JP4826154B2 - 無線icタグ付き包装体 - Google Patents
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Description
このような状況の中で、食品、化粧品、医薬品、玩具、雑貨など殆どの商品には包装が施され、包装体として流通、販売されており、この包装体に用いる容器としては、袋、箱、プラスチックの成形容器、プラスチックボトル、ガラス瓶、金属缶などの単独のほか、各種の内容器と外容器のように複数の容器を組み合わせて用いた容器がある。
このうち、包装体に取り付けて物流の効率化などを行うためには、例えば、コストの面では、前記(1)の読み出し専用の無線ICタグ、または(2)の読み出しおよび書き込みが可能な無線ICタグが安価であり使用し易いが、要望される機能に応じて(3)のマイクロプロセサー内蔵型無線ICタグや、(4)のセンサー付き無線ICタグなども使用することができる。
特に問題を生じやすいのは、金属による悪影響であり、例えば、無線ICタグとスキャナーの間に金属があると、磁界も電波も金属に吸収されて通信がしにくくなり、また、無線ICタグの背面に金属がある場合でも、通信方式が電磁誘導方式の13.56MHz帯の場合、磁界がアンテナの周りを通らなくなり、また、2.45GHz帯やUHF帯の場合は、アンテナの同調がずれて通信できなくなることがある。
このことは、包装体に用いる容器が、例えば、アルミニウム箔などの金属層を含む積層体で形成された袋やカートンなどの箱、或いは、金属缶などの場合は、その表面に前記無線ICタグを貼り付けても通信不能になることを意味するものであり、それぞれの容器に応じて対策を講じることが必要となる。
従って、汎用される包装形態として、食品分野などでは、アルミニウム箔やアルミニウム蒸着層などの金属層を含む積層フィルム製の袋で内容物を密封し、それを更に外袋やカートン、或いは、段ボール箱などの外容器内に収納した形態の包装体が多いが、この場合でも、無線ICタグを外容器のいずれかの面に貼り付けただけでは、内側の袋の積層フィルムが外容器の内面に接するため、無線ICタグと積層フィルム中の金属層との間に十分な間隔をとることができないことが多く、電磁波による通信が不可能となる問題があった。
即ち、請求項1に記載した発明は、内容物を密封包装した内袋と、該内袋を内部に収納する外容器からなる包装体において、該内袋が金属箔または金属蒸着層を含む積層フィルムで形成され、該外容器は金属箔または金属蒸着層を含まない材料で形成されると共に、該外容器の内面に無線ICタグが貼着され、且つ、該外容器の少なくとも該無線ICタグが貼着された部分の内側には、内部に収納された該内袋と該無線ICタグとの間隔を3〜5mmの距離以上に保つために、前記外容器の内部を仕切り材で少なくとも無線ICタグが貼着された領域を含む部分と無線ICタグが貼着されていない部分とに区画した間隔保持手段が設けられ、無線ICタグが貼着されていない部分に前記内袋を収納したことを特徴とする無線ICタグ付き包装体からなる。
また、外容器自体は、袋、箱、段ボール箱のほか、プラスチック成形容器などであってもよい。外容器に無線ICタグを貼着する際の貼着面は、外容器の内面であってもよい。
前記外容器のいずれかの面に、無線ICタグを貼着する方法は、特に限定はされないが、ホットメルト接着剤または粘着剤を用いる方法が簡便である。粘着剤を用いる場合、離型紙を用いてセパレート加工を行うことにより、既存のラベラーを用いて貼着できるので、生産性よく無線ICタグを貼着することができる。
また、前記内袋と無線ICタグとの間隔を所定の距離以上に保つ際の所定の距離は、前述したように、少なくとも3〜5mm以上あればよく、10mm以上あれば更に安全である。
前記間隔保持手段は、前記内袋と無線ICタグとの間隔を上記所定の距離に保持できるものであれば、特に限定はされず、請求項1に記載した方法のほか、前記外容器の内部に、前記内袋と共に金属を含まない添付物などを収納できる場合は、その添付物などを、前記外容器の無線ICタグが貼着された部分の内側と、前記内袋との間に収納して前記無線ICタグと内袋との間に、所定の間隔がとれるようにする方法であってもよい。
そして、図2〜図5は、それぞれ本発明の無線ICタグ付き包装体の一実施例の構成を示す模式断面図である。
尚、前記内袋2は、アルミニウムなどの金属箔や金属蒸着層を含む積層フィルムで形成されるものであり、前記外箱3は、金属箔や金属蒸着層などの金属を含まない材料で形成されるものである。この点は、以下の図3〜図5に示す無線ICタグ付き包装体においても同様である。
このような間隔保持部材5の挿入は、外箱3に内袋2を挿入する際、同時に行えるので特別な手間がかからず生産性よく挿入することができる。
このような構成を採った場合も、外箱3の外面の一部に貼着された無線ICタグ20と内袋2との間隔が、少なくとも間隔保持部材5の厚み分だけは確実に保持されるので、内袋2の積層フィルムに含まれるアルミニウムなどの金属箔または金属蒸着層の悪影響を受けることがなくなり、無線ICタグ20に書き込まれた情報を外部から確実に読み出し、或いは、読み出しと新たな情報の書き込みとを行うことができる。
このような構成を採ることにより、外箱3の内部に収納された内袋2は、その動きが仕切り板6により、外面に無線ICタグ20が貼着されていない部分に限定されるので、無線ICタグ20と内袋2との間には十分な間隔をとることができる。従って、内袋2の積層フィルムに含まれるアルミニウムなどの金属箔または金属蒸着層の悪影響を受けることがなく、無線ICタグ20に書き込まれた情報を外部から確実に読み出し、或いは、読み出しと新たな情報の書き込みとを行うことができる。
また、外箱3の内部に収納された内袋2は、その動きが縦方向の仕切り板6により、外面に無線ICタグ20が貼着されていない部分に限定されると同時に、外面に無線ICタグ20が貼着された部分のスペースを、前記図4に示した構成の無線ICタグ付き包装体300の場合よりも大きくできるので、無線ICタグ20と内袋2との間隔を更に大きくすることができる。
従って、内袋2の積層フィルムに含まれるアルミニウムなどの金属箔または金属蒸着層の悪影響を一層確実になくすことができ、無線ICタグ20に書き込まれた情報を外部から一層確実に読み出し、或いは、読み出しと新たな情報の書き込みとを行えるようになる。
この場合、外面に無線ICタグ20が貼着された部分のスペースが比較的大きいため、例えば、外箱3に収納する収納物として、内袋2のほかに、金属を含まない収納物がある場合は、この部分に、図示したように、他の収納物9として収納することができる。
また、図には示していないが、図4、図5に示した無線ICタグ付き包装体300、400の構成において、外箱3の内部に設けた仕切り板6は、それぞれ外箱3の奥行き方向(図において前後方向)の全長に設けてもよいが、無線ICタグ20が貼着された部分にその長さに対応して設けてもよい。
(1)外箱3は、板紙(コートボール、坪量310g/m2 )を用いて、シールカートン形式で外形寸法が縦170mm×横130mm×厚み25mmとなるように製函して作製した。
(2)内袋2は、下記の構成の積層フィルムを用いて四方シール形式の袋に製袋し、内容物1としては、レトルト用カレーを用いてそれを220g充填、密封し、レトルト処理を施して作製した。
(内袋用積層フィルムの構成)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)/接着剤/二軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)/接着剤/アルミニウム箔(厚み7μm)/接着剤/無延伸ポリプロピレンフィルム(厚み60μm)〔シーラント層〕
上記各フィルムの積層は、ドライラミネーション法で貼り合わせたものであり、各フィルムの間の接着剤には、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いたものである。
(3)間隔保持部材5としては、厚み4mmの両面段ボールを縦160mm×横120mmの寸法に打ち抜いたものを用いた。
(4)無線ICタグ20としては、電磁誘導方式で通信を行うもので、縦45mm×横50mmの寸法で厚みが0.7mmのシート状のものを用いた。
上記外箱3の内部に、図示した配置になるように前記内袋2と間隔保持部材5とを重ねて収納し、外箱3を封止した後、外箱3の上部の面板4のコーナー寄りの位置に前記無線ICタグ20をホットメルト接着剤で貼着して実施例1の無線ICタグ付き包装体を作製した。
内袋の外形寸法は、幅80mm、長さ120mmとした。
(内袋用積層フィルムの構成)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)/接着剤/アルミニウム箔(厚み7μm)/接着剤/無延伸線状低密度ポリエチレンフィルム(厚み40μm)〔シーラント層〕
この場合も接着剤は、実施例1と同様、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いたものである。
外袋は、下記の構成の積層フィルムを用いて、ガセット形式の袋とし、幅84mm、長さ180mm、両側のガセット部の折り込み幅は各20mm(袋を起こした時の厚みは40mm)となるように作製した。
尚、上記外袋の製袋の際、袋の前面側の積層フィルムの内側の面(シーラント層側の面)に、実施例1で使用した無線ICタグ20と同じ無線ICタグ20をホットメルト接着剤で貼着した。
(外袋用積層フィルムの構成)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)/接着剤/二軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)/接着剤/低密度ポリエチレンフィルム(厚み50μm)〔シーラント層〕
この場合も接着剤は、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いたものである。
以上のように作製したガセット形式の外袋の内部に、前記顆粒状の内容物を密封包装した連続袋形式の内袋8個を積み重ね、更にその上に間隔保持部材として、内袋と幅と長さが略同寸法で厚みが5mmの発泡ポリプロピレンの板状体を重ねて、その発泡ポリプロピレンの板状体が外袋に貼着した無線ICタグ側に位置するように挿入し、外袋の開口部をヒートシールして実施例4の無線ICタグ付き包装体を作製した。
前記実施例1の無線ICタグ付き包装体の構成において、外箱3の内部に、内袋2と共に収納した間隔保持部材5を取り除くと共に、外箱3の厚みを25mmから21mmに、間隔保持部材5の厚み(4mm)だけ減らして外箱3を作製したほかは、全て実施例1と同様に作製して比較例1の無線ICタグ付き包装体を作製した。
これに対して、比較例1の試料では、外箱3と内袋2との間に間隔保持部材5が挿入されていないので、外箱3の外面に貼着された無線ICタグ20と、その背面の内袋2の積層フィルムに積層されたアルミニウム箔とが1mm程度に接近することがあり、アルミニウム箔による悪影響を受け、無線ICタグ20に記憶させた情報を正確に読み出すことができない問題があり好ましくなかった。
2 内袋
3 外箱
4 面板
5 間隔保持部材
6 仕切り板
7a 、7b 接着片
8 成形凹部
9 他の収納物
20 無線ICタグ
21 支持体
22 アンテナ
23 ICチップ
100、200、300、400 無線ICタグ付き包装体
Claims (1)
- 内容物を密封包装した内袋と、該内袋を内部に収納する外容器からなる包装体において、該内袋が金属箔または金属蒸着層を含む積層フィルムで形成され、該外容器は金属箔または金属蒸着層を含まない材料で形成されると共に、該外容器の内面に無線ICタグが貼着され、且つ、該外容器の少なくとも該無線ICタグが貼着された部分の内側には、内部に収納された該内袋と該無線ICタグとの間隔を3〜5mmの距離以上に保つために、前記外容器の内部を仕切り材で少なくとも無線ICタグが貼着された領域を含む部分と無線ICタグが貼着されていない部分とに区画した間隔保持手段が設けられ、無線ICタグが貼着されていない部分に前記内袋を収納したことを特徴とする無線ICタグ付き包装体。
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