JP4821389B2 - スタッカークレーンの駆動制御装置 - Google Patents

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Description

半導体製造、液晶表示パネル等の製造工場に於いて、製造途中にある中間製品を工程時間調整等の目的で一時的に保管、収納するストッカ内に設置され、ストッカ内に設けられた棚への中間製品の格納又は取り出し作業を行うスタッカークレーンに関する。中でも、高層ストッカに設置される高層スタッカークレーンに関する。
典型的な半導体工場クリーンルームのレイアウトでは、複数の工程内間環状軌道およびこれら複数の工程内環状軌道を連結する工程間軌道が敷設され、ウエハなど基板に一連の処理加工(薄膜形成、フォトリソグラフィー、洗浄、エッチング、検査等)を施す半導体処理装置や、加工途中の基板等を一時的に保管するストッカがこれら工程内間環状軌道や工程間軌道に隣接して配置される。通常ウエハ等基板はFOUP等の塵埃汚染からの保護可能な専用収納容器に収納され、これら半導体処理装置やストッカ間を搬送される。
また、ウエハ等の基板の処理工程は、当該基板が収納されるFOUPに取り付けられたタグで管理され、工程を統括するコントローラはタグ情報に基づき基板を認識し、加工処理の指示を出す。
FOUPは基板の塵埃汚染からの保護を目的として、複数の基板をスリットに差込み収納保管する容器であるが、塵埃汚染から保護するため、搬送中は気密状態に保たれる。 また、FOUPは各半導体処理装置での処置を実施する時のみ、前面扉が開放され、基板移載手段により基板は一枚ずつ取り出され、必要な処理の終了後は再度基板移載手段によりFOUP内に格納され前面扉が閉じられる。
なお、クリーンルーム内に於けるFOUP搬送手段にはOHT搬送台車、無人搬送車、ローラコンベア搬送システムなどが多用される。
ところで、一連の半導体製造プロセスでは、FOUPに収納される基板は処理を受ける処理ステーションの処理の種類によって処理時間が様々に異なる。従って、常にある処理の終了した基板を収納するFOUPが、直ちに次の処理装置に引き取られ、次の処理をタイムリー受けるとは限らない。このことは、ある処理の終了した基板を収納するFOUPを次工程の処理装置に供給するまでに待ち時間の発生する場合のあることを意味し、更には、この工程待ちのFOUPを一時保管する保管手段が必要となることを意味する。通常この目的で設置されるFOUP保管手段がストッカである。
ストッカは高さ方向全面に碁盤目状に設けられた棚と、スタッカークレーンから構成され、スタッカークレーンは高さ方向全面に配置された各棚に位置合わせし、棚へのFOUPの搬入、搬出の荷役動作を行う。ストッカ内へのFOUPの搬入は、ある半導体製造装置での処理が終了し、次工程の半導体処理措置での処理までに待ち時間のある場合に発生し、搬出は半導体製造装置からストッカ内に保管されたFOUPに対し処理要求が出されることにより発生する。
さて、前記棚へのFOUPの搬入及び前記棚からのFOUPの搬出には、スタッカークレーンが用いられる。
このスタッカークレーンは、水平方向に敷設された軌道に沿って走行制御を受ける本体と、この本体の要部をなすマストにおいて、上下方向に移動制御を受ける昇降体とから構成され、前記昇降体にはロボットハンドが設けられ、このロボットハンドによって前記棚へのFOUPの搬入及び前記棚からのFOUPの搬出が行われる。
ところで、前記ストッカ内の荷役に用いられるスタッカークレーンは、ストッカ内の棚の段数に応じて必要な高さが増し、複数階を貫通させて設けられる高層ストッカでは通常、かなりの高さとなる。高層ストッカでは走行時のマストの撓み、停止時のマスト上端部における振動の制定時間が問題となる。即ち、マストの撓みはスタッカークレーンの位置合わせ精度に、また振動の制定時間は、スタッカークレーンがマスト振動の減衰後でしか搬出入作業のできないことから作業能率に大きく影響を与える。これら問題の解決策として慣用される技術は、マスト剛性を高める方法であるが、この慣用技術ではマストの大型化、マスト走行に必要とされる動力の増大を来し、その適用には限界があった。
前記慣用技術では対応不可能として、これら問題等の改善を図るための先行技術として下記特許文献1、2がある。
先ず、特許文献1に開示の技術は、図1に示されるようなスタッカークレーンに係る技術であって、当該スタッカークレーンの要部構成としてのマスト1の上部と、下部とに夫々上部走行駆動装置2と、下部走行駆動装置3とを設け、下部走行駆動装置3でスタッカークレーンの走行制御、位置制御を行う構成を基礎としている。
そして、この特許文献1の特徴は、前記下部走行駆動装置3の速度信号(速度0の制動信号を含むものと解される)に基づいて上部走行駆動装置の駆動乃至制動を行い、当該上部走行駆動装置2でマスト1の振動抑制を行うようにしている。
一方、特許文献2に開示の技術は、特に機体の高いスタッカークレーンにおいて、走行停止時に発生する振動の抑制と、当該スタッカークレーンの上端部の正確な位置決めを図るための構成を要旨としている。
そして、この特許文献2の特徴は、図1及び図2に示されるように、スタッカークレーンの支柱1の上部走行方向に沿って配置される天井レール6に対し、スタッカークレーンの上フレーム2の端部に固定される押付ローラ11を押付け、スタッカークレーンの安定走行を図っている。
更に、スタッカークレーンが所定箇所において停止し、昇降体5を稼動させるに当たり、
スタッカークレーンの上下端部同士のずれ相当分を上部パルスエンコーダ16によって検知し、ずれを補正するために、上部モータ14の動力を、電磁クラッチ13を介して前記押付ローラを駆動する。
これによって、スタッカークレーンは所定停止位置にて傾斜することなくかつ、停止時において、マスト上部の振動の抑制も的確になされる。
特開2005−212919 特開平6−100109
前記のように、ストッカ内におけるFOUP載置用棚の数は、近年における半導体素子の需要の急激な伸びによって増加の一途を辿り、ひいては棚の段数も増す傾向にある。
これに伴い、ストッカ内において所定の棚へのFOUPの搬入乃至所定の棚からのFOUPの搬出を司るスタッカークレーンの高さは増している。
従って、スタッカークレーンの底部における駆動のみによっては、その走行中に受ける応力による傾斜或いは停止時の上方部における振動を抑制するためにスタッカークレーンのマストの剛性を増す必要が生じ、ひいてはスタッカークレーンの大型化、重量増大化を来たす。
このように前記マストの剛性の増大を来すことなくスタッカークレーンをストッカ内の所定の経路を走行させる場合は、止む無く走行速度を落とさざるを得ないため、所望の搬送効率が望めない。
このような課題を解決しようとする特許文献1の技術は、スタッカークレーンのマスト上部と下部とに夫々上部走行駆動装置2と下部走行駆動装置3とを設けていることからマストを変形させる力が抑制され、特にマストの剛性を高くする必要がなく、マストの大型化、重量増大化は回避できる。
また、上部走行駆動装置2と下部走行駆動装置3の制動作用も同期して与えられマスト上部における振動は防止できる。
しかし、上部走行駆動装置2の駆動輪21は、磨耗ほかの要因で外径が変動することがあり、下部走行駆動装置3の駆動/制動等の制御信号にて動作しても、上部走行距離と下部走行距離に食い違いが生じ、スタッカークレーン停止時において、スタッカークレーンのマストは必ずしも垂直状態を維持できるとは限らない。
従って、このマストの傾斜状況によっては、このマストの上下方向に沿って案内される昇降体7が所定の棚に対して正規に位置決めできない恐れがある。
一方、特許文献2の技術は、前記機構に基づいてスタッカークレーンが所定の位置にて停止した場合、主柱1は、常に直立に規制される利点がある。
しかし、スタッカークレーンの始動時から電磁クラッチ13への通電によってローラ11がブレーキとして動作するまでは、もっぱら下部モータ19のみで駆動されるため、とりわけスタッカークレーンの始動時に大きな慣性力が主柱に作用し、加速度に制限を受け、ひいては稼動率の低下を招く恐れがある。
また、スタッカークレーンの停止時にその主柱を垂直に規制するための構成及び制御が煩雑で、高価となる傾向がある。
そこで、本発明の目的は、スタッカークレーンの高さの如何に拘らずその剛性を増すことなく、当該スタッカークレーンの走行時における撓みを生じず、かつ、停止時におけるスタッカークレーンの上端部の振動減衰時間を著しく短縮し、スタッカークレーンの走行停止後、遅滞なくスタッカークレーンのマストの上下方向に昇降体を走行させ、当該昇降体に設置されているロボットの稼動を開始できるスタッカークレーンの駆動制御装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
前記課題を解決するため、請求項1に記載のスタッカークレーンの駆動制御装置は、所定の方向に敷設されたレールに沿って走行制御を受ける本体要部が、垂直に立設されるマストと、該マストを上下方向に移動制御を受ける昇降体とから構成され、前記マストの上部走行駆動装置と、下部走行駆動装置と、を設け、前記マストの上部及び下部の走行速度が略等しくなるように、前記上部走行駆動装置及び下部走行駆動装置への速度及び位置の何れかの指令信号を供給する手段と、
前記マストの走行停止以降であって前記昇降体が荷役開始前に上部走行駆動装置の固定側に対する駆動拘束力を開放する手段を備えたことを特徴とする。
この請求項1に係る発明によれば、スタッカークレーンの昇降体案内用マストの高さが増しても、スタッカークレーンの要部構成としてのマストの剛性を特に強化する必要がなく、これに伴い、スタッカークレーン全体の重量は抑制され、走行に要する動力は軽減される。
従って、スタッカークレーンが特定の停止位置から所定の位置まで走行するに当り、加減速度を高めることができ、スタッカークレーンの稼動率の向上を図ることができる。
さらに、下部走行駆動装置と上部走行駆動装置とが略同一スピードに制御されるので走行時に生じるマストの撓みは僅かであり、スタッカークレーンが所定の位置に停止する際、上部駆動源の開放前に生じた下部と上部の走行距離の食い違いに起因するマストの傾斜も僅かとなり、このマスト傾斜に起因して発生するマスト上部の振動も最小限に押さえられ、ごく短時間で消滅するため、マストに沿って昇降する昇降体の正規な昇降動作を妨げることはない。
また、所定の位置まで走行後上部駆動拘束源は開放されるので、上部駆動拘束源の開放前に生じた下部と上部の走行距離の食い違いに起因するマストの傾斜は、マスト自体の剛性により解消され、目的棚位置に対し正確に位置合わせできる。
請求項2に記載のスタッカークレーンの駆動制御装置は、請求項1に記載のスタッカークレーンの駆動制御装置において、上部走行駆動装置の固定側に対する駆動拘束力を遮断する手段が、電磁クラッチを使用すること、及び前記電磁クラッチを使用せず駆動モータの励磁を断とする方法の何れかであることを特徴とする。
この請求項2に係る発明によれば、引用先の請求項1に係る発明の効果は元より上部走行駆動装置の動力の開放動作を、タイムラグを有することなくほぼ瞬時に行うことができる。
請求項3に記載のスタッカークレーンの駆動制御装置は、請求項1又は2に記載のスタッカークレーンの駆動制御装置において、前記上部走行駆動装置の固定側に対する駆動拘束力を開放する時点を前記マストの走行停止時点とすることを特徴とする。
この請求項3に係る発明によれば、引用先の請求項1又は2に係る発明の効果は元より上部走行駆動装置の動力の開放動作を、スタッカークレーンのマスト上部の振動を抑制する適切なタイミングにて行うことができる。
請求項4に記載のスタッカークレーンの駆動制御装置は、請求項1乃至3の何れかに記載のスタッカークレーンの駆動制御装置において、下部走行駆動装置の駆動源としてサーボモータを使用し、上部走行駆動装置の駆動源として、モータの駆動軸に減速機構を介してガイドレールに圧接されるゴム弾性体からなるタイヤを備えていることを特徴とする。
この請求項4に係る発明によれば、引用先の請求項1乃至3の何れかに係る発明の効果は元より下部走行駆動装置の駆動源としてサーボモータを用いることに伴いスタッカークレーンを所定の搬送元から所定の搬送先に高精度な移動が実現でき、上部走行駆動装置はさほど精度を要求されないウレタンゴムなどのゴム弾性体からなるタイヤを用いる安価な構成にて賄うことが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
先ず、この実施の形態に関連する図面の概要を述べると、図1は本発明が適用されるスタッカークレーンの正面図、図2は図1の一部詳細図、図3は動作を説明するためのフローチャート、図4はスタッカークレーンの停止時の振れ状態を示す特性図である。
次に、本発明を適用する基礎となる構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1において、1はスタッカークレーン走行用レール、2はスタッカークレーン上部フレーム案内用レールで、夫々ウエハ等の基板を収納したFOUP保管用棚を縦横に配列したストッカ内の所定の経路に沿って敷設される。3はスタッカークレーンで、上下方向に延びるマスト3aと、当該マスト3aの上下両端部に夫々設けられる上部フレーム3b、下部フレーム3cにて本体を構成している。
31は走行輪で、駆動輪31a及び遊輪31bからなり、前記下部フレーム3cに支持され、スタッカークレーン走行用レール1上を走行できるように構成されている。32は第1の駆動機構で、モータ、減速機構、ブレーキを保有し、スプロケットとチェーンとの連結等周知の動力伝達手段にて、駆動輪31aに動力を伝達し、スタッカークレーン3を水平方向に、所定の搬送元から所定の搬送先に移動させる。また、レールに沿い図示しないラックが設けられこれと対をなすピニオンがスタッカークレーン本体に設けられている。
33は下部ガイドローラで、前記走行用レール1を挟むように両側一対のローラからなり、走行輪31が全て走行用レール1上から外れないように規制している。34は昇降体で、マスト3aの上下方向に沿って摺動自在な案内部材34aに水平状態を維持できるように支持されている。35は第2の駆動機構で、モータ、減速機構、ブレーキ、リールを備え、ワイヤー35aの巻取り、繰出しを司る。
そして、前記第2の駆動機構35から巻取り、繰出し作用を受けるワイヤー35aは定滑車35bにて方向転換のうえ、当該ワイヤー35aの端部が前記案内部材34aに固定される。
この構成によって、昇降体34は、ワーヤー35aが第2の駆動機構35によって繰出されるときは降下し、ワーヤー35aが駆動機構35によって巻取られるときは上昇するように上下動制御を受ける。
36は第3の駆動機構である。37、38は上部ローラで、スタッカークレーン3の上部フレーム案内用レール2の両側に圧接されている。そして、一方のローラ37が前記第3の駆動機構に36よって駆動される。
これらの第3の駆動機構36、上部ローラ37、38の具体的構成を図2をも参照して説明する。
先ず、第3の駆動機構36は、モータ36a、減速機構36b、電磁クラッチ36cから構成され、スタッカークレーン3の上部フレーム3bの走行方向における1端部に固定される。そして、電磁クラッチ36cの入力軸36cyが減速機構36bの出力側に、出力軸36cxが前記ローラ37に連結されている。
なお、前記電磁クラッチ36cは、入力軸36cyの内方端には、フェーシング36cuが固定され、出力軸36cyの内方端部には、軸方向に移動できるようにスプライン係合するアーマチュア36cvを設けている。
そして、このアーマチュア36cvは、例えば、無励磁作動形電磁クラッチでは、図示しないコイルの無励磁時には、図示しないばねの復帰力によって前記フェーシング36cuに圧接し、前記フェーシング36cuと、前記アーマチュア36cvとは互いの対向面が圧接し、電磁クラッチ36cの入力軸36cyから出力軸36cxへ動力が伝達される。
一方、図示しないコイルへの励磁時には、図示しないばねの復帰力に対して電磁力が勝り、アーマチュア36cvは点線の位置に移動し、電磁クラッチ36cの入力軸36cyから出力軸36cxへの動力の伝達は解除される。
39(図1参照)はパルスエンコーダで、スタッカークレーン3の走行距離が一定量増す毎にカウントし、このカウント数によって所定の搬送元から所定の搬送先までの距離を測定する。
前記図1及び図2の構成において、その作用を図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
第1ステップ(S1):
第1、第3の駆動装置32、36が保有する各モータに対して略同期を得るように制御信号を与え、各モータを駆動させる。
第2ステップ(S2)
第1、第3の駆動装置32、36の動作に伴って、スタッカークレーン3は上下各フレーム3b、3cが駆動力を受けて所定の搬送元から所定の搬送先に走行する。
この際、所定の搬送先にスタッカークレーン3が到達していない(パルスエンコーダ39が所定の計数値に達していない)場合は前記第1、第3の駆動装置32、36を動作させ、スタッカークレーン3を更に走行させ、所定の搬送先にスタッカークレーン3が到達した(パルスエンコーダ39が所定の計数値に達した)場合には、前記第1、第3の駆動装置32、36の動作を停止させる。
第3ステップ(S3):
スタッカークレーン3を停止させる。
第4ステップ(S4):
第3の駆動装置36の構成要素としての電磁クラッチ36cの動力伝達作用を解き、駆動ローラ37、38をフリーな状態とする。
第5ステップ(S5):
スタッカークレーン3が停止し、前記電磁クラッチ36cの動力伝達作用を解く直前には、スタッカークレーン3はやや傾斜している。この原因はスタッカークレーン3の移動距離を規制する第1の駆動装置32による位置精度がラックピニオンにより正確に維持されるのに対して、第3の駆動装置36の走行距離精度が当該第3の駆動装置によって駆動される駆動ローラ37の上部フレーム案内用レールへの接触状態の変化や、当該駆動ローラ37の磨耗などに起因して変動することによる。
従って、スタッカークレーン3の停止以降、前記クラッチ36cの動力伝達作用を解いた直後スタッカークレーン3は微視的に見れば僅かな振れが残っている。
このようなスタッカークレーン3の振れは、スタッカークレーン3の上部フレーム3bを駆動する第3の駆動装置36がない場合(図4の点線参照)に比べて少ない(図4の実線参照)ので殆どスタッカークレーン3の停止直後に昇降体34は稼動のため昇降できる状況にあるが、昇降可能状態の確認を行う。
第6ステップ(S6):
第5ステップにて、上部フレームの振れが昇降体34の動作可能の範囲である確認を得た際、昇降体34の動作を開始する。この上部フレームの振れ状態は、周知の検出器(光電検知装置ほか)にて検出できる。
なお、図4の横軸はスタッカークレーン3の停止時点からの時間(t)を、縦軸はスタッカークレーン3の振れの振幅(w)を夫々示し、昇降体34の稼動が許容される振れの範囲をL1、L2にて表示している。
図1に示す第3の駆動機構36は、モータ36a、減速機構36b、電磁クラッチ36cから構成され、モータ36aのローラ37に対する駆動力の連結と開放は電磁クラッチ36cにより実施されるが、同様の効果は電磁クラッチ36cを除いても実現可能である。
この場合、図2においてモータ36aにサーボモータを用い、減速機構36bの出力側をローラ37に連結する構成となる。また、ローラ37の駆動拘束力の開放はサーボモータのサーボオフで実施できる。
前記パルスエンコーダ39は、正確にスタッカークレーン3を位置決めすることができるがこれに代え、若しくはこれとともに第1の駆動装置32の駆動モータとしてサーボモータを採用する。
前記上部ローラ37、38における前記案内レール2に接するタイヤ部材としてウレタンゴムを使用することにより、コスト面、耐久面においての効果を期待できる。
本発明が適用されるスタッカークレーンの正面図である。 図1の一部詳細図、 動作を説明するためのフローチャートである。 スタッカークレーンの停止時の振れ状態を示す特性図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・スタッカークレーン走行用レール
2・・・・・・・・・スタッカークレーン上部フレーム案内用レール
3・・・・・・・・・スタッカークレーン
3a・・・・・・・・マスト
32・・・・・・・・第1の駆動機構
35・・・・・・・・第2の駆動機構
34・・・・・・・・昇降体
36・・・・・・・・第3の駆動機構
36a・・・・・・・モータ
36b・・・・・・・減速機構
36c・・・・・・・電磁クラッチ
39・・・・・・・・パルスエンコーダ

Claims (4)

  1. 床及び天井に敷設されたレールに沿い所定の方向に走行制御を受けるスタッカークレーンであって、
    前記スタッカークレーンの本体要部が垂直に立設されるマストと、該マストを上下方向に移動制御を受ける昇降体とから構成され、
    前記マストに上部走行駆動装置と、下部走行駆動装置と、を設け、
    前記マストの上部及び下部の走行速度が略等しくなるように、前記上部走行駆動装置及び下部走行駆動装置への速度及び位置の何れかの指令信号を供給する手段と、
    前記マストの走行停止直後、前記昇降体が荷役開始前に上部走行駆動装置の固定側に対する駆動拘束力を開放する手段を備えたことを特徴とするスタッカクレーンの駆動制御装置。
  2. 前記上部走行駆動装置の固定側に対する駆動拘束力を遮断する手段が、電磁クラッチを使用すること、及び前記電磁クラッチを使用せず駆動モータの励磁を断とする方法の何れかであることを特徴とする請求項1に記載のスタッカクレーンの駆動制御装置。
  3. 前記上部走行駆動装置の固定側に対する駆動拘束力を開放する時点を前記マストの走行停止時点とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタッカクレーンの駆動制御装置。
  4. 下部走行駆動装置の駆動源としてサーボモータを使用し、上部走行駆動装置の駆動源として、モータの駆動軸に減速機構を介してガイドレールに圧接されるゴム弾性体からなるタイヤを備えていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のスタッカクレーンの駆動制御装置。


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