JP4820854B2 - 光受信器 - Google Patents

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Description

本発明は、光受信器に関し、特に、DQPSK変調された光信号を多レベルの位相変調信号に復調する光受信器に関する。
通信トラフィックの増大に伴い、高速・大容量化が求められる次世代長距離大容量光通信システムでは、多値変復調符号化技術の導入が検討されている。その代表的なものの一つに差動四相位相偏移変調(DQPSK変調,Differential Quadrature Phase Shift keying)方式がある。この方式では、従来の2値強度変調(OOK)方式と比べ、信号帯域が狭く、周波数利用効率の向上や伝送距離の拡大が実現できるほか、高感度化も期待できる。
まず、四相位相偏移変調(QPSK変調,Quadrature Phase Shift keying)方式は、2ビットのデータから構成される各シンボル「00」,「01」,「11」及び「10」に対して、「θ」,「θ+π/2」,「θ+π」及び「θ+3π/2」が割り当てられる。ここで、「θ」は任意の位相である。そして、受信器は、受信信号の位相を検出することにより、送信データを再生する。QPSK変調方式を比較的容易に実現する手段として、DQPSK変調方式があり、DQPSK変調では、先に送信したシンボルの値と次に送信するシンボルの値との間の搬送波の位相変化量(「0」,「π/2」,「π」及び「3π/2」)が送信情報の2ビットに対応付けられる。したがって、受信器は、隣接する2つのシンボル間の位相差を検出することにより、送信データを再生することができる。
特許文献1又は2に示すように、DQPSK変調された光信号を復調するには、I(In-phase)信号生成用とQ(Quadrature)信号生成用の2つの遅延干渉計を必要とし、しかも、高精度で位相差を復調する必要がある。しかし、光受信器の周辺温度などの影響で、遅延干渉計内の光路長が変化し、位相が安定しないため、高精度な復調が困難となる。また、いずれの干渉計でどちらの信号成分を復調しているのかが識別できないなど問題があった。また、光信号を分岐し2つの干渉計に導入するまでの光路長差や、各干渉計を構成する光路長の差を、最適に調整する必要があり、制御系が極めて複雑化するという問題を生じていた。
特開2006−295603号公報 特開2007−158852号公報
本発明が解決しようとする課題は、上述したような問題を解決し、DQPSK変調された光信号を多レベルの位相変調信号に復調する光受信器において、1つの干渉計を用いて復調が可能な光受信器を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明では、DQPSK変調された光信号を多レベルの位相変調信号に復調する光受信器において、DQPSK変調された光信号を2つに分岐し、2つの分岐光が所定位相差を有するように少なくとも一方の分岐光を遅延させ、かつ、2つの分岐光の偏波面が直交関係となるように少なくとも一方の分岐光の偏波面を回転させた後、2つの分岐光を合波する、干渉手段と、該干渉手段からの出力光を分波し、かつI成分信号に対応する光波とQ成分信号に対応する光波とが光波の偏波面が直交する状態となるように分波光の偏面を調整する分波調整手段と、該分波調整手段から出力される分波光の各光強度を検出する検出手段とを備え、該検出手段の各検出信号に基づきI成分信号及びQ成分信号を生成することを特徴とする。
請求項2に係る発明では、請求項1に記載の光受信器において、該分波調整手段は、該干渉手段からの出力光を4つに分波する分波手段と、該分波手段により分波された4つの分波光のうち、2つの分波光の偏波面を45度又は225度となる位相差を与え、他の2つの分波光の偏波面を135度又は315度となる位相差を与える位相差付与手段と、45度又は225度の位相差を与えた2つの分波光の一方に対し22.5度又は202.5度の透過偏波面を、他方に対し112.5度又は292.5度の透過偏波面を有する偏光子と、135度又は315度の位相差を与えた2つの分波光の一方に対し22.5度又は202.5度の透過偏波面を、他方に対し112.5度又は292.5度の透過偏波面を有する偏光子とから構成されることを特徴とする。
本発明に係る光受信器が取り得る各種の位相差や透過偏波面に対応した角度は、特許請求の範囲に明示された数値のみに限らず、本発明の目的を達成可能な範囲において、明示された数値から若干外れた値も含むものである。
請求項3に係る発明では、請求項1に記載の光受信器において、該分波調整手段は、該干渉手段からの出力光を2つに分波する分波手段と、該分波手段により分波された各分波光の偏波面を異なる角度で位相差を与える位相差付与手段と、該偏波面の異なる各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段とから構成されることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、請求項1に記載の光受信器において、該分波調整手段は、該干渉手段からの出力光を2つに分波する分波手段と、該分波手段により分波された各分波光の偏波面を同じ角度で位相差を与える位相差付与手段と、該偏波面の同じ各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段とから構成されることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、請求項1に記載の光受信器において、該分波調整手段は、該干渉手段からの出力光の偏波面を所定角度で位相差を与える位相差付与手段と、該位相差付与手段からの出力光を2つに分波する分波手段と、該分波された各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段とから構成されることを特徴とする。
請求項6に係る発明では、請求項1乃至5のいずれかに記載の光受信器において、該干渉手段に入射する光波の偏波面の角度を調整するための偏波調整手段を、該干渉手段の前の光路上に配置したことを特徴とする。
請求項7に係る発明では、請求項1乃至6のいずれかに記載の光受信器において、該検出手段は、バランスド受光素子(差動受光素子)を用いることを特徴とする。
請求項8に係る発明では、請求項1乃至7のいずれかに記載の光受信器において、該干渉手段の分岐光の光路上に光路長を調整する光路長調整手段を有し、該検出手段の検出信号に基づき、該光路長調整手段を制御する制御回路を有することを特徴とする。
請求項1に係る発明により、DQPSK変調された光信号を多レベルの位相変調信号に復調する光受信器において、DQPSK変調された光信号を2つに分岐し、2つの分岐光が所定位相差を有するように少なくとも一方の分岐光を遅延させ、かつ、2つの分岐光の偏波面が直交関係となるように少なくとも一方の分岐光の偏波面を回転させた後、2つの分岐光を合波する、干渉手段と、該干渉手段からの出力光を分波し、かつI成分信号に対応する光波とQ成分信号に対応する光波とが光波の偏波面が直交する状態となるように分波光の偏面を調整する分波調整手段と、該分波調整手段から出力される分波光の各光強度を検出する検出手段とを備え、該検出手段の各検出信号に基づきI成分信号及びQ成分信号を生成するため、一つの干渉手段のみを用いて、I成分信号及びQ成分信号を復調することが可能となる。しかも、一つの干渉手段しか使用していないため、高精度な復調を得るために、干渉手段内の調整すべき光路長も一か所で十分であり、制御系も大幅に簡略化することが可能となる。
請求項2に係る発明により、分波調整手段は、干渉手段からの出力光を4つに分波する分波手段と、該分波手段により分波された4つの分波光のうち、2つの分波光の偏波面を45度又は225度となる位相差を与え、他の2つの分波光の偏波面を135度又は315度となる位相差を与える位相差付与手段と、45度又は225度の位相差を与えた2つの分波光の一方に対し22.5度又は202.5度の透過偏波面を、他方に対し112.5度又は292.5度の透過偏波面を有する偏光子と、135度又は315度の位相差を与えた2つの分波光の一方に対し22.5度又は202.5度の透過偏波面を、他方に対し112.5度又は292.5度の透過偏波面を有する偏光子とから構成されるため、上記一つの干渉手段からの出力光から容易にI成分信号及びQ成分信号を復調することが可能となる。しかも、各段階の複数の光波が互いに異なる偏波面となるよう最適に設定でき、近接する偏波面が混信し、信号が劣化するなどの弊害を抑制することが可能となる。
請求項3に係る発明により、分波調整手段は、干渉手段からの出力光を2つに分波する分波手段と、該分波手段により分波された各分波光の偏波面を異なる角度で位相差を与える位相差付与手段と、該偏波面の異なる各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段とから構成されるため、上記一つの干渉手段からの出力光から容易にI成分信号及びQ成分信号を復調することが可能となる。
請求項4に係る発明により、分波調整手段は、干渉手段からの出力光を2つに分波する分波手段と、該分波手段により分波された各分波光の偏波面を同じ角度で位相差を与える位相差付与手段と、該偏波面の同じ各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段とから構成されるため、上記一つの干渉手段からの出力光から容易にI成分信号及びQ成分信号を復調することが可能となる。
請求項5に係る発明により、分波調整手段は、干渉手段からの出力光の偏波面を所定角度で位相差を与える位相差付与手段と、該位相差付与手段からの出力光を2つに分波する分波手段と、該分波された各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段とから構成されるため、上記一つの干渉手段からの出力光から容易にI成分信号及びQ成分信号を復調することが可能となる。
請求項6に係る発明により、干渉手段に入射する光波の偏波面の角度を調整するための偏波調整手段を、該干渉手段の前の光路上に配置したため、干渉手段における偏波面の回転調整をより正確に行うことが可能となり、2つの分岐光の偏波面に係る直交関係を、より正確に実現することができる。
請求項7に係る発明により、検出手段は、バランスド受光素子(差動受光素子)を用いるため、バランスド受光素子の出力信号から容易にI成分信号及びQ成分信号を得ることができる。
請求項8に係る発明により、干渉手段の分岐光の光路上に光路長を調整する光路長調整手段を有し、検出手段の検出信号に基づき、該光路長調整手段を制御する制御回路を有するため、光受信器の周辺温度などの影響で、干渉手段内の光路長が変化した場合でも、高精度な復調が可能なように、常に最適な光路長への調整が可能となる。特に、本発明では、干渉手段が一つであるため、光路長の調整も一か所で済み、制御回路も極めて簡略することが可能となる。
以下、本発明を好適例を用いて詳細に説明する。
本発明は、図1に示すように、DQPSK変調された光信号Aを多レベルの位相変調信号に復調する光受信器において、DQPSK変調された光信号を2つに分岐し、2つの分岐光が所定位相差を有するように少なくとも一方の分岐光を遅延させ、かつ、2つの分岐光の偏波面が直交関係となるように少なくとも一方の分岐光の偏波面を回転させた後、2つの分岐光を合波する干渉手段2と、該干渉手段からの出力光を分波し、かつI(In-phase)成分信号に対応する光波とQ(Quadrature)成分信号に対応する光波とが光波の偏波面が直交する状態となるように分波光の偏面を調整する分波調整手段(3〜5)と、該分波調整手段から出力される分波光の各光強度を検出する検出手段6,6’とを備え、該検出手段の各検出信号に基づきI成分信号及びQ成分信号を生成することを特徴とする。
本発明の光受信器の特徴は、I成分信号及びQ成分信号の復調を行うために必要な干渉計が、図1に示すように、一つの干渉手段2のみから構成されることである。干渉手段2の構成は、次のような機能を達成するために必要な光学部品を任意に組み合わせることが可能である。
(1)DQPSK変調された光信号を2つに分岐すること
(2)2つの分岐光が所定位相差を有するように少なくとも一方の分岐光を遅延させること
(3)2つの分岐光の偏波面が直交関係となるように少なくとも一方の分岐光の偏波面を回転させること
(4)上記(2)及び(3)の状態を維持しながら2つの分岐光を合波すること
上記機能を実現する方法として、図1に示すように、分岐部21で分岐された分岐導波路の一方に遅延導波路22を形成し、他方の分岐導波路に偏波面を回転させる波長板23を設ける。そして、遅延導波路22と波長板23とを各々通過した光波を合波するための合波部24を設けている。
本発明の光受信器に係る干渉手段2は、図1のものに限らず、遅延導波路22を他の分岐導波路にも設け、2つの遅延導波路により結果として所定の位相差を実現できるように構成することも可能である。また、偏波面を回転する波長板23についても、他の分岐導波路にも設け、2つの波長板により結果として2つの分岐光の偏波面が直交関係となるように、構成することも可能である。
遅延導波路22としては、遅延に必要な長さを有する光導波路として構成することも可能であるが、光導波路の部分的な屈折率を光屈折率化又は低屈折率化して、分岐導波路間で相対的な遅延が発生するよう構成することも可能である。
遅延させる所定の位相差は、通常、伝送される信号の1ビット分の位相差に設定される。
波長板23には、偏波面を直交関係にするには、通常、1/2波長板が利用される。本発明の光受信器は、波長板に限定されるものではなく、波長板に代えてファラデー素子などの偏波面を回転させる手段であれば、種々のものを最小することが可能である。
干渉手段2は、ビームスプリッターやミラーなどを利用した空間光学系で構成する方法、光カプラーや光ファイバーなどを利用した光導波路による光学系で構成する方法、さらには、ニオブ酸リチウム等の電気光学効果を有する基板などの各種基板の表面に形成された光導波路を利用し、同一基板上に集積光学系として構成する方法など、種々の方法が利用可能である。また、必要に応じて、図1に示す各種光学素子を組み合わせ単一の光学部品として構成することも可能である。
図1では、干渉手段2に入射する光波Bの偏波面の角度を調整するための偏波調整手段(偏波コントローラ)1を、該干渉手段2の前の光路上に配置している。図1の符号Aの上側に図示する2つの矢印は偏波面の角度を表わし、実線の矢印は先行ビット位相の偏波面、破線の矢印は先行ビット位相に続く次のビット位相(次ビット位相)の偏波面を示している。
図1に示すように、偏波調整手段1により、光受信器に入射する光波Aの偏波面が、干渉手段2に入射するまでに、光波Bのように偏波面が所定の方向に揃えるため、干渉手段2における偏波面の回転調整をより正確に行うことが可能となり、2つの分岐光の偏波面に係る直交関係を、より正確に実現することができる。符号Bの下側に図示された2つの矢印は、符号Aと同様である。
干渉手段2に入射した光波(光信号)Bは、2つに分岐され、一方の分岐光は遅延導波路22により、1ビット分に相当する位相分だけ、他方の分岐光(1/2波長板23を通過する光波)より遅延させられる。また、1/2波長板23を通過する光波は、偏波面が90度回転させられる。この結果、合波部24で合波された分岐光は、符号Cの下側に図示されるように、遅延導波路22を通過した先行ビット位相の光波(実線矢印)と、波長板23を通過し偏波面が90度回転させられた次ビット位相の光波(破線矢印)とが重なり合うこととなる。
図1では、分波調整手段は、干渉手段からの出力光を4つに分波する分波手段3と、該分波手段により分波された4つの分波光のうち、2つの分波光の偏波面を45度又は225度となる位相差を(a1,b1により)与え、他の2つの分波光の偏波面を135度又は315度となる位相差を(c1,d1により)与える位相差付与手段4と、45度又は225度の位相差を与えた2つの分波光の一方に対し(a2により)22.5度又は202.5度の透過偏波面を、他方に対し(b2により)112.5度又は292.5度の透過偏波面を有する偏光子5と、135度又は315度の位相差を与えた2つの分波光の一方に対し(c2により)22.5度又は202.5度の透過偏波面を、他方に対し(d2により)112.5度又は292.5度の透過偏波面を有する偏光子5とから構成されるため、上記一つの干渉手段からの出力光から容易にI成分信号及びQ成分信号を復調することが可能となる。しかも、各段階の複数の光波が互いに異なる偏波面となるよう最適に設定でき、近接する偏波面が混信し、信号が劣化するなどの弊害を抑制することが可能となる。
合波光Cは、分波手段3により4つの分波光に分けられる。分波手段は、ビームスプリッター、光カプラー、さらには、電気光学効果を有する基板などの基板表面に形成された分岐導波路を、各々複数組み合わせて構成することができる。ただし、分波手段3で分波された分波光は、その後の位相差付与手段4や偏光子5などで偏波面の状態が正確に制御されることとなるため、分波手段3も偏波面を一定に保持する構造を有する光学系で構成することが必要である。
4つ分波光は位相差付与手段4に入射され、その内の2つの分波光の偏波面は、位相差付与手段a1,b1により、45度又は225度のいずれかの角度で位相差が付与される。a1とb1とは、同じ角度の位相差であっても異なる角度の位相差であっても良い(以下、他の位相差付与手段や他の偏光子に設定される所定角度についても、同様である。)。また、他の2つの分波光の偏波面は、位相差付与手段c1,d1により、135度又は315度のいずれかの角度で位相差が付与される。各位相差に係る角度は、特に限定されないが、I成分信号に対応する光波(2つの分波光)とQ成分信号に対応する光波(2つの分波光)とが、位相差付与手段で付与された光波の偏波面が互いに直交する状態となるように設定することが、好ましい。これにより、近接する偏波面が混信し信号が劣化するなどの弊害を抑制するとともに、光信号の中から必要な成分をより効率的に抽出することが可能となる。
具体的には、各位相差付与手段a1,b1は、所定角度として45度又は225度のいずれかに偏波面を回転させる。また、位相差付与手段c1,d1は、位相差に係る角度を135度又は315度のいずれかに回転させる。このような位相差付与手段としては、例えば、1/4波長板などが好適に利用可能である。
また、位相差付与手段a1,b1(又はc1,d1)は、共に同じ角度だけ偏波面を回転させる場合には、2つの位相差付与手段を一つの波長板で構成することも可能である。さらに、分波手段3では4つの分波光に分けたが、まず2つの分波光に分け、位相差付与手段を経た後に、2つの分波光にさらに分波させることも可能である。
位相差付与手段で偏波面が所定角度だけ回転された分波光は、透過偏波面が異なる2つの偏光子5を通過させられる。この偏光子5により、各透過偏波面に対応した分波光が抽出される。2つの偏光子a2,b2(又はc2,d2)が形成する透過偏波面のなす角度は、分波光のベクトル成分を正確に把握するため、90度とすることが好ましいが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではない。
偏光子の透過面の角度としては、偏光子a2,c2は22.5度又は202.5度が設定可能であり、偏光子b2,d2は112.5度又は292.5度が設定可能である。なお、本発明に係る光受信器が取り得る各種の位相差や透過偏波面に対応した角度は、明示された数値のみに限らず、本発明の目的を達成可能な範囲において、明示された数値から若干外れた値も選択可能であることは言うまでもない。
偏光子5を出射した光波は、光強度を検出するため受光素子6,6’に入射され、必要に応じて検出信号が増幅器7,7’により増幅させられる。受光素子は、各偏光子a2〜d2に対応して独立して設け、各受光素子の検出信号を適宜比較し、信号成分を判別することも可能であるが、図1に示すように、バランスド(差動)受光素子を利用することで、信号成分の判別回路を省略することも可能となる。
位相差付与手段4であるa1及びb1で、偏波面を45度(又は225度)回転させ、偏光子5であるa2とb2で各々22.5度(又は202.5度)と112.5度(又は292.5度)の透過偏波面を設けた場合には、バランスド受光素子6から出力される信号は、I成分信号となる。また、位相差付与手段4であるc1及びd1で、偏波面を135度(又は315度(−45度))回転させ、偏光子5であるc2とd2で各々22.5度(又は202.5度)と112.5度(又は292.5度)の透過偏波面を設けた場合には、バランスド受光素子6’から出力される信号は、Q成分信号となる。
次に、分波調整手段の他の実施例について説明する。
図9に示す分波調整手段は、干渉手段からの出力光を2つに分波する分波手段30と、該分波手段により分波された各分波光の偏波面を異なる角度で位相差を与える位相差付与手段40,41と、該偏波面の異なる各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段50,51とから構成される。分離手段から出力される4つの光波は、受光素子60〜61に入射し、各光波の光強度に応じた検出信号を出力する。
位相差付与手段40,41には、1/4波長板が利用可能であり、位相差付与手段40における位相差に係る角度は、45度又は225度が選択可能であり、他方の位相差付与手段41における位相差に係る角度は、135度又は315度が選択される。
分離手段50,51には、偏光ビームスプリッター(PBS)が利用でき、偏光角として22.5度又は202.5度のいずれかが選択可能である。
図10に示す分波調整手段は、干渉手段からの出力光を2つに分波する分波手段30と、該分波手段により分波された各分波光の偏波面を同じ角度で位相差を与える位相差付与手段40と、該偏波面の同じ各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段52,53とから構成される。
また、図10において、分波手段(e)と位相差付与手段(f)との順番を逆にし、干渉手段からの出力光の偏波面を所定角度で位相差を与える位相差付与手段と、該位相差付与手段からの出力光を2つに分波する分波手段と、該分波された各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段とから構成される分波調整手段とすることも可能である。
位相差付与手段(f)、分離手段(g)及び(h)における偏波と主軸との角度は、表1に示すように各種の値が選択可能であり、結果として、位相差付与手段(f)は、45度,135度,225度,又は315度、分離手段(g)は、90±22.5度,180±22.5度,270±22.5度,又は360±22.5度、分離手段(h)は、22.5度,112.5度,202.5度,又は292.5度が各々選択できる。
Figure 0004820854
ここで、受光素子における受光パワーを理論的に求める。位相差付与手段を±45°の1/4λ波長板としたとき、そのストークスマトリクスは、偏光子回転角度をφとすると、式(1)で表わされる。
Figure 0004820854
次に傾きのある検光子のストークス行列は、以下の式(2)となり、また、一般的な楕円偏光をベクトル表示すると、以下の式(3)のとおりとなる。ただし、εは楕円角、Aは回転角度で、図11に示すような定義で表現される。
Figure 0004820854
Figure 0004820854
これらを用いて、受光素子60,61の受けるパワーは、式(4)となり、同様に、受光素子62、63の受けるパワーは、式(5)のようになる。
Figure 0004820854
Figure 0004820854
次に、図2乃至8に、図1における各光学素子を通過する光波の状態の変化及び受光素子で検出される相対的な出力値、並びにバランスド受光素子による論理判定結果を示す。
図2乃至5は、先行ビット位相(実線矢印)は全て0とし、かつ次ビット位相(破線矢印)は0,π/2,π及び3π/2の4つの状態を選択した場合について、分波手段3により4分岐された直後の偏波状態(「4分岐直後」欄参照)、位相差付与手段(a1〜d1)を通過した光波の偏波状態(「位相差付与手段後」欄参照)、さらに、偏光子(a2〜d2)を経た光波の振幅値を「偏光子後」の欄に示したものである。例えば、「偏光子a2後」は、ε=0°、A=45°に相当し、上述した各式に代入すると、0.92となる。このようにして、図2のような入力振幅が求められる。
図6(図7)は、各偏光子a2,b2(c2,d2)を透過した光波を、バランスド受光素子6(6’)に入れた際に、I成分(Q成分)として出力される検出信号(「出力電流」欄参照)を示したものである。また、「偏光子a2後」と「偏光子b2後」との間の不等号は、両者の出力電流の大小を示すためのものである。さらに、図8は、図6及び7に基づき、先行ビット位相と次ビット位相との信号状態の変化に対応する、I成分とQ成分との信号状態の変化を示したものであり、DQPSK変調におけるI成分及びQ成分が、正確に復調されていることが容易に理解される。
本発明の光受信器は、干渉手段2の分岐光の光路上に光路長を調整する光路長調整手段(不図示)を設けることが可能である。光路長調整手段としては、基板の温度を意図的に変化させるものや、電気光学効果を有する基板に光導波路を設け、該光導波路に印加する電界の強さを可変するものなどが採用可能である。
そして、図1に示す検出手段、例えば、バランスド受光素子6,6’、あるいは、各偏光子に対応して個別に設けられた受光素子からの検出信号に基づき、上記光路長調整手段を制御する制御回路(不図示)を設けることも可能である。具体的には、光信号が所定の状態の際に、個別の検出信号の値を最大又は最小とするように、光路長調整手段を制御する方法など、種々の方法が採用可能である。
このような構成を有することで、光受信器の周辺温度などの影響で、干渉手段内の光路長が変化した場合でも、高精度な復調が可能なように、常に最適な光路長への調整が可能となる。特に、本発明では、干渉手段が一つであるため、光路長の調整も一か所で済み、制御回路も極めて簡略することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、DQPSK変調された光信号を多レベルの位相変調信号に復調する光受信器において、1つの干渉計を用いて復調が可能な光受信器を提供することが可能となる。
本発明に係る光受信器の概略図である。 図1における位相差付与手段a1及び偏光子a2を通過する光波の偏波状態等を示す表である。 図1における位相差付与手段b1及び偏光子b2を通過する光波の偏波状態等を示す表である。 図1における位相差付与手段c1及び偏光子c2を通過する光波の偏波状態等を示す表である。 図1における位相差付与手段d1及び偏光子d2を通過する光波の偏波状態等を示す表である。 図2及び3に基づき、バランスド受光素子6の信号成分(I成分)の状態を説明する表である。 図4及び5に基づき、バランスド受光素子6’の信号成分(Q成分)の状態を説明する表である。 図6及び7に基づき、光信号のビット位相状態とI成分及びQ成分の状態とを対比する表である。 分波調整手段の第2実施例を示す図である。 分波調整手段の第3実施例を示す図である。 楕円角ε、回転角度Aの定義を説明する図である。
符号の説明
1 偏波調整手段
2 干渉手段
3,30 分波手段
4,40,41 位相差付与手段
5 偏光子
6,6’ バランスド受光素子
7,7’ 増幅器
21 分岐部
22 遅延導波路
23 波長板
24 合波部
50〜53 分離手段(偏光ビームスプリッター)
60〜63 受光素子

Claims (8)

  1. DQPSK変調された光信号を多レベルの位相変調信号に復調する光受信器において、
    DQPSK変調された光信号を2つに分岐し、2つの分岐光が所定位相差を有するように少なくとも一方の分岐光を遅延させ、かつ、2つの分岐光の偏波面が直交関係となるように少なくとも一方の分岐光の偏波面を回転させた後、2つの分岐光を合波する、干渉手段と、
    該干渉手段からの出力光を分波し、かつI成分信号に対応する光波とQ成分信号に対応する光波とが光波の偏波面が直交する状態となるように分波光の偏面を調整する分波調整手段と、
    該分波調整手段から出力される分波光の各光強度を検出する検出手段とを備え
    該検出手段の各検出信号に基づきI成分信号及びQ成分信号を生成することを特徴とする光受信器。
  2. 請求項1に記載の光受信器において、該分波調整手段は、
    該干渉手段からの出力光を4つに分波する分波手段と、
    該分波手段により分波された4つの分波光のうち、2つの分波光の偏波面を45度又は225度となる位相差を与え、他の2つの分波光の偏波面を135度又は315度となる位相差を与える位相差付与手段と、
    45度又は225度の位相差を与えた2つの分波光の一方に対し22.5度又は202.5度の透過偏波面を、他方に対し112.5度又は292.5度の透過偏波面を有する偏光子と、
    135度又は315度の位相差を与えた2つの分波光の一方に対し22.5度又は202.5度の透過偏波面を、他方に対し112.5度又は292.5度の透過偏波面を有する偏光子とから構成されることを特徴とする光受信器。
  3. 請求項1に記載の光受信器において、該分波調整手段は、
    該干渉手段からの出力光を2つに分波する分波手段と、
    該分波手段により分波された各分波光の偏波面を異なる角度で位相差を与える位相差付与手段と、
    該偏波面の異なる各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段とから構成されることを特徴とする光受信器。
  4. 請求項1に記載の光受信器において、該分波調整手段は、
    該干渉手段からの出力光を2つに分波する分波手段と、
    該分波手段により分波された各分波光の偏波面を同じ角度で位相差を与える位相差付与手段と、
    該偏波面の同じ各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段とから構成されることを特徴とする光受信器。
  5. 請求項1に記載の光受信器において、該分波調整手段は、
    該干渉手段からの出力光の偏波面を所定角度で位相差を与える位相差付与手段と、
    該位相差付与手段からの出力光を2つに分波する分波手段と、
    該分波された各分波光を、さらに異なる偏波面の成分を有する2つの分波光に分離する分離手段とから構成されることを特徴とする光受信器。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の光受信器において、該干渉手段に入射する光波の偏波面の角度を調整するための偏波調整手段を、該干渉手段の前の光路上に配置したことを特徴とする光受信器。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の光受信器において、該検出手段は、バランスド受光素子を用いることを特徴とする光受信器。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の光受信器において、該干渉手段の分岐光の光路上に光路長を調整する光路長調整手段を有し、該検出手段の検出信号に基づき、該光路長調整手段を制御する制御回路を有することを特徴とする光受信器。
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