JP4826059B2 - 布基材を含む偽装用積層材料 - Google Patents

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    • F41H3/00Camouflage, i.e. means or methods for concealment or disguise

Description

本発明は、赤外線スコープや暗視カメラ等による偵察に対して認知されにくい、赤外線を吸収あるいは反射することにより偽装性能を有する布基材を含む積層材料であって、偽装用の戦闘服などの衣類、個人装具、および艦船用、航空機用、戦車用等のカバー等にも利用されるものである。
近時、戦場では新しい偵察方法が考え出され、赤外線がこの目的に利用されている。例えば、航空機から地表にある軍需施設あるいは軍隊などを赤外線写真で撮影すると軍需施設あるいは軍隊などの周辺の物体と区別できる映像を呈する。同様に赤外線夜間鏡、赤外線フィルターによる直接撮影等の偵察も行われている。
従来の戦闘服は、可視光線領域については、4色の迷彩柄を生地表面にプリントすることよって植物との識別がしにくいものが得られていた。近赤外線領域についても、迷彩に使用する顔料の反射率を制御したものを用いることで自然界に近似させたものが知られていた。しかしながら、遠赤外線を検知する赤外線カメラが軍事用に用いられつつある現在では、従来の偽装技術では効果がほとんど無く、有効な手段が講じられていなかった。
下記に特許文献を記す。
特開平5―132879号公報 特開2003―262497号公報
このような赤外線による透視を防ぐには、特に赤外線撮影に使用される780〜1500nmの波長を持つ赤外線を衣料が吸収あるいは反射し、赤外線を肌にまで到達させない、または肌側からの赤外線を衣料の外に出さないようにすることが考えられる。従来、赤外線吸収あるいは反射能を付与した繊維材料としては、いわゆる迷彩服が知られている。例えば、特許文献1に提案されているように、戦場において赤外線による偵察から逃れるために、衣服の赤外線反射率を草木などの自然環境の赤外線反射率に近づけることを目的とし、赤外線波長領域において特定の赤外線吸収能を有する染料、顔料などにより迷彩模様を施したものである。迷彩服は、その目的から衣服全面に迷彩模様を有することを必要としているため、風合いが損なわれ、高度の屈曲や伸縮、摩耗に耐えられないばかりでなく、通気性をも阻害するために衣料内の快適性が失われるものであって、衣料等に応用することは困難である。
また、特許文献2で提案されている上記の用途を目的としたものに、特定の切れ目を入
れた布帛Aをメッシュ地Bに固定して偽装用基布とするものであるが、布帛Aをメッシュ地Bに固定する際に、布帛Aを特定の方向に弛ませた状態でおよび/または他の特定方向に伸長した状態でメッシュ地Bに部分的に固定すると、布帛Aの切れ目の部分が開口した状態でメッシュ地Bに固定されるため、切れ目の線に囲まれている生地部分が布帛面から盛り上がる、基布に立体的な切り込みを入れることで体温を効率的に外気に放出して蓄熱を制御することにより赤外線カメラなどによって視認されにくい偽装用基布が提案されている。しかしながら、上記提案の偽装用基布は、かかる偽装用基布を用いて衣類とし戦闘服などの衣服の上に装着する用途のものであり、基布の材質によって赤外線カメラなどによって視認され難さの性能が左右されるという危惧がある。
本発明は、上記の従来の課題を解決しようとするものであり、衣料としての繊維材料本来の風合いや屈曲性、伸縮性等の風合いが損なわず、通気性をも阻害されない衣料内の快適性が損なわず、耐摩耗性や耐洗濯性を有し、赤外線スコープや暗視カメラ等による偵察に対して認知され難い、赤外線を吸収および反射することにより優れた偽装性能を有する布基材を含む積層材料を提供することを目的とする。この積層材料を衣料として偽装用の戦闘服などの衣類や、個人装具、さらには艦船用、航空機用、戦車用等のカバー等にも利用される布基材を含む積層材料を提供するものである。
上記の目的を達成するために、本発明は、繊維材料から成る布基材層と、金属箔層または金属蒸着層とが第1の接着剤層を介して積層され、さらに、厚みが0.2μm〜30μmの、ポリエチレン又はポリプロピレン又はポリブテン等のα,βポリオレフィン、又はエチレン系共重合体、もしくはそれらの混合物またはそれらの変性物からなるフィルムからなる樹脂層に緑、茶、黒系からなる迷彩柄からなるインキ絵柄層が形成され、該インキ絵柄層と、前記金属箔層または金属蒸着層とが第2の接着剤層を介して積層され、前記第2の接着剤層を構成する接着性樹脂は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン又は塩素化エチレン−酢酸ビニル等のα,βポリオレフィンの変性樹脂を主体とする熱接着性樹脂である偽装用積層材料であって、前記布基材層を構成する繊維材料の40%以上80%以下の面積に、アントラキノン類、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、クロム、コバルト金属錯塩化合物、ジチオール系金属錯塩化合物、スクアリリウム化合物、イミニウム系化合物の何れかから成る赤外線吸収材を、点又は線又は格子模様の形状に偏在させて固着させることで、赤外線吸収能および赤外線反射能を有し、かつ、前記赤外線吸収材が前記繊維材料の屈曲性、伸縮性を阻害しないことを特徴とする布基材層を含む偽装用積層材料である。
また、本発明は、前記第2の接着剤層の厚さが、0.5〜5μmであることを特徴とする上記の布基材層を含む偽装用積層材料である。
また、本発明は、前記布基材層を構成する布基材が、天然繊維からなることを特徴とする上記の布基材層を含む偽装用積層材料である。
また、本発明は、前記金属箔が、鉄、銅、マンガン等の微量金属成分を含有するアルミニウムもしくは銀からなる金属箔であることを特徴とする上記の布基材層を含む偽装用積層材料である。
また、本発明は、前記金属箔の厚みが、6〜25μmであることを特徴とする上記の布基材層を含む偽装用積層材料である。
また、本発明は、前記金属蒸着層の厚みが、10〜100nmであることを特徴とする上記の布基材層を含む偽装用積層材料である。
また、本発明は、上記の布基材層を含む偽装用積層材料の全面に、該積層体材料を貫通する穴あけ加工が施され、かつ、該穴断面の少なくとも金属箔層端面が前記樹脂層で被覆されて、金属箔層の露出を防止したことを特徴とする布基材層を含む偽装用積層材料である。
本発明により、赤外線スコープや暗視カメラなどによっても視認されにくい偽装用の積層材料からなる基布を提供することが可能であり、また、かかる基布を用いて、装着が容易な偽装用の衣類を提供することが可能である。すなわち、本発明の布基材層を含む偽装用積層材料は、肌面に当接する最内面の天然繊維材料に赤外線吸収剤を偏在させ赤外線吸収能を持たせ人体から発生する赤外線量を低減する布基材層と、金属箔特有の高い赤外線反射性能を持つことから人体からの遠赤外線放出量を低減するアルミニウムや銀等の金属箔層または金属蒸着層と、一方、可視光線下での植物、枯木、岩石などとの識別を困難とする偽装性能を付加するための迷彩柄からなるインキ絵柄層および最外層に保護層としての樹脂層を構成することで、衣料として繊維本来の風合いや屈曲性、伸縮性等の風合い、積層材料からなる基布全面に穴あけ加工を施すことにより衣料としての通気性が損なわず、衣料内の快適性が損なわず、耐摩耗性、洗濯耐性を有する、赤外線スコープや暗視カメラ等による偵察に対して認知され難く、偽装性に優れる布基材を含む積層材料からなる基布を提供することが可能である。本発明の布基材を含む積層材料を衣料として偽装用の戦闘服などの衣類や、個人装具、さらには艦船用、航空機用、戦車用等のカバー等にも利用されるものである。
以下、本発明の好ましい一実施例としての実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の布基材を含む偽装用積層材料の構成の一例を示す断面図である。また、図2は、本発明の布基材を含む偽装用積層材料の構成の他の例を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の布基材を含む偽装用積層材料の構成の一例として、最内層となる布基材層1、金属箔層または金属蒸着層2、インキ絵柄層3、最外層となる樹脂層4を順次積層してなる構成の布基材を含む偽装用積層材料10である。そして、布基材層1と金属箔層または金属蒸着層2とは接着剤層5aを介して積層され、樹脂層4として延伸樹脂フィルムを用いて、そのフィルムの片面に印刷によりインキ絵柄層3を形成した基材のそのインキ絵柄層3と金属箔層または金属蒸着層2とを接着剤層5bを介して積層されているものである。
また、図2に示すように、本発明の布基材を含む偽装用積層材料の構成の他の例として、図1に示した構成と同様、最内層となる布基材層1、金属箔層または金属蒸着層2、インキ絵柄層3、最外層となる樹脂層4を順次積層してなる構成の布基材を含む偽装用積層材料20である。そして、金属箔層または金属蒸着層2に印刷により形成されたインキ絵柄層3の上に、接着剤層を介さないで、直接、樹脂層4を構成する樹脂を溶融押出コーティングもしくは樹脂を主成分とする塗布液コーティング法により積層されているものである。
本発明において用いられる布基材層1を構成する布基材としては、肌に直接当接するこ
とから、風合いなどの点から植物繊維や動物繊維などの天然繊維を用いるのが好ましい。風合いなどを損なわない範囲で、これら天然繊維と化学繊維の混紡品、交織品、交編品などを用いることも可能である。また、繊維材料の形態も、織物、編物、不織布など特に限定されるものではない。
上記の布基材繊維材料およびインキ絵柄層、樹脂層、接着剤層に、近赤外線領域(780〜1500nm)の波長を吸収する赤外線吸収剤を固着・保持させることで本発明の布基材を含む偽装用積層材料としての赤外線吸収性能を持たすことができ、人体から発生する赤外線量を低減することが可能である。
上記の赤外線吸収剤としては、アントラキノン類、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、クロム、コバルト金属錯塩化合物、ジチオール系金属錯塩化合物、スクアリリウム化合物、イミニウム系化合物等の有機化合物や無機錯体、酸化イッテルビウム、リン酸イッテルビウム等のイッテルビウム化合物、酸化スズ、酸化インジウム等の無機化合物、またはそれらの混合物等があるが、繊維材料に付与した後の風合いなどを考慮すると有機化合物が好ましく用いられる。また、繊維に親和性のない赤外線吸収剤を使用する場合は、バインダー樹脂を使用して固着させる。親和性がある場合は、特にバインダー樹脂を用いる必要はない。バインダー樹脂は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂など用いられる赤外線吸収剤との相溶性が良いものを使用すればよい。
その固着の形状としては、繊維本来の風合い、性能を損なわないために繊維材料全面に固着させない模様、例えば点、線、格子などとし、赤外線吸収剤を偏在させることが重要であり、繊維材料の屈曲性、伸縮性を阻害しない形状にするのが望ましい。赤外線吸収能を有する部分とは赤外線吸収剤の固着部分を指しており、表面積に対するその固着部分の面積は40〜80%とする。固着部分の面積が80%以上になると、繊維の持つ織編組織の自由度を束縛し、繊維の風合いに影響を与え、また通気性を阻害することになる。逆に固着部分の面積が40%以下になると、赤外線を透過する面積が大きくなってしまう。
赤外線吸収剤の固着の方法としては、繊維材料全面に固着させない方法が採用され、従来の捺染手法、例えばフラットスクリーンプリント法やロータリースクリーンプリント法、ローラープリント法等や、またグラビア法、インクジェット法などがある。
本発明において用いられる金属箔層2を構成する金属箔としては、金属箔の延展性などの加工適性や酸化防止性能を付与する目的で、鉄、銅、マンガン等の微量金属成分を含有する、アルミニウムもしくは銀からなる金属箔を用いるのが好ましい。金属箔の厚みとしては、6〜25μmの範囲のものが望ましい。また、金属蒸着層の場合は、その厚さが10〜100nmの範囲が望ましい。
本発明において用いられるインキ絵柄層3は、緑、茶、黒系からなる迷彩柄からなるものである。それぞれの色はその偽装用積層材料からなる基布が使用される場所の周囲の物体の赤外線反射率に近い反射率を有することが望ましい。例えば、緑色等は可視光線(400〜700nm)の領域で森林や草地に色相が近いだけでなく赤外線領域(680〜1500nm)においても植物の葉の反射率に近いことが望ましく同様に茶色は枯木等、黒や濃茶や土、岩等の反射率に近いことが望ましい。
本発明の布基材を含む積層材料は偽装用であることから、インキ絵柄層は4色の迷彩柄が施されていることが好ましく、色の配分としては、春夏用には、例えば、意匠登録第1019503号によって配分し、具体的には、ライトグリーン30%、ダークグリーン40%、ブラウン20%、ブラック10%の面積比で顔料プリントを施したものが好ましく、秋冬用には、例えば、意匠登録第1019502号によって配分し、具体的には、ライトグリーン30%、ダークグリーン20%、ブラウン40%、ブラック10%の面積比で顔料プリントを施したものであることが好ましい。着色する手段としては、4色の模様を生地表面に付着させればよく、その手法は顔料プリントでも染料プリントでもよく特に限定されない。このようなインキ絵柄層は、可視光線領域に関しても、近赤外線領域に関しても、非常に検知されにくいものである。
プリントする顔料の種類としては、それぞれ色相(H)、明度(V)、彩度(C)は一定の範囲で制御したものを使用することが望ましい。ライトグリーンは、H=6.0±1.2Y、V=4.2±0.2、C=2.0±0.4。ダークグリーンは、H=5.5±1.2GY、V=3.2±0.2、C=3.0±0.4。ブラウンは、H=7.5±1.2YR、V=2.7±0.2、C=2.2±0.4。ブラックは、V=2.0以下、C=0.5以下のものを用いることが好ましい。
本発明において用いられる樹脂層4を構成する樹脂素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα,βポリオレフィン、エチレン系共重合体、もしくはそれらの混合物またはそれらの変性物が用いられる。α,βポリオレフィン系樹脂は、オレフィンの単独重合体、オレフィンどうしの共重合体あるいはオレフィンを主体とするオレフィンと極性ビニル化合物の共重合体、より具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中・高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−ペンテン、1,2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体などを例示することができる。エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体における不飽和カルボン酸エステル成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレンなどを例示することができる。
上記の樹脂素材を用いて本発明における樹脂層4を形成する方法としては、上記に列挙した樹脂からなるフィルムの形態で積層形成する方法、押出機を用いて樹脂を溶融押し出しコーテイングする、いわゆる溶融押出コーティング方法、もしくは上記に列挙した樹脂の水性分散液(エマルション)、水や有機溶剤に溶解した溶液とした樹脂を主成分とする塗布液としてコーティングするスプレーやグラビア塗工方法などを挙げることができる。樹脂層の厚さとしては、0.2〜30μmが望ましい。
本発明の布基材を含む偽装用積層材料の積層・貼り合わせ方法としては、例えば、接着剤を用いて貼り合わせることができる。本発明の布基材を含む偽装用積層材料を構成する布基材層1と金属箔層または金属蒸着層2を貼り合わせる第1の接着剤層5aの接着剤としては、ポリエステル系、ポリエーテル系、ウレタン系、ポリエーテルウレタン系、ポリエステルウレタン系、イソシアネート系、ポリオレフィン系、ポリエチレンイミン系、シアノアクリレート系、有機チタン化合物系、エポキシ系、イミド系、シリコーン系樹脂およびこれらの変性物または混合物などのドライラミネーション用接着剤を用いたドライラミネーションで積層するのが望ましい。
また、本発明の布基材を含む偽装用積層材料の樹脂層4として樹脂フィルムを用いてこのフィルムにインキ絵柄層3を形成して積層構成する場合の金属箔層または金属蒸着層2とインキ絵柄層3とを貼り合わせる第2の接着剤層5bの接着剤としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、塩素化エチレン−酢酸ビニル等のα,βポリオレフィンの変性樹脂を主体とする熱接着性樹脂を用いて熱溶融押出ラミネーション法などにより貼り合わせる。この場合の第2の接着剤層5bの厚さは、0.5〜5μmが望ましい。
また、本発明の布基材を含む偽装用積層材料の金属箔層または金属蒸着層2にインキ絵柄層を形成して、そのインキ絵柄層3上に樹脂層4を積層する場合は、第2の接着剤層5bを介さないで、インキ絵柄層3上に前記樹脂層4を構成する樹脂を、直接、溶融押出コ
ーティング法、もしくは樹脂の水性分散液(エマルション)、水や有機溶剤に溶解した溶液とした樹脂を主成分とする塗布液としてコーティングするスプレーやグラビア塗工方法などにより形成する。
上記で得られる布基材を含む偽装用積層材料に通気性を付与するために、図3に示すように、積層材料全面に、穴あけ加工により貫通孔6が形成し、かつ、その貫通孔6断面の少なくとも金属箔層または金属蒸着層2端面が最外層の樹脂層4と同一の樹脂からなる層4cで被覆されており、金属箔層または金属蒸着層の露出を防止した構造の本発明の布基材を含む偽装用積層材料30である。貫通孔を形成することにより通気性の効果により、表面温度は人体からの熱伝導、熱輻射による温度上昇を制御でき、環境の温度に馴染み易くなる。孔の大きさとしては、直径0.2〜0.5mm程度が望ましい。
金属箔層または金属蒸着層の露出を防止するために、その貫通孔6断面の少なくとも金属箔層または金属蒸着層2端面が最外層の樹脂層4と同一の樹脂からなる層4cで被覆する方法としては、例えば、布基材を含む偽装用積層材料の最外層となる樹脂層4を溶融押出コーティング、もしくは樹脂を主成分とする塗布液コーティング方法としてのスプレー塗工やグラビア塗工などによる方法を採用し、積層材料の最内層の布基材1側から吸引装置で吸引しながら樹脂層4を形成すると同時に、孔6端面で露出する金属箔層または金属蒸着層2を含む孔6端面全体を最外層の樹脂層4と同一の樹脂からなる層4cで被覆することができる。
穴あけ加工方法としては、特に限定されず、例えば、熱針穴あけ加工、ウータージェット穴あけ加工、レーザー穴あけ加工などの方法を挙げることができる。
以下に本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
布基材層1を構成する布基材として厚さ100μmの綿布、金属箔層2を構成する金属箔として厚さ7μmのアルミニウム箔を用い、インキ絵柄層3として塩素化ポリプロピレン樹脂バインダーを用いて厚さ2μmの迷彩柄インキ絵柄層を、樹脂層4としての厚さ12μmの延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムの片面に形成し、布基材層1と金属箔層2とをウレタン系接着剤を塗布量2g/mを塗布した第1の接着剤層5aを介して積層し、一方、金属箔層2とインキ層3とを無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる接着樹脂を溶融押し出し、厚さ2μmの第2の接着剤層5bを形成し、溶融押出ラミネーションにより積層した、図1に示す構成の本発明の布基材を含む偽装用積層材料を得た。
<実施例2>
布基材層1を構成する布基材として厚さ100μmの綿布、金属箔層2を構成する金属箔として厚さ7μmの銀箔を用い、インキ絵柄層3として塩素化ポリプロピレン樹脂バインダーを用いて厚さ2μmの迷彩柄インキ絵柄層を、樹脂層4としての厚さ16μmの高密度ポリエチレン(HDPE)フィルムの片面に形成し、布基材層1と金属箔層2とをウレタン系接着剤を塗布量2g/mを塗布した第1の接着層5aを介して積層し、一方、金属箔層2とインキ絵柄層3とを塩素化エチレン−酢酸ビニル(塩素化EVA)からなる接着樹脂を溶融押し出し、厚さ3μmの第2の接着層5bを形成し、溶融押出ラミネーションにより積層した、図1に示す構成の本発明の布基材を含む偽装用積層材料を得た。
<実施例3>
布基材層1を構成する布基材として厚さ100μmの綿布、金属箔層2を構成する金属箔として厚さ7μmのアルミニウム箔の片面に、インキ絵柄層3として塩素化ポリプロピレン樹脂バインダーを用いて厚さ2μmの迷彩柄インキ絵柄層を形成し、布基材層1と金
属箔層2とをウレタン系接着剤を塗布量2g/mを塗布した第1の接着剤層5aを介して積層し、一方、前記インキ絵柄層3の上に、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる樹脂を直接(第2の接着層5bを介さずに)溶融押出コーティングにより厚さ2μmの樹脂層4を積層した、図2に示す構成の本発明の布基材を含む偽装用積層材料を得た。
<実施例4>
布基材層1を構成する布基材として厚さ100μmの綿布、金属箔層2を構成する金属箔として厚さ7μmのアルミニウム箔を用い、インキ絵柄層3として塩素化ポリプロピレン樹脂バインダーを用いて厚さ2μmの迷彩柄インキ絵柄層を、樹脂層4としての厚さ113μmの低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムの片面に形成し、布基材層1と金属箔層2とをウレタン系接着剤を塗布量2g/mを塗布した第1の接着剤層5aを介して積層し、一方、金属箔層2とインキ絵柄層3とを変性ポリオレフィン(PO)アンカコート(AC)剤からなる接着樹脂を溶融押し出し、厚さ1μmの第2の接着剤層5bを形成し、溶融押出ラミネーションにより積層した、図1に示す構成の本発明の布基材を含む偽装用積層材料を得た。
<比較例1>
本発明の布基材を含む偽装用積層材料と比較するために、下記の構成の布基材を含む偽装用積層材料を作成した。
実施例1において、樹脂層4として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いおよび第2の接着剤層5bとして塩素化エチレン−酢酸ビニル(塩素化EVA)からなる接着性樹脂を溶融押し出し、厚さ3μmの第2の接着剤層5bを形成し、溶融押出ラミネーションにより積層した以外は実施例1と同様にして得た。
<比較例2>
本発明の布基材を含む偽装用積層材料と比較するために、下記の構成の布基材を含む偽装用積層材料を作成した。
実施例1において、金属箔層2を形成しない以外は実施例1と同様にして得た。
<比較例3>
本発明の布基材を含む偽装用積層材料と比較するために、下記の構成の布基材を含む偽装用積層材料を作成した。
実施例1において、樹脂層4として厚さ35μmの延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムおよび第2の接着剤層5bとして塩素化ポリプロピレン(塩素化PP)からなる接着性樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして得た。
<比較例4>
本発明の布基材を含む偽装用積層材料と比較するために、下記の構成の布基材を含む偽装用積層材料を作成した。
実施例1において、インキ絵柄層3としてウレタンエステルからなる樹脂バインダーを用いおよび2液硬化型ウレタンエステル接着剤を用い厚さ3μmの第2の接着剤層5bを介して積層した以外は実施例1と同様にして得た。
上記で得られた布基材を含む偽装用積層材料について下記の評価方法に基づいて偽装性を評価した。
評価方法
加熱式スターラー上に温水を入れたガラス製ビーカーを置き、低温でしばらく攪拌し、温水中に挿入した温度計で35℃に保持されるように調整した。ビーカー表面に評価試料の積層材料の布基材側が均一に当たるようにテープで固定し、下記の温度測定を行い評価した。その結果を表1に示す。
接触表面温度計
評価試料の表面温度を白金測温抵抗式接触表面温度計で測定した。
遠赤外線式サーモグラフィー
遠赤外線放射量測定式画像装置(Raytek社製「サーモビューTi30」)で評価試料の一定面積の温度分布を撮影した。解析はサーモグラフ画像120×100セルの各温度を平均して求めた。
接触表面温度計で得た測定値より遠赤外線式サーモグラフィーで得た測定値が10℃以上低い場合を偽装性の判定基準とした。
Figure 0004826059
表1より、実施例1〜4の本発明の布基材を含む偽装用積層材料は、比較のための比較例1〜4の積層材料に比べて接触表面温度計で得た測定値より遠赤外線式サーモグラフィーで得た測定値が上記の判定基準である10℃以上低く、偽装性に優れている。
また、実施例1と比較する比較例1で得られた積層材料を用いて偽装用衣類を作成し、人体で試着による実用試験を行った。その結果、100m離れた位置で樹木を背景に目視試験を行ったところ両者とも殆ど視認できなかったが、遠赤外線式サーモグラフィーを用い屋外で視認試験を行ったところ、実施例1で得られた本発明の布基材を含む偽装用積層材料を用いた衣類は殆ど視認不可能であるのに対して、比較する比較例1で得られた積層材料を用いた衣類は容易に視認され、遠赤外線放射量を制御する効果に劣る
ことが確認できた。
本発明の布基材を含む偽装用積層材料の構成の一例を示す断面図である。 本発明の布基材を含む偽装用積層材料の構成の他の例を示す断面図である。 本発明の布基材を含む偽装用積層材料の構成のさらに別の例を示す断面図である。
10、20、30・・・布基材を含む偽装用積層材料
1・・・布基材層
2・・・金属箔層または金属蒸着層
3・・・インキ絵柄層
4・・・樹脂層
5a・・・第1の接着剤層
5b・・・第2の接着剤層
6・・・貫通孔
4c・・・孔端面被覆樹脂層

Claims (7)

  1. 繊維材料から成る布基材層と、金属箔層または金属蒸着層とが第1の接着剤層を介して積層され、さらに、厚みが0.2μm〜30μmの、ポリエチレン又はポリプロピレン又はポリブテン等のα,βポリオレフィン、又はエチレン系共重合体、もしくはそれらの混合物またはそれらの変性物からなるフィルムからなる樹脂層を有し、該フィルムからなる樹脂層に緑、茶、黒系からなる迷彩柄からなるインキ絵柄層が形成され、該インキ絵柄層と、前記金属箔層または金属蒸着層とが第2の接着剤層を介して積層され、前記第2の接着剤層を構成する接着性樹脂は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン又は塩素化エチレン−酢酸ビニル等のα,βポリオレフィンの変性樹脂を主体とする熱接着性樹脂である偽装用積層材料であって、前記布基材層を構成する繊維材料の40%以上80%以下の面積に、アントラキノン類、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、クロム、コバルト金属錯塩化合物、ジチオール系金属錯塩化合物、スクアリリウム化合物、イミニウム系化合物の何れかから成る赤外線吸収材を、点又は線又は格子模様の形状に偏在させて固着させることで、赤外線吸収能および赤外線反射能を有すとともに、前記赤外線吸収材が前記繊維材料の屈曲性、伸縮性を阻害しないことを特徴とする布基材層を含む偽装用積層材料。
  2. 前記第2の接着剤層の厚さが、0.5〜5μmであることを特徴とする請求項1記載の布基材層を含む偽装用積層材料。
  3. 前記布基材層を構成する布基材が、天然繊維からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の布基材層を含む偽装用積層材料。
  4. 前記金属箔が、鉄、銅、マンガン等の微量金属成分を含有するアルミニウムもしくは銀からなる金属箔であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の偽装用の布基材層を含む積層体材料。
  5. 前記金属箔の厚みが、6〜25μmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の布基材層を含む偽装用積層材料。
  6. 前記金属蒸着層の厚みが、10〜100nmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の布基材層を含む偽装用積層材料。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の布基材層を含む偽装用積層材料の全面に、該積層体材料を貫通する穴あけ加工が施され、かつ、該穴断面の少なくとも金属箔層端面が前記樹脂層で被覆されて、金属箔層の露出を防止したことを特徴とする布基材層を含む偽装用積層材料。
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