JP4826086B2 - 印刷用導電体ペーストの製造方法および積層セラミック部品の製造方法 - Google Patents

印刷用導電体ペーストの製造方法および積層セラミック部品の製造方法 Download PDF

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本発明は、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック部品の製造方法と、その製造に際して、内部電極パターン層を形成するために用いる印刷用導電体ペーストを製造する方法に関する。
たとえば積層セラミックコンデンサを製造するには、以下の手順で行われる。
まず、分散剤、高分子樹脂、可塑剤などの不揮発有機成分を含む溶剤中にセラミック誘電体顔料粉末を分散した誘電体スラリーを作製する。次に、この誘電体スラリーを、プラスチック支持体フィルム上にドクターブレード法やノズル法などの手段により塗布・乾燥して誘電体グリーンシートとする。
次いで、この誘電体グリーンシート上に、内部電極パターン層を形成する。内部電極パターン層は、導電体ペーストをスクリーン印刷することにより形成するのが一般的である。
次に、内部電極パターン層を含む誘電体グリーンシートを支持体ベースフィルムから剥離して、所定の大きさに切断後、内部電極パターン層のパターン位置合わせを行いつつ、複数回、積層した後、加圧および圧着してセラミックグリーン積層体とする。次に、この積層体を、所定のサイズに切断してチップとした後、所定の雰囲気、温度で焼成し、得られた焼成体チップの端部に外部電極を塗布および焼き付けることによって積層セラミックコンデンサが完成する。
ところで、電子部品の小型化および高性能化の要請によって、現在では、積層セラミックコンデンサの層間厚さを決定するセラミックグリーンシートの厚さを3μmあるいは2μm以下にすることが要求され、300以上のセラミックグリーンシートと電極層を含む積層体ユニットを積層することが要求されている。
その結果として、きわめて薄い電極層、たとえば、2μm以下の厚さの電極層を形成することが要求されており、かかる要求を満たすためには、導電体ペースト中の導電体材料の分散性を向上させることが必要である。
すなわち、導電体ペースト中の導電体材料の分散性が低いと、導電体ペーストを印刷して形成した電極層の乾燥後の導電体材料の密度が低くなり、燒結時に、電極層が大きく収縮するため、印刷によって、薄層の電極層を形成した場合には、燒結後に、電極層が不連続になって、コンデンサの電極の重なり面積が低くなり、取得容量が低くなるという問題が生じる。
したがって、きわめて薄い電極層を、連続して、形成するためには、電極層を形成するための導電体ペースト中の導電体材料濃度を、高い精度で制御するとともに、導電体ペースト中の導電性材料の分散性を向上させて、導電体ペーストを印刷して形成された電極層中の乾燥後の導電体材料の密度を向上させることが必要になる。
また、導電性ペースト中には、焼結を抑制するために、焼結抑制材が添加され、積層セラミックコンデンサの場合には、誘電体の組成と同一またはほぼ同じ誘電体組成物を、焼結抑制材として、導電体粉末に混合しているが、焼結抑制材を効果的に用いるためには、焼結抑制材と導電体粉末との分散性を均一にすることが必要である。
従来の導電体ペーストは、たとえば下記の特許文献1に記載してあるように、次のようにして調整される。まず、導電体粉末と、焼結抑制材と、メチルエチルケトンやアセトンなどの低沸点溶剤とを、ボールミルを用いて、混合して、分散し、さらに、こうして得られた分散物に、ターピオネールなどの高沸点溶剤と、エチルセルロースなどの有機バインダを添加し、混合して、スラリーを生成する。
あるいは、導電体粉末と、焼結抑制材と、メチルエチルケトンやアセトンなどの低沸点溶剤と、ターピオネールなどの高沸点溶剤とを、ボールミルを用いて、混合して、分散し、さらに、こうして得られた分散物に、ターピオネールなどの高沸点溶剤と、エチルセルロースなどの有機バインダを添加し、混合して、スラリーを生成する。
その後、エバポレータを用いて、このスラリー中の低沸点溶剤を蒸発させて、スラリーから除去して、導電体ペーストを調製し、粘度を調整するために、得られた導電体ペーストに、さらに、ターピオネールなどの高沸点溶剤を添加して、自動乳鉢や3本ロールなどを用いて、分散し、調製されている。
しかしながら、このような方法によって、導電体ペーストを調製する場合には、蒸発させた低沸点溶剤の残留量を高精度に制御することは困難である。また、この方法では、低沸点溶剤を蒸発させて、除去する際の高沸点溶剤の蒸発量を、精度よく、制御することが困難であり、したがって、所望の導電体材料濃度を有する導電体ペーストを調製することがきわめて難しい。このため、導電体ペーストを印刷することによって、所望の乾燥厚さを有する内部電極層を形成することがきわめて困難である。また、低沸点溶剤を蒸発させて、導電体ペーストを調製した後に、ターピオネールなどの高沸点溶剤を、導電体ペーストに添加して、粘度を調整する場合には、いわゆるソルベント・ショックが生じる。すなわち、導電体粉末に対する親和性が異なる溶剤種の混合および固形分濃度の急激な変化によって、導電体粉末が凝集し、導電体材料が、高い分散性をもって、分散された導電体ペーストを得ることができない場合があるという問題があった。
そこで、本発明者は、下記の特許文献2に示す特許出願を行い、導電体粉末とバインダと溶剤とを混練した後に、その混合物に、混練工程で用いた溶剤と同一の溶剤を添加して導電体ペーストを調整し、その後、コロイドミル装置などで分散処理する方法を提案している。
しかしながら、さらに本発明者が実験を進めた結果、導電体ペーストをコロイドミル装置などで分散処理した後に、さらに特定の分散装置により分散処理することで、さらに内部電極パターン層の印刷に適した導電体ペーストを製造できることを見出した。
特開2001−237140号公報 特願2003−340400号
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、本発明の目的は、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック部品の製造方法に際して、内部電極パターン層を印刷法により薄く形成するのに適した印刷用導電体ペーストを製造する方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、たとえば層間厚みが極端に薄層化された高容量の積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック部品を、層間剥がれや内部欠陥などを生じることなく、高い製造歩留まりで製造することができる積層型電子部品の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る印刷用導電体ペーストの製造方法は、
導電体粉末と、バインダと、第1溶剤とを混練する工程と、
前記混練工程によって得られた混合物に、分散剤および/または第2溶剤を添加して、粘性を低下させて導電体ペーストを得る工程と、
前記導電体ペーストを、非開放型の第1分散装置を用いて分散処理する工程と、
前記第1分散装置を用いて分散処理された導電体ペーストを、前記第1分散装置とは異なる非開放型の第2分散装置を用いて分散処理する工程と、
を有する。
本発明によれば、導電体ペーストの導電体材料濃度は、混合物に添加される第1溶剤および第2溶剤の量によって決定され、その後に、非開放型の分散装置を用いて分散処理されることから、所望の導電体材料濃度を有する導電体ペーストを調製することが容易になる。
好ましくは、前記第1分散装置がコロイドミル装置、ストーンミル、閉鎖型乳化器のいずれかである。非開放型の分散装置を用いてペーストの分散処理を行うことから、導電体ペースト中の導電体材料の分散性をさらに向上させることが可能になるとともに、導電体ペースト中の導電体材料濃度を、所望の値に制御することが可能になる。そのため、分散工程における固形分濃度の変化を抑制することができるとともに、製造効率を大幅に増大させることが可能になる。
好ましくは、前記第2分散装置がビーズミル装置である。コロイドミル装置などの第1分散装置により分散した後に、さらに、ビーズミル装置を用いて分散処理することで、導電体ペーストにおける剪断速度が高い状態での粘度を低く維持したまま、剪断速度が低い状態での粘度を上げることができる。すなわち、導電体ペーストにおいて、剪断速度1(1/s)の時の粘性をV1(Pa・s)とし、剪断速度5000(1/s)の時の粘性をV5000(Pa・s)とした場合に、V1/V5000を7以上とすることができる。このことは、本発明者により初めて見出された。
V1/V5000を7以上とすることで、スクリーン印刷用のスクリーンの上に導電体ペーストを載せた状態(剪断速度が低い領域)では、ペーストの粘度を高く(V1)維持することができ、スクリーンの網目からペーストが垂れ落ちることを防止することができる。また、スクリーン印刷用のスクリーンの上の導電体ペーストをスキージで擦る際(剪断速度が高い領域)には、ペーストの粘度を低く維持することができ、スクリーンの網目にペーストを通過させ、良好な印刷を可能にする。
すなわち、本発明によれば、内部電極パターン層を印刷法により薄く形成するのに適した印刷用導電体ペーストを提供することが可能になる。
好ましくは、前記ビーズミル装置における導電体ペーストの処理温度を、40度以上80度未満の範囲に設定する。処理温度が低すぎると、装置内において導電体ペーストの粘度が高くなり、ビーズ(メディア)がスクリーン(メディアとスラリーの分離機構)に目詰まるため、装置を安定に運転することが困難になる傾向にある。また、処理温度が高すぎると、ペースト中に含まれる溶剤が装置内部で揮発し装置の内壁に液滴として付着し、ペースト中の導電体材料の濃度が変化することから好ましくない。
好ましくは、前記ビーズミル装置の内部に収容してあるメディアの粒径を、0.1mmより大きく1mm未満の範囲に設定する。メディアの粒径が小さすぎる場合には、ビーズミル装置を安定に運転することが困難になる傾向にある。メディアの粒径が大きすぎると、分散・粉砕効率が低下し、ペーストの印刷後に得られる導電体膜の密度が低下する傾向にある。
好ましくは、前記ビーズミル装置のロータの周速が4m/分より大きく10m/分未満である。ロータの周速が小さすぎると、ビーズミル装置を安定して運転することが困難になる傾向にあり、周速が大きすぎると、ペースト中の粒子の変形や凝集が生じ、印刷後に得られる導電体膜の表面粗さが大きくなる傾向にある。
好ましくは、前記ビーズミル装置による分散処理後の導電体ペーストにおける剪断速度1(1/s)の時の粘性をV1(Pa・s)とし、剪断速度5000(1/s)の時の粘性をV5000(Pa・s)とした場合に、V1/V5000が7以上、好ましくは10以上、さらに好ましくは12以上となるように、前記ビーズミル装置における導電体ペーストの滞留時間を設定する。V1/V5000が小さすぎると、本発明の作用効果が得られにくくなる傾向にある。
好ましくは、前記第1溶剤と第2溶剤とが同一種類の溶剤である。混練工程で用いた溶剤と同一の溶剤を添加することで、いわゆるソルベント・ショックが発生することを確実に防止することができ、導電体材料の分散性を向上させることができる。
好ましくは、前記導電体粉末と、バインダと、第1溶剤とを、これらの混合物が湿潤点に達するまで、混練する。
好ましくは、前記導電体粉末と、バインダと、第1溶剤とを、これらの混合物の固形分濃度が84〜94量%、さらに好ましくは85〜92量%になるまで、混練する。
好ましくは、高速剪断ミキサー、遊星方式の混練機およびニーダーよりなる群から選ばれるミキサーを用いて、前記導電体粉末とバインダと第1溶剤とを混練する。
好ましくは、100重量部の前記導電体粉末に、0.25〜1.7重量部の前記バインダと、3.0〜15.0重量部の前記第1溶剤とを加え、混練する。
好ましくは、100重量部の導電体粉末に、0.5〜1.0重量部の前記バインダと、6.0〜10.0重量部の前記第1溶剤とを加える。
好ましくは、前記バインダを、前記第1溶剤に溶解させて有機ビヒクルを調製し、3〜15量%の有機ビヒクル溶液を、前記導電体粉末に加えて、混練する。
好ましくは、前記混練工程によって得られた前記混合物に、前記導電体粉末100重量部に対して、0.25〜2.0重量部の前記分散剤を添加して、前記混合物の粘度を低下させ、次いで、前記第2溶剤を添加する。
本発明に係る積層セラミック部品の製造方法は、
グリーンシート用スラリーを用いて、グリーンシートを形成する工程と、
上記のいずれかに記載の印刷用導電体ペーストの製造方法により得られた印刷用導電体ペーストを用いて、前記グリーンシートの上に、内部電極パターン層を形成する工程と、
前記内部電極パターン層が形成された前記グリーンシートを、複数積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程と、を有する。
好ましくは、本発明に係る積層セラミック部品の製造方法は、
前記内部パターン電極層の段差を埋めるように、前記内部電極パターン層の段差隙間部分に余白パターン層を印刷法により形成する工程をさらに有する。内部電極パターン層の段差隙間部分に、余白パターン層を形成することで、内部電極パターン層の表面が段差のない平坦な面になっていることから、段差に起因する積層時または焼成後の不都合を解消することができる。
好ましくは、前記内部電極パターン層および前記余白パターン層の厚みを2.0μm以下、さらに好ましくは1.5μm以下に設定する。
本発明に係る積層セラミック部品の製造方法では、2.0μm以下、好ましくは1.5μm以下程度にきわめて薄い電極パターン層を形成することが可能になる。しかも、その電極パターン層の表面粗さが小さく、表面の光沢度に優れていることから、その上に積層されるグリーンシートとの密着性が向上し、グリーンシートの積層が容易になる。
そのため、積層時においてグリーンシート同士がずれることが無くなり、上下の電極層のパターンに位置ずれが発生し難く、多層化によっても、位置ずれが累積せず、積層体の切断工程で切断不良になるおそれも少ない。また、切断工程で積層ずれや積層体の割れなども発生しにくい。さらに、その後に引き続いて行われる脱バインダ工程および焼成工程においても、積層体の境界に沿って亀裂、割れが発生し難い。したがって、本発明では、層間剥がれや内部欠陥などを生じることなく、高い製造歩留まりで、積層セラミック部品を製造することができる。
また、本発明の方法では、電極パターン層の密度を向上させることができることから、分散性を改善し、焼成後の電極のライン性を改善することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る製造方法により得られる積層セラミックコンデンサの概略断面図、
図2は図1に示す積層セラミックコンデンサを製造する過程を示す要部断面図、図3は図2の続きの工程を示す概略断面図、
図4はビーズミル装置の概略図、
図5は本発明の実施例における印刷用導電体ペーストの剪断速度と粘度との関係を示すグラフ、
図6は本発明の実施例における印刷用導電体ペーストの剪断速度と法線応力との関係を示すグラフである。
積層セラミックコンデンサの全体構成
まず、本発明に係る積層型セラミック電子部品の一実施形態として、積層セラミックコンデンサの全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4と、第1端子電極6と第2端子電極8とを有する。コンデンサ素体4は、誘電体層10と、内部電極層12とを有し、誘電体層10の間に、これらの内部電極層12が交互に積層してある。交互に積層される一方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第1端部の外側に形成してある第1端子電極6の内側に対して電気的に接続してある。また、交互に積層される他方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第2端部の外側に形成してある第2端子電極8の内側に対して電気的に接続してある。
誘電体層10の材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよび/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構成される。各誘電体層10の厚みは、特に限定されないが、数μm〜数百μmのものが一般的である。特に本実施形態では、好ましくは5μm以下、より好ましくは2.5μm以下、特に好ましくは1.5μm以下に薄層化されている。
内部電極層12の材質は、特に限定されず、ニッケル、ニッケル合金、銀、パラジウム、銅、銅合金、その他の金属または合金で構成される。内部電極層12の厚みは、誘電体層10の厚み以下の厚みである。
端子電極6および8の材質も特に限定されないが、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。端子電極6および8の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。
積層セラミックコンデンサ2の形状やサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよい。積層セラミックコンデンサ2が直方体形状の場合は、通常、縦(0.6〜5.6mm、好ましくは0.6〜3.2mm)×横(0.3〜5.0mm、好ましくは0.3〜1.6mm)×厚み(0.1〜1.9mm、好ましくは0.3〜1.6mm)程度である。
積層セラミックコンデンサの製造方法の全体説明
次に、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2の製造方法の一例を説明する。
まず、焼成後に図1に示す誘電体層10を構成することになるセラミックグリーンシートを製造するために、誘電体スラリー(グリーンシート用スラリー)を準備する。
誘電体スラリーは、誘電体無機原料(セラミック粉体/第1無機顔料粉末)と有機ビヒクルとを混練して得られる有機溶剤系ペーストで構成される。
誘電体無機原料としては、特に限定されず、チタン酸バリウム、鉛含有ペロブスカイト、アルミナなどのほか、温度補償用材料や高誘電率系材料としての機能発現のための各種無機添加物を含有した組成系を適宜選択して使用することができる。これらの原料は、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、混合して用いることができる。誘電体原料は、通常、平均粒子径が0.4μm以下、好ましくは0.1〜3.0μm程度の粉体として用いられる。なお、きわめて薄いグリーンシートを形成するためには、グリーンシート厚みよりも細かい粉体を使用することが望ましい。
有機ビヒクルとは、有機結合材成分を有機溶剤中に溶解したものである。有機結合材成分とは、バインダ樹脂としての高分子樹脂、あるいは高分子樹脂と可塑剤とを意味するものとする。
有機ビヒクルに用いられる有機溶剤は、特に限定されず、アセトン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、キシレンなどの有機溶剤が用いられる。
有機ビヒクルに用いられる高分子樹脂としては、特に限定されず、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種セルロース誘導体を含むセルロース系樹脂、アセタール樹脂、ブチラール樹脂、アクリル酸、およびその誘導体を重合したアクリル系樹脂、メタクリル酸、およびその誘導体を重合したメタクリル系樹脂、エチレン、あるいはプロピレンと酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、グリシジル酸、グリシジル酸エステルなどとの各種共重合体を含むオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが例示され、これらの中の一種、あるいは複数種を、適宜、選択することができる。
可塑剤としては、特に限定されないが、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ベンジルブチルなどのフタル酸エステルのほか脂肪族二塩基酸エステル、リン酸エステルなどが使用される。
誘電体スラリー中の有機結合剤成分(高分子樹脂+可塑剤)は、通常、誘電体無機顔料粉末に対して3〜16量%が望ましく、添加される可塑剤量は、高分子樹脂に対して100量%以下が望ましい。有機結合剤成分が3量%以下では、無機顔料粉末を結合する効果が少なく、グリーンシートから無機顔料が粉落ちしやすく、シートの強度が劣化する傾向にある。また、有機結合剤成分が16量%を越えると、誘電体無機顔料粉末に対する有機物成分量が相対的に多くなる結果、脱バインダに要する時間が長くなるほか、誘電体無機顔料粉末のグリーンシート中における密度が低下するため、脱バインダ工程での体積収縮が増大し、最終のチップ寸法精度の低下や電極層の変形、クラック増大という問題につながる傾向にある。また、可塑剤量が100量%を越えると、誘電体グリーンシートの強度が低下し、また、支持体フィルムから剥離し難くなるなどの理由でシート中の欠陥が増加する傾向にある。
誘電体スラリー中には、必要に応じて各種分散剤、帯電除剤、剥離剤などの添加物が含有されても良い。ただし、これらの総含有量は、無機顔料粉末に対して10量%以下とすることが望ましい。
次に、上記誘電体スラリーを用いて、ドクターブレード法などにより、図2に示すように、支持シートとしてのキャリアシート20上に、好ましくは3.0μm以下、さらに好ましくは0.5〜2.5μm程度の厚みで、グリーンシート10aを形成する。グリーンシート10aは、キャリアシート30に形成された後に乾燥される。グリーンシート10aの乾燥温度は、好ましくは50〜100℃であり、乾燥時間は、好ましくは1〜5分である。
キャリアシート20としては、たとえばPETフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、シリコンなどがコーティングしてあるものが好ましい。これらのキャリアシート20の厚みは、特に限定されないが、好ましくは、5〜100μmである。
次に、本実施形態では、図2に示すように、印刷法または転写法などにより、グリーンシート10aの表面に、所定パターンの内部電極パターン層12aと、その内部電極パターン層12aと実質的に同じ厚みの余白パターン層24とを形成する。内部電極パターン層12aと余白パターン層24とは、相互に相補的なパターンである。
以下の説明では、厚膜法の1種であるスクリーン印刷法あるいはグラビア印刷法により、所定パターンの内部電極パターン層12aおよび余白パターン層24を形成する方法について説明する。
まず、電極ペーストを準備する。電極ペーストは、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、あるいは焼成後に上記した導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、またはレジネート等と、有機ビヒクルとを混練して調製する。電極ペーストの製造方法の詳細については後述する。
電極ペーストを製造する際に用いる導体材料としては、NiやNi合金さらにはこれらの混合物を用いる。このような導体材料は、球状、リン片状等、その形状に特に制限はなく、また、これらの形状のものが混合したものであってもよい。また、導体材料の平均粒子径は、通常、0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものを用いればよい。
グリーンシート10aの表面に、所定パターンの電極ペースト層を印刷法で形成した後、またはその前に、電極パターン層12aが形成されていないグリーンシート10aの表面に、電極パターン層12aと実質的に同じ厚みの余白パターン層24を形成する。すなわち、所定パターンの内部電極パターン層12aの段差を埋めるように、内部電極パターン層12aの段差隙間部分に余白パターン層24を形成する。
図2に示す余白パターン層24は、印刷用誘電体ペーストを用いる印刷法などの厚膜形成方法により、グリーンシート10aの表面に形成する事ができる。厚膜法の1種であるスクリーン印刷法により、グリーンシート10aの表面に余白パターン層24(図2)を形成する場合には、以下のようにして行う。
まず、印刷用誘電体ペーストを準備する。印刷用誘電体ペーストは、後述する印刷用電極ペーストと同様な方法により得ることができる。
印刷用誘電体ペーストを製造する際に用いる誘電体材料としては、グリーンシート10aを構成する誘電体と同じ誘電体粒子を用いて作製される。印刷用誘電体ペーストには、誘電体粒子と、有機ビヒクルとが含まれる。
印刷用誘電体ペーストにおける有機結合材成分(高分子樹脂+可塑剤)と、各種添加物は、グリーンシート用スラリーに用いられるものと同様なものが用いられる。ただし、これらは、必ずしも、グリーンシート用スラリーに用いられるものと全く同じものである必要はなく、異なっていても良い。また有機ビヒクルを構成する溶剤は、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタートなどの高沸点溶剤が用いられる。
電極層12aおよび余白パターン層24が形成されたグリーンシート10aを積層させるには、たとえば、これらの積層構造を一つの積層単位U1として、図3に示すように、これらの積層単位U1を複数積層し、積層体30を形成すればよい。図3に示すように、積層単位U1の積層に際しては、隣接して積層される積層単位U1における電極層12aは、相互に互い違いの位置関係になるように積層される。あるいは、積層単位U1が複数積層された積層体を、一つの積層単位として、これらの積層単位を積層しても良い。
積層体30が完成した後には、切断線Xに沿って積層体30は切断され、焼成後に図1に示すコンデンサ素体4となるグリーンチップが得られる。なお、実際の積層体30における積層方向の上下には、電極層が形成されない厚めの外装用グリーンシートが積層される。
切断後のグリーンチップは、脱バインダ処理、焼成処理が行われ、そして、誘電体層を再酸化させるため、熱処理が行われる。
脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよいが、内部電極層の導電体材料にNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、特に下記の条件で行うことが好ましい。
昇温速度:5〜300℃/時間、
保持温度:200〜600℃、
保持時間:0.5〜20時間、
雰囲気 :空気あるいは加湿したNとHとの混合ガス。
焼成条件は、下記の条件が好ましい。
昇温速度:50〜500℃/時間、
保持温度:1100〜1300℃、
保持時間:0.5〜8時間、
冷却速度:50〜500℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したNとHとの混合ガス等。
ただし、焼成時の空気雰囲気中の酸素分圧は、10−2Pa以下、特に10−2〜10−8Paにて行うことが好ましい。前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にあり、また、酸素分圧があまり低すぎると、内部電極層の電極材料が異常焼結を起こし、途切れてしまう傾向にある。
このような焼成を行った後の熱処理は、保持温度または最高温度を、好ましくは1000℃以上、さらに好ましくは1000〜1100℃として行うことが好ましい。熱処理時の保持温度または最高温度が、前記範囲未満では誘電体材料の酸化が不十分なために絶縁抵抗寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲をこえると内部電極のNiが酸化し、容量が低下するだけでなく、誘電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にある。熱処理の際の酸素分圧は、焼成時の還元雰囲気よりも高い酸素分圧であり、好ましくは10−3Pa〜1Pa、より好ましくは10−2Pa〜1Paである。前記範囲未満では、誘電体層2の再酸化が困難であり、前記範囲をこえると内部電極層12が酸化する傾向にある。
このようにして得られた焼結体(素子本体4)には、例えばバレル研磨、サンドプラスト等にて端面研磨を施し、端子電極用ペーストを焼きつけて端子電極6,8上にめっき等を行うことにより端子電極6,8が形成される。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
印刷用導電体ペーストの製造方法
図2および図3に示す内部電極パターン層12aを印刷法により形成するための印刷用導電体ペーストは、以下のようにして製造される。
まず、導電体粉末と、バインダと、第1溶剤とを、混合物が湿潤点に達するまで、混練する。混練は、高速剪断ミキサー、遊星方式の混練機およびニーダーよりなる群から選ばれるミキサーを用いて行われる。
高速剪断ミキサーとしては、三井鉱山株式会社製「ヘンシェルミキサー」(商品名)や、日本アイリッヒ株式会社製「アイリッヒミキサー」などが、好ましく用いられる。高速剪断ミキサーを用いて、混練する場合には、回転速度が、通常、500rpm〜3000rpmに設定される。
本発明において、遊星方式の混練機としては、2軸以上の遊星方式の混合・混練機であるプラネタリーミキサーが、好ましく用いられ、プラネタリーミキサーを用いて混練する場合には、100rpm以下の低速で回転されて、導電体粉末と、バインダと、溶剤とを混練することが好ましい。
本発明において、ニーダーを用いて混練する場合には、100rpm以下の低速で回転して混練することが好ましい。
好ましくは、100重量部の導電体粉末に、0.25〜4.5重量部のバインダと、3.0〜18.0重量部の第1溶剤が加えられ、固形分濃度が84〜94質量%になるまで、導電体粉末と、バインダと、溶剤と可塑剤(バインダに対して30〜70PHR入っていてもよい)が、混練される。さらに好ましくは、100重量部の導電体粉末に、0.5〜4.0重量部のバインダと、5〜15.0重量部の第1溶剤とが加えられ、固形分濃度が85〜92質量%になるまで、導電体粉末と、バインダと、溶剤とが、混練される。
混練する際には、予めバインダを、溶剤に溶解させて、有機ビヒクルを調製し、3〜15量%の有機ビヒクル溶液を、導電体粉末に加えて混練することが好ましい。混練に際しては、Ni粉末などの導電体粉末以外に、BaTiO粉末などの誘電体粉末も、共材として、含まれることが好ましい。誘電体粉末は、グリーンシート用ペーストに含まれる誘電体粉末と同様なものが用いられ、100重量部の導電体粉末に対して、5〜20重量部程度の割合で含まれて混練されることが好ましい。
混練工程において用いられるバインダは、格別限定されるものではないが、好ましくは、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂およびこれらの混合物よりなる群から選ばれたバインダが用いられる。
混練工程において用いられる第1溶剤は、格別限定されるものではないが、好ましくは、ターピオネール、ジヒドロターピオネール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ターピオネールアセテート、ジヒドロターピオネールアセテート、ケロシンおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれた溶剤が用いられる。
次に、混練工程によって得られた混合物は、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー等の混練装置で、分散剤、追加分の溶剤、添加剤が添加され、混合物がスラリー化される。分散剤を添加する際には、混合物の固形分濃度が40〜50質量%、粘度が数パスカル〜数十パスカルになるまで、混合物がスラリー化される。
分散剤としては、格別限定されるものではなく、高分子型分散剤、ノニオン系分散剤、アニオン系分散剤、カチオン系分散剤、両面界面活性剤などの分散剤を用いることができるが、これらの中では、ノニオン系分散剤が好ましく、とくに、HLBが5〜7のポリエチレングリコール系分散剤が、好ましく用いられる。
好ましくは、混練工程によって得られた混合物に、導電体粉末100重量部に対して、0.25〜2.0重量部の分散剤が添加されて、混合物の粘度を低下した後に、第2溶剤が添加して、混合物をスラリー化する。第2溶剤としては、混練工程において用いられた第1溶剤と同一種類の溶剤が用いられることが好ましい。
その後、スラリー化された導電体ペーストを、非開放型の第1分散装置を用いて分散処理する。第1分散装置としては、たとえば閉鎖型乳化器、コロイドミル装置、ストーンミル、特に好ましくはコロイドミル装置が用いられる。導電体ペーストは、この第1分散装置により、連続的に分散されて調製される。
第1分散装置により調整された導電体ペーストは、次に、第2分散装置により分散処理される。第2分散装置としては、ビーズミル装置が用いられる。図4に、本実施形態において用いられるビーズミル装置を示す。
図4に示すビーズミル装置40は、軸方向に沿って長いケーシング42を有し、ケーシング42の内部には、複数の撹拌翼46を具備するロータ44が回転自在に配置してある。ケーシング42の内部には、メディアとしてのビーズが充填してあり、ロータ44の回転により、入口48から入ってくる導電体ペーストがビーズと共に掻き混ぜられ、導電体ペーストの分散処理を行う。分散処理された導電体ペーストは、出口50から配管52を通して、タンク54に入れられる。出口50には、フィルタなどが装着してあり、ビーズが外部に排出されないようになっている。
タンク54内に貯留してある導電体ペーストは、撹拌翼62を持つ撹拌ロータ60により撹拌され、その一部は、ポンプ58により循環用配管56を通してコロイドミル装置40の入口48に戻され、装置40の内部を循環することになる。
この実施形態では、ビーズミル装置40における導電体ペーストの処理温度を、40度以上80度未満の範囲に設定するために、タンク54には、温度調節装置64が具備してある。温度調節装置としては、特に限定されず、ヒータ、冷却装置、熱交換機などが例示される。所定の温度範囲に制御するためには、ペーストの温度を検出する温度センサも必要である。
本実施形態では、ビーズミル装置40の内部に収容してあるメディアの粒径を、0.1mmより大きく1mm未満の範囲に設定してある。また、本実施形態では、ビーズミル装置40のロータ44における撹拌翼46の最外周での周速が4m/分より大きく10m/分未満となるように、ロータ44の回転速度が制御される。
また、本実施形態では、ビーズミル装置による分散処理後の導電体ペーストにおける剪断速度1(1/s)の時の粘性をV1(Pa・s)とし、剪断速度5000(1/s)の時の粘性をV5000(Pa・s)とした場合に、V1/V5000が7以上となるように、ビーズミル装置40における導電体ペーストの滞留時間t1を制御する。なお、滞留時間t1とは、次のように定義される。すなわち、t1=t2×V1/V2である。なお、t2は、装置40の運転時間であり、V1とは、ベッセル実容積であり、V2とは、タンク54、配管52および56を含むビーズミル装置40の循環系全体に投入されているペーストの全容積である。なお、ベッセル実容積とは、ビーズミル装置40のケーシング42の空の容積から投入されたビーズの体積を差し引いた容積である。
このようにして調製された導電体ペーストは、前述したように、スクリーン印刷機などを用いて、図2に示すセラミックグリーンシート10aの表面に印刷され、内部電極パターン層12aとなる。
本実施形態に係る印刷用導電体ペーストの製造方法では、導電体ペーストの導電体材料濃度は、混合物に添加される第1溶剤および第2溶剤の量によって決定され、その後に、非開放型の分散装置を用いて分散処理されることから、所望の導電体材料濃度を有する導電体ペーストを調製することが容易になる。また、分散工程における固形分濃度の変化を抑制することができるとともに、製造効率を大幅に増大させることが可能になる。
さらに、コロイドミル装置などの第1分散装置により分散した後に、さらに、ビーズミル装置を用いて分散処理することで、導電体ペーストにおける剪断速度が高い状態での粘度を低く維持したまま、剪断速度が低い状態での粘度を上げることができる。すなわち、導電体ペーストにおいて、剪断速度1(1/s)の時の粘性をV1(Pa・s)とし、剪断速度5000(1/s)の時の粘性をV5000(Pa・s)とした場合に、V1/V5000を7以上とすることができる。
V1/V5000を7以上とすることで、スクリーン印刷用のスクリーンの上に導電体ペーストを載せた状態(剪断速度が低い)では、ペーストの粘度を高く(V1)維持することができ、スクリーンの網目からペーストが垂れ落ちることを防止することができる。また、スクリーン印刷用のスクリーンの上の導電体ペーストをスキージで擦る際(剪断速度が高い)には、ペーストの粘度を低く維持することができ、スクリーンの網目にペーストを通過させ、良好な印刷を可能にする。
すなわち、本実施形態によれば、内部電極パターン層12aを印刷法により薄く形成するのに適した印刷用導電体ペーストを提供することが可能になる。
また、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法では、1.5μm以下程度にきわめて薄い内部電極パターン層12aを形成することが可能になる。しかも、その内部電極パターン層12aの表面粗さが小さく、表面の光沢度に優れていることから、その上に積層されるグリーンシート10aとの密着性が向上し、グリーンシートの積層が容易になる。
そのため、積層時においてグリーンシート同士がずれることが無くなり、上下の電極層のパターンに位置ずれが発生し難く、多層化によっても、位置ずれが累積せず、積層体の切断工程で切断不良になるおそれも少ない。また、切断工程で積層ずれや積層体の割れなども発生しにくい。さらに、その後に引き続いて行われる脱バインダ工程および焼成工程においても、積層体の境界に沿って亀裂、割れが発生し難い。したがって、本発明では、層間剥がれや内部欠陥などを生じることなく、高い製造歩留まりで、積層セラミック部品を製造することができる。
しかも、本実施形態では、内部電極パターン層12aの段差隙間部分には、余白パターン層24が形成され、内部電極パターン層12aの表面が段差のない平坦な面になっていることから、段差に起因する積層時または焼成後の不都合を解消することができる。
また、本発明の実施形態では、印刷後の内部電極パターン層12aの密度を向上させることができることから、分散性を改善し、焼成後の電極のライン性を改善することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、本発明の方法は、積層セラミックコンデンサの製造方法に限らず、その他の積層型電子部品の製造方法としても適用することが可能である。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
印刷用導電体ペースト中の導電体材料濃度が、47量%になるように、以下のようにして、導電体ペーストを調製した。
1.48重量部の(BaCa)SiOと、1.01重量部のYと、0.72重量部のMgCOと、0.13重量部のMnOと、0.045重量部のVを混合して、添加物粉末を調製した。
こうして調製した添加物粉末100重量部に対して、150重量部のアセトンと、104.3重量部のターピオネールと、1.5重量部のポリエチレングリコール系分散剤とを混合して、スラリーを調製し、アシザワ・ファインテック株式会社製粉砕機「LMZ0.6」(商品名)を用いて、スラリー中の添加物を粉砕した。
スラリー中の添加物の粉砕にあたっては、ZrOビーズ(直径0.1mm)を、ベッセル内に、ベッセル容量に対して、80%になるように充填し、周速14m/分で、ローターを回転させ、スラリーを、全スラリーがベッセルに滞留する時間が5分になるまで、ベッセルとスラリータンクとの間を循環させて、スラリー中の添加物を粉砕した。粉砕後の添加物のメディアン径は0.1μmであった。
次いで、エバポレータを用いて、アセトンを蒸発させて、スラリーから除去し、添加物がターピオネールに分散された添加物ペーストを調製した。添加物ペースト中の導電体材料の濃度は49.3量%であった。
さらに、0.2μmの粒径を有するNi粉末(川鉄工業株式会社製)を導電体粉末として用い、導電体粉末100重量部に対して、0.05μmの粒径を有する堺化学工業株式会社製のBaTiO粉末19.14重量部と、1.17重量部の添加物ペーストを添加し、プラネタリーミキサーを用いて、混合した。プラネタリーミキサーの回転数は50rpmとした。
次いで、8重量部のポリビニルブチラール(重合度2400、ブチラール化度69%、残留アセチル基量12%)を、70℃で、92重量部のターピオネールに溶解して、調製した有機ビヒクルの8%溶液を、導電体粉末、誘電体粉末および添加物ペーストの混合物が粘土状になり、一旦、きわめて高くなった混練機の負荷電流値が低下して、一定値に安定するまで、混合物に徐々に添加して、混練した。
その結果、30分にわたって、混合物を混練し、17.14重量部の有機ビヒクル溶液を添加したところ、混練機の負荷電流値が一定値で安定した。
次いで、粘土状になった混合物に、1.19重量部のポリエチレングリコール系分散剤を添加して、粘土状混合物の粘度を低下させて、プラネタリーミキサーを使用してクリーム状にした。
さらに、帯電助剤として、0.5重量部のイミダゾリン系界面活性剤、可塑剤として、2.25重量部のフタル酸ジオクチル、39.11重量部の有機ビヒクルおよび32.2重量部のターピネオールを徐々に添加して、粘土状混合物の粘度を徐々に低下させた。
次いで、こうして得られた粘土状混合物を、第1分散装置としてのコロイドミルを用いて、3回にわたって、分散処理し、導電体ペーストを調製した。分散条件は、ギャップ:40μm、回転数:1800rpmであった。
このようにして作成された導電体ペーストをさらに、第2分散装置としてのビーズミル装置(アシザワファインテック社製LMZ0.6)を用い、下記の条件にて分散処理を行った。
ZrOビーズ径: 0.6mm、
メディア充填率: 80%(ベッセル容量に対して)、
周速: 8m/分、
処理温度: 40°C、
滞留時間: 0分〜60分。
こうして調製した導電体ペーストの粘度を、TAインストゥルメント社製AR2000を用いて、25℃、剪断速度0.1〜6000sec−1で測定した。
滞留時間を0分、5分、10分、15分、20分、30分、40分、50分、60分のサンプルペーストを、それぞれ試料S1〜S9とし、それぞれのサンプルペーストについて、剪断速度0.1〜5000sec−1での粘度を測定した。結果を図5に示す。また、剪断速度が、それぞれ1、10、100、1000、5000sec−1での粘度を、それぞれV1、V10、V100、V1000、V5000とした場合に、試料S1〜S9のそれぞれの値を表1に示す。また、表1には、V1/V5000の値も示した。
Figure 0004826086
また、各試料S1〜S9における剪断速度0.1〜5000sec−1での法線応力を測定した結果を図6に示す。さらに、各試料S1〜S9における剪断速度5000sec−1での法線応力N5000を測定した結果を表1に示す。
なお、法線応力の測定は、粘度計AR2000により行った。
また、剪断速度5000sec−1での法線応力N5000の値は、定性的には、印刷時のスキージに加わる垂直方向の力であり、スキージを持ち上げる力を意味し、好ましくは2N以下であることが、印刷用導電体ペーストとして好適である。
表1に示すように、V1/V5000を8以上、好ましくは10以上とするためには、この実施例におけるビーズミル装置における滞留時間は、15分以上、好ましくは20分以上とすることがよいことが確認された。
ただし、ビーズミル装置での滞留時間の絶対値は、装置の容積やペーストの処理量などによっても変化することから、ビーズミル装置での滞留時間は、V1/V5000を7以上とするように選択すればよい。試料S1は、滞留時間が0であり、ビーズミル装置での分散処理が成されていないので、本発明の比較例となる。印刷用導電体ペーストとしては、V1/V5000を7以上とする試料S5〜S9、特に、試料S6〜S8が好ましい。
実施例2
実施例1で得られた試料S1,S3,S5,S6,S7について、導電体材料濃度を測定した。測定は、各試料の導電体ペースト1グラムを秤量して、るつぼに入れ、600℃で、焙焼し、焙焼後の重量を秤量して、導電体ペーストに含まれた導電体材料濃度を測定した。結果を表2に示す。また、各試料について、25℃、剪断速度10sec−1での粘度を表2に示す。
さらに、各試料について、粒ゲージを用いて、導電体ペーストに含まれている粗粒および未溶解樹脂成分の有無を測定した。結果を表2に示す。
また、各試料の導電体ペーストを、スクリーン印刷法によって、ポリエチレンテレフタレートフイルム上に印刷し、80℃で、5分間にわたって、乾燥させ、得られた導電体膜の表面粗さ(Ra)、光沢度および塗膜密度を測定した。乾燥後の導電体膜の厚みは、1.1μmであった。
ここに、導電体膜の表面粗さ(Ra)は、株式会社小阪研究所製「サーフコーダー(SE−30D)」(商品名)を用いて測定し、導電体膜の光沢度は、日本電飾工業株式会社製の光沢度計を用いて測定した。
また、導電体膜の塗膜密度は、乾燥した導電体膜を、外径12mmの円形に打ち抜き、その重量を精密天秤で測定し、その厚さをマイクロメーターで測定して、算出した。これらの結果を表2に示す。
Figure 0004826086
参考例1
ビーズミル装置におけるビーズの粒径を0.1mmとした以外は、試料S6と同様にして、導電体ペーストの試料S10を作製すると共に、導電体膜を形成し、実施例2と同様な測定を行った。結果を表2に示す。メディアとしてのビーズの粒径が小さすぎて、ビーズミル装置を安定に運転できなかった。
参考例2
ビーズミル装置におけるビーズの粒径を1mmとした以外は、試料S6と同様にして、導電体ペーストの試料S11を作製すると共に、導電体膜を形成し、実施例2と同様な測定を行った。結果を表2に示す。表2に示すように、導電体膜の光沢度が低下し、表面性が悪くなっていることから、内部電極パターン層12aを形成するためのペーストとしては好ましくないことが確認された。
参考例3
ビーズミル装置におけるペースト処理温度を25°Cとした以外は、試料S6と同様にして、導電体ペーストの試料S12を作製すると共に、導電体膜を形成し、実施例2と同様な測定を行った。結果を表2に示す。表2に示すように、塗料粘度が高く、ビーズミル装置を安定して運転することが困難であった。
参考例4
ビーズミル装置におけるペースト処理温度を80°Cとした以外は、試料S6と同様にして、導電体ペーストの試料S13を作製すると共に、導電体膜を形成し、実施例2と同様な測定を行った。結果を表2に示す。表2に示すように、導電体材料の濃度変化が観察された。ペースト中に含まれる溶剤が装置内部で揮発し装置の内壁に液滴として付着し、ペースト中の導電体材料の濃度が変化したと考えられる。この参考例4では、ペースト中の導電体材料の濃度制御が困難である。
参考例5
ビーズミル装置におけるロータの周速を10m/分とした以外は、試料S6と同様にして、導電体ペーストの試料S14を作製すると共に、導電体膜を形成し、実施例2と同様な測定を行った。結果を表2に示す。表2に示すように、導電体ペーストの粘度が上昇し、導電体膜の表面粗さも劣化した。また、導電体膜の光沢度も劣化した。これは、周速が早すぎて、ペースト中のNiが粉砕により変形、凝集したためと考えられる。
参考例6
ビーズミル装置におけるロータの周速を4m/分とした以外は、試料S6と同様にして、導電体ペーストの試料S15を作製すると共に、導電体膜を形成し、実施例2と同様な測定を行った。結果を表2に示す。表2に示すように、周速が遅すぎて、ビーズミル装置を安定して運転することができなかった。
比較例1
導電体ペースト中の導電体材料濃度が、47量%になるように、以下のようにして、導電体ペーストを調製した。
まず、実施例1と同様にして、添加物ペーストを調製した。
まず、実施例1と同様にして、添加物ペーストを調製した。
次いで、以下の組成を有するスラリーを、ボールミルを用いて、16時間にわたって、分散した。
分散条件は、ミル中のZrO(直径2.0mm)の充填量を30容積%、ミル中のスラリー量を60容積%とし、ボールミルの周速は45m/分とした。
ニッケル粉末(粒径0.2μm): 100重量部、
添加物ペースト: 1.77重量部、
BaTiO粉末: 19.14重量部、
ポリビニルブチラール: 4.5重量部、
ポリエチレングリコール系分散剤: 1.19重量部、
フタル酸ジオクチル: 2.25重量部、
ターピオネール: 83.96重量部、
アセトン: 56重量部。
ここに、BaTiO粉末は堺化学工業株式会社製で0.05μmの平均粒径を有する。また、ポリビニルブチラールの重合度は、2400、ブチラール化度は69%、残留アセチル基量は12%であった。
分散処理後、エバポレータおよび加熱機構を備えた攪拌装置によって、アセトンを蒸発させて、除去し、導電体ペーストの試料S16を得た。
この導電体ペーストの試料S16について、実施例2と同様な測定を行った。結果を表2に示す。表2に示すように、比較例にしたがって調製した導電体ペースト中の導電体材料濃度が49.5質量%で、目標とする導電体材料濃度である47量%と大きく異なっていた。また、比較例では、導電体膜の表面粗さが劣化することが確認された。また、比較例では、導電体ペーストから、16μmの粗粒が検出された。
比較例2
導電体ペースト中の導電体材料濃度が、47量%になるように、以下のようにして、導電体ペーストを調製した
まず、実施例と同様にして、添加物ペーストを調製した。
次いで、以下の組成を有するスラリーを、開放型の分散装置の一種である高速インペラー型分散機によって作成した。
分散条件は、先に、ターピネオールによりバインダ、分散剤を十分に溶解し、誘電体体粉末を、徐々に溶媒、バインダ、分散材溶液に投入しスラリーを作成した。
なお、作業中の分散羽根の回転数は2000rpmとした。
ニッケル粉末(粒径0.2μm):100重量部、
添加物ペースト: 1.77重量部、
BaTiO粉末: 19.14重量部、
ポリビニルブチラール: 4.5重量部、
ポリエチレングリコール系分散剤: 1.0重量部、
フタル酸ジオクチル: 2.25重量部、
ターピオネール: 83.96重量部。
ここに、BaTiO粉末は堺化学工業株式会社製で、0.05μmの平均粒径を有する。また、ポリビニルブチラールの重合度は、2400、ブチラール化度は69%、残留アセチル基量は12%であった。
その後、上記スラリ−を下記条件にて、ビーズミルで分散処理をおこなった。
ZrOビーズ径: 0.6mm、
メディア充填率: 80%(ベッセル容量に対して)、
周速: 8m/分、
処理温度: 40°C、
滞留時間: 30分。
以上のような処理で分散を行ったが、ビーズミル以前の分散処理が不十分であるため(20μm以上の凝集粒子が多数あるため)、ビーズミルを安定に運転できなかった。具体的な不具合としては、ビーズミルに設置されているスクリーン(ベッセル内のビーズと塗料を分離するフィルター)が目詰まりを起こしてしまい運転が継続してできなかった。
評価
表2に示すように、各試料を比較することで、ビーズミル装置における導電体ペーストの処理温度を、40度以上80度未満の範囲に設定することが好ましいことが確認できた。処理温度が低すぎると、装置内において導電体ペーストの粘度が高くなり、装置を安定に運転することが困難になる傾向にある。また、処理温度が高すぎると、ペースト中に含まれる溶剤が装置内部で揮発し装置の内壁に液滴として付着し、ペースト中の導電体材料の濃度が変化することから好ましくない。
また、ビーズミル装置の内部に収容してあるメディアの粒径を、0.1mmより大きく1mm未満の範囲に設定することが好ましいことが確認できた。メディアの粒径が小さすぎる場合には、ビーズミル装置を安定に運転することが困難になる傾向にある。メディアの粒径が大きすぎると、ペーストの印刷後に得られる導電体膜の密度が低下する傾向にある。
さらに、ビーズミル装置のロータの周速が4m/分より大きく10m/分未満にすることが好ましいことが確認できた。ロータの周速が小さすぎると、ビーズミル装置を安定して運転することが困難になる傾向にあり、周速が大きすぎると、ペースト中の粒子の変形や凝集が生じ、印刷後に得られる導電体膜の表面粗さが大きくなる傾向にある。
さらに、ビーズミル装置における導電体ペーストの滞留時間を適切に設定することで、V1/V5000が7以上、好ましくは10以上となることが確認できた。
また、実施例によれば、本発明にしたがって調製された導電体ペーストは、導電体材料が、高い分散性をもって、分散されていることも確認できた。さらに、本発明にしたがって調製された導電体ペースト中の導電体材料濃度は、目標とする導電体材料濃度とほぼ一致しており、本発明によれば、導電体ペースト中の導電体材料濃度を所望のように制御し得ることが確認できた。
図1は本発明の一実施形態に係る製造方法により得られる積層セラミックコンデンサの概略断面図である。 図2は図1に示す積層セラミックコンデンサを製造する過程を示す要部断面図である。 図3は図2の続きの工程を示す概略断面図である。 図4はビーズミル装置の概略図である。 図5は本発明の実施例における印刷用導電体ペーストの剪断速度と粘度との関係を示すグラフである。 図6は本発明の実施例における印刷用導電体ペーストの剪断速度と法線応力との関係を示すグラフである。
符号の説明
2… 積層セラミックコンデンサ
4… コンデンサ素体
6,8… 端子電極
10… 誘電体層
10a… グリーンシート
12… 内部電極層
12a… 内部電極パターン層
20… キャリアシート
24… 余白パターン層
30… 積層体
40… ビーズミル装置

Claims (14)

  1. 導電体粉末と、バインダと、第1溶剤とを混練する工程と、
    前記混練工程によって得られた混合物に、分散剤および/または第2溶剤を添加して、粘性を低下させて導電体ペーストを得る工程と、
    前記導電体ペーストを、非開放型の第1分散装置を用いて分散処理する工程と、
    前記第1分散装置を用いて分散処理された導電体ペーストを、前記第1分散装置とは異なる非開放型の第2分散装置を用いて分散処理する工程と、を有し、
    前記第1溶剤と第2溶剤とが同一種類の溶剤であり、
    前記第1分散装置がコロイドミル装置であり、
    前記第2分散装置がビーズミル装置であり、
    前記ビーズミル装置による分散処理後の導電体ペーストにおける剪断速度1(1/s)の時の粘性をV1(Pa・s)とし、剪断速度5000(1/s)の時の粘性をV5000(Pa・s)とした場合に、V1/V5000が7以上となるように、前記ビーズミル装置における導電体ペーストの滞留時間を設定することを特徴とする印刷用導電体ペーストの製造方法。
  2. 前記ビーズミル装置における導電体ペーストの処理温度を、40度以上80度未満の範囲に設定することを特徴とする請求項に記載の印刷用導電体ペーストの製造方法。
  3. 前記ビーズミル装置の内部に収容してあるメディアの粒径を、0.1mmより大きく1mm未満の範囲に設定する請求項またはに記載の印刷用導電体ペーストの製造方法。
  4. 前記ビーズミル装置のロータの周速が4m/分より大きく10m/分未満である請求項のいずれかに記載の印刷用導電体ペーストの製造方法。
  5. 前記導電体粉末と、バインダと、第1溶剤とを、これらの混合物が湿潤点に達するまで、混練することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の印刷用導電体ペーストの製造方法。
  6. 前記導電体粉末と、バインダと、第1溶剤とを、これらの混合物の固形分濃度が84〜94量%になるまで、混練することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の印刷用導電体ペーストの製造方法。
  7. 高速剪断ミキサー、遊星方式の混練機およびニーダーよりなる群から選ばれるミキサーを用いて、前記導電体粉末とバインダと第1溶剤とを混練することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の印刷用導電体ペーストの製造方法。
  8. 前記導電体粉末100重量部に、0.25〜4.5重量部の前記バインダと、3.0〜18.0重量部の前記第1溶剤とを加え、混練することを特徴とする請求項に記載の印刷用導電体ペーストの製造方法。
  9. 前記導電体粉末100重量部に、0.5〜1.0重量部の前記バインダと、2.0〜10.0重量部の前記第1溶剤とを加える請求項に記載の印刷用導電体ペーストの製造方法。
  10. 前記バインダを、前記第1溶剤に溶解させて有機ビヒクルを調製し、3〜15量%の有機ビヒクル溶液を、前記導電体粉末に加えて、混練することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の印刷用導電体ペーストの製造方法。
  11. 前記混練工程によって得られた前記混合物に、前記導電体粉末100重量部に対して、0.25〜2.0重量部の前記分散剤を添加して、前記混合物の粘度を低下させ、次いで、前記第2溶剤を添加することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の印刷用導電体ペーストの製造方法。
  12. グリーンシート用スラリーを用いて、グリーンシートを形成する工程と、
    請求項1〜11のいずれかに記載の印刷用導電体ペーストの製造方法により得られた印刷用導電体ペーストを用いて、前記グリーンシートの上に、内部電極パターン層を形成する工程と、
    前記内部電極パターン層が形成された前記グリーンシートを、複数積層して積層体を形成する工程と、
    前記積層体を焼成する工程と、
    を有する積層セラミック部品の製造方法。
  13. 前記内部パターン電極層の段差を埋めるように、前記内部電極パターン層の段差隙間部分に余白パターン層を印刷法により形成する工程をさらに有する請求項12に記載の積層セラミック部品の製造方法。
  14. 前記内部電極パターン層および前記余白パターン層の厚みを2.0μm以下に設定することを特徴とする請求項13に記載の積層セラミック部品の製造方法。
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