JP4824869B2 - マイクロ波発振器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波発振器に係り、特に、空胴共振器を用いるものであって、構成の簡素化、発振周波数の安定化等を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波発振器において、その発振周波数を決定するために用いられる共振器としては、空胴共振器、誘電体共振器、平面回路によるスタブ共振器、集中定数回路を用いた共振器等が公知・周知となっているが、これらの中でQ値が最も大きくなるものは、空胴共振器である。マイクロ波発振器において、Q値を大きくすることは、発振周波数の安定化、位相雑音の低減等を意味し、マイクロ波発振器の良否を決定する重要なファクターである。
空胴共振器を用いたマイクロ波発振器としては、例えば、図5に示された構成を有してなるものが公知・周知となっており、以下、同図を参照しつつ、このマイクロ波発振器について説明することとする。
このマイクロ波発振器は、まず、一端が短絡され、他端に出力スリット51が形成された方形導波管による方形空胴共振器52が用いられており、その内部から外部へ突出するように金属製のポスト53が電界方向に沿って設けられている。そして、方形空胴共振器52の内部側に位置するポスト52の先端には、いわゆるピル型パッケージのガンダイオード54が取り付けられており、ポスト53を介してガンダイオード54に電源電圧が供給される構造となっている。
【0003】
ポスト53は、方形空胴共振器52と直流的には浮いており、高周波的には短絡状態となることが必要なため、方形空胴共振器52から突出する部分の周囲は、チョーク構造が形成されたチョーク構造部55の複雑な構造となっている。
かかる構成において、その発振周波数は、方形空胴共振器52の共振周波数でほぼ決定されるものとなっている。そして、このマイクロ波発振器においては、一般的に矩形空胴のTE101モードが利用される場合が多く、ガンダイオード54は、TE101モードの高周波電界が最大の位置、すなわち、方形空胴共振器52のほぼ中央に位置するものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような構成にあっては、高いQ値のマイクロ波発振器が実現できる反面、ガンダイオードへの電源供給のためのポストの取り付け構造が複雑であると共に、ピル型パッケージの組立コストが高く、さらには、組立の自動化が容易ではないため、コスト低減が困難であるという問題があった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、比較的簡易な構成で、低コストで、かつ、周波数安定性の良好なマイクロ波発振回路を提供することにある。
本発明の他の目的は、比較的簡易な構成で、高いQ値を有するマイクロ波発振器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るマイクロ波発振器は、
導電性部材を用いて、一方の端が開口とされ、当該開口に対向する他方の端が短絡端とされてなる空胴を有し、
前記空胴内部においては、当該空胴内を伝搬可能とするマイクロ波の磁界面に平行する前記空胴の二つの壁面の一方に突設されてなる平面回路取付部に、発振回路が形成されてなる平面回路基板が載置され、前記平面回路取付部と前記平面回路基板は、前記空胴の長手軸方向における長さが同一とされてなり、前記平面回路基板の前記平面回路取付部と接合される面には、アース面が形成され、
前記平面回路基板には前記発振回路の出力段に接続された中心導体が、前記空胴の長手軸方向に配設され、当該中心導体は、二つの端部を有し、当該つの端部は、前記空胴の長手軸方向における前記平面回路取付部の端部に対応する前記平面回路基板のそれぞれの端部に位置せしめられ、
前記中心導体の二つの端部からは、開放スタブが、前記開口側と前記短絡端側へそれぞれ前記平面回路取付部から突出するよう延設されてなると共に、前記平面回路基板のそれぞれの端部も前記二つの開放スタブの支持のため、前記それぞれの開放スタブの長さ分だけ、前記平面回路取付部から突出するように形成された部位を有し、
前記発振回路は、前記開口側に位置する開放スタブを介して、前記開口側に位置する開放スタブと前記開口との間の空間と電磁的に結合可能とされると共に、前記短絡端側に位置する開放スタブを介して、前記短絡端側に位置する開放スタブと前記短絡端との間の空間と電磁的に結合可能とされてなるものである。
【0006】
かかる構成においては、平面回路基板の中心導体の一方の端部から延設された一方の開放スタブと空胴の短絡端との間が空胴共振器となり開放スタブを介して空胴共振器と発振回路とが電磁的に結合され、発振回路の発振周波数が空胴共振器によって決定される一方、その発振信号は、他方の開放スタブを介して開口へと伝搬されて開口から出力されるようになっているもので、従来と異なり、比較的簡易な構成で、しかも、組立性の容易な平面回路基板を用いて構成されるため、低コストで高いQ値を有するマイクロ波発振器が提供されることとなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図4を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。なお、図1乃至図4においては、図を見易くするため導波管部分の厚みを省略したものとしている。
最初に、本発明の実施の形態における第1の構成例について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
この第1の構成例におけるマイクロ波発振器S1は、方形導波管を用いてなる空胴1を有し、その内部に、マイクロ波発振回路が形成された平面回路基板2が収納されて、後述するように空胴1の開口3から基本周波数のマイクロ波出力が得られるようになっているものである。
まず、空胴1は、方形導波管からなり、その一方の端部に開口3が形成され、他方の端部は、短絡されて短絡端4となっているものである(図2参照)。なお、本発明の実施の形態においては、後述するように開口3側へはTE10モードでマイクロ波が伝搬するようになっており、図1においては、開口3部分に電界(E)方向を実線矢印で、磁界(H)方向を点線矢印で、それぞれ示してある。
【0008】
この空胴1の内部においては、磁界面に平行する二つの壁面5a,5bの内、一方の壁面5bの適宜な位置には、平面回路取付部6が、この壁面5bに垂直に突設されている。この平面回路取付部6は、空胴1の長手軸方向における長さが、次述する平面回路基板2の中心導体11の端部11a,11bが位置する部位までの長さと同一に設定されたものとなっている(図1及び図2参照)。また、空胴1の長辺方向における平面回路基板2及び平面回路取付部6の長さはほぼ同一で、かつ、空胴1の長辺の内寸とほぼ同一とするのが好適である。
そして、この平面回路取付部6には、平面回路基板2が載置され、固着されたものとなっている。なお、平面回路取付部6は、空胴1と一体成形されたものでも、別体に形成されて空胴1内に固着されたものであってもいずれでも良いものである。
本発明の実施の形態においては、これら平面回路取付部6及び平面回路基板2は、空胴1の長手軸方向において、これら平面回路取付部6及び平面回路基板2と開口3との間、及びこれら平面回路取付部6及び平面回路基板2と空胴1の短絡端4との間には、それぞれ適宜な空間7a,7bが生ずるように配設されたものとなっている(図2参照)。そして、空胴1の寸法は、空間7aにおいては、TE10モードでマイクロ波が伝搬し、他方の空間7bはTE10 モードで共振するように設定されたものとなっており、空胴1の空間7bを含む部位は、方形空胴共振器20となっている。
【0009】
平面回路基板2は、絶縁基板を用いてなり、その表面には、表面実装型のガンダイオード8及びバラクタダイオード9が実装されており、これらの半導体素子を中心として公知・周知の構成を有してなる電圧制御型ガン発振回路(マイクロ波発振回路)10が形成されている。この電圧制御型ガン発振回路10は、後述するように方形空胴共振器によって、その出力周波数がほぼ決定されるものとなっている。
また、平面回路基板2には、先の電圧制御型ガン発振回路10の出力段に接続されて、空胴1の長手軸方向において、平面回路基板2のそれぞれの端部(11a,11b)まで形成されたマイクロストリップ線を用いてなる中心導体11が配設されている。この平面回路基板2の裏面、すなわち、先の平面回路取付部6と接合される面は、導体性部材を用いてなるアース面(図示せず)が形成されたものとなっている。そして、空胴1の長手軸方向におけるこの平面回路基板2の本来の長さ、すなわち、後述する開口側開放スタブ12及び短絡側開放スタブ13を除いた状態における長さは、先の平面回路取付部6のそれと同一となっている。
【0010】
中心導体11は、二つの端部11a,11bを有し、この二つの端部11a,11bは、空胴1の長手軸方向における平面回路取付部6の端部に対応する平面回路基板2のそれぞれの端部に位置するものとなっている(図2参照)。そして、この中心導体11のそれぞれの端部11a,11bは、さらに、空胴1の長手軸方向において、一方は、開口3側へ、他方は、空胴1の短絡端4側へそれぞれ延設されて開口側開放スタブ12、短絡側開放スタブ13が形成されており、この開口側開放スタブ12及び短絡側開放スタブ13の形成に伴い、平面回路基板2のそれぞれの端部も開口側開放スタブ12及び短絡側開放スタブ13の長さ分だけ、平面回路取付部6から突出するように形成されたものとなっている(図2参照)。換言すれば、開口側開放スタブ12及び短絡側開放スタブ13は、空胴1内に生ずる高周波電界と直交する方向で、かつ、マイクロ波の進行方向に平行して形成されたものとなっている。
なお、この開口側開放スタブ12及び短絡側開放スタブ13の支持のために突出形成された平面回路基板2の部位14a,14bは、平面回路取付部6に接合する部位と異なり、その裏面側は導電性部材によるアース面は形成されていないものとなっている。
【0011】
さらに、平面回路基板2には、先の中心導体11に直交する方向においてマイクロストリップ線を用いてなる電源供給線路15,16が設けられている。
すなわち、この電源供給線路15,16は、いずれも基本的構成は同一のもので、以下、一方の電源供給線路15の構成の説明を以て、他方の電源供給線路16の構成の説明に代えることとする。なお、一方の電源供給線路15の構成要素の後には、括弧書きで他方の電源供給線路16の構成要素を示すこととする。
まず、この電源供給線路15,16は、電圧制御型ガン発振回路10の出力信号が、この電源供給線路15,16を介して外部へ漏洩されることを防止するために、いわゆるチョーク構造に形成されたものとなっている。
すなわち、電源供給線路15,16は、中心導体11と直角をなすように接続された第1の線路15a(16a)と、この第1の線路15a(16a)に接続された第2の線路15b(16b)と、さらに、この第2の線路15b(16b)に接続された第3の線路15c(16c)とから構成されたものとなっており、中心導体11から空胴1の一方の側壁17aへ向かって配設されたものとなっている。
【0012】
これら第1乃至第3の線路15a〜15c(16a〜16c)は、中心導体11における伝搬波長を仮にλsとすれば、中心導体11と直交する方向における平面回路基板2上での長さが、いずれもほぼλs/4の長さに設定されたものとなっている。しかも、空胴1の長手軸方向における第1及び第3の線路15a,15c(16a,16c)の幅(換言すれば、電源電流の流れる方向に直交する方向の幅)は、例えば、空胴1の長手軸方向に平行する方向における中心導体11の幅に比して充分に小さなものに設定されているのに対して、第2の線路15b(16b)の同方向の幅は、中心導体11の上述の幅よりも大に設定されたものとなっている。このように、第1乃至第3の線路15a〜15c(16a〜16c)のλs/4の長さに設定された方向と直交する方向の幅を変えることでそれぞれの線路インピーダンスを変化させ、電源供給線路15(16)全体としてマイクロ波に対してその伝搬を抑圧するチョーク構造が形成されたものとなっている。
【0013】
本発明の実施の形態においては、第3の線路15c(16c)の一部が、側壁17aに穿設されたスリット18a(18b)から外部へ突出されるようになっており、第3の線路15c(16c)が配設された平面回路基板2の対応する部位も同様にスリット18a(18b)から突出されるように設けられたものとなっている(図1参照)。なお、スリット18a,18bの大きさ、すなわち、スリット18a,18bをその正面から見た場合の横及び縦のそれぞれの長さは、この部分から外部へのマイクロ波の漏洩を防止する観点から、空胴1内部におけるマイクロ波の自由空間波長をλとすると、λ/2以下に設定することが好ましい。
そして、第3の線路15c(16c)の端部には、導電性部材を用いて矩形状に形成されてなる電源印加用バッド19a(19b)が、平面回路基板2上に配設されたものとなっている。この電源印加用パッド19a,19bには、先の電圧制御型ガン発振回路10の動作に必要な電源電圧が印加され、電源供給線路15,16を介して電圧制御型ガン発振回路10へ電源電圧が供給されるようになっている。
なお、上述のような電源供給線路15,16及び電源印加用パッド19a,19bは、中心導体11等を形成すると同様に薄膜作成技術、厚膜作成技術等によって形成するのが好適である。
【0014】
次に、上記構成における第1の構成例のマイクロ波発振器S1の動作について説明する。
まず、電圧制御型ガン発振回路10を構成するガンダイオード8は、開口側開放スタブ12を介して空間7aと、また、短絡側開放スタブ13を介して方形空胴共振器20と電磁的に結合できるようになっており、そのため、電圧制御型ガン発振回路10の発振周波数は、方形空胴共振器20の共振周波数付近に設定されるものとなっている。なお、電圧制御型ガン発振回路10は、バラクタダイオード9に印加する電圧を変化することで、発振周波数をある程度変えることができるものとなっている。
開口側開放スタブ12及び短絡側開放スタブ13のそれぞれの空間7a,7bとの結合の程度は、これらスタブの位置、長さ等を適宜設定することで任意の大きさとすることが可能であり、この結合度の大きさの設定によってこのマイクロ波発振器S1のQ値を所望の値に選定することが可能である。
【0015】
上述のようにして電圧制御型ガン発振回路10において発振されたマイクロ波は、中心導体11を伝搬して開口側開放スタブ12へ至り、開口側開放スタブ12により開口3側の空間7aでの伝搬モードへ変換されて、TE10モードで開口3側へ伝搬してゆく結果、開口3からマイクロ波出力を得ることができることとなる。
そして、電源供給線路15,16から外部へのマイクロ波の漏れは、電源供給線路15,16がチョーク構造に形成されたものとなっているため、電源供給線路15,16を伝搬してゆくマイクロ波は、スリット18a,18bまでの間に充分減衰され、スリット18a,18bから外部へ漏洩することが殆どないものとなっている。
【0016】
なお、平面回路取付部6は、平面回路基板2が接合されることで、動作時にガンダイオード8で発生する熱を逃がすヒートシンクとして機能するものとなっている。このため、特に、空胴1と別体に平面回路取付部6を設ける場合には、熱伝導性の良好な部材で形成すると好適である。
従来、導波管内に平面回路基板を取り付ける方法としては、例えば、図6に示されたように、半導体素子57が実装された基板56が、導波管58の内部において、その端面を導波管面に接合するフィンライン構造が殆どであった。しかし、このようなフィンライン構造では、基板56が導波管面と接合される面積が小さいために、放熱効率が充分とは言い難かった。
これに対して、本発明の実施の形態における平面回路基板2は、その平面部分が平面回路取付部6に接合されているため、平面回路取付部6に対する放熱面積が充分に確保されたものとなっている。そのため、従来に比して放熱効率が格段に向上し、半導体素子の温度上昇に伴う特性劣化が小さいものとなっている。
なお、上述の第1の構成例においては、開口側開放スタブ12及び短絡側開放スタブ13を設けるために、中心導体11の端部11a,11bが位置する平面回路基板2のそれぞれの端部を全体的に突出するようにしたが、開口側開放スタブ12、短絡側開放スタブ13が設けられる部分だけを突出するようにしても良いものである。
【0017】
次に、第2の構成例について、図3を参照しつつ説明する。なお、図1に示された構成例と同一の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この第2の構成例におけるマイクロ波発振器S2は、電源供給線路15,16の近傍に複数のVIAホール31を設けた点が、先の図1に示された構成のマイクロ波発振器S1と異なるものである。
すなわち、複数のVIAホール31は、平面回路基板2の裏面に形成されたアース面(図示せず)に電気的に導通したものとなっている公知・周知のもので、しかも、その相互の間隔は、平面回路基板2におけるマイクロ波の伝搬波長をλgとすれば、λg/2以下に設定されたものとなっている。このような電源供給線路15,16の周囲に複数設けられたVIAホール31と、電源供給線路15,16のチョーク構造とで、電源供給線路15,16を介して空胴1の外部へマイクロ波が漏洩するのが抑圧されるようになっていると共に、図1に示された構成のマイクロ波発振器S1の場合と異なり、電源印加端子引出口32の開口部分の縦、横の寸法を、図1のスリット18a,18bの場合のようにλg/2以下とするような必要がないものとなっている。すなわち、電源印加端子引出口32からは、この電源印加端子引出口32側の平面回路基板2の端部全体が突出するような構成となっている。
なお、他の構成部分及び動作については、図1に示されたマイクロ波発振器S1と同一であるので、ここでの詳細な説明は省略することとする。
【0018】
次に、第3の構成例について図4を参照しつつ説明する。なお、図1に示された構成例と同一の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この第3の構成例におけるマイクロ波発振器S3は、空胴1Aが大きさの異なる第1の空胴部41と第2の空胴部42から構成されて、高次モードの出力を可能としたものである。
すなわち、第1の空胴部41は、このマイクロ波発振器S3の出力周波数が伝搬可能な導波管からなるもので、本発明の実施例においては、図1の構成例と同様にTE10モードでの伝搬可能な方形導波管を用いたものとなっている。一方、第2の空胴部42は、第1の空胴部41の開口3側とは反対側に連接されてなり、第1の空胴部41の開口3からの出力周波数を仮にfoとすれば、fo/nの周波数で共振するよう形成されてなり、方形空胴共振器20Aとなっている。ここで、nは、2以上の整数である。なお、第1の空胴部41が連接される側と反対側の第2の空胴部42の端部は、短絡されているのは勿論のことである。
【0019】
ここで、第1及び第2の空胴部41,42のより具体的な例を挙げれば、例えば、このマイクロ波発振器S3の出力周波数を76GHzとすれば、第1の空胴部41の開口3の寸法は、76GHz帯が伝送可能な導波管の規格であるWR12と同一のものとなり、3.1mm×1.55mmとなる。これに対して、第2の空胴部42は、開口3に平行する断面の大きさは、5mm×2mmとなり、38GHzに共振することとなる。
なお、図4においては、電圧制御型ガン発振回路10へ対する電源供給部分は図示を省略してあるが、この部分は、図1に示されたような電源供給線路15,16とするか、図3に示されたように周囲にVIAホール31が穿設された電源供給線路15,16とするかいずれでも良いものである。
【0020】
かかる構成においては、第2の空胴部42の共振周波数付近で電圧制御型ガン発振回路10が発振し、fo/nの発振周波数が得られることとなる。例えば、上述の例で言えば、38GHzの発振が得られることとなる。なお、このとき、ガン発振回路は、その高調波である79GHzも発生させている。
そして、このfo/nの発振信号は、開口側開放スタブ12を介して第1の空胴部41の伝搬モードに変換されるが、第1の空胴部41は、foを通過可能とし、fo/nに対してはフィルタとして作用して通過阻止するため、結局、開口3からはfoが出力されることとなり、fo/n=38GHzの場合には、第2の空胴部42の共振周波数の2倍の76GHzの出力が得られることとなる。これは、いわゆるガン発振回路の高調波発振である。
【0021】
なお、上述したいずれの構成例においても、マイクロ波発振回路として電圧制御型ガン発振回路10を用いるものとしたが、勿論これに限定される必要はなく、バラクタダイオード9を用いずに、固定周波数で発振するよう構成された他の発振回路であっても良いものである。
【0022】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明によれば、平面回路基板を方形空胴共振器内に配設してマイクロ波発振器が実現できるような構成としたことにより、従来と異なり、比較的簡易な構成で組み立てが容易となり、そのため、低コストで高いQ値を有するマイクロ波発振器を提供することができるという効果を奏するものである。
また、開口側の空胴部分に対して、短絡側の空胴部分を開口からの出力周波数のほぼ1/nに共振するような大きさとすることにより、高次モード動作のマイクロ波発振器を容易に得ることができるという効果を奏するものである。
さらに、平面回路基板の発振回路を構成する半導体素子への電源供給を、その平面回路基板に配設した電源供給線路によって行うようにし、しかも、その電源供給線路をチョーク構造とすることで、空胴共振器内に設けられたピル型パッケージのガンダイオードに金属製ポストを介して電源供給するよう構成された従来のマイクロ波発振器と異なり、複雑な形状の従来の立体的なチョーク構造を形成することなく、電源供給部分からのマイクロ波の外部への漏洩を確実に抑圧し、しかも、低コスト化を図ることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1の構成例におけるマイクロ波発振器の構成例を示す一部断面を含む全体斜視図である。
【図2】図1に示されたマイクロ発振器の縦断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の第2の構成例におけるマイクロ波発振器の構成例を示す一部断面を含む全体斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の第3の構成例におけるマイクロ波発振器の構成例を示す一部断面を含む全体斜視図である。
【図5】従来のマイクロ波発振器の一構成例を示す縦断面図である。
【図6】従来のマイクロ波発振器におけるフィンライン構造を示す一部断面を含む全体斜視図である。
【符号の説明】
1…空胴
2…平面回路基板
3…開口
6…平面回路取付部
7a,7b…空間
11…中心導体
12…開口側開放スタブ
13…短絡側開放スタブ
15,16…電源供給線路
31…VIAホール
41…第1の空胴部
42…第2の空胴部

Claims (3)

  1. 導電性部材を用いて、一方の端が開口とされ、当該開口に対向する他方の端が短絡端とされてなる空胴を有し、
    前記空胴内部においては、当該空胴内を伝搬可能とするマイクロ波の磁界面に平行する前記空胴の二つの壁面の一方に突設されてなる平面回路取付部に、発振回路が形成されてなる平面回路基板が載置され、前記平面回路取付部と前記平面回路基板は、前記空胴の長手軸方向における長さが同一とされてなり、前記平面回路基板の前記平面回路取付部と接合される面には、アース面が形成され、
    前記平面回路基板には前記発振回路の出力段に接続された中心導体が、前記空胴の長手軸方向に配設され、当該中心導体は、二つの端部を有し、当該つの端部は、前記空胴の長手軸方向における前記平面回路取付部の端部に対応する前記平面回路基板のそれぞれの端部に位置せしめられ、
    前記中心導体の二つの端部からは、開放スタブが、前記開口側と前記短絡端側へそれぞれ前記平面回路取付部から突出するよう延設されてなると共に、前記平面回路基板のそれぞれの端部も前記二つの開放スタブの支持のため、前記それぞれの開放スタブの長さ分だけ、前記平面回路取付部から突出するように形成された部位を有し、
    前記発振回路は、前記開口側に位置する開放スタブを介して、前記開口側に位置する開放スタブと前記開口との間の空間と電磁的に結合可能とされると共に、前記短絡端側に位置する開放スタブを介して、前記短絡端側に位置する開放スタブと前記短絡端との間の空間と電磁的に結合可能とされてなることを特徴とするマイクロ波発振器。
  2. 前記空胴は、前記中心導体の前記開口側に位置する端部から前記空胴の開口へ至る部位が、マイクロ波出力周波数が基本モードで伝送される導波管形状とされる一方、前記中心導体の前記短絡端側に位置する端部から前記空胴の短絡端へ至る部位が、前記マイクロ波出力周波数の概略n分の1で共振する形状とされてなり、前記nは、任意の2以上の整数であることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波発振器。
  3. 前記平面回路基板には、前記発振回路へ電源供給する電源供給線路が配設され、当該電源供給線路は、チョーク構造を有してなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマイクロ波発振器。
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