JP6225087B2 - 材料評価のための前処理方法 - Google Patents

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本発明は、材料評価のための前処理方法に関する。
金属材料は、応力を負荷した状態で水素を吸収すると水素脆化と呼ばれる現象を生じることが知られている(非特許文献1参照)。水素脆化とは、原子状水素が金属中に吸蔵されて材料が脆くなる現象である。亀裂等の現象が現れるまでに時間がかかるため、遅れ破壊とも呼ばれる。
水素脆化は、同じ量の水素が侵入しても金属種によって感受性が異なる。また、金属材料の硬さや金属組織の違いによっても水素脆化に対する感受性が変わると考えられている。
水素脆化のメカニズムについてはいくつかの説明が提示されている。一説によれば、水素と転位との相互作用により原子空孔が生成され、材料が脆くなると言われている(非特許文献2参照)。また、原子空孔は、水素のトラップサイトとなることが知られており、材料中に水素を強制的に吸収させ、そのときの水素量を調べることで原子空孔などの格子欠陥量を間接的に知ることができる。この手法を用いて、水素をトレーサーとして格子欠陥量の増加を調べ、水素脆化の進行を実験的に調べた報告がある(非特許文献2参照)。
また、各材料には固有の限界水素濃度と呼ばれる閾値がある。水素脆化は、限界水素濃度を超える水素量が材料中に吸収された状態になることで進行することが知られている(非特許文献3参照)。また、応力集中部等、水素濃度が局所的に高まる領域において特に水素脆化が進行すると言われている(非特許文献4参照)。
南雲 道彦、「鋼の力学的挙動に及ぼす水素の影響」、鉄と鋼、2004年、Vol. 90、 No. 10、p. 766-775 土信田 知樹ほか、「弾性応力下における焼戻しマルテンサイト鋼中の水素誘起格子欠陥の形成と水素脆化」、鉄と鋼、2012年、Vol. 98、No. 5、p. 197-206 山▲崎▼ 真吾、高橋 稔彦、「高強度鋼の耐遅れ破壊特性の定量的評価方法」、鉄と鋼、1997年、Vol. 83、No. 7、p. 454-459 高井 健一、「金属材料中の水素存在状態」、日本機械学会論文集(A編)、2004年、70巻、696号、p. 1027-1035 大村 朋彦ほか、「高力ボルトの大気曝露における水素吸蔵挙動と耐遅れ破壊性評価」、鉄と鋼、2005年、Vol. 91、No. 5、p. 478-484 ▲高▼木 周作ほか、「高強度鋼における水素割れ感受性の評価パラメータ」、鉄と鋼、2000年、Vol. 86、No. 10、p. 689-696 Maoqiu Wang, Eiji Akiyama, Kaneaki Tsuzaki、"Determination of the critical hydrogen concentration for delayed fracture of high strength steel by constant load test and numerical calculation"、Corrosion Science Volume 48, Issue 8、2006年8月、p. 2189-2202 社団法人日本鋼構造協会編、「JSSCテクニカルレポートNO.91 高力ボルトの遅れ破壊特性評価ガイドブック」、社団法人日本鋼構造協会、2010年7月、p. 78-79
ところで、実際の使用環境下での材料の水素濃度分布は表面において高くなる。そのため、水素脆化の進行も材料の表面の方が内部よりも高いと考えられる。しかし、従来の材料評価手法では、材料の各部分における水素脆化の進行度合いの違いを考慮せずに、材料全体に対して材料評価を行っていた。このため、材料内部の水素脆化の進行状態を正確に評価することができなかった。
また、水素脆化の進行が速いと考えられる表面部分を除去して材料を評価することを考えた場合も、除去する厚みを材料や試料に応じて適切に決定することが困難であった。
また、実際の使用環境下で材料に負荷される応力や温度も、金属組織中の原子空孔等の存在状況に影響する。そのため、応力や温度によって、材料の大部分の面積を占める内部の耐水素脆化特性に変化が生じる可能性がある。しかし、耐水素脆化特性の変化は、水素脆化の進行速度よりも遅く、従来の材料評価手法では、材料内部の耐水素脆化感受性の変化を調べることができなかった。
開示の実施形態は、上記に鑑みてなされたものであって、材料内部の水素脆化の進行状況や耐水素脆化感受性の変化を評価することができる、材料評価のための前処理方法を提供することを目的とする。
開示する材料評価のための前処理方法は、金属である評価対象材料の限界水素量を決定する第1の決定工程と、評価対象材料の応力集中係数を算出する第1の算出工程と、応力集中係数に基づき評価対象材料の水素濃度分布を算出する第2の算出工程と、第2の算出工程で算出した水素濃度分布に基づき、第1の決定工程で決定した限界水素量を超える水素濃度の領域を、研磨対象とする水素脆化進行領域と決定する第2の決定工程と、第2の決定工程で決定した水素脆化進行領域に対応する領域を材料表面から除去する層の厚みとして決定する第3の決定工程と、第3の決定工程で決定した厚みの層を評価対象材料の表面から除去する工程と、を含む。
開示する材料評価のための前処理方法は、材料内部の水素脆化の進行状況や耐水素脆化感受性の変化を評価することができる、という効果を奏する。
図1は、第1の実施形態に係る前処理方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図2は、第1の実施形態に係る前処理方法において、限界水素量を算出するための処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図3Aは、第1の実施形態に係る前処理方法において、応力集中係数を算出するための処理で用いる試験片の一例の寸法を示す図である。 図3Bは、第1の実施形態に係る前処理方法において、応力集中係数を算出するための処理で用いる試験片の一例の細部を示す図である。 図3Cは、第1の実施形態に係る前処理方法において、応力集中係数を算出するための処理で用いる試験片の他の例の細部を示す図である。 図4は、図3A乃至図3Cに示す試験片を用いて求めた、静水圧応力とノッチ底からの距離との関係を示すグラフである。 図5は、図4に示す応力分布に基づき算出された水素濃度分布を示すグラフである。 図6は、第1の実施形態に係る前処理方法において、限界水素量に基づき水素脆化進行領域を決定するための処理を説明するためのグラフである。
以下に、開示する材料評価のための前処理方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る前処理方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図1を参照し、第1の実施形態に係る前処理方法の処理の流れの一例を説明する。
(第1の実施形態に係る前処理方法の流れの一例)
図1に示すように、まず評価対象とする材料の限界水素量を決定する(ステップS101)。ここでは、限界水素量とは、所定量の水素を材料にチャージして定荷重を負荷した場合に、材料に破断が生じなかった水素量の最大値とする。
次に、評価対象とする材料の応力集中係数を算出する(ステップS102)。次に、評価対象とする材料の水素濃度分布を算出する(ステップS103)。そして、ステップS101で決定した限界水素量を超える水素濃度となる部分を、ステップS103で算出した水素濃度分布に基づいて求め、水素脆化進行領域とする(ステップS104)。そして、水素脆化進行領域に該当する厚みを研磨対象として決定する(ステップS105)。次に、決定した厚みを、評価対象とする材料の表面から研磨して除去する(ステップS106)。これによって、第1の実施形態に係る前処理方法の処理は終了する。
第1の実施形態に係る前処理方法においては、特に水素脆化が進んだと考えられる表面領域を水素脆化進行領域として特定し、当該水素脆化進行領域に該当する厚みを材料の表面から除去する。このため、特に水素脆化の進行が速い領域を除外して、材料内部の水素脆化の状態や、耐水素脆化感受性の変化を調べることができる。
また、第1の実施形態に係る前処理方法においては、個々の材料固有の限界水素量や、応力集中係数を考慮して算出した水素濃度分布に基づいて水素脆化進行領域を決定している。このため、材料や試料に応じて、水素脆化が特に進行していると考えられる領域を正確に決定して除去することができ、材料内部の水素脆化の状態や、耐水素脆化感受性の変化を正確に評価することができる。
次に、図1に示した各ステップにおける処理の例をさらに詳細に説明する。
(評価対象とする材料の準備)
まず、評価対象とする材料を準備する。たとえば、経年劣化した材料であって、内部で耐水素脆化感受性に変化が生じていると予測される材料を準備する。たとえば、実際に建造物に使用した鋼材を評価対象として準備する。または所定の条件下で負荷を与えた後の材料を準備する。たとえば、所定量の水素をチャージしつつ定荷重試験を行った材料であってまだ破断が生じていない材料等を準備する。材料の種類は特に限定されず、水素脆化が生じる金属材料等であればよい。
(限界水素量の決定)
第1の実施形態における限界水素量は、たとえば図2に示す手順で決定する。図2は、第1の実施形態に係る前処理方法において、限界水素量を算出するための処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図2に示すように、複数の水素量レベルN(N=1〜n)を設定する(ステップS201)。まず、水素量レベルN=1とする(ステップS202)。そして、準備した評価対象とする材料に所定の応力を負荷して水素量レベルNとなるよう水素チャージを行う(ステップS203)。次に、所定の条件下で、定荷重試験をおこなって材料に生じた破断の有無を確認する(ステップS204)。次に設定した水素量レベルNがnか否かを判定し(ステップS205)、N=nでない場合(ステップS205、否定)、N=N+1(ステップS206)と設定し直して、ステップS203からの処理を繰り返す。N=nである場合(ステップS205、肯定)、すなわち、設定したすべての水素量レベルでの破断の有無の確認が終了した場合、破断が生じなかった水素量の最大値を限界水素量として設定する(ステップS207)。これで限界水素量の決定処理が終了する。
ここで、限界水素量とは、非特許文献3に記載の、遅れ破壊試験で破断しない水素量の上限値である限界拡散性水素量(critical hydrogen content for delayed fracture, [Hc])であってよい。また、図2に示す各ステップは順次行うのではなく、複数の試料に対して時間や電流密度等の条件を変えて平行して水素チャージを行って実行してもよい。
また、限界水素量を求める際に使用する材料は、評価対象とする試料、たとえば鋼材とは別に、腐食を生じていない同様の材料とすればよい。
(応力集中係数の算出)
次に、図1のステップS102における応力集中係数は以下のように算出する。
上述のように、水素脆化は応力集中部等、水素濃度が局所的に高まる領域において特に進行が早まると言われている(非特許文献4参照)。そこで、第1の実施形態では、材料表面に生じた凹凸等を加味して水素濃度分布を計算するため、材料の形状に基づき、応力集中係数を算出する。
応力集中係数の算出手法は特に限定はされない。たとえば、材料表面が腐食して形状が不規則な場合等は、有限要素法(Finite Element Method; FEM)などの計算的方法を利用すればよい。また、たとえば以下に示す、非特許文献6に記載の式(1)に基づいて算出すればよい。
Figure 0006225087
上記式(1)は、略円柱形状の材料の外周上にノッチを形成して応力集中部とした試験片について、ノッチ底の応力集中係数を算出するための式である。式(1)中、θはノッチ開き角の2分の1、Bはノッチのない部分の試験片半径、dはノッチ深さ、Kt(0)は、ノッチ開き角が0°のときの応力集中係数である。
たとえば、非特許文献6、7は、図3Aに示す試験片を用いた応力集中係数の算出について記載している。図3Aは、第1の実施形態に係る前処理方法において、応力集中係数を算出するための処理で用いる試験片の一例の寸法を示す図である。図3Bは、第1の実施形態に係る前処理方法において、応力集中係数を算出するための処理で用いる試験片の一例の細部を示す図である。図3Cは、第1の実施形態に係る前処理方法において、応力集中係数を算出するための処理で用いる試験片の他の例の細部を示す図である。
非特許文献6、7の記載によれば、ノッチ底半径ρが0.1mmの試験片(図3B)については、応力集中係数は4.9、ノッチ底半径ρが0.8mmの試験片(図3C)については、応力集中係数は2.1である。なお、図3Aから図3C中、寸法の単位はミリメートル(mm)である。
(水素濃度分布の計算)
図1のステップ103における水素濃度分布の算出はたとえば次のように行う。まず、腐食の生じた評価対象材料を、恒温恒湿槽中に保持する。相対湿度は98%、温度は30℃とする。その後、表面の錆をブラストで除去する。そして、錆が除去された材料を昇温脱離分析することで水素量を求める。たとえば非特許文献8に記載の水素分析の手法を用いて、評価対象材料の水素量を算出すればよい。
このようにして求めた水素量が材料内部まで分布すると仮定して、ステップS102で求めた応力集中係数をパラメータとして、材料の表面近傍における水素濃度分布を計算する。
たとえば、非特許文献7には、図3A乃至図3Cに示す試験片を用いて求めたデータが記載されている。非特許文献7に記載のデータを図4および図5に示す。図4は、図3A乃至図3Cに示す試験片を用いて求めた、静水圧応力とノッチ底からの距離との関係を示すグラフである。静水圧応力は水素濃度を律するパラメータであると考えられる。
なお、図4中、B15とは633Kで1.5時間焼き戻した試験片を意味し、B13とは、733Kで1.5時間焼き戻した試験片を意味する。Ktは、各試験片のノッチ底の応力集中係数を意味する。
図5は、図4に示す応力分布に基づき算出された水素濃度分布を示すグラフである。図5は、図4のグラフに示す3つの試験片のうち、1点鎖線で示される試験片(B13−Kt4.9)に対応するデータを示す。また、図5中、4つの線は下からそれぞれ、0.9σBの応力を1分、10分、100分、1000分負荷したのちのノッチ底近傍の水素濃度分布を示す(非特許文献7参照)。
(水素脆化進行領域の算出)
上記のように、限界水素量および水素濃度分布を計算したのちに、図6に示すように、水素濃度分布のうち、限界水素量を超える範囲を水素脆化進行領域とする。図6は、第1の実施形態に係る前処理方法において、限界水素量に基づき水素脆化進行領域を決定するための処理を説明するためのグラフである。
(材料の研磨)
図5、6に示すように、ノッチ底からの水素濃度分布を算出して、さらに材料表面からの距離に基づき水素脆化進行領域を決定することで、水素脆化進行領域に対応する領域を、材料表面から除去する層の厚みとして決定できる。そして、評価対象材料の表面から決定した厚みの層を研磨により除去する。なお、評価内容や材料の実使用環境等、条件に応じて、決定した厚みよりも厚い層を研磨してもよい。
これによって、表面の水素脆化進行領域の影響を受けずに、評価対象材料の内部の水素脆化の状態や、耐水素脆化感受性等を調べることができる。
(評価手法)
上記のように第1の実施形態に係る前処理方法を実施して前処理を施した評価対象材料を評価する手法としては、たとえば、予め決めた水素量を吸収させた材料に応力を負荷して、破断するまでの時間を比較する等である。
(応力集中係数の算出と使用材料)
なお、第1の実施形態では、ノッチのある材料を前提として応力集中係数を算出している。このような計算を行うのは、実際の使用環境にあった試料は表面に傷や腐食などによる多数の凹凸があると予想されるからである。表面が滑らかな試料の場合、材料の拡散係数に基づいて表面から内部への水素濃度分布を比較的容易に算出することができる。これに対して、凹凸が多数存在する試料の場合、水素濃度分布がより深い方向で大きな値となると予想される。このため、表面が滑らかな状態に基づいて水素濃度分布を予測したのでは、実際の評価対象材料の実体を反映できず、除去する厚みが不十分になる可能性があると考えられる。そこで、第1の実施形態では、ノッチが形成された試験片に基づいて応力集中係数を算出した上で、当該応力集中係数をパラメータとした水素濃度分布を算出して、除去する厚みを決定している。
このようにノッチのある試験片に基づく応力集中係数をパラメータとして利用することで、実際の評価対象材料の実体に即した水素脆化進行領域の決定を実現できる。したがって、評価対象とする材料表面の凹凸の状態に応じて、応力集中係数を算出すればよく、図3A乃至図3Cに示す試験片は一例にすぎない。たとえば、実際に評価対象とする材料の一部を切り取って、表面の凹凸を調べて応力集中係数を算出すればよい。これによって、材料の状態に即した応力集中係数を算出した上で水素濃度分布を算出でき、当該材料の水素脆化進行領域を正確に求めることができる。
(第1の実施形態の効果)
上記のように、第1の実施形態に係る材料評価のための前処理方法は、評価対象材料の限界水素量を決定する第1の決定工程と、評価対象材料の応力集中係数を算出する第1の算出工程と、応力集中係数に基づき評価対象材料の水素濃度分布を算出する第2の算出工程と、第2の算出工程で算出した水素濃度分布に基づき、第1の決定工程で決定した限界水素量を超える水素濃度の領域を、研磨対象とする水素脆化進行領域と決定する第2の決定工程と、を含む。このため、評価対象材料のうち、特に水素脆化の進行が速い部分の厚みを決定して除去することが可能となり、評価対象材料の内部の水素脆化の状態や耐水素脆化感受性等の特性を正確に評価することができる。
また、上記第1の実施形態に係る前処理方法は、第2の決定工程において水素脆化進行領域として決定した領域内を含む部分を評価対象材料から除去する除去工程を、さらに含む。これによって、後続する材料評価をスムーズに実行することができる。
また、上記第1の実施形態に係る前処理方法において、第1の決定工程は、評価対象材料と同等の材料であって腐食や凹凸がない材料に所定の応力を負荷しつつ吸収させる水素量を変化させ、破断が生じない水素量の最大値を限界水素量と決定する。これにより、限界水素量を適切に決定して、水素脆化進行領域を決定することができる。
また、上記第1の実施形態に係る前処理方法において、第1の算出工程は、所定の凹凸を有する評価対象材料を用いて応力集中係数を算出する。このため、実際の使用環境において腐食や傷が生じた評価対象材料について、かかる腐食や傷により生じる応力集中の状態を加味して水素濃度分布を決定することができ、水素脆化進行領域を適切に決定することができる。
また、上記第1の実施形態に係る前処理方法において、第2の算出工程は、所定の凹凸を有する前記評価対象材料を用いて水素濃度分布を算出する。このため、実際の使用環境において腐食や傷が生じた評価対象材料について、かかる腐食や傷により生じる応力集中の状態を加味して水素濃度分布を決定することができ、水素脆化進行領域を適切に決定することができる。

Claims (4)

  1. 金属である評価対象材料の限界水素量を決定する第1の決定工程と、
    前記評価対象材料の応力集中係数を算出する第1の算出工程と、
    前記応力集中係数に基づき前記評価対象材料の水素濃度分布を算出する第2の算出工程と、
    前記第2の算出工程で算出した前記水素濃度分布に基づき、前記第1の決定工程で決定した限界水素量を超える水素濃度の領域を、研磨対象とする水素脆化進行領域と決定する第2の決定工程と、
    前記第2の決定工程で決定した水素脆化進行領域に対応する領域を材料表面から除去する層の厚みとして決定する第3の決定工程と、
    前記第3の決定工程で決定した厚みの層を前記評価対象材料の表面から除去する工程と、
    を含むことを特徴とする材料評価のための前処理方法。
  2. 前記第1の決定工程は、前記評価対象材料と同等の材料であって腐食または凹凸がない材料に所定の応力を負荷しつつ吸収させる水素量を変化させ、破断が生じない水素量の最大値を前記限界水素量と決定することを特徴とする請求項に記載の前処理方法。
  3. 前記第1の算出工程は、所定の凹凸を有する前記評価対象材料を用いて前記応力集中係数を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の前処理方法。
  4. 前記第2の算出工程は、前記所定の凹凸を有する前記評価対象材料を用いて前記水素濃度分布を算出することを特徴とする請求項に記載の前処理方法。
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