に対応する回路を削減する(回路規模を縮小する)ことができ、ひいては駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
また、図7に示すように、1つのインダクタL5が複数の圧電素子(圧電素子P11、P12、圧電素子P21、P22、圧電素子P31、P32、圧電素子P41、P42)それぞれと直列に接続される構成であるので、圧電アクチュエータの駆動において複数の圧電素子に対して1つのインダクタを共用することが可能となり、したがって、占有面積の大きいインダクタの使用個数を最小限に抑える(削減する)ことができる。これにより、上記回路規模の削減と合わせて、より駆動回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
また、本発明に係る撮像装置60は、複数の圧電素子(第1及び第2圧電素子10、10’、又は圧電素子P11、P12、圧電素子P21、P22、圧電素子P31、P32、圧電素子P41、P42)から構成される圧電アクチュエータ100(310〜340)を少なくとも1つ駆動する駆動回路20(40、40’、50)を備え、当該駆動回路において、インダクタ21(インダクタL1〜L4又はL5)が上記複数の圧電素子と直列に1つ接続され、また、スイッチング動作部によって、インダクタと該インダクタとの共振により印加電圧を昇圧させる上記複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続が切り替えられる構成であるので、撮像装置60における圧電アクチュエータの駆動において、複数の圧電素子に対して1つのインダクタを共用することが可能となり、したがって、占有面積の大きいインダクタの使用個数を最小限に抑える(削減する)ことができ、ひいては駆動回路の小型化、低コスト化が図られた撮像装置を得ることができる。
また、本発明に係る撮像装置60は、複数の圧電素子(第1及び第2圧電素子10、10’、又は圧電素子P11、P12、圧電素子P21、P22、圧電素子P31、P32、圧電素子P41、P42)から構成される圧電アクチュエータ100(310〜340)を少なくとも1つ駆動する駆動回路20(40、40’、50)を備え、当該駆動回路において、圧電アクチュエータにおける複数の圧電素子の少なくとも一端子側が、スイッチング動作部の同じスイッチを用いて駆動される構成であるので、撮像装置における圧電アクチュエータの駆動において、複数の圧電素子に対してスイッチング動作部のスイッチを共用することが可能となり、したがって、各圧電素子に対応する回路を削減する(回路規模を縮小する)ことができ、ひいては駆動回路の小型化、低コスト化が図られた撮像装置を得ることができる。
本発明に係る駆動回路の一適用例である圧電駆動装置の概略構成図である。 本実施形態における第1及び第2圧電素子の駆動回路の一例を示す図である。 複数の圧電アクチュエータからなる圧電駆動装置を説明するための模式図である。 複数の圧電アクチュエータからなる圧電駆動装置を説明するための模式図である。 上記図3、4のシステムに上記図2に示す駆動回路構成を適用した場合の一例を示す図である。 上記図3、4のシステムに上記図2に示す駆動回路構成を適用した場合の一例を示す図である。 上記図3、4のシステムに上記図2に示す駆動回路構成を適用した場合の一例を示す図である。 上記圧電駆動装置(駆動回路及び圧電アクチュエータ)の一適用例である撮像装置を示す斜視図である。 上記撮像装置の第1駆動ユニット及び第2駆動ユニットの構成について説明するための図である。 従来の駆動回路を示す図である。 従来の圧電駆動装置(圧電アクチュエータ)を示す図であり、(a)は被駆動体を右方向に移動させる場合、(b)は被駆動体を左方向に移動させる場合を示す図である。
符号の説明
1 圧電駆動装置
10 第1圧電素子
10’ 第2圧電素子
11 チップ部材
12 ベース部材
13 駆動電源
14 駆動制御部
20、40、40’50 駆動回路
21、L1〜L5 インダクタ
22、23、C11、C12、C21、C22、C31、C32、C41、C42、C51、C52 コンデンサ
60 撮像装置
61 撮像ユニット
62 第1駆動ユニット
63 第2駆動ユニット
100、310、320、330、340 圧電アクチュエータ(圧電アクチュエータユニット)
301、302 被駆動体
401〜403 ハーフブリッジ(ハーフブリッジ回路、スイッチング動作部)
501、502 Hブリッジ(H型ブリッジ回路、スイッチング動作部)
670 トラスアクチュエータ
680 圧接機構
P11、P12、P21、P22、P31、P32、P41、P42 圧電素子
SW1〜SW6 第1〜第6スイッチ(スイッチング動作部)
SW1’〜SW8’ 第1〜第8スイッチ(スイッチング動作部)

Claims (8)

  1. 複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路であって、
    前記駆動回路は、
    前記複数の圧電素子と直列に1つ接続されたインダクタと、
    前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うスイッチング動作部とを備え、
    前記スイッチング動作部によるスイッチング動作に応じて、前記インダクタと、前記複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続を切り替えることを特徴とする駆動回路。
  2. 前記スイッチング動作部は、
    H型ブリッジ回路の半分の構成を有してなるハーフブリッジ回路からなり、
    前記インダクタの前記圧電素子と接続されていない端子を1つのハーフブリッジ回路に、前記複数の圧電素子それぞれの前記インダクタと接続されていない端子を1つのハーフブリッジ回路に接続することを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
  3. 複数の前記圧電アクチュエータユニットを同位相で駆動する場合に、
    各圧電アクチュエータユニットのそれぞれの対応する圧電素子の少なくとも一端子側を、前記ハーフブリッジ回路における同じスイッチを用いて駆動することを特徴とする請求項2記載の駆動回路。
  4. 複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路であって、
    複数のスイッチから構成され、前記複数の圧電素子の少なくとも一端子側を同じスイッチを用いて駆動することが可能に構成されたスイッチング動作部を備えることを特徴とする駆動回路。
  5. 前記駆動回路は、
    複数の前記圧電アクチュエータユニットを同位相で駆動する場合に、各圧電アクチュエータユニットにおける前記同位相の駆動に対応する圧電素子の少なくとも一端子側を、前記スイッチング動作部における同じスイッチを用いて駆動することを特徴とする請求項4記載の駆動回路。
  6. 前記複数の圧電素子それぞれと直列に接続された1つのインダクタをさらに備えることを特徴とする請求項4記載の駆動回路。
  7. 複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路であって、
    前記複数の圧電素子それぞれと直列に接続された1つのインダクタと、
    前記圧電素子及びインダクタを駆動するべく所定のスイッチング動作を行うスイッチング動作部とを有し、
    前記スイッチング動作部によるスイッチング動作に応じて、前記インダクタと、該インダクタとの共振により印加電圧を昇圧させる前記複数の圧電素子における少なくとも1つの圧電素子との接続を切り替える駆動回路を備えることを特徴とする撮像装置。
  8. 複数の圧電素子から構成される圧電アクチュエータユニットを少なくとも1つ駆動する駆動回路であって、
    複数のスイッチから構成され、前記複数の圧電素子の少なくとも一端子側を同じスイッチを用いて駆動することが可能に構成されたスイッチング動作部を有する駆動回路を備えることを特徴とする撮像装置。
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