JP4820255B2 - 車載機器 - Google Patents

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本発明は、ユーザが操作子に触れる事なく機器に対する各種操作を可能にする車載機器に関する。
近年、液晶ディスプレイ等のディスプレイデバイス技術の発展に伴い、各種電子機器に搭載されるディスプレイ装置の大型化が進み、情報提示における視認性の向上に寄与している。また、車載音響機器や車載情報機器等の車載機器においても同様にディスプレイ装置の大型化が進んでおり、それに伴って表示内容の充実、及び、視認性の向上が図られている。しかしながら、車載機器の場合は、一般の家庭用機器とは違い、車室内という空間が限定された場所に設置されることから装置本体のサイズに制約があり、ディスプレイ装置が大型化すると、車載装置を操作するための各種の操作ボタンを配置する配置スペースが狭くなるという問題がある。特に、車載機器においては、搭乗者がシートに座った位置から操作し易いレイアウトで各種の操作ボタンが車載機器に配置されていることが重要であるためレイアウトの制約を受け、ディスプレイ装置の大型化によって制限されたスペースに操作性を損なわないレイアウトで各種の操作ボタンを配置することは非常に困難である。
そこで操作ボタンをダウンサイズすることが考えられるが、操作ボタンのダウンサイズにも限度がある。例えば、ボリューム調整用の操作子として、ボリューム調整量をユーザが把握し易くするために、内部に抵抗部品を有して構成された直線にスライド移動するつまみ部を有したスライダ操作子や、つまみ部が回転する回転式の回転操作子が用いられるのが一般的である。しかしながら、この種の操作子にあっては、つまみ部や当該つまみ部の操作に応じて駆動される機械的な構造体を有し、また、つまみ部を可動するためのスペースが必要となるため、操作子の小型化には限度があり、さらに、車載装置のフロント面からつまみ部が突出するため、この種の操作子を配設可能な箇所が限定されるという問題がある。
ボリューム調整用の操作子には、上記の種類の操作子の他にも、ボリュームアップ用の押下スイッチと、ボリュームダウン用の押下スイッチとの2つの押下スイッチとを備えて構成された操作子が用いられることもあるが、この操作子にあっても、2つの押下スイッチという機械的な構造体を配設する必要があり配置可能な箇所が限定されるという問題を有する。
したがって、上記のような操作子をディスプレイ装置の周囲に配設すると、操作子のサイズと配設箇所の自由度の低さによりディスプレイ装置のサイズを制限する要因となる。
そこで近年では、ディスプレイ装置自体に操作子の機能を持たせることで当該ディスプレイ装置の周囲に配設すべき操作子を削減すべく、パネル部分にタッチパネルを設けたディスプレイ装置が広く実用化されている。しかしながら、例えば車載機器のボリューム調整をタッチパネルの操作により行う構成とすると、カーオーディオ装置等の車載機器においては、ボリューム調整は常に操作可能にする必要のある機能であるため、ボリューム調整用の操作キーをディスプレイ装置に定常的に表示しておく必要が生じる。このため、車載機器にて実行されるアプリケーションを開発する際には、各アプリケーションのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)にボリューム調整用の操作キーを表示する機能を設ける必要が生じ、アプリケーションの開発作業が煩雑になる。
ユーザがつまみ部やタッチパネルに表示された操作キーを操作する必要のある上記の各種の操作子の代わりとなる技術として、光センサを用いてユーザの動作を検出し、その動作により装置への操作入力を可能にした技術(以下、「無接触操作技術」と言う)が提案されている。この無接触操作技術においては、ユーザが光センサの上を横切るように指等を移動させたときの当該光センサの受光量の変化に応じて操作が入力されるようになっている。また、2つの光センサを並設することで、ユーザが2つの光センサを横切るように指等を移動させたときの各光センサのオン/オフのタイミングの差異を検出し、この検出値に基づいて指等の移動方向及び移動速度を推定し、これらの移動方向及び移動速度に応じて操作量を可変させて操作入力可能にすることもできるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−281963号公報
しかしながら、従来の無接触操作技術においては、次のような問題がある。すなわち、2つの光センサを用いて操作を検出する構成においては、1回の操作の検知には、指等の検知対象物が少なくとも2つの光センサの上を1回通過する時間を要する。したがって、ユーザが何度も操作を繰り返す場合には、2つの光センサの上を指等を通過させて1回の操作を行った後、もう一度、指等を元の位置に戻してから2回目の操作を行うため、結果として、1回あたりの操作に要する時間が約2倍になってしまう。
そのため、従来の無接触操作技術を、例えば、ボリューム調整操作に適用した場合、ユーザは、調整量を小さくすべく指等をゆっくり動かしたり、或いは、調整量を大きくすべく速く動かしたりといった動作を繰り返して目的の音量に調整することとなるが、その場合には、目的の音量に調整するまでに多くの時間を要するという問題がある。特に、車室内にあっては、1回の操作で上げる音量を大きくすると問題が生じるため、少しずつ繰り返し音量を上げていくことになり必然的に操作回数が多くなる。また、かかる問題は、ボリューム調整操作に限らず、多数の項目の中から目的の項目を選択する選択操作に、上記の技術を応用した場合であっても、目的の項目を選択するまでに多くの繰り返し操作を要することから同様の問題を生じる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、操作に要する時間を短縮し、操作性の向上を図ることのできる車載機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、表示パネルを有し、車両に搭載される車載機器であって、前記表示パネルの裏側に配置され、前記表示パネルの表面側に位置する検知対象物までの距離に応じた検出信号を出力する少なくとも2つの非接触センサを備え、前記非接触センサのそれぞれの検出信号の強度比に基づいて正常な操作入力と判定した場合に、前記強度比、及び前記非接触センサのそれぞれの検出信号の平均強度値に基づいて前記検知対象物上の2点間の傾きを求め当該傾きに応じて前記検知対象物による操作の操作量を決定することを特徴とする。
また本発明は、上記車載機器において、少なくとも3つ以上の前記非接触センサを備え、前記非接触センサのそれぞれの検出信号に基づいて、前記検知対象物上の2点間の傾きを複数特定し、各傾きに応じて前記操作量を決定することを特徴とする。
また本発明は、上記車載機器において、前記操作量に基づいて、前記表示パネルに表示されているオブジェクトの移動方向及び移動量を決定することを特徴とする。
また本発明は、上記車載機器において、前記傾きに応じた操作量を前記平均強度値に応じて増減させることを特徴とする。
また本発明は、上記車載機器において、前記非接触センサのそれぞれの検出信号を取り込み前記操作量を出力する時間間隔を、ユーザごと又は前記操作の対象ごとに設定可能にしたことを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記検知対象物が人体の一部であることを特徴とする。
発明は、上記車載機器において、音量を調整可能に構成され、前記操作量に基づいて前記音量を調整することを特徴とする。
また上記目的を達成するために、本発明は、車室内に設けられる装置本体のフロント部分に表示装置を備える車載機器において、前記装置本体のフロント部分に設けられ、当該フロント部分にかざされたユーザの手の平までの距離に応じた検出信号を出力する2つの非接触センサと、操作対象の操作量を、前記非接触センサのそれぞれの検出信号に基づいて決定して出力する信号処理ユニットとを備え、前記信号処理ユニットが、前記非接触センサのそれぞれの検出信号に基づいて、前記手の平内の2点間の傾きに応じた前記操作量を決定して出力する無接触操作装置を有し、前記表示装置に表示されているオブジェクトを、前記無接触操作装置が出力する前記操作量に応じた方向及び移動量で移動させることを特徴とする。
また本発明は、上記発明において、前記無接触操作装置が少なくとも3つ以上の前記非接触センサを備え、前記信号処理ユニットが、前記非接触センサのそれぞれの検出信号に基づいて、前記検知対象物上の2点間の傾きを複数特定し各傾きに応じて前記操作量を決定すると共に、前記表示装置が地図画像を表示し、前記表示装置に表示されている地図画像を、前記無接触操作装置が出力する前記操作量に応じたスクロール方向及びスクロール量でスクロール表示することを特徴とする。
本発明によれば、2つの非接触センサのそれぞれの検出信号に基づいて、検知対象物上の2点間の傾きに応じた操作量を決定する構成としたため、検知対象物を傾けるだけで、所望の操作量の操作を実行することが可能となり、操作を何度も繰り返し行う必要がなく操作に要する時間が短縮される。また、2つの非接触センサの上方で検知対象物を傾けるだけで操作入力が可能になるため、操作用のつまみ部等を操作する必要がなく、操作が簡単になり、以って、操作性の向上を図ることができる。さらに、つまみ部等の稼働部材等の機械的な構造体を設ける必要がないため、サイズの小型化と配置箇所の自由度の向上とを図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、車載機器の一態様たるカーオーディオ装置1の構成を示す図である。図1(A)に示すように、カーオーディオ装置1は、フロント部分2Aを露出させるように車両のセンターコンソールに収納される装置本体2と、表示パネルとしての液晶パネル4を有する表示装置3とを備え、この表示装置3が装置本体2のフロント部分2Aに配設されている。さらに、図1(B)に示すように、表示装置3の液晶パネル4は赤外波長帯域に透過率の高い領域を有し、当該液晶パネル4の裏側には、フロント部分2Aの正面に向けて赤外光を放射して検知対象物を検知する右側光学センサ装置11R及び左側光学センサ装置11Lを有した無接触操作装置10が配設されている。
具体的には、無接触操作装置10は、カーオーディオ装置1のボリューム(音量)調整操作を受け付けるものであり、液晶パネル4の裏側に、上記右側光学センサ装置11R及び左側光学センサ装置11Lが間隔Wを設けて並設されている。右側及び左側光学センサ装置11R、11Lは、赤外線レーザ又は赤外線LEDを有し赤外光を液晶パネル4の正面に向けて放射する発光装置と、この赤外線が発光装置の正面に位置する物体に反射して戻ってくる反射光を受光して、受光強度に応じた電気信号を検出信号として出力する受光装置とを備えており(共に図示せず)、これら右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの検出信号に基づいてボリューム調整が行われる。なお、検出信号に基づくボリューム調整の詳細については後に詳述する。
表示装置3は、例えば現在再生中の楽曲情報(楽曲タイトルや演奏時間、アーティスト名等)や現在の音量(ボリューム)といった各種情報を表示するものであり、また、無接触操作装置10が配設されている箇所には、その箇所をユーザに示すべく、操作入力の仕方と共に操作領域を通知する操作領域通知窓5を表示する。
そして、図2に示すように、ユーザが手の平8を無接触操作装置10の上方にかざし、右側の指が下になる(液晶パネル4に近づく)ように手の平8を傾ける右傾動作(図2(B))、或いは、左側の指が下になる(液晶パネル4に近づく)ように手の平8を傾ける左傾動作(図2(C))を行うことで、かかる動作が無接触操作装置10に検知され、そのときの手の平8の傾き、及び、液晶パネル4から手の平8までの距離に応じて音量が調整されることになる。
なお、上記操作領域通知窓5は、定常的に表示装置3に表示されている必要はない。すなわち、無接触操作装置10の配置場所が操作マニュアル等に記載されている場合や、無接触操作装置10からの操作入力が1回でも行われた場合等には、ユーザが無接触操作装置10の配置箇所を認識していると推定されるため、上記操作領域通知窓5を表示する必要はない。
図3は、カーオーディオ装置1の機能的構成を示すブロック図である。この図に示すように、カーオーディオ装置1は、上述した表示装置3及び無接触操作装置10を有し、さらに、全体制御装置と20と、記憶メディア装置21と、音響信号増幅装置22と、音響信号出力装置23とを備えている。
全体制御装置20は、カーオーディオ装置1の各部を中枢的に制御するものであり、例えば、音楽の再生制御や、無接触操作装置10に対する操作に基づいてボリュームを変更する制御を実行する。
記憶メディア装置21は、楽曲データと、楽曲タイトル、演奏時間、アーティスト名等の楽曲情報とが記録されたCDやDVD、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリー等の記録媒体を再生する装置であり、全体制御装置20からの指示にしたがって楽曲データを音響信号増幅装置22にPCMデータとして出力する。
音響信号増幅装置22は、記憶メディア装置21から出力されるPCMデータをデジタルアナログ変換すると共に、全体制御装置20から指示された音量に相当する分だけ信号を増幅し音響信号として音響信号出力装置23へ出力する。
音響信号出力装置23は、音響信号増幅装置22から出力された音響信号を車室内に出力するものであり、例えば放音装置としてのスピーカを有している。
無接触操作装置10は、上述した右側及び左側光学センサ装置11R、11Lと、これらの右側及び左側光学センサ装置11R、11Lが出力する検出信号に基づいて、ボリュームの調整量を示すボリューム調整信号DVを生成し全体制御装置20に出力する信号処理ユニット12とを有している。
右側及び左側光学センサ11R、11Lは、先述の通り、液晶パネル4の裏側に、互いの間隔Wを設けてそれぞれ配設され、装置本体2の正面に向けて赤外光を放射し、当該装置本体2の正面に位置する検知対象物(本実施形態では手の平8)からの反射光を受光して、受光強度に応じた電気信号を検出信号として出力するものであり、各検出信号が信号処理ユニット12に入力される。
信号処理ユニット12は、差分検出装置13と、平均検出装置14と、センサ信号解析装置15とを備えている。
差分検出装置13は、右側光学センサ装置11Rの検出信号PDRの信号強度と、左側光学センサ装置11Lの検出信号PDLの信号強度との差分に応じた信号を差分信号DDとしてセンサ信号解析装置15に出力するものである。なお、本実施形態では、検出信号PDRの信号強度と、検出信号PDLの信号強度との差分に応じた信号として、(検出信号PDRの信号強度)/(検出信号PDLの信号強度)により規定される検出信号の強度比信号を差分信号DDとして用いることしている。
平均検出装置14は、検出信号PDR及びPDLの信号強度の平均強度を示す平均強度信号DAをセンサ信号解析装置15に出力するものである。センサ信号解析装置15は、差分信号DD及び平均強度信号DAに基づいて、ボリュームの調整量を示す上記ボリューム調整信号DVを生成し、全体制御装置20に出力するものである。
これらの差分検出装置13、平均検出装置14及びセンサ信号解析装置15のそれぞれは、検出信号PDR、PDLをアナログ信号のまま処理する構成であっても、アナログデジタル変換器によってデジタル信号に変換して処理する構成であっても良い。アナログ信号のまま処理する場合には、例えばオペアンプ回路を用いて構成した差分回路や加算回路等で上記差分検出装置13や平均検出装置14を構成可能である。
次いで、上記差分信号DD及び平均強度信号DAについて図4を参照してより詳細に説明する。図4は、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lと、これらの上方にかざした手の平8とを断面方向からみた模式図である。
図4(A)に示すように、手の平8が液晶パネル4の面に対して略平行である場合(手の平の傾き角度φ=0)、右側光学センサ装置11Rから手の平8の検出点P1までの距離と、左側光学センサ装置11Lから手の平8の検出点P2までの距離とは共に略等しい距離L0となる。
一般に、光学センサ等の非接触センサにおいては、検出対象物までの距離に応じた強度の検出信号が出力される。このとき、検出信号の信号強度は、検知対象物の傾き角度の違いによる反射率の変化、及び、検知対象物までの距離に対する放射光強度の非線形的な変化によって変動するが、本実施形態では、簡単のため、検知対象物の傾き角度によらず反射率は一定であり、また、検知対象物までの距離に対して放射光強度が線形に変化するものとする。また、各光センサ装置11R、11Lは共に同一の検知対象物を検知するため、光センサ装置11R、11Lの放射光に対する検知対象物の反射率は略等しいものとする。
以上のことから、傾き角度φ=0の場合には、右側光学センサ装置11Rの検出信号PDRの信号強度と、左側光学センサ装置11Lの検出信号PDLの信号強度とは略等しくなる。したがって、この場合には、信号強度比と平均強度値とはそれぞれ次のようになり、それぞれが上記差分信号DD及び平均強度信号DAとしてセンサ信号解析装置15に入力されることとなる。
信号強度比=(検出信号PDRの信号強度)/(検出信号PDLの信号強度)=1
平均強度値={(検出信号PDRの信号強度)+(検出信号PDLの信号強度)}/2
=PDRの信号強度(=PDLの信号強度)
なお、以下においては、傾き角度φ=0の場合の平均強度値をIavとする。
また、図4(A)において、手の平8の右側が左側よりも下になる右傾動作が行われた状態の場合(状態(I)、傾き角=−φ)、右側光学センサ装置11Rから検出点P1までの距離がL1(<L0)となり、左側光学センサ装置11Lから検出点P2までの距離がL2(>L0)となるため、右側光学センサ装置11Rの検出信号PDRの信号強度よりも、左側光学センサ装置11Lの検出信号PDLの信号強度の方が小さくなる。
したがって、この場合には、信号強度比及び平均強度値のそれぞれは次のようになる。
信号強度比=(検出信号PDRの信号強度)/(検出信号PDLの信号強度)>1
平均強度値={(検出信号PDRの信号強度)+(検出信号PDLの信号強度)}/2
=Iav
一方、図4(A)において、手の平8の右側が左側よりも上になる左傾動作が行われた状態の場合(状態(II)、傾き角=φ)、右側光学センサ装置11Rから検出点P1までの距離がL2(>L0)となり、左側光学センサ装置11Lから検出点P2までの距離がL1(<L0)となるため、右側光学センサ装置11Rの検出信号PDRの信号強度よりも、左側光学センサ装置11Lの検出信号PDLの信号強度の方が大きくなる。
したがって、この場合には、信号強度比及び平均強度値のそれぞれは次のようになる。
信号強度比=(検出信号PDRの信号強度)/(検出信号PDLの信号強度)<1
平均強度値={(検出信号PDRの信号強度)+(検出信号PDLの信号強度)}/2
=Iav
さらに、図4(B)に示すように、手の平8が液晶パネル4に近づけられるにしたがって、各光センサ装置11R、11Lから手の平8までの距離L0’は距離L0よりも短くなるため、検出信号PDR、PDLのそれぞれの信号強度が大きくなり、結果として、平均強度値が大きくなる。
以上のことから、手の平8が左右のどちら側に傾けられているのかが信号強度比の値に基づいて特定され、また、平均強度値の大きさにより、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lから手の平8までの遠近が特定されることが分る。このとき、手の平8の傾き角φが大きいほど、検出信号PDRの信号強度と検出信号PDLの信号強度との差が大きくなるため、信号強度比の大きさにより傾き角φの大小が特定されることになる。
なお、上記右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのそれぞれの検知点P1、P2は、検知対象物たる手の平8上の互いに異なる点である必要がある。すなわち、一般的な手の平8の幅をHとし、また、手の平8の最大の傾き角度をφmaxとすると、右側光学センサ装置11Rと左側光学センサ装置11Lとの間の間隔Wは、H×sin(φmax)よりも小さくする必要がある。ただし、間隔Wが狭すぎると、上記右側及び左側光学センサ11R、11Lのそれぞれの検知点P1、P2に重なりが生じる恐れがあるため、上記間隔Wの最小値は、検知点P1、P2が互いに重ならないような幅によって規定される。このとき、右側及び左側光学センサ11R、11Lの発光部と受光部とに光学レンズ又はスリットを設けることで、右側及び左側光学センサ11R、11Lが検知可能な範囲を絞込む等の調整を行う事も可能であり、この場合には、間隔Wを狭くしても検知点P1、P2の重なりを防止し易くなる。本実施形態では、右側及び左側光学センサ11R、11Lとして、放射する赤外光の拡がり角が約5°程度のセンサを用いることとしている。なお、右側及び左側光学センサ11R、11Lを互いに排他的に駆動することで、右側及び左側光学センサ11R、11Lのそれぞれの放射光が干渉するのを防止することが可能である。
さて、センサ信号解析装置15は、差分信号DD及び平均強度信号DAが入力された場合には、手の平8の傾き及び無接触操作装置10までの距離に応じた調整量だけボリュームをアップ又はダウンさせるためのボリューム調整信号DVを生成する。
より詳述には、本実施形態では、右傾動作が行われた場合にはボリュームをアップさせ、これとは逆に左傾動作が行われた場合にはボリュームをダウンさせる。このとき、液晶パネル4に対する手の平8の傾きφが大きいほど、及び、手の平8が無接触操作装置10に近いほど、ボリュームのアップ幅又はダウン幅が大きくなるようになっており、かかるボリューム調整を可能とすべく、センサ信号解析装置15は、ボリューム調整量SVRを、次式(1)によりボリューム調整量SVRを決定し、ボリューム調整信号DVとして全体制御装置20に出力する。
ボリューム調整量SVR=A×(強度比係数K1)×(平均強度値係数K2) (1)
(ただし、Aは定数)
強度比係数K1は、差分信号DDにより示される信号強度比を、手の平8の傾き角度φに応じた調整量のボリュームダウン又はボリュームアップに変換するための係数であり、平均強度値係数K2は、平均強度信号DAにより示される平均強度値を、手の平8と無接触操作装置10(右側及び左側光学センサ装置11R、11L)までの距離に応じたボリューム調整量に変換するための係数である。
差分信号DDと強度比係数K1の関係、及び、平均強度信号DAと平均強度値係数K2との関係は、センサ信号解析装置15に予め格納されている強度比係数変換テーブル30及び平均強度値係数変換テーブル31によりそれぞれ規定されている。
強度比係数変換テーブル30は、図5に示すように、信号強度比の値を、その値の大きさに応じて複数の範囲に区切り、各範囲ごとに値が異なる強度比係数K1が割り当てられている。このとき、信号強度比が「1」より大きい場合(すなわち右傾動作がなされた場合)、強度比係数K1が正の値をとることでボリュームアップを示し、信号強度比が「1」より小さい場合(すなわち左傾動作がなされた場合)には、強度比係数K1が負の値をとることでボリュームダウンを示すように設定されている。また、信号強度比の値が「1」よりも大きくなるほど、或いは、「1」よりも小さくなるほど(すなわち、手の平8の傾き角度φが大きくなるほど)、強度比係数K1の絶対値が大きくなって1回あたりのボリューム調整量が大きくなるように設定されている。なお、信号強度比の値が略「1」である場合、すなわち、手の平8が液晶パネル4に対して略水平の場合は、強度比係数K1が「0」となるように設定されており、この場合には、式(1)により、ボリューム調整量SVRの値が「0」となるため、ボリュームは変化しない。
平均強度値係数変換テーブル31は、図6に示すように、平均強度値を、その値の大きさに応じて複数の範囲に区切り、値が異なる平均強度値係数K2が各範囲に割り当てられている。このとき、平均強度値が大きくなるほど、すなわち、手の平8が無接触操作装置10に近づけられるほど、平均強度値係数K2の値が大きくなるように設定されており、1回あたりのボリューム調整量が大きくなるようになっている。
全体制御装置20は、上記式(1)により決定されたボリューム調整量SVRのボリューム調整信号DVが入力された場合、音響信号増幅装置22にボリューム調整量SVRの大きさに応じた増幅率で音響信号を増幅させ、これにより、ボリュームが調整されることとなる。かかるボリューム調整時の動作として、ボリューム調整操作検出時の動作について図7を参照して詳細に説明する。
図7は、ボリューム調整操作検出のフローチャートである。
この図に示すように、ボリューム調整操作を受け付けるべく、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lによって手の平8を検知する検知モードになると(ステップSa1:YES)、信号処理ユニット12は、T1の時間間隔のセンサ検知タイミングで右側及び左側光学センサ装置11R、11Lから検出信号を取り込み、各検出信号に基づいて上記ボリューム調整信号DVを生成し、全体制御装置20に送出する。
この時間間隔T1は、ユーザの手の平8による操作に対するレスポンス(感度)を規定するものであり、この時間間隔T1を短くすることで、手の平8の傾動動作の検知間隔が短くなり、レスポンスを高めることが可能となり、これとは逆に、時間間隔T1を長くすることで、レスポンスを鈍らせることが可能となる。
また、上記時間間隔T1ごとに検出信号が取り込まれてボリューム調整信号DVが生成されるため、ユーザが手の平8を傾けた状態で無接触操作装置10の上に時間Tsの間だけ手の平8をかざすと、(Ts/T1)回分の操作が検出される。
すなわち、この時間T1を短くすると、単位時間あたりの操作回数を増やすことが可能となり、これとは逆に時間間隔T1を長くすると、単位時間あたりの操作回数を少なくすることが可能となる。
したがって、手の平8の傾き角度φが小さく1回あたりのボリューム調整量Vsrが小さい場合であっても、時間間隔T1を短くすると、単位時間あたりの操作回数が増えて単位時間あたりのボリューム調整量の累積値が大きくなるため、小さな動きでボリュームを大きく変動させることが可能となる。またこれとは逆に、時間間隔T1を長くすると、単位時間あたりの操作回数が減り単位時間あたりのボリューム調整量の累積値が小さくなるため、ボリュームを細かく調整することが可能となる。
なお、時間間隔T1は、ユーザが設定可能に構成することで、ユーザの嗜好やユーザごとの手の平8の大きさ及び動きの特徴に合致したボリューム調整操作を実現できる。また、車両が走行中の場合には時間間隔T1を短くして、単位時間あたりのボリューム調整量を大きくすることで操作時間を短縮することが可能である。また、ボリューム操作やメニュー選択操作等の各種操作ごとに時間間隔T1を自動的又はユーザにより設定可能にすることで、操作対象に合致した操作入力が実現可能となる。
さて、上記センサ検知タイミングでは(ステップSa2)、右側光学センサ装置11Rが検知点P1に向けて赤外光を放射して手の平8の検知を行うと共に(ステップSa3)、左側光学センサ装置11Lが検知点P2に向けて赤外光を放射して手の平8の検知を行う(ステップSa4)。そして、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lから検出信号PDR、PDLが差分検出装置13及び平均検出装置14のそれぞれに入力され、差分検出装置13が上記信号強度比を示す差分信号DDを生成してセンサ信号解析装置15に出力すると共に(ステップSa5)、平均検出装置14が上記平均強度値を示す平均強度信号DAをセンサ信号解析装置15に出力する(ステップSa6)。
センサ信号解析装置15は、差分信号DD及び平均強度信号DAが入力されると、差分信号DDに基づいて強度比係数K1を決定すると共に、平均強度信号DAに基づいて平均強度値係数K2を決定し(ステップSa7)、正常な操作入力であるか否かを判定すべく、強度比係数K1の値を評価する(ステップSa8)。
詳述すると、検知点P1、P2のいずれかから手の平8が外れてしまった場合には、信号強度比が極端に大きくなり、強度比係数K1として、既定された値のうち絶対値が最大の値(本実施形態では「3」又は「−3」)が選択される。そこで、センサ信号解析装置15は、強度比係数K1の絶対値が、予め指定されている指定値(例えば、上記絶対値が最大或いは2番目に大きい値等)を超えているか否かを判定することで、正常な操作入力であるか否かを判断している。
そして、センサ信号解析装置15は、上記ステップSa8の評価の結果、正常な操作入力であると判定した場合には(ステップSa8:OK)、上記式(1)にしたがってボリューム調整量SVRを算出し(ステップSa9)、そのボリューム調整量SVRを全体制御装置20にボリューム調整信号DVとして送出して(ステップSa10)、次の操作を受け付けるべく処理手順をステップSa1に戻す。
一方、上記ステップSa8の評価の結果、操作入力が異常であると判定した場合には(ステップSa8:NG)、強度比係数K1に基づいてボリュームを調整すると、ユーザの意図に反してボリュームが大きく変動する恐れがあるため、センサ信号解析装置15は、今回の検知によってボリュームが調整されないようにすべく、強度比係数K1の値を「0」に再設定した後(ステップSa11)、上記式(1)にしたがってボリューム調整量SVRを算出する(ステップSa9)。これにより、値が「0」のボリューム調整量SVRが算出され、そのボリューム調整量SVRが全体制御装置20にボリューム調整信号DVとして送出されることとなる(ステップSa10)。
このように、本実施形態によれば、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのそれぞれの検出信号PDR、PDLに基づいて、手の平8の2点間の傾きに応じたボリューム調整量を決定する無接触操作装置10をカーオーディオ装置1に設けたため、ユーザは、手の平8を無接触操作装置10の上にかざし傾けるだけで、つまみ部やタッチキー等を操作することなく簡単にボリューム調整を行うことが可能となり、操作性の向上が図られる。
また、手の平8の傾きによりボリューム調整量が指定されるため、音量を大きく変えたり、また、小さく変える等の操作が1回の操作で簡単に行うことが可能となり、操作に要する時間が短縮される。
また、本実施形態によれば、無接触操作装置10は、つまみ部等の稼働部材等の機械的な構造体を有しないため、操作装置のサイズの小型化と配置箇所の自由度の向上とを図ることが可能となる。特に、本実施形態によれば、無接触操作装置10を液晶パネル4の裏側に配置する構成としたため、操作子の配置のために液晶パネル4のサイズを制限することがない。
また、本実施形態によれば、無接触操作装置10から手の平8までの距離、すなわち、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのそれぞれから手の平8までの距離の平均に応じて、ボリューム調整量を増減させる構成としたため、同じ手の平8の傾きに対して、ボリューム調整量を細かく制御することが可能となる。
さらに信号処理ユニット12が右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのそれぞれの検出信号PDR、PDLを取り込みボリューム調整量を出力する時間間隔T1をユーザごとに設定可能にすることで、ユーザの嗜好やユーザごとの手の平8の大きさ及び動きの特徴に合致したボリューム調整操作を実現できる。
<第2実施形態>
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。
上述した第1実施形態では、無接触操作装置10によってボリューム調整を行う場合を説明したが、本実施形態では、表示装置3に表示されたGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を操作する構成について説明する。
図8は本実施形態に係るカーオーディオ装置1Aの構成を模式的に示す図である。なお、同図において、第1実施形態と同じ部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示すように、カーオーディオ装置1Aの表示装置3には、複数の選択項目(オブジェクト)41を表示するメニュー画面40が表示されており、無接触操作装置10を操作することで、各選択項目41を選択可能に構成されている。
詳述すると、複数の選択項目41は、中心角θごとに環状に並んで配置され、無接触操作装置10に手の平8をかざして右傾動作が行われると選択項目41が右回りに順番に選択され、これとは逆に、無接触操作装置10に手の平8をかざして左傾動作が行われると選択項目41が左回りに順番に選択される。このとき、選択された選択項目41はハイライト表示されて選択状態であることが明示される。また、手の平8の傾き角度φに応じた速度で各選択項目41が選択される(ハイライト表示が移動する)。
図9は、選択項目選択操作検出のフローチャートである。なお、同図において、上述した第1実施形態と同様の処理を行うステップについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
この図に示すように、センサ信号解析装置15は、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lに基づいて生成された差分信号DD及び平均強度信号DAが入力され、差分信号DDに基づいて強度比係数K1を決定すると共に、平均強度信号DAに基づいて平均強度値係数K2を決定した後、これらの強度比係数K1及び平均強度値係数K2に基づいて、選択項目41の選択方向(回転方向)と、次に選択する選択項目41までの速度とを示す選択操作量Sωを算出し(ステップSb1)、この選択操作量Sωを示す選択操作量信号DSωを全体制御装置20に出力することになる(ステップSb2)。
選択操作量Sωについて詳細には、センサ信号解析装置15は、次式(2)にしたがって選択操作量Sωを決定する。
選択操作量Sω=ω0×(強度比係数K1)×(平均強度値係数K2) (2)
(ただし、ω0は選択速度の初期値)
上記強度比係数K1及び平均強度値係数K2は、第1実施形態と同様の値が用いられている。すなわち、右傾動作時には選択操作量Sωが正の値となって右回りの選択方向が示され、左傾動作時には選択操作量Sωが負の値となって左回りの選択方向が示され、また、選択操作量Sωが手の平8の傾き角度φが大きいほど大きな値となり、これにより、当該選択操作量Sωによって選択方向及び選択速度が示されることとなる。
なお、時間間隔T1が長い場合には選択速度の初期値ω0を大きくし、これとは逆に、時間間隔T1が短い場合には選択速度の初期値ω0を小さくするといったように、初期値ω0を時間間隔T1に応じて変更するようにしても良い。
また、手の平8の傾き角度φが維持されたまま、手の平8が液晶パネル4に近づけられる等して手の平8から無接触操作装置10までの距離(すなわち、平均強度値Iav)が変化した場合や、ある選択項目41が所定時間にわたり選択状態となっている場合に、現在選択されている選択項目41を選択確定するようにしても良い。
このように本実施形態によれば、複数の選択項目41の中から所望の選択項目41を選択操作する場合に、ユーザが手の平8の傾きを変えるだけで、選択速度を自由に変更することができる。さらに、選択項目41を環状に配置し、各選択項目41が循環的に選択状態にしているため、所望の選択項目41の選択が過ぎてしまった場合であっても、そのまま選択を1周させて、所望の選択項目41を再度選択可能となる。
<第3実施形態>
次いで本発明の第3実施形態について説明する。
上述した第2実施形態では、選択項目41を環状に配置した場合を説明したが、本実施形態では、選択項目が階層構造を有している。
図10は、本実施形態に係るカーオーディオ装置1Bの構成を模式的に示す図である。なお、同図において、第1又は第2実施形態と同じ部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示すように、カーオーディオ装置1Bの表示装置3には、複数の選択項目(オブジェクト)51を表示するメニュー画面50が表示されている。選択項目51は、階層構造を有し、メニュー画面50の初期状態においては、最上層(第1階層)60−1に属する選択項目51が上下一列に並んで表示されており、いずれかの選択項目51が選択確定されると、その選択項目51に属する第2階層60−2の選択項目51が上下一列に並んでメニュー画面50に表示される。
また、無接触操作装置10Aは、左右に並んで配置された右側及び左側光学センサ装置11R、11Lに加え、これら右側及び左側光学センサ装置11R、11Lを結ぶ線に対して略垂直な軸に沿って上下に間隔Hを設けて配置された上側光学センサ装置11U及び下側光学センサ装置11Dを更に備え、右側、左側、上側及び下側光学センサ装置11R、11L、11U、11Dのそれぞれの検出信号PDR、PDL、PDU、PDDが信号処理ユニット12に入力される。
信号処理ユニット12は、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのそれぞれの検出信号PDR、PDLに基づいて、階層間の移動方向及び移動量を決定し、上側及び下側光学センサ装置11U、11Dのそれぞれの検出信号PDU、PDDに基づいて、同一階層内での各選択項目51間の上下の移動方向及び移動量を決定する。これにより、ユーザが手の平8を左右に傾ける動作を行いことで階層間の移動が行われ、また、手の平8の指先側が無接触操作装置10Aに近づくように、或いは、手の平8の手首側が無接触操作装置10Aに近づくように手の平8を上下に傾けることで、同一階層内での選択項目の選択が行われる。
図11は、本実施形態に係る選択項目選択操作検出のフローチャートである。なお、同図において、上述した第1又は第2実施形態と同様の処理を行うステップについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
この図に示すように、センサ検知タイミングT1に至ると、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lに加えて、上側及び下側光学センサ装置11U、11Dのそれぞれが手の平8を検知して(ステップSc1、Sc2)、信号処理ユニット12に検出信号PDU、PDDを出力する。
信号処理ユニット12は、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの検出信号PDR、PDLの信号強度比及び平均強度値を求め(ステップSa5、Sa6)、強度比係数K1及び平均強度値係数K2を算出すると共に(ステップSa7)、上側及び下側光学センサ装置11U、11Dの検出信号PDU、PDDの信号強度比及び平均強度値を求め(ステップSc3、Sc4)、強度比係数K1’及び平均強度値係数K2’を算出する(ステップSc5)。
なお、これらの強度比係数K1、K1’及び平均強度値係数K2、K2’は、第1実施形態と同様に強度比係数変換テーブル30及び平均強度値係数変換テーブル31に基づいて求められ、係数評価が行われることとなる(ステップSc6)。このとき、一般に、層間を移動する操作の方が同一階層内での選択項目51の選択操作よりも優先することが望ましいため、上記ステップSc6の係数評価においては、第1実施形態のステップSa8と同様に強度比係数K1、K1’が指定値を超えているか否かの判断に加え、さらに、強度比係数K1と強度比係数K1’の大小の比較が行われる。そして、強度比係数K1の方が大きい場合には、判断結果がNGとなり、ステップSa11において、強度比係数K1’の係数値を「0」にして選択項目51の選択操作量を「0」にして、層間移動操作を優先させることとなる。
次いで、信号処理ユニット12は、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの検出信号PDR、PDLから求められた強度比係数K1及び平均強度値係数K2に基づいて、階層間の移動方向(上層又は下層への移動)及び移動速度を示す階層移動操作量SKIを次式(3)を用いて算出し、また、上側及び下側光学センサ装置11U、11Dの検出信号PDU、PDDから求められた強度比係数K1’及び平均強度値係数K2’に基づいて、同一層内での選択項目51の移動方向(上下方向)及び移動速度を示す項目選択操作量SKSを次式(4)を用いて算出し(ステップSc7)、選択操作量信号DSSとして全体制御装置20に送出することになる(ステップSc8)。
階層移動操作量SKI=
B×(強度比係数K1)×(平均強度値係数K2) (3)
項目選択操作量SKS=
C×(強度比係数K1’)×(平均強度値係数K2’) (4)
(ただし、B、Cは共に定数)
ここで、上記ステップSc8においては、階層間を移動する操作と、同一階層内で選択項目51を選択する操作とは排他的に行われる必要があるため、階層移動操作量SKIと項目選択操作量SKSとが共に「0」以外の値となるときは、絶対値の小さい方の信号を「0」として、その操作が無効化した後、選択操作量信号DSSとして全体制御装置20に送出されることになる。
<第4実施形態>
次いで、本発明の第4実施形態について説明する。上述した第1乃至第3実施形態では、本発明に係る車載機器の一態様としてカーオーディオ装置1、1A、1Bを説明したが、本実施形態では、車載機器の一態様としてカーナビゲーション装置について説明する。
図12は本実施形態に係るカーナビゲーション装置100の構成を模式的に示す図である。なお、同図において、第1乃至第3実施形態と同じ部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示すように、カーナビゲーション装置100の表示装置3には、地図(オブジェクト)71を表示するナビゲーション画面70が表示されている。この地図71は、第3実施形態にて説明した無接触操作装置10Aが操作されることで、上下左右、あるいは、斜め方向にスクロール表示されるようになっている。このとき、手の平8の傾き角度φに応じた速度で地図71がスクロールされる。
図13は、本実施形態に係るスクロール操作検出のフローチャートである。なお、同図において、上述した第1乃至第3実施形態と同様の処理を行うステップについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
この図に示すように、本実施形態においては、信号処理ユニット12は、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの検出信号PDR、PDLから求められた強度比係数K1及び平均強度値係数K2に基づいて、左右のスクロール方向及びスクロール速度を示すX方向スクロール操作量SSXを次式(5)を用いて算出し、また、上側及び下側光学センサ装置11U、11Dの検出信号PDU、PDDから求められた強度比係数K1’及び平均強度値係数K2’に基づいて、上下のスクロール方向及びスクロール速度を示すY方向スクロール操作量SSYを次式(6)を用いて算出する(ステップSd1)。
X方向スクロール操作量SSX=
D×(強度比係数K1)×(平均強度値係数K2) (5)
Y方向スクロール操作量SSY=
D×(強度比係数K1’)×(平均強度値係数K2’) (6)
(ただし、Dは定数)
なお、第3実施形態においては、層間移動操作と選択項目選択操作とが排他的操作であるため、係数を評価するステップSc6において、強度比係数K1と強度比係数K1’の大小を比較しているが、本実施形態では、左右方向へのスクロール操作と、上下方向へのスクロール操作とは、斜め方向へのスクロール操作として並存するため、係数評価を行うステップSa8では、異常な操作だけを判別する、第1実施形態と同様の処理のみが行われる。
そして、信号処理ユニット12は、X方向スクロール操作量SSX及びY方向スクロール操作量SSYに対してベクトル合成演算を実行して、ナビゲーション画面70内における地図71のスクロール方向と、スクロール速度とを算出し、スクロール操作信号DSCとして全体制御装置20に送出することになる(ステップSd2)。
なお、本実施形態において、手の平8が無接触操作装置10Aに対して水平状態にされたまま、当該手の平8を無接触操作装置10Aに対して近づけたり遠ざけたりして遠近だけが変化させられた場合に、その遠近の変化に応じて地図71を拡大又は縮小するようにしても良い。
上述した第1乃至第4実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上述した各実施形態では、非接触センサの一例として光学センサ装置を用いる構成を例示したが、これに限らず、超音波センサ等の任意の非接触センサを用いることが可能である。
また例えば、上述した各実施形態では、強度比係数K1及び平均強度値係数K2を、図5及び図6に示したように、信号強度比及び平均強度値に対して離散的な値に設定したが、これに限らず、信号強度比と強度比係数K1との関係、及び、平均強度値と平均強度値係数K2との関係の各々を予め演算式化し、信号強度比及び平均強度値に対して強度比係数K1及び平均強度値係数K2のそれぞれが連続的に変化するように構成することで、手の平8の動作に対してスムーズな操作を実現可能となる。
また例えば、上述した各実施形態において、操作対象たるボリュームの調整量や操作項目の選択速度、地図のスクロール速度を無接触操作装置10、10Aが算出して全体制御装置20に出力する構成としたが、これに限らず、無接触操作装置10、10Aは、上記強度比係数K1及び平均強度値係数K2に基づいて、ユーザの手の平8の傾き角度φ及び距離に応じて画一的な操作量を出力し、全体制御装置20がボリュームや選択項目、地図といった操作対象の種類に応じて、操作量を実際の調整量、選択速度或いはスクロール量等の操作量に変換する構成としても良い。
また、上述した第3及び第4実施形態において、右側、左側、上側及び下側光学センサ装置11R、11L、11U、11Dの4つで、手の平8の左右方向の傾きと、上下方向の傾きとをそれぞれ検出する構成を例示したが、これに限らず、例えば、右側光学センサ装置11Rの上側に上側光学センサ装置11Uを配置(右側、左側及び上側光学センサ装置11R、11L、11Uの3つの光学センサ装置をL字状に配置)して、右側光学センサ装置11R及び上側光学センサ装置11Uのそれぞれの検出信号PDR、PDUに基づいて上下方向の手の平8の傾きを検知することも可能である。
また、上述した各実施形態において、無接触操作装置10、10Aを表示装置3の液晶パネル4の裏側に配置した構成を例示したが、これに限らず、図14に示すように、装置本体2のフロント部分2Aに配置しても良いことは勿論である。
本発明の第1実施形態に係るカーオーディオ装置の構成を示す図。 ボリューム調整操作の態様を説明するための図。 カーオーディオ装置の機能的構成を示すブロック図。 手の平の傾き検出を説明するための図。 強度比係数変換テーブルを示す図。 平均強度値係数変換テーブルを示す図。 ボリューム調整操作検出のフローチャート。 本発明の第2実施形態に係るカーオーディオ装置の構成を示す図。 選択項目選択操作検出のフローチャート。 本発明の第3実施形態に係るカーオーディオ装置の構成を示す図。 選択項目選択操作検出のフローチャート。 本発明の第4実施形態に係るカーナビゲーション装置の構成を示す図。 スクロール操作検出のフローチャート。 本発明の変形例を示す図。
符号の説明
1、1A、1B カーオーディオ装置
2 装置本体
3 表示装置
4 液晶パネル
10、10A 無接触操作装置
11R、11L、11U、11D 光学センサ装置
12 信号処理ユニット
13 差分検出装置
14 平均検出装置
15 センサ信号解析装置
20 全体制御装置
30 強度比係数変換テーブル
31 平均強度値係数変換テーブル
41、51 選択項目
100 カーナビゲーション装置
K1、K1’ 強度比係数
K2、K2’ 平均強度値係数
P1、P2 検知点

Claims (6)

  1. 表示パネルを有し、車両に搭載される車載機器であって、
    前記表示パネルの裏側に配置され、前記表示パネルの表面側に位置する検知対象物までの距離に応じた検出信号を出力する少なくとも2つの非接触センサを備え、
    前記非接触センサのそれぞれの検出信号の強度比に基づいて正常な操作入力と判定した場合に、前記強度比、及び前記非接触センサのそれぞれの検出信号の平均強度値に基づいて前記検知対象物上の2点間の傾きを求め当該傾きに応じて前記検知対象物による操作の操作量を決定する
    ことを特徴とする車載機器
  2. 請求項1に記載の車載機器において、
    少なくとも3つ以上の前記非接触センサを備え、
    前記非接触センサのそれぞれの検出信号に基づいて、前記検知対象物上の2点間の傾きを複数特定し、各傾きに応じて前記操作量を決定する
    ことを特徴とする車載機器
  3. 請求項1又は2に記載の車載機器において、
    前記傾きに応じた操作量を前記平均強度値に応じて増減させる
    ことを特徴とする車載機器
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の車載機器において、
    前記非接触センサのそれぞれの検出信号を取り込み前記操作量を出力する時間間隔を、ユーザごと又は前記操作の対象ごとに設定可能にした
    ことを特徴とする車載機器
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の車載機器において、
    前記操作量に基づいて、前記表示パネルに表示されているオブジェクトの移動方向及び移動量を決定する
    ことを特徴とする車載機器
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の車載機器において、
    音量を調整可能に構成され、前記操作量に基づいて前記音量を調整する
    ことを特徴とする車載機器
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