JP4822151B2 - 眼鏡保持バンドおよびその保持バンド付き眼鏡 - Google Patents

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Description

この発明は、平常の眼鏡着用時にその眼鏡に取り付けることもできるが、特に魚釣り、水上スポーツ、雪上スポーツ、その他各種のスポーツなどの激しい動作を行うときに、着用している眼鏡がずれたり落下しないようにするために、その眼鏡に取り付けることのできる眼鏡保持バンドおよびその保持バンド付き眼鏡に関するものである。
従来、この種の眼鏡保持バンドは、例えば図8、9に示したように、細幅帯ひも21の片面の一端部にフック面22を設け、その他の部分にループ面23を設けてはり合せひも24を形成している。そして、そのはり合せひも24を、別に形成したつなぎひも25の端部に設けた連結環26に挿通して、はり合せひも24を2つ折にし、フック面22をループ面23上の適所とはり合せることができるようにしている。さらに、ループ面23の先端部と、つなぎひも25の他端部とに取付けたスナップボタン(図示せず)の凸部を、ゴム材による左右の連着ひも27、28のスナップボタン27a、28aの凹部に取外し自在に嵌着してなるものとしている(特許文献1)。
このような従来の眼鏡保持バンドは、フック面22とループ面23とは一条の細幅帯ひも21に設けており、左右両端部の連着ひも27、28を眼鏡GのツルTに結び、眼鏡Gをかけた後、片手を後頭部に回して引張度を調節してフック面22をループ面23にはり合せれば、頭の大小にかかわらず適度に調節ができ、使用後は分離することなく一連のまま保管できるから、片方を紛失する懸念がないという利点を有するとしている。
さらに、この種の眼鏡保持バンドは、例えば図10、11に示したように、伸縮性を有する素材からなる保持バンド本体31と、この保持バンド本体31の両端部に形成した筒状部32、32とからなり、前記筒状部32、32を眼鏡GのツルTに保持できるようにしてなるものとしている(特許文献2)。
このような従来の眼鏡保持バンドは、眼鏡GのツルTを筒状部32、32に挿通すれば、眼鏡Gは保持バンド本体31によって頭部に対して強固に装着されることとなり、みだりにずれや脱落を生じることがなくなるので、過激な運動を行う場合にも眼鏡Gのずりおち、或いは脱落による不都合は完全に防止することができるとしている。また、保持バンド本体31は伸縮性を有する素材によって構成されているので、頭部のサイズ等に寸法を合わせることなどの煩わしさが無く、簡単に使用することができるほか、使用素材の選択、保持バンド本体31に施すデザイン等によってファッション性に優れたものとすることができるとしている。
実開昭57−148115号全文明細書(第1頁、第1、4図) 実開昭60−74126号全文明細書(第1、3、4頁、第1、2図)
しかしながら、上記図8、9に示した従来の眼鏡保持バンドでは、細幅帯ひも21の左右両端部の連着ひも27、28を眼鏡GのツルTの後端部に結び付けるようしているので、その細幅帯ひも21で頭部を締め付けると、ツルTの後端部より少し前の部分により眼鏡着用者の耳近辺が強く押さえられ、またツルTが細幅帯ひも21に引っ張られて、鼻当てNにより着用者の鼻背側部が強く押さられ、眼鏡の装着感が非常に悪くなるという問題点を有していた。
さらに、上記図10、11に示した従来の眼鏡保持バンドでは、眼鏡GのツルTを筒状部32、32に挿通するものとしているので、保持バンド本体31が伸縮性を有する素材からなるといっても摩擦抵抗が大きいため、挿通する時に力を入れ過ぎた場合に、ツルTが曲がってしまうという問題点を有していた。また、眼鏡GのツルTを筒状部32、32に挿通すると、その挿通する時に筒状部32、32に皺がよることがあり、そのため眼鏡の装着感が悪くなるという問題点を有していた。さらに、この眼鏡保持バンドでも、図8、9に示した眼鏡保持バンドと同様に、ツルTが保持バンド本体31に引っ張られて、鼻当てNにより着用者の鼻背側部が強く押さられ、眼鏡の装着感が非常に悪くなるという問題点を有していた。
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、眼鏡に取り付けても皺がよることなく、装着感に優れた眼鏡保持バンドを提供することを目的とし、さらにその取り付けられた眼鏡保持バンドに眼鏡のツルが引っ張られても装着感が悪くなることのない保持バンド付き眼鏡を提供することを目的としてなされたものである。
そのため、この発明は、柔軟性を有する素材からなると共に長手方向にスリット3を設けたものとし、眼鏡Gの一対のツルTにそれぞれ保持される筒状保持部1の後端部1bを、それぞれ接続部2により接続した眼鏡保持バンドであって、前記筒状保持部1の前端部1aに、眼鏡GのツルTの前端部Ta寄りの内側面Tiに設けた係合溝11と係合する係合部4を設けたものとし、前記スリット3を、筒状保持部1を眼鏡GのツルTに保持した場合における、その筒状保持部1の外側面1oに設けたものとし、さらに前記スリット3を、筒状保持部1の前端部1a寄りにおいて、スリット幅が前端に向かって徐々に広くなって開放するようにしたものとしている。
また、この発明の眼鏡保持バンドは、前記筒状保持部1の後端部1bに、眼鏡GのツルTの後端部Tbが密着して挿入されるようにした挿入部6を設けたものとしている。
さらに、この発明の眼鏡保持バンドは、前記接続部2を、バックル8によって長さ調節可能に連結したものとしている。
そして、この発明の眼鏡保持バンド付き眼鏡は、前記構成とした眼鏡保持バンドを、眼鏡GのツルTに保持したものとしている。
また、この発明の保持バンド付き眼鏡は、柔軟性を有する素材からなる鼻当てパッド12を、眼鏡Gの鼻当て部Nに取り付けたものとしている。
さらに、この発明の保持バンド付き眼鏡おいて、前記鼻当てパッド12は、眼鏡GのフレームFのブリッジBに設けた取付孔13に嵌め込み可能とした嵌合部14を設けると共に、眼鏡GのフレームFの鼻当て部Nに嵌め込み可能とした嵌合溝15を設けたものとしている。
この発明の眼鏡保持バンドは、以上に述べたように構成されているため、眼鏡に取り付けても皺がよることなく、装着感が優れたものとなる。
また、この発明の保持バンド付き眼鏡は、以上に述べたように構成されているため、保持バンドに眼鏡のツルが引っ張られても装着感が悪くなることがないものとなる。
以下、この発明の眼鏡保持バンドおよびその保持バンド付き眼鏡を実施するための最良の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
この発明の眼鏡保持バンドは、図1、2に示したように、眼鏡Gの一対のツルTに、その全長にわたってそれぞれ保持される筒状保持部1を有したものとし、これら筒状保持部1の後端部1bをそれぞれ接続部2により接続したものとしている。そして、この発明の保持バンド付き眼鏡は、図4、5に示したように、前記保持バンドHを眼鏡GのツルTに保持したものとしている。
前記眼鏡Gとしては、一般平常時に着用される近視や遠視などの矯正眼鏡、野球、テニス、ゴルフなどの陸上スポーツ、サーフィン、ヨット、カヌーなどの水上スポーツ、スキー、スノーボードなどの雪上スポーツ等の各種スポーツ用サングラス、水泳ゴーグル、スキーゴーグル、オートゴーグル、安全ゴーグル、防塵ゴーグル等の眼鏡類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記筒状保持部1は、柔軟性を有する素材からなると共に長手方向にスリット3を設けたものとしている。そして、スリット3は、筒状保持部1を眼鏡GのツルTに保持した場合における、その筒状保持部1の外側面1o、すなわち眼鏡GのツルTの外側面Toに位置するように設けたものとしている。このスリット3は、筒状保持部1を眼鏡GのツルTに保持した場合における、その筒状保持部1の内側面1i、あるいは上側面や下側面、すなわち眼鏡GのツルTの内側面Ti、あるいは上側面や下側面に位置するように設けたものとすることもできるが、このようにした保持バンド付き眼鏡を着用した場合、スリット3に着用者の髪の毛が接触しこの髪の毛が巻き込まれることがあり、さらにスリット3を眼鏡GのツルTの内側面Tiに位置するように設けた場合、このスリット3が着用者の耳近辺に接触し装着感が低下するので、好ましくない。さらに、前記スリット3は、筒状保持部1の前端部1a寄り、すなわち眼鏡GのツルTの前端部Ta寄りの位置においては、スリット幅が前端に向かって徐々に広くなって開放するようにしている。このようにすると、スリット幅が広くなって開放した部分から眼鏡GのツルTを差し込むことができ、筒状保持部1に眼鏡GのツルTを保持させ易くなる。なお、柔軟性を有する素材としては、ポリスチレン系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリレフィン系などの熱可塑性エラストマー、シリコンゴムやイソプレンゴムなどが用いられる。これらの素材を用いると、筒状保持部1が汗や水で濡れた場合にも変質し難くなり、筒状保持部1が変形して、スリット3の部分から捲れ上がったり、スリット幅が広がったりするようなことがないものとなる。
また、前記筒状保持部1の前端部1aには、眼鏡GのツルTの前端部Ta寄りの内側面Tiに設けた係合溝11と係合する係合部4を設けたものとしている。このようにすることにより、眼鏡GのツルTに筒状保持部1を保持させた場合に、係合部4と係合溝11とが係合して、そのツルTから筒状保持部1が外れ難くなり、筒状保持部1と眼鏡GのツルTとの保持力を強化させることができる。さらに、前記筒状保持部1の係合部4を設けた前端部1aの内側面1iには、通気孔5を設けたものとしている。この通気孔5は、前記係合部4を、眼鏡GのツルTの係合溝11に密着して覆い被せるようにした場合には、空気の逃げ場がなくなるので、その空気を逃がすために設けたものである。さらに、この通気孔5は、前記係合部4と係合溝11の係合具合を確認するために設けたものである。すなわち、この通気孔5が、眼鏡GのツルTの前端部Ta寄りの内側面Tiによって完全に塞がれておれば、この内側面Tiと筒状保持部1の前端部1aの内側面1iが密着していることになり、係合部4と係合溝11とが完全に係合されていることが確認できる。
さらに、前記筒状保持部1の後端部1bには、眼鏡GのツルTの後端部Tbの挿入部6を設けたものとしている。この挿入部6は、眼鏡GのツルTの後端部Tbが密着して挿入されるようにすると共に、その挿入部6の後端に通気孔7を設けたものとしている。このようにすることにより、眼鏡GのツルTに筒状保持部1を保持させた場合に、ツルTの後端部Tbが挿入部6に挿入して、眼鏡GのツルTから筒状保持部1が外れ難くなり、筒状保持部1と眼鏡GのツルTとの保持力を強化させることができる。なお、前記挿入部6に設けた通気孔7は、眼鏡GのツルTの後端部Tbが挿入部6に密着して挿入されるようにすると空気の逃げ場がなくなるので、その空気を逃がすために設けたものである。
前記接続部2は、帯状とするなど、着用者の後頭部に沿い易い形状にしている。この接続部2は、筒状保持部1の後端部1bに別体として接続したものとしてもよいが、筒状保持部1と一体成形することにより一体的に接続したものとするのが、繋ぎ目もなくなって装着感が悪くなることもなく、製造もし易いものとなるので好ましい。そして、この接続部2は、単に帯状にしたものとしてもよいが、図示したように、バックル8によって長さ調節可能に連結したものとして、着用者の頭部の寸法に応じて装着し易いように調節できるようにしてもよい。
また、この発明の保持バンド付き眼鏡は、柔軟性を有する素材からなる鼻当てパッド12を、眼鏡Gの鼻当て部Nに一体的に取り付けたものとしたり、または着脱自在として取り付けたものとしている。
前記鼻当てパッド12を眼鏡Gの鼻当て部Nに着脱自在として取り付けたものにするには、鼻当てパッド12を、図7に示したように、眼鏡GのフレームFのブリッジBに設けた取付孔13に嵌め込み可能とした嵌合部14を設けると共に、眼鏡GのフレームFの鼻当て部Nに嵌め込み可能とした嵌合溝15を設けたものとしている。このようにすることにより、鼻当てパッド12は、眼鏡GのフレームFに取り付け易いものとなると共に取り外し易いものなり、また眼鏡GのフレームFに安定した状態で取り付けられるものとなる。さらに、この鼻当てパッド12が、着用者の汗などで汚れた場合には、眼鏡GのフレームFから簡単に取り外して洗浄することができる。
以上のように構成されたこの発明の保持バンドは、次のようにして眼鏡に取り付けられる。
先ず、保持バンドHの筒状保持部1の前端部1aから、この筒状保持部1に眼鏡GのツルTの後端部Tbを挿入していき、このツルTの後端部Taを筒状保持部1の後端部1bに設けた挿入部6に入り込ませる。このとき、前記筒状保持部1に設けたスリット3の間隔が広げられるので、筒状保持部1にツルTが挿入し易くなり、筒状保持部1に皺がよるようなことはない。そして、筒状保持部1にツルTが挿入された後は、スリット3は元の間隔に戻り、この筒状保持部1がツルTの周囲に隙間なく取り付けられることになり、またツルTの後端部Tbは筒状保持部1の後端部1bに設けた挿入部6に入り込ませているので、ツルTが筒状保持部1から外れ難いものとなる。さらに、前記筒状保持部1の前端部1aに設けた係合部4を、眼鏡GのツルTの前端部Ta寄りに設けた係合溝11に係合させれば、筒状保持部1がツルTから外れ難いものとなり、筒状保持部1とツルTとの保持力が強化されることになる。
次に、上記したようにして保持バンドが取り付けられたこの発明の保持バンド付き眼鏡を着用すると、筒状保持部1が着用者の耳近辺に接触することになるが、この筒状保持部1は柔軟性を有する素材からなっているので、装着感が優れたものとなる。
そして、この発明の保持バンド付き眼鏡は、接続部2をバックル8によって長さ調節可能としたものでは、この接続部2の長さを着用者の頭部の寸法に応じて調節することができるので、装着感を強くしたり弱くしたりして、着用者の好みに応じたものとすることができる。
さらに、この発明の保持バンド付き眼鏡は、眼鏡GのツルTの後端部Tbが筒状保持部1の後端部1bに設けた挿入部6に入り込んでいるので、このツルTの後端部Tbは保持バンドHの外部に出っ張ることなく、ツルTの後端部Tbが眼鏡の着用時に引っ掛かったりして邪魔になることもない。
また、この発明の保持バンド付き眼鏡は、柔軟性を有する素材からなる鼻当てパッド12を、眼鏡Gの鼻当て部Nに取り付けたものとしているので、ツルTが保持バンドHによって強く引っ張られ、鼻当て部Nにより着用者の鼻背側部が強くおさえられる場合があっても、この鼻当て部Nに取り付けた鼻当てパッド12が着用者の鼻背側部に当たり、衝撃が緩和されるので、装着感が悪くなることがない。
この発明の眼鏡保持バンドの斜視図である。 この発明の眼鏡保持バンドの側面図である。 この発明の眼鏡保持バンドを取り付ける眼鏡の平面図である。 この発明の保持バンド付き眼鏡の斜視図である。 この発明の保持バンド付き眼鏡の側面図である。 この発明の保持バンド付き眼鏡のツルに取り付けた状態の保持バンドの要部拡大水平断面図である。 この発明の保持バンド付き眼鏡の鼻当てパッドを眼鏡のフレームから外した状態を示す斜視図である。 従来の眼鏡保持バンドの一例を示す斜視図である。 図8に示す従来の眼鏡保持バンドを眼鏡のツルに取り付けた状態の斜視図である。 従来の眼鏡保持バンドの他の例を示す斜視図である。 図10に示す従来の眼鏡保持バンドを眼鏡のツルに取り付けた状態の斜視図である。
符号の説明
1 筒状保持部
1a 前端部
1b 後端部
1o 外側面
2 接続部
3 スリット
4 係合部
6 挿入部
8 バックル
11 係合溝
12 鼻当てパッド
13 取付孔
14 嵌合部
15 嵌合溝
B ブリッジ
F フレーム
G 眼鏡
H 保持バンド
N 鼻当て部
T ツル
Ta 前端部
Tb 後端部
Ti 内側面

Claims (6)

  1. 柔軟性を有する素材からなると共に長手方向にスリット(3)を設けたものとし、眼鏡(G)の一対のツル(T)にそれぞれ保持される筒状保持部(1)の後端部(1b)を、それぞれ接続部(2)により接続した眼鏡保持バンドであって、前記筒状保持部(1)の前端部(1a)に、眼鏡(G)のツル(T)の前端部(Ta)寄りの内側面(Ti)に設けた係合溝(11)と係合する係合部(4)を設けたものとし、前記スリット(3)を、筒状保持部(1)を眼鏡(G)のツル(T)に保持した場合における、その筒状保持部(1)の外側面(1o)に設けたものとし、さらに前記スリット(3)を、筒状保持部(1)の前端部(1a)寄りにおいて、スリット幅が前端に向かって徐々に広くなって開放するようにしたことを特徴とする眼鏡保持バンド。
  2. 前記筒状保持部(1)の後端部(1b)に、眼鏡(G)のツル(T)の後端部(Tb)が密着して挿入されるようにした挿入部(6)を設けたものとしたことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡保持バンド。
  3. 前記接続部(2)を、バックル(8)によって長さ調節可能に連結したものとしたことを特徴とする請求項1または2に記載の眼鏡保持バンド。
  4. 請求項1から3に記載のいずれかの眼鏡保持バンド(H)を、眼鏡(G)のツル(T)に保持したことを特徴とする保持バンド付き眼鏡。
  5. 柔軟性を有する素材からなる鼻当てパッド(12)を、眼鏡(G)の鼻当て部(N)に取り付けたものとしたことを特徴とする請求項4に記載の保持バンド付き眼鏡。
  6. 前記鼻当てパッド(12)を、眼鏡(G)のフレーム(F)のブリッジ(B)に設けた取付孔(13)に嵌め込み可能とした嵌合部(14)を設けると共に、眼鏡(G)のフレーム(F)の鼻当て部(N)に嵌め込み可能とした嵌合溝(15)を設けたものとしたことを特徴とする請求項5に記載の保持バンド付き眼鏡。
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