JP4824395B2 - レジスト除去方法及びレジスト除去装置 - Google Patents
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Description
以下に本発明を詳述する。
すなわち、本発明者らは、基板表面のレジストの除去を、オゾン水を用いて処理する第一段と、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセタート及びジアセチンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤と、水との混合溶剤で処理する第二段とからなるようにすることで、基板表面のレジストを迅速かつ完全に除去することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のレジスト除去方法の除去対象であるレジストとしては特に限定されず、例えば、液晶表示素子の製造におけるフォトリソグラフィー工程において通常使用されるレジストが挙げられ、なかでも、ノボラック型レジストを好適に除去できる。
なお、ノボラック型レジストとは、ノボラック樹脂を主成分とし、更にオルトジアゾキノン等の感光剤等を含有するものであり、光照射によりアルカリ溶液への溶解性を変化させることができる。ノボラック型レジストは、現在、ガラス基板、化合物基板、シリコン基板等のほとんどの基板に多用されているものである。
上記レジスト変性層とは、フッ素等の難分解性物質が結合又は吸着したり、架橋されたりすることにより変性された難溶性のレジストを含む層を意味し、このようなレジスト変性層が最表層に形成されたレジストは、除去することが非常に難しく従来のレジスト除去方法で均一かつ短時間で除去することかできなかった。
本明細書においてオゾン水には、原料水にオゾンガスを溶解させたもののほか、酢酸及びクエン酸又はその誘導体等の有機酸を溶解した水にオゾンガスを溶解させたものも含まれる。
なお、オゾン水中のオゾン濃度は、有機物の分解により逐次消費されることから正確に測定することは困難である。また、オゾン溶解モジュール等と組み合わせて循環させることにより逐次オゾンを溶解させるようにすれば、特に上述のオゾン濃度には限定されない。
上記基板の処理面にオゾン水を噴射する手段としては特に限定されず、従来公知のノズル等を用いることができるが、なかでも、棒流状ノズルを用いることが好ましい。これにより、更に高い効率で有機物を除去することができる。
なお、本明細書において、上記棒流状ノズルとは、ノズルより噴射されたオゾン水をノズルの内径を大きく超えて広がることなく、ノズル内径と略同径の棒流としてレジストの処理面に到達させることのできるノズルを意味する。
上記γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセタート及びジアセチンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤は、有機物、とりわけレジストの溶解性に優れることに加え、常温常圧において液体状であることから、処理液として極めて取扱いが容易である。また、水への溶解性に優れることから、乾燥工程等を経ることなく水洗工程等を併用することができる。更に、消防法上も第3石油類に分類されていることから、危険性が少なく装置に防爆処理等を施すことも不要である。なかでも、レジストの溶解性に優れることからγ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセタートがより好適であり、γ−ブチロラクトンが更に好適である。
上記混合溶剤処理工程では、レジストを該レジストの除去効率に優れたγ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセタート及びジアセチンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤100重量部と、水5〜100重量部との混合溶剤を用いて除去するため、非常に効率よくレジストを除去することができる。
即ち、本発明のレジスト除去方法によると、基板表面のレジストを高効率にかつ均一に除去することができる。
上記本発明のレジスト除去方法に使用することができるレジスト除去装置もまた、本発明の1つである。
図1に示したように、本発明のレジスト除去装置1は、オゾン溶解装置2、オゾン水処理槽3、第二オゾン水処理槽4、オゾン溶解装置2とオゾン水処理槽3及び第二オゾン水処理槽4とをつなぐオゾン水循環路5、混合溶剤タンク6、混合溶剤処理槽7、並びに、混合溶剤タンク6と混合溶剤処理槽7とをつなぐ混合溶剤循環路8を備える。図1に示した本発明のレジスト除去装置1は、上述した本発明のレジスト除去方法において、溶剤処理工程の後に基板の処理面にオゾン水を作用させる第二オゾン水処理工程を行う場合の装置を示しており、この第二オゾン水処理工程を行わない場合、本発明のレジスト除去装置は、第二オゾン水処理槽4が省略されるか、又は、第二オゾン水処理槽4では基板に何ら処理を行わない。
なお、図1中矢印は、処理に供される基板が搬送される方向を示す。即ち、図1に示したレジスト除去装置1において、レジストが表面に形成された基板は、オゾン水処理槽3から混合溶剤処理槽7及び第二オゾン水処理槽4の順に搬送されるようになっている。
オゾン溶解装置2で生成されたオゾン水は、上記オゾン水排出口からオゾン水循環路5に排出されてオゾン水濃度検出器10に送られ、上記オゾン水の溶存オゾンガス濃度が監視・管理される。
第1路からオゾン水処理槽3に供給されたオゾン水は、オゾン水処理槽3に搬入された基板表面のレジストの除去に使用され、具体的には、上述した本発明のレジスト除去方法におけるオゾン水処理工程のレジストの除去に使用される。
また、第2路から第二オゾン水処理槽4に供給されたオゾン水は、第二オゾン水処理槽4に搬入された基板表面のレジストの除去に使用され、具体的には、上述した本発明のレジスト除去方法における第二オゾン水処理工程の基板表面に残存したレジストの除去に使用される。
このような本発明のレジスト除去装置では、本発明のレジスト除去方法を好適に実現することができ、基板表面のレジストを高効率にかつ均一に除去することができる。
処理サンプルとして370×470mmの無アルカリガラスにタンタル合金を厚さ300nmでスパッタリングしたLCD基板を用いた。
LCD基板上にスピンコーターを用いてレジスト液(富士フィルムアーチ社製、FHi−3950)を1μm程度の厚さとなるように塗布し、これにCF4とO2の混合ガスからなるエッチングガスを用いてエッチング処理を施した。
得られた処理サンプルのレジストには、厚さ約100nmのフッ素を含有するレジスト変性層が形成されていた。
作製した処理サンプルをオゾン水処理槽に搬入し、オゾン溶解装置で生成したオゾン濃度40ppmのオゾン水中に30秒間浸漬してオゾン水処理工程を行った。
次に、オゾン水処理工程を経た処理サンプルを混合溶剤処理槽に搬入し、γ−ブチロラクトン(和光純薬製、和光特級)100重量部に対して、水を30重量部配合して調製した混合溶剤中に30秒間浸漬して混合溶剤処理工程を行った。
γ−ブチロラクトン(和光純薬製、和光特級)100重量部に対して、水を40重量部配合して混合溶剤を調製し、この混合溶剤を用いて混合溶剤処理工程を行った以外は、実施例1と同様にして処理サンプルの表面のレジスト除去を行った。
混合溶剤処理工程を行った後の処理サンプルを顕微鏡観察し、レジストの除去状態を観察した。その結果、処理サンプルのレジストは図2と同様に、完全に除去されていた。
混合溶剤処理工程を行った処理サンプルを図1に示した第二オゾン水処理槽に搬入し、オゾン溶解装置で生成したオゾン水濃度40ppmのオゾン水中に30秒間浸漬して第二オゾン水処理工程を行った以外は、図2と同様にして処理サンプルの表面のレジスト除去を行った。
第二オゾン水処理工程を行った後の処理サンプルを顕微鏡観察し、レジストの除去状態を観察した。その結果、処理サンプルのレジストは実施例1と同様に、完全に除去されていた。
混合溶剤処理工程を行った処理サンプルを図1に示した第二オゾン水処理槽に搬入し、オゾン溶解装置で生成したオゾン水濃度40ppmのオゾン水中に30秒間浸漬して第二オゾン水処理工程を行った以外は、実施例2と同様にして処理サンプルの表面のレジスト除去を行った。
第二オゾン水処理工程を行った後の処理サンプルを顕微鏡観察し、レジストの除去状態を観察した。その結果、処理サンプルのレジストは図2と同様に、完全に除去されていた。
オゾン水処理工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして処理サンプルのレジストの除去を行った。
混合溶剤処理工程を行った後の処理サンプルを顕微鏡観察し、レジストの除去状態を観察した。図3に処理サンプルの顕微鏡写真を示す。図3に示したように、処理サンプルのレジストは完全に除去されておらず、レジストの残渣が多く観察された。
オゾン水処理工程を行わなかった以外は、実施例2と同様にして処理サンプルのレジストの除去を行った。
混合溶剤処理工程を行った後の処理サンプルを顕微鏡観察し、レジストの除去状態を観察した。その結果、処理サンプルのレジストは完全に除去されておらず、レジストの残渣が多く観察された。
処理サンプルとして4インチ径のシリコンウエハを用いた。
シリコンウエハ上にスピンコーターを用いてレジスト液(富士フィルムアーチ社製、FHi−3950)を1μmの厚さとなるように塗布し、これにCF4とO2の混合ガスからなるエッチングガスを用いてエッチング処理を施した。
得られた処理サンプルのレジストには、厚さ約100nmのフッ素を含有するレジスト変性層が形成されていた。
次に、オゾン水処理工程を経た処理サンプルを混合溶剤処理槽に搬入し、γ−ブチロラクトン(和光純薬製、和光特級)100重量部に対して、水を25重量部配合して調製した混合溶剤中に30秒間サンプルの一部だけ浸漬して混合溶剤処理工程を行った。
そして、混合溶剤処理工程を行った処理サンプルを第二オゾン水処理槽に搬入し、オゾン溶解装置で生成したオゾン濃度40ppmのオゾン水中に180秒間浸漬して第二オゾン水処理工程を行った。
γ−ブチロラクトン(和光純薬製、和光特級)100重量部に対して、水を40重量部配合して混合溶剤を調製し、この混合溶剤を用いて混合溶剤処理工程を行った以外は、実施例5と同様にして処理サンプルの表面のレジスト除去を行った。
図5に混合溶剤処理工程を経た処理サンプル(第二オゾン水処理工程を行う前の処理サンプル)の混合溶剤に浸漬した部分と浸漬しなかった部分との界面部分を撮影した顕微鏡写真を示す。図5に示したように、混合溶剤処理工程を経た処理サンプルの界面付近のレジストは、僅かに残存したものがあったが、ほぼ均一に除去されていた。その後、第二オゾン水処理工程を行うことにより、処理サンプルに残存したレジストは完全に除去された。
γ−ブチロラクトン(和光純薬製、和光特級)100重量部に対して、水を65重量部配合して混合溶剤を調製し、この混合溶剤を用いて混合溶剤処理工程を行った以外は、実施例5と同様にして処理サンプルの表面のレジスト除去を行った。
図6に混合溶剤処理工程を経た処理サンプル(第二オゾン水処理工程を行う前の処理サンプル)の混合溶剤に浸漬した部分と浸漬しなかった部分との界面部分を撮影した顕微鏡写真を示す。図6に示したように、混合溶剤処理工程を経た処理サンプルの界面部分のレジストは、実施例5、6に比べて残存した量がやや多かったが、ほぼ均一に除去されていた。その後、第二オゾン水処理工程を行うことにより、処理サンプルに残存したレジストは完全に除去された。
混合溶剤処理工程で使用する混合溶剤の代わりにメタノールを使用した以外は、実施例5と同様にして処理サンプルのレジストの除去を行った。
混合溶剤処理工程を行った後の処理サンプルの表面を顕微鏡観察したところ、レジストは完全に除去されていなかった。
処理サンプルとして4インチシリコンウエハを用いた。
シリコンウエハ上にスピンコーターを用いてレジスト液(富士フィルムアーチ社製、FHi−3950)を1μm程度の厚さとなるように塗布し、これにイオン種と印加電圧を変えて下記3種類のイオン注入を行い処理サンプルA〜Cを作製した。なお、イオン注入量は、いずれも1×10−14とした。
処理サンプルA:イオン種・・・リン、印加電圧・・・ 50keV
処理サンプルB:イオン種・・・リン、印加電圧・・・100keV
処理サンプルC:イオン種・・・ヒ素、印加電圧・・・ 50keV
得られた各処理サンプルのレジスト厚はほとんど変化なく、見た目にも大きな変化は見られなかった。
2 オゾン溶解装置
3 オゾン水処理槽
4 第ニオゾン水処理槽
5 オゾン水循環路
6 混合溶剤タンク
7 混合溶剤処理槽
8 混合溶剤循環路
Claims (2)
- 基板表面のレジストを除去するレジスト除去方法であって、少なくとも、前記基板の処理される面をオゾン水で処理するオゾン水処理工程と、前記基板の前記オゾン水処理工程を経た面をγ−ブチロラクトン100重量部と、水5〜100重量部との混合溶剤を用いて処理する混合溶剤処理工程とを有することを特徴とするレジスト除去方法。
- 前記混合溶剤処理工程の後に、前記基板の前記混合溶剤処理工程を経た面を更にオゾン水で処理する第二オゾン水処理工程を有することを特徴とする請求項1記載のレジスト除去方法。
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