JP4823991B2 - 薄鋼板の水素脆化評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄鋼板の水素脆化を評価する方法に関する。
近年、環境問題への対応のため炭酸ガス排出低減や燃費低減を目的に自動車の軽量化が進められ、一方、衝突安全性向上に対する要求は高くなっている。自動車の軽量化や衝突安全性向上のためには鋼材の高強度化が有効な手段であり、近年ではバンパーやドアインパクトビームなどの補強材、シートレールなどの用途に引張強度を1180MPa以上に高めた超高強度鋼板が適用されつつある。
しかし、一般に鋼材を高強度化すると、切欠き感受性が高まり環境の悪影響を受けやすくなる。特に腐食環境下では表面に腐食ピットが形成されるとこれが応力集中源となり、さらに腐食反応の進行に伴って発生する水素により水素脆化による割れ、いわゆる遅れ破壊が発生する。
遅れ破壊は、薄鋼板よりも前から高強度化が進められているボルトやPC鋼棒などの条鋼部材や、多量の水素が侵入するサワー環境などで使用される油井管やラインパイプなどでは検討されている。そのため、従来から、条鋼、鋼管及び厚鋼板を供試材とする、様々の水素脆化特性評価方法が提案されている(例えば、非特許文献1)。
また、薄鋼板についても、例えば、薄鋼板をU字状に曲げて、水素を電解によって侵入させながら、破断するまでの時間を測定する水素脆化の評価方法が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
この方法は、プレス成形を模擬した曲げ加工を施し、更に曲げによる応力を負荷するため、実部品の水素脆化の評価に適している。しかし、この方法では、鋼材間の相対的な水素脆化特性の優劣の評価は可能であるものの、鋼材の固有の水素脆化特性の評価、例えば、限界拡散性水素量の測定はできなかった。
これに対して、鋼材への応力の負荷と電解による水素侵入(水素チャージという)を同時に行う方法も提案されている(例えば、特許文献3、4)。これらは、加工の影響を受ける前の鋼材の水素脆化を評価する方法であるが、試験結果のばらつきが大きく、薄鋼板の水素脆化特性を精度よく評価することは困難であった。
特開平7−146225号公報 特開2005−134152号公報 特開2001−264240号公報 特開2006−29977号公報 松山晋作,「遅れ破壊」初版、日本工業新聞社、1989年8月31日発行、p.159〜201 R.E.PETERSON,「STRESS CONCENTRATION DESINE FACTORS」,1966年8月 ,JOHN WILEY & SONS,INC, p.1〜28
本発明は、水素チャージを行った後、水素の放散を防止するためにCdめっき又は亜鉛めっきを行い、その後引張応力を負荷し、鋼材の水素脆化を評価する方法を薄鋼板に適用する際の、測定データの精度の向上を課題とするものである。特に、本発明は、水素チャージ後、めっきを施した試験片に応力を負荷する水素脆化の評価方法において、板厚が薄い薄鋼板、特に引張強度が980MPa以上、更には1180MPa以上である高強度薄鋼板の場合、試料をハンドリングする際の水素の放散により、水素量を過少評価してしまうという問題を解決するものである。
本発明者らは、薄鋼板に水素チャージを行った後、種々の条件でカドミウムめっき又は亜鉛めっきを行い、その後引張応力を負荷し、破断後の試験片を回収して水素分析用の試料を採取し、水素分析を行った。その結果、めっき層の厚み(めっき厚ともいう。)及び水素分析用試料の重量を適切に制御して、水素の放散を抑制すれば、測定精度が著しく向上することを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 薄鋼板からなる試験片であって、該試験片の平行部の両側面に切り欠きを設け、前記平行部の一側面に設けた切り欠きの中心と、他側面に設けた切り欠きの中心との長手方向の差を20μm以内とし、前記切り欠き部の応力集中係数αを3.0〜4.0とした試験片に水素チャージを行った後、該試験片の全面に5〜10μmの厚みのカドミウムめっき層又は亜鉛めっき層を設け、定荷重発生手段によって前記試験片に引張応力を負荷して破断するまでの時間を測定し、破断後の試験片から5g以上の水素量分析用試料を採取して水素量を測定することを特徴とする薄鋼板水素脆化評価方法。
) 試験片の平行部の幅Dと、切り欠きの先端半径r及び底部の幅dとが、
0.5≦d/D≦0.7
0.025≦r/D≦0.05
を満足することを特徴とする上記()に記載の薄鋼板水素脆化評価方法。
本発明によれば、薄鋼板の水素脆化特性を精度良く評価することが可能になる。これにより、特に引張強度が980MPa以上、更には1180MPa以上の高強度薄鋼板を、水素脆化が問題とされるような用途、例えば、自動車の骨格用部材に適用することが可能になり、また、信頼性の高い鋼材の開発が促進されるなど、産業上の貢献が極めて顕著である。
鋼材の水素脆化は、鋼中に水素を含有させた状態で引張応力を負荷し、破断させることによって評価することができる。例えば、鋼材に水素チャージを行った後、水素の放散を防止するためにカドミウムめっき又は亜鉛めっきを行い、その後引張応力を負荷し、鋼材の水素脆化を評価する方法により、従来からボルトやPC棒鋼などの条鋼部材の水素脆化特性が評価されている。
この方法は、試験片を陰極として水素チャージする、いわゆる陰極水素チャージを行って鋼中に水素を吸蔵させ、試験片の表面にめっき層を設けて、大気中で所定の荷重を試験片に負荷し、破断させるものである。水素脆化特性は、破断までの時間や、破断しない最大の水素量によって評価する。
鋼中に吸蔵される水素量は、陰極水素チャージの条件、例えば電流密度によって変化させる。また、試験片の表面に設けためっき層によって、引張応力を負荷する試験中の水素の大気中への放散を防止する。破断後の試験片から、めっき層を剥離して試料を採取し、水素量を測定する。このような試験を、負荷応力を変化させて繰り返し、試験片が破断しない応力と水素量を評価し、水素脆化割れが発生しない最大の拡散性水素量を評価することができる。
図1に拡散性水素量と水素脆化割れに至るまでの破断時間の関係について解析した一例を示す。試料中に含まれる拡散性水素量が少なくなるほど水素脆化割れに至るまでの時間が長くなり、拡散性水素量がある値以下では水素脆化割れが発生しなくなる。この水素量を「限界拡散性水素量」と定義する。
この限界拡散性水素量は、鋼材の成分、熱処理などの製造条件によって決まる鋼材固有の値であり、限界拡散性水素量が高いほど鋼材の耐水素脆化特性は良好である。なお、試料中の拡散性水素量はガスクロマトグラフによる昇温水素分析法で測定することができる。本発明では、鋼材を100℃/hの昇温速度で加熱した際に、室温から300℃までに鋼材から放出される水素量を「拡散性水素量」と定義している。
本発明者らは、ボルトやPC棒鋼などの条鋼部材の水素脆化を評価する方法を、最低限の改良を加えて薄鋼板に適用し、薄鋼板の水素脆化の評価を試みた。しかし、薄鋼板を試験片として用いると、水素量を過少評価したり、試験結果のばらつきが顕著になるという問題が生じた。これは、試料の板厚が薄いために、試料をハンドリングする際の水素の大気中への放散が顕著になるためであると考えられる。
そこで、本発明者は、水素の放散を抑制する方法を検討した。まず、水素チャージ後、試験片が大気に曝される時間が長いと水素が大気中に放散することから、試験片を液体窒素中に保管し、大気中に放置される時間を管理した。具体的には、試験片の表面にめっきを施す際のめっき処理や、破断した試験片のめっき層の剥離に要する時間の管理などを行った。しかし、結局、試験片のハンドリングの管理だけでは測定精度を向上させることができなかった。
次に、本発明者らは、試験片に応力を負荷してから破断するまでの時間に注目した。特に、限界拡散性水素量に近い水素量を含有する試験片の場合、破断の有無を正確に判断するためには、例えば、100時間程度の長時間の試験が必要不可欠となる。したがって、正確なデータが必要とされる、限界拡散性水素量に近い条件に近づくほど、水素が放散する危険性が高まることになる。
そこで、本発明者らは、試験片の表面に設けるめっき層の種類や厚みを変化させて、薄鋼板からの水素の放散を検討した。その結果、めっき層の種類は、従来の条鋼部材の水素脆化にも使用されているCdめっき又は亜鉛めっきが最適であり、水素の放散を防止するには、試験片の表面に設けるめっき層の厚みが重要であるという知見を得た。
更に、本発明者らは、以下のようにして、最適なめっき厚みの検討を行った。まず、表1に示す組成(残部はFe及び不可避的不純物)を有する鋼を、表2に示す条件で熱間圧延し、冷間圧延した後、焼鈍した。得られた鋼板からJIS Z 2201の5号試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行った。結果を製造条件と併せて表2に示す。
Figure 0004823991
Figure 0004823991
次に、鋼Aを薄鋼板試験片とし、陰極水素チャージを行って所定の水素量を吸蔵させ、ガスクロマトグラフによって水素量を測定した。また、同条件で陰極水素チャージを行った後、種々の条件でカドミウムめっき及び亜鉛めっきを行い、種々の厚みのめっき層を設けた。
水素チャージは図2に模式的に示した装置を用いて行った。即ち、試験片1を電解槽2に満たした電解溶液中に浸漬し、電流発生手段4と電極3により、試験片を陰極として水素チャージを行った。その際、電解溶液の組成、電流密度、チャージ時間により、試験片に吸蔵させる水素量を制御した。なお、図2に示した電極3は、白金線を複数の円状としたものであるが、スパイラル状、板状、棒状であっても良い。
また、カドミウムめっき及び亜鉛めっきは、図2に模式的に示した水素チャージ装置と同様の電解装置を用いて電気的に行い、めっき層の厚みは、電流密度及び時間によって制御した。なお、カドミウムめっきは、電極3を棒状のカドミウムとし、電解槽2をCd(BF)、NH(BF、HBOからなるめっき浴で満たして行った。一方、亜鉛めっきには、板状の亜鉛を電極として試験片の周囲に配置し、ZnCl、NHClからなるめっき浴を用いた。
その後、48時間、常温で放置してからめっき層を除去し、ガスクロマトグラフによって水素量を測定した。なお、めっき層は、図2に模式的に示した水素チャージ装置と同様の電解装置を用いて、試料を陽極にして電気的に除去した。結果を図3に示す。図3は、めっき層の厚みと初期水素量に対する48時間後の水素量の比率との関係を示した図である。
図3より、カドミウムめっき、亜鉛めっきの何れの場合でも、めっき層の厚みは5〜10μmが最適であることがわかる。これに対して、カドミウムめっき又は亜鉛めっきのめっき厚みが、5μm未満であると初期水素量に対する48時間後の水素量の比率が大きく低下している。これは、カドミウムめっき又は亜鉛めっきの厚みが薄いため、薄鋼板中の水素が大気中に放散したためであると考えられる。一方、カドミウムめっき又は亜鉛めっきのめっき厚みが10μmを超えても、初期水素量に対する48時間後の水素量の比率が低下している。これは、めっき層が厚すぎると、破断後の試験片からのめっきの除去に長時間を要し、水素が放散するためであると考えられる。
次に、ガスクロマトグラフで水素量を測定する際の試料の重量について検討を行った。なお、水素量分析用試料の重量の最適化も、本発明者らの検討によって判明した薄鋼板に特有の問題である。即ち、試験片の板厚が薄い場合、分析用試料が少量であると、切断端面など水素が抜けやすい部分の比率が相対的に高くなる。そのため、ガスクロマトグラフで測定された水素量は、過少評価されることになる。
本発明者らは、めっき厚みの検討に用いた鋼Aを使用して、最適な水素分析用試料の重量について検討を行った。鋼Aの薄鋼板から試験片を採取し、電解水素チャージを行って所定の水素量を吸蔵させた。その後、同じ試験片から種々の重量の水素分析用試料を採取し、昇温速度を100℃/hとし、ガスクロマトグラフによる昇温水素分析法で、室温から300℃までに放出される水素量を測定した。水素分析用試料の重量と水素量の関係を図4に示す。
図4より、水素分析用試料の重量が5g以上であれば水素量はほぼ一定の値が得られていることがわかる。一方、水素分析用試料の重量が5g未満であると水素量は低い値となり、ばらつきも大きくなる。したがって、測定精度を向上させるには、破断後の試験片から水素量を測定するために採取する分析用試料の重量を5g以上とすることが極めて重要である。水素量分析用試料の重量は、測定精度の面からは多いほど好ましいため、上限は特に規定しない。
更に、本発明者らは、試験片の形状について検討を行った。その結果、薄鋼板の平行部に切り欠きを設けることが好ましいことがわかった。そこで、試験片に設ける切り欠きの形状を適正なものとすることによって、測定データの精度を向上させる方法を検討した。供試材は、めっき層の厚みの検討に用いた鋼Aの薄鋼板を用い、図5に模式的に示した、平行部の両側面に切り欠き部を有する試験片を作製した。
これらの試験片に水素チャージした後、5〜10μmの厚みのカドミウムめっき層を設けた。図6に模式的に例示した定荷重試験装置の定荷重発生手段7に連動する治具6に、めっき層5を設けた試験片1を取り付け、切り欠き底部の平均応力が引張強度の0.9倍になるようにして引張応力を負荷した。破断後の試験片からめっき層を除去し、5g以上の分析用試料を採取して、ガスクロマトグラフによる昇温水素分析法で水素量を測定した。
本発明者らは、測定精度と試験片の形状の関係について検討した。まず、試験片の両側面に設ける切り欠きの中心の長手方向の位置の差について調査を行った。その結果、切り欠きの中心の長手方向の位置の差が20μmを超えると、破断時間及び破断時の鋼中の水素量ともにばらつきが大きくなる傾向が見られた。これは、切り欠きの中心の長手方向の位置の差によって、切り欠き先端部の応力分布や切り欠き先端部への水素の集積状態が変化するためであると考えられる。
そこで、試験片の両側面に設ける切り欠きの中心の長手方向の位置の差が20μm以下になるようにして試験片を作製し、切り欠き形状と測定精度について、更に検討を重ねた。その結果、測定精度には試験片の切り欠き部の応力集中係数αとの相関があることを見出した。応力集中係数αは切り欠き部の引張軸方向の平均応力(σnom)に対する切り欠き底部の引張軸方向の最大応力(σmax)の比(σmax/σnom)と定義される。即ち、α=σmax/σnomである。切り欠き部の応力集中係数αは、試験片及び切り欠き部の形状から、有限要素法などの数値計算によって求めるか、便覧、例えば、非特許文献2のデータを用いて求めれば良い。
図7に、応力集中係数αと破断時間の関係を示す。水素チャージ直後の鋼中水素量は同等であり、めっき厚も適正な範囲内であり、負荷応力も一定であるから、試験片の形状が適正であれば破断時間は同一になるはずである。図7より、応力集中係数αが3.0〜4.0であれば破断時間の測定値のばらつきが非常に小さいことがわかる。この程度のばらつきであれば、鋼種間の比較や負荷応力の影響の評価が可能になる。
これに対して、応力集中係数αが3.0未満の場合は、応力集中係数αが小さいため切り欠き先端部への応力集中が緩くなり、応力集中部への水素の集積効果が再現できていない可能性がある。そのため、破断時間が長時間化し、掴み部など、切り欠き部以外での破断頻度が高くなる傾向も見られ、試験結果のばらつきが大きくなる。
一方、応力集中係数αが4.0を超えると、切り欠き先端部に水素が過度に集積し、水素チャージによって導入された水素量が少ない場合でも破断することがあり、ばらつきが大きくなると考えられる。
また、図5に例示した薄鋼板水素脆化評価用試験片の、平行部の幅Dと、切り欠き先端半径Rと、切り欠き底部の幅dは、
0.5≦d/D≦0.7
0.025≦r/D≦0.05
を満足することが好ましい。これにより、切り欠き部の応力集中率αを概ね3.0〜4.0とすることができる。
なお、応力集中係数αを3.0〜4.0とすれば、試験精度は向上するが、応力集中係数の増加とともに、破断時間が短くなり、限界拡散性水素量は減少する傾向がある。したがって、切り欠きの形状を略同一とし、応力集中係数αを略同一の値とすることが好ましい。これにより、鋼種による水素脆化特性の相違を正確に評価することが可能になる。
切り欠き部の位置、切り欠きの形状を精度良く制御するためには、試験片を加工する際の、試験片を固定する位置の管理が重要である。したがって、切り欠きを設ける加工、例えば切削加工を行う際に、専用の治具を用いることが好ましい。
表1に示す組成を有する鋼を表2に示す条件で熱間圧延し、冷間圧延した後、焼鈍した。得られた鋼板の引張試験をJIS Z 2201の5号試験片を用いて、JIS Z 2241に準拠して行った。降伏強度及び引張強度を表2に示す。この鋼板から、表3に示した形状の切り欠きを有する試験片を作製した。
Figure 0004823991
これらの試験片をチオシアン酸アンモニウム溶液中に浸漬し、電流密度を0.1mA/cm2とし、チャージ時間を18時間として水素チャージを行った。その後、カドミウムめっきにはCd(BF4)2、NH4(BF42、H3BO3からなるめっき浴を用いて、亜鉛めっきにはZnCl2、光沢剤、NH4Clからなるめっき浴を用いて、それぞれ、電流密度及び時間を調整して、表4に示す厚みになるようにカドミウムめっき又は亜鉛めっきを行った。
めっき後、24時間放置して試験片中の水素濃度を均一化させた後、定荷重試験装置に取り付け、切り欠き底部の平均応力が引張強度の0.9倍になるようにして引張応力を負荷し、破断までの時間を測定した。更に、破断後の薄板試験片から表4に示す重量の分析用サンプルを採取して、めっきを電気的に除去した後、鋼中の水素量を測定した。試験片の鋼中水素量はガスクロマトグラフで測定した。
表4の各条件で5回の試験を行い、試験結果のばらつきを調べた。表4に示したように、本発明の評価方法では比較法に比べてばらつきが少なく、鋼材の水素脆化特性を正確に判断できることがわかる。
また、No.9及びNo.10は、切り欠き形状が好ましい範囲外である試験片を用いた本発明例である。No.9及びNo.10と、No.1とを比較すれば、好ましい条件を満たす形状の試験片を用いることによって、測定データのばらつきが更に小さくなくなることがわかる。
Figure 0004823991
限界拡散性水素量を示す図である。 電解装置の一態様の模式図である。 水素の放散に及ぼすめっき厚みの影響を示す図である。 分析量試料の重量と水素量との関係を示す図である。 本発明の試験片の一態様の模式図である。 本発明の定荷重試験装置の一態様の模式図である。 応力集中係数αと破断時間の関係を示す図である。
符号の説明
1 試験片
2 電解槽
3 電極
4 電流発生手段
5 めっき層
6 治具
7 定荷重発生手段
D 試験片の平行部の幅
r 切り欠きの先端半径
d 底部の幅

Claims (2)

  1. 薄鋼板からなる試験片であって、該試験片の平行部の両側面に切り欠きを設け、前記平行部の一側面に設けた切り欠きの中心と、他側面に設けた切り欠きの中心との長手方向の差を20μm以内とし、前記切り欠き部の応力集中係数αを3.0〜4.0とした試験片に水素チャージを行った後、該試験片の全面に5〜10μmの厚みのカドミウムめっき層又は亜鉛めっき層を設け、定荷重発生手段によって前記試験片に引張応力を負荷して破断するまでの時間を測定し、破断後の試験片から5g以上の水素量分析用試料を採取して水素量を測定することを特徴とする薄鋼板水素脆化評価方法。
  2. 試験片の平行部の幅Dと、切り欠きの先端半径r及び底部の幅dとが、
    0.5≦d/D≦0.7
    0.025≦r/D≦0.05
    を満足することを特徴とする請求項に記載の薄鋼板水素脆化評価方法。
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