JP2001102821A - 高周波パッケージ - Google Patents

高周波パッケージ

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JP2001102821A JP27601699A JP27601699A JP2001102821A JP 2001102821 A JP2001102821 A JP 2001102821A JP 27601699 A JP27601699 A JP 27601699A JP 27601699 A JP27601699 A JP 27601699A JP 2001102821 A JP2001102821 A JP 2001102821A
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英男 飯塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力漏洩が少ない低損失の高周波パッケージ
を実現する。 【解決手段】 誘電体基板2と筐体3により気密に封止
されたキャビティ4の内部には、高周波用半導体素子5
が搭載されており、このキャビティ4の内壁の誘電体基
板2の表面には、ストリップ線路6と、切り込みを設け
た短絡金属層7が形成されている。ストリップ線路6の
一端は、ワイヤリボン8により高周波用半導体素子5と
接続され、他端は短絡金属層7に設けられた切り込みの
内側に配置されている。ストリップ線路6と導波管1と
は整合素子10を介して電磁的に結合され、この整合素子
10の共振作用により、高い電力変換効率が得られてい
る。短絡金属層7、接地金属層9、及び導波管1は、導
通孔12に埋め込まれた金属により、同電位に保たれてお
り、これらの構成により、キャビティ4の内部への電力
の漏洩が少ない、低損失の高周波パッケージが実現され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体基板と筐体
により形成される気密のキャビティの内部に高周波用半
導体素子が搭載され、高い周波数帯の電磁波を伝送する
複数の導波管と直接接続された高周波パッケージに関す
る。
【0002】
【従来の技術】誘電体基板と筐体により形成される気密
のキャビティの内部に高周波用半導体素子が搭載され、
高い周波数帯の電磁波を伝送する複数の導波管と直接接
続された高周波パッケージとしては、公開特許公報「特
開平11−112209:高周波用パッケージおよびそ
の接続構造」に記載されているもの等が一般に知られて
いる。
【0003】図11、図12、図13は、それぞれ、上
記の従来技術における高周波パッケージ(以下、符号
「A101」で示す。)の模式的な鉛直断面図、H−
H’水平断面図、及びI−I’水平断面図である。
【0004】導波管101と直接接続されている高周波
パッケージA101には、誘電体基板102と筐体10
3により形成されたキャビティ104内部に高周波用半
導体素子105が実装搭載され、キャビティ104内部
は気密に封止されている。キャビティ104内部の誘電
体基板102の表面には、ストリップ線路106が形成
されている。ストリップ線路106の一端は、ワイヤリ
ボン107により、高周波用半導体素子105と接続さ
れており、他端は、開放終端されている。誘電体基板1
02の裏面には、スロット108が設けられた接地金属
層109が形成されている。
【0005】従来の高周波パッケージ接続構造では、ス
トリップ線路と導波管が、スロットを介して電磁的に結
合している。電磁結合接続では、通常、高い電力変換効
率を得るために共振作用を利用する。従来の高周波パッ
ケージ接続構造では、スロットが共振している。スロッ
トの長さを使用波長の1/2近傍の値に設定することに
より、使用周波数を決定する。
【0006】また、インピーダンス整合をとるために、
スロットからストリップ線路開放終端部までの長さを制
御し、スロットを設けた位置でストリップ線路の磁界が
最大となるように、その長さを使用波長の1/4近傍の
値に設定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の高周波パッケー
ジでは、上記の接続構造により、スロット(共振部)か
らキャビティ内部に電力が漏洩してしまい、導波管との
接続箇所におけるエネルギー損失が大きくなってしまう
という問題があった。
【0008】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的は、導波管との接続箇所に
おける共振部からキャビティ内部への電力の漏洩が少な
い、低損失の高周波パッケージを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、以下の手段が有効である。即ち、第1の手段
は、誘電体基板と筐体により形成されるキャビティの内
部に高周波用半導体素子が搭載され、複数の導波管と直
接接続された高周波パッケージにおいて、キャビティの
内壁の誘電体基板の表面(おもてめん)に、切り込みを
入れた短絡金属層と、一端が高周波用半導体素子と接続
され他端が短絡金属層の切り込みの内側に短絡金属層と
離して配置されたストリップ線路とを備え、この誘電体
基板の裏面に、導波管の導体断面に略合致する接地金属
層を備え、上記の短絡金属層と一定距離離れた導波管内
又は導波管開口部に短絡金属層と略平行に配置された整
合素子を備え、ストリップ線路と整合素子とを互いに接
近して配置することにより、ストリップ線路と整合素子
とを互いに電磁的に結合することである。
【0010】また、第2の手段は、上記の第1の手段に
おいて、誘電体基板と整合素子との間に第2誘電体基板
を備えることである。
【0011】また、第3の手段は、上記の第1又は第2
の手段において、少なくとも1つ以上の短絡金属層に、
ストリップ線路が配置される切り込みを複数備えること
である。
【0012】更に、第4の手段は、上記の第1乃至第3
の何れか1つの手段において、誘電体基板に短絡金属層
と導波管とを電気的に接続するためのスルーホールを設
けることである。以上の手段により、前記の課題を解決
することができる。
【0013】
【作用及び発明の効果】本発明の手段によれば、共振部
を構成する整合素子は、短絡金属層と導波管により遮蔽
されるため、整合素子からキャビティ内部への電力漏洩
を十分に抑制することができる。また、誘電体基板に短
絡金属層と導波管とを電気的に接続するためのスルーホ
ールを設け、ここに金属等の導体を埋め込めば、両者を
同電位に保つことができるため、この電力漏洩は、より
確実に防止することができる。
【0014】また、本発明の手段によれば、ストリップ
線路の開放終端部と切り込みを入れた短絡金属層との間
に生じるクリアランスの大きさを共振長(1/2波長)
よりも十分小さくすることができる。これにより、この
クリアランスからキャビティ内部への電力漏洩を殆ど解
消することが可能となる。
【0015】これらの作用により、本発明の手段によれ
ば、導波管との接続箇所における共振部(整合素子)か
らキャビティ内部への電力の漏洩が少ない、低損失の高
周波パッケージを実現することが可能となる。
【0016】また、本発明の接地金属層により、ストリ
ップ線路が付設されている誘電体基板と導波管とを容
易、かつ、確実に密着固定することが可能となる。その
ため、電力損失の少ない高周波パッケージを実現するこ
とができる。
【0017】また、本発明の手段によれば、ストリップ
線路の導波管に対する挿入長でインピーダンス整合を図
ることができ、更に、整合素子の大きさや、ストリップ
線路との間隔により伝送・変換される周波数帯域を決定
することができる。
【0018】例えば、導波管断面形状の長手方向におけ
る整合素子の幅が広いと、周波数帯域の幅も広くなり、
整合素子のこれと垂直方向の幅は、遮断周波数を決め
る。また、整合素子のストリップ線路との間隔(間に介
在する誘電体基板の厚さ)が狭いと周波数帯域の幅が狭
くなり、この間隔を広くすると周波数帯域の幅も広くな
る。したがって、これらのパラメータを適切に調整する
ことにより、所望の周波数で損失の少ない高周波パッケ
ージを実現することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。 (第1実施例)図1、図2、図3に、それぞれ本第1実
施例における高周波パッケージA11の模式的な鉛直断
面図、A−A’水平断面図、及び、B−B’水平断面図
を示す。
【0020】導波管1と直接接続されている高周波パッ
ケージA11には、誘電体基板2と筐体3により形成さ
れたキャビティ4の内部に、高周波用半導体素子5が搭
載されており、このキャビティ4は気密に封止されてい
る。キャビティ4の内壁の誘電体基板2の表面(おもて
めん)には、ストリップ線路6と、略中央まで切り込み
を設けた短絡金属層7が形成されている。
【0021】ストリップ線路6の一端は、ワイヤリボン
8により高周波用半導体素子5と接続されており、他端
は短絡金属層7に設けられた切り込みの内側に短絡金属
層7に接しない様に配置されている。誘電体基板2の裏
面には、接地金属層9が形成されており、この接地金属
層9の形状は、導波管1の開口部の断面形状と略合同と
なっている。
【0022】導波管1の開口部には、短絡金属層7から
一定距離(誘電体基板2の厚み分だけ)離して、この短
絡金属層7と略平行に整合素子10が設けられている。
即ち、整合素子10は、誘電体基板2の裏面に直接形成
されている。短絡金属層7、接地金属層9、及び導波管
1は、誘電体基板2に設けられたスルーホール11に埋
め込まれた金属により、同電位に保たれている。
【0023】これらの構造により、ストリップ線路6と
導波管1とは、整合素子10を介して電磁的に結合され
ており、この整合素子10の共振作用により、高い電力
変換効率が得られている。
【0024】整合素子10の一辺の長さを使用する電磁
波の波長(誘電体基板内伝播波長)の略1/2に設定す
ることにより、使用する電磁波の周波数を決定すること
ができる。また、ストリップ線路6の上記の切り込みに
対する挿入長を調整することによりインピーダンス整合
を図ることができる。
【0025】本高周波パッケージA11の共振部を構成
する整合素子10は、短絡金属層7と導波管1により遮
蔽されているため、整合素子10からキャビティ4の内
部への電力漏洩は十分に抑制されている。また、誘電体
基板2に短絡金属層7と導波管1とを電気的に接続する
ためのスルーホール11を設け、ここに金属を埋め込ん
で、両者を同電位に保っているため、この電力漏洩は、
より確実に防止されている。
【0026】また、本高周波パッケージA11において
は、ストリップ線路6の開放終端部と切り込みを入れた
短絡金属層7との間に生じるクリアランスの大きさを共
振長(1/2波長)よりも十分小さくしているため、こ
のクリアランスからキャビティ4の内部へ漏洩する電力
は殆ど解消されている。
【0027】即ち、本発明の手段に基づくこれらの作用
により、本高周波パッケージA11においては、導波管
1との接続箇所における共振部(整合素子10)からキ
ャビティ4の内部への電力の漏洩が少ない、低損失の高
周波パッケージが実現されている。
【0028】(第2実施例)図4、図5、図6、図7
に、それぞれ本第2実施例における高周波パッケージA
31の模式的な鉛直断面図、C−C’水平断面図、D−
D’水平断面図、及び、E−E’水平断面図を示す。
【0029】導波管31と直接接続されている高周波パ
ッケージA31には、誘電体基板32と筐体33により
形成されたキャビティ34の内部に、高周波用半導体素
子35が搭載されており、このキャビティ34は気密に
封止されている。キャビティ34の内壁の誘電体基板3
2の表面(おもてめん)には、ストリップ線路36と、
略中央まで切り込みを設けた短絡金属層37とが形成さ
れている。
【0030】ストリップ線路36の一端は、ワイヤリボ
ン38により高周波用半導体素子35と接続されてお
り、他端は短絡金属層37に設けられた切り込みの内側
に短絡金属層37に接しない様に配置されている。誘電
体基板32の裏面には、接地金属層39が形成されてお
り、この接地金属層39の形状は、導波管31の開口部
の断面形状と略合同となっている。
【0031】導波管31の内側には、短絡金属層37か
ら一定距離離して、この短絡金属層37と略平行に整合
素子40が設けられている。誘電体基板32とこの整合
素子40との間には、整合素子40を支持する第2誘電
体基板42が介在している。短絡金属層37、接地金属
層39、及び導波管31は、誘電体基板32に設けられ
たスルーホール41に埋め込まれた金属により、同電位
に保たれている。
【0032】高周波パッケージA31の構成とすれば、
整合素子と短絡金属層との間隔を広くできるため、伝送
・変換される周波数帯域を実施例1に比べ、さらに広く
することが可能となる。
【0033】(第3実施例)図8、図9、図10に、そ
れぞれ本第3実施例における高周波パッケージA51の
模式的な鉛直断面図、F−F’水平断面図、及びG−
G’水平断面図を示す。本高周波パッケージA51は、
ストリップ線路56の先端が配置される切り込みを複数
(二つ)有する短絡金属層57′を備えているところが
特徴である。
【0034】しかしながら、切り込みを複数有する短絡
金属層57′を備えている点、及び、高周波用半導体素
子、短絡金属層、整合素子、ストリップ線路等の各構成
要素の個数がそれぞれ異なっている点を除けば、本高周
波パッケージA51の基本的な構造は、第1実施例の高
周波パッケージA11と同等であり、本高周波パッケー
ジA51の符号51〜61の各構成要素は、第1実施例
の高周波パッケージA11の符号1〜11の各構成要素
に各々対応している。
【0035】この様に、高周波パッケージを構成するこ
とによっても、本発明の手段に基づいた本発明の作用・
効果を第1実施例の高周波パッケージA11と同様に得
ることができる。
【0036】尚、上記の各実施例においては、接地金属
層は、導波管の開口部の形状(導波管の断面形状)と略
合同に形成されているが、接地金属層は、更に導波管の
内側方向に広がって形成されていても良い。即ち、接地
金属層の形状は、接地金属層と整合素子との間隔が一定
以上に保たれており、導波管の開口部の断面領域を含ん
でいれば任意である。
【0037】また、上記の実施例において、整合素子
は、長方形であったが、整合素子の形状には、特に制約
はなく、正方形、円形、楕円形、リング形状などでも良
い。
【0038】また、上記の各実施例においては、特に言
及しなかったが、導波管の内部には、誘電体等を充填し
ても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における高周波パッケージ
A11の模式的な鉛直断面図。
【図2】本発明の第1実施例における高周波パッケージ
A11の模式的なA−A’水平断面図。
【図3】本発明の第1実施例における高周波パッケージ
A11の模式的なB−B’水平断面図。
【図4】本発明の第2実施例における高周波パッケージ
A31の模式的な鉛直断面図。
【図5】本発明の第2実施例における高周波パッケージ
A31の模式的なC−C’水平断面図。
【図6】本発明の第2実施例における高周波パッケージ
A31の模式的なD−D’水平断面図。
【図7】本発明の第2実施例における高周波パッケージ
A31の模式的なE−E’水平断面図。
【図8】本発明の第3実施例における高周波パッケージ
A51の模式的な鉛直断面図。
【図9】本発明の第3実施例における高周波パッケージ
A51の模式的なF−F’水平断面図。
【図10】本発明の第3実施例における高周波パッケー
ジA51の模式的なG−G’水平断面図。
【図11】従来技術における高周波パッケージA101
の模式的な鉛直断面図。
【図12】従来技術における高周波パッケージA101
の模式的なH−H’水平断面図。
【図13】従来技術における高周波パッケージA101
の模式的なI−I’水平断面図。
【符号の説明】
A1 … 高周波パッケージ 1 … 導波管 2 … 誘電体基板 3 … 筐体 4 … キャビティの内部 5 … 高周波用半導体素子 6 … ストリップ線路 7 … 短絡金属層 8 … ワイヤリボン 9 … 接地金属層 10 … 整合素子 11 … スルーホール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板と筐体により形成されるキャ
    ビティの内部に高周波用半導体素子が搭載され、複数の
    導波管と直接接続された高周波パッケージであって、前
    記キャビティの内壁の前記誘電体基板の表面に、 切り込みを入れた短絡金属層と、 一端が前記高周波用半導体素子と接続され、他端が前記
    切り込みの内側に前記短絡金属層と離して配置されたス
    トリップ線路とを備え、前記誘電体基板の裏面に、 前記導波管の導体断面に略合致する接地金属層を備え、
    前記短絡金属層と一定距離離れた、前記導波管内又は前
    記導波管開口部に、 前記短絡金属層と略平行に配置された整合素子を備え、
    前記ストリップ線路と前記整合素子とが互いに接近して
    配置されることにより、前記ストリップ線路と前記整合
    素子とが互いに電磁的に結合されていることを特徴とす
    る高周波パッケージ。
  2. 【請求項2】 前記誘電体基板と前記整合素子との間
    に、 第2誘電体基板を備えたことを特徴とする請求項1に記
    載の高周波パッケージ。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つ以上の前記短絡金属層
    は、前記ストリップ線路が配置される前記切り込みを複
    数備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の高周波パッケージ。
  4. 【請求項4】 前記誘電体基板は、前記短絡金属層と前
    記導波管とを電気的に接続するためのスルーホールを有
    することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
    1項に記載の高周波パッケージ。
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