JP2006336808A - ブレーキ部材からの摩擦部材の分離方法及びブレーキ部材の再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低コスト、且つ短時間で容易にブレーキ摩擦材部品の金属製ベース部材から摩擦部材を剥離する摩擦部材の分離方法を提供する。また、剥離後の摩擦部材を再利用してブレーキ部材を再生する方法を提供する。
【解決手段】 接着層を介して接着されることにより構成されたブレーキ部材の金属製ベース部材と摩擦部材とを分離する方法において、前記ブレーキ部材を熱処理し、その直後にブレーキ部材に水を噴霧することを特徴とするブレーキ部材の金属製ベース部材と摩擦部材との分離方法。熱処理直後にブレーキ部材に水を噴霧する際、前記金属製ベース部材に水を噴霧することが好ましい。更に、剥離した摩擦部材を粉砕して摩擦部材の配合材料として使用する。
【選択図】 図1
【解決手段】 接着層を介して接着されることにより構成されたブレーキ部材の金属製ベース部材と摩擦部材とを分離する方法において、前記ブレーキ部材を熱処理し、その直後にブレーキ部材に水を噴霧することを特徴とするブレーキ部材の金属製ベース部材と摩擦部材との分離方法。熱処理直後にブレーキ部材に水を噴霧する際、前記金属製ベース部材に水を噴霧することが好ましい。更に、剥離した摩擦部材を粉砕して摩擦部材の配合材料として使用する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、使用済み及び工場における不良品のブレーキ部材(ディスクブレーキパッド、ドラムブレーキライニング)からの摩擦部材の分離方法、並びに分離した摩擦部材を再利用するブレーキ部材の再生方法に関する。
従来、車両用ブレーキ装置等に組み込まれるブレーキパッドやブレーキシューなどのブレーキ部材は、使用限度を越える度に新規(新品)ブレーキ部材に交換されていた。
しかし、近年環境問題が厳しくなり、各種産業分野において資源の再利用化が図られている。このためブレーキ部材の製造メーカーも例外でなく、資源の再利用化が進められている。しかしながら、ブレーキ部材の再利用に関する技術は確立されておらず、ブレーキ部材はなお「使い棄ての部品」として扱われている。
しかし、近年環境問題が厳しくなり、各種産業分野において資源の再利用化が図られている。このためブレーキ部材の製造メーカーも例外でなく、資源の再利用化が進められている。しかしながら、ブレーキ部材の再利用に関する技術は確立されておらず、ブレーキ部材はなお「使い棄ての部品」として扱われている。
市場で回収された使用済みブレーキ部材及び工場における不良品のブレーキ部材の摩擦部材を再び摩擦材原料としてリサイクルする場合、「特許文献1」に記載された方法では、金属プレートからなるベース部材をガスバーナーで熱し、摩擦部材と金属製ベース部材との間の接着材層を炭化させることによって分離することが可能である。しかし、摩擦部材の接着が強力な場合、熱した後の分離に作業者がハンマーやプレスを使って剥がす必要があった。
分離した摩擦部材(剥離したものであるので「剥離材」ともいう)の再利用に関しては「特許文献1」等に記載されているが、「特許文献1」における剥離材は金属製プレートのベース部材の部分のみ熱処理していることから、剥離材の組成はほぼ処理前の組成を維持している。また、別の方法によれば、ブレーキ部材全体を600℃以上で熱処理すると、その熱処理時間によっては摩擦部材の有機分が炭化する。
分離した摩擦部材(剥離したものであるので「剥離材」ともいう)の再利用に関しては「特許文献1」等に記載されているが、「特許文献1」における剥離材は金属製プレートのベース部材の部分のみ熱処理していることから、剥離材の組成はほぼ処理前の組成を維持している。また、別の方法によれば、ブレーキ部材全体を600℃以上で熱処理すると、その熱処理時間によっては摩擦部材の有機分が炭化する。
前者の方法では剥離材に有機分がそのまま残っていることから、リサイクルする場合、摩擦部材に製造上必要なバインダーレジンやアラミドパルプ等の有機材料を添加すると有機分過剰となってしまう。この場合有機分の割合に制限され剥離材の使用率を高くできないため、配合設計に制約を受ける。一方、後者の方法では有機分が炭化し、ほぼ消失していることから製造上必要な有機分を添加しても有機分過剰にならない。配合設計の自由度は後者が勝るが、従来の方法では摩擦部材と金属製ベース部材との分離と、分離後の剥離材の熱処理の2段階処理が必要であり、手間がかかった。
特開2002−81478号公報
しかしながら、従来の熱処理による摩擦部材の分離においては、金属製ベース部材と摩擦部材の接着強度が大きい場合、両者を剥離することが容易でない場合があった。剥離を容易にするために熱処理温度を上げると、摩擦部材の成分が熱分解するか、あるいは熱により変質するために、摩擦部材の回収割合が低下するので、熱処理温度を上げないで両者を容易に剥離することができるようにすることが望まれていた。
従って、本発明の課題は、低コスト、且つ短時間で容易に摩擦部材を剥離することができる、ブレーキ部材からの摩擦部材の分離方法を提供することである。また、摩擦部材の剥離後、摩擦部材をほとんど全部再利用して成形するブレーキ部材の再生方法を提供することである。
従って、本発明の課題は、低コスト、且つ短時間で容易に摩擦部材を剥離することができる、ブレーキ部材からの摩擦部材の分離方法を提供することである。また、摩擦部材の剥離後、摩擦部材をほとんど全部再利用して成形するブレーキ部材の再生方法を提供することである。
本発明は、下記(1)〜(4)の手段により前記の課題を解決した。
(1)金属製ベース部材と摩擦部材とが接着層を介して接着されることにより構成されたブレーキ部材の前記金属製ベース部材と摩擦部材とを分離する方法において、前記ブレーキ部材を熱処理し、その直後にブレーキ部材に水を噴霧することを特徴とするブレーキ部材の金属製ベース部材と摩擦部材との分離方法。
(2)ブレーキ部材に水を噴霧する際、前記金属製ベース部材に水を噴霧することを特徴とする前記(1)に記載の摩擦部材の分離方法。
(3)摩擦部材を金属製ベース部材から分離する際、前記金属製ベース部材に外部から力を加えることなく摩擦部材を分離することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の摩擦部材の分離方法。
(4)金属製ベース部材と摩擦部材とが接着層を介して接着されることにより構成されたブレーキ部材を熱処理し、その直後にブレーキ部材に水を噴霧してブレーキ部材から摩擦部材を分離し、次いで分離された摩擦部材を粉砕し、新たな摩擦部材の配合材料として再利用することを特徴とするブレーキ部材の再生方法。
(1)金属製ベース部材と摩擦部材とが接着層を介して接着されることにより構成されたブレーキ部材の前記金属製ベース部材と摩擦部材とを分離する方法において、前記ブレーキ部材を熱処理し、その直後にブレーキ部材に水を噴霧することを特徴とするブレーキ部材の金属製ベース部材と摩擦部材との分離方法。
(2)ブレーキ部材に水を噴霧する際、前記金属製ベース部材に水を噴霧することを特徴とする前記(1)に記載の摩擦部材の分離方法。
(3)摩擦部材を金属製ベース部材から分離する際、前記金属製ベース部材に外部から力を加えることなく摩擦部材を分離することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の摩擦部材の分離方法。
(4)金属製ベース部材と摩擦部材とが接着層を介して接着されることにより構成されたブレーキ部材を熱処理し、その直後にブレーキ部材に水を噴霧してブレーキ部材から摩擦部材を分離し、次いで分離された摩擦部材を粉砕し、新たな摩擦部材の配合材料として再利用することを特徴とするブレーキ部材の再生方法。
本発明によれば次のような優れた効果が得られる。
1)摩擦部材が接着剤により金属製ベース部材に接着された構成のブレーキ部材で、市場回収されたもの(使用済み)、及び工場不良品(ディスクブレーキパッド及びドラムブレーキライニング)を高温炉で熱処理した直後に金属製ベース部材に水を噴霧することにより容易に摩擦部材と金属製ベース部材とに分離することができる。
2)摩擦部材と金属製ベース部材との分離工程と摩擦材部分の有機分の分解処理を一括で行い、実質的に1段階処理で迅速に効率的に有機分が分解された剥離材(摩擦部材)を得ることが出来る。
従って、本発明における摩擦部材の分離方法によれば、ブレーキ部材の再利用に関し、摩擦部材の剥離工程に費やされる時間及びコストを大幅に減らすことができる。また、分離された摩擦部材の再利用が可能であるため、本発明の分離方法は、ブレーキ部材の再利用において極めて有用である。
1)摩擦部材が接着剤により金属製ベース部材に接着された構成のブレーキ部材で、市場回収されたもの(使用済み)、及び工場不良品(ディスクブレーキパッド及びドラムブレーキライニング)を高温炉で熱処理した直後に金属製ベース部材に水を噴霧することにより容易に摩擦部材と金属製ベース部材とに分離することができる。
2)摩擦部材と金属製ベース部材との分離工程と摩擦材部分の有機分の分解処理を一括で行い、実質的に1段階処理で迅速に効率的に有機分が分解された剥離材(摩擦部材)を得ることが出来る。
従って、本発明における摩擦部材の分離方法によれば、ブレーキ部材の再利用に関し、摩擦部材の剥離工程に費やされる時間及びコストを大幅に減らすことができる。また、分離された摩擦部材の再利用が可能であるため、本発明の分離方法は、ブレーキ部材の再利用において極めて有用である。
発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
なお、実施の形態及び実施例を説明する全図において、同一機能を有する構成要素は同一の符号を付けて説明する。
なお、実施の形態及び実施例を説明する全図において、同一機能を有する構成要素は同一の符号を付けて説明する。
以下、本発明に係る摩擦部材3の分離方法及びブレーキ部材1及びその再生方法について図1を参照して説明する。まず、摩擦部材3の分離方法を説明するに先立ちブレーキパッド、及びブレーキシュー等の各種ブレーキ部材1について説明する。この種のブレーキ部材1はライニングと称される摩擦部材3と、金属材料で製作された金属製ベース部材(金属プレート、プレッシャプレート、バックプレートともいう)2と、を備え、摩擦部材3は金属製ベース部材2の表面に接着剤を用いて接着層4で貼り付けられている。摩擦部材は摩擦材、ライニングともいう。
本発明は、ブレーキ部材1の接着層4を熱処理により熱分解した後、水を噴霧して他の部材との熱収縮率の差を利用して外部より力を加えることなく摩擦部材3を金属製ベース部材2から剥離する。又、本発明で熱処理されるブレーキ部材1は使用済みであっても新品であってもかまわない。
摩擦部材3を剥離するには、接着剤層と摩擦部材とを熱分解するために、ブレーキ部材、例えばディスクブレーキパッド(工場不良品)を全長数十m、炉内温度を550℃以上、好ましくは650℃〜900℃としたトンネル炉(熱源:電熱)内を熱分解に必要な時間20分〜40分、好ましくは25分〜30分をかけて通過させ、熱処理する。次に、炉から出てきたディスクブレーキパッドに、その金属製ベース部材側に水を噴霧し、温度を急激に下げることにより、金属製ベース部材から摩擦部材を外部から力を加えることなく簡単に剥離する。
摩擦部材3を剥離するには、接着剤層と摩擦部材とを熱分解するために、ブレーキ部材、例えばディスクブレーキパッド(工場不良品)を全長数十m、炉内温度を550℃以上、好ましくは650℃〜900℃としたトンネル炉(熱源:電熱)内を熱分解に必要な時間20分〜40分、好ましくは25分〜30分をかけて通過させ、熱処理する。次に、炉から出てきたディスクブレーキパッドに、その金属製ベース部材側に水を噴霧し、温度を急激に下げることにより、金属製ベース部材から摩擦部材を外部から力を加えることなく簡単に剥離する。
剥離した剥離材は乾燥させて水分を除去する。残留水分は10%以下、好ましくは5%以下になるまで乾燥する。その後ハンマーミル(スクリーン径1mm)等で粉砕し、剥離材粉砕物とする。粉砕物は2mmメッシユ以下、好ましくは1mmメッシュ以下で分級後、摩擦材の配合材料として再利用することが出来る。
本発明による摩擦部材3の分離方法によれば、摩擦部材3は水を噴霧して剥離されるため、組成の変化等が見られず新たな摩擦部材の配合材料として再利用できる。また、金属製ベース部材2(プレッシャプレート)の品質にも影響がなく、歪み除去や再焼き入れなどの後処理も必要ない。
本発明による摩擦部材3の分離方法によれば、摩擦部材3は水を噴霧して剥離されるため、組成の変化等が見られず新たな摩擦部材の配合材料として再利用できる。また、金属製ベース部材2(プレッシャプレート)の品質にも影響がなく、歪み除去や再焼き入れなどの後処理も必要ない。
本発明の実施形態では、上記した手順に従い回収した摩擦部材3の粉砕物を含む予備成形物を図2に示されるように上型31a、中型31b、下型31c及び熱板31d、31eから構成された熱成形プレス装置31に金属製ベース部材2とともに投入し、所定の温度、圧力にて加熱加圧成形してブレーキ部材1として再生することが出来る。
またなお、再利用のため回収した摩擦部材3と金属製ベース部材2とを固定する方法に関しては特に指定しないが、好ましくは、摩擦部材3の再利用を考慮して接着剤を使用して固定するとよい。なお、本発明の実施形態では、金属製ベース部材2の表面上に予め接着剤を塗布しておき、この接着剤が塗布された金属製ベース部材2と、再利用のため回収した摩擦部材3の粉砕物を含む摩擦材の予備成形物とを上記した熱成形プレス装置31にて加熱加圧して、再利用のため回収した摩擦部材3と金属製ベース部材2とを接着する。
またなお、再利用のため回収した摩擦部材3と金属製ベース部材2とを固定する方法に関しては特に指定しないが、好ましくは、摩擦部材3の再利用を考慮して接着剤を使用して固定するとよい。なお、本発明の実施形態では、金属製ベース部材2の表面上に予め接着剤を塗布しておき、この接着剤が塗布された金属製ベース部材2と、再利用のため回収した摩擦部材3の粉砕物を含む摩擦材の予備成形物とを上記した熱成形プレス装置31にて加熱加圧して、再利用のため回収した摩擦部材3と金属製ベース部材2とを接着する。
以下において、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1〜3
1)熱処理と粉砕工程(摩擦部材と金属製ベース部材の剥離)
ブレーキパッド1(工場不良品)を、全長約30m、炉内温度650℃〜900℃のトンネル炉(熱源:電熱)内に接着剤層と摩擦材の熱分解に必要な時間(25〜30分程度)をかけて通過させて処理することにより熱処理をした。炉から出てきた直後にブレーキパッドの金属製ベース部材2側に水を噴霧することにより、金属製ベース部材2が急冷されて収縮することにより、金属製ベース部材2と摩擦部材3との間に亀裂が入り、摩擦部材3が浮いた状態となり、金属製ベース部材2と摩擦部材3とを外部から力を加えることなく簡単に分離できた。分離された剥離材(摩擦部材)3を乾燥させ、水分を5%以下とした後ハンマーミル(スクリーン径1mm)で粉砕し、粉砕物を得た。粉砕物を1mmメッシユ、2mmメッシュで分級後、摩擦材の配合材に供した。摩擦部材3と金属製ベース部材2の剥離工程を比較例と共に第1表にまとめた。
1)熱処理と粉砕工程(摩擦部材と金属製ベース部材の剥離)
ブレーキパッド1(工場不良品)を、全長約30m、炉内温度650℃〜900℃のトンネル炉(熱源:電熱)内に接着剤層と摩擦材の熱分解に必要な時間(25〜30分程度)をかけて通過させて処理することにより熱処理をした。炉から出てきた直後にブレーキパッドの金属製ベース部材2側に水を噴霧することにより、金属製ベース部材2が急冷されて収縮することにより、金属製ベース部材2と摩擦部材3との間に亀裂が入り、摩擦部材3が浮いた状態となり、金属製ベース部材2と摩擦部材3とを外部から力を加えることなく簡単に分離できた。分離された剥離材(摩擦部材)3を乾燥させ、水分を5%以下とした後ハンマーミル(スクリーン径1mm)で粉砕し、粉砕物を得た。粉砕物を1mmメッシユ、2mmメッシュで分級後、摩擦材の配合材に供した。摩擦部材3と金属製ベース部材2の剥離工程を比較例と共に第1表にまとめた。
2)剥離材の分析
示差熱分析によりTG/DTA曲線を得た。ここで、配合材として用いられる有機化合物(フェノール樹脂:分解温度約580℃、ゴムダスト:分解温度約250℃、カシューダスト:分解温度約300℃、アラミド繊維:分解温度約450℃)は、存在していればエアフロー中650℃でほぼ完全分解する条件である。すなわち約250℃から550℃の間で配合割合に応じて重量減少が生じる。
実施例1〜実施例3は、示差熱分析の結果、有機分はほぼ熱分解し摩擦部材3に含まれる有機成分(ゴムダスト、カシューダスト)の分解による重量減少は見られなかった。
示差熱分析によりTG/DTA曲線を得た。ここで、配合材として用いられる有機化合物(フェノール樹脂:分解温度約580℃、ゴムダスト:分解温度約250℃、カシューダスト:分解温度約300℃、アラミド繊維:分解温度約450℃)は、存在していればエアフロー中650℃でほぼ完全分解する条件である。すなわち約250℃から550℃の間で配合割合に応じて重量減少が生じる。
実施例1〜実施例3は、示差熱分析の結果、有機分はほぼ熱分解し摩擦部材3に含まれる有機成分(ゴムダスト、カシューダスト)の分解による重量減少は見られなかった。
比較例1〜3
1)熱処理と粉砕工程
廃摩擦材の接着部分を「特許文献1」に示される方法で熱処理し、廃摩擦材を剥離材として回収した。具体的にはディスクブレーキパッドをガスバーナーからの熱を受けるように金属製ベース部材を上向きにして置きパッドの表面焼き用のトンネル炉を通した。金属製ベース部材を除去後、剥離材を700℃の炉で焼成処理して有機分を除去した。焼成物を粉砕し、平均粒径0.3mm、最大粒径1mmに調整した。
1)熱処理と粉砕工程
廃摩擦材の接着部分を「特許文献1」に示される方法で熱処理し、廃摩擦材を剥離材として回収した。具体的にはディスクブレーキパッドをガスバーナーからの熱を受けるように金属製ベース部材を上向きにして置きパッドの表面焼き用のトンネル炉を通した。金属製ベース部材を除去後、剥離材を700℃の炉で焼成処理して有機分を除去した。焼成物を粉砕し、平均粒径0.3mm、最大粒径1mmに調整した。
比較例1〜3の焼成物は、示差熱分析の結果、実施例1〜実施例3と同様に有機成分の分解による重量減少は見られなかった。以上より、実施例による1段の熱処理剥離工程で従来の2段処理法と同等の熱的特性を持つ剥離材3が得られた。
3)摩擦材特性の同等性確認
3−1)パッドの製造方法
配合材(配合内容:第2表)を、通常の工程である、撹拌、予備成形、熱成形、加熱、研磨等の工程を経て、摩擦材の完成品を得た。
3−1)パッドの製造方法
配合材(配合内容:第2表)を、通常の工程である、撹拌、予備成形、熱成形、加熱、研磨等の工程を経て、摩擦材の完成品を得た。
すなわち、第2表に示した配合材を計量、配合、攪拌後、成形金型に投入し、常温で、面圧30MPa程度の圧力にて成形して、図1に示す摩擦部材3の予備成形体を作製した。上記の如く処理された金属製ベース部材2及び摩擦部材3の予備成形体を、次いで熱成形工程に移した。熱成形工程では、先ず、熱プレス機内に予備加熱された金属製ベース部材2を高温を維持した状態でセットし、その上に予備成形体を載せた。熱成形温度160℃で所定の圧力下で所定時間保持して予備成形体の熱硬化とともに、金属製ベース部材2と予備成形体とを接着剤4により一体に固着させた。
熱成形に際して金属製ベース部材2が予熱されているために極めて短時間の内に熱成形が完了し、熱成形工程として大幅な時間短縮を実現した。その後、従来の方法に従って加熱工程でアフタキュア、仕上げ工程で仕上げ処理が施されてブレーキパッド1が完成した。
熱成形に際して金属製ベース部材2が予熱されているために極めて短時間の内に熱成形が完了し、熱成形工程として大幅な時間短縮を実現した。その後、従来の方法に従って加熱工程でアフタキュア、仕上げ工程で仕上げ処理が施されてブレーキパッド1が完成した。
3−2)摩擦試験
上記3−1によって得られたブレーキパッドに対して、曲げ試験(JIS D 4311)及び性能試験(JASO C406)を行い、曲げ強度及び摩擦係数を調べた。試験結果を第3表に示す。第3表に示す摩擦係数は、第2効力試験(JASO C406)(50、100、130km/h、0.6Gの平均)時の摩擦係数である。実施例1〜実施例3と比較例1〜比較例3はそれぞれ同等の特性を示した。
上記3−1によって得られたブレーキパッドに対して、曲げ試験(JIS D 4311)及び性能試験(JASO C406)を行い、曲げ強度及び摩擦係数を調べた。試験結果を第3表に示す。第3表に示す摩擦係数は、第2効力試験(JASO C406)(50、100、130km/h、0.6Gの平均)時の摩擦係数である。実施例1〜実施例3と比較例1〜比較例3はそれぞれ同等の特性を示した。
(総合評価)
本発明の摩擦材剥離法によれば従来法に比べ、摩擦部材3と金属製ベース部材2が接着剤4により接着されているディスクブレーキパッド又はドラムブレーキライニングにおいて容易に摩擦部材3と金属製ベース部材2を分離でき、同時により少ない工程数で剥離材が得られる。得られた剥離材の摩擦材原料としての特性とこれを用いて製造された摩擦材3の特性は同等であった。
本発明の摩擦材剥離法によれば従来法に比べ、摩擦部材3と金属製ベース部材2が接着剤4により接着されているディスクブレーキパッド又はドラムブレーキライニングにおいて容易に摩擦部材3と金属製ベース部材2を分離でき、同時により少ない工程数で剥離材が得られる。得られた剥離材の摩擦材原料としての特性とこれを用いて製造された摩擦材3の特性は同等であった。
本発明における摩擦部材の剥離方法によれば、産業機械、鉄道車両、荷物車両、乗用車などに用いられる回収したブレーキパッド等のブレーキ部材の剥離回収工程に費やされる時間及びコストを大幅に減らすことができ、摩擦部材の再利用に有効である。
1 ブレーキ部材
2 金属製ベース部材
3 摩擦部材
4 接着層
31 熱成型プレス装置
31a 上型
31b 中型
31c 下型
31d、31e 熱板
2 金属製ベース部材
3 摩擦部材
4 接着層
31 熱成型プレス装置
31a 上型
31b 中型
31c 下型
31d、31e 熱板
Claims (4)
- 金属製ベース部材と摩擦部材とが接着層を介して接着されることにより構成されたブレーキ部材の前記金属製ベース部材と摩擦部材とを分離する方法において、前記ブレーキ部材を熱処理し、その直後にブレーキ部材に水を噴霧することを特徴とするブレーキ部材の金属製ベース部材と摩擦部材との分離方法。
- ブレーキ部材に水を噴霧する際、前記金属製ベース部材に水を噴霧することを特徴とする請求項1に記載の摩擦部材の分離方法。
- 摩擦部材を金属製ベース部材から分離する際、前記金属製ベース部材に外部から力を加えることなく摩擦部材を分離することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の摩擦部材の分離方法。
- 金属製ベース部材と摩擦部材とが接着層を介して接着されることにより構成されたブレーキ部材を熱処理し、その直後にブレーキ部材に水を噴霧してブレーキ部材から摩擦部材を分離し、次いで分離された摩擦部材を粉砕し、新たな摩擦部材の配合材料として再利用することを特徴とするブレーキ部材の再生方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008196576A (ja) * | 2007-02-13 | 2008-08-28 | Hitachi Chem Co Ltd | ブレーキ部品の分離装置及び分離方法 |
CN104250691A (zh) * | 2013-06-25 | 2014-12-31 | 深圳市格林美高新技术股份有限公司 | 一种半金属混合物型刹车片的回收利用方法 |
JP2016180461A (ja) * | 2015-03-24 | 2016-10-13 | 靖 高岡 | ブレーキ摩擦部材剥離用切断刃およびブレーキ摩擦部材剥離装置 |
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2005
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