JP4820717B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、トッププレート上にタッチ入力部を備えた加熱調理器に関する。
加熱調理器には、調理器本体の上面の開口にトッププレートを備えると共に、このトッププレートの下方に加熱手段を備えた構成のものがある。そして、上記トッププレート上にタッチ入力部を備えた加熱調理器として、例えば特許文献1、2に示されるものがある。これら特許文献1、2には、一つのタッチ入力部に対して一つの検知電極を備えると共に、一つの接触検知手段を備えた構成である。この構成では、ユーザーの手指が前記タッチ入力部に触れると、検知電極の対人体検知容量(静電容量)が変化し、この変化を接触検知手段で検知することによりユーザーから入力があったことを検知する。
特開2003−12354号公報 特開2005−38739号公報
ところで、ユーザーからの入力としては、電源の入り・切りであったり、調理メニューの選択であったり、あるいは加熱強度や加熱温度などの調理条件であったり複数種類がある。
しかし、タッチ入力部及び検知電極を備えたいわゆるタッチスイッチでは、隣り合う検知電極の配置間隔が狭いと、タッチしたタッチ入力部の検知電極の隣の検知電極に微小電流が流れて、入力を誤検知することがある。このため、検知電極の配置スペースを広くとる必要があり、また、誤入力を防止するために複数の検知電極が同時に入力を検知した場合には、その入力を受け付けないようにしている。
ところが、キッチン組み込み型の加熱調理器では、キッチンの開口が規格化されていて、トッププレートの大きさにも制約があり、検知電極の配置スペースを広くとることができない事情にある。従って、加熱強度や加熱温度などの調理条件を設定するための検知電極も、多数設けることは、できないものであった。
このため、例えば加熱強度の設定用として、アップ用の検知電極と、ダウン用の検知電極との二つを設け、検知電極に対するタッチ回数に応じて加熱強度を設定するようにしている。しかし、これでは、ユーザーによる入力操作回数が多くなって入力操作が面倒であるという問題がある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、調理条件設定のための検知電極の配置スペースを抑えつつ、調理条件をいわゆるワンタッチ操作あるいはスライド操作により簡単に設定できる加熱調理器を提供することにある。
本発明は次の点に着目してなされたものである。加熱調理器において、ユーザーの操作によって入力される入力内容の種類をみた場合、前述したように、電源の入り・切りであったり、調理メニューの選択であったり、あるいは加熱強度や加熱温度などの調理条件であったりする。この場合、電源の入り・切りや、調理メニューの選択のための入力は、誤入力があってはならないため、検知電極の配置間隔も十分にとる必要がある。しかし、例えば加熱強度などの調理条件を設定するための検知電極を、レベル数に応じた数の分だけ、配設した場合、例えば同時タッチ操作があったとしても、いずれも加熱強度設定用の検知電極であり、調理条件(加熱強度レベル)が微小変更されるだけであって、入力内容そのものが全く変更されるものではなく、従って、検知電極を狭い配置間隔で配置したとしても設定処理を適宜調整すれば、ワンタッチ操作で調理条件設定が可能となる。
この点に着目した請求項1の発明は、
上面の開口にトッププレートを備えると共に、このトッププレートの下方に加熱手段を備えた調理器本体と、
前記トッププレートの上面に設けられユーザーの手指の接触位置変更可能な所定領域のタッチ入力部と、
前記トッププレートの下面側に設けられた基板と、
このタッチ入力部に対応して相互に手指による同時タッチ入力が可能な配置間隔で、前記基板に設けられた複数の検知電極と、
前記トッププレートの下方においてこの検知電極よりも前記加熱手段側に設けられ、前記基板と他の回路基板とを接続する接続端子と、
前記タッチ入力部に対する手指の接触による該タッチ入力部と各検知電極との間の静電容量の変化により各検知電極に対するタッチ入力を個別に検出するタッチ入力検出手段と、
前記検知電極よりも前記加熱手段側に設けられ、調理条件を表示する調理条件表示手段と、
前記タッチ入力検出手段によりいずれか一つの検知電極に対するタッチ入力が検出されると、当該一つの検知電極に対応する調理条件を設定し、同時に隣り合う複数の検知電極に対するタッチ入力が検出されると、当該複数の検知電極に対応する調理条件を設定する調理条件設定手段と、
いずれか一つの検知電極に対してタッチ入力が検出された場合には当該一つの検知電極に応じた調理条件表示パターンを前記調理表示条件表示手段に表示させ、同時に隣り合う複数の検知電極に対してタッチ入力が検出された場合には当該複数の検知電極に応じた調理条件表示パターンを前記調理条件表示手段に表示させる調理条件表示制御手段と、
前記調理条件設定手段により設定された調理条件で前記加熱手段を制御する加熱制御手段と
を備えたところに特徴を有する。
この請求項1の発明においては、複数の検知電極を、相互に手指による同時タッチ入力が可能な配置間隔でトッププレート下面側に設けたので、検知電極の配置スペースを極力小さくすることができる。そして、調理条件設定手段は、タッチ入力検出手段によりいずれか一つの検知電極に対するタッチ入力が検出されると、該タッチ入力が検出された各検知電極に対応する調理条件を設定するから、各検知電極個々に対応する調理条件をいわゆるワンタッチで設定できる。また、同時に隣り合う複数の検知電極に対するタッチ入力が検出されると、当該複数の検知電極に対応する調理条件を設定するから、同時複数のタッチ入力であっても複数の検知電極に対応する調理条件をワンタッチで設定できる。従って、ユーザーがタッチ入力部のどの位置を手指で接触しても当該接触位置に応じた調理条件をワンタッチ操作あるいはスライド操作で容易に設定できる。
そしてさらに、調理条件表示制御手段は、いずれか一つの検知電極に対してタッチ入力が検出された場合でも、また同時に隣り合う複数の検知電極に対してタッチ入力が検出された場合でも、各検知電極に応じた調理条件表示パターンを調理表示条件表示手段に表示させるから、ユーザーがタッチ入力部のどの位置を手指で接触しても当該接触位置に応じた調理条件を認識することができ、総じて、調理条件設定のための検知電極の配置スペースを抑えつつ、調理条件をいわゆるワンタッチ操作あるいはスライド操作により簡単に設定できる。加熱制御手段は、前記調理条件設定手段により設定された調理条件で加熱手段を制御する。
本発明によれば、調理条件設定のための検知電極の配置スペースを抑えつつ、調理条件をいわゆるワンタッチ操作あるいはスライド操作により簡単に設定できるという効果を奏する。
以下、本発明をシステムキッチンに組み込まれる加熱調理器に適用した第1の実施例を図1〜図9を参照しながら説明する。図2には、キッチンキャビネット1に、加熱調理器2が組み込まれた状態の外観斜視図が示されている。また、図4は、トッププレートを外した状態で示す調理器本体3の平面図である。加熱調理器2の調理器本体3は、キャビネット1に設けられた開口4に落とし込み状態に組み込まれている。この調理器本体3の下部には、ロースタ部5が設けられている。
前記調理器本体3は、図4に示すように、上面が開口しており、内部の手前側に加熱手段としての二つの誘導加熱コイル8、9が設けられ、また中央奥部に別の加熱手段として例えばラジエントヒータからなるヒータ10が設けられている。また、この調理器本体3内には、主回路基板11が配設されており、この主回路基板11には、図1及び図5にも示すように、多数の加熱強度表示用の発光ダイオード12d1〜12dnが実装されていると共に、例えば蛍光表示管からなる表示器13が実装され、さらに板ばねからなる複数(後述する検知電極26D1〜26Dn及び単一検知電極23D〜25Dの数と同数)の接続端子14が立設状態に実装されている。
上記発光ダイオード12d1〜12dnは発光案内部材12aに収容されていて、図3に示すように矩形状の表示形態となる。この発光ダイオード12d1〜12dnの数は後述の検知電極26D1〜26Dnの数と同数としている。
図4及び図5に示すように、前記調理器本体3の開口3aの周縁部にはフランジ部15が設けられており、このフランジ部15が前記キャビネット1の開口4の縁部に配置されている。
さらに、図3ないし図5に示すように、前記調理器本体3の上面には、開口3aを覆うように、つまり前記誘導加熱コイル8、9及びヒータ10を上方から覆うように、耐熱ガラス製のトッププレート16が設けられている。この場合、このトッププレート16の周縁部16aは調理器本体3より外側(前後方向及び左右方向)へ張り出しており、前記フランジ部15により支えられている。このトッププレート16において、左右の誘導加熱コイル8、9及びヒータ10の上方に対応する部位はそれぞれ円形の加熱部17、18、19とされている。表示部17a、18a、19aの内部領域が加熱部17、18、19に相当する。
前記トッププレート16において、加熱部17、18の前側には、前記発光ダイオード12d1〜12dnからなる調理条件表示手段としての調理条件表示部20(図3参照)が形成されている。この調理条件表示部20の上側及び下側に、調理条件である加熱温度及び加熱強度を表示する加熱温度文字表示部21a及び加熱強度表示部21bが印刷形成されている。なお、表示器13も調理条件表示手段たるものである。
さらに、このトッププレート16の前縁部(調理器本体3より前方へ張り出した部分)上面には、図3に示すように、前記加熱部17の前方に位置してタッチ入力部22、単一タッチ入力部23ないし25が設けられている。タッチ入力部22は調理条件設定用である。
また単一タッチ入力部23ないし25は、制御切換用であり、そのうち、単一タッチ入力部23は調理メニュー設定用、単一タッチ入力部24は電源オン用、単一タッチ入力部25は電源オフ用である。タッチ入力部22は、手指の接触位置を任意に変更できる長さの領域(所定領域)を有する形態に、つまり長尺形態に、トッププレート16上に印刷膜により形成されている。
また、単一タッチ入力部23ないし25も、トッププレート16上に印刷膜により形成されている。前記加熱モード設定用の単一タッチ入力部23は、通常加熱、天ぷら、炊飯などの調理に適した加熱モードを設定するためのものである。
前記トッププレート16の前縁部下面側には、前記タッチ入力部22に対応して多数(複数)の検知電極26D1〜26Dnが設けられており、この検知電極26D1〜26Dnは、後述する基板38に導体パターンにより形成されていて、相互に手指による同時タッチ入力が可能な配置間隔で設けられている。なお、この検知電極26D1〜26Dnはトッププレート16下面側に存在するので、実際に手指が接触することはなく、上記「同時タッチ入力が可能な配置間隔」というのは、トッププレート16上面のタッチ入力部22に触れた時に、複数の検知電極が同時にタッチ入力状態となることが可能な配置間隔である。
誘導加熱コイル8に関する概略的な電気的構成を示す図1において、前記タッチ入力部22及び前記検知電極26D1〜26Dnに関連する構成について説明する。
調理条件設定手段、調理条件表示制御手段及び加熱制御手段である制御回路27はマイクロコンピュータを含んで構成されている。この制御回路27には、インバータ制御回路28が接続されている。前記インバータ制御回路28は、誘導加熱コイル8に高周波電流を供給するインバータ29を制御する。
さらに制御回路27には、タッチ入力検出回路30が接続されている。このタッチ入力検出回路30は、発振回路31と、この発振回路31から発振出力がそれぞれ与えられる個別検出回路32d1〜32dnとを備えて構成されている。個別検出回路32d1〜32dnは、それぞれ前記検知電極26D1〜26Dnに対するタッチ入力を検出するための回路であり、基本的に同一構成であるので、個別検出回路32d1について説明する。この個別検出回路32d1は、コンデンサ33と、検知電極26D1と、接触検知回路34とを有して構成されている。前記発振回路31の発振出力は前記コンデンサ33、検知電極26D1及び前記接続端子14を介して接触検知回路34の入力端子に与えられるようになっている。
接触検知回路34は、ダイオード35と、抵抗36とチャージコンデンサ37とを有した構成である。接触検知回路34の入力端子であるダイオード35のアノードは検知電極26D1に前記接続端子14を介して接続され、カソードとアースとの間に前記抵抗36とチャージコンデンサ37とが並列に接続され、出力端子であるカソードとチャージコンデンサ37の接続点が前記制御回路27に接続されている。
タッチ入力部22においてこの検知電極26D1の真上あるいは若干ずれた位置部分に、人体の手指が接触すると、人体と検知電極26D1とが静電容量結合するものである(人体と検知電極26D1との間の静電容量が変化して微弱電流が流れる)。これにより、接触検出回路34の出力電圧34vが変化(低下)し、制御回路27は、この出力電圧34vが設定値以下になったか否かを判断し、以下となったことをもって接触有りと判定する(接触判定機能)。
従って、前記タッチ入力検出回路30と制御回路27における接触判定機能とで、タッチ入力検出手段39を構成している。
他の個別検出回路32d2〜32dnも検知電極26D2〜26Dnに対して該個別検出回路32d1と同様に構成されている。
ここで、検知電極26D1〜26Dnは、トッププレート16下面に設けた基板38(図5及び図7参照)に形成されている。すなわち、検知電極26D1〜26Dnは同じ構成であるので、検知電極26D1について述べる。基板38の上面には、前記検知電極26D1が導体パターンにより形成され、基板38の下面には、図7に示すように、この検知電極26D1とスルーホール26aを介して導通する接続導体部26bが形成されている。各個別検出回路32d1〜32dnの各接触検出回路34は前記主回路基板11に実装されており、この主回路基板11の各接触検出回路34と前記検知電極26D1〜26Dnの各接続導体部26bとが前記接続端子14により接続されている。
前記各検知電極26D1〜26Dnは、前記調理条件表示部20と対応させて設けてあり、各検知電極26D1〜26Dnは、図3に示すように、左側のものから右側へ、順次、調理条件(加熱強度あるいは加熱温度)を大なる方向へ設定するようになっている。
前記単一タッチ入力部23ないし25に対応するトッププレート16下面側には、単一検知電極23Dないし25Dが設けられており、この単一検知電極23Dないし25Dも前記基板38上面に形成されている。この場合、この単一検知電極23Dないし25Dの配置間隔は、前記検知電極26D1〜26Dn相互の配置間隔よりも広く設定されて誤検出防止が図られている。これら単一検知電極23Dないし25Dの個別検出回路23A〜25Aは、検知電極26D1〜26Dnの個別検出回路32d1〜32dnと同じ回路構成と同じであり、同一部分に同一符号を付して詳細な説明は省略する。この個別検出回路23A〜25Aと制御回路27の前述した制御回路27における接触判定機能とで、単一タッチ入力検出手段40を構成している。
ここで、前記制御回路27の調理条件設定手段、調理条件表示制御手段及び加熱制御手段について説明する。制御回路27には、調理条件設定、調理条件表示制御及び加熱制御のためのプログラムを備えており、そのプログラムに従って以下のように動作する。
調理条件としては、加熱温度と、加熱強度とがあり、「天ぷら」が調理メニューとして選択されると、調理条件は加熱温度が設定対象となり、「通常加熱」が調理メニューとして選択されると、調理条件は加熱強度が設定対象となる。
例えば単一タッチ入力部23に対するタッチ操作(手指の接触操作)により「通常加熱」が選択されると、タッチ入力部22により加熱強度が設定されることになる。すなわち、ユーザーがタッチ入力部22の適宜箇所に手指を接触させると、このタッチ入力部22下方部の検知電極26D1〜26Dnのいずれか、又は隣り合う検知電極が静電結合されて微弱電流が流れ、これにより、各個別検出回路32d1〜32dnのいずれかの接触検出回路34の出力電圧34vが変化し、制御回路27が、その出力電圧34vを基準値で比較して、検知電極26D1〜26Dnのいずれか又は隣り合う検知電極にユーザーがタッチしたことを検出する。
例えば、図8(a)に示すように、手指がタッチ入力部22のうち左から1番目の検知電極26D1のほぼ真上に対応することにより該検知電極26D1に対するタッチ入力が検出されると、当該検知電極26D1(図9ではタッチ入力該当電極と称している)に対応する加熱強度J1(調理条件)を設定する。この場合左から1番目の検知電極26D1に対応する加熱強度は「最も低い加熱強度」である。そして、当該検知電極26D1に応じた調理条件表示パターン(発光ダイオード12d1のみを表示させるパターン)を前記調理条件表示部20に表示させる。
そしてユーザーが手指を右方向(矢印S方向)へスライドさせて、同図(b)に示すように、手指が隣り合う両検知電極26D1及び26D2のほぼ中間に対応すると、この両検知電極26D1及び26D2に対する同時タッチ入力がタッチ入力検出回路30及び制御回路27により検出される。
すると、制御回路27は、この場合、当該複数の検知電極26D1及び26D2に対応する加熱強度J1(この場合加熱強度の低い方を採用するように予め設定されている)を設定する。つまり、前記図8(a)の場合と同様に、「最も低い加熱強度J1」に加熱強度を設定する。そして、当該検知電極26D1及び26D2に応じた調理条件表示パターン(加熱強度の低い表示部を表示する表示パターン、つまり発光ダイオード12d1のみを表示させるパターン)を前記調理条件表示部20に表示させる。
さらにユーザーが手指をさらに右方向へスライドさせて左から2番目の検知電極26D2のほぼ真上に対応させると、該「左から2番目の検知電極26D2」に対応する加熱強度(この場合「最も低い加熱強度」より一段大きな加熱強度J2)を設定する。そして、当該検知電極26D2に応じた調理条件表示パターン(加熱強度が一段大きい表示部を表示する表示パターン、つまり発光ダイオード12d1に加えて12d2を表示させるパターン)を前記調理条件表示部20に表示させる。
そしてさらに、図8(d)で示すように、ユーザーが手指をさらに右方向へスライドさせて左から3番目の検知電極26D2のほぼ真上に対応させると、該「左から3番目の検知電極26D3」に対応する加熱強度(この場合「最も低い加熱強度」より2段階大きな加熱強度J3)を設定する。そして、当該検知電極26D3に応じた調理条件表示パターン(加熱強度が2段階大きい表示部を表示する表示パターン、つまり発光ダイオード12d1及び12d2に加えて発光ダイオード12d3を表示させるパターン)を前記調理条件表示部20に表示させる。
図9には、タッチ入力が検出された検知電極(図9では「タッチ該当電極」と称していると、調理条件(加熱強度)と、表示パターンとの関係を示している。
ここで、ユーザーが手指をスライドさせずに、最初から、図8(b)、(c)、(d)の位置に接触した場合も、同様の加熱強度設定及び表示制御となる。また、「天ぷら」が選択されると、加熱温度が同様に設定されるものである。上述の加熱強度設定又は加熱温度設定の後、制御手段27は設定された調理条件で誘導加熱コイル8あるいは9を制御する。
このように、タッチ入力検出回路30及び制御回路27により検知電極26D1〜26Dnのいずれか一つの検知電極に対するタッチ入力が検出されると、当該各検知電極に対応して予め定められた調理条件が設定される。この実施例では、当該検知電極の左方からの順位に応じた加熱強度あるいは加熱温度を設定し、同時に隣り合う複数の検知電極に対するタッチ入力が検出されると、当該複数の検知電極に対応して予め定められた調理条件を設定する。この場合、該当する両検知電極のうち順位の低いほうに対応した調理条件を設定する。
また、検知電極26D1〜26Dnのいずれか一つの検知電極に対してタッチ入力が検出された場合には当該一つの検知電極に対応して予め定められた調理条件表示パターンを調理条件表示部20に表示させ、同時に隣り合う複数の検知電極に対してタッチ入力が検出された場合には当該複数の検知電極に対応して予め定められた調理条件表示パターンを表示パターンを調理条件表示部20に表示させる。
また、ユーザーが単一タッチ入力部23に対して、そのほぼ真上から手指を接触させると、単一検知電極23Dに対するタッチ入力が正確に検出され、タッチ入力の回数に応じて、通常加熱、天ぷら、炊飯などの調理に適した加熱モードが選択設定される。他の単一タッチ入力部24、25に対しても、そのほぼ真上から手指を接触させると、単一検知電極24D、25Dに対するタッチ入力が正確に検出される。
ここで、ユーザーの手指の接触位置によっては、これら単一検知電極23D〜25Dの隣り合う単一検知電極が共にタッチ入力を検出することが考えられる。この場合、制御回路27はこれら単一検知電極23D〜25Dからの複数のタッチ入力は受け付けないように動作する。
また、制御回路27は、前記検知電極26D1〜26Dnのうち所定数例えば2個より多くの検知電極から同時にタッチ入力が検出されると、調理条件を設定しないようになっている。
また、前記検知電極26D1〜26Dnのうち離れた2個以上の検知電極から同時にタッチ入力が検出されたときにも、調理条件を設定しないようになっている。
このような本実施例によれば、複数の検知電極26D1〜26Dnを、タッチ入力部22に対応し、且つ相互に手指による同時タッチ入力が可能な配置間隔でトッププレート16下面側に設けたので、検知電極26D1〜26Dnの配置スペースを極力小さくすることができる。そして、制御回路27における調理条件設定手段は、タッチ入力検出手段39により検知電極26D1〜26Dnのうちいずれか一つの検知電極に対するタッチ入力が検出されると、当該検知電極に対応する調理条件を設定するから、各検知電極26D1〜26Dn個々に対応する調理条件をいわゆるワンタッチで設定できる。また、同時に隣り合う複数(二つ)の検知電極に対するタッチ入力が検出されると、当該複数の検知電極に対応する調理条件を設定するから、同時に隣り合う複数のタッチ入力であっても複数の検知電極に対応する調理条件をワンタッチで設定できる。従って、ユーザーがタッチ入力部のどの位置を手指で接触しても当該接触位置に応じた調理条件をワンタッチで設定できる。また、ユーザーが手指をタッチ入力部22に接触したままスライドさせた場合、その手指は順次、常に一つまたは隣り合う二つの検出電極がタッチ入力状態となるから、スライド操作により調理条件を順次設定できる。
そしてさらに、制御回路27における調理条件表示制御手段は、いずれか一つの検知電極に対してタッチ入力が検出された場合でも、また同時に隣り合う二つの検知電極に対してタッチ入力が検出された場合でも、各検知電極に対応した調理条件表示パターンを調理条件表示部20に表示させるから、ユーザーがタッチ入力部22のどの位置を手指で接触しても当該接触位置に応じた調理条件を認識することができ、総じて、調理条件設定のための検知電極26D1〜26Dnの配置スペースを抑えつつ、調理条件をいわゆるワンタッチ操作あるいはスライド操作により簡単に設定できる。
また、上記実施例によれば、トッププレート16の張出し部上面にタッチ入力部22を設け且つ該張出し部下面側に複数の検知電極26D1〜26Dnを設けたから、ユーザーが操作する部分と加熱部17とを離すことができて、ユーザーが操作時に鍋などの調理器に触れるおそれがなく、安全である。
また、本実施例によれば、タッチ入力部22の他に、複数の単一タッチ入力部23〜25をトッププレート16上面に設けると共に、該単一タッチ入力部23〜25に対応してトッププレート16下面側に複数の単一検知電極23D〜25Dを設け、単一タッチ入力部23〜25に対する手指の接触による該単一タッチ入力部23〜25と各単一検知電極23D〜25Dとの間の静電容量の変化により各単一検知電極23D〜25Dに対するタッチ入力を個別に検出する単一タッチ入力検出手段40を設け、単一タッチ入力検出手段40によりいずれか単一検知電極23D〜25Dに対するタッチ入力が検出されると、当該単一検知電極に対応するタッチ入力を受け付けて、タッチ入力に応じた制御を実行し、複数の単一検知電極に対するタッチ入力が検出されると、当該タッチ入力を受け付けないようにした。これにより、単一検知電極については、二重同時操作防止を確実化でき、誤った制御の実行を確実に防止することができる。
また本実施例によれば、調理条件表示部20は加熱強度などを表示するものであって、この調理条件表示部20と複数の検知電極26D1〜26Dnとを対応させて配置した構成としたから、加熱条件の設定が分かりやすく、操作性が良い。
また、本実施例によれば、タッチ入力が検出された検知電極が、隣り合う所定数の検知電極であるときには、当該所定数の検知電極に対応する調理条件を設定し、前記所定数より多い検知電極であるときには、調理条件を設定しないようにしたから、例えば、タッチ入力部22のある領域が水で濡れているような場合、ユーザーがいずれかのタッチ入力部に触れると、タッチ入力が検出されるべき検知電極以外の検知電極も同時にタッチ入力検出状態となって、いずれが正しいタッチ入力検出であるか不明となる。しかるにこの場合には、所定数を超える同時タッチ入力を受け付けないから、誤った調理条件の設定を防止することができる。
この場合、前記所定数より多い検知電極であるときには、特定調理条件(最も弱い加熱強度や、最も低い加熱温度)を設定するようにしても良い。このようにすると、所定数を超える同時タッチ入力があった場合に安全サイドの設定を行うことが可能となる。
図10及び図11は本発明の第2の実施例を示しており、この第2の実施例においては、検知電極26D1〜26Dnの幅寸法を小さくすると共に配置間隔も狭くして、多くて同時に三つの電極に対してタッチ入力を得ることができるようしている。図11には、タッチ該当電極と、調理条件(加熱強度)と、表示パターンとの関係を示している。
この実施例においては、図10(a)で示すように、二つの隣り合う検知電極26D1、26D2に対してタッチ入力が発生すると、該当二つの検知電極に対応する調理条件(加熱強度)を設定し、且つ、当該検知電極26D1、26d2に対応する表示部パターン(この場合発光ダイオード12d1)を調理条件表示部20に表示する。
次にユーザーの手指が右方向へスライドされて、三つの隣り合う検知電極26D1〜26D3に対してタッチ入力が発生すると、当該三つの検知電極に対応する加熱強度J2を設定し、且つ、当該三つの検知電極に対応する表示部パターン(発光ダイオード12d2、12d1)を調理条件表示部20に表示する。
さらにユーザーが手指が右方向へスライドされてゆくと、同様に調理条件の設定及び表示制御が実行される(同図(c)、(d)参照)。
この第2の実施例によれば、少ない接触スライド量で調理条件を変更でき、きめ細かな調理条件設定ができる。
図12及び図13は本発明の第3の実施例を示しており、この第3の実施例では、検知電極26D1〜26Dmは、前記第1の実施例における検知電極26D1〜26Dnの個数より少なく、配列方向に対して直交する方向で並ぶ部分を有する形状に形成されている。すなわち、この場合、一番左側の検知電極26D1は、その下右角部が右方向へ張り出した形状をなし、一番右側の検知電極26Dmは、その上左角部が左方向へ張り出した形状をなり、それらの間に位置する検知電極は、その下右角部が右方向へ張り出し、その上左角部が左方向へ張り出した平行四辺形の形状をなしており、隣りあう検知電極において、各張り出した角部部分(符号P1、P2で示した部分)が配列方向に対して直交する方向で並ぶ形態である。
また、この検知電極26D1〜26Dmの個数は、発光ダイオード12d1〜12dn二つにつきほぼ1個の割合となっている。
例えば図12(a)に示すように、検知電極26D1にタッチ入力が検出されると、当該検知電極26D1に対応する調理条件を設定し、且つ当該検知電極26D1に対応する表示パターン(発光ダイオード12d1を表示する表示パターン)を調理条件表示部20に表示する。
また、図12(c)で示すように、次の一つの検知電極12D2に対してタッチ入力が発生すると、当該検知電極12D2に対応する調理条件を設定し、且つ当該検知電極26D2に対応する表示パターン(発光ダイオード12d3、12d2、12d1を表示する表示パターン)を調理条件表示部20に表示する。
また、図12(b)で示すように、ユーザーが同時に二つの隣り合う検出電極(図では検知電極26D1、26D2)の前記張出し部分P2及びP1に擬似接触して、当該二つの隣り合う検知電極26D1、26D2からのタッチ入力が検出されると、調理条件として当該二つの検知電極26D1、26D2の個々に対応する両調理条件の中間的な調理条件を設定し、表示パターンも、当該二つの検知電極の両表示パターンの中間的な表示パターンとする。つまり、「発光ダイオード12d1以下」表示パターンと、「発光ダイオード12d3以下」表示パターンとの中間的な「発光ダイオード12d2以下」表示パターンとする。
このように第3の実施例によれば、複数の検知電極26D1〜26Dmが、配列方向に対して直交する方向で並ぶ部分を有する形状に形成されているから、隣り合う二つの検知電極に対する同時擬似接触の領域が長くなり、同時タッチ入力を確実に検出することができる。特に、この第3の実施例の図12と第1の実施例の図8との比較から理解できるように、調理条件の設定段階数(これは表示パターン数で示される)に比して検知電極26D1〜26Dmの個数を少なくでき、電気回路構成の簡単化を図ることができる。
そして、この第3の実施例においては、同時に隣り合う複数の検知電極のタッチ入力検出に応じた調理条件を、隣り合う検知電極個々のタッチ入力検出に応じた両調理条件の中間的な調理条件としているから、検知電極個々のタッチ入力検出に応じて両調理条件を設定する場合に比して、その中間的な調理条件を設定することができ、きめ細かな調理条件の設定を行うことができる。
また、この第3の実施例によれば、同時に隣り合う複数の検知電極に対応した調理条件表示パターンを、隣り合う検知電極個々に応じた両調理条件パターンの中間的な調理条件表示パターンとしたから、細かい調理条件の表示ができ、使い勝手がさらに良くなる。
図14は本発明の第4の実施例を示しており、この第4の実施例においては、検知電極26D1〜26Dmの形状を変更した点が上記第3の実施例と異なる。この第4の実施例では、各検知電極26D1〜26Dmの部分P1及びP2がほぼ矩形状をなす。この第4の実施例においても第3の実施例と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されず、次のように変更して実施することができる。例えば、タッチ入力検出回路30は適宜変更しても良い。また、このタッチ入力検出回路30に、制御回路27における接触判定機能に相当する回路を組み込む構成としても良く、このようにすれば、該タッチ入力検出回路30自体でタッチ入力検出手段を構成することができる。
また、タッチ入力検出の方式として、電極と人体との間の静電容量変化を検出する方式を例示したが、タッチ入力部に検知電極と対応するように多数のタッチ電極を配設し、手指が触れるタッチ電極と検知電極との間の静電容量変化を検する方式でも良い。また、調理条件表示手段の具体的構成についても前記各実施例に限定されず、例えば発光ダイオードの点灯数でなく7ゼグメントによる数字表示などでも良く、また調理状態(加熱出力状況など)表示を兼用させる構成としても良い。さらに、トッププレート16の上面に検知電極26D1〜26Dnに対向するように導電ペーストなどを焼き付けるなどして補助電極を設ける構成とし、人体が補助電極に接触した場合の静電容量変化を大きくさせる構成としても良い。
本発明の第1の実施例を示し、誘導加熱コイルに関する電気的構成のブロック図 加熱調理器をキッチンキャビネットに組み込んで示す斜視図 タッチ入力部部分の平面図 トッププレートを省略して示す平面図 基板部分の縦断側面図 タッチ入力部の部分的拡大平面図 同縦断側面図 (a)〜(d)は、異なる操作状態と、これに関連する表示状態との関係を示す図 タッチ入力該当電極と、調理条件と、表示パターンの関係を説明するための図 本発明の第2の実施例を示す図8相当図 図9相当図 本発明の第3の実施例を示す図8相当図 図9相当図 本発明の第4の実施例を示す図12相当図
符号の説明
図面中、1はキッチンキャビネット、2は加熱調理器、3は調理器本体、8、9は誘導加熱コイル(加熱手段)、10はヒータ(加熱手段)、11は主回路基板、12d1ないし12dnは発光ダイオード、16はトッププレート、17、18、19は加熱部、20は調理条件表示部(調理条件表示手段)、22はタッチ入力部、23ないし25は単一タッチ入力部、23Aないし25Aは個別検出回路、23Dないし25Dは単一検知電極、26D1ないし26Dn、26Dmは検知電極、27は制御回路(調理条件設定手段、調理条件表示制御手段及び加熱制御手段)、30はタッチ入力検出回路、32d1ないし32dnは個別検出回路、34は接触検知回路、38は基板、39はタッチ入力検出手段、40は単一タッチ入力検出手段を示す。

Claims (8)

  1. 上面の開口にトッププレートを備えると共に、このトッププレートの下方に加熱手段を備えた調理器本体と、
    前記トッププレートの上面に設けられユーザーの手指の接触位置変更可能な所定領域のタッチ入力部と、
    前記トッププレートの下面側に設けられた基板と、
    このタッチ入力部に対応して相互に手指による同時タッチ入力が可能な配置間隔で、前記基板に設けられた複数の検知電極と、
    前記トッププレートの下方においてこの検知電極よりも前記加熱手段側に設けられ、前記基板と他の回路基板とを接続する接続端子と、
    前記タッチ入力部に対する手指の接触による該タッチ入力部と各検知電極との間の静電容量の変化により各検知電極に対するタッチ入力を個別に検出するタッチ入力検出手段と、
    前記検知電極よりも前記加熱手段側に設けられ、調理条件を表示する調理条件表示手段と、
    前記タッチ入力検出手段によりいずれか一つの検知電極に対するタッチ入力が検出されると、当該一つの検知電極に対応する調理条件を設定し、同時に隣り合う複数の検知電極に対するタッチ入力が検出されると、当該複数の検知電極に対応する調理条件を設定する調理条件設定手段と、
    いずれか一つの検知電極に対してタッチ入力が検出された場合には当該一つの検知電極に応じた調理条件表示パターンを前記調理表示条件表示手段に表示させ、同時に隣り合う複数の検知電極に対してタッチ入力が検出された場合には当該複数の検知電極に応じた調理条件表示パターンを前記調理条件表示手段に表示させる調理条件表示制御手段と、
    前記調理条件設定手段により設定された調理条件で前記加熱手段を制御する加熱制御手段と
    を備えたことを特徴とする加熱調理器。
  2. トッププレートの前縁部は調理器本体より前方に張出した形態であり、
    この張出し部上面にタッチ入力部を設け且つ該張出し部下面側に複数の検知電極を設けたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  3. タッチ入力部の他に、複数の単一タッチ入力部をトッププレート上面に設けると共に、該単一タッチ入力部に対応して前記トッププレート下面側に複数の単一検知電極を設け、
    前記単一タッチ入力部に対する手指の接触による該単一タッチ入力部と各単一検知電極との間の静電容量の変化により各単一検知電極に対するタッチ入力を個別に検出する単一タッチ入力検出手段を設け、
    前記単一タッチ入力検出手段によりいずれか一つのみの単一検知電極に対するタッチ入力が検出されると、当該タッチ入力を受け付け、同時に複数の単一検知電極に対するタッチ入力が検出されると、該タッチ入力を受け付けない単一調理条件設定手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  4. 調理条件設定手段における、タッチ入力が検出された検知電極が隣り合う複数の検知電極であるときの調理条件は、隣り合う検知電極個々に応じた両調理条件の中間的な調理条件であり、
    調理条件表示制御手段における、タッチ入力が検出された検知電極が隣り合う複数の検知電極であるときの調理条件表示パターンは、隣り合う検知電極個々に応じた両調理条件パターンの中間的な調理条件表示パターンであることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  5. 複数の検知電極は、配列方向に対して直交する方向で並ぶ部分を有する形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  6. 調理条件表示手段は加熱強度などを表示するものであって、この調理条件表示手段と複数の検知電極とを対応させて配置した構成であることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  7. 調理条件設定手段は、タッチ入力が検出された検知電極が、隣り合う所定数の検知電極であるときには、当該所定数の検知電極に対応する調理条件を設定し、前記所定数より多い検知電極であるときには、調理条件を設定しないことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  8. 調理条件設定手段は、タッチ入力が検出された検知電極が、隣り合う所定数の検知電極であるときには、当該所定数の検知電極に対応する調理条件を設定し、前記所定数より多い検知電極であるときには、特定調理条件を設定することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。

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