JP4818708B2 - 孔版印刷機における排版装置 - Google Patents

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Description

本発明は、孔版印刷機における排版装置に関し、特に、使用済みのマスタを読み取り不可能な状態にする機密保持機能を具備した排版装置に関する。
孔版印刷機は、ロール状に巻かれたマスタ(孔版原紙)を引き出して原稿の内容をサーマルヘッドにより加熱穿孔(製版)し、製版したマスタを版胴に巻き付けるとともにマスタの穿孔した部分にインキを供給し、このマスタに印刷用紙を押し当てることによってマスタの内容を印刷用紙に転移するようになっている。印刷を終えたマスタ(使用済みマスタ)は、次の製版が行われる直前に排版装置によって版胴から剥ぎ取られ、印刷機内の排版ボックス等に貯留される。所定量の使用済みマスタが貯まると、該マスタを排版ボックス等から機外に取り出し、ゴミ箱等に廃棄するようになっている。
ところで、孔版印刷機で用いるマスタには、原稿の内容が穿孔されているため、使用済みであってもその内容を読み取ることが可能である。したがって、マスタの内容が機密性を必要とする場合には、使用済みマスタを得た第3者等に機密が漏洩する恐れが生じる。このため、マスタの内容を読み取り不可能にする機能を具備した孔版印刷機が従来から種々提案されている。
マスタの内容を読み取り不可能にする従来の技術は、マスタを鋭利な突起等で物理的に傷つける技術と、マスタを加熱して収縮させる技術との2つに大別される。前者の技術は、例えば、特許文献1に開示され、後者の技術は、特許文献2,3に開示されている。
特許文献1の孔版印刷機は、版胴から剥ぎ取った使用済みマスタを貯留する排版ボックスを備え、該排版ボックスの入り口に、マスタを挟持して搬送する一対の搬送ローラを設け、少なくとも一方の搬送ローラの外周に鋭利な突起を形成している。従って、版胴から剥ぎ取った使用済みマスタは、搬送ローラで挟持及び搬送されると同時に傷つけられるようになっている。
特許文献2の孔版印刷機は、排版ボックスの入口に、マスタを挟持して搬送する一対の搬送ローラを設け、この搬送ローラをヒートローラで構成している。そして、排版ボックス内に使用済みマスタを導入するときに、ヒートローラに接触したマスタを熱収縮又は溶融するものとなっている。
特許文献3の孔版印刷機は、排版ボックス内に、ヒーター及び送風ファンを備え、使用済みマスタを搬送コンベアで排版ボックス内に導入しながらヒーターの熱風で収縮又は溶融させるものとなっている。
特開2005−153474号公報 特開平3−227685号公報 特開2002−86882号公報
上記特許文献1、2の記載の技術は、使用済みのマスタを物理的に傷つけるか熱収縮させるかの違いこそあるが、いずれも排版ボックスの入り口付近(搬送ローラ付近)で処理を行っている。排版ボックスの入り口付近は、排版工程で最もマスタのジャムが生じやすい箇所であり、特に、マスタの先端部はカールしていることがあるので、搬送ローラに咬み込むときにジャムしやすくなる。そのような箇所でマスタの処理(読取不可能にする処理)を行うことは、ジャムの発生を助長することになる。
特許文献3の技術は、排版ボックス内に導入された使用済みマスタを熱風で収縮等させるものであるが、その熱は排版ボックス全体に及び、印刷機全体の温度上昇をも招く。その結果、(特に夏場などは)オペレータの作業環境が悪化すると共に、温度上昇に伴って制御機器の誤動作を招く可能性が高くなる。
一方、本願出願人は、使用済みマスタを排版装置内に設けた巻芯に巻き付けて貯留する排版装置を従前に提案しており(例えば、特開昭59−155086号公報)、係る排版装置においても使用済みのマスタの機密性を保つ必要がある。よって、本発明は、使用済みのマスタを巻芯に巻き取るタイプの排版装置を備えた孔版印刷機において、機密性を好適に保持できるとともに、ジャムの発生を防止することができる、孔版印刷機の排版装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、原稿の内容が記録された使用済みのマスタを版胴から剥ぎ取って搬送するとともに、該マスタを巻芯に巻き取って貯留する、孔版印刷機における排版装置において、前記巻芯に巻き取られたマスタの内容を読み取り不可能な状態に処理する読取不可処理手段を備え、該読取不可処理手段が、巻芯に巻き取られた全てのマスタをまとめて処理するように構成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記読取不可処理手段が、前記マスタを処理する処理位置と前記マスタから離反する非処理位置との間で、移動自在に設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記読取不可処理手段が、所定のタイミングで前記マスタの処理を開始するように構成されており、前記所定のタイミングが、前記巻芯に前記マスタを最大限に巻き取ったとき以降であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記読取不可処理手段が、所定のタイミングで前記マスタの処理を開始するように構成されており、前記所定のタイミングが、前記巻芯及び前記マスタを排版装置から取り出す直前であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記読取不可処理手段が、所定のタイミングで前記マスタの処理を開始するように構成されており、前記所定のタイミングが、前記マスタに対して前記読取不可処理手段が作用する位置よりもマスタ巻取方向の下流側に、前記マスタの先端部が位置しているときであることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記マスタを巻芯に巻き取る前に、搬送されているマスタの先端部及び後端部を検知する検知手段を備えており、前記所定のタイミングが、前記マスタの先端部を前記検知手段によって検出した後に巻芯に巻き取り、その後、マスタの後端部を前記検知手段によって検出したとき以降であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記マスタの処理が終了するまで、排版装置からの前記巻芯及び前記マスタの取り出しを禁止する、取出規制手段を備えていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記取出規制手段が作動しているときに前記マスタの処理中であることを報知する、報知手段を備えていることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記読取不可処理手段が、前記マスタに接触して該マスタを損傷させる損傷処理部材を備えており、前記巻芯に、前記損傷処理部材との接触を回避する逃げ溝が形成されていることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記読取不可処理手段が、巻芯に巻き取られたマスタを、巻取方向に断続的に切断する損傷処理部材を備えている。
請求項11記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記巻芯の回転速度が可変設定可能に構成されており、前記読取不可処理手段が前記処理位置にあるときの前記巻芯の回転速度が、前記非処理位置にあるときの巻芯の回転速度よりも遅く設定されていることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記読取不可処理手段が、排版装置からの前記巻芯の取出部位に設けられ且つ該取出部位から巻芯を取り出す動作を利用して前記マスタを損傷させる、損傷処理部材を備えていることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記損傷処理部材が、前記巻芯を軸方向に取り出すことで前記マスタを切断するカッターであることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記損傷処理部材が、前記巻芯を軸心回りに回しながら軸方向に取り出すことで前記マスタを螺旋状に切断するカッターであることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記損傷処理部材が、前記マスタに接触することで熱切断する加熱部材であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、巻芯に巻き取られた使用済みマスタに対して、読取不可処理を行うようにしているので、排版装置へのマスタの導入の際に、読取不可処理に起因するジャムが生じることはない。また、巻芯に既に巻き取られた全てのマスタに対して、まとめて読取不可処理を行うようにしているので、巻芯へのマスタの巻取の際に、読取不可処理に起因するジャムが生じることもない。
請求項2の発明によれば、読取不可処理を行うときにだけ読取不可処理手段を処理位置に移動して、巻芯に巻き取られた全てのマスタをまとめて処理することができる。
請求項3の発明によれば、巻芯に巻き取ることができる最大限のマスタに対して、まとめて読取不可処理を行うことができ、全てのマスタの機密保持を図ることができる。
請求項4の発明によれば、排版装置から取り出す直前のマスタに対して、まとめて読取不可処理を行うことができ、取り出した全てのマスタ機密保持を図ることができる。
請求項5の発明によれば、読取不可処理手段がマスタの先端部に作用することに起因してマスタの先端部が巻芯から剥がれるというような、巻取ジャムの発生を防止することができる。
請求項6の発明によれば、検知手段を用いることによって、読取不可処理手段による処理の開始時期を検知することができる。また、排版装置には、通常、マスタの導入開始及び完了を検知するセンサー(排版装置への導入時のジャムを検知するセンサー)が設けられており、係るセンサーを本発明の検知手段として兼用することが可能になる。この場合、新たな検知手段を設ける必要がなくなるため、コスト低減を図ることができる。
請求項7の発明によれば、マスタの処理を行っている間は巻芯及びマスタを取り出すことができないので、当該処理を確実に行うことができ、また、読取不可処理手段の破損等を防止することができる。
請求項8の発明によれば、マスタの処理を行っている間は、オペレータが巻芯及びマスタを取り出す操作を行わないように、注意を促すことができる。
請求項9の発明によれば、巻芯に形成した逃げ溝にカッターを入り込ませることによって、巻芯に巻き取った1版目から最終のマスタまで巻芯を傷つけることなく確実に損傷させることができる。
請求項10の発明によれば、マスタを巻取方向に断続的に切断するようになっているので、この切断に起因してマスタが巻崩れることがなく、巻芯に巻き取った状態を維持することができる。
請求項11の発明によれば、読取不可処理手段の処理が行われていないときには、巻芯の回転速度を速くしてマスタの巻取りを促進することができ、読取不可処理手段の処理を行うときには、巻芯の回転速度を遅くして確実に処理を行うことができる。
請求項12〜15の発明によれば、排版装置から巻芯を取り出す動作を利用してマスタを処理しているので、読取不可処理手段を簡単な構造で安価に構成することができる。
〔孔版印刷機の主要構成〕
図1は本発明の実施形態に係る孔版印刷機10を概略的に示す正面図である。この孔版印刷機10は、画像読取装置11と、製版装置12と、印刷装置13と、給紙装置14と、排紙装置15と、排版装置16等と、を装置本体17に備えて構成されている。
画像読取装置11は、原稿台に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成するものであり、製版装置12は、ロール状に巻かれたマスタ(孔版原紙)Mを引き出し、画像読取装置11で生成した原稿の画像データを、サーマルヘッド19を用いて加熱穿孔によってマスタMに記録(製版)する。印刷装置13は、製版された1版のマスタMを円筒状の版胴20に巻き付けるとともに、該マスタMにインキを供給し、給紙装置14によって供給された印刷用紙Pに印刷を行う。給紙装置14は、積層状に貯留された印刷用紙Pを一枚ずつ取り出して搬送ローラ21等によって搬送し、版胴20の下側に供給する。排紙装置15は、印刷後の印刷用紙Pを版胴20(マスタM)から剥がして搬送し、機外に排出する。排版装置16は、印刷に使用されたマスタMを版胴20から剥がすとともに巻芯22に巻き取って貯留するものである。この排版作業は、通常、新たな製版を開始する直前に、前回の印刷で用いたマスタMを版胴20から除去するために行われる。
各装置は、オペレータの操作入力に基づき、CPUやメモリーを含む制御手段によって統括して制御される。図1中の矢印X1は、マスタMの搬送方向を示す。
本実施形態のマスタMは、ポリエステル樹脂フィルム材、ポリエチレン樹脂フィルム材、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム材、その他の樹脂フィルム材の、熱可塑性樹脂フィルム材と、和紙や不織布等のインク透過性の支持体とを張り合わせてなるものが用いられる。ただし、熱可塑性樹脂フィルム材のみから構成されたものを用いることもできる。
〔排版装置16の構成〕
以下、排版装置16について詳細に説明する。
図2は、排版装置16の概略正面図である。排版装置16は、導入ローラ23、巻芯22、巻芯22の支持手段24、読取不可処理手段25、装置フレーム26等を備えている。導入ローラ23は、版胴20(図1)から使用済みのマスタMを剥ぎ取って巻芯22に搬送するものであり、装置フレーム26に上下一対設けられている。そして、上下の導入ローラ23の間に使用済みのマスタMを挟持するとともに、矢印b方向に回転することによって、使用済みマスタMを巻芯22に搬送するようになっている。上側の導入ローラ23には、複数の羽根を放射状に有する掻き込みローラ27が同軸状に設けられている。
図3は、版胴20から使用済みのマスタMを導入ローラ23によって掻き込んで取り込む状態を示す拡大正面図である。版胴20の外周面には矢印e方向に開閉自在なクランパ(挟持具)28が設けられており、このクランパ28によってマスタMの先端部を挟み、マスタMを版胴20の外周面に沿わせて保持するようになっている。排版を開始するとき、マスタMの先端部を挟んでいたクランパ28を図のように開放し、マスタMの先端部を導入ローラ23の近傍に配置する。そして、上下導入ローラ23を矢印b方向に回転することによって、掻き込みローラ27の羽根でマスタMを上下導入ローラ23の間に掻き込み、上下導入ローラ23でマスタMを挟持して搬送するようになっている。
図4は、巻芯22及び読取不可処理手段25を示す斜視図である。巻芯22は、円筒状の芯棒22Aの一端部寄りに、径方向に円盤状に突出する鍔部22Bを備えている。鍔部22Bを境に芯棒22Aの長い側が、マスタMを巻き取る巻取部22Cとされ、短い側が巻芯22の取手22Dとされている。
図2に示すように、支持手段24は、複数本の支持ベルト30A〜30Cによって巻芯22を支持する構造であり、巻芯22を取り囲むように配置された複数の軸31A〜31F(図例では6本)と、各軸31A〜31Fに取り付けた支持プーリ32A〜32Fと、該プーリ32A〜32Fに巻回された複数の支持ベルト30A〜30Cとを備えている。各軸31A〜31Fは両端部が装置フレーム26に支持されている。
装置フレーム26は上下2分割形状であり、上側の3本の軸(第1軸31A、第2軸31B、第3軸31C)は、上側フレーム26Aに支持され、下側の3本の軸(第4軸31D、第5軸31E、第6軸31F)は、下側フレーム26Bに支持されている。また、上側フレーム26Aは、枢支部26Cを支点に上下に揺動自在であり、上方に揺動することによって巻芯22を上方に開放可能となっている。
第1、第2、第3、第6軸31A〜31C,31Fに設けられた支持プーリ32A〜32C,32Fには、第1支持ベルト30Aが巻回されている。第4、第5軸31D,31Eに設けた支持プーリ32D,32Eには、第2支持ベルト30Bが巻回されている。そして、第2,第3、第5軸、第6軸31B,31C,31E,31Fに設けられた支持プーリ32B,32C,32E,32Fには、第3支持ベルト30Cが巻回されている。
第1〜第3支持ベルト30A〜30Cは、コイルスプリング等によって伸縮自在に構成されており、各支持ベルト30A〜30Cの間に巻芯22の巻取部22Cを挟むようにして支持している。また、巻芯22にマスタMを巻き取ることによって外形が大きくなった場合、例えば、図2に一点鎖線で示すように、巻芯22に巻き取ったマスタMが最大外径となった場合には、各支持ベルト30A〜30Cが伸長することによって支持状態を維持するようになっている。なお、上記支持プーリ32A〜32Fや支持ベルト30A〜30Cは、軸方向に複数設けられており、巻芯22を軸方向複数箇所で支持している。
前記支持手段24は、図5に示すように、巻芯22にマスタMを巻き取るべく巻芯22を回転する回転駆動部34を有している。図5は、回転駆動部34を示す説明図である。回転駆動部34は、電動モータ35と、該電動モータ35の出力軸に設けた伝導プーリ36と、前記第4軸31D及び第6軸31Fに設けた伝導プーリ37D,37Fと、該伝導プーリ36,37D,37Fに巻回された伝導ベルト38とを備えている。したがって、電動モータ35からの動力は伝導プーリ36,37D,36F及び伝導ベルト38を介して、第4軸31D及び第6軸31Fに伝達され、図2に示すように、各軸31D,31Fから図2の支持プーリ32D,32Fを介して各支持ベルト30A〜30Cに動力が伝達されるようになっている。支持ベルト30A〜30Cが回転(回送)すると、これらに支持された巻芯22が矢印c方向に共に回転するようになっている。
図5に示すように、回転駆動部34は、巻芯22の回転速度を可変設定できるように構成されている。例えば、電動モータ35の回転数を可変としたり、電動モータ35から軸31D,31Fとの間に変速機を設けたりすることができる。また、前記第4軸31Dには伝導ギヤ39が設けられ、該伝導ギヤ39は、上側の導入ローラ23の軸に設けられた伝導ギヤ40に噛み合っている。したがって、上側の導入ローラ23には、電動モータ35の動力が、伝導ベルト38、伝導ギヤ39,40を介して伝達されるようになっている。
図6は、読取不可処理手段25の概略正面図であり、図7は、平面図である。読取不可処理手段25は、巻芯22に巻き取った使用済みのマスタMの内容を読取不可能な状態にし、該マスタMを排版装置16から取り出したとしても機密性を保持できるようにしたものである。読取不可処理手段25は、巻芯22に巻き取ったマスタMに損傷を与えることによって読取不可能にする損傷処理部材42と、該損傷処理部材42を移動させる移動機構43とを備えている。
損傷処理部材42は、図4にも示すように、巻芯22と平行に配置された支軸44と、該支軸44に軸方向に間隔をあけて設けられた複数のカッター45とを備えている。カッター45は円盤状に形成され、外周縁に刃を備えている。カッター45は、図示しない駆動機構によって支軸44の軸心回りに回転するようになっている。
図6に示すように、移動機構43は、巻芯22側に巻き取られたマスタMに接触する処理位置Xと、マスタMから退避する非処理位置Yとの間で、損傷処理部材42を移動させるものである。移動機構43は、損傷処理部材42を支持するとともに、前後方向(巻芯22の軸心に直交する方向)に揺動自在に設けられた支持アーム48と、該支持アーム48を前後に揺動駆動する駆動手段49とを備えている。
支持アーム48は、下端部が軸51に支持されている。駆動手段49は、図示しない電動モータ等の駆動部によって軸52A回りに回転する回転カム52と、回転カム52の外周に当接する当接片53と、支持アーム48を巻芯22側に付勢する付勢部材50とを備えている。当接片53は、支持アーム48の下端部から突出して設けられている。付勢部材50は、装置フレーム26と当接片53との間に架設された引っ張りコイルバネからなり、当接片53を後方に引っ張るように作用している。
回転カム52が、図6の実線の位置にあるとき、支持アーム48は、巻芯22から離れる方向に揺動し、カッター45は、巻芯22のマスタMから離れている。そして、回転カム52を2点鎖線の位置に回転することによって、支持アーム48は、付勢部材50の作用によって矢印d方向に揺動し、カッター45が巻芯22のマスタMに接触する。また、カッター45は、付勢部材50の付勢力で巻芯22のマスタMに強く接触し、深く切り込むようになっている。
図7に示すように、支持アーム48の巻芯22側への移動は、ストッパ58によって規制されている。該ストッパ58は、カッター45によるマスタMへの切り込み量を設定する設定具として機能している。巻芯22の外表面には、カッター45が最も巻芯22に近づいた場合であっても巻芯22を傷つけることがないように、カッター45との接触を回避する逃げ溝54が形成されている。該逃げ溝54は、各カッター45に対応する位置に周方向全周に形成されている。
図8は、孔版印刷機10の全体斜視図であり、図9は、排版装置16の斜視図である。孔版印刷機10は、前面の扉17Aを開放することによって、排版装置16を手前に引き出すことができるようになっている。装置フレーム26は、図示しないロック手段によって孔版印刷機10内に保持され、装置フレーム26の端部には、引き出し用のレバー26Dが設けられており、該レバー26Dを矢印f方向に倒すことによって装置フレーム26のロック手段を解除し、手前に引き出すことができるようになっている。
さらに、排版装置16を手前に引き出すことによって、図9の如く、上側フレーム26Aを上方に揺動し、巻芯22の上方を開放することができるようになっている。排版装置16に巻芯22をセットする作業、及び、巻芯22を取り出す作業は、上側フレーム26Aを開いた状態で行われる。ただし、上側フレーム26Aを閉じたまま、巻芯22を軸方向に挿入し、装着することも可能である。
(本実施形態の作用及び効果)
以下、上記構成の排版装置16の作用をその効果とともに説明する。
図10は、排版装置16の作用を示す説明図である。印刷を終えた使用済みのマスタMは、版胴20から剥ぎ取られながら、導入ローラ23によって搬送され(図3)、矢印c方向に回転する巻芯22に下側から巻き取られる。マスタMの先端部は、排版装置16に導入されるときにセンサー(検知手段)55によって検知される。
マスタMが、順調に導入ローラ23によって搬送され、巻芯22に巻き取られていくと、マスタMの後端部が導入ローラ23から抜け出ると共に、センサー55によって検知される。この検知によって、マスタMがジャムすることなく導入されたものと判断される。センサー55によってマスタMの先端又は後端が検知されなかった場合は、マスタMのジャムが生じたものと判断され、装置が停止されるとともにエラー処理が行われる。
本実施形態の排版装置16の読取不可処理手段25は、2つの動作パターンを具備している。1つ目は、マスタMが巻芯22に最大限に巻き取られたときに読取不可処理を行う動作パターン(第1の動作パターン)であり、2つ目は、マスタMが巻芯22に最大限に巻き取られる前に読取不可処理を行う動作パターン(第2の動作パターン)である。
(第1の動作パターン)
まず第1の動作パターンについて説明する。
マスタMが巻芯22に最大限に巻き取られると、センサー56がマスタMを検知する。この検知に基づいて、装置本体17の操作パネル17B(図8)等に、マスタMが最大に巻き取られたことが表示され、オペレータに報知するようになっている。
また、センサー56が、マスタMが最大に巻き取られたことを検知すると、それと同時に又は所定時間経過後に、読取不可処理手段25が作動する。すなわち、非処理位置Yにある損傷処理部材42を巻芯22側に移動して処理位置Xに配置し、カッター45をマスタMに接触して内側へ切り込む。この動作によって、巻芯22に巻き取られた全てのマスタMが切断される。また、操作パネル17B等には、読取不可処理手段25が作動中であることが表示される。
このように、読取不可処理手段25は、巻芯22に既に巻き取られた全てのマスタMを処理するようになっているので、排版装置16へのマスタMの導入時や、巻芯22への巻き取り時に、読取不可処理に起因するジャムを生じることはほとんどない。
また、図7に示すように、カッター45は、ストッパ58によって切り込み深さが設定されているので、巻芯22を傷つけることもなく、巻芯22には、逃げ溝54が形成されているので、該逃げ溝54に入り込むようにカッター45を配置することができ、巻芯22に巻き取られた1版目のマスタMであっても確実に切断することができる。
図6に示すように、カッター45は、付勢部材50によってマスタM側に強く付勢されているので、確実にマスタMを切断することができる。
上記読取不可処理を行うときの巻芯22の回転速度は、読取不可処理を行わないときの巻芯22の回転速度よりも遅くなっている。これにより、読取不可処理を確実に行うことができるとともに、読取不可処理を行わないときには迅速に排版工程を進めることができる。
マスタMの読取不可処理が終了すると、その後、オペレータによってマスタMの廃棄作業が行われる。この廃棄作業は、図8及び図9に示すように、孔版印刷機10の前面扉17Aを開き、装置フレーム26を引き出すと共に、上側フレーム26Aを上方揺動し、巻芯22及びマスタMを上方に開放する。そして、巻芯22の取手22Dを手に持ってマスタMごと装置フレーム26から取り出し、マスタMを巻芯22から抜き取ってゴミ箱等に廃棄する。
この際、マスタMは、読取不可処理手段25によって読取不可能な状態となっているので、第3者に読み取られることはなく、機密性を保持することができる。また、マスタMは切断されているので、巻芯22から抜き取り易くなっており、廃棄作業を迅速且つ簡単に行うことができる。
(第2の動作パターン)
次に、第2の動作パターンについて説明する。
この動作パターンは、マスタMが巻芯22に最大限に巻き取られる前であって、オペレータが巻芯22に巻き取られたマスタMを排版装置16から取り出す前(直前)に、読取不可処理手段25を作動するものである。
例えば、孔版印刷機10の保守作業(点検、清掃等)の際には、マスタMの巻取量が最大に達していなくてもマスタMを廃棄して排版装置16を空の状態にすることがある。また、第3者が、情報を盗む目的で孔版印刷機10からマスタMを取り出す可能性も考えられる。このような場合に、マスタMの機密性が保持できるようにしている。
この第2の動作パターンでは、孔版印刷機10の停止中又は作動中に、前面扉17Aを開けて排版装置16を引き出す操作を行おうとした場合に、読取不可処理手段25を作動する。具体的には、装置フレーム26やレバー26Dの操作をセンサーで監視しておき、操作が行われようとしたときに、読取不可処理手段25を作動する。或いは、操作パネル17に、巻芯22の途中取出スイッチ又はマスタMの途中廃棄スイッチを設けておき、このスイッチ操作で読取不可処理手段25を作動する。
読取不可処理手段25による処理動作は、第1の動作パターンと同様であり、巻芯22に巻き取られた全マスタを一時にまとめて処理する。したがって、読取不可処理に起因したマスタMの巻取ジャムが生じることはほとんどない。その他の効果も、第1の動作パターンと同様に奏する。
本実施形態では、第1及び第2の動作パターンのいずれにおいても、読取不可処理手段25の処理中に、装置フレーム26を引き出して巻芯22を取り出してしまわないように、巻芯22の取り出しを禁止する取出規制手段が設けられている。この取出規制手段は、図9に示すように、読取不可処理手段25の作動中に、装置フレーム26のレバー26Dを矢印f方向に倒すことができないように、すなわち、排版装置16の引き出しを規制するロック手段を解除できないように、該レバー26Dをロックするものである。
このような取出規制手段を設けることで、読取不可処理を完遂することができ、また、読取不可処理手段25の破損を防止することができる。更に、読取不可処理手段25の作動中、操作パネル17Bに作動中である旨を表示することによって、オペレータが誤って巻芯22を取り出す操作を行わないように、注意を促すことができる。
孔版印刷機10において、排版作業は、通常、新たな製版が行われる際に前の印刷で用いたマスタMを版胴20から取り除くために行われるので、マスタMの排版作業を行っている最中に製版作業が行われる。また、本実施形態では、排版、製版作業と同時に読取不可処理も行われることがある。そのため、読取不可処理作業の途中で、巻芯22を取り出す操作を行うことは、排版作業と製版作業にも悪影響を及ぼす。したがって、読取不可処理作業と並行して他の作業を行う装置では、上記のような取出規制手段を設けることが非常に有益である。
〔第2の実施形態〕
上記第1実施形態では、第1の動作パターンで、マスタMが巻芯22に最大に巻き取られたことをセンサー56(図10)で検知し、この検知に基づいて読取不可処理を行っていた。第2実施形態では、これに加えて、最終のマスタMの先端部が、図10に示す位置Bに巻き取られたときに、読取不可処理手段25を作動するようになっている。この位置Bは、カッター45のマスタMに作用する位置Aよりもマスタ巻取方向cの下流側の位置である。
マスタMの先端部が作用位置Aよりも上流側にあるときにカッター45を作用させると、マスタMの先端部がカッター45に接触することによって巻芯22から剥がれる恐れがある。したがって、本実施形態では、マスタMの先端部が作用位置Aを過ぎてから読取不可処理を開始することで、巻取ジャムの発生を確実に防止している。
また、読取不可処理は、マスタMの先端部が損傷処理部材42の作用位置Aを通り過ぎて、更に巻取方向下流側の位置B’にまで巻き取られたときに開始することもできる。この位置B’は、マスタMの先端部が、後に巻き取られた部分によって上から覆われる位置であり、巻取状態がより安定する。したがって、この安定状態で読取不可処理を行うことによって、ジャムの発生をより確実に防止することができる。
なお、本実施形態は、第1実施形態の読取不可処理手段25の第2の動作パターンにおいても適用することができる。
〔第3の実施形態〕
第1実施形態では、第1の動作パターンで、マスタMが巻芯22に最大に巻き取られたことをセンサー56で検知し、この検知に基づいて読取不可処理を行っていたが、本実施形態では、更に、次のような条件で読取不可処理を行なっている。
図10に示したように、排版装置16には、マスタMの導入開始及び導入完了を検出することによって、排版導入時のジャムを検出するセンサー(検出手段)55が設けられており、このセンサー55を用い、読取不可処理手段25の開始時期を制御する。
すなわち、センサー55がマスタMの先端部を検出し、その後、マスタMが先端側から巻芯22に巻き取られ、センサー55がマスタMの後端部を検出したとき又はそのときから所定時間経過後に、読取不可処理手段25を作動するようになっている。
センサー55がマスタMの後端部を検出するときは、マスタMはある程度巻芯22に巻き取られ、少なくとも先端部がカッター45の作用位置Aを通り過ぎ、又は、先端部が位置B’に到った状態となっている。この状態で読取不可処理手段25を作動することで、巻取ジャムを生じることなく好適にマスタMの処理を行うことができる。また、元々備えているセンサー55を読取不可処理手段25の作動用センサーとしても用いることによって、部品点数減、コスト減を図ることができる。
さらに、排版装置16への導入ジャムを検出するセンサー55を、読取不可処理手段25の作動用センサーとして用いることによって、導入ジャムが生じた場合に、読取不可処理手段25を作動させないようにすることができる。したがって、導入ジャムが生じた状態で読取不可処理手段25を作動することに起因する処理不良を生じることが無く、導入ジャムの修復作業も容易に行うことができる。
なお、本実施形態は、第1実施形態における第2の動作パターンにも適用することができる。
〔第4の実施形態〕
損傷処理部材42のカッター45は、丸刃状に限らず、例えば、図11に示すように構成することができる。カッター45は、外周部に断続的に(周方向に間隔をあけて)複数の刃45Aを備えたものである。刃45Aは、先端が山(三角)形に尖った形状となっており、少なくとも最大限に巻き取られたマスタMの全体の厚さよりも大きい高さTを有している。このカッター45を用いると、巻芯22に巻き取られたマスタMには、マスタ巻取方向に断続的な切れ目が形成され、該切れ目によって読取を不可能にすることができる。
第1実施形態のように、丸刃状のカッター45によってマスタMを切断すると、該マスタMは周方向に完全に切断されるため、マスタMの巻取状態が崩れる恐れがあるが、本実施形態では、マスタMに断続的な切れ目を形成するだけであるので、マスタMの巻崩れが生じることはほとんど無い。
〔第5の実施形態〕
マスタMに断続的な切れ目を形成する手段として、第4実施形態では、図11に示すような特殊な形状のカッター45を用いていたが、これに換えて、カッター45を次のように作動させることもできる。
すなわち、読取不可処理中、図6に示すように、回転カム52を常時回転又は反復回転させ、損傷処理部材42を、処理位置Xと非処理位置Yとの間で往復揺動させる。これによって、損傷処理部材42をマスタMに断続的に接触し、断続的な切れ目を形成することができる。本実施形態においても、第3実施形態と同様の作用効果を奏するが、特殊な形状のカッター45が不要となる分、安価に構成することができる。
〔第6の実施形態〕
図12は、本発明の第6実施形態に係る読取不可処理手段25の平面断面図であり、図13は、図12のXIII−XIII矢視図である。本実施形態の読取不可処理手段25は、排版装置16から巻芯22及びマスタMを取り出す動作を利用して、マスタMを損傷させるものである。
図8及び図9に示すように、巻芯22は、上側フレーム26Aを上方揺動することによって、上方から装着及び取出をすることを説明したが、他の方法として、上側フレーム26Aを閉じたまま、レバー26Dを矢印f方向に倒すことによって、装置フレーム26の開口26Eを介して、巻芯22を軸方向に装着及び取出をすることができるようになっている。そして、本実施形態の読取不可処理手段25は、装置フレーム26の開口(取出位置)26Eに、マスタMに接触して損傷させる損傷処理部材60を備えている。
損傷処理部材60は、開口26Eの周囲から中心に向けて突出するカッターであり、図例では、4つのカッター60が等間隔(90°間隔)で配置されている。そして、巻芯22を開口26Eから矢印g方向に抜き取るときに、マスタMがカッター60に接触して、切断されるようになっている。巻芯22を取り出すタイミングは、第1実施形態と同様に、マスタMが最大限に巻き取られたとき以降(第1の動作パターン)、又は、その前(第2の動作パターン)である。
本実施形態では、第1実施形態のように、損傷処理部材を移動させる手段等が不要であるため、読取不可処理手段25を簡単な構造で安価に構成することができる。
〔第7の実施形態〕
図14は、本発明の第7実施形態に係る読取不可処理手段25の斜視図である。本実施形態は、第6実施形態と同様に、排版装置16から巻芯22を取り出す動作を利用してマスタMを損傷させるものである。
本実施形態の場合、読取不可処理手段25は、装置フレーム26の開口(取出部位)26Eの近傍に配置された円盤状のカッター61からなる損傷処理部材を備えており、カッター61は、中心軸心O1回りに回転駆動され、その軸心O1は、巻芯22の軸心O2に対して、上方から見て(C矢視)平行であるが、側方から見て(D矢視)斜めに傾斜している。
本実施形態では、排版装置16から巻芯22を抜き取るときに、オペレーターが巻芯22を軸心回りに矢印h方向に回転させながら軸心方向(矢印g方向)に移動する。すると、マスタMは、カッター61によって螺旋状に切断(S)され、読取不可能な状態となる。本実施形態は、第6実施形態と同様に簡単な構造で安価に構成することができる。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上記実施形態のほかに、例えば、次のように実施することができる。
(1)図6に示すように、読取不可処理手段25の移動機構43を構成する付勢部材50は、引っ張りコイルバネに限らず、軸51に装着した捻りコイルバネやその他の弾性部材によって構成することができる。
(2)読取不可処理手段25の移動機構43は、回転カム52に換えて、ソレノイドによって支持アーム48を揺動させる構成とすることができる。
(3)読取不可処理手段25の移動機構43は、損傷処理部材42を揺動させるものとなっているが、処理位置Xと非処理位置Yとの間で、直線往復移動させるものであってもよい。
(4)カッター45は、回転することなく固定することもできる。また、駆動装置によって回転駆動することなく、巻芯22との接触で連れ回り(遊転)するように構成することもできる。また、カッター45は、円盤状とするに限らず帯状(ナイフ状)に形成することもできる。
(5)図12、図13において、損傷処理部材60は、カッターに換えて、例えば熱線のような発熱体(加熱部材)で構成することができ、この場合、マスタMを熱によって切断(溶融)することができる。
(6)図12、図13において、損傷処理部材60の数は限定されるものではなく、また、損傷処理部材60を巻芯22の径方向に出退自在に備えてもよい。
(7)版胴20は、単胴式に限らず複胴式であってもよい。
本発明は、孔版印刷機の排版装置に利用可能である。
本発明の実施形態に係る孔版印刷機の概略的な正面図である。 排版装置の概略的な正面図である。 使用済みのマスタを導入ローラで取り込む様子を示す拡大正面図である。 巻芯及び読取不可処理手段を示す斜視図である。 回転駆動部の概略的な正面図である。 読取不可処理手段の概略正面図である。 読取不可処理手段の概略平面図である。 孔版印刷機の全体斜視図である。 排版装置の斜視図である。 排版装置の作用を示す概略正面図である。 第4の実施形態に係る損傷処理部材の正面図である。 第6の実施形態に係る読取不可処理手段の平面断面図である。 図12のXIII−XIII矢視図である。 第7の実施形態に係る読取不可処理手段の斜視図である。
符号の説明
10 孔版印刷機
16 排版装置
20 版胴
22 巻芯
25 読取不可処理手段
42 損傷処理部材
43 移動機構
45 カッター
54 逃げ溝
55 センサー(検知手段)
60 カッター
61 カッター

Claims (15)

  1. 原稿の内容が記録された使用済みのマスタを版胴から剥ぎ取って搬送するとともに、該マスタを巻芯に巻き取って貯留する、孔版印刷機における排版装置において、
    前記巻芯に巻き取られたマスタの内容を読み取り不可能な状態に処理する読取不可処理手段を備え、該読取不可処理手段が、巻芯に巻き取られた全てのマスタをまとめて処理するように構成されていることを特徴とする、孔版印刷機における排版装置。
  2. 前記読取不可処理手段が、前記マスタを処理する処理位置と前記マスタから離反する非処理位置との間で、移動自在に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の孔版印刷機における排版装置。
  3. 前記読取不可処理手段が、所定のタイミングで前記マスタの処理を開始するように構成されており、
    前記所定のタイミングが、前記巻芯に前記マスタを最大限に巻き取ったとき以降であることを特徴とする、請求項2記載の孔版印刷機における排版装置。
  4. 前記読取不可処理手段が、所定のタイミングで前記マスタの処理を開始するように構成されており、
    前記所定のタイミングが、前記巻芯及び前記マスタを排版装置から取り出す直前であることを特徴とする、請求項2記載の孔版印刷機における排版装置。
  5. 前記読取不可処理手段が、所定のタイミングで前記マスタの処理を開始するように構成されており、
    前記所定のタイミングが、前記マスタに対して前記読取不可処理手段が作用する位置よりもマスタ巻取方向の下流側に、前記マスタの先端部が位置しているときであることを特徴とする、請求項2記載の孔版印刷機における排版装置。
  6. 前記マスタを巻芯に巻き取る前に、搬送されているマスタの先端部及び後端部を検知する検知手段を備えており、
    前記所定のタイミングが、前記マスタの先端部を前記検知手段によって検出した後に巻芯に巻き取り、その後、マスタの後端部を前記検知手段によって検出したとき以降であることを特徴とする、請求項5記載の孔版印刷機における排版装置。
  7. 前記マスタの処理が終了するまで、排版装置からの前記巻芯及び前記マスタの取り出しを禁止する、取出規制手段を備えていることを特徴とする、請求項2記載の孔版印刷機における排版装置。
  8. 前記取出規制手段が作動しているときに前記マスタの処理中であることを報知する、報知手段を備えていることを特徴とする、請求項7記載の孔版印刷機における排版装置。
  9. 前記読取不可処理手段が、前記マスタに接触して該マスタを損傷させる損傷処理部材を備えており、前記巻芯に、前記損傷処理部材との接触を回避する逃げ溝が形成されていることを特徴とする、請求項2記載の孔版印刷機における排版装置。
  10. 前記読取不可処理手段が、巻芯に巻き取られたマスタを、巻取方向に断続的に切断する損傷処理部材を備えていることを特徴とする、請求項2記載の孔版印刷機における排版装置。
  11. 前記巻芯の回転速度が可変設定可能に構成されており、前記読取不可処理手段が前記処理位置にあるときの前記巻芯の回転速度が、前記非処理位置にあるときの巻芯の回転速度よりも遅く設定されていることを特徴とする、請求項2記載の孔版印刷機における排版装置。
  12. 前記読取不可処理手段が、排版装置からの前記巻芯の取出部位に設けられ且つ該取出部位から巻芯を取り出す動作を利用して前記マスタを損傷させる、損傷処理部材を備えていることを特徴とする、請求項1記載の孔版印刷機における排版装置。
  13. 前記損傷処理部材が、前記巻芯を軸方向に取り出すことで前記マスタを切断するカッターであることを特徴とする、請求項12記載の孔版印刷機における排版装置。
  14. 前記損傷処理部材が、前記巻芯を軸心回りに回しながら軸方向に取り出すことで前記マスタを螺旋状に切断するカッターであることを特徴とする、請求項12記載の孔版印刷機における排版装置。
  15. 前記損傷処理部材が、前記マスタに接触することで熱切断する加熱部材であることを特徴とする、請求項12記載の孔版印刷機における排版装置。

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