JP4551541B2 - ガンダイオード発振器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波やミリ波帯のガンダイオードを用いた発振器に係り、特に二次高調波の発振特性を向上させたガンダイオード発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来用いられているガンダイオード発振器には、(1)ガンダイオード素子をパッケージ内に組み込んだものを導波管内に配置して構成したものや、(2)表面実装型ガンダイオードをマイクロストリップ線路等の平面回路上に実装して構成したものなどがある。
【0003】
先ず、上記(1)の従来例について述べる。図8に示すようなメサ型に形成されたガンダイオード素子50を図9に示すようなピル型パッケージ57内に組込み、これを図示していない導波管キャビティ内に配置して構成している。これらの図において、51は半導体基板、52はコンタクト層、53は活性層、54はコンタクト層、55はカソード層、56はアノード層、58は放熱基台、59は円筒、60は金リボン、61は金属ディスクである。
【0004】
マイクロ波やミリ波の発振素子であるGaAsガンダイオードは、GaAsのもつ Energy Relaxation Time の制限から、基本波発振周波数の二倍の周波数を用いる二次高調波モードにより構成することが多い。二次高調波を利用する場合、基本波成分の出力は不要且つ有害となるので除去する必要があるが、上記のように導波管内に配置した構造をとると、基本波成分の周波数が導波管のカットオフ周波数以下であれば、基本波成分は抑圧され、発振出力の主要周波数スペクトルは二次高調波成分のみとなる。なお、導波管(内寸法:長辺a、短辺:b)のカットオフ周波数はc/2aで与えられる。ただしcは光速である。
【0005】
次に、上記(2)の従来例について述べる。出願人の前の出願である特願平10−259006に開示されたようなプレーナ構造のガンダイオード(以下表面実装型ガンダイオードと呼ぶ。)を用いた発振器がある。この発振器は、該構造のガンダイオードを直接マイクロストリップ線路やコプレーナ線路の形成された基板上に実装して構成される。
【0006】
図1は、表面実装型ガンダイオードの一例の断面図、図2(a)及び(b)は、それぞれ図1のガンダイオードを平面回路に実装した状態を示す平面図及び断面図である。図1において、1は半導体基板、2は第1の半導体層、3は活性層、4は第2の半導体層である。
【0007】
第2の半導体層4の上には金属層が形成され、該金属層はそれぞれ円筒状凹部10により区画されて、複数個(2個のみ図示)の独立したアノード電極5と、カソード電極6(残余の部分)とが形成され、各アノード電極5の上にはバンプ(導電性突起部)8が、カソード電極6の上には複数個(2個のみ図示)のバンプ9がそれぞれ同じ高さに形成され、これらバンプを除く表面及び凹部10は非導電性膜11により保護されている。半導体基板1の裏面には、オーミック接続のための金属膜7が形成されている。
【0008】
図2において、31は誘電体基板、33は裏面接地電極である。誘電体基板31の上面には、信号電極15、2個の表面接地電極16を含むマイクロストリップ線路14が形成され、各表面接地電極16はそれぞれヴィアホール12により裏面接地電極33に接続されている。
【0009】
ガンダイオード13の実装は、ガンダイオードを裏返して各バンプ8及びバンプ9を対応する信号電極15及び表面接地電極16上に載せ、熱圧着により行われる。平面回路をコプレーナ線路で構成した場合は、上記各バンプを信号電極15とその両側の接地導体16の部分にそれぞれ接続されるようにし、上記と同様な方法で実装が行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述の図8に示したようなメサ型構造のガンダイオード素子は、メサ型構造とするために、通常ホトレジストをマスクとして使用し、化学的な湿式エッチングを行う方法がとられるが、このエッチングは深さ方向だけでなく横方向にも同時に進行するので、電子の走行空間(活性層)の制御が非常に難しく、そのためガンダイオードの素子特性がばらつくという弱点をもっている。
【0011】
また、上記素子のピル型パッケージ57への組立工程では、ガンダイオード素子50を放熱基台58に接着する際、使用するボンディングツールが視野を遮り直視が困難で、作業効率が極めて悪いという問題がある。更に、上記ピル型パッケージ57を平面基板上のマイクロストリップ線路等に実装する場合は、金リボンによって接続するので寄生インダクタンスが発生し、特性がばらつくという実装上の問題もある。
【0012】
マイクロストリップ線路やコプレーナ線路に表面実装型のガンダイオードを搭載して構成した従来のガンダイオード発振器では、このような問題を発生させることなく、特性のばらつきが低く抑えられる利点はあるが、ガンダイオード素子の二次高調波を利用するよう設計されている場合であっても、その発振スペクトルは、二次高調波成分(発振器の発振周波数。以下、単に発振周波数と呼ぶ)と共に基本波成分(発振周波数の半分の周波数)を含み、発振器出力として不要な基本波成分も出力されるいう問題があった。
【0013】
本発明の目的は、上記製造上、特性上、実装上の問題点を解消したガンダイオード発振器を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、表面実装型ガンダイオードを搭載した誘電体基板と、該誘電体基板を収納する金属筐体とからなり、二次高調波の発振出力を利用するガンダイオード発振器において、前記誘電体基板が収納される前記金属筐体内部が方形導波管であり、前記誘電体基板に、前記表面実装型ガンダイオードの発振出力が電磁気的に結合するスロット線路が形成され、フィンライン型の出力部を構成し、発振周波数の半分の周波数が前記フィンラインのカットオフ周波数以下であって、前記誘電体基板は、表面に信号電極と該信号電極をまたぐように配置された2個の表面接地電極が各々マイクロストリップ線路で形成され、裏面に前記表面接地電極と接続し前記マイクロストリップ線路及び前記フィンラインの接地導体を兼ねる接地導体と、該接地導体の一部を除去してなる前記スロット線路が形成され、前記表面実装型ガンダイオードは、底面の略中央に前記信号電極に接続するアノード又はカソードいずれか一方の電極が形成され、該電極の両側に前記表面接地電極に接続する他方の電極が形成され、前記表面実装型ガンダイオードの発振出力が前記信号電極を介して前記スロット線路に電磁気的に結合してなり、前記スロット線路を形成する接地導体の片側の一部分に、導体除去部分により区画してなるバイアス電極が形成され、二端子素子の一方の電極が前記バイアス電極に、他方の電極が前記接地導体の反対側の一部分にそれぞれ接続可能としたことを特徴とする。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のガンダイオード発振器において、前記誘電体基板表面に、一端が前記信号電極と電磁気的に結合し、他端が開放された長さLのマイクロストリップ線路からなるスタブが形成され、該スタブを共振器として働かせ、前記長さLは、共振器の共振周波数が発振周波数の略半分になるように決定されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る発明は、表面実装型ガンダイオードを搭載した誘電体基板と、該誘電体基板を収納する金属筐体とからなり、二次高調波の発振出力を利用するガンダイオード発振器において、前記誘電体基板が収納される前記金属筐体内部が方形導波管であり、前記誘電体基板に、前記表面実装型ガンダイオードの発振出力が電磁気的に結合するスロット線路が形成され、フィンライン型の出力部を構成し、発振周波数の半分の周波数が前記フィンラインのカットオフ周波数以下であって、前記誘電体基板は、表面に信号電極及び該信号電極をまたぐように配置された2個の表面接地電極が各々コプレーナ線路及び該コプレーナ線路の接地導体で形成され、該接地導体が前記フィンラインの接地導体を兼ね、該接地導体の一部を除去してなる前記スロット線路が形成され、前記表面実装型ガンダイオードは、底面の略中央に前記信号電極に接続するアノード又はカソードいずれか一方の電極が形成され、該電極の両側に前記表面接地電極に接続する他方の電極が形成され、前記表面実装型ガンダイオードの発振出力が前記信号電極を介して前記スロット線路に電磁気的に結合してなり、前記スロット線路を形成する接地導体の片側の一部分に、導体除去部分により区画してなるバイアス電極が形成され、二端子素子の一方の電極が前記バイアス電極に、他方の電極が前記接地導体の反対側の一部分にそれぞれ接続可能としたことを特徴とする。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項3記載のガンダイオード発振器において、前記誘電体基板表面に、一端が前記信号電極と電磁気的に結合し、他端が開放された長さLのコプレーナ線路からなるスタブが形成され、該スタブを共振器として働かせ、前記長さLは、共振器の共振周波数が発振周波数の略半分になるように決定されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4いずれか1項記載のガンダイオード発振器において、前記二端子素子がバラクタダイオード又はPINダイオードであり、該バラクタダイオード又はPINダイオードが前記スロット線路上に搭載されていることを特徴とする。
【0021】
図3は、本発明の参考例の構造内部を示した斜視図である。誘電体基板31の表面には発振部用のマイクロストリップ線路14、該基板31の裏面には出力部用のスロット線路19が形成されており、マイクロストリップ線路14の上には、図1に示したような表面実装型のガンダイオード13が、図2に示したような形態で搭載されている。
【0022】
金属筐体20の内部は導波管となっており、誘電体基板31はヒートシンクを兼ねる支持台18によって支持され金属筐体20の内部ほぼ中央位置に置かれている。図示されていないが、金属筐体20の左側端部には短絡板が、右側端部には外部導波管との接続用の結合部が設けられている。
【0023】
図4(a)及び(b)は、それぞれ誘電体基板31の表面及び裏面に形成された線路導体のパターン図である。誘電体基板31の表面には、図4(a)に示すように、ガンダイオードを搭載するための信号電極15、信号電極15をまたぐように配置した一対の表面接地電極16、オープンスタブ17及びバイアスパッド35を含むマイクロストリップ線路14が形成されている。該線路14の出力側端部は基板裏面に形成されるスロット線路19と電磁気的に結合する位置に配置されている。
【0024】
誘電体基板31の裏面には、図4(b)に示すように、マイクロストリップ線路用の接地導体23が形成されており、該接地導体はスロットライン19の接地導体を兼ねる。
【0025】
誘電体基板31の幅寸法は挿入する導波管の内壁幅に合わせて設定される。接地導体23には上記幅の中心線に沿って延びる帯状の導体除去部分が形成され、該部分により出力部用のスロット線路19が形成される。該線路19はその終端部において、基板表面のマイクロストリップ線路14の出力側端部と高周波的に結合するように形成される。
【0026】
接地導体23は、上記のようにスロット線路19が形成されることにより「ひれ」形状の金属膜となるが、このような金属膜の「ひれ」を方形導波管に挿入することにより、いわゆる”フィンライン”伝送線路が構成される。
【0027】
ここで、フィンラインについて説明する。図5に最も典型的なフィンラインの断面図を示す。方形導波管40(内寸法:長辺a、短辺b)の壁に囲まれた中央部に、短辺の壁と平行となるように、ひれ状の接地導体23が形成された誘電体基板31が実装されている。
【0028】
電磁波の主要部分はスロット線路19の間隙(間隙寸法s)を通って伝搬し、主モードでは、図のように電界が上下の金属膜を結ぶような方向に向いている。
そのため、フィンライン伝送線路は導波管との親和性がよく、マイクロ波やミリ波の二端子素子を扱う場合にはよく利用される。
【0029】
上記構造から理解されるように、フィンライン伝送線路はTEMモードをもたず、主モードはTE01モードである。従って、この伝送線路はカットオフ周波数をもち、それより低い周波数では伝搬しない。
【0030】
誘電体基板及びスロット線路間隙が図示のように導波管の中央にあり、且つ誘電体基板31の厚さが無視できるとき、フィンライン伝送線路のカットオフ周波数は次の方程式の解として求められる。
jB/2Yc−jcot(πa/λc)=0
ただし、λcは求めるカットオフ波長、Ycは横幅が単位長さで間隙がbの二枚の平行平板伝送線路の特性アドミッタンス、Bはスロット線路19の間隙がつくる単位長当たりのサセプタンス、jは定数である。
【0031】
この値は、R.E.Collin 著 ”Foundation of Microwave Engineering”,MacGraw-Hill,Inc.によると、下式で与えられる。
【0032】
【数1】
Figure 0004551541
【0033】
ただし、
【0034】
【数2】
Figure 0004551541
【0035】
である。
【0036】
本発明では、結果的に基本波発振周波数(発振周波数の半分)がカットオフ周波数以下となるよう、上記カットオフ周波数を上記基本波発振周波数より高く(いうまでもなく発振周波数よりは低く)設定し、上記構造の諸元を決定する。
【0037】
さて、バイアスパッド35・金属筐体20間に電圧を印加すると、オープンスタブ17、信号電極15、ガンダイオード13、表面接地電極16、ヴィアホール12、接地導体23、支持台18、金属筐体20の経路で電流が流れ、ガンダイオード13で電磁波(マイクロ波)が発生する。発生した電磁波はオープンスタブ17で共振し、マイクロストリップ線路14を通り、裏面のスロット線路19(フィンラインの伝送線路)に結合する。マイクロストリップ線路のTEM波の磁界とスロット線路19の磁界とは類似しているので両者は容易に結合できる。
【0038】
電磁波はスロット線路19に沿って伝搬して行くが、基本波成分はフィンラインのカットオフ周波数以下となっているので伝搬できず、二倍波以上の成分のみが伝搬する。
【0039】
金属筐体20及び導体線路の出力側端部は図示していないが、誘電体基板31に形成されているスロット線路19の端部には導波管との結合のための整合手段が設けられる。例えば、スロット線路の間隙幅が、出力端に向かって徐々に広がり末端で金属筐体壁に達するように、導体パターンを形成して行う整合方法がとられる。
【0040】
図3により示した参考例は、ガンダイオードの発振部をマイクロストリップ線路で構成した場合であるが、図6に示すように、コプレーナ線路を用いて構成することもできる。コプレーナ線路21は誘電体基板31の上面に形成したコプレーナ接地導体22によって形成される。この場合は、スロット線路19も、同コプレーナ接地導体22によって、同一面に形成される。
【0041】
また、上述の図3及び図6の参考例では、基板31を金属筐体内部の高さの中央に置いているが、必ずしもその必要はなく、中央よりずれていても構わない。特に図6の参考例の場合は、基板を金属筐体内部の底面に直接つけた構成としてもよい。その場合もカットオフ周波数が存在することに変わりはないので、基板の取り付けが容易となる点、実装上有利である。
【0042】
本発明の実施例の発振器において、接地導体に導体除去部分によって区画したバイアス電極を形成しておくとよい。これにより二端子素子の一方の電極が前記バイアス電極に、他方の電極が前記接地導体の反対側の一部分にそれぞれ接続可能となり、例えば図7に示すように、スロット線路19の上に表面実装型バラクタダイオード24を搭載して電圧制御発振器とすることができる。バラクタダイオード24は、片側の接地導体に形成したバイアスパッド25を一方の電極とし、反対側の接地導体を他方の電極として搭載する。バイアスパッド25に電圧を印加することによりガンダイオードから見た外部回路のインピーダンスが変化し、それに伴って発振周波数が変化する。
【0043】
また、上記のバラクタダイオードの代わりに、PINダイオードを搭載することによりパルス変調の発振器とすることができる。
【0044】
さらに、本発明の発振器は、オープンスタブ17の長さLを調整することによっても発振周波数の決定を行うことができる。これは、オープンスタブ17が共振器として働き、その長さLによって共振する周波数が変わるためである。長さLは、ガンダイオードの電極が接続された箇所から開放端に至るまでの距離であり、発振周波数の略半分の周波数に共振するよう予め回路シミュレーション等で決定しておく。但し、導体パターン形成後であっても、オープンスタブ17の一部切除やその逆に金属箔を接合する等で長さを調整し、最終的に好適な長さLとすることが可能である。なお、図4では、オープンスタブ17を信号電極15と異なる幅に形成しているが、これに限らず同一の幅とすることもある。
【0045】
【発明の効果】
上述したように、本発明のガンダイオード発振器は、表面実装型ガンダイオードを搭載した誘電体基板と、これを収納する金属筐体とから構成しているので組立容易であり、しかも金属筐体内部を方形導波管にし、前記誘電体基板に表面実装型ガンダイオードの発振出力が電磁気的に結合するスロット線路を形成してフィンライン型の出力部を構成しているので、フィンラインのカットオフ周波数で不要な基本波成分を除去することが可能である。従って、特性のばらつきが少なく、組立の作業効率の高い二次高調波利用のガンダイオード発振器の実現が可能となる。
【0046】
また、表面実装型ガンダイオードの発振出力は、マイクロストリップ線路やコプレーナ線路を用いることで容易にスロット線路に結合でき、信号電極の一端に長さLで開放されてなるオープンスタブを形成することにより、発振周波数の調整が容易となる。
【0047】
また、本発明のガンダイオード発振器は、スロット線路を形成する接地導体に導体除去部分で区画されたバイアス電極を形成しておくことにより、二端子素子がスロット線路上に搭載可能となり、二端子素子の選択によって異なる機能を発揮させることができる。具体的には、バラクタダイオードを搭載することにより、電圧制御型発振器とすることができ、PINダイオードを搭載することによりパルス変調の発振器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面実装型ガンダイオードの一例の断面図である。
【図2】同上ガンダイオードを実装した状態を示す平面図及び断面図である。
【図3】本発明のガンダイオード発振器の参考例の斜視図である。
【図4】同上参考例の基板上面及び裏面の導体パターン図である。
【図5】フィンライン伝送線路の説明用の断面図である。
【図6】本発明のガンダイオード発振器の別の参考例の斜視図である
【図7】本発明のガンダイオード発振器にバラクタダイオードを搭載し、電圧制御発振器とした場合の説明図である。
【図8】メサ型構造のガンダイオードの断面図である。
【図9】メサ型構造のガンダイオードを組み込んだピル型パッケージの断面図である。

Claims (5)

  1. 表面実装型ガンダイオードを搭載した誘電体基板と、該誘電体基板を収納する金属筐体とからなり、二次高調波の発振出力を利用するガンダイオード発振器において、前記誘電体基板が収納される前記金属筐体内部が方形導波管であり、前記誘電体基板に、前記表面実装型ガンダイオードの発振出力が電磁気的に結合するスロット線路が形成され、フィンライン型の出力部を構成し、発振周波数の半分の周波数が前記フィンラインのカットオフ周波数以下であって、
    前記誘電体基板は、表面に信号電極と該信号電極をまたぐように配置された2個の表面接地電極が各々マイクロストリップ線路で形成され、裏面に前記表面接地電極と接続し前記マイクロストリップ線路及び前記フィンラインの接地導体を兼ねる接地導体と、該接地導体の一部を除去してなる前記スロット線路が形成され、前記表面実装型ガンダイオードは、底面の略中央に前記信号電極に接続するアノード又はカソードいずれか一方の電極が形成され、該電極の両側に前記表面接地電極に接続する他方の電極が形成され、前記表面実装型ガンダイオードの発振出力が前記信号電極を介して前記スロット線路に電磁気的に結合してなり、
    前記スロット線路を形成する接地導体の片側の一部分に、導体除去部分により区画してなるバイアス電極が形成され、二端子素子の一方の電極が前記バイアス電極に、他方の電極が前記接地導体の反対側の一部分にそれぞれ接続可能としたことを特徴とするガンダイオード発振器。
  2. 請求項1記載のガンダイオード発振器において、前記誘電体基板表面に、一端が前記信号電極と電磁気的に結合し、他端が開放された長さLのマイクロストリップ線路からなるスタブが形成され、該スタブを共振器として働かせ、前記長さLは、共振器の共振周波数が発振周波数の略半分になるように決定されていることを特徴とするガンダイオード発振器。
  3. 表面実装型ガンダイオードを搭載した誘電体基板と、該誘電体基板を収納する金属筐体とからなり、二次高調波の発振出力を利用するガンダイオード発振器において、前記誘電体基板が収納される前記金属筐体内部が方形導波管であり、前記誘電体基板に、前記表面実装型ガンダイオードの発振出力が電磁気的に結合するスロット線路が形成され、フィンライン型の出力部を構成し、発振周波数の半分の周波数が前記フィンラインのカットオフ周波数以下であって、
    前記誘電体基板は、表面に信号電極及び該信号電極をまたぐように配置された2個の表面接地電極が各々コプレーナ線路及び該コプレーナ線路の接地導体で形成され、該接地導体が前記フィンラインの接地導体を兼ね、該接地導体の一部を除去してなる前記スロット線路が形成され、前記表面実装型ガンダイオードは、底面の略中央に前記信号電極に接続するアノード又はカソードいずれか一方の電極が形成され、該電極の両側に前記表面接地電極に接続する他方の電極が形成され、前記表面実装型ガンダイオードの発振出力が前記信号電極を介して前記スロット線路に電磁気的に結合してなり、
    前記スロット線路を形成する接地導体の片側の一部分に、導体除去部分により区画してなるバイアス電極が形成され、二端子素子の一方の電極が前記バイアス電極に、他方の電極が前記接地導体の反対側の一部分にそれぞれ接続可能としたことを特徴とするガンダイオード発振器。
  4. 請求項3記載のガンダイオード発振器において、前記誘電体基板表面に、一端が前記信号電極と電磁気的に結合し、他端が開放された長さLのコプレーナ線路からなるスタブが形成され、該スタブを共振器として働かせ、前記長さLは、共振器の共振周波数が発振周波数の略半分になるように決定されていることを特徴とするガンダイオード発振器。
  5. 請求項1乃至4いずれか1項記載のガンダイオード発振器において、前記二端子素子がバラクタダイオード又はPINダイオードであり、該バラクタダイオード又はPINダイオードが前記スロット線路上に搭載されていることを特徴とするガンダイオード発振器。
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