JP4822070B2 - ブレーキ部品の分離装置及び分離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に使用されるブレーキ部品として使用されるディスクパッドやシューアセンブリー等の金属部品の分離装置及び分離方法に関するものであり、更に詳しくは、摩擦材と金属部品間の接着力を脆化させるものに関する。
自動車等の車両に使用されるブレーキには、走行時の制動用に使用されるディスクブレーキと、停車時に使用されるドラムブレーキ等がある。ディスクブレーキは、車輪と共に回転するローターを両側から挟むようにディスクパッドを押付けて、ローターの回転を減速または停止する構造になっている。ドラムブレーキは、円筒状ドラムの内側にシューアセンブリーを設け、これをドラムに押付けて車輪を固定する構造になっている。
ディスクブレーキに使用されるディスクパッドは、主に摩擦材とバックプレートから構成されている。
図1は、一般的なディスクパッドを示す斜視図である。バックプレート2には、ボス穴13と呼ばれる貫通穴が設けられ、摩擦材3の一部が、このボス穴13に入り込む構造になっている。これは、ブレーキ制動時に、摩擦面と平行方向に発生する剪断力に充分耐えられるように、摩擦材3とバックプレート2との接着強度を強化するためのものである。更に、摩擦材3とバックプレート2との境界は、接着力のある材料で強固に結びつけられ、ディスクパッド1として用いられる。
ドラムブレーキに使用されるシューアセンブリーは、主に円形又は半円形のシューアセンブリーの金属リング(以下、「シューリング」と呼ぶ)と摩擦材から構成されている。
図2は、一般的なシューアセンブリーを示す斜視図である。円形のシューリング6は、その外周部に摩擦材3が接着されている。半円形のシューリングは、主にトラックなどの大型車両に使用される。摩擦材3は、このシューリング6外周部に、強固に接着剤で固定され、シューアセンブリー5として使用される。
先に述べたディスクパッド及びシューアセンブリーは、自動車の重要な部分であるブレーキに使用されることから、摩擦材を接着する金属は、高価で希少な特殊鋼を使用することが多い。
また、近年では、自動車部品に対するリサイクル要求が、非常に強くなってきている。
そこで、ディスクパッド等の金属部品をリサイクル使用するため、一部では、ディスクパッドを大型のトンネル型加熱炉中で熱処理し、摩擦材を灰化除去して金属部品を回収する方法がとられている。
特開2005−233214
しかしながら、摩擦材を灰化除去して金属部品を回収する方法は、装置が大型であること、摩擦材の灰化に多大なエネルギーを消費すること、大量の排ガスが発生するとのこと等の、多くの課題を抱えている。
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、ブレーキ用の金属材料を選択的に加熱することにより、有価部品であるブレーキ部品の分離装置及び分離方法を提供するものである。
本発明は、以下のものに関する。
(1)鋼材料である金属製支持材と、この金属製支持材に接着剤により接着された摩擦材とを備えたブレーキ部品の分離装置であって、ブレーキ部品の移動可能な支持台である載置台と、この載置台の周囲又は対向する位置に配置される誘導加熱コイルとを有し、前記金属製支持材の温度を650℃以上に選択加熱するブレーキ部品の分離装置。
(2)項(1)において、誘導加熱コイルが、その断面形状を、載置台を取り囲む方形とするブレーキ部品の分離装置。
(3)項(1)において、誘導加熱コイルが、その断面形状を平板状とするブレーキ部品の分離装置。
(4)項1乃至3の何れかにおいて、載置台が、ブレーキ部品の投影面積以上の面積を有するブレーキ部品の分離装置。
(5)項1乃至4の何れかにおいて、載置台が、石英ガラス、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、ステアタイト、フォルステライト、ムライト、コーディライトの何れかを用いて形成されるブレーキ部品の分離装置。
(6)項1乃至5の何れかにおいて、金属製支持材が、約720℃に加熱されるブレーキ部品の分離装置。
(7)項1乃至6の何れかにおいて、更に金属製支持材の冷却を行う冷却部を有するブレーキ部品の分離装置。
(8)項1乃至7の何れかにおいて、更に金属製支持材の加熱時に発生する臭気を脱臭する脱臭部を有する分離装置。
(9)以下の工程(a)〜(c)からなるブレーキ部品の分離方法。
(a)鋼材料である金属製支持材と、この金属製支持材に接着剤により接着された摩擦材とを備えたブレーキ部品を、移動可能な支持台である載置台に設置する工程。
(b)金属製支持材を誘導加熱コイルにより650℃以上に選択加熱し、接着部分を脆化させる工程。
(c)金属製支持材と摩擦材とを分離する工程。
(10)項9において、更に、工程(b)の後に、金属製支持材を冷却する工程を有するブレーキ部品の分離方法。
本願発明によれば、金属製支持材を加熱することで、ブレーキ部品の摩擦材と金属製支持材間の接着部分の脆化が起こり、摩擦材を全て炭化することなく、摩擦材と金属製支持材との分離を行うことが可能となる。
そのため、本願発明では、小型の装置で分離でき、分離の際のエネルギー消費を抑え、排ガスの発生を最低限に留めることができる。
本発明に述べるブレーキ部品は、金属製支持材と、摩擦材とを備え、この両者を接着剤により固着してあるものであれば良く、大きさ、形状等に限定されるものではない。
また、接着剤に関しては、どのような接着剤を用いていてもよく、これについても限定されるものではない。
本発明に述べる載置台は、ブレーキ部品を設置可能なものであれば良く、ブレーキ部品の投影面積以上の面積を有するものが好ましい。このような載置台では、金属製支持材を加熱中に、摩擦材が脱落しても、載置台以外の場所へ転落することを防止することができる。
載置台は、耐熱性の材料を使用する。但し、誘導加熱コイルを用いる場合には、耐熱性があっても、アルミ、鉄及びステンレス等の金属材料を通常の単純平板形状にしたものでは使用することができない。これは、高周波により誘導加熱を受けたり、磁束を遮断したりするためである。誘導加熱を受けず磁束を遮断しない耐熱材料としては、石英ガラス、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、ステアタイト、フォルステライト、ムライト、コーディライトなどのセラミック材料、ガラスエポキシやベークライト等の複合材料を用いることができ、加熱温度の点から、ガラス及びセラミック材料が好ましい。なお、載置台として、誘導加熱を受けない形状であれば、金属のメッシュ状ベルトを使用しても良い。
本発明に述べる誘導加熱コイルは、コイルに高周波電源を入力して磁界を発生させ、この磁界により金属製支持材の中にうず電流を発生させるものであれば良い。うず電流は、金属部分を選択的に発熱して加熱し、金属と摩擦材の界面にある接着剤が効率よく加熱され、同時に熱により接着剤は脆化する。
誘導加熱コイルは、その形状を特に限定されるものではないが、具体的には、載置台の周囲を取り囲むように配置する筒型誘導加熱コイル、載置台に対向配置される平板型誘導加熱コイルを用いることができる。
尚、筒型コイルは、電源とのマッチングが重要である。このため、加熱コイルのインダクタンスは、20〜60μHであることが好ましい。コイルのインダクタンスが20μH未満、あるいは60μHを超えるようにすると、電力を加えた時に出力があまり出ない。
平板コイルは、平板の保持体に単一あるいは複数の渦巻状のコイルを形成して作成する。渦巻状のコイル形状は、円形、楕円形、長方形であっても良く、ブレーキ部品を加熱できれば、特に規定するものではない。複数個のブレーキ部品を同時に加熱する場合は、一般に筒型コイルの方が平板コイルより加熱時の均熱性に優れている。筒型コイルの磁界は、ブレーキ部全体を包み込むのに対し、平板コイルは一方の面からしか及ばないからである。このため、使用するコイルは、ブレーキ部品の形状、個数、剥離処理後の用途などに応じ適宜選定する。
誘導加熱コイルと金属製支持材との距離は、離れることで加熱コイルにて発生する磁束が被加熱物に及ぼす電源の出力が低下することから、短い方が好ましく、そのため、載置台の周囲を円形に取り囲むよりも方形に取り囲むか、載置台に対向する平板状のものを使用することが好ましい。
誘導加熱コイルに用いる電線は、表面積の大きなものが好ましい。電流は表面を流れるので、表面積が大きなものが磁界を発生させやすいからである。このような電線としては、細い線をよって束ねたリッツ線がある。従って、コイルには、リッツ線を好適に用いることができる。また、コイルとブレーキ部品の距離を離す必要がある場合は、近い場合に比べて大電流を流す必要がある。この場合は、冷却可能な水冷導管を使用する場合がある。水冷導管は、一般的には銅管の外側を絶縁材料で被覆して作製される。
誘導加熱に使用される電源は、高周波であることが必要である。周波数域としては、20〜60KHzが好ましい。周波数が20KHz未満あるいは60KHZを超えると、高周波電源の回路形成のコストが徐々に大きくなってくるからである。なお、さらに高周波数域での回路形成も可能であり、特にこれを排除するものでは無い。
誘導加熱により加熱する温度は、摩擦材を接着させている接着剤が脆化する温度以上であればよく、特に450℃以上であることが好ましい。
本発明に述べる加熱体は、金属製支持材に当接することで、金属製支持材を加熱可能であれば特に限定されるものではない。より具体的には、熱伝導率の高い金属体の内部に、シースヒータを内蔵させたものを用いることができる
加熱させる温度は、摩擦材を接着させている接着剤が脆化する温度以上であればよく、特に450℃以上であることが好ましい。
本発明に述べる冷却部は、加熱された金属製支持材を冷却できるものであれば特に限定されるものではない。より具体的には、上部に送風ファンを設けて上部から冷風を送り、冷風により加熱された金属製支持材を冷却することが可能である。また、場合によっては、上部に設けた冷却液スプレーにより、液体を微細化させ、その微細液滴の蒸発潜熱により急速に冷却することも可能である。また、加熱されたブレーキ部品を直接冷却液に入れて冷却することも可能である。冷却液としては、水などのような液体であって700℃以上で変化せず、蒸発時に残渣が残らず、無害で発火しないものであれば特に限定するものではない。
なお、冷却液を使用する場合は、それに付随する設備も必要となるが、ここでは特に規定されるものではない。
本発明に述べる脱臭部は、金属製支持材の加熱時に発生する臭気を取り除くものであり、その手法を特に限定するものではない。排ガスは、分解反応、炭化反応あるいは酸化反応などにより有機物質より発生するものであり、主要なものは可燃性である。そこで、この排気ガスを処理する方法としては、直火バーナー中に入れて、高温で直接燃焼させる直接燃焼式脱臭装置がある。また、燃焼時に触媒を使用して、より低温で排気ガスを燃焼させる触媒燃焼式脱臭装置がある。また、排気ガス中の問題成分を凝縮温度以下に冷却して、その成分を凝縮分離する凝縮脱臭装置もある。この他、活性炭、ゼオライト等の多孔質物質を用いる吸着脱臭装置や、対象ガスを溶解性のある溶媒に吸収させる吸収脱臭装置があるので、対象排気ガスの特性に合わせて選定することが可能である。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
図3は、本発明の1実施例である、分離装置の概略断面図である。ガラス製の載置台である支持台4の上には、ディスクパッド1が、摩擦材3を下に、金属製支持材であるバックプレート2を上にして載置されている。支持台4の周囲には、筒型誘導加熱コイル7が取り囲んでおり、この筒型誘導加熱コイル7にて、ディスクパッド1を上下に挟み込むようにしている。
図4は、本発明の別の実施例である、分離装置の概略断面図である。本実施例では、支持台4及びディスクパッド1が、先に説明した図3のものと同じであるものの、バックプレート2を加熱するものが、平板型誘導加熱コイル8となっている。平板型誘導加熱コイル8は、加熱コイルが、支持台4の片側のみに配置されるので、加熱する部分に、搬送コロや搬送コンベアの使用が可能となり、処理個数の多い量産タイプには好適である。
但し、平板型誘導加熱コイル8は、図3に示す筒型誘導加熱コイル7に比較し、磁束密度が距離に反比例して著しく低下する。このため、コイル8と金属製支持材2の距離は可能な限り小さくすることが好ましく、本実施例では、その距離を40mmとしている。
図5は、本発明の更に別の実施例である、分離装置の概略断面図である。本実施例では、支持台4をメッキした鉄鋼材の加圧保持体12の上に配置・固定し、その上に、ディスクパッドが、摩擦材3を下に、金属製支持材であるバックプレート2を上にして載置されている。
バックプレート2の加熱は、内部にシースヒータ11を有するメッキした鉄鋼材の加熱ブロック10にて行われ、この加熱ブロック10を加熱し、バックプレート2に押し当てる。
図3乃至図5を用いて説明したものは、金属製支持材を1箇所で加熱させているが、これを複数箇所で行うようにし、徐々に加熱するようにしても良い。
図6は、3回に分けて加熱を行う、本発明の1実施例である、分離装置の概略断面図である。本実施例では、搬送コロ9を用いて、図示を省略するディスクパッドの搬送行う。ディスクパッドの金属製支持材は、筒型誘導加熱コイル7を三回通り、所定温度まで加温される。
本実施例では、コイルを、並列につないでいるが、並列接続した場合は、インピーダンス抵抗値が低下するので、それに見合った高抵抗の素線を使用する必要がある。
尚、直列に接続する場合は、インピーダンスが増加するので、コイル抵抗を低くする必要がある。
本実施例では、移送手段として搬送コロ9を使用しているが、ウォーキングバーを使用することも可能である。ウォーキングバーとは、炉内を貫通する移動バーで支持台を搬送する方法である。この方法では、移動バーをまず上昇させて支持台を持上げ次いで前方に移動させる。次に下降して支持台を別の固定バーに移載後、移動バーを最初の位置に戻す方法である。この方法により支持台を移動できる。
連続処理工程では、図7に示す熱処理工程により行うことができる。
ブレーキ部品は、ローダ待機部33A又は33Bで支持台上に所定数整列される。支持台は、待機部33Aから受入部35に移り、続いて誘導加熱部30に移動した後で、所定の熱処理を受ける。誘導加熱部30では、熱処理に伴いガスが発生するので、脱臭装置により所定の処理を行い大気中に放出する。加熱処理が終了したブレーキ部品は、冷却部31で所定温度まで冷却され、取出部36を経て待機部34A又は34Bで待機する。
加熱処理されたブレーキ部品は、接着剤の部分が脆化している。ここで言う脆化とは、分解、炭化及び酸化の各反応である。これらの反応は、温度が高くなるに従って順次起こる。高温下酸素存在下の状態で長時間加熱すれば、摩擦材は酸化反応により完全に灰化する。完全に灰化する場合には、加熱時間が長時間になることから、装置が大型化する。これを回避するために、本発明では、接着剤が脆化した段階で摺動材と金属支持材を分離する。ディスクパッドの場合の分離法の一つとして、金属支持材を電磁石などで固定し、金属支持材と摺動材の間にナイフ状の板状物を挿入して分離する方法がある。板状物に力を加えていくと、比較的小さな力で金属支持材と摺動材を分離することができる。効率を上げるために、ナイフ状板状物に振動を加えても良い。別の方法は、金属支持材の形状に沿って回転する研磨ブラシ、研削ブラシ或いは研削刃を当てて、摩擦材を削除していく方法である。別の分離方法は、ボス穴を利用する方法がある。摺動材の無い金属支持材の部分を保持して、ボス穴に、穴より小さな突起物を当て、突起物にゆるやかに力を加え摺動材を分離する方法である。ゆるやかに力を与えるのは、あまり強い衝撃を与えると金属部材に変形や傷が発生する場合が有るからである。ゆるやかに力を加える方法としては、例えばプレス、エアシリンダ、油圧シリンダや電磁シリンダなどを使用する。これらの方法は、一長一短があるので、ディスクパッドの形状に合わせて適宜選択する。
シューアセンブリーの分離方法も、ほぼディスクパッドと同様な方法を利用できる。例えば、プレスを使用する場合では、シューリングの円筒形部分をプレス板上に立て、摺動部に沿って立てた複数のピンにより摺動材に剪断力を加え、この剪断力により摺動材と金属部品を分離することが可能である。
次に、図8を用いて自動的にブレーキ部品の加熱/剥離を行うプロセスを説明する。
ブレーキ部品は、ストッカ39Aに蓄えられている。ブレーキ部品は、ストッカ39Aから移載ロボット42Aで取り出され、中間台37上に設置される。設置されたブレーキ部品は、移載ロボット42Bで整列配置部40にある支持台上に所定数整列される。整列終了後、支持台は、受入部35に移動される。受入部35上の支持台は、誘導加熱部30に移り、ここでブレーキ部品が熱処理される。熱処理されたブレーキ部品は、冷却部31で冷却される。また、誘導加熱部30で発生するガスは脱臭装置で処理される。冷却後に支持台は、移動部41を通過して、取出部36に移動する。取出部36で支持台上のブレーキ部品は、移載ロボット42Dによりアライメント部43に移り、位置決めされる。位置決め後のブレーキ部品は、プレス部38で、金属部品から摩擦材が剥離される。摩擦材が剥離されたブレーキ部品は、移載ロボット42Cにより、ストッカ39Bに移される。このようにして、ブレーキ部品からの摩擦材剥離が終了する。
剥離後のブレーキ部品接着部表面には、摩擦材の残渣が残っている。金属部分を溶融してリサイクルする場合は、多少の残渣が有っても特に問題にならない。
しかし、金属部品をそのまま金属部品として再利用する場合には、この残渣を除去する必要がある。残渣除去方法としては、バレル研磨,エアーブラスト、ショットブラスト、ショットバレルなどの方法がある。バレル研磨は、研磨メディアとブレーキ部品を回転ケースの中に入れて、回転研磨する方式である。エアーブラストは、圧力空気でメディアを飛ばしブレーキ部品表面を研磨する方式である。ショットブラストは、メディアを回転子で吹き飛ばしてブレーキ部品表面を研磨する方式である。ショットバレルは、ブレーキ部品を移動させながら、メディアを回転子で飛ばして、表面を研磨する方式である。これらの研磨方式を特定するものではないが、ブレーキ部品の形状や最終的に要求される表面状態により適宜決定することができる。
表面研磨された部品は、必要な表面処理を実施すれば、金属部品としての再利用が可能となる。つまり、金属部品表面に、通常の方式で化学処理や物理処理を施した後摺動材を再成型すれば、ブレーキ部品を完成させることができる。
なお、ここで言うブレーキ部品とは、金属製支持材上に摩擦材が強固に固定されたもの全般を指す。主要なものは、上述したディスクパット、シューアセンブリー等であるが、上記定義に入れば特にこれらに限定するものではない。また、ここで言う接着材とは、金属製支持材と摺動材を固定する両者の境界に存在する有機材料である。一般には、下地層,接着層など複数の層に分かれている場合もあるが、これらは全て両者境界にある有機材料なので接着材と呼ぶ。また、摺動材中に接着力のある有機材料が含まれ、金属製支持材が直接摺動材と接着されているものでは、金属部品と接着している摺動材の一部を接着剤と呼ぶ。
図9を用いて本発明の1実施例を説明する。
図9は、ディスクパッド1を2乃至4個同時に加熱できる装置である。本実施例では、外形寸法が約縦50×横130×厚み17mmのディスクパッド1を2個、前進後退する支持台4の上に設置した。この支持台4は、耐熱性がある板厚5mmの石英ガラス板で製作した。支持台4は、スライド機構22によって前進し、筒型誘導加熱コイル7の中に挿入される。筒型誘導加熱コイル7は、断面が長方形で耐熱ボビンの周囲にリッツ線を巻いて製作した。耐熱ボビンは石英ガラス製である。コイルのインピーダンスは30μHzである。この状態で高周波電源を入れ筒型誘導加熱コイル7に通電した。高周波電源は、周波数30KHz、最大出力5KWで、筒型誘導加熱コイル7への実際の入力は40%であった。この時に、バックプレートの表面に熱電対を貼り付け加熱時間と到達温度を測定した。ディスクパッド1は、バックプレートの温度が約450℃に達すると煙が発生し始めた。これは、バックプレート表面の塗料やバックプレートと摩擦材とを接着する接着剤が、分解反応、炭化反応や酸化反応を開始したためである。発生した煙は適宜排気装置により排気した。ディスクパッド1が所定の温度到達後、筒型誘導加熱コイル7から取り出し冷却した。
冷却後、ナイフやドライバを用いて手でバックプレートと摩擦材の剥離を試みた。この時の剥離結果を表1に示した。
Figure 0004822070
300℃熱処理品の剥離は、可能であったが、長時間に渡る作業で非常な困難であり、かつ摩擦材の全部は剥離できなかった。400℃熱処理品の剥離はかなりの困難を伴ったが、450℃熱処理品の剥離はやや困難であった。500℃熱処理品の剥離は可能であり、650℃以上加熱すると剥離は容易であった。
以上の結果から、バックプレートの温度を450℃以上に加熱すれば、摩擦材をそれほどの困難なく、剥離することができる。
図10を用いて本発明の他の実施例について説明する。
図10に示すものは、先に説明した図7のフロ−を実施したものである。まず、ディスクパッド1は、支持台4上に、5列×4行=20個所定間隔で設置される。ディスクパッド1の載った支持台4は、一カセット内に8枚収納される。支持台4を収納したカセット45は、ローダ待機部33Aに設置された後、中央の昇降部32Aに送られる。昇降部32Aには、図示しないカセット上下機構、支持台アライメント機構及び下面に支持台移動用のコロ機構が装備されている。
支持台4は、両側に取り付つけられた移動式アライメント機構により整列される。支持台4が整列後、カセット45が降下し、支持台移動用コロが最下段の支持台に接触する。これにより支持台がコロに支持される。コロの回転が開始し、支持台4はカセット45から10分間隔で搬出さる。支持台4が全て搬出すると、カセット45は最上段まで上昇する。上昇した空になったカセット45は、ローダ待機部33Bに移動し、支持体4が入ったカセット45が、ローダ待機部33Aから、昇降部32Aに移動する。
昇降部32Aから搬出された支持台4は、誘導加熱部30中に搬入される。搬入時に支持台4は、カセット45と誘導加熱部30間及び誘導加熱部30内に設けられたコロに支持され炉内に移動する。誘導加熱部30内で金属部品であるバックプレートは、誘導加熱部30の中に設置された筒型誘導加熱コイルにより加熱される。
筒型誘導加熱コイルは、直方体で両端の開いたボビンを作り、ボビン周囲にリッツ線を巻いて作成した。ボビンは耐熱材料であるコーディライトを組合せて作った。加熱コイル内には支持コロが設置されている。加熱コイル両端側には、開閉シャッタと排気部が設けられている。開閉シャッタは、支持台4の搬入/搬出時に開き、それ以外の時は閉じている。排気部は、加熱時に摺動材接着部から発生する発生ガスやタール分を排出するもので、直接燃焼型脱臭装置に接合されている。
加熱コイルのインダクタンスはワーク挿入時で、30KHzの周波数で測定して30μHzである。電源には20KWのインバータを使用した。電源周波数は、20〜50KHzの範囲で、出力に応じて変化する。電源を投入すると、出力20%で安定し、投入後約8分でバックプレート2の温度は約720℃に到達する。この温度で2分保持し加熱時間を10分とした。鋼材料は、一般にA変態点と呼ばれる変態点が約720℃に存在する。このため、適当な電力を打入すると鋼材料は720℃付近で安定する。このため、処理温度720℃は、ディスクパッドなどブレーキ部品を一定温度に処理するには好適である。熱処理後支持台4は加熱部30より搬出される。
搬出された支持台4上のディスクパッド1は、冷却部で50℃以下の温存まで冷却される。なお図10には、冷却カバー、冷却ファンなど省略している。
加熱処理後のディスクパッド1は、バックプレートと摩擦材とを接着する接着剤などが充分に脆化している。このため、バックプレートを電磁石で固定し、ナイフ状挿入刃をバックプレートと摩擦材の間に入れて力を加える方法で、簡単にバックプレートと摩擦材を分離することができた。バックプレート表面には、剥離した摩擦材残渣や塗料の炭化物などがこびり付いている。溶解により再利用する場合は、この状態で再利用可能である。一方、これらの付着物は、エアブラストによる表面研磨により除去することが可能であった。エアブラスト処理後のバックプレート表面は、付着物も無くきれいな状態であった。表面研磨後のブレーキ部品の金属部品は、バックプレートとしての再利用が可能であった。
一般的なディスクパッドを示す斜視図。 一般的なシューアセンブリーを示す斜視図。 本発明の実施例である分離装置の概略断面図。 本発明の他の実施例である分離装置の概略断面図。 本発明の他の実施例である分離装置の概略断面図。 本発明の他の実施例である分離装置の概略断面図。 本発明の熱処理工程フロー図。 本発明の他の熱処理工程フロー図。 本発明の他の実施例である分離装置の概略斜視図。 本発明の他の実施例である分離装置の概略斜視図。
符号の説明
1…ディスクパッド、2…バックプレート(金属製支持材)、3…摩擦材、4…支持台、5…シューアセンブリー、6…シューリング(金属製支持材)、7…筒型誘導加熱コイル、8…平板型誘導加熱コイル、9…搬送コロ、10…加熱ブロック、11…シースヒータ、12…加圧保持体、13…ボス穴、20…巻芯ボビン、21…絶縁板、22…スライド機構、23…架台、24…取付台、30…誘導加熱部、31…冷却部、32、32A、32B…昇降部、33、33A、33B…ローダ待期部、34、34A、34B…待期部、35…受入部、36…取出部、37…中間台、38…プレス部、39、39A、39B…ストッカ、40…整列配置部、41…移動部、42、42A、42B、42C、42D…移載ロボット、43…アライメント部、45…カセット。

Claims (10)

  1. 鋼材料である金属製支持材と、この金属製支持材に接着剤により接着された摩擦材とを備えたブレーキ部品の分離装置であって、ブレーキ部品の移動可能な支持台である載置台と、この載置台の周囲又は対向する位置に配置される誘導加熱コイルとを有し、前記金属製支持材の温度を約650℃以上に選択加熱するブレーキ部品の分離装置。
  2. 請求項1において、誘導加熱コイルが、その断面形状を、載置台を取り囲む方形とするブレーキ部品の分離装置。
  3. 請求項1において、誘導加熱コイルが、その断面形状を平板状とするブレーキ部品の分離装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかにおいて、載置台が、ブレーキ部品の投影面積以上の面積を有するブレーキ部品の分離装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかにおいて、載置台が、石英ガラス、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、ステアタイト、フォルステライト、ムライト、コーディライトの何れかを用いて形成されるブレーキ部品の分離装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかにおいて、金属製支持材が、約720℃に加熱されるブレーキ部品の分離装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかにおいて、更に金属製支持材の冷却を行う冷却部を有するブレーキ部品の分離装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかにおいて、更に金属製支持材の加熱時に発生する臭気を脱臭する脱臭部を有する分離装置。
  9. 以下の工程(a)〜(c)からなるブレーキ部品の分離方法。
    (a)鋼材料である金属製支持材と、この金属製支持材に接着剤により接着された摩擦材とを備えたブレーキ部品を、移動可能な支持台である載置台に設置する工程。
    (b)金属製支持材を誘導加熱コイルにより約650℃以上に選択加熱し、接着部分を脆化させる工程。
    (c)金属製支持材と摩擦材とを分離する工程。
  10. 請求項9において、更に、工程(b)の後に、金属製支持材を冷却する工程を有するブレーキ部品の分離方法。
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