JP2011077582A - 光受信器 - Google Patents

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Katsuhito Mure
勝仁 牟禮
Kaoru Hikuma
薫 日隈
Toshio Kataoka
利夫 片岡
Yuuki Kanehara
勇貴 金原
Hiroshi Nagaeda
浩 長枝
Noriyasu Shiga
代康 志賀
Yoichi Oikawa
陽一 及川
Hiroyuki Sato
弘幸 佐藤
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Abstract

【課題】直交する偏光を用いたI、Q信号成分を生成する光学系の光受信器において、光路長差の発生を抑制し、光学部品の増加を抑える。
【解決手段】偏波分岐手段201により偏波面が直交する2つの光波に分岐し、分岐光をさらに分岐し、+45度と、−45度の1/4波長板を通過させた4つの光波に対し、偏波面が直交する光波に分離し、各光波を1ビット分の遅れを発生させた後に両者を互いに偏波面が直交する状態で合波、各々−45度の1/4波長板を通過し、さらに偏波面を22.5度回転し分岐し、他の2つの光波も、回転分岐手段212、222を経て4つの光波を+45度の半波長板を通過させ、得られた8つの光波を合波する。
【選択図】図7

Description

本発明は、光受信器に関し、特に、DQPSK変調された光信号を多レベルの位相変調信号を復調する光受信器に関する。
通信トラフィックの増大に伴い、高速・大容量化が求められる次世代長距離大容量光通信システムでは、多値変復調符号化技術の導入が検討されている。その代表的なものの一つに差動四相位相偏移変調(DQPSK変調,Differential Quadrature Phase Shift keying)方式がある。この方式では、従来の2値強度変調(OOK,On-Off keying)方式と比べ、信号帯域が狭く、周波数利用効率の向上や伝送距離の拡大が実現できるほか、高感度化も期待できる。
まず、四相位相偏移変調(QPSK変調,Quadrature Phase Shift keying)方式は、2ビットのデータから構成される各シンボル「00」,「01」,「11」及び「10」に対して、「θ」,「θ+π/2」,「θ+π」及び「θ+3π/2」が割り当てられる。ここで、「θ」は任意の位相である。そして、受信器は、受信信号の位相を検出することにより、送信データを再生する。QPSK変調方式を比較的容易に実現する手段として、DQPSK変調方式があり、DQPSK変調では、先に送信したシンボルの値と次に送信するシンボルの値との間の搬送波の位相変化量(「0」,「π/2」,「π」及び「3π/2」)が送信情報の2ビットに対応付けられる。したがって、受信器は、隣接する2つのシンボル間の位相差を検出することにより、送信データを再生することができる。
特許文献1又は2に示すように、DQPSK変調された光信号を復調するには、図1のようなI(In-phase)信号生成用とQ(Quadrature)信号生成用の2つの遅延干渉計(導波路102と103による遅延干渉計、または、導波路104と105による遅延干渉計)を必要とし、しかも、高精度で位相差を復調する必要がある。図1では、光信号αを2つの遅延干渉計に入れるため、分岐部101で2つに分岐されている。しかし、光受信器の周辺温度などの影響で、遅延干渉計内の光路長が変化し、位相が安定しないため、高精度な復調が困難となる。また、いずれの干渉計でどちらの信号成分を復調しているのかが識別できないなど問題があった。また、光信号を分岐し2つの干渉計に導入するまでの光路長差や、各干渉計を構成する光路長の差を、最適に調整する必要があり、制御系が極めて複雑化するという問題を生じていた。なお、光波a1とa2、又は光波a3とa4を、各々のバランスド受光素子に入射してI信号やQ信号が得られる。
これに対し、特許文献3において、本出願人は、図2に示すように、偏波面に着目する光受信器を提案した。具体的には、DQPSK変調光αは、偏波面が一方向に揃えた状態入射し、1ビット遅延回路に導入される。1ビット遅延回路では、偏波保持型のファイバカプラ(1,2)で構成されるとともに、一方の分岐光の経路には偏波面を90度回転させる半波長板3が配置されている。これにより、合波された光波は、互いに1ビット遅延した2つの信号光が、偏波面が直交する状態で合成されている。
そして、偏波分離回路4を用いて4つの信号光に分離され、例えば、光波b1とb2、又は光波b3とb4を、各々のバランスド受光素子に入射してI信号やQ信号を得ることができる。これにより、1ビット遅延回路が1つに集約でき、製造コストの削減や光学部品の調整の煩雑さを軽減することが可能となる。
しかしながら、1ビット遅延回路を、例えば、偏波保持型ファイバカプラを用いて作成すると、偏波保持型ファイバカプラは温度変化や外部応力などの外乱に対して非常に敏感であるため、装置としての安定性が乏しいという問題を生じる。また、ハーフミラーなどの空間光学系を利用する場合も、ハーフミラーに偏波依存性があるため、分岐した光波の光路長に誤差が生じ易く、I成分信号とQ成分信号との間に時間的なずれが発生する可能性が高い。
さらに、本出願人は、このような問題を解決し、DQPSK変調された光信号を多レベルの位相変調信号に復調する光受信器において、偏波無依存となる光受信器を提供するため、特許文献4において、以下のような光受信器を提案した。
このような光受信器では、図3に示すように、DQPSK変調された光信号αを多レベルの位相変調信号に復調する光受信器において、DQPSK変調された光信号αを、偏波面が直交する2つの光波(A,B)に分岐する偏波分岐手段(201)と、一方の分岐光Aをさらに2つの光波(A1,A2)に分岐し、+45度の1/4波長板を通過させる分岐回転手段(211,221)と、他方の分岐光Bをさらに2つの光波(B1,B2)に分岐し、−45度の1/4波長板を通過させる分岐回転手段(212,222)と、各分岐回転手段を経た4つの光波(A1,A2,B1,B2)に対し、偏波面が直交する2つの光波に分離し、一方の光波を1ビット分の遅れを発生させた後に両者を互いに偏波面が直交する状態で合波する1ビット遅延回路手段(231〜254)を設け、1ビット遅延回路手段を経た2つの光波(A1,B2)は、各々の光波が−45度の1/4波長板(261,264)を通過し、さらに偏波面を22.5度回転(270)し、偏波面が直交する2つの光波((A11,A12)又は(B21,B22))毎に分岐(281,284)する回転分岐手段と、1ビット遅延回路手段を経た他の2つの光波(A2,B1)は、各々の光波が+45度の1/4波長板(262,263)を通過し、さらに偏波面を22.5度回転(270)し、偏波面が直交する2つの光波((A21,A22)又は(B11,B12))毎に分岐(282,283)する回転分岐手段と、回転分岐手段を経た特定の4つの光波(B11,B12,B21,B22)を+45度の半波長板(290)を通過させ、得られた8つの光波(A11,A12,A21,A22,B11,B12,B21,B22)を特定の組み合わせ((A11,B21),(A12,B22),(A21,B11)又は(A22,B12))で偏波面を維持した状態で合波する合波手段(301〜304)を有することを特徴とする。
このような光学系を利用して得られた各光波(C1〜C4)は、偏波無依存化したI信号成分とQ信号成分を形成できる。
次に、図4及び図5を用いて、図3に係る光受信器を空間光学系で構成した例について説明する。図4及び図5は、光の伝搬方向(図の右方向)に向かって、使用する光学部品を直列状態で展開した展開図である。特に、図4は、空間光学系を側面から見た展開図であり、図5は、空間光学系を上方から見た平面状の展開図である。
入射した信号光αは、レンズ400でコリメートされ、偏波分岐手段401を構成する偏光ビームスプリッター402,403に入射し、図4のように、上下に分離した平行ビーム(A,B)を形成する。符号βで示す光波は、偏光ビームスプリッターから漏れる漏れ光である。±45度の1/4波長板と1ビット遅延回路とを含む光学系を符号410で示す。この光学系410に入射するには、図5に示すハーフミラー411とミラー412を経るよう設定されている。ハーフミラー411により光波(A又はB)は、光強度が3dBとなる2つの光波((実線A1,点線A2)又は(B1,B2))に分けられる。
図4の上段側の光波(A1,A2)は、+45度の1/4波長板413に入射し、下段側の光波(B1,B2)は、−45度の1/4波長板413’に入射する。その後、これら4つの光波は、偏光ビームスプリッター414で偏光面が直交する2つ光波に分岐され、プリズムミラー416及び417で各々反射し、再度、偏光ビームスプリッター414に入射して、偏波面を直交状態に維持しながら合波される。しかも、偏光ビームスプリッター414に対するプリズムミラー416及び417の設置位置は、光路差が1ビット分となるように設定されており、例えば、光路長を調整するため、ポリマーなどの光透過媒体415が、偏光ビームスプリッターとプリズムミラーとの間に配置される。
本発明の光受信器では、特に、4つの光波に対する1ビット遅延回路を、単一の偏光ビームスプリッター414と2つのプリズムミラー(416,417)で構成されるため、空間光学系を、極めて小型化することが可能となる。
1ビット遅延回路を出た光波は、ミラー(418,419)により−45度の1/4波長板420や+45度の1/4波長板421へ導かれる。
±45度の1/4波長板(420,421)を通過した4つの光波は、さらに、22.5度の偏波面回転手段430を通過し、4つの偏光ビームスプリッター(441〜444)からなる分岐手段440により、各々2つの光波に分岐される。符号γは、偏光ビームスプリッターからの漏れ光である。
図4の下段側の光波(B11、B12,B21,B22)は、+45度の半波長板450を通過し、ミラー461と偏光ビームスプリッター462、或いは必要に応じて設けられるミラー463で構成される合波手段460で、上段側の光波と下段側の光波とが特定の組み合わせを構成することとなる。
図3乃至5に示すDQPSK変調では、2種類のデジタル信号(I信号成分とQ信号成分)について、各々が直交する偏光(P波(光波Aに相当)とS波(光波Bに相当))からなる4つの光が同じ光学系を通り、最終的に分離・合波されて受光素子に入射されている。
しかしながら、図3などが示すように、1つの光を2種類のデジタル信号及び2種類の偏光に各々を分離する際に、光路長差が発生する。例えば、4つの光波(A1,A2,B1.B2)を8つの光波(A11,A12,A21,A22,B11,B12,B21,B22)に分離する際には、分岐手段を構成する偏光ビームスプリッタ441から442へ、又は同443から444へ光波が移動する分だけ光路長差が発生する。
また、4種類の偏光を受光素子で検波する機構においても、光路長差が発生するという問題がある。しかも、このような光路長差は、最終的に受光素子で光波を受光するまでに調整する必要があり、使用する光学部品が増加する上、光学系が複雑化するという問題がある。さらに、受光部に光を入射させる際には、平行ビームをレンズにより集光させるが、集光レンズや受光デバイスの位置ずれにより、信号強度が大きく変化するという問題もある。
特開2006−295603号公報 特開2007−158852号公報 特願2008−255528号(2008年9月30日出願) 特願2009−80319号(2009年3月27日出願)
本発明が解決しようとする課題は、上述したような問題を解決し、直交する偏光を用いたI信号成分とQ信号成分を生成する光学系において、光路長差の発生を抑制すると共に、光学部品の増加を抑えた光受信器を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、DQPSK変調された光信号を多レベルの位相変調信号に復調する光受信器において、DQPSK変調された光信号を、偏波面が直交する2つの光波(A,B)に分岐する偏波分岐手段と、一方の分岐光Aをさらに2つの光波(A1,A2)に分岐し、+45度の1/4波長板を通過させる分岐回転手段と、他方の分岐光Bをさらに2つの光波(B1,B2)に分岐し、−45度の1/4波長板を通過させる分岐回転手段と、各分岐回転手段を経た4つの光波(A1,A2,B1,B2)に対し、偏波面が直交する2つの光波に分離し、一方の光波を1ビット分の遅れを発生させた後に両者を互いに偏波面が直交する状態で合波する1ビット遅延回路手段を設け、1ビット遅延回路手段を経た2つの光波(A1,B2)は、各々の光波が−45度の1/4波長板を通過し、さらに楔形状を持つ複屈折基板により偏波面を22.5度回転すると共に、偏波面が直交する2つの光波((A11,A12)又は(B21,B22))毎に分岐する回転分岐手段と、1ビット遅延回路手段を経た他の2つの光波(A2,B1)は、各々の光波が+45度の1/4波長板を通過し、さらに楔形状を持つ複屈折基板により偏波面を22.5度回転すると共に、偏波面が直交する2つの光波((A21,A22)又は(B11,B12))毎に分岐する回転分岐手段と、回転分岐手段を経た特定の4つの光波(B11,B12,B21,B22)を+45度の半波長板を通過させ、得られた8つの光波(A11,A12,A21,A22,B11,B12,B21,B22)を特定の組み合わせ((A11,B21),(A12,B22),(A21,B11)又は(A22,B12))で偏波面を維持した状態で合波する合波手段を有することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光受信器において、該合波手段で合波された光波を光−電気変換部に入射し、該光波に対応した電気信号を得ることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の光受信器において、該合波手段は、直交するシリンドリカルレンズを直列に配置して構成されることを特徴とする。
請求項1に係る発明により、特に、楔形状を持つ複屈折基板により偏波面を22.5度回転すると共に、偏波面が直交する2つの光波((A11,A12)又は(B21,B22))毎に分岐する回転分岐手段や、楔形状を持つ複屈折基板により偏波面を22.5度回転すると共に、偏波面が直交する2つの光波((A21,A22)又は(B11,B12))毎に分岐する回転分岐手段を採用することにより、偏波面が直交する光波を複屈折基板により、光路長差の発生を抑制ながら容易に分離することができる。このため、従来のように複数の偏光ビームスプリッターを組み合わせる場合と比較し、光波の分離に伴う光路長差が生じず、光学部品点数もより少なくなる。
さらに、複屈折基板を用いることで、偏波面を回転することも容易に実現でき、従来の回転分岐手段の一部を構成するファラデーローテータなどの偏波面の回転手段も兼用することが可能となる。
請求項2に係る発明により、合波手段で合波された光波を光−電気変換部に入射し、該光波に対応した電気信号を得る構成であるため、光ファイバなどの光学部品を必要とすることなく、直接、光波を光−電気変換部に導くことが可能となる。しかも、合波手段により、複屈折基板から放射される平行でない光波を選択的に集光しながら、光ー電気変換部に導くことも可能であり、複屈折基板に適した光学系を実現することも可能となる。
請求項3に係る発明により、合波手段は、直交するシリンドリカルレンズを直列に配置して構成されるため、各シリンドリカルレンズの光軸に対して独立の位置制御を施すことができ、位置ずれに対する信号強度の影響を抑制することが可能となる。
従来の2つの遅延干渉計で構成されるDQPSK変調の光受信器を示す図である。 本出願人が先の出願で提示した偏波面を利用したDQPSK変調の光受信器を示す図である。 本出願人が先の出願で提示した光受信器に係る基本的な概念を説明する図である。 図3の光受信器に係る空間光学系を説明するための側面展開図である。 図3の光受信器に係る空間光学系を説明するための平面展開図である。 本発明の光受信器に使用される楔形状を持つ複屈折基板を説明する図である。 本発明の光受信器に係る基本的な概念を説明する図である。 図7の光受信器に係る空間光学系を説明するための側面展開図である。 図7の光受信器に係る空間光学系を説明するための平面展開図である。
以下、本発明の光受信器について、好適例を用いて詳細に説明する。なお、特許文献4に係る技術説明で使用した符号と同じものについては、同様の構成を採用することが可能であることを意味している。
本発明は、図7に示すように、DQPSK変調された光信号を多レベルの位相変調信号に復調する光受信器において、DQPSK変調された光信号を、偏波面が直交する2つの光波(A,B)に分岐する偏波分岐手段(201)と、一方の分岐光Aをさらに2つの光波(A1,A2)に分岐し、+45度の1/4波長板を通過させる分岐回転手段(211,221)と、他方の分岐光Bをさらに2つの光波(B1,B2)に分岐し、−45度の1/4波長板を通過させる分岐回転手段(212,222)と、各分岐回転手段を経た4つの光波(A1,A2,B1,B2)に対し、偏波面が直交する2つの光波に分離し、一方の光波を1ビット分の遅れを発生させた後に両者を互いに偏波面が直交する状態で合波する1ビット遅延回路手段(231〜254)を設け、1ビット遅延回路手段を経た2つの光波(A1,B2)は、各々の光波が−45度の1/4波長板(261,264)を通過し、さらに楔形状を持つ複屈折基板(501,504)により偏波面を22.5度回転すると共に、偏波面が直交する2つの光波((A11,A12)又は(B21,B22))毎に分岐する回転分岐手段と、1ビット遅延回路手段を経た他の2つの光波(A2,B1)は、各々の光波が+45度の1/4波長板(262,263)を通過し、さらに楔形状を持つ複屈折基板(502,503)により偏波面を22.5度回転すると共に、偏波面が直交する2つの光波((A21,A22)又は(B11,B12))毎に分岐する回転分岐手段と、回転分岐手段を経た特定の4つの光波(B11,B12,B21,B22)を+45度の半波長板(510)を通過させ、得られた8つの光波(A11,A12,A21,A22,B11,B12,B21,B22)を特定の組み合わせ((A11,B21),(A12,B22),(A21,B11)又は(A22,B12))で偏波面を維持した状態で合波する合波手段(520,530)を有することを特徴とする。
合波手段には、直交するシリンドリカルレンズ(520,530)を直列に配置して構成される。I信号成分又はQ信号成分の各々に対応した2組のシリンドリカルレンズ、あるいは、I信号成分,I信号成分,Q信号成分,Q信号成分の各々に対応する4組のシリンドリカルレンズなど種々の組み合わせを採用することができる。
本発明の特徴は、楔形状を持つ複屈折基板(501〜504)を使用して、偏波分離に係る光路長差の発生を抑制すると共に、使用する光学部品点数の抑制を図ったものである。図6は、本発明に使用される楔形状を持つ複屈折基板の例である。複屈折基板500は、入射面を光軸Lに垂直にし、出射面をルチル角θで傾けた楔形状とすることで、直交する偏波面毎に異なる偏角で、2つの光波(no,ne)を出射することが可能である。この偏角は、ルチル角θに応じて変化する。この複屈折基板を使用することで、偏波分離での光路長差が発生しない。
また、入射する偏光nの偏波面と複屈折基板の結晶軸cとの間に角度δを設けることにより、偏光nの偏波面が回転する。このため、図3の偏波面回転手段270であるファラデーローテータの機能を、複屈折基板に兼用させ、偏波面回転手段270を省略することも可能となる。
次に、図8及び図9を用いて、図7に係る光受信器を空間光学系で構成した例について説明する。図8及び図9は、光の伝搬方向(図の右方向)に向かって、使用する光学部品を直列状態で展開した展開図である。特に、図8は、空間光学系を側面から見た展開図であり、図9は、空間光学系を上方から見た平面状の展開図である。
信号光αを複屈折基板(501〜504)まで導く光学系については、図4及び図5に示した空間光学系と同様の構成を採用することができる。なお、図8及び図9においては、信号光αを直交する偏波面の光波に分離する偏波分岐手段401として、偏光ビームスプリッター(404,405)にミラー406を組み合わせることで、2つの光波(A,B)の光路長差の発生を抑制している。
図7における回転分岐手段である複屈折基板(501〜504)は、図8及び図9における符号600,601で図示されている。この複屈折基板で分離された8つの光波の内、図8の下側を伝播する4つの光波(B11〜B22)は、+45度の半波長板(610,611)を通過する。
8つの光波(A11〜B22)は、合波手段である2種類のシリンドリカルレンズを経て、光−電気変換部である受光素子(640,641)に入射される。2種類のシリンドリカルレンズは、縦方向に集光性を発生するシリンドリカルレンズ(630)と、横方向に集光性を発生するシリンドリカルレンズ(620,621)で構成される。図8又は図9では、各々一方のシリンドリカルレンズのみ図示している。
受光素子(640,641)は、2つのフォトセンサを組み合わせたバランスド受光素子であり、図8で上下に分かれた光波は、シリンドリカルレンズ(630)により一点に集光され、バランスド受光素子を構成する一方のフォトセンサに入射する。
図9のシリンドリカルレンズは、複屈折基板で分岐した各光波を、バランスド受光素子を構成する2つのフォトセンサに各々集光して入射する。
2種類のシリンドリカルレンズのいずれが、受光素子側に配置されても良く、また、各信号成分に対応して複数の独立した構成部品で構成することも可能である。
以上説明したように、本発明によれば、直交する偏光を用いたI信号成分とQ信号成分を生成する光学系において、光路長差の発生を抑制すると共に、光学部品の増加を抑えた光受信器を提供することが可能となる。
201,231〜234,251〜254,281〜284,301〜304 偏光ビームスプリッター
211,212 分岐手段
221,222,261〜264 1/4波長板
270 22.5度の偏波面回転手段
290,510,610 半波長板
500,501〜504,600,601 複屈折基板
520,530,620,621,630 シリンドリカルレンズ
640,641 受光素子

Claims (3)

  1. DQPSK変調された光信号を多レベルの位相変調信号に復調する光受信器において、
    DQPSK変調された光信号を、偏波面が直交する2つの光波(A,B)に分岐する偏波分岐手段と、
    一方の分岐光Aをさらに2つの光波(A1,A2)に分岐し、+45度の1/4波長板を通過させる分岐回転手段と、
    他方の分岐光Bをさらに2つの光波(B1,B2)に分岐し、−45度の1/4波長板を通過させる分岐回転手段と、
    各分岐回転手段を経た4つの光波(A1,A2,B1,B2)に対し、偏波面が直交する2つの光波に分離し、一方の光波を1ビット分の遅れを発生させた後に両者を互いに偏波面が直交する状態で合波する1ビット遅延回路手段を設け、
    1ビット遅延回路手段を経た2つの光波(A1,B2)は、各々の光波が−45度の1/4波長板を通過し、さらに楔形状を持つ複屈折基板により偏波面を22.5度回転すると共に、偏波面が直交する2つの光波((A11,A12)又は(B21,B22))毎に分岐する回転分岐手段と、
    1ビット遅延回路手段を経た他の2つの光波(A2,B1)は、各々の光波が+45度の1/4波長板を通過し、さらに楔形状を持つ複屈折基板により偏波面を22.5度回転すると共に、偏波面が直交する2つの光波((A21,A22)又は(B11,B12))毎に分岐する回転分岐手段と、
    回転分岐手段を経た特定の4つの光波(B11,B12,B21,B22)を+45度の半波長板を通過させ、
    得られた8つの光波(A11,A12,A21,A22,B11,B12,B21,B22)を特定の組み合わせ((A11,B21),(A12,B22),(A21,B11)又は(A22,B12))で偏波面を維持した状態で合波する合波手段を有することを特徴とする光受信器。
  2. 請求項1に記載の光受信器において、該合波手段で合波された光波を光−電気変換部に入射し、該光波に対応した電気信号を得ることを特徴とする光受信器。
  3. 請求項1又は2に記載の光受信器において、該合波手段は、直交するシリンドリカルレンズを直列に配置して構成されることを特徴とする光受信器。
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