JP4822264B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばカラー画像形成装置のように、感光体へ各色成分画像を作像した後、1つの画像担持体上で画像合成を行う画像形成装置(レーザプリンタ、デジタル複写機、ファクシミリ装置等)に関し、より詳細には、色成分画像間の色ずれを補正するための色ずれの検出手段を備えた画像形成装置に関する。
電子写真法により画像形成を行うプリンタ、デジタル複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置では、近年、レーザ等の光ビーム走査により感光体への画像書込みを行う方式が主流である。この方式は、感光体をライン画像信号によって点灯制御されるレーザ光で主走査方向に周期的にビーム走査するとともに、感光体の被走査面を普通、主走査に直交する副走査方向に移動させ、こうした露光走査方式で感光体上に2次元像を書込む。露光走査により感光体上に作成された静電潜像は、その後、トナーによる現像、記録用紙への直接或いは中間転写体を介しての転写及び定着を経て、画像形成プロセスを完了する。
このような光ビーム走査方式によりカラー画像を形成する場合、カラーの色成分ごとに感光体への光ビーム走査が行われ、合成処理を経てカラー画像となる。この過程は、従来から、単一の感光体を各色成分に共通に用い、カラー合成は書込み又は転写過程で行う方式と、色成分数の感光体を用い、カラー合成は転写過程で行う所謂、タンデム方式と呼ばれる方式が知られている。
タンデム方式では、特に、各色成分の感光体にそれぞれ露光走査を行い、転写過程でカラー合成を行うので、合成した各色成分画像間に色ずれが生じる可能性が高い。このために、各色成分画像間に生じる色ずれを検出し、色ずれに応じて動作条件を調整することにより、適正な画像出力を得るようにしている。
カラー画像形成装置において生じる色ずれの検出は、装置が仕様通りに誤差なく動作するときに各色のテストパターン(以下、「ずれ検出用パターン」という)が所定の位置関係で出力されるようにした設定で、実際に装置を動作させ、転写体等の画像担持体上に形成された各色のパターンの所定値からのずれ量を検出する方法が従来から提案されている。このような方法による従来例として、例えば、下記特許文献1を示すことができる。
下記特許文献1記載の装置は、所定配置の各色成分パターンとして、基準色に対して非基準色のパターンを複数の所定設定量でずらし、重ね合わせて形成し、これらのパターンの重なり具合を光学式センサで検出することにより、予め定められたあるべき状態からのずれを量的に検知する方式を採用している。また、特許文献1記載の装置では、上記ずれ検知の外、検出量に影響する振動、濃度ばらつき、ノイズ等を測定するために、基準色に対する設定ずれ量を一定とした多数のパターンを形成し、このパターンの測定結果によって、誤差を補正し、正しい検知結果を得るようにしている。
ここで、特許文献1に示したと同様の方式による従来のずれ検出について、図10〜16を参照して、説明する。
この従来方式に用いるずれ検出用パターンは、基準色とこの基準色に対してずれ検出の対象となる他の色(以下「検出対象色」という)を所定の位置関係で組合せたパターンを基本単位とし、さらに、この基本単位パターンを複数組合せて1セットのずれ検出用パターンを構成する。このとき、1セットのパターンを構成する複数組の基本単位パターン間では、互いに異なる量、基準色に対する他の検出対象色のパターンをずらすようにする。即ち、各組では、基準色と他の検出対象色の間でずれ量を異ならせる。なお、以下、このずれを「シフト」と記し、検出する「ずれ」と表現を別にする。
このずれ検出用パターンの具体例を示す図10及び図11において、基準色として選ばれた色(通常、Bk:ブラックを基準とする)のパターンは、図10に示すように、矩形状のラインパターンPBkとして、一定の間隔で形成される。また、基準色(Bk)に対して、検出対象であるY:イェロー,M:マゼンタ,C:シアン、各色のパターンPY,PM,PCはいずれも、図11のPA1,PA2,・・,PAnそれぞれに示すように、所定の位置関係で組合され、基本単位パターンを構成する。なお、基本単位パターンPA1,PA2,・・,PAnの間は、互いに基準色に対する検出対象色を異なる量シフトさせ(図12で詳述)、n個の基本単位パターンPA1,PA2,・・,PAn全体として、1セットのずれ検出用パターンを構成する。
上記のように1セットのずれ検出用パターンを実機で形成した後、パターンの重なり具合を光学式センサで読取り、得た結果をもとに色ずれを検出する。
上記のような構成の1セットのずれ検出用パターン(図11)を読取ることにより得られるパターンの重なり具合に基づいて、基準色と検出対象色の間に起きる色ずれを検出する処理プロセスについて、以下に説明する。ここでは、説明の便宜上、1セットのずれ検出用パターン(図11のPA1〜PAn)をPA1〜PA7の7つのパターンとし、かつ検出対象色を1色分とする。実際には、残る2色の他の検出対象色もPA1〜PA7中に同様に形成され、処理される。
図12は、上記の条件に従い、ずれ検出用パターンの重なり具合を読取る時の状態を説明する図である。この例では、副走査方向に起きる色ずれを検出するので、同図に示すように、基準色と検出対象色のパターンが組合わされたPA1〜PA7を転写体等の画像担持体上で副走査方向に形成する。
このとき、パターンPA1〜PA7は、副走査方向に一定の間隔で形成された基準色PBkに対して、検出対象色PMを所定量ずつシフトして形成する。即ち、PA4は基準色PBkと検出対象色PMが完全に重なるように形成する。また、PA4→PA1に向かっては、パターンごとに検出対象色PMを4ドットずつ副走査方向上部にシフトさせ、PA4→PA7に向かっては、パターンごとに検出対象色PMを4ドットずつ副走査方向下部にシフトさせて形成する。
上記のパターンPA1〜PA7を副走査方向に直交する方向に向けたスリット状の受光部を持つ光学センサにより読取る。
画像担持体が図12の矢印で示す副走査方向に移動すると、光学センサ11によりパターンPA1〜PA7が順番に検知される。この光学センサは、各パターンPA1〜PA7の基準色パターンPBkにマスクされていない検出対象色PM範囲の量を読取るものである。検出対象色PMが基準色パターンPBkに隠されているほど出力信号が低くなる。
従って,図12のパターンPA1〜PA7を光学センサで読取ると、センサの出力信号は、図13に示すように変化する。図13において、縦軸はセンサ出力、横軸は時間で、PA1→PA7の順番でパターンを読取っていく。センサ出力の変化は、検出対象色PMが基準色パターンPBkに隠されていないパターンPA1を読取ったt PA1時のセンサ出力が最大ピークになり、パターンPA4を読取った時のセンサ出力が最小ピークになり、再びパターンPA7を読取った時のセンサ出力が最大ピークになる。
次に、信号処理により図13のセンサ出力信号のピークをサンプリングし、各サンプリング点のシフト量に対応させ、図14の関係を得る。即ち、図14において、縦軸はセンサ出力、横軸は検出対象色PMのシフト量をドット数でとったものであり、PA1〜PA7の基準色PBkと検出対象色PMのずれ状態を表す。横軸のシフト量の+/−は、基準色PBkに対して検出対象色PMが先に形成されることを−で表し、基準色PBkに対して検出対象色PMが後に形成されることを+で表す。
図14のようにして表されたPA1〜PA7の基準色PBkと検出対象色PM間の重なり具合の読取情報に基づいて、次に色ずれ量を求める。
色ずれ量の求め方は、図14で表した4ドットずつ+/−方向にシフトしたパターンPA1〜PA7の読取値をもとに、+/−シフトに対応して線形近似させた2直線を算出し、この算出結果から求める方法を用いることができる。即ち、このとき、パターンの読取値をもとに算出した+/−の2直線の交点は、色ずれが含まれた読取値に基づく場合、偏りが生じるので、この偏りを色ずれ量として求める。
図15及び図16は、この色ずれ量の求め方を説明する図である。同図に示すように、PA1〜PA7の読取値をもとに線形近似によって求める2直線の1本は、PA1〜PA4から算出される近似直線m1であり、もう1本は、PA5〜PA7から算出される近似直線m2である。なお、PA4のピーク値をm1かm2どちらの近似直線を求めるときに使用するかはソフトで判断する。
次に、算出した近似曲線m1とm2の交点を求める。図15は、交点が横軸のドットが0(シフト0)の点上にあり、偏りがないので、色ずれ量は0という結果になる。また、図16は、交点が横軸のドットが0の点から偏っているので、色ずれがあり、色ずれ量は交点の横軸のドット数(dドット)として求められる。
特開2004−264556号公報
しかしながら、上記した従来のずれ検出方式では、1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7を連続で画像担持体に形成し、光学センサで読取り、色ずれ量を算出しているため、PA1〜PA7を画像担持体に形成している間は、ユーザが出力要求をしたジョブに対する画像形成処理を行うことができない。従って、この分、要求されたジョブの出力が遅れてしまい、迅速な処理を求めるユーザの期待を損なう結果となる。
本発明は、色成分ごとに作像した画像を1つの転写体等の画像担持体上でカラー画像に合成する画像形成装置に起きる色ずれを検出するために、実機でずれ検出用パターンを画像担持体に形成させて行う従来技術において生じる上記した問題に鑑みてなされたもので、その解決すべき課題は、色ずれの補正精度を従来と同等に維持するために必要な1セットのずれ検出用パターンの形成と、通常の画像出力処理の迅速化を両立させることにある。
請求項1の発明は、色成分毎に作像を行う作像部、作像された画像の転写体への転写部を有し、作像された各色成分画像を転写する転写体上で画像合成を行うことによって、カラー画像が形成可能な画像形成手段と、各色成分画像間のずれ検出用パターンとして、互いにずれ量を異ならせた1基準色と他の検出対象色よりなる複数のパターンの組合わせで1セットとなるパターンを前記画像形成手段に形成させるずれ検出用パターン形成手段と、前記画像形成手段によって形成された1セットのずれ検出用パターンの位置情報を読取るパターン読取手段と、前記パターン読取手段により読取られた前記1セットのずれ検出用パターンの位置情報に基づいて近似計算を行うことにより色成分画像間のずれを検出し、検出した各色成分画像間のずれに応じ、画像形成条件として予め設定されている制御量を補正する補正量を算出し、算出した補正量に従って色ずれのない画像を形成する制御を行う制御手段を有する画像形成装置であって、前記ずれ検出用パターン形成手段は、前記1セットのずれ検出用パターンとして組合わされた複数のパターンを、複数の紙間で1以上の整数のパターンに分割して、形成し、前記制御手段は、色成分画像間のずれを検出する度に、検出したずれ及びこのずれ検出に用いた前記1セットのずれ検出用パターンの位置情報を保存しておく記憶手段を備え、紙間で新たに形成されたずれ検出用パターンから読取られたパターンの位置情報、前記記憶手段に保存されたずれ及び新たに形成されたずれ検出用パターン以外の前記1セットのずれ検出用パターンとして組合わされた複数のパターンの位置情報に基づいて、各色成分画像間のずれを検出することによって、上記課題を解決するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像形成装置において、前記制御手段は、前記記憶手段に保存されたずれ検出用パターンの位置情報を用いて、紙間で色成分画像間のずれを検出するときに、該位置情報に対し古い情報ほど最も後に行ったずれ補正における目標値との差をより減じるように、それぞれの位置情報に重み付けをすることを特徴とし、このようにすることによって、上記課題を解決するものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像形成装置において、前記ずれ検出用パターン形成手段は、紙間で分割して形成する1セットのずれ検出用パターンの一部が、要求された1画像形成ジョブ内で行うことができず、未形成となった場合に、ジョブ終了後に未形成パターンを一括して形成し、前記制御手段は、前記ずれ検出用パターン形成手段によってジョブ終了後に形成された部分を含む前記1セットのずれ検出用パターンに依る色成分画像間のずれの検出を行い、以後の制御に用いることを特徴とし、このようにすることによって、上記課題を解決するものである。
本発明では、互いにずれ量を異ならせた基準色と検出対象色よりなる複数のパターンを組合わせた1セットのずれ検出用パターンを、紙間で分割して形成するようにしたので、ユーザが出力要求をしたジョブに対する画像形成処理を従来のように遅延させることなく、迅速化し、生産性の低下を極力小さくすることを可能にする。
また、紙間を利用して、1セットのずれ検出用パターンを分割して形成する方式では、ジョブによっては、1セットのずれ検出用パターンを1ジョブ内に形成できない場合が起きるが、この場合に対応するために、過去にずれ検出を行ったときの情報を保存しておき、新たに求めた情報で保存情報の一部を置き換えることにより、紙間で分割した基本単位パターンを読取る度に、ずれ検出を行うことを可能にしたので、最新の情報を用いたずれ検出により検出精度を保つことができる(請求項)。
さらに、ずれ検出に保存情報を用いる場合に、古い位置情報ほど最も後に行ったずれ補正における目標値との差をより減じるように、それぞれの位置情報に重み付けをすることにより、検出精度をより向上させることが可能になる(請求項)。
さらに、ジョブ終了後に1セットのずれ検出用パターンの一部が未形成であった場合に、このパターンを一括して形成し、ずれ検出を行うことにより、これ以後に用いる保存情報を最適化し、検出精度をより向上させることが可能になる(請求項)。
以下に、本発明の画像形成装置に係わる実施形態を説明する。
以下に示す実施形態は、本発明を、色成分ごとに設けた感光体上に主・副2次元走査方式でLD(Laser Diode)光書込みを行い、作像した各色画像を中間転写体上でカラー画像に合成する、所謂タンデム型・電子写真方式のカラー画像形成装置に適用した例を示す。ただ、この方式に限らず、単一の感光体を各色に用いる方式や中間転写体からの転写プロセスでカラー画像の合成を行う方式においても、本例と同様に実施可能である。
図1は、本発明の実施形態に係わるカラー画像形成装置の概略構成を示す。
図1において、感光体ドラム2〜5は、それぞれ図示しないLD光書込みや電子写真プロセスで作像を行う画像形成部の処理を受け、ドラム面上にカラー画像を構成する各色成分(通常、Y:イェロー,M:マゼンタ,C:シアン,Bk:ブラックの4色)のトナー画像がそれぞれ形成される。なお、感光体ドラム2〜5には、主・副2次元走査方式で書込みが行われるので、それぞれ図1中の矢示2m〜5mにて示す副走査方向にドラムが回転される。
各感光体ドラム2〜5上に形成されたトナー画像は、中間転写体としての転写ベルト6に転写される。この転写ベルト6は、駆動力を与える駆動ローラと従動回転する従動ローラに巻回されたエンドレスのベルトで、各感光体ドラム2〜5と同期して図1中、矢示6mにて示す方向に移動する。
本実施形態では、各感光体ドラム2〜5からの転写時に転写ベルト6上で各色成分画像が重ねられ、カラー合成される。
従って、先に行われる各感光体ドラム2〜5へのLD書込みタイミングを、一列に配置された感光体ドラムやLD書込み系の仕様をもとに各色の画像にずれが生じないように設定する。ただ、実際には、機械の精度やドラムへのLD書込み系のバラツキの影響を受け、色ずれが発生する。このために、各感光体ドラム2〜5への画像の書込みタイミングを調整するカラーレジストレーションを行うことによりずれを補正し、色ずれを無くすようにする。
各感光体ドラム2〜5からの転写を受け、転写ベルト6上で合成されたカラー画像は、所定のタイミングで、転写ベルト6と同期して図1中の矢示7mにて示す方向に給紙される転写紙7に転写される。画像が転写された転写紙7は、定着ユニット9に搬送され、そこで高温に加熱したローラにより圧接され、熱圧着による定着処理を受け、画像形成プロセスを終える。
カラーレジストレーションにおいて色ずれを補正するために、本実施形態のカラー画像形成装置は、実際に各色の画像形成部を動作させて、色ずれ検出用パターンを中間転写体としての転写ベルト6に形成し、各色の画像形成部の持つ特性の変動によって、作成されるパターンに生じる位置変化を検出し、ずれ状態を把握する。つまり、装置が仕様通りに誤差なく動作するときに、各色の色ずれ検出用パターンが所定の位置関係で出力されるようにした設定で画像形成を行わせた場合に、作成されるパターンに生じる所定の位置関係からの偏りをずれ量として検出する。
このように、実機を動作させて形成した色ずれ検出用パターンを読取るために、転写ベルト6上には、図1に示すように、光学センサ11が取り付けられ、光学センサ11によって読取られた情報に基づいて色ずれが検出される。
色ずれ検出用パターンによる本発明の色ずれ検出方法の基本原理は、上記[背景技術]の項に示した従来技術のずれ検出方式(図10〜16、参照)と共通の原理に基づく。
即ち、色ずれ検出用パターンの構成として、基準色(Bk)とこの基準色に対して検出対象色(Y,M,C)を所定の位置関係で組合せたパターン(図11のPA1〜PAnの1つ)を複数組合せて、1セットの検出用パターン(図11のPA1〜PAn全体)を構成する。なお、以下、1セットの検出用パターンを構成するPA1〜PAnの1つを基本単位パターンと記す。また、このパターン構成で、1セットのずれ検出用パターンを構成する複数組の基本単位パターンは、互いに基準色に対する検出対象色のパターン間でシフト量を異ならせる。つまり、各組で互に基準色と検出対象色のパターンの重なり具合が異なる。
本実施形態では、上記1セットのずれ検出用パターンをユーザによって出力要求されたジョブの画像形成中の紙間で1以上の整数の基本単位パターンに分割して形成する。
図2は、1セットのずれ検出用パターンを紙間で分割して形成したときの画像形成状態を説明する図である。なお、この図では、説明の便宜上、1セットのずれ検出用パターン(図11のPA1〜PAn)をPA1〜PA7の7つのパターンとし、かつ他の検出対象色を1色分として示す(実際には、残る2色の他の検出対象色もPA1〜PA7中に同様に形成され、処理される)。
図2に示す例は、1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7を1個ずつに分割し、それぞれをユーザの要求に従い形成された記録画像IP1〜IP7の紙間に(本例では、同図に示す記録画像IP1〜IP7とずれ検出用パターンPA1〜PA7は、転写ベルト6に形成されるので、記録画像IP1〜IP7は、記録紙に写される前であるから、“紙間”という表現は相応しくないが、通常、記録画像IP1〜IP7間のブランクを“紙間”というので、この表現に従う)形成する。なお、図2の例は、PA1〜PA7を1個ずつに分割した例を示したが、2個ずつでも良く、要はPA1〜PA7から整数個のPAを分割するのであれば、任意の個数で良い。
記録画像IP1〜IP7の紙間に1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7を1個ずつに分割し、図2に示す画像を形成する処理では、その処理のスタートが指示されると、まず、ユーザが要求する記録画像IP1を形成する前に、ずれ検出用パターンPA1として、基準色に対する検出対象色のパターン間で−方向に最大のシフト量が与えられたパターンを形成する。次に、記録画像IP1の画像形成を行い、その後、次の記録画像IP2との紙間にPA2を形成する。図2に示す例では、−から+に4ドットずつシフト量が与えられるので、PA2はPA1よりもシフト量は小さくなる。
この画像形成プロセスを繰り返して、要求された記録画像IP1〜IP7の画像形成を終えた後に、PA7として、基準色に対する検出対象色のパターン間で+方向に最大のシフト量が与えられたパターンを形成する。
このようにして、位置ずれ量の検出に必要な1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7を転写ベルト6に形成する。
この後、形成したパターンPA1〜PA7を読取ることにより得られる位置情報(基準色とシフトされた検出対象色の重なり具合)に基づいて、色ずれ量が算出される。
図3は、記録画像IP1〜IP7の紙間に形成されたパターンPA1〜PA7の読取りと色ずれ検出量の算出処理の関係を説明する図である。
図3に示すように、転写ベルト6上にユーザが要求する記録画像IP1〜IP7を形成しながら、その紙間で1個ずつに分割して形成されたずれ検出用パターンPA1〜PA7は、転写ベルト6の移動によって光学センサ11の読取位置に至り、1つずつ読取られる。ずれ検出用パターンPA1から順に7回の紙間を読取り、1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7が揃ったところで、それぞれ読取った基準色とシフトされた検出対象色の重なり具合を示す情報をもとに、色ずれ量の算出処理を行い、この算出結果に従い色ずれ補正を行う。
色ずれ量の算出処理は、1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7を読取ることにより得た基準色とシフトされた検出対象色の重なり具合を示す情報から、従来技術で用いたと同様の方法(上記[背景技術]の項における図13〜16の説明、参照)を用いることにより実施することができる。即ち、図2で表した4ドットずつ+/−方向にシフトしたパターンPA1〜PA7の読取値(光学センサ11の出力)をもとに、+/−シフトにそれぞれ対応してセンサ出力を線形近似させた2直線を算出し、近似直線の交点を求め色ずれ量を得る、という方法を用いる。なお、この色ずれ量の算出方法は、図13〜16によって説明した方法を用いることができるので、ここでは、詳細は上記を参照することとして、記載を省略する。
上記の方法で色ずれ量を得た後は、1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7が揃ったPA7の読取りを行ったと同じ紙間(図3の記録画像IP7の前)で色ずれの補正を行う。以後、色ずれの補正は、これまでのサイクルの補正動作と同様に、ユーザが要求する記録画像の画像形成を行った後(図3の例では、記録画像IP7の後)の紙間で再度PA1からのずれ検出用パターンを形成し、1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7が揃ったところの紙間で色ずれ量の算出処理を行い、この算出結果に従い色ずれ補正を行う、という動作を繰り返す。
色ずれの補正は、求めた色ずれ量に応じ、色ずれを無くすカラーレジストレーションを設定する制御を行う、という既存の技術を適用することにより実施し得る。
このように、本実施形態は、画像形成を行いながらパターン形成を行い、1セットが揃ったところで位置ずれ量の検出、および位置ずれ補正を行うので、処理の遅延を解消することができる。即ち、通常の画像出力の際、図2で記録画像IPとして示される有効画像の紙間には、必ずブランクが生じるので、この紙間を1セットのずれ検出用パターンから分割した基本単位パターンの形成に利用することにより、ブランクを有効に利用することにより、画像形成を早いタイミングで開始し、処理の遅延を解消することが可能になる。
なお、本実施形態では、ユーザの要求する1つのジョブ内で1セットのずれ検出用パターンが形成可能な多数枚の記録画像IPが形成される場合を想定したが、1つのジョブ内で必ずしも1セットのずれ検出用パターンが揃うとは限らないので、その場合には、2つ、3つ、・・のジョブの間にパターン読取値を引き継いで、1セットのパターンが揃ったときの紙間で、色ずれ補正を行う方法をとるようにすればよい。
また、紙間にずれ検出用パターンPA1〜PA7を2つずつ書込める幅があれば、2個ずつパターンを書くようにする。また、記録画像IPの出力を遅らせても色ずれ量を早く求めたい場合には、紙間を意図的に広げ、さらに紙間に書込むPA1〜PA7のパターン数を増やすようにしても良い。
ところで、図3に示した例では、色ずれ量を求めるには、ジョブが1セットのずれ検出用パターンPA1〜PAnが形成できる枚数の記録画像IPを出力するジョブでなければならない。つまり、図3のように1セットのずれ検出用パターンPA1〜PAnを1つずつ分割した場合は、1セット分のパターンを形成する間に7枚の記録画像IPを待たないと色ずれ補正を行えない。
そこで、次に示す第2の実施形態では、1セットのずれ検出用パターンPA1〜PAnの分割部分を紙間で読取る度に、色ずれ量の算出処理を行い、この算出結果に従い色ずれ補正を行うことができるようにする。
このために、1セットのずれ検出用パターンPA1〜PAnの分割部分として今新たに読取った部分以外に、以前にこのずれ検出用パターンの他の分割部分を読取ることにより得た情報及び以前に求めたずれ補正量を用いてずれ量の算出に必要な1セットのずれ検出用パターンのデータを揃えて、これらのデータをもとに新たな色ずれ量の算出処理を行い、ずれ補正量を求める。
このようにして、紙間で分割部分のパターンを読取る度に色ずれ量を算出するためには、以前に1セットのパターンをもとに色ずれ量求めた時のパターンPA1〜PAnの読取値及びずれ量の各データを記憶手段に保存しておく必要がある。
図4は、第2の実施形態における記録画像IP1〜IP7の紙間に形成されたパターンPA1〜PA7の読取りと色ずれ検出量の算出処理の関係を説明する図である。本実施形態においても、パターンPA1〜PA7を紙間で1個ずつに分割して形成する点では、第1の実施形態において図2に示した例と同様である。
図4に示すように、転写ベルト6上でユーザが要求する記録画像IP1〜IP7の紙間で形成されたずれ検出用パターンPA1〜PA7は、転写ベルト6の移動によって光学センサ11の読取位置に至り、1つずつ読取られる。この例では、初期状態から開始される動作例を示しており、開始時には、過去のパターンの読取データやずれ量のデータは保存されていない。従って、ずれ検出用パターンPA1から順に7回の紙間を読取り、1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7が揃ったところで、それぞれ読取った基準色とシフトされた検出対象色の重なり具合を示す情報をもとに、色ずれ量の算出処理を行い、この算出結果に従い色ずれ補正を行うまでの動作は、第1の実施形態において図3に示した例と同様である。
ただ、この後、第2の実施形態では、色ずれ量の算出に用いた1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7の読取値及び算出した色ずれ量は、次の紙間で行う色ずれ量の算出及び算出結果による色ずれ補正の処理用データとして記憶手段に保存される。
一旦、色ずれ量の算出及び算出結果による色ずれ補正が行われると、これ以後の紙間では、新たにずれ検出用パターンが読取られる度に、毎回、色ずれ量の算出及び算出結果による色ずれ補正を行う。本実施形態では、記録画像IP7の直前の紙間で初めて色ずれ量の算出及び算出結果による色ずれ補正を行い、記録画像IP7以降の紙間では、毎回行う。
一旦、色ずれ量を算出した後、紙間毎に行う色ずれ量の算出処理について、その詳細を以下に説明する。
紙間で毎回行う色ずれ量の算出処理では、紙間で新たに読取ったずれ検出用パターンが1セットのパターンPA1〜PAnの一部であるから、先の算出時に保存したデータの一部を現時点で新たに得たデータに置換え、得られる1セットのずれ検出用パターンPA1〜PAnに基づいて、色ずれ量の算出処理を行う。
図4の例では、記録画像IP7の直ぐ後の紙間で、ずれ検出用パターンPA1を読取り、このときに新たに得たPA1データで、記録画像IP7の直前の紙間までで保存されたデータ(即ち、色ずれ量の算出に用いた1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7の読取値)の該当するパターンPA1のデータを置換えて、新たな1セットのずれ検出用パターンとして、色ずれを算出する。同様に、次の紙間である記録画像IP8の直後の紙間では、パターンPA2を読取り、新たに得たPA2データで、記録画像IP8の直前の紙間までで保存されたデータの該当するパターンPA2のデータを置換えて、新たな1セットのずれ検出用パターンとして、色ずれを算出する。この動作を紙間で繰り返し、紙間毎に色ずれ量を算出する。
図5〜7は、紙間毎に新たに読取られたずれ検出用パターンの分割部分と以前の色ずれ量算出時の保存データをもとに色ずれ量を算出する処理の1例を説明する線図である。なお、この例は、紙間でずれ検出用パターンPA1〜PA7を1個ずつ読取る図4の動作例によるが、紙間で複数個のパターンを読取る場合でも、同様に行うことができる。
図5は、1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7が揃ったところで行う色ずれ量の算出プロセスに係わる。なお、図5に示す処理は、図4における7枚目の記録画像IP7直前の紙間で行う処理で、先に示した第1の実施形態における同処理と変わらない。
つまり、図5に示すように、4ドットずつ−方向にシフトしたパターンPA1〜PA3の読取値である同図に示すセンサ出力をもとに線形近似させた直線m1と4ドットずつ+方向にシフトしたパターンPA4〜PA7の読取値であるセンサ出力をもとに線形近似させた直線m2の2直線の交点が色ずれによって偏る。この偏りが色ずれ量d(ドット)として求められる。ただ、この色ずれ量の算出の際に、算出に用いた1セットのずれ検出用パターンPA1〜PA7の読取値と算出結果として得られた色ずれ量d(ドット)の各データは、算出処理やその後の補正処理のために記憶手段に保持されるが、この実施形態では、次の紙間でこのデータを利用するために記憶手段に保持し続ける。
上記のようにして求められた色ずれ量dによって、色ずれを補正した状態が図6に示されている。ずれを無くす方向(図示の例では、+方向)に色ずれ量d分全体を平行移動させることでずれを補正する。従って、補正された時点では、パターンPA4〜PA7の読取値は、実際に読取が行われないが、図6に示すような状態になり、各近似直線m1、m2の交点は、シフト量0となるはずである。
この後、図4における記録画像IP7直後の紙間の処理として、新たに読取られたずれ検出用パターンの分割部分の読取値と以前の色ずれ量算出時の保存データをもとに色ずれ量を算出する処理を行う。
図7は、この紙間で行う色ずれ量の算出プロセスに係わる線図を示す。
記録画像IP7直後の紙間では、新たに形成したずれ検出用パターンPA1を読取るので、この紙間の色ずれ量の算出には、新たに得たPA1の読取値を用いる。このとき、PA1以外のパターンPA2〜PA7の読取値は、前回、記録画像IP7の直前の紙間にて、色ずれ量を算出した時に保存されたデータを用いる。即ち、図7に示すように、前回の色ずれ量算出に用いた、図5に示すパターンPA1〜PA7の読取値のパターンPA1データを、この紙間で読取ったパターンPA1’データで置換え、新たに色ずれ量の算出処理を行う。
この結果、図7に示す例では、パターンPA1’〜PA3のセンサ出力をもとに線形近似させた直線m1’と4パターンPA4〜PA7のセンサ出力をもとに線形近似させた直線m2’の2直線の交点が、パターンPA1’データの変化により再び偏り、色ずれが生じた状態となるので、これをずれ量d’として求める。
ところで、上記のように紙間ごとに色ずれ量の算出処理を行う場合に、今回新たに読取ったパターン以外のパターンの読取値として、前回のずれ量算出に用いた読取値である図5に示すパターンPA1〜PA7のセンサ出力を保存し、このデータを用いる。
ただし、保存したセンサ出力には、前回行った色ずれ補正の結果が反映されていないので、保存したデータをそのまま用いると、今回新たに読取ったパターンのデータとの関係が、正しくならない。つまり、図5及び図7に示す例では、今回新たにパターンPA1を読取り、色ずれ量の算出処理を行う際、パターンPA2〜PA7のデータには、保存された図5に示すところの、前回求めた色ずれ量dによる補正が施される前のデータが用いられるので、このデータをそのまま用いてもパターンPA1データと正しい関係になる、図7に示すような結果が得られない。
そこで、ずれ量算出に用いた、図5に示すパターンPA1〜PA7のセンサ出力を保存するときに、求めた色ずれ量dを同時に保存しておき、前回ずれ補正が施された後に新たに読取られる、図7に示すパターンPA1のデータと今回パターンPA2〜PA7のデータに用いる保存されたデータを正常な関係にする。即ち、ずれ補正前に保存されたパターンPA2〜PA7のセンサ出力を、同時に保存した色ずれ量dにより補正し、補正後のパターンPA2〜PA7のデータ(図6、参照)を今回のずれ量算出に用いる。
図7に示す例は、今回紙間で読取ったPA1データと前回のPA2〜PA7データを上記のずれ補正によって正しい関係にした1セットのPA1〜PA7データをもとに、新たな色ずれ量が算出できることを示している。
次に、第3の実施形態を示す。第2の実施形態(図4〜7、参照)で示したように、紙間ごとに色ずれ量の算出処理を行う場合に、新たに得たパターンの読取値以外は、前回の算出時に用いたパターンの読取値を保存し、再び用いる。また、前回算出時のの読取値は、それ以前のデータを引継いでおり、例えば、図4に示した例のように、紙間でパターンPA1〜PA7を1つずつ順に読取る場合には、前回、前々回、・・、と6紙間まで順次紙間を隔てた古い読取値を用いることになる。
ところで、図4に示した例では、前回、前々回、・・、と6紙間まで順次紙間を隔てた古いデータから新しいデータまでを含む各紙間の読取値に対し、それぞれの経時的な変化を考慮せずに、そのまま現在の色ずれ量の算出に用いている。このために、誤差が大きくなると考えられる古いデータの影響により、ずれの検出精度が低下する。
そこで、保存されたパターンデータを用いる場合に、古いデータほど最も後に行ったずれ補正における目標値との差をより減じるように、それぞれの位置情報に重み付けをすることによって、誤差を抑制し、検出精度を向上させる。
具体的には、保存された中の古いデータほど、前回の紙間で行った色ずれの補正(色ずれ量の算出結果に従って行われる)における目標値、即ち、ずれ量を近似計算により得る時に求めた近似線上のセンサ出力値との差をより減ずるように、重み付けをする。
例えば、図4における記録画像IP7直後の紙間で、以前の色ずれ量算出時の保存データを用いて色ずれ量を算出する際の処理を例に説明をする。
この記録画像IP7直後の紙間は、この紙間に至るまでに一旦パターンPA1〜PA7を形成して、直前の紙間で色ずれ量を求め、これに基づいてずれ補正を行った後の紙間である。ここでは、新たに形成されたパターンPA1の読取データが得られるが、PA1以外のパターンPA2〜PA7には、保存データを用いる。
従って、この場合には、保存されたデータの中でパターンPA2についてのデータが最も古く、より大きな重みを付けて、近似線上のセンサ出力値との差を減ずる補正処理を行って、この紙間における色ずれ量を算出するためのPA2データとして用いる。
図8は、保存データに対する本実施形態の補正処理を説明する図であり、記録画像IP7直後の紙間におけるPA2データに対する補正処理前後のデータの変化を示している。同図中において、色ずれ補正後の近似直線m1(図6、参照)と保存されているPA2データ(図8中には“元々のPA2の位置”として示す)の関係が示されている。なお、図8は、図6の線図の1部を拡大して示すものであるから、縦横軸の量は図6と同じである。
図8において保存されているPA2データは、近似直線m1上のセンサ出力値を目標値とし、補正前に近似直線m1との差がLであった場合、目標値との差を減ずるように、図中矢印にて示すように移動させ、補正後の近似直線m1との差がL・1/7となるように補正して、データ値を変更する。
PA2に次いで古いデータであるPA3については、近似直線m1との差がLであった場合、補正後の近似直線m1との差がL・2/7となるようにデータ値を補正する。
同様にPA4については、近似直線との差LをL・3/7と変更し、PA5については、近似直線との差LをL・4/7と順次1/7ずつ加重し、データ値を変更する。
このように保存されたデータの中の一番古いデータから新しいデータの順により重みを付ける。なお、パターンPA1の読取データは保存データではないから、そのままの値を用いる。
上記のようにデータ値の補正処理を終えて、それぞれ近似直線との差異を変更した各パターンから、あらためて近似直線を求め、これらの交点から色ずれ量d’を求める。これにて、誤差が大きくなっていると考えられる古いデータの影響を少なくして、より新しい読取データに重きをおいて、色ずれ量を算出することができる。
このデータ値の補正処理は、次の紙間(記録画像IP8の直後の紙間)でも、新たに読取ったパターンPA2以外の保存パターンデータ(記録画像IP8の直前の紙間で保存されたデータ)に対して、上記と同様に行う。この保存データに対する補正処理を紙間で色ずれ量を算出する度に繰り返し、補正された保存データに基づいて色ずれ量を算出する。
このように、記憶されている中で古いデータほど、近似直線(目標値)との差を減ずるようにして、古い保存データによる誤差を抑制する補正をデータに対して行い、得られるデータをもとに色ずれ量を求めることができるので、より色ずれ補正の精度向上が図れる。
第4の実施形態は、色ずれの補正処理を最適化するための手順の付加に係わる。この手順は、ユーザによって要求されたジョブが終了した時点で、1セットのずれ検出用パターンの一部が未形成であった場合、次のジョブの処理要求が行われていないことを条件に実行するものである。
色ずれの補正を高精度に保つためには、ユーザが要求する1つのジョブ(或いは複数の連続ジョブ)内で1セットのずれ検出用パターンが形成され、形成されたパターンの読取値を用いて色ずれの検出とずれ補正を行うことが望ましいが、ユーザの要求する1つのジョブ内で1セットのずれ検出用パターンが形成されるとは限らないので、その場合には、第1の実施形態で、図3を参照して説明したように、2つ、3つ、・・のジョブの間にパターン読取値を引き継いで、1セットのパターンが揃ったときの紙間で、色ずれ補正を行う方法をとるようにすることにより、パターン分割方式の色ずれ検出が可能になる。
ただ、特に図3の動作例によると、次に示すような問題が生じる。例えば、1セットのずれ検出用パターンが形成されるまでに3つのジョブの間で、パターン読取値を引き継いだとすると、2つ目のジョブでは、1セットのパターンが揃わないため、新たに求めた色ずれ量による補正が行われないので、適正な補正処理が保証されない。
そこで、1つのジョブが終了した時点で、1セットのずれ検出用パターンの一部が未形成であった場合に、次のジョブの処理要求が行われていないこと(即ち、次のユーザの処理要求を待っている、いわば空き時間の状態である)を条件に、未形成となっているパターンを一括して形成し、色ずれの検出とずれ補正処理を行う。
図9は、本実施形態における記録画像の紙間に形成されたずれ検出用パターンの読取りと色ずれ量の算出処理の関係を説明する図である。
図9に示す例によると、ユーザが要求する1つのジョブの記録画像枚数では、紙間に1セットのずれ検出用パターンPA1〜PAnが形成できない時、例えば、同図示のように記録画像枚数が1セットのパターン形成に必要な7枚以下の3枚であった場合、1セットのパターンPA1〜PA7の中で紙間に形成できなかったPA4〜PA7は、最後の記録画像IP3を形成した後に、転写ベルト6にまとめて形成し、それを光学センサ11で読取る。
このようにして形成された1セットのパターンPA1〜PA7を読取り、得た読取値をもとに、上記実施形態に示したと同じように、色ずれ量を算出し、算出結果に従いずれ補正を行い、このジョブを終了する。
上記のようにすることで、次に行うジョブでは、1まとめで形成された1セットのパターンPA1〜PA7に基づいて得られた最適データによる補正処理を即時に行うことが可能になり、記録画像の初期ページにおいても、より色ずれがない画像を得ることができる。
上記した各実施形態では、紙間に1セットのずれ検出用パターンPA1〜PAnを分割して形成し、形成したパターンPA1〜PAnを光学センサ11で読取り、読取ったパターンデータをもとに色ずれ量及びずれの補正量を計算する、という一連の処理プロセスを行っている。
この一連の処理プロセスは、画像形成装置の制御システムに組み込まれた機能により実行することが可能である。
画像形成装置の制御システムは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)で構成し、画像形成装置全体を制御する機能を有するが、この機能の一部に上記処理プロセスを実行する機能を付加する。
この付加機能は、制御システムのRAMやROMに上記処理プロセスの実行に必要な制御用プログラム及び制御用データをインストールし、CPUによってこの制御用プログラムをドライブすることにより実現し得る。このとき、ずれ検出用パターンの形成、該パターンの読取は、I/Oデバイスを介して接続された書込制御基板(各色成分の画像の光書込みを行う露光用LDを駆動するLD駆動板を制御する書込制御基板)、光学センサ11をそれぞれ制御して、データの入出力を行う。
本発明の実施形態に係わるカラー画像形成装置の概略構成を示す。 1セットのずれ検出用パターンを紙間で分割して形成したときの画像形成状態を説明する図である。 記録画像の紙間に形成されたずれ検出用パターンの読取りと色ずれ量の算出処理の関係を説明する図である。 記録画像の紙間に形成されたずれ検出用パターンの読取りと色ずれ量の算出処理の関係(図3と異なる例)を説明する図である。 1セットのずれ検出用パターンの読取り値(センサ出力)に基づく色ずれ量の求め方(図3)を説明する図である。 ずれ補正後の1セットのずれ検出用パターンの読取値(推定値)を示す。 図4の紙間ごとに行う色ずれ量の求め方を説明する図である。 保存データに対する補正処理を説明する図で、補正処理前後のデータの変化を示す。 記録画像の紙間及びジョブ終了時に一括形成されたずれ検出用パターンの読取りと色ずれ量の算出処理の関係を説明する図である。 基準色のずれ検出用パターンを示す。 基準色と検出対象色よりなる基本単位をn個組合せた1セットの色ずれ検出用パターンを示す。 色ずれ検出用パターンの重なり具合の読取状態を説明する図である。 図12のずれ検出用パターンを読取るセンサの出力信号の変化を示す。 基準色と検出対象色のシフト量に対するセンサ出力(図13)のピーク値の関係を示す。 図14のセンサ出力に基づく色ずれ量の求め方を説明する図である(ずれの無い状態を示す)。 図14のセンサ出力に基づく色ずれ量の求め方を説明する図である(ずれの有る状態を示す)。
符号の説明
2,3,4,5・・感光体ドラム(各色成分用)、6・・転写ベルト、7・・転写紙、11・・光学センサ、PA1〜n・・色ずれ検出用パターン、IP1〜14・・記録画像。

Claims (3)

  1. 色成分毎に作像を行う作像部、作像された画像の転写体への転写部を有し、作像された各色成分画像を転写する転写体上で画像合成を行うことによって、カラー画像が形成可能な画像形成手段と、
    各色成分画像間のずれ検出用パターンとして、互いにずれ量を異ならせた1基準色と他の検出対象色よりなる複数のパターンの組合わせで1セットとなるパターンを前記画像形成手段に形成させるずれ検出用パターン形成手段と、
    前記画像形成手段によって形成された1セットのずれ検出用パターンの位置情報を読取るパターン読取手段と、
    前記パターン読取手段により読取られた前記1セットのずれ検出用パターンの位置情報に基づいて近似計算を行うことにより色成分画像間のずれを検出し、検出した各色成分画像間のずれに応じ、画像形成条件として予め設定されている制御量を補正する補正量を算出し、算出した補正量に従って色ずれのない画像を形成する制御を行う制御手段を有する画像形成装置であって、
    前記ずれ検出用パターン形成手段は、前記1セットのずれ検出用パターンとして組合わされた複数のパターンを、複数の紙間で1以上の整数のパターンに分割して、形成し、
    前記制御手段は、色成分画像間のずれを検出する度に、検出したずれ及びこのずれ検出に用いた前記1セットのずれ検出用パターンの位置情報を保存しておく記憶手段を備え、
    紙間で新たに形成されたずれ検出用パターンから読取られたパターンの位置情報、前記記憶手段に保存されたずれ及び新たに形成されたずれ検出用パターン以外の前記1セットのずれ検出用パターンとして組合わされた複数のパターンの位置情報に基づいて、各色成分画像間のずれを検出することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載された画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記記憶手段に保存されたずれ検出用パターンの位置情報を用いて、紙間で色成分画像間のずれを検出するときに、該位置情報に対し古い情報ほど最も後に行ったずれ補正における目標値との差をより減じるように、それぞれの位置情報に重み付けをすることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載された画像形成装置において、
    前記ずれ検出用パターン形成手段は、紙間で分割して形成する1セットのずれ検出用パターンの一部が、要求された1画像形成ジョブ内で行うことができず、未形成となった場合に、ジョブ終了後に未形成パターンを一括して形成し、
    前記制御手段は、前記ずれ検出用パターン形成手段によってジョブ終了後に形成された部分を含む前記1セットのずれ検出用パターンに依る色成分画像間のずれの検出を行い、以後の制御に用いることを特徴とする画像形成装置。
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