JP4819340B2 - 強化繊維積層接合装置 - Google Patents
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通常、複合材料として強化繊維を使用する場合、強化繊維を多数本一方向に配列させた一軸強化テープ、あるいは強化繊維や糸等で結合一体化させた一軸強化シートなどの状態にして使用されている。そして、特に面内擬似等方性を得たい場合は、一般的に、様々な角度に配向させた一軸強化テープを積層して多軸積層シートを作製する方法がとられており、そのうち、より簡単なものとして、面内擬似等方性として不充分であるが、開繊した繊維束を直交二軸に配置してなる二軸強化織物などがある。
この問題を解決するため、従来では、通常太さ、または比較的太い強化繊維束を空気開繊によって拡幅することが知られており(非特許文献1参照)、また、その開繊された強化繊維束から得られるドライの超薄のテープや織物も知られている(非特許文献2参照)。ここで「ドライ」とは、強化繊維から生成されたテープや織物に、マトリックス樹脂が含浸されていない状態のことを意味する。
もちろん、開繊されていない炭素繊維等の強化繊維を用いた多軸積層シートを作製する機械は従来からあり、LIBA社やMAYER社の経編ラッセル方式のシステムが有名である。
図12は、経編ラッセル方式のシステムを示す図である。従来の経編ラッセル方式のシステム1100は、幅6m、長さ20〜30m前後の繊維配向機1101に、標準3個の緯糸挿入機1102が設置されており、この緯糸挿入機1102により標準16本の強化繊維糸を、同時に90°、あるいは有角度(45°、−45°など)方向に挿入するのと同時に、それら挿入糸がバラケないように、繊維配向機1101のガイド部1103で挿入糸端を保持させて各層の繊維配向を行う。そして、その状態を保持したまま、3層のシートを当該繊維配向機1101の最終尾のステッチング部1104へ移動させ、各層の保持をZ軸方向のステッチング糸で行なった後、巻取部1105にて巻き取るものである。
従って、この従来からあるシステムを利用して、開繊された強化繊維束より多軸積層強化シートを作製することも考えられる。
川辺、友田、松尾著:繊維機械学誌 50 T68(1997年) 友田、川辺、松尾著:材料 49 1023(2000年)
これにより、より簡単な構成で多軸積層繊維強化シートを製造できる強化繊維積層接合装置が得られる。
これにより、所定の角度θに配向された長尺の傾斜強化繊維シートを、簡単な工程で作製でき、この結果、より簡単な構成で多軸積層繊維強化シートを製造できる強化繊維積層接合装置が得られる。
これにより、所定の角度θに配向された長尺の傾斜強化繊維シートを、簡単な工程で作製でき、この結果、より簡単な構成で多軸積層繊維強化シートを製造できる強化繊維積層接合装置が得られる。
これにより、所定の角度θに配向された長尺の傾斜強化繊維シートをより簡単な工程で作成でき、この結果、より簡単な構成で多軸積層強化繊維シートを製造できる強化繊維積層接合装置が得られる。
これにより、糸により開繊された強化繊維束が固定されているため、その表面に凹凸のほとんどない、取り扱いやすい一軸強化繊維シートを得ることができ、この結果、より簡単な構成で多軸積層強化繊維シートを製造できる強化繊維積層接合装置が得られる。
これにより、開繊拡幅された強化繊維束がその幅方向に移動して形崩れすることをさらに防止でき、取扱性に優れた一軸強化繊維シートが得られ、この結果、より簡単な構成で多軸積層強化繊維シートを製造できる強化繊維積層接合装置が得られる。
これにより、より簡単な構成で、二軸配向強化繊維シートを一構成シートとした多軸積層強化繊維シートを、容易に得ることができる強化繊維積層接合装置が得られる。
これにより、強化繊維シートを作製しやすくすることができ、この結果、より簡単な構成で多軸積層強化繊維シートを製造できる強化繊維積層接合装置が得られる。
以下、本実施の形態1の多軸積層強化繊維シートの作製方法について説明する。
本実施の形態1の多軸積層強化繊維シートの作製方法は、まず開繊拡幅された強化繊維束を結合一体化して所定の配向角度を有する強化繊維シートを作製し、前記作製された強化繊維シートから、該強化繊維シートとは異なる配向角度を有する傾斜強化繊維シートを作製する。そして、作製された傾斜強化繊維シートと、前記強化繊維シートあるいは開繊拡幅された強化繊維束を平行に引き揃えて面状に並べた強化繊維テープとのうち、配向角度の異なる少なくとも2種類を選択し、それらを従来装置を用いて積層して接合一体化することで多軸積層強化繊維シートを得るものである。
(ステップ1)まず、図1にあるように、強化繊維束を開繊拡幅する。
本願において強化繊維束とは、強化繊維単糸の束状体を意味する。この強化繊維の典型例は、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維などであるが、これに限るものでない。
本願において強化繊維シートとは、前記開繊拡幅された強化繊維束を結合一体化させて、所定の角度に配向させた広がりある布(シート)にしたものを意味し、強化繊維テープとは、複数本の前記開繊拡幅された強化繊維束を平行に引き揃えて面状に並べたものを意味する。つまり、本願における“シート”と“テープ”の違いは、複数本の前記開繊拡幅された強化繊維束同士がばらけないように結合一体化されているか否かである。
図2において、一軸強化繊維シート10は、開繊拡幅された強化繊維束11と、強化効果を持たない糸12とを平織りすることで、該開繊拡幅された強化繊維束11を結合一体化させた一軸強化織物であり、図2(a)は経糸として開繊拡幅された強化繊維束11、緯糸として糸12を用いた0°配向の一軸強化繊維シートを示し、図2(b)は経糸として糸12、緯糸として開繊拡幅された強化繊維束11を用いた90°配向の一軸強化繊維シートを示している。
図3(a)において、一軸強化繊維シート20は、開繊拡幅された強化繊維束22aを複数本平行に引き揃えて面状に並べた強化繊維テープ22と、該強化繊維テープ22上に接合された接着性繊維ウェブ23とからなる。この強化繊維テープ22上に接合されるシートとして、接着性繊維ウェブ23を用いるのは、一軸強化繊維シートに通流性をもたせるためである。このようにすれば、前記一軸強化繊維シート20を成形加工する際に、マトリックス樹脂の含浸が阻害されたり、空気の抜けが阻害されたりするのを防止することができる。
二軸強化繊維シートの典型例としては、図3(b)に示すように、経糸、緯糸ともに開繊拡幅された強化繊維束24a,24bからなる二軸強化繊維織物24が挙げられる。
なお、図3(b)においては、前記二軸強化繊維織物24の表面上に、多孔性接着剤層25が接合されている。
前記二軸強化繊維シートの別の例としては、強化繊維束が直交二軸に配置され、緯糸になる糸がこれら二軸の強化繊維束にからまるように組合った構造の織物や、直交二軸に配置された強化繊維束に糸が経編または緯編のループ構造を作りつつこれらと絡合した構造の編物が挙げられる。
図4は、一軸強化繊維シートから長尺の傾斜一軸強度繊維シートを作製する方法を説明する図である。
まず、図(a)に示すように、一軸強化繊維シート10の対向する側端部、つまりX端とY端とを接合して、図(b)に示すような筒状の一軸強化繊維シート30にする。このX−Y端の接合方法の典型例は、X−Y端接合部15を接着剤、例えばテープ状のホットメルト等で接着して接合する方法、あるいはX−Y端接合部15をステッチングで接合する方法等が挙げられるが、これに限るものではない。なお、X−Y端接合部15は、シートが重ならないように接合するのが好ましい。
図5に示すように、強化繊維積層接合装置50は、多軸積層強化シートを構成する各構成シート60a〜60eを供給する引き出しローラ51a〜51eを備える強化繊維シート供給部51と、各構成シート60を接合一体化して多軸積層強化繊維シート61にする接合部52と、多軸積層強化繊維シート61を巻き取る巻取部53からなる。
接合方法としては、まず、前記多軸積層強化繊維シートを構成する構成シートを、それぞれ引き出しローラ51にとりつける。
図6では、第1の構成シート60aは、ステップS2にて作製された0°配向の一軸強化繊維シート、第2の構成シート60bは、同じくステップS2にて作製された90°配向の一軸強化繊維シート、第3の構成シート60cは、ステップS3にて作製された45°配向の傾斜一軸強化繊維シート、第4の構成シート60dは、同じくステップS3にて作製された−45°配向の傾斜一軸強化繊維シート、そして第5の構成シート60eは、強化効果のある繊維ウェブである。なお、図示していないが、各構成シート60a〜60eには、該各構成シートを接合して一体化するための接着層がラミネートされているものとする。
接合部52では、前記繊維強化シート供給部51より供給された各構成シート60a〜60eを積層して接合一体化する。
この後、接合部52にて接合一体化された多軸積層強化繊維シート61は、巻取部53にて巻き取られる。
まず、前記多軸積層強化繊維シート61を用いて、ニヤーネットを構成した後、これを、レジントランスファー・モールディング法によって成形する。
以下、本実施の形態2の多軸積層強化繊維シートの作製方法について説明する。
前記実施の形態1では傾斜強化繊維シートを、強化繊維シートの対向する側端部を接合して連続的に傾斜切断することにより得たが、本実施の形態2では、強化繊維シートを傾斜切断して複数の傾斜強化繊維シートを作製し、該各傾斜強化繊維シートの端部を接合することで得るようにする。
図9は、本実施の形態2にかかる、一軸強化繊維シートから長尺の傾斜一軸強度繊維シートを作製する方法を説明する図である。
この接合一体化方法は、前記実施の形態1において図5及び図6を用いて説明したものと同様であるため、説明を省略する。
以下、本実施の形態3の多軸積層強化繊維シートの作製方法について説明する。
前記実施の形態では、傾斜強化繊維シートの作製ステップにおいて、強化繊維シートから長尺の傾斜強化繊維シートを作製し、該長尺の傾斜強度繊維シートを前記多軸積層繊維シートの構成シートとするようにしたが、本実施の形態3では、長尺の傾斜強化繊維シートを作製せず、前記強化繊維シートを傾斜切断して短い傾斜強化繊維シートを作製し、該作製された傾斜強化繊維シートを前記強化繊維シートに接合したシートを前記多軸積層繊維シートの構成シートとする。
ここで、本実施の形態3における傾斜強化繊維シートの作製方法を説明する。
この傾斜強化繊維シートは、強化繊維シート10を所定の角度θ、且つ一定幅、すなわち図10(a)に示す切断位置16で傾斜切断して、図10(b)に示す複数の傾斜切断された一軸強化繊維シート101〜103を得る。なお、前記強化繊維シート10の切断幅は、前記角度θと、後述するステップS4にて該複数の傾斜切断されたシート101〜103を面接合するシートあるいはテープの幅とによって定まる。
そして、前記実施の形態1において説明したように、多軸積層繊維シートの構成シートとして、強化効果のある繊維のランダムマットや、接着剤繊維のマットや、あるいは複合材料成形加工時に使用するマトリックス樹脂マットあるいはフィルムなどを加えても良い。このようにすれば、前記多軸積層強化繊維シートから、複合材料成形物がより簡単且つ効率的に、成形加工できる。
強化繊維として、東レM30S、18K無撚りの炭素繊維を用いる。
まず、懸垂状態で走行中の前記炭素繊維束に、直交方向から整流した空気を吹き付けることで、31mm(単糸1000本当たりで2.58mm)の幅を持つ、開繊拡幅された強化繊維を得る。
11 開繊拡幅された強化繊維束
12 糸
20 一軸強化繊維シート
22 一軸強化繊維テープ
22a,24a 開繊拡幅された強化繊維束
23 接着性繊維ウェブ
25 多孔性接着剤層
50 強化繊維積層接合装置
51 強化繊維シート供給部
51a〜51e 引き出しローラ
52 接合部
53 巻取部
60 構成シート
61,70,80 多軸積層強化繊維シート
71,72 強化繊維シート
73 傾斜強化繊維シート
74 熱硬化性樹脂の繊維ウェブ
81 0°配向の一軸強化繊維シート
82 90°配向の一軸強化繊維シート
83 傾斜二軸強化繊維シート
101,102,103 傾斜切断された傾斜一軸強化繊維シート
1100 経編ラッセル方式のシステム
1101 繊維配向機
1102 緯糸挿入機
1103 ガイド部
1104 ステッチング部
1105 巻取部
Claims (8)
- その各々が互いに異なる角度に強化繊維が配向された複数種類の強化繊維シートを同一方向に送り出す送り出し手段と、
該送り出し手段により送り出された前記複数種類の強化繊維シートを接合積層一体化して多軸積層強化繊維シートを得る積層手段とを備え、
上記複数種類の強化繊維シートの少なくとも1種類は、
強化繊維単糸束を、1000本当たりの幅が1.3mm以上になるように開繊拡幅し、
複数本の前記開繊拡幅された強化繊維束を結合一体化して、所定の配向角度を有するよう強化繊維シートを作製してなるものである、
ことを特徴とする強化繊維積層接合装置。 - その各々が互いに異なる角度に強化繊維が配向された複数種類の強化繊維シートを同一方向に送り出す送り出し手段と、
該送り出し手段により送り出された前記複数種類の強化繊維シートを接合積層一体化して多軸積層強化繊維シートを得る積層手段とを備え、
上記複数種類の強化繊維シートの少なくとも1種類は、
強化繊維単糸束を、1000本当たりの幅が1.3mm以上になるように開繊拡幅し、複数本の前記開繊拡幅された強化繊維束を結合一体化して、所定の配向角度を有するよう作製し、
該作製された強化繊維シートの対向する側端部同士を接合して筒状にし、
該筒状に接合された強化繊維シートを、その軸方向に対して所定の角度θ(−90°<θ<0°,0°<θ<90°)で、連続的に傾斜切断して傾斜強化繊維シートを作製してなるものである。
ことを特徴とする強化繊維積層接合装置。 - その各々が互いに異なる角度に強化繊維が配向された複数種類の強化繊維シートを同一方向に送り出す送り出し手段と、
該送り出し手段により送り出された前記複数種類の強化繊維シートを接合積層一体化して多軸積層強化繊維シートを得る積層手段とを備え、
上記複数種類の強化繊維シートの少なくとも1種類は、
強化繊維単糸束を、1000本当たりの幅が1.3mm以上になるように開繊拡幅し、
複数本の前記開繊拡幅された強化繊維束を結合一体化して、所定の配向角度を有するよう作製し、
該作製された強化繊維シートの配向軸に対して、所定の角度θ(−90°<θ<0°,0°<θ<90°)、且つ該角度θと、接合一体化させるシート幅とによって定まる幅で、前記強化繊維シートを傾斜切断し、
該傾斜切断して得た複数の傾斜強化繊維シートの各端部を接合しつつ連結してなるものである、
ことを特徴とする強化繊維積層接合装置。 - その各々が互いに異なる角度に強化繊維が配向された複数種類の強化繊維シートを同一方向に送り出す送り出し手段と、
該送り出し手段により送り出された前記複数種類の強化繊維シートを接合積層一体化して多軸積層強化繊維シートを得る積層手段とを備え、
上記複数種類の強化繊維シートの少なくとも1種類は、
強化繊維単糸束を、1000本当たりの幅が1.3mm以上になるように開繊拡幅し、
複数本の前記開繊拡幅された強化繊維束を結合一体化して、所定の配向角度を有するよう作製し、
該作製された強化繊維シートの配向軸に対して、所定の角度θ(−90°<θ<0°,0°<θ<90°)、且つ該角度θと、接合一体化させるシート幅とによって定まる幅で、前記強化繊維シートを傾斜切断し、
該傾斜切断して得た複数の傾斜強化繊維シートを、前記強化繊維シートあるいは複数本の前記開繊拡幅された強化繊維束を平行に引き揃えて面状に並べた強化繊維テープに面接合しつつ該傾斜強化繊維シートの各端部を連結してなるものである、
ことを特徴とする強化繊維積層接合装置。 - その各々が互いに異なる角度に強化繊維が配向された複数種類の強化繊維シートを同一方向に送り出す送り出し手段と、
該送り出し手段により送り出された前記複数種類の強化繊維シートを接合積層一体化して多軸積層強化繊維シートを得る積層手段とを備え、
上記複数種類の強化繊維シートの少なくとも1種類は、
前記開繊拡幅された強化繊維束を、糸を用いて結合一体化した一軸配向強化シートである、
ことを特徴とする強化繊維積層接合装置。 - 請求項5に記載の強化繊維積層接合装置において、
上記糸は接着機能を持つ、
ことを特徴とする強化繊維積層接合装置。 - その各々が互いに異なる角度に強化繊維が配向された複数種類の強化繊維シートを同一方向に送り出す送り出し手段と、
該送り出し手段により送り出された前記複数種類の強化繊維シートを接合積層一体化して多軸積層強化繊維シートを得る積層手段とを備え、
上記複数種類の強化繊維シートの少なくとも1種類は、
複数本の開繊拡幅された強化繊維束を、製織あるいは製編して結合一体化した二軸配向強化繊維シートである、
ことを特徴とする強化繊維積層接合装置。 - その各々が互いに異なる角度に強化繊維が配向された複数種類の強化繊維シートを同一方向に送り出す送り出し手段と、
該送り出し手段により送り出された前記複数種類の強化繊維シートを接合積層一体化して多軸積層強化繊維シートを得る積層手段とを備え、
上記複数種類の強化繊維シートの少なくとも1種類は、
複数本の開繊拡幅された強化繊維束の表面に、目付け10g/m2以下の多孔性接着剤層を接合した後、該多孔性接着剤層が接合された強化繊維束を結合一体化してなるものである、
ことを特徴とする強化繊維積層接合装置。
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